JP2012053178A - 防眩性帯電防止ハードコートフィルム及び偏光板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透明プラスチックフィルムの表面に、(A)(a)多官能性(メタ)アクリレート系モノマー及び/又は(メタ)アクリレート系プレポリマーからなる活性エネルギー線硬化型化合物と、(b)重合性不飽和基を有する有機化合物で表面修飾されたシリカ微粒子を含む活性エネルギー線感応型組成物、及び(B)導電性有機高分子化合物を含有するハードコート層形成材料を用いて形成されたハードコート層を有することを特徴とする防眩性帯電防止ハードコートフィルムである。
【選択図】図2
Description
しかし、防眩層を設けた場合、外光を散乱させるばかりでなく、ディスプレイ内部からの光も散乱される結果、得られる画像の鮮明度等が低下するという問題がある。
そこで、防眩性を維持しながら高精細(高い像鮮明度)な防眩層を有する防眩フィルムを得るため、有機微粒子を添加した系について種々検討が為されている(例えば、特許文献1及び2参照)。これは、防眩層を形成する樹脂と有機微粒子の屈折率が近接するため、光の損失が少なく高精細な防眩フィルムを得るのに有利であるためと推定される。
しかし、有機微粒子を添加した防眩フィルムであっても、高精細化を実現するためには、防眩層の膜厚と有機微粒子の粒径の厳密な調整を行い、防眩層表面への微粒子の突出具合等を調整する必要がある。さらに、有機微粒子の粒径にばらつきが生じると、防眩層にムラが発生するという問題がある。
ハードコート層形成材料として、多官能性(メタ)アクリレート系モノマーや(メタ)アクリレート系プレポリマーからなる活性エネルギー線硬化型化合物と、表面官能基としての(メタ)アクリロイル基を含む基を有するシリカ微粒子を含む活性エネルギー線感応型組成物、及び導電性有機高分子化合物を所定の割合で含有するものを用いることにより、前記シリカ微粒子の凝集が生じ、このハードコート層形成材料を用いて透明プラスチックフィルムの表面にハードコート層を形成することにより、前記の目的に適合し得る防眩性帯電防止ハードコートフィルムが得られることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
[1]透明プラスチックフィルムの表面に、(A)(a)多官能性(メタ)アクリレート系モノマー及び/又は(メタ)アクリレート系プレポリマーからなる活性エネルギー線硬化型化合物と、(b)重合性不飽和基を有する有機化合物で表面修飾されたシリカ微粒子を含む活性エネルギー線感応型組成物、及び(B)導電性有機高分子化合物を含有するハードコート層形成材料を用いて形成されたハードコート層を有することを特徴とする防眩性帯電防止ハードコートフィルム、
[2]ハードコート層の表面抵抗率が1×1013Ω/□以下である上記[1]項に記載の防眩性帯電防止ハードコートフィルム、
[3]ハードコート層形成材料における(B)成分の含有量が、(A)成分中の全活性エネルギー線硬化型化合物100質量部に対して5〜50質量部である上記[1]又は[2]項に記載の防眩性帯電防止ハードコートフィルム、及び
[4]上記[1]〜[3]項のいずれかに記載の防眩性ハードコートフィルムを形成した面の反対側の面を偏光子に貼合してなる偏光板、
を提供するものである。
本発明の防眩性帯電防止ハードコートフィルムは、透明プラスチックフィルムの表面に、(A)(a)多官能性(メタ)アクリレート系モノマー及び/又は(メタ)アクリレート系プレポリマーからなる活性エネルギー線硬化型化合物と、(b)重合性不飽和基を有する有機化合物で表面修飾されたシリカ微粒子を含む活性エネルギー線感応型組成物、及び(B)導電性有機高分子化合物を含有するハードコート層形成材料を用いて形成されたハードコート層を有することを特徴とする。
本発明におけるハードコート層形成材料は、(A)活性エネルギー線感応型化合物、(B)導電性有機高分子化合物、及び必要に応じて用いられる(C)有機微粒子を含有する。
((A)活性エネルギー線感応型組成物)
前記ハードコート層形成材料において、(A)成分として用いられる活性エネルギー線感応型組成物には、(a)活性エネルギー線硬化型化合物である多官能性(メタ)アクリレート系モノマー及び/又は(メタ)アクリレート系プレポリマーと、(b)重合性不飽和基を有する有機化合物で表面修飾されたシリカ微粒子が必須成分として含まれる。
なお、本発明において、活性エネルギー線とは、電磁波又は荷電粒子線の中でエネルギー量子を有するもの、すなわち、紫外線や電子線などを指す。
本発明においては、(a)活性エネルギー線硬化型化合物として、多官能性(メタ)アクリレート系モノマー及び/又は(メタ)アクリレート系プレポリマーが用いられる。
前記多官能性(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの多官能性(メタ)アクリレートが挙げられる。これらのモノマーは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシアクリレート系プレポリマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。ウレタンアクリレート系プレポリマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。さらに、ポリオールアクリレート系プレポリマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。これらのプレポリマーは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、前記多官能性(メタ)アクリレート系モノマーと併用してもよい。
なお、本発明において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートの両方を指し、他の類似用語も同様である。
本発明における(b)重合性不飽和基を有する有機化合物で表面修飾されたシリカ微粒子とは、前記多官能性(メタ)アクリレート系モノマー及び/又は(メタ)アクリレート系プレポリマーと反応することができる官能基を表面に有しているシリカ微粒子をいう。
上記重合性不飽和基を有する有機化合物で表面修飾されたシリカ微粒子は、例えば、通常、平均粒径0.5〜500nm程度、好ましくは平均粒径1〜100nmのシリカ微粒子表面のシラノール基に、該シラノール基と反応し得る官能基である(メタ)アクリロイル基を有する重合性不飽和基含有有機化合物を反応させることにより、得ることができる。
前記シラノール基と反応し得る官能基を有する重合性不飽和基含有有機化合物としては、例えば一般式(I)
で表される化合物などが好ましく用いられる。
このようにして得られた重合性不飽和基含有有機化合物が結合したシリカ微粒子は、粒径がナノメートルオーダーであるために光の波長より小さく、ハードコート層中に添加されていても光散乱に寄与せず、そのようなハードコートフィルムは、通常、防眩性を発現しない。しかし、後述の(B)成分である導電性有機高分子化合物の存在によって、前記重合性不飽和基を有する有機化合物で表面修飾されたシリカ微粒子は、凝集を生じ、ハードコート層の表層部にマイクロメートルオーダーの凹凸を形成するものと推定される。結果、本発明のハードコートフィルムは、マイクロメートルオーダーの微粒子を添加しなくとも防眩性を発現する。なお、本発明においては、2次凝集によりハードコート層表層部に凹凸が形成されるため、ハードコート層の膜厚と添加する粒子の粒径の微調整等を一切必要としない。
このようなシリカ微粒子に重合性不飽和基を有する有機化合物を結合させてなる化合物を含む活性エネルギー線感応型組成物(A)として、例えばJSR(株)製、商品名「オプスターZ7530」、「オプスターZ7524」、「オプスターTU4086」などが上市されている。
本発明においては、この(b)成分の重合性不飽和基を有する有機化合物で表面修飾されたシリカ微粒子の含有量は、(A)成分の活性エネルギー線感応型組成物の固形分中に、通常5〜90質量%程度、好ましくは10〜70質量%である。
なお、この(b)成分の重合性不飽和基を有する有機化合物で表面修飾されたシリカ微粒子における一次平均粒径は、コールター・カウンター法によって測定することができる。
当該ハードコート層形成材料において、(B)成分として用いられる導電性有機高分子化合物としては、導電性を有し、適当な溶媒に溶解又は分散し得る高分子化合物であればよく、特に制限されず、例えばトランス型ポリアセチレン、シス型ポリアセチレン、ポリジアセチレンなどのポリアセチレン系;ポリ(p−フェニレン)やポリ(m−フェニレン)などのポリ(フェニレン)系;ポリチオフェン、ポリ(3−アルキルチオフェン)、ポリ(3−チオフェン−β−エタンスルホン酸)、ポリアルキレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホネートとの混合物などのポリチオフェン系;ポリアニリン、ポリメチルアニリン、ポリメトキシアニリンなどのポリアニリン系;ポリピロール、ポリ3−メチルピロール、ポリ3−オクチルピロールなどのポリピロール系;ポリ(p−フェニレンビニレン)などのポリ(フェニレンビニレン)系;ポリ(ビニレンスルフィド)系;ポリ(p−フェニレンスルフィド)系;ポリ(チエニレンビニレン)系化合物などが用いられる。これらの中で、重合性不飽和基を有する有機化合物で表面修飾されたシリカ微粒子の凝集性、帯電防止性能及び入手の容易さなどの観点から、ポリチオフェン系、ポリアニリン系及びポリピロール系化合物が好ましく、着色性、導電性の観点から、ポリチオフェン系化合物がより好ましい。
これらの導電性有機高分子化合物は、帯電防止性能を良好なものとするために、従来公知のドーピング剤を適宜加えることができる。ポリチオフェンの場合、ドーピング剤としては、例えば塩化リチウム、脂肪族カルボン酸リチウム、テトラシアノキノリン、ポリスチレンスルホン酸などが挙げられる。このようなドーピング剤を含むポリチオフェンとしては、例えば3,4−エチレンジオキシチオフェンを、高分子量ポリスチレンスルホン酸中で重合してなるポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)[信越ポリマー(株)製「ポリチオフェンコート」]を挙げることができる。
また、本発明においては、本発明の目的が損なわれない範囲で、他の導電性化合物を、適宜併用することができる。
当該ハードコート層形成材料において、必要に応じて(C)成分として用いられる有機微粒子としては、例えばシリコーン系微粒子、メラミン系樹脂微粒子、アクリル系樹脂微粒子(例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂微粒子(以下、PMMA微粒子と称する場合がある)などが挙げられる。)、アクリル−スチレン系共重合体微粒子、ポリカーボネート系微粒子、ポリエチレン系微粒子、ポリスチレン系微粒子、ベンゾグアナミン系樹脂微粒子などが挙げられる。これらは、球状であって粒度分布の狭いものが好ましい。この有機微粒子の平均粒径は、防眩性能の観点から、1〜10μmであることが好ましく、粒度分布はコールター・カウンター法で測定した平均粒径の±2μm以内の範囲の重量分率が70%以上であるものが好ましい。
当該ハードコート層形成材料には、所望により光重合開始剤を含有させることができる。この光重合開始剤としては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4'−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリ−ブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、p−ジメチルアミノ安息香酸エステルなどが挙げられる。
これらは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、その含有量は、全活性エネルギー線硬化型化合物100質量部に対して、通常0.2〜10質量部の範囲で選ばれる。
当該ハードコート層形成材料は、必要に応じ、適当な溶媒中に前述した(A)成分の活性エネルギー線硬化型化合物、(B)成分の導電性有機高分子化合物、必要に応じて(C)成分の有機微粒子、及び所望により用いられる光重合開始剤や各種添加成分、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、シラン系カップリング剤、光安定剤、レベリング剤、消泡剤などを、それぞれ所定の割合で加え、溶解又は分散させることにより、調製することができる。
この際用いる溶媒としては、例えばヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、塩化メチレン、塩化エチレンなどのハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、イソホロン、シクロヘキサノンなどのケトン、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル、エチルセロソルブなどのセロソルブ系溶剤などが挙げられる。
このようにして調製されたハードコート層形成材料の濃度、粘度としては、コーティング可能なものであればよく、特に制限されず、状況に応じて適宜選定することができる。
本発明の防眩性帯電防止ハードコートフィルムにおいては、透明プラスチックフィルムの表面に、前述のようにして調製したハードコート層形成材料を用いて、ハードコート層を形成する。
前記の透明プラスチックフィルムについては特に制限はなく、従来光学用ハードコートフィルムの基材として公知のプラスチックフィルムの中から適宜選択して用いることができる。このようなプラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリアミドフィルム、アクリル樹脂フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、シクロオレフィン樹脂フィルム等のプラスチックフィルムを挙げることができる。
これらのプラスチックフィルムの厚さは特に制限はなく、状況に応じて適宜選定されるが、通常15〜300μm、好ましくは30〜200μmの範囲である。また、このプラスチックフィルムは、その表面に設けられる層との密着性を向上させる目的で、所望により片面又は両面に、酸化法や凹凸化法などにより表面処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、プラズマ処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理などが挙げられ、また、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理法はプラスチックフィルムの種類に応じて適宜選ばれるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性などの面から、好ましく用いられる。また、プライマー層を設けることもできる。
前記透明プラスチックフィルムの表面に、前記ハードコート層形成材料を、従来公知の方法、例えばバーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法などを用いて、コーティングして塗膜を形成させ、乾燥後、これに活性エネルギー線を照射して該塗膜を硬化させることにより、ハードコート層が形成される。
活性エネルギー線としては、例えば紫外線や電子線などが挙げられる。上記紫外線は、高圧水銀ランプ、無電極ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプなどで得られ、照射量は、通常100〜500mJ/cm2であり、一方電子線は、電子線加速器などによって得られ、照射量は、通常150〜350kVである。この活性エネルギー線の中では、特に紫外線が好適である。なお、電子線を使用する場合は、光重合開始剤を添加することなく、硬化膜を得ることができる。
このようにして形成されたハードコート層の厚さは、良好な防眩性、及びハードコート層の硬化収縮によってハードコートフィルムがカールすることを防止する観点から、好ましくは1〜20μm、より好ましくは2〜10μm、さらに好ましくは3〜7μmである。
このようにして得られた本発明の防眩性帯電防止ハードコートフィルムは、下記の光学特性を有している。
(ヘーズ値)
ここで、内部ヘーズ値とはハードコート層の内部散乱に起因するヘーズ値を表し、外部ヘーズ値とはハードコート層の表層部における外部散乱に起因するヘーズ値を表し、全ヘーズ値とはハードコート層の内部散乱と外部散乱の両方に起因するヘーズ値を表す。
ハードコート層の全ヘーズ値は、通常20%以下であって、「全ヘーズ値−内部ヘーズ値」(すなわち、外部ヘーズ値)の値は、好ましくは10%以下、より好ましくは7%以下である。全ヘーズ値及び外部ヘーズ値の値が上記範囲にあれば、白茶けやコントラストの低下が低減されると共に、高い像鮮明度と適度の防眩性を兼ね備えている。
JIS K 7136に準拠して、防眩性帯電防止ハードコートフィルムのヘーズ値及びそのハードコートフィルムに用いられる透明プラスチックフィルム単独のヘーズ値を測定する。
前記防眩性帯電防止ハードコートフィルムのヘーズ値から前記透明プラスチックフィルム単独のヘーズ値を差し引いた値をハードコート層の全ヘーズ値とする。
次に、厚さ50μmの透明フィルム上に厚さ20μmの粘着層が設けられた透明粘着シートを、防眩性帯電防止ハードコートフィルムのハードコート層側に貼付して内部ヘーズ値算出用試料とする。該透明粘着シートのヘーズ値、及び内部ヘーズ値算出用試料のヘーズ値をJIS K 7136に準拠して測定する。
そして、内部ヘーズ値算出用試料のヘーズ値から前記透明粘着シートのヘーズ値及び透明プラスチックフィルム単独のヘーズ値を差し引いた値を防眩性ハードコートフィルムのハードコート層の内部ヘーズ値とする。
さらに、前記全ヘーズ値から前記内部ヘーズ値を差し引いた値をハードコート層の外部ヘーズ値とする。
なお、前記透明粘着シートのヘーズ値は、計算の過程で差し引きされるため、内部ヘーズ値及び全ヘーズ値に直接の影響を与えないので、特に制限されないが、測定精度を高める観点から15%未満のヘーズ値のものを用いることが好ましい。また、同様の観点から前記透明粘着シートの全光線透過率は85%以上であることが好ましい。
グロスメーターを使用し、JIS K 7105に準拠して測定したハードコートフィルムのハードコート層側の60°鏡面光沢度は、通常130以下であり、好ましくは80〜130、より好ましくは90〜130である。
(全光線透過率)
ハードコートフィルムの全光線透過率は、通常85%以上であり、88%以上が好ましい。全光線透過率が85%未満では透明性が不十分となるおそれがある。なお、全光線透過率は、JIS K 7361−1に準拠して測定した値である。
(像鮮明度の5クシ合計値)
表示画質、すなわち視認性の指標として像鮮明度の5クシ合計値が用いられる。この値が250以上であれば十分に良好な表示画質(視認性)が得られ、高精細な防眩性が付与される。なお、ハードコートフィルムの像鮮明度の5クシ合計値は、JIS K 7374:2007に準拠して測定により求めることができる。
なお、前記光学特性の具体的な測定方法については、後で説明する。
なお、上記表面抵抗率の測定は、後で説明する。
なお、前記算術平均粗さRaは、JIS B 601−1994に準拠して測定した値である。
本発明の防眩性帯電防止ハードコートフィルムにおいては、必要により、ハードコート層上に、反射防止性を付与させるなどの目的で低屈折率層、例えばシロキサン系被膜、フッ素系被膜などを設けることができる。この場合、該低屈折率層の厚さは、0.05〜1μm程度が適当である。この低屈折率層を設けることにより、太陽光、蛍光灯などによる反射から生じる画面の映り込みが解消され、また、表面の反射率を抑えることで、全光線透過率が上がり、透明性が向上する。なお、低屈折率層の種類によっては、さらに帯電防止性の向上を図ることができる。
本発明の防眩性帯電防止ハードコートフィルムにおいては、プラスチックフィルムのハードコート層とは反対側の面に、液晶表示体などの被着体に貼着させるための粘着剤層を形成させることができる。この粘着剤層を構成する粘着剤としては、光学用途に適した、例えばアクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤が好ましく用いられる。この粘着剤層の厚さは、通常5〜100μm、好ましくは10〜60μmの範囲である。
さらに、この粘着剤層の上に、必要に応じて剥離シートを設けることができる。この剥離シートとしては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンなどの各種プラスチックフィルムに、シリコーン樹脂などの剥離剤を塗布したものなどが挙げられる。この剥離シートの厚さについては特に制限はないが、通常20〜150μm程度である。
このような粘着剤層を形成した防眩性帯電防止ハードコートフィルムは、LCD、PDPなどのディスプレイに対して、防眩性能や耐擦傷性能、帯電防止性能などを付与する部材として好適に用いられ、特にLCDなどにおける偏光板貼付用として好適である。
本発明はまた、前述した本発明の防眩性帯電防止ハードコートフィルムのハードコート層形成面の反対側の面を偏光子に貼合してなる偏光板をも提供する。
LCDにおける液晶セルは一般に配向層を形成した2枚の透明電極基板を、その配向層を内側にして、スペーサにより所定の間隙になるように配置し、その周辺をシールして該間隙に液晶材料を挟持させると共に、上記2枚の透明電極基板の外側表面に、それぞれ粘着剤層を介して偏光板が配設された構造を有している。
図1は、粘着剤層が設けられた偏光板(以下、粘着剤層付き偏光板と称する場合がある。)の1例の構成を示す斜視図である。この図で示されるように、該粘着剤層付き偏光板10は、一般的には、ポリビニルアルコール系偏光子1の両面に、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム2及び2'を貼り合わせた3層構造の偏光板6、そして、その片面(TACフィルム2側)には液晶セルなどの光学部品に貼着するための粘着剤層3が形成され、さらに、この粘着剤層3には、剥離シート4が貼着されている。また、この粘着剤層付き偏光板10の該粘着剤層3と反対側の面には、通常表面保護フィルム5が設けられている。
本発明の粘着剤層付き偏光板10は、偏光子の両面に設けられたTACフィルムのうち、一方のTACフィルム若しくは両方のTACフィルムに上述した本発明に係わるハードコート層が設けられたものである。図1に示すように粘着剤層付き偏光板10に粘着剤層3、剥離シート4及び表面保護フィルム5が設けられている場合は、特に表面保護フィルム5側のTACフィルム2'側に本発明に係わるハードコート層が設けられる。
なお、図2は、本発明の偏光板を含有する粘着剤層付き偏光板30の1例の構成を示す断面模式図である。
まず、基材の透明プラスチックフィルムとしてTACフィルムのような光学異方性のないフィルム12'を用い、その一方の面に本発明に係わるハードコート層13を形成し、防眩性帯電防止ハードコートフィルム14とする。次に、偏光子11の片面にハードコート層13の形成されていないTACフィルム12を、反対面に前記防眩性帯電防止ハードコートフィルム14を、接着剤層15、15'を用いて積層する。透明プラスチックフィルムにTACフィルムを使用する場合、接着剤による積層で密着性を向上させるには、前述した表面処理の他けん化処理なども行うことができる。
これにより、防眩性能と耐擦傷性能及び帯電防止性能に優れる偏光板20が得られる。偏光板20も必要に応じて、ハードコート層13の設けられる面に、前記図1に示す剥離可能な表面保護フィルム5や、その反対面に液晶セル等の光学部品に貼付するための粘着剤層16や剥離シート17が設けられてもよい。
本発明の偏光板は、LCDにおける液晶セル用を始め、光量調整用、偏光干渉応用装置用、光学的欠陥検出器用などとして用いることができる。
なお、ハードコート層形成材料における重合性不飽和基を有する有機化合物で表面修飾されたシリカ微粒子及び有機微粒子の平均粒径、並びにハードコートフィルムの性能は、下記の方法に従って求めた。
<ハードコート層形成材料>
(1)重合性不飽和基を有する有機化合物で表面修飾されたシリカ微粒子の平均粒径
コールター・カウンター法により測定した。
(2)有機微粒子の平均粒径
コールター・カウンター法により測定した。
(3)有機微粒子の屈折率
有機微粒子のモノマーの組成に基づき含有モノマーの屈折率と含有質量比から平均屈折率を算出する。
(4)内部ヘーズ値、全ヘーズ値及び外部ヘーズ値
明細書本文記載の方法に従い、機器として日本電色工業(株)製ヘーズメーター「NDH−2000」を用い、ハードコートフィルムのハードコート層の内部ヘーズ値、全ヘーズ値及び外部ヘーズ値を測定した。
(5)全光線透過率
日本電色工業(株)製ヘーズメーター「NDH−2000」を用い、JIS K 7361−1に準拠して、ハードコートフィルムの全光線透過率を測定した。
(6)防眩性の評価
ハードコートフィルムをアクリル樹脂黒板[住友化学(株)製]にアクリル系粘着剤を介して貼り付けたサンプルを蛍光灯下にて目視にて観察し、下記の判定基準でハードコートフィルムの防眩性を評価する。
○:蛍光灯の映り込み防止性が十分であり、かつ白茶けが少ない
×:蛍光灯の映り込み防止性が不十分である、又は蛍光灯の映り込み防止性は十分であるが、白茶けが大きく視認性に劣るもの
(7)60°鏡面光沢度
日本電色社製グロスメーター「PG−1M」を使用し、JIS K 7105に準拠してハードコートフィルムのハードコート層側の60°鏡面光沢度を測定する。130以下が合格である。
(8)像鮮明度の5クシ合計値
スガ試験機(株)製写像性測定器「ICM−10P」を使用し、JIS K 7374:2007に準拠してハードコートフィルムを測定する。5種類のスリット(スリット幅:0.125mm、0.25mm、0.5mm、1mm及び2mm)の合計値を像鮮明度と表す。この像鮮明度の合計値が250以上であれば合格である。
(9)表面抵抗率
高抵抗率計[三菱化学(株)製、機種名「ハイレスタ・UP」]を用い、印加電圧100Vにてハードコートフィルムのハードコート層最表面の測定を行った。1×1013Ω/□以下が合格である。
(10)表面の算術平均粗さRa
ハードコート層表面について表面粗さ測定機[(株)ミツトヨ製、機種名「SV30000S4」]を用い、JIS B 601−1994に準拠して測定する。
(11)スチールウール硬度の評価
スチールウール#0000を用いて、ハードコート層表面を10往復擦傷(加重200g/cm2(19.6kN/m2))させた後、目視観察した。ハードコート層表面に傷が見られない場合を○、傷が見られる場合を×と評価した。
(A)活性エネルギー線感応型組成物として、(b)重合性不飽和基を有する有機化合物で表面修飾されたシリカ微粒子を含むハードコート剤[JSR(株)製、商品名「オプスターZ7530」、固形分濃度73質量%、重合性不飽和基を有する有機化合物で表面修飾されたシリカ微粒子と多官能性アクリレートを含有する全活性エネルギー線硬化型化合物42質量%、光開始剤3質量%、メチルエチルケトン27質量%]100質量部、(B)帯電防止剤として、導電性有機高分子[信越ポリマー(株)製、商品名「SEPLEGYDA SAS−MO5」、固形分濃度5質量%、ポリチオフェン5質量%、メチルエチルケトン95質量%]200質量部を均一に混合し、固形分約27質量%であるハードコート層用コート剤1を作製した。
(A)活性エネルギー線感応型組成物として、(b)重合性不飽和基を有する有機化合物で表面修飾されたシリカ微粒子を含むハードコート剤[JSR(株)製、商品名「オプスターZ7530」、固形分濃度73質量%、重合性不飽和基を有する有機化合物で表面修飾されたシリカ微粒子と多官能性アクリレートを含有する全活性エネルギー線硬化型化合物42質量%、光開始剤3質量%、メチルエチルケトン27質量%]100質量部、(B)帯電防止剤として、導電性有機高分子[信越ポリマー(株)製、商品名「SEPLEGYDA SAS−MO5」、固形分濃度5質量%、ポリチオフェン5質量%、メチルエチルケトン95質量%]150質量部、(C)有機微粒子として、球状のPMMA微粒子[積水化成品工業(株)製、平均粒径4.5μm、屈折率1.49]5質量部を均一に混合し、固形分約33質量%であるハードコート層用コート剤2を作製した。
(A)活性エネルギー線感応型組成物として、(b)重合性不飽和基を有する有機化合物で表面修飾されたシリカ微粒子を含まないハードコート剤[大日精化工業(株)製、商品名「セイカビームEXF−L203(CS−1)」、固形分濃度70質量%、単官能性モノマーと多官能性アクリレートを含有する活性エネルギー線硬化型化合物65質量%、光開始剤5質量%、プロピレングリコールモノメチルアセテート30質量%]100質量部、及び(B)帯電防止剤として、導電性有機高分子[信越ポリマー(株)製、商品名「SEPLEGYDA SAS−MO5」、固形分濃度5質量%、ポリチオフェン5質量%、メチルエチルケトン95質量%]100質量部を均一に混合し、固形分約37質量%であるハードコート層用コート剤3を作製した。
(A)活性エネルギー線感応型組成物として、(b)重合性不飽和基を有する有機化合物で表面修飾されたシリカ微粒子を含むハードコート剤[JSR(株)製、商品名「オプスターZ7530」、固形分濃度73質量%、重合性不飽和基を有する有機化合物で表面修飾されたシリカ微粒子と多官能性アクリレートを含有する全活性エネルギー線硬化型化合物42質量%、光開始剤3質量%、メチルエチルケトン27質量%]100質量部、及び希釈溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル83質量部を均一に混合し、固形分約40質量%であるハードコート層用コート剤4を作製した。
(B)帯電防止剤として、アンチモン酸錫[日産化学(株)製、「セルナックスCX−Z210IP−F2」固形分濃度20質量%、アンチモン酸錫20質量%、イソプロピルアルコール80質量%]150質量部を加えた以外は調製例1と同様にして、固形分約41質量%であるハードコート層用コート剤5を作製した。
(A)活性エネルギー線感応型組成物として、(b)重合性不飽和基を有する有機化合物で表面修飾されたシリカ微粒子を含まないハードコート剤[大日精化工業(株)製、商品名「セイカビームEXF−L203(CS−1)」、固形分濃度70質量%、単官能性モノマーと多官能性アクリレートを含有する活性エネルギー線硬化型化合物65質量%、光開始剤5質量%、プロピレングリコールモノメチルアセテート30質量%]100質量部、及び(B)帯電防止剤として、導電性有機高分子[信越ポリマー(株)製、商品名「SEPLEGYDA SAS−MO5」、固形分濃度5質量%、ポリチオフェン5質量%、メチルエチルケトン95質量%]150質量部、(C)有機微粒子として、球状のPMMA微粒子[積水化成品工業(株)製、平均粒径4.5μm、屈折率1.49]5質量部を均一に混合し、固形分約33質量%であるハードコート層用コート剤6を作製した。
前記調製例1〜6で得られたハードコート層用コート剤1〜6の性状を第1表に示す。
厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム[東洋紡績(株)製、「コスモシャインA4300」]の表面に、調製例1で得たコート剤1を硬化膜厚が約3μmになるようにマイヤーバーで塗工した。70℃のオーブンで1分間乾燥させた後、高圧水銀ランプで200mJ/cm2の紫外線を照射し防眩性帯電防止ハードコートフィルムを作製した。
このハードコートフィルムの性能を第2表に示す。
調製例1で得たコート剤1を硬化膜厚が約6μmになるようにマイヤーバーで塗工した以外は、実施例1と同様の操作を行い防眩性帯電防止ハードコートフィルムを作製した。
このハードコートフィルムの性能を第2表に示す。
調製例2で得たコート剤2を硬化膜厚が約6μmになるようにマイヤーバーで塗工した以外は、実施例1と同様の操作を行い防眩性帯電防止ハードコートフィルムを作製した。
このハードコートフィルムの性能を第2表に示す。
調製例3で得たコート剤3を硬化膜厚が約6μmになるようにマイヤーバーで塗工した以外は、実施例1と同様の操作を行い防眩性帯電防止ハードコートフィルムを作製した。
このハードコートフィルムの性能を第2表に示す。
調製例4で得たコート剤4を硬化膜厚が約6μmになるようにマイヤーバーで塗工した以外は、実施例1と同様の操作を行い防眩性ハードコートフィルムを作製した。
このハードコートフィルムの性能を第2表に示す。
調製例5で得たコート剤5を硬化膜厚が約6μmになるようにマイヤーバーで塗工した以外は実施例1と同様の操作を行い防眩性帯電防止ハードコートフィルムを作製した。
このハードコートフィルムの性能を第2表に示す。
調製例6で得たコート剤6を使用した以外は実施例1と同様の操作を行い防眩性帯電防止ハードコートフィルムを作製した。
このハードコートフィルムの性能を第2表に示す。
実施例1〜3は、いずれも導電性化合物としてポリチオフェンを含むことから、表面抵抗率が1×1012Ω/□以下であり、良好な帯電防止性能が付与されている。
また、実施例1及び2は重合性不飽和基を有する有機化合物で表面修飾されたシリカ微粒子を、実施例3は重合性不飽和基を有する有機化合物で表面修飾されたシリカ微粒子と有機微粒子を含んでおり、いずれも60°鏡面光沢度が80〜130の範囲にあり、また像鮮明度5クシ合計値がいずれも250を超え、かつ全光線透過率が88%を超えていることから、高精細で良好な防眩性が付与されている。
これに対して、比較例1は、導電性化合物としてポリチオフェンを含むが、重合性不飽和基を有する有機化合物で表面修飾されたシリカ微粒子を含まないため、帯電防止性能は良好であるものの、60°鏡面光沢度が130を大きく超え、防眩性が悪い。
また、比較例2は、重合性不飽和基を有する有機化合物で表面修飾されたシリカ微粒子を含むものの、ポリチオフェンを含まないため、重合性不飽和基を有する有機化合物で表面修飾されたシリカ微粒子の凝集が起こらず、したがって、60°鏡面光沢度が130を大きく超え、防眩性が悪く、しかも帯電防止性能が付与されていない。
比較例3は重合性不飽和基を有する有機化合物で表面修飾されたシリカ微粒子を含むものの、導電性化合物として無機系のアンチモン酸錫を多量に含むため、良好な帯電防止性能は付与されているが、重合性不飽和基を有する有機化合物で表面修飾されたシリカ微粒子の凝集が起こらず、かつ全光線透過率が85%未満であって、視認性に劣り、防眩性も実施例のものに比べて劣る。
比較例4は有機微粒子とポリチオフェンを含むが、重合性不飽和基を有する有機化合物で表面修飾されたシリカ微粒子を含まないため、像鮮明度が低いものとなっている。
2 TACフィルム
2' TACフィルム
3 粘着剤層
4 剥離シート
5 表面保護フィルム
6 偏光板
10 粘着剤層付き偏光板
11 偏光子
12 TACフィルム
12' TACフィルム
13 ハードコート層
14 防眩性帯電防止ハードコートフィルム
15 接着剤層
15' 接着剤層
16 粘着剤層
17 剥離シート
20 偏光板
30 粘着剤層付き偏光板
Claims (4)
- 透明プラスチックフィルムの表面に、(A)(a)多官能性(メタ)アクリレート系モノマー及び/又は(メタ)アクリレート系プレポリマーからなる活性エネルギー線硬化型化合物と、(b)重合性不飽和基を有する有機化合物で表面修飾されたシリカ微粒子を含む活性エネルギー線感応型組成物、及び(B)導電性有機高分子化合物を含有するハードコート層形成材料を用いて形成されたハードコート層を有することを特徴とする防眩性帯電防止ハードコートフィルム。
- ハードコート層の表面抵抗率が1×1013Ω/□以下である請求項1に記載の防眩性帯電防止ハードコートフィルム。
- ハードコート層形成材料における(B)成分の含有量が、(A)成分中の全活性エネルギー線硬化型化合物100質量部に対して5〜50質量部である請求項1又は2に記載の防眩性帯電防止ハードコートフィルム。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の防眩性ハードコートフィルムを形成した面の反対側の面を偏光子に貼合してなる偏光板。
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