JP2004212619A - 反射防止フィルム、その製造方法及び基体 - Google Patents

反射防止フィルム、その製造方法及び基体 Download PDF

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祐三 中村
Hirotomo Miyake
弘倫 三宅
Hidesato Mano
英里 眞野
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Abstract

【課題】低コストで、耐摩耗性、耐薬品性に優れ、ハードコート層と反射防止層との密着性に優れた反射防止フィルム、その製造方法、成型品を提供することを目的とする。
【解決手段】基材フィルム上にハードコート層及び反射防止層が順次積層され、前記ハードコート層が、(メタ)アクリル当量100〜300g/eq、水酸基価50〜550mgKOH/g、エポキシ当量7000 g/eq以上、重量平均分子量5千〜十万のポリマーと、熱硬化剤とを有効成分として含有する樹脂組成物の熱架橋反応生成物により形成されてなる反射防止フィルム。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射防止フィルム及びその製造方法に関し、より詳細には耐摩耗性、耐薬品性及びハードコート層と反射防止層との密着性を備え、熱硬化性及び活性エネルギー線硬化性を有する樹脂組成物を用いたアフターキュアー型の反射防止フィルム、その製造方法及び基体に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来から、ハードコートフィルムのハードコート層としては、一般に、熱硬化性樹脂又は活性エネルギー線硬化性樹脂等が使用されている。
しかし、ハードコート層としては熱硬化性樹脂を用い、ハードコートフィルム作成時に加熱して熱硬化性樹脂を架橋硬化させた場合には、非常に高温を必要とし、基材フィルムを傷つける危険性がある。また、低温で硬化させる場合には、長時間を要し、実用的でない。
ハードコート層として活性エネルギー硬化性樹脂を用い、ハードコートフィルム作成時に活性エネルギー線を照射して架橋硬化させた場合には、樹脂の架橋密度を高めることにより、耐摩耗性、耐薬品性を改良することができる。
【0003】
しかし、ハードコート層上に反射防止層を積層する場合には、ハードコート層と反射防止層との密着性が悪くなるという問題がある。
一方、特定のポリマーと多官能イソシアネートとを有効成分として含有する活性エネルギー線硬化性樹脂が提案されている(例えば、特許文献1及び2)。この系では、ポリマー中の水酸基と多官能イソシアネートとの付加反応により適度な半硬化状態を達成している。
しかし、この文献には、樹脂層上に反射防止層を実際に積層することに関しては記載されていない。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、耐摩耗性、耐薬品性及びハードコート層と反射防止層との密着性に優れた反射防止フィルム、その製造方法及びこの反射防止フィルムを用いた基体を提供することを目的とする。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−58895号公報。
【特許文献2】
特開平10−67047号公報。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、基材フィルム上にハードコート層及び反射防止層が順次積層されてなり、前記ハードコート層が、(メタ)アクリル当量100〜300g/eq、水酸基価50〜550mgKOH/g、エポキシ当量7000 g/eq以上、重量平均分子量5000〜100000のポリマーと、熱硬化剤とを有効成分として含有する熱硬化性及び活性エネルギー線硬化性を有する樹脂組成物の熱架橋反応生成物により形成されてなる反射防止フィルムが提供される。
また、本発明によれば、上記反射防止フィルムが、接着又は粘着層を介してその表面に貼着されてなる基体が提供される。
【0006】
さらに、本発明によれば、基材フィルム上に、(メタ)アクリル当量100〜300g/eq、水酸基価50〜550mgKOH/g、エポキシ当量7000 g/eq以上、重量平均分子量5000〜100000のポリマーと、熱硬化剤とを有効成分として含有する熱硬化性及び活性エネルギー線硬化性を有する樹脂組成物を塗布し、得られた基材フィルムを加熱して前記樹脂組成物を一次硬化させてハードコート層を形成した後、ハードコート層上に反射防止膜を形成し、得られた基材フィルムに活性エネルギー線を照射することによりハードコート層を二次硬化させることからなることを特徴とする反射防止フィルムの製造方法。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の反射防止フィルムは、主として、基材フィルムと、その上に形成されるハードコート層と、さらにその上に形成される反射防止層とから構成される。基材フィルムとしては、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂等、通常、反射防止フィルム又はハードコートフィルム等の基材フィルムとして用いられるものを使用することができる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム、シクロオレフィンフィルム等が挙げられる。
【0008】
ハードコート層は、一般に、このフィルムが貼着された被着物に、それよりも高硬度を付与しうるものであればよく、例えば、JIS−K5400で示される鉛筆硬度試験で2H以上の硬度を有するもの、さらに3H以上の高度を有するもの、スチールウール摩耗において#0000スチールウールに200g/cmの荷重をかけ、可動距離2cm、2往復/秒で10往復後の表面に傷がつかないもの又はテーバー摩耗においてCS−10F輪にて荷重500gで100回転後、ΔHが10以下のもの等が挙げられる。
【0009】
ハードコート層は、(メタ)アクリル当量100〜300g/eq、水酸基価50〜550mgKOH/g、エポキシ当量7000 g/eq以上、重量平均分子量5000〜100000のポリマーと熱硬化剤とを有効成分として構成される樹脂組成物によって形成することができる。ここで、(メタ)アクリルとはアクリル又はメタクリルを意味する。(メタ)アクリル当量は、例えば、樹脂組成物を臭化ナトリウムと臭素酸カリウムとの混合溶液と反応させ、ヨウ化カリウム溶液を混合したものを、デンプン溶液を指示薬としてチオ硫酸ナトリウム溶液で規定する方法が挙げられる。また、水酸基価は、例えば、樹脂組成物をピリジン中で過剰の無水酢酸と反応させ、遊離する酢酸を水酸化カリウムで滴定する方法で測定することができる。さらに、エポキシ当量は、例えば、ポリマーの酢酸溶液を酢酸と臭化水素との混合溶液で滴定する方法で測定することができる。重量平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーにてポリスチレン換算で求めることができる。
【0010】
ポリマーは、活性エネルギー線照射前後の物理的・化学的要求性能を考慮して、特定の配合とされる。すなわち、活性エネルギー線照射時の硬化性、活性エネルギー線照射後の耐摩耗性及び実際上の合成の容易性等の観点から、(メタ)アクリル当量が100〜300 g/eq程度であることが適当であり、150〜300 g/eq程度がより好ましい。
また、併用する熱硬化剤との反応性、反射防止フィルムのハードコート層を構成する場合の熱架橋度及び実際上の合成の容易性等の観点から、ポリマーの水酸基価が50〜550mgKOH/g程度が適当であり、100〜300mgKOH/g程度がより好ましい。熱硬化剤との反応が不十分であったり、熱架橋度が低い場合には、反射防止フィルムの製造工程において、粘着性が残存したり、耐溶剤性が不足したりすることによって、反射防止層を刷り重ねたり、巻き取ったりすることが困難になる。
【0011】
また、ポリマーの安定性、塗工適正、活性エネルギー線照射時の硬化性、活性エネルギー線照射後の耐摩耗性及び実際上の合成の容易性等の観点から、ポリマーのエポキシ当量が7000 g/eq以上であることが適当である。エポキシ当量が7000 g/eq以上であるということは、エポキシ基は分子中にわずかに存在するが、実質的にポリマーの架橋に寄与し得る程度には含有されていないことを意味する。エポキシ当量が小さすぎると合成中にゲル化しやすいために合成が困難となり、さらに、活性エネルギー照射時の硬化性、活性エネルギー線照射後の耐摩耗性が低下する。
さらに、反射防止フィルムの製造工程において、粘着性が残存したり、耐溶剤性が不足したりすることによって、反射防止層を刷り重ねたり巻き取ったりすることが困難にならず、鮮明な絵柄層を得ることができ、インキの塗布作業性を高め、適当な粘度を得ること等の観点から、ポリマーの重量平均分子量は、ポリスチレン換算で5000〜100000程度が適当であり、5000〜50000程度がより好ましい。
【0012】
このようなポリマーとしては、例えば、▲1▼エポキシ基を有する重合体に不飽和二重結合を有するモノカルボン酸を付加させた反応生成物を利用することができる。エポキシ基を有する重合体としては、グリシジル(メタ)アクリレートの単独重合体、グリシジル(メタ)アクリレートとこれと重合可能なモノマーからなる共重合体等が挙げられる。重合可能なモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、スチレン、酢酸ビニル、アクリロニトリル等が挙げられる。不飽和二重結合を有するモノカルボン酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロキシエチルヘキサヒドロフタル酸等が挙げられる。
【0013】
また、ポリマーは、▲2▼水酸基を含有する重合体の側鎖の一部に(メタ)アクリロイル基を導入した反応生成物、▲3▼カルボキシル基を含有する重合体に水酸基を含有する重合性不飽和単量体を縮合させた反応生成物、▲4▼カルボキシル基を含有する重合体にエポキシ基を有する重合性不飽和単量体を付加させた反応生成物等であってもよい。
ここで、水酸基を含有する重合体としては、水酸基含有(メタ)アクリレート、具体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の単独重合体又は共重合体、水酸基含有(メタ)アクリレートのε−カプロラクトン付加物の単独重合体又は共重合体等が挙げられる。
【0014】
カルボキシル基を含有する重合体としては、(メタ)アクリル酸の単独重合体又は共重合体、2−(メタ)アクリロキシエチルコハク酸の単独重合体又は共重合体等、2−(メタ)アクリロキシエチルフタル酸の単独重合体又は共重合体等、2−(メタ)アクリロキシエチルヘキサヒドロフタル酸の単独重合体又は共重合体等が挙げられる。
水酸基を有する重合体不飽和単量体としては、上述の水酸基含有(メタ)アクリレート、これら(メタ)アクリレートのε−カプロラクトン付加物等が挙げられる。
【0015】
エポキシ基を有する重合性不飽和単量体としては、グリシジル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらポリマーは、従来公知の方法によって又は準じて、(メタ)アクリル当量、水酸基価、エポキシ当量、重量平均分子量等が上記の範囲になるように、使用単量体や重合体の種類、これらの使用量等を適宜選択、調整することが必要である。
【0016】
熱硬化剤としては、一般に架橋剤として用いられるものであり、多官能イソシアネート以外の熱硬化剤であることが適当である。例えば、キレート化合物、金属アルコキシド、シランカップリング剤及びその部分加水分解物並びに酸無水物等から選択される1以上の化合物が挙げられ、それらの種類としては特に限定されることなく、公知のものの中から適宜選択することができる。なお、これらの化合物は、イソシアネート基が2以上含有される化合物でないもの、より好ましくは、1以上含有される化合物でないものが適当である。また、別の観点から、熱硬化剤としては、水酸基と反応可能な官能基又は構造を有する化合物であり、イソシアナート基以外の官能基を有することが適当である。このような官能基としては、例えば、アルコキシ基、アルコキシシリル基、酸無水物基等が挙げられる。さらに、水酸基と反応可能な構造としては、金属イオンに配位したβ−ジケトン及びβ−ケトエステル、それらの誘導体等が挙げられる。
【0017】
キレート化合物としては、例えば、アルミニウム、チタンニウム、ジルコニウムを有するものが挙げられ、配位子としてはβ−ジケトン及びβ−ケトエステルであるアセチルアセトン、アセト酢酸エチル及びその混合物等が好適に用いられる。具体的には、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナト)チタン、ジ−n−ブトキシビス(トリエタノールアミナト)チタン等が挙げられる。
【0018】
金属アルコキシドとしては、例えば、アルミニウム、チタン、ジルコニウムの金属アルコキシドが挙げられる、具体的には、アルミニウムメトキシド、アルミニウムエトキシド、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウム−sec−ブトキシド、チタンエトキシド、チタンイソプロピキシド、チタン−n−ブトキシド等が挙げられる。
【0019】
シランカップリング剤としては、1分子中にアルコキシ基が3つ以上あるものが好ましく、具体的にはテトラエトキシシラン、テトラエトキシシランオリゴマー、テトラメトキシシラン、テトラメトキシシランオリゴマー、メチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトライソプロポキシシランオリゴマー、テトラ−n−ブトキシシランオリゴマー等が挙げられる。また、これらシランカップリング剤は、部分的に加水分解されたものでもよい。加水分解の方法としては、従来公知の方法を使用することができる。
【0020】
酸無水物としては、1分子中に酸無水物基が2つ以上あるものが好ましく、具体的にはスチレン無水マレイン酸共重合体、α−オレフィン無水マレイン酸共重合体、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物等が挙げられる。
【0021】
熱硬化剤の種類によっては、反応を促進させるために触媒を使用してもよい。触媒は、熱硬化剤として金属アルコキシド又はシランカップリング剤を使用する場合には、酢酸ナトリウム、酢酸アンモニウムのようなカルボン酸のアルカリ金属塩及びアンモニウム塩;アルミニウムトリスアセチルアセトネート、アセチルアセトンジルコニウムのようなアセチルアセトンのキレート化合物;ブチルアミン、ヒドロキシエチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルフェニルアミン、ポリアルキレンアミンのような第1級、第2級又は第3級アミン;2−メチルイミダゾール2,4−ジエチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾールのようなイミダゾール;過塩素酸マグネシウム、過塩素酸アンモニウムのような過塩素酸の金属塩及びアンモニウム塩;アセト酢酸エチルの金属塩;アセチルアセトントアセト酢酸エチルが配位した金属塩;オクチル酸錫のような有機金属塩等が挙げられる。熱硬化剤として、酸無水物を用いる場合には、触媒は、トリフェニルホスフィン、第3級アミン、4級アンモニウム塩、イミダゾール化合物等が挙げられる。
【0022】
ポリマーと熱硬化剤とは、1:0.01〜1:0.8、好ましくは1:0.05〜1:0.5(重量比)となるような割合で配合することが適当である。また、触媒を用いる場合には、触媒を、ポリマーと熱硬化剤との重量に対し、0.1〜20重量%の範囲で使用することが適当である。
なお、本発明の樹脂組成物には、ポリマー及び熱硬化剤以外に、必要に応じて、反応性モノマー、溶剤、着色剤等を配合してもよい。また、樹脂組成物に、活性エネルギー線照射の際に電子線を照射して硬化させる場合には、光重合開始剤を用いることなく充分な効果を発揮することができるが、紫外線を照射する場合には、光重合開始剤と必要に応じて促進剤を添加することが好ましい。
【0023】
反応性モノマーとしては、ラジカル重合可能なものであれば特に限定されないが、1分子中の2以上のラジカル重合可能な官能基を有するものが好ましい。このような化合物としては、例えば、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
【0024】
溶剤としては、例えば、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル;エトキシエタノール、ブトキシエタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテルアルコール等が挙げられる。
着色剤は、活性エネルギー照射時等に樹脂が黄色味を帯びるのを防止するために使用されるものであり、一般的には、ブルーイング剤と呼ばれるものが使用できる。例えば、NICHILON BLUE GL、NICHILON BLUE 3GR(日成化学(株)製)等が挙げられる。
【0025】
光重合開始剤としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン等のアセトフェノン系開始剤;ベンゾイン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン等のベンゾイン系開始剤;ベンゾフェノン、[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]フェニルメタノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系開始剤;2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系開始剤等が挙げられる。
【0026】
促進剤としては、例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステルのような3級アミン等が挙げられる。
また、樹脂組成物には、必要に応じて滑剤を含有させることが好ましい。これにより、ハードコート層の表面が粗面化され、ブロッキングが生じにくくなるのみならず、擦れや引っ掻きに対する抵抗性を増大させることができる。滑剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、合成ワックス、モンタンワックス等のワックス類;ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性ポリジメチルシトキサン等のシリコーン系、フルオロアルキル基含有ポリマー等のフッ素系等の合成樹脂等が挙げられる。滑剤を用いる場合には、ブロッキングの防止、摩擦引っ掻き抵抗の増加、樹脂組成物自体の透明性等を考慮して、樹脂組成物の全重量に対して、0.5〜15重量%程度、好ましくは1〜6重量%程度の割合で含有させることが適当である。
【0027】
ハードコート層は、上記樹脂組成物を、例えば、グラビアコート法、ロールコート法、スプレーコート法、リップコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法等の印刷法等により基材フィルム上に塗布した後、一次硬化することにより予備的に形成することができる。
ハードコート層の膜厚は、耐摩耗性、耐薬品性、ハードコート層形成材料のコスト等を考慮して、一般に、0.5〜30μm程度、好ましくは1〜6μm程度が適当である。
【0028】
一次硬化は、ハードコート層を加熱することにより行うことが好ましい。これにより、樹脂組成物が熱架橋反応生成物となる。加熱による架橋反応は、活性エネルギー線照射による架橋反応に比べて制御が容易であり、有利である。従って、熱架橋の程度は、用いる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の種類、ハードコート層の厚み、成型品の屈曲率等に応じて適宜調整することができる。例えば、100〜200℃程度の温度範囲で、10〜120秒間程度行うことが適当である。上述の樹脂組成物は、熱架橋しただけの段階では、完全には架橋硬化していない。すなわち半硬化の状態となり、タックフリーの状態にある。そのため、ハードコート層はクラックを生じない程度の可とう性を有することになるとともに、ハードコート層上に他の層を刷り重ねたり、反射防止フィルムを巻き取ったりすることが容易になるとともに、他の層の処理及び形成中に、他の層の機能に悪影響を与えるような変形はもたらさない。
【0029】
また、ハードコート層は、後述する反射防止層をその上に形成した後、二次硬化して、完全に硬化させることが好ましい。これにより、反射防止層との密着性を強めながら、さらにハードコート層に硬度を付与することができる。二次硬化は、活性化エネルギー線、例えば、電子線、紫外線等をハードコート層に、少なくとも反射防止層を介して照射する方法が挙げられる。活性エネルギー線の照射量は、用いる樹脂組成物の種類、ハードコート層及び反射防止層の膜厚等により適宜調整することができ、例えば、50〜2000mJ/cm程度が挙げられる。
なお、ハードコート層及び後述する反射防止層は、帯電防止、耐光性及び電磁波シールド等の機能を併せもっていてもよい。
【0030】
「帯電防止機能」とは、例えば、ハードコート層自体が、10〜1012Ω・cm程度、好ましくは10〜10Ω・cm程度の抵抗率を有しているものが挙げられる。ハードコート層に帯電防止機能を付与する方法としては、例えば、ハードコート層を構成する材料に、界面活性剤、導電性フィラー及び/又は導電性ポリマー等を1種又は2種以上組み合わせて添加する方法が挙げられる。なお、導電性ポリマーがそれ自体でハードコート層の機能を十分果たすことができる硬度を有するものであれば、ハードコート層は、導電性ポリマー単独で構成してもよい。これらの物質は、ハードコート層の総重量に対して、例えば、界面活性剤、導電性ポリマーの場合には5〜50重量%程度、導電性フィラーの場合には100〜400重量%程度の範囲で適宜増減して添加することが適当である。
【0031】
界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、両性イオン系、非イオン系のいずれもの界面活性剤が挙げられる。なかでも、カチオン界面活性剤が多く利用される。
導電性フィラーとしては、カーボンブラック、銅、ニッケル、銀、鉄又はこれらの複合粉等の金属粉;酸化亜鉛、酸化錫、酸化チタン等の金属酸化物粉等が挙げられる。
導電性ポリマーとしては、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン等が挙げられる。
【0032】
「電磁波遮蔽機能」とは、例えば、シールド力60dB程度以上であることが挙げられる。ハードコート層に電磁波遮蔽機能を付与する方法としては、例えば、導電性フィラー又は磁性フィラーを添加する方法が挙げられる。これらの物質は、ハードコート層の総重量に対して、例えば、100〜400重量%程度の範囲で適宜増減して添加することが適当である。
導電性フィラーは上記と同様のものが挙げられ、磁性フィラーとしてはグラファイト、カーボン、鉄等が挙げられる。
【0033】
「耐光性機能」とは、室内又は車内の場合はフェードメータ試験100〜400時間程度の後、屋外の場合はウェザーメータ試験1000時間程度の後に、変化が認められない状態であることが挙げられる。ハードコート層に耐光性機能を付与する方法としては、例えば、ハードコート層に紫外線吸収剤、酸化防止安定剤等を添加する方法が挙げられる。これらの物質は、ハードコート層の総重量に対して、例えば、5〜20重量%程度の範囲で適宜増減して添加することが適当である。
紫外線吸収剤としては、例えば、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系、ヒドロキシフェニル−S−トリアジン等のトリアジン系等が挙げられる。
酸化防止安定剤としては、例えば、ハルスといわれるヒンダードアミン系光安定剤等が挙げられる。
【0034】
反射防止層は、反射防止フィルム自体又は被着物(例えば、成型品、ガラス又は樹脂板等)の光の屈折率を低減させることができる層、例えば、入射光の20%程度以下、好ましくは10%程度以下、さらに好ましくは5%程度以下に反射光を抑える機能を有する層であれば、どのような材料から構成されていてもよい。このような機能を付与するためには、例えば、表面に微細で規則的な凹凸を有した層を形成する方法、所定の屈折率を有する層を形成する方法、2以上の異なる屈折率を有する層の積層構造を形成する方法等、種々の方法が挙げられる。いずれの方法においても、反射防止層自体の屈折率は、例えば、1.3〜1.9程度であることが適当であり、特に、反射防止層が1層で形成される場合には、1.3〜1.5程度の屈折率を有することが好ましい。
【0035】
また、2種以上の異なる屈折率を有する積層構造である場合には、その屈折率の組み合わせは特に限定されるものではないが、例えば、2層構造の場合には、一方の層が1.3〜1.5程度の屈折率、他方の層が1.5〜1.9の屈折率を有するように形成されていることが好ましく、3層構造の場合には、 低屈折率層は、例えば、1.5程度以下、好ましくは1.3〜1.5程度、高屈折率層は、1.6〜2.4程度、中屈折率層は、1.5〜2.0程度の屈折率を有していることが適当である。なお、積層構造においては、低屈折率層が最も外側に配置していることが好ましく、その内側に高屈折率層、3層構造の場合には、最も内側に中屈折率層が配置していることが好ましい。
【0036】
反射防止層の厚みは、例えば、0.01〜5.01μm程度が挙げられる。なかでも、単層の場合には、0.01〜0.2μm程度、好ましくは0.08〜0.15μm程度が挙げられる。2層構造の場合には、低屈折率層の厚みは、例えば、0.01〜0.2μm程度、好ましくは0.08〜0.15μm程度が挙げられ、高屈折率層の厚みは、例えば、0.01〜5.0μm程度、好ましくは0.08〜5.0μm程度が挙げられる。また、3層構造の場合には、低屈折率層は、例えば、0.05〜0.2μm程度、高屈折率層は、例えば、0.05〜0.2μm程度、中屈折率層は、例えば、0.05〜0.2μm程度の膜厚であることが適当である。なお、低屈折率層、高屈折率層及び中屈折率層の厚みは必ずしも同じでなくてもよい。
【0037】
屈折率の低い層(低屈折率層)は、屈折率を低く抑えることができる材料であれば、どのようなものから構成されていてもよい。例えば、含フッ素樹脂が適当である。特に、架橋した含フッ素樹脂等が好ましい。具体的には、含フッ素樹脂として、フルオロオレフィン系モノマー;含フッ素脂肪族環構造を有するモノマー;パーフルオロアルキル基含有モノマー(パーフルオロアルキルエーテル化合物を含む);含フッ素(メタ)アクリレート;含フッ素ビニルモノマー;ポリパーフルオロアルキレン化合物;ポリパーフルオロアルキレンオキシド化合物等によって構成されるポリマー又はコポリマーの1種又は2種以上の混合物が挙げられる。これらのポリマー又はコポリマーは、その構成要素として架橋官能基を有していてもよいし、有していなくてもよい。架橋官能基を有していない場合には、さらに架橋官能性基付与のためのモノマーを構成要素として含有していることが好ましい。この場合、架橋官能性基を有するモノマーは、含フッ素樹脂を構成する全モノマーに対して1〜50重量%程度含有されていることが適当である。
【0038】
フルオロオレフィン系のモノマーとしては、フルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン等が挙げられる。
含フッ素脂肪族環構造を有するモノマーとしては、トリフルオロシクロヘキサン、テトラフルオロシクロヘキサン、テトラフルオロシクロヘキセン等が挙げられる。
パーフルオロアルキル基含有モノマーとしては、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール、(メタ)アクリル酸の部分又は完全フッ素化アルキルエステル誘導体、例えば、ビスコート6F(大阪有機化学製)、M−2020(ダイキン製)、下記式(I)で表されるパーフルオロアルキル基含有(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0039】
含フッ素(メタ)アクリレートとしては、例えば、下記式(II)で表される(メタ)アクリル酸誘導体が挙げられる。
含フッ素ビニルモノマーとしては、ビニルフルオライド、ビニリデンフルオライド、完全又は部分フッ素化ビニルエーテル等が挙げられる。
ポリパーフルオロアルキレン化合物としては、下記式(III)で表される化合物が挙げられる。
ポリパーフルオロアルキレンオキシド化合物としては、下記式(IV)で表される化合物が挙げられる。
【0040】
また、架橋官能性付与のためのモノマーとしては、グリシジルメタクリレート、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルグリシジルエーテル等のように分子内にあらかじめ架橋性官能基を有するビニルモノマー;カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、スルホン酸基等を有するビニルモノマー(例えば(メタ)アクリル酸、メチロール(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アリルアクリレート、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルアリルエーテル等)が挙げられる。
【0041】
なかでも、パーフルオロアルキル基含有モノマーおよび/又は含フッ素(メタ)アクリレートとからなるコポリマーが好ましく、特に、式(I)
CH=C(R)CO−CH3−i−(R)(I)
(式中、Rは水素原子又はメチル基、iは1〜3の整数、Rは(CH−C2k+1、ただしjは0〜6の整数、kは1〜22の整数である)
で表されるパーフルオロアルキル基含有(メタ)アクリレートおよび/又は式(II)
CH=C(R)CO−A (II)
(式中、Rは水素原子又はメチル基、Aは水素原子、水酸基含有アルキル基、エポキシ基含有脂肪族アルキル基、エポキシ基含有環状アルキル基、イソシアナート基含有アルキル基又は(メタ)アクリロイルオキシ基含有ヒドロキシアルキル基である)
で表される架橋官能基含有(メタ)アクリル酸誘導体のプレポリマーを用いることがより好ましい。
【0042】
式(I)のRは、iが2〜3の場合には、それぞれ同一でもあっても異なっていてもよい。また、RのC2k+1は、直鎖、分岐又は環状であってもよい。
式(I)で示されるパーフルオロアルキル基含有(メタ)アクリレート、例えばiが1でjが0であるアクリレートCH=C(R)CO−CH−C2k+1は、炭素数k+1の脂肪酸がフッ素ガスによりフッ素化されたパーフルオロ脂肪酸を還元して得られるアルコールを(メタ)アクリル酸のエステルに誘導して得ることができる。
式(II)の水酸基含有アルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基に水酸基が置換されたものが好ましく、例えば、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル等が挙げられる。
【0043】
エポキシ基含有脂肪族アルキル基としては、炭素数1〜10の脂肪族アルキル基にエポキシ基が置換されたものが好ましく、例えば、2,3−エポキシプロピル基等が挙げられる。
エポキシ基含有環状アルキル基としては、炭素数3〜10の環状アルキル基にエポキシ基が置換されたものが好ましく、例えば、
【0044】
【化1】
Figure 2004212619
【0045】
等が挙げられる。
イソシアナート基含有アルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基にイソシアナート基が置換されたものが好ましく、例えば、(CH−NCO等が挙げられる。
(メタ)アクリロイルオキシ基含有ヒドロキシアルキル基としては、炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基に(メタ)アクリロイルオキシ基が置換されたものが好ましく、例えば、−CHCH(OH)CH−OCOC(R)=CH
【0046】
【化2】
Figure 2004212619
【0047】
(式中、Rは、水素原子又はメチル基)
等が挙げられる。
式(II)の架橋官能基含有(メタ)アクリル酸誘導体は、例えばアルコール、A−OHを、(メタ)アクリル酸のエステルに誘導して得ることができる。
【0048】
上記の式(I)および/又は式(II)からなるプレポリマーは、例えば、数平均分子量が1000〜100000程度(例えば、ゲルパーミュエーション・クロマトグラフィーで測定)であるが適当である。
式(I)および/又は式(II)からなるプレポリマーは、重合開始剤の存在下で、直接プレポリマー同士を又は式(II)の架橋官能基含有(メタ)アクリル酸誘導体の架橋官能基に対する反応性基を有する化合物を用いて、共重合させて含フッ素樹脂として使用することが好ましい。
【0049】
架橋官能基に対する反応性基を有する化合物は、水酸基、エポキシ基、イソシアナート基、(メタ)アクリロイル基、カルボキシル基及び酸無水物基から選択される1又は2以上の反応性基を有するものが好ましい。このような化合物としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のα、β−不飽和化合物が単独重合又は共重合した重合体;脂肪族ポリオール類、フェノール類、ポリアルキレングリコール類等のポリオール類;このポリオール類のいずれかにε−カプロラクトンが付加した付加物;グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等のα、β−不飽和化合物が単独重合又は共重合した重合体、エピクロルヒドリンとポリカルボン酸及びポリオールのいずれかとの反応により得られるポリグリシジル化合物、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等のエポキシ基含有化合物;p−フェニレンジイソシアネート、ビフェニルジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、3,3−ジメチル−4,4−ビフェニレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサン−1,6−ジイソシアネート、メチレンビス(フェニルイソシアネート)、リジンメチルエステルジイソシアネート、ビス(イソシアネートエチル)フマレート、イソボロンジイソシアネート、メチルシクロヘキシルジイソシアネート、2−イソシアネートエチル−2,6−ジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート及びノルボルネンジイソシアネート等のジイソシアネート類;これらイソシアネート類のビュレット体、これらイソシアネート類のイソシアヌレート体、これらのイソシアネート類と前記ポリオール類とのアダクト体等のイソシアネート基含有化合物;ライトエステル、ライトアクリレート、エポキシエステル、ウレタンアクリレート(いずれも共栄社化学社製の商品名)等の(メタ)アクリロイル基含有化合物;(メタ)アクリル酸等のα、β−不飽和化合物が単独重合又は共重合した重合体、脂肪酸ポリカルボン酸、芳香族ポリカルボン酸等のカルボキシル基含有化合物;無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ドデシル無水コハク酸、無水クロレンディック酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、スチレン−無水マレイン酸共重合体、α−オレフィン−無水マレイン酸共重合体等の酸無水物基含有化合物等が挙げられる。
【0050】
また、架橋官能基に対応する反応性基をもつ化合物は、反応性基として水酸基、エポキシ基、イソシアナート基、(メタ)アクリロイル基、カルボキシル基から選択される基を有し、かつフッ素を含有していることが好ましい。具体的には、上記の化合物が一部フッ素で置換されたもの、さらに、下記式(III)
Y−(O)−(CX−(CF−(CX−(O)−Y (III)
(式中、Xは水素原子、フッ素原子又はトリフルオロメチル基、Yは水素原子であってm及びrが1であるか、Yが2,3−エポキシプロピル基又は(メタ)アクリロイル基であってm及びrが0又は1であり、n及びqは0〜2の整数、pは2〜14の整数である)
で表される反応性基含有パーフルオロアルキレン化合物、又は下記式(IV)
Figure 2004212619
(式中、Zは水素原子、2,3−エポキシプロピル基又は(メタ)アクリロイル基、Xは上記と同義、sは1〜6の整数、tは0〜4の整数、vは1〜4の整数、u及びwは1〜100の整数である)
で表される反応性基含有ポリパーフルオロアルキレンオキシド化合物が挙げられる。
【0051】
式(III)において、例えば、Yが2,3−エポキシプロピル基で、m及びrが1である化合物は、Yが水素原子で、m及びrが1であるジオール化合物とクロロメチルオキシランとをアルカリの存在下、脱塩反応することにより得られ、より具体的には、ヘキサデカフルオロデカンジオール−ジエポキシドであるフルオライトFE−16(共栄社化学社製の商品名)が挙げられる。また、このジオール化合物と(メタ)アクリル酸とを酸触媒存在下、脱水させてエステル化することにより、Yを(メタ)アクリロイル基とする化合物が得られる。より具体的には、ヘキサデカフルオロデカニルジアクリレートであるフルオライトFA−16(共栄社化学製の商品名)が挙げられる。
【0052】
式(IV)において、Zが水素原子のポリパーフルオロアルキレンオキシド化合物としては、例えば、FOMBLIN Z−DIOL(オーシモント社製の商品名)が挙げられる。このポリパーフルオロアルキレンオキシド化合物と、クロロメチルオキシラン又は(メタ)アクリル酸とを反応させると、Zを2,3−エポキシプロピル基又は(メタ)アクリロイル基とする化合物を得ることができる。
【0053】
なお、一般に、含フッ素樹脂は、上記のモノマー又はプレポリマー等を、重合開始剤の存在下で、溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合、加熱重合、紫外線ラジカル重合または紫外線カチオン重合等の方法により重合させて得ることができる。
【0054】
例えば、上記モノマー又はプレポリマー等の重合は、含フッ素樹脂の構成モノマーに対して、架橋官能基を有するモノマーを1〜50重量%程度、重合開始剤を0.1〜10重量%程度用いて行うことが適当である。特に、式(I)と式(II)との化合物に、式(II)の架橋官能基に対する反応性基を有する化合物を用いる場合には、式(I)と式(II)との化合物は、0:10〜10:0(重量)程度、このプレポリマーと重合開始剤とは、10〜100:0.1〜10(重量)程度が適当である。なお、含フッ素樹脂には、当該分野で公知の添加剤等をさらに用いてもよい。添加剤は、有機成分としてポリメチルメタクリレート(PMMA)等の有機フィラー、無機成分として酸化珪素等の酸化金属微粒子及びそのゾル、シランカップリング剤及びその部分加水分解物等の1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0055】
特に、式(I)と式(II)とからなるプレポリマーと式(II)の架橋官能基含有(メタ)アクリル酸誘導体の架橋官能基に対する反応性基を有する化合物とから構成される含フッ素樹脂は、このプレポリマーが、架橋官能基に対する反応性基をもつ化合物を介して架橋したものである。例えば、これら反応基をもつ化合物中の末端水酸基と、パーフルオロアルキル基含有プレポリマー中であって式(II)で示されるA由来のエポキシ基またはイソシアナート基とが反応し、パーフルオロアルキル基含有プレポリマーと反応性基をもつ化合物とが開環重合したり、付加重合したりする結果、三次元的に網目状に架橋される。
【0056】
あるいは、加熱重合、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、アゾイソブチロニトリル等の熱重合開始剤、トリフェニルホスフィン、3級アミン等の存在下、室温から200℃の反応条件での加熱重合で硬化させてもよい。また、紫外線カチオン重合、例えばトリアリルスルホニウム塩等の存在下、高圧水銀灯による約250〜1000mJ/cm照射の反応条件での紫外線カチオン重合で硬化させてもよい。さらに、紫外線ラジカル重合、例えば、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル、ベンゾフェノン等の存在下、高圧水銀灯による約250〜1000mJ/cm照射の反応条件での紫外線ラジカル重合で硬化させてもよい。
なお、含フッ素樹脂中のフッ素の含有量が多いほど、低屈折率層の屈折率が低下するため、含フッ素樹脂中のフッ素の量を調節して、所望の屈折率を得ることができる。
【0057】
屈折率が高い層(高屈折率層)及び中屈折率層は、所望の屈折率に設定することができる材料であれば、どのようなものから構成されていてもよい。例えば、ポリアルキル(メタ)アクリレート(例えば、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリプロピル(メタ)アクリレート等)、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリビニルナフタレン、ポリビニルカルバゾール、ポリウレア、ポリエステル、ポリアミン、ポリアミド等の1種又は2種以上の混合物等により形成することができる。なかでも、比較的屈折率が高いポリマーを用いることが好ましい。屈折率が高いポリマーの例としては、ポリスチレン、スチレン共重合体、ポリカーボネート、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂および環状(脂環式または芳香族)イソシアネートとポリオールとの反応で得られるポリウレタン等が挙げられる。なお、その他の環状(芳香族、複素環式、脂環式)基を有するポリマーや、フッ素以外のハロゲン原子を置換基として有するポリマーを用いてもよい。さらに、被膜形成能を有する有機金属化合物から、高屈折率層または中屈折率層を形成してもよい。有機金属化合物は、適当な媒体に分散し得るか、あるいは液状であることが好ましい。有機金属化合物の例としては、金属アルコレート(例、チタンテトラエトキシド、チタンテトラ−i−プロポキシド、チタンテトラ−n−プロポキシド、チタンテトラ−n−ブトキシド、チタンテトラ−sec−ブトキシド、チタンテトラ−tert−ブトキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリ−i−プロポキシド、アルミニウムトリブトキシド、アンチモントリエトキシド、アンチモントリブトキシド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトラ−i−プロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−プロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド、ジルコニウムテトラ−sec−ブトキシド、ジルコニウムテトラ−tert−ブトキシド)、キレート化合物(例、ジ−イソプロポキシチタニウムビスアセチルアセトネート、ジ−ブトキシチタニウムビスアセチルアセトネート、ジ−エトキシチタニウムビスアセチルアセトネート、ビスアセチルアセトンジルコニウム、アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニウムジ−n−ブトキシドモノエチルアセトアセテート、アルミニウムジ−i−プロポキシドモノメチルアセトアセテート、トリ−n−ブトキシドジルコニウムモノエチルアセトアセテート)、有機酸塩(例、炭酸ジルコニールアンモニウム)およびジルコニウム等が挙げられる。
【0058】
なお、上記のような材料を用いて高屈折率層及び中屈折率層を形成する場合には、さらに、無機粒子を添加して屈折率を調整してもよい。
【0059】
無機粒子としては、一次粒子の重量平均径が1〜150nm程度、好ましくは1〜80nmの粒子が挙げられる。無機粒子は、金属酸化物又は硫化物から形成された粒子であることが適当である。なかでも、金属酸化物であることが好ましい。金属酸化物又は硫化物としては、二酸化チタン(例、ルチル、ルチル/アナターゼの混晶、アナターゼ、アモルファス構造)、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、硫化亜鉛等が挙げられる。なかでも、酸化チタン、酸化錫、酸化インジウムが好ましい。無機粒子は、これらの金属酸化物又は硫化物を主成分とし、さらに他の元素を含むことができる。主成分とは、粒子を構成する成分の中で最も含有量(重量%)が多い成分を意味する。他の元素の例としては、Ti、Zr、Sn、Sb、Cu、Fe、Mn、Pb、Cd、As、Cr、Hg、Zn、Al、Mg、Si、PおよびSが挙げられる。なお、無機粒子は表面処理されていてもよい。表面処理は、無機化合物または有機化合物を用いて実施することができる。表面処理に用いる無機化合物の例としては、アルミナ、シリカ、酸化ジルコニウムおよび酸化鉄が挙げられる。表面処理に用いる有機化合物の例としては、ポリオール、アルカノールアミン、ステアリン酸、シランカップリング剤およびチタネートカップリング剤が挙げられる。二種類以上の表面処理を組み合わせて処理してもよい。無機粒子の形状は、米粒状、球形状、立方体状、紡錘形状または不定形状等のいずれでもよいし、これらの形状のものを二種類以上混合して用いてもよい。
【0060】
高屈折率層および中屈折率層中の無機粒子の割合は、それぞれ5〜80重量%程度および0〜60重量%程度、好ましくは、それぞれ10〜60重量%程度および0〜40重量%程度である。
【0061】
無機粒子は、媒体に分散した分散体の状態で、高屈折率層および中屈折率層を形成するための塗布液に供される。無機微粒子の分散媒体としては、沸点が60〜170℃の液体を用いることが好ましい。分散溶媒の具体例としては、水、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール)、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン)、エステル(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル)、脂肪族炭化水素(例えば、ヘキサン、シクロヘキサン)、ハロゲン化炭化水素(例えば、メチレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭素)、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン)、アミド(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドン)、エーテル(例えば、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラハイドロフラン)、エーテルアルコール(例えば、1−メトキシ−2−プロパノール)が挙げられる。
【0062】
無機微粒子は、分散機を用いて媒体中に分散することができる。分散機としては、サンドグラインダーミル(例、ピン付きビーズミル)、高速インペラーミル、ペッブルミル、ローラーミル、アトライターおよびコロイドミル等が挙げられる。
本発明においては、基材フィルムとハードコート層との間及び/又はハードコート層と反射防止層との間にアンカー層が設けられていてもよい。また、基材フィルムとハードコート層との間に絵柄層が設けられていてもよい。
アンカー層は、一種の接着剤層であり、例えば、ウレタン系、チタネート系、イソシアネート系、ポリエチレンイミン系等の接着剤により形成することができる。アンカー層の厚みは、例えば0.1〜5μm程度が挙げられる。
【0063】
絵柄層は、文字、模様等のいわゆる絵柄を、公知の顔料や染料等の着色材を含んだ各種印刷インキにて形成された層であり、例えば、0.5〜50μm程度の範囲の厚みで形成することができる。
また、本発明の反射防止フィルムは、成形品、ガラスや樹脂からなる板等の基体の表面に接着又は粘着層を介して貼着することができる。成形品としては、ワープロ、コンピュータ、テレビ、ディスプレイパネル、携帯電話等の各種のディスプレイ、液晶表示装置等に用いる偏光板の表面、透明プラスチック類からなるサングラスレンズ、度つきめがねレンズ、カメラのファインダーレンズ等の光学レンズ、各種計器の表示部、自動車、電車等の窓ガラス等が挙げられる。これらの成型品は樹脂以外の材料、例えば、ガラス等により形成されていてもよい。
【0064】
接着又は粘着層としては、例えば、アクリル系樹脂、塩素化オレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、マレイン酸系樹脂、塩化ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、ポリアミド系樹脂、クマロンインデン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、スチレン系樹脂等が挙げられる。接着又は粘着層の厚みは、例えば0.1〜5μm程度が挙げられる。接着又は粘着層は、ハードコート層と同様に、それ自体公知の方法により形成することができる。
さらに、本発明においては、基体の表面に反射防止フィルムを貼着する方法として、以下のような方法がその一例として挙げられる。
【0065】
ハードコート層が形成されている側と反対側の基材フィルム上に接着又は粘着層が形成され、このフィルムを、射出成型金型内に挟み込み、接着又は粘着層が設けられた側に溶融樹脂を射出することにより実現することができる。
溶融樹脂としては、上記の偏光板の表面、光学レンズ、各種計器の表示部、自動車、電車等の窓ガラス等を構成し得るものであれば、その材料は特に限定されるものではなく、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂(ABS、AS、ポリフェニレンオキシドスチレン共重合体等)、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリカーボネート樹脂等の溶融状態のものが挙げられる。
射出成型金型は、樹脂成型品を製造する際に、通常使用されるものであれば、どのようなものでも利用することができる。
【0066】
また、本発明の反射防止フィルムのハードコート層が形成されている側と反対側の基材フィルム上に接着又は粘着層を形成し、接着又は粘着層側を成型品に重ね、基材フィルム上から熱圧をかけることにより基体表面に反射防止フィルムを接着させてもよい。例えば、基材フィルム上からシリコンゴムロール等によって熱圧をかけることができ、この場合、シリコンゴムロール表面の温度は150〜250℃程度、圧力は5〜20kg/cm程度とすることが適当である。
【0067】
以下に、本発明の反射防止フィルム、その製造方法及び基体について具体的に説明する。なお、以下の実施例においては「部」は「重量部」を示す。
実施例1:ハードコート剤の調製
攪拌装置、冷却管、窒素導入管を備えた反応装置に、
グリシジルメタアクリレート(以下GMAと記す) 35部
メチルメタクリレート(以下MMAと記す) 15部
ドデシルメルカプタン 0.3部
2,2’−アゾイソブチロニトリル(以下AIBNと記す) 1.5部
酢酸ブチル 200部
を仕込んだ後、窒素気流下で約1時間かけて90℃になるまで昇温し、1時間保温した。次いで、予め
GMA 105部
MMA 45部
ドデシルメルカプタン 0.7部
AIBN 2部
からなる混合液を仕込んだ滴下ロートにより、窒素気流下で混合液を約2時間かけて滴下し、3時間90℃に保った後、AIBN2部を仕込み、1時間保温した。その後、120℃に昇温し、2時間保温した。60℃まで冷却した後、窒素導入管を空気導入管に付け替え、
アクリル酸(以下AAと記す) 71部
メトキノン 0.4部
トリフェニルホスフィン 1部
を仕込み、混合した後、空気バブリング下にて、110℃まで昇温し、8時間保温した。その後、メトキノン0.3部を仕込み、冷却して、不揮発性分が50%となるように酢酸エチルを加え、活性エネルギー線硬化性ポリマー液Aを得た。
【0068】
このポリマー溶液に含まれるポリマーは、アクリル当量270g/eq、水酸基価207mgKOH/g、エポキシ当量7000g/eq以上、重量平均分子量20000であった。
得られた活性エネルギー線硬化性ポリマー液Aを以下のように混合して、ハードコート剤を得た。
活性エネルギー線硬化性ポリマー液A 200部(固形分として100部)
アルミニウムトリスアセチルアセトン 10部
光重合開始剤(イルガキュア184:チハ゛スヘ゜シャルティケミカルス社製)5部
【0069】
実施例2:高屈折率コーティング剤の調製
メチルメタアクリレート 80部
メタアクリル酸 20部
アゾイソブチロニトリル 1部
イソプロピルアルコール 200部
を反応容器に仕込み、窒素雰囲気下80℃で7時間反応させて、重量平均分子量30000のポリマーのイソプロピルアルコール溶液を得た。
得られたポリマー溶液をさらにイソプロピルアルコールで固形分5%まで希釈し、アクリル樹脂溶液Bを得た。
得られたアクリル樹脂溶液Bを以下のように混合して、高屈折率コーティング剤を得た。
アクリル樹脂溶液B 5部
ビスフェノールAジグリシジルエーテル 0.25部
平均粒径20nmの酸化チタン粒子 0.5部
トリフェニルホスフィン 0.05部
イソプロピルアルコール 14.25部
【0070】
実施例3:低屈折率コーティング剤の調製
2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート 45部
パーフルオロオクチルエチルアクリレート 45部
アクリル酸 10部
アゾイソブチロニトリル 1.5部
メチルエチルケトン 200部
を反応容器に仕込み、窒素雰囲気下80℃で7時間反応させて、重量平均分子量20000のポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。
得られたポリマー溶液をメチルエチルケトンで固形分5%まで希釈し、フッ素ポリマー溶液Cを得た。
得られたフッ素ポリマー溶液Cを以下のように混合して、低屈折率コーティング剤を得た。
フッ素ポリマー溶液C 44部
1,10−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロデカン(フルオライトFE−16:共栄社化学(株)社製) 1部
トリフェニルホスフィン 0.1部
メチルエチルケトン 19部
【0071】
実施例4:反射防止フィルムの作製
易接着処理が施された厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、実施例1で得られたハードコート剤を塗布し、150℃で30秒間加熱して硬化し、膜厚5μmのハードコート層を形成した。
このハードコート層上に、実施例2で得られた高屈折率コーティング剤を塗布し、150℃で2分間乾燥し、膜厚0.1μmの高屈折率層を形成した。
この高屈折率層の上に、実施例3で得られた低屈折率コーティング剤を塗布し、150℃で2分間乾燥し、膜厚0.1μmの低屈折率層を形成した。
得られたフィルムに、紫外線を1000mJ/cm照射してハードコート層を完全に硬化させ、反射防止フィルムIを得た。
アクリル系粘着剤として、綜研化学製SKダイン2094/硬化剤E−AX=100/2.7を離型フィルムに塗布し、100℃で2分間乾燥して膜厚25μmの粘着層を形成した。その離型フィルムの粘着層面を、反射防止フィルムの反射防止層とは反対面に貼着ラミネートした。離型フィルムをはがして、反射防止フィルムの粘着層をガラス基材上に貼りつけ、反射防止機能を有したガラス板を形成した。
【0072】
比較例
実施例4において、ハードコート層の上に高屈折率層を形成する前に、紫外線を500mJ/cm照射してハードコート層を完全に硬化させたこと以外は、実施例4と同様にして反射防止フィルムIIを得、同様に、ガラス基体上に貼りつけ、反射防止機能を有したガラス板を形成した。
【0073】
試験例1
実施例4及び比較例で得られたガラス板をカッターナイフで2mm間隔で25マスの碁盤目状の切り傷を付けた。この碁盤目の上に粘着テープを貼り、剥がした後の塗膜の状態を目視によって観察した。
【0074】
試験例2
実施例4及び比較例で得られたガラス板の表面を、スチールウール#000にて200g/cmの荷重をかけて、可動距離2cm、2往復/秒で10往復した後、表面の傷つき具合を判定した。
それらの結果を表1に示す。
【0075】
【表1】
Figure 2004212619
なお、実施例4で得られたガラス板は、図1に示すように、反射率が低下していることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反射防止フィルムを用いた基体の反射率を示すグラフである。

Claims (16)

  1. 基材フィルム上にハードコート層及び反射防止層が順次積層されてなり、
    前記ハードコート層が、(メタ)アクリル当量100〜300g/eq、水酸基価50〜550mgKOH/g、エポキシ当量7000 g/eq以上、重量平均分子量5000〜100000のポリマーと、熱硬化剤とを有効成分として含有する熱硬化性及び活性エネルギー線硬化性を有する樹脂組成物の熱架橋反応生成物により形成されてなることを特徴とする反射防止フィルム。
  2. ポリマーが、エポキシ基を有する重合体に不飽和二重結合を有するモノカルボン酸を付加させた反応生成物である請求項1記載の反射防止フィルム。
  3. エポキシ基を有する重合体が、グリシジル(メタ)アクリレートの単独重合体又はグリシジル(メタ)アクリレートの共重合体である請求項2記載の反射防止フィルム。
  4. 熱硬化剤が、キレート化合物、金属アルコキシド、シランカップリング剤及びその部分加水分解物並びに酸無水物からなる群から選択される1以上の化合物である請求項1〜3のいずれか1つに記載の反射防止フィルム。
  5. 光重合開始剤が含有されてなる請求項1〜4のいずれか1つに記載の反射防止フィルム。
  6. 反射防止層が、屈折率が1.3〜1.5である請求項1〜5のいずれか1つに記載の反射防止フィルム。
  7. 反射防止層が、屈折率が異なる2層以上の層から構成され、屈折率が最も低い層が反射防止フィルムの最表面に配置するように形成されてなる請求項1〜5のいずれか1つに記載の反射防止フィルム。
  8. 反射防止層が、屈折率が異なる2層から構成され、一方の層の屈折率が1.3〜1.5、他方の層の屈折率が1.6〜1.9である請求項7に記載の反射防止フィルム。
  9. 反射防止層が、基材フィルム側から、中屈折率層、高屈折率層及び低屈折率層の順に積層されて構成される請求項7に記載の反射防止フィルム。
  10. 屈折率が低い層が、含フッ素樹脂からなる請求項8又は9に記載の反射防止フィルム。
  11. 屈折率が高い層が、金属酸化物を含む請求項8〜10のいずれか1つに記載の反射防止フィルム。
  12. 中屈折率層が、金属酸化物を含む請求項9〜11のいずれか1つに記載の反射防止フィルム。
  13. 基材フィルムとハードコート層との間及び/又はハードコート層と反射防止層との間にアンカー層が設けられてなる請求項1〜12のいずれか1つに記載の反射防止フィルム。
  14. 基材フィルムとハードコート層との間に絵柄層が設けられてなる請求項1〜13のいずれか1つに記載の反射防止フィルム。
  15. 基材フィルム上に、(メタ)アクリル当量100〜300g/eq、水酸基価50〜550mgKOH/g、エポキシ当量7000 g/eq以上、重量平均分子量5000〜100000のポリマーと、熱硬化剤とを有効成分として含有する熱硬化性及び活性エネルギー線硬化性を有する樹脂組成物を塗布し、得られた基材フィルムを加熱して前記樹脂組成物を一次硬化させてハードコート層を形成した後、ハードコート層上に反射防止膜を形成し、得られた基材フィルムに活性エネルギー線を照射することによりハードコート層を二次硬化させることからなることを特徴とする反射防止フィルムの製造方法。
  16. 請求項1〜14のいずれか1つに記載の反射防止フィルムが、接着又は粘着層を介してその表面に貼着されてなる基体。
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