JP2012027190A - 光反射性フィルムの製造方法、及び光反射性フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(a)樹脂フィルムの片面に表面エネルギーが30mN/m未満でかつ鉛筆硬度2H以上であるハードコート層を形成して積層体を形成する工程と、(b)前記ハードコート層を付与した面と反対側の前記積層体の表面上に、硬化性液晶組成物を塗布する工程と、(c)塗布された前記硬化性液晶組成物を乾燥させてコレステリック液晶相の状態とする工程と、(d)前記硬化性液晶組成物の硬化反応を進行させてコレステリック液晶相を固定し、光反射層を形成する工程と、(e)前記光反射層を形成した積層体の上で、前記(b)工程〜(d)工程を少なくとも1回繰り返す工程を含むことを特徴とする光反射性フィルムの製造方法。
【選択図】図1
Description
また、特許文献2には、コレステリック液晶層を有する赤外光反射物品や、その一部にハードコート層を形成してもよいことが開示されている。コレステリック液晶層を複数層積層する例としては、液晶表示装置への利用に対する試みが多く、具体的には可視光領域の光を効率的に反射させる試みが多く、例えば、特許文献3にはコレステリック層を多数重ねた例が開示されている。引用文献3の実施例では、配向膜が形成されたガラス基板上で、コレステリック液晶材料を含む塗布・硬化させる工程を繰り返すことで、積層体を作製している。
しかしながら、コレステリック液晶相を固定した層を複数層作製する際のロールへの巻き取りや送り出し操作に起因する光反射性フィルムの性能の劣化についてはいずれの文献にも言及されていなかった。特に、特許文献2および4には、ハードコート層を設けることが記載されているが、コレステリック液晶層を積層していない側のフィルム面の表面エネルギーやハードコート層の詳細については検討されていなかった。
一方、塗膜と一般的な樹脂フィルム裏面との巻き取り時における接触の影響として、例えば、ブロッキングのような接着の問題があることや、それに対してフィルム裏面の表面エネルギーを下げる等の対策方法があることが知られている。しかしながら、本発明者らが単にコレステリック液晶相を固定した層を複数層作製フィルムの裏面の表面エネルギーを下げたところ、依然として光反射率の低下は抑止できない上、さらにヘイズが悪化していることを見出すに至った。
すなわち、本発明者らは、下記の構成により上記課題を解決できることを見出し、本発明の完成に至った。本発明は以下の構成である。
[1] (a)樹脂フィルムの片面に表面エネルギーが30mN/m未満でかつ鉛筆硬度2H以上であるハードコート層を形成して積層体を形成する工程と、(b)前記ハードコート層を付与した面と反対側の前記積層体の表面上に、硬化性液晶組成物を塗布する工程と、(c)塗布された前記硬化性液晶組成物を乾燥させてコレステリック液晶相の状態とする工程と、(d)前記硬化性液晶組成物の硬化反応を進行させてコレステリック液晶相を固定し、光反射層を形成する工程と、(e)前記光反射層を形成した積層体の上で、前記(b)工程〜(d)工程を少なくとも1回繰り返す工程を含むことを特徴とする光反射性フィルムの製造方法。
[2] 前記硬化性液晶組成物が、重合性棒状液晶化合物、該重合性棒状液晶化合物の配向を制御可能な配向制御剤、及び溶剤を少なくとも含有することを特徴とする[1]に記載の光反射性フィルムの製造方法。
[3] 前記(b)工程〜(e)工程において、右円偏光の光を反射する層及び左円偏光の光を反射する層を少なくとも一層ずつ形成することを特徴とする[1]または[2]に記載の光反射性フィルムの製造方法。
[4] 前記(a)工程と前記(b)工程の間に、前記ハードコート層を形成した面と反対側の前記積層体の表面を配向させる工程を含むことを特徴とする[1]〜[3]のいずれか一項に記載の光反射性フィルムの製造方法。
[5] 前記(a)工程と前記(b)工程の間に、前記ハードコート層を形成した面と反対側の前記積層体の上に配向膜を作製する工程と、該配向膜の表面を配向させる工程を含むことを特徴とする[1]〜[4]のいずれか一項に記載の光反射性フィルムの製造方法。
[6] 前記積層体の表面を、ラビング処理によって配向させる工程を含むことを特徴とする[4]または[5]に記載の光反射性フィルムの製造方法。
[7] フッ素系化合物を含むハードコート層用組成物を用いて、前記ハードコート層を形成する工程を含むことを特徴とする[1]〜[6]のいずれか一項に記載の光反射性フィルムの製造方法。
[8] ケイ素系化合物を含むハードコート層用組成物を用いて、前記ハードコート層を形成する工程を含むことを特徴とする[1]〜[7]のいずれか一項に記載の光反射性フィルムの製造方法。
[9] 前記樹脂フィルムがポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする[1]〜[8]のいずれか一項に記載の光反射性フィルムの製造方法。
[10] 窓貼付用光反射性フィルムの製造方法であることを特徴とする[1]〜[9]のいずれか一項に記載の光反射性フィルムの製造方法。
[11] ロール状に巻き取る工程を含むことを特徴とする[1]〜[10]のいずれか一項に記載の光反射性フィルムの製造方法。
[12] [1]〜[11]のいずれか一項に記載の光反射性フィルムの製造方法で製造されたことを特徴とする光反射性フィルム。
[13] ロール状に巻き取られていることを特徴とする[12]に記載の光反射性フィルム。
本発明の光反射性フィルムの製造方法(以下、本発明の製造方法とも言う)は、(a)樹脂フィルムの片面に表面エネルギーが30mN/m未満でかつ鉛筆硬度2H以上であるハードコート層を形成して積層体を形成する工程と、(b)前記ハードコート層を付与した面と反対側の前記積層体の表面上に、硬化性液晶組成物を塗布する工程と、(c)塗布された前記硬化性液晶組成物を乾燥させてコレステリック液晶相の状態とする工程と、(d)前記硬化性液晶組成物の硬化反応を進行させてコレステリック液晶相を固定し、光反射層を形成する工程と、(e)前記光反射層を形成した積層体の上で、前記(b)工程〜(d)工程を少なくとも1回繰り返す工程を含むことを特徴とする。
本発明の製造方法は、上記構成を有することで、ロール状の巻き取りや送り出し操作を行なった後にも、広帯域にわたり赤外線反射性能が良好であり、ヘイズが小さい光反射性フィルムを製造することができる。また、コレステリック液晶相を固定してなる光反射層は、当該コレステリック液晶相の螺旋ピッチに基づいて、特定の波長の光を反射する光選択反射特性を示す。よって、コレステリック液晶相の螺旋ピッチを調整して、波長700nm以上の波長域の光のみを遮断すれば、高い遮熱効果を得ることができる。
以下、本発明の製造方法について、好ましく用いられる材料や工程について順に説明する。
本発明の製造方法は、(a)樹脂フィルムの片面に表面エネルギーが30mN/m未満でかつ鉛筆硬度2H以上であるハードコート層を形成して積層体を形成する工程を含む。
本発明の製造方法では、前記樹脂フィルムについては特に制限はない。用途によっては、紫外光に対する高い透明性が要求されるであろう。所定の光学特性を満足するように、生産工程を管理して製造される、λ/2板等の特殊の位相差板であってもよいし、また、面内レターデーションのバラツキが大きく、具体的には、波長1000nmの面内レターデーションRe(1000)のバラツキで表現すれば、Re(1000)のバラツキが20nm以上、また100nm以上であり、所定の位相差板としては使用不可能なポリマーフィルム等であってもよい。
本発明の製造方法では、透明度の観点から、前記樹脂フィルムがポリエチレンテレフタレートフィルムであることが好ましい。
前記樹脂フィルムの片面にハードコート層を形成して積層体を形成する方法としては、特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。
前記ハードコート層を形成する方法としては、塗布、スパッタなどの気相製膜などを挙げることができ、その中でも塗布が好ましく、一定の硬さを得るために多官能のモノマー或いはオリゴマーを含んだ塗布液を塗布し、乾燥後硬膜させたものが望ましい。
前記塗布の方法としては、溶媒に材料を溶解及び/又は分散した、塗布液として調製されるのが好ましい。前記塗布液の塗布は、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法等の種々の方法によって行うことができる。また、インクジェット装置を用いて、液晶組成物をノズルから吐出して、塗膜を形成することもできる。
ハードコート層の形成に利用される材料については特に制限はない。ポリマーフィルム(例えば、PETフィルム)のハードコート層の材料として従来用いられている種々の材料を利用することができる。
一方、前記ハードコート層の鉛筆硬度を2H以上に制御する方法としては、特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。ここで、例えば、前記ハードコート層用組成物は、主成分として少なくとも1種類の二官能以上の重合性モノマーを用いることが、光照射または熱により重合した後に得られるハードコート層の鉛筆硬度を2H以上に制御しやすい観点から好ましい。前記二官能以上の重合性モノマーとしては、二官能以上の(メタ)アクリレートが好ましい。ここで、本明細書中、(メタ)アクリレートとはメタクリレートとアクリレートの総称を意味し、二官能以上のモノマーとは、重合性基がモノマー1分子中に2以上含まれるモノマーのことを意味する。
前記ハードコート層の表面エネルギーを30mN/m未満に制御する方法としては、特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。
本発明の製造方法は、フッ素系化合物を含むハードコート層用組成物を用いて、前記ハードコート層を形成する工程を含むことが好ましい。
前記フッ素系化合物としては、パーフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートが高い撥水性が得られるので好ましい。
これらのフッ素系化合物は商業的に入手してもよく、例えば、共栄社化学工業(株)製、商品名:ライトアクリレートFA−108などを好ましく用いることができる。
これらのフッ素系化合物の添加量としては、ハードコート層全体の質量に対して0.05〜80質量%であることが好ましく、0.1〜60質量%であることがより好ましく、0.2〜50質量%であることが特に好ましい。
前記ハードコート層用組成物は、塗布性の観点から、粘度が1〜100Pa・sであることが好ましく、1〜30Pa・sであることがより好ましい。
本発明の製造方法は、前記(a)工程と前記(b)工程の間に、前記ハードコート層を形成した面と反対側の前記積層体の表面を配向させる工程を含むことが好ましい。このような配向処理の方法については特に制限はなく、配向膜を用いる方法などを挙げることができる。
本発明の製造方法は、(b)前記ハードコート層を付与した面と反対側の前記積層体の表面上に、硬化性液晶組成物を塗布する工程を含む。
前記硬化性液晶組成物は、(b)工程では積層体の表面、すなわち前記樹脂フィルム又は下層の光反射層の表面に塗布される。前記硬化性の液晶組成物の塗布方法については特に制限がなく公知の方法を用いることができるが、溶媒に材料を溶解及び/又は分散した、塗布液として調製されるのが好ましい。前記塗布液の塗布は、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法等の種々の方法によって行うことができる。また、インクジェット装置を用いて、液晶組成物をノズルから吐出して、塗膜を形成することもできる。
次に、前記硬化性液晶組成物に含まれる材料について説明する。
前記光反射層の形成に用いる前記硬化性液晶組成物は、例えば、棒状液晶化合物、該棒状液晶化合物の配向を制御可能な配向制御剤、及び溶剤を少なくとも含有することも好ましく、前記棒状液晶化合物は重合性棒状液晶化合物であることがより好ましい。
また、前記硬化性液晶組成物は棒状液晶化合物、光学活性化合物(キラル剤、カイラル剤とも言う)、及び重合開始剤を少なくとも含有することが好ましい。
さらに、重合開始剤を含有することがより好ましい。各成分を2種以上含んでいてもよい。例えば、重合性の液晶化合物と非重合性の液晶化合物との併用が可能である。また、低分子液晶化合物と高分子液晶化合物との併用も可能である。
その他、配向の均一性や塗布適性、膜強度を向上させるために、水平配向剤、ムラ防止剤、ハジキ防止剤、及び重合性モノマー等の種々の添加剤から選ばれる少なくとも1種を含有していてもよい。また、前記硬化性液晶組成物中には、必要に応じて、さらに重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤等を、光学的性能を低下させない範囲で添加することができる。
以下、前記硬化性液晶組成物に好ましく含まれる材料について説明する。
本発明に使用可能な棒状液晶化合物の例は、棒状ネマチック液晶化合物である。前記棒状ネマチック液晶化合物の例には、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類及びアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。低分子液晶化合物だけではなく、高分子液晶化合物も用いることができる。
重合性棒状液晶化合物は、重合性基を棒状液晶化合物に導入することで得られる。重合性基の例には、不飽和重合性基、エポキシ基、及びアジリジニル基が含まれ、不飽和重合性基が好ましく、エチレン性不飽和重合性基が特に好ましい。重合性基は種々の方法で、棒状液晶化合物の分子中に導入できる。重合性棒状液晶化合物が有する重合性基の個数は、好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜3個である。重合性棒状液晶化合物の例は、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許第4683327号明細書、同5622648号明細書、同5770107号明細書、国際公開WO95/22586号公報、同95/24455号公報、同97/00600号公報、同98/23580号公報、同98/52905号公報、特開平1−272551号公報、同6−16616号公報、同7−110469号公報、同11−80081号公報、及び特開2001−328973号公報などに記載の化合物が含まれる。2種類以上の重合性棒状液晶化合物を併用してもよい。2種類以上の重合性棒状液晶化合物を併用すると、配向温度を低下させることができる。
前記硬化性液晶組成物中に、安定的に又は迅速にコレステリック液晶相となるのに寄与する配向制御剤を添加してもよい。配向制御剤の例には、下記一般式(I)〜(IV)で表される化合物が含まれる。これらから選択される2種以上を含有していてもよい。これらの化合物は、層の空気界面において、液晶化合物の分子のチルト角を低減若しくは実質的に水平配向させることができる。さらに、下記式(I)〜(IV)の化合物はいずれも、下層から上層への拡散性に優れ、本発明の方法において、特に有用な配向制御剤である。
尚、本明細書で「水平配向」とは、液晶分子長軸と膜面が平行であることをいうが、厳密に平行であることを要求するものではなく、本明細書では、水平面とのなす傾斜角が20度未満の配向を意味するものとする。液晶化合物が空気界面付近で水平配向する場合、配向欠陥が生じ難いため、可視光領域での透明性が高くなり、また赤外領域での反射率が増大する。一方、液晶化合物の分子が大きなチルト角で配向すると、コレステリック液晶相の螺旋軸が膜面法線からずれるため、反射率が低下したり、フィンガープリントパターンが発生し、ヘイズの増大や回折性を示したりするため好ましくない。
−OCnH2n+1
−(OC2H4)n1(CF2)n2F
−(OC3H6)n1(CF2)n2F
−(OC2H4)n1NRaSO2(CF2)n2F
−(OC3H6)n1NRaSO2(CF2)n2F
なお、上記式中、n、n1及びn2はそれぞれ1以上の整数であり、nは1〜20であるのが好ましく、5〜15であるのがより好ましく;n1は1〜10であるのが好ましく、1〜5であるのがより好ましく;n2は1〜10であるのが好ましく、2〜10であるのがより好ましい。
m1は、1又は2であるのが好ましく、2であるのがより好ましい。1である場合はパラ位、2である場合は、パラ位とメタ位にRが置換しているのが好ましい。
m2は、1又は2であるのが好ましく、1であるのがより好ましい。1である場合はパラ位、2である場合は、パラ位とメタ位にRが置換しているのが好ましい。
m3は、1〜3であるのが好ましく、−COOHに対して、2つのメタ位と1つのパラ位にRが置換しているのが好ましい。
前記式(II)の化合物の例には、特開2002−129162号公報の[0076]〜{0078}及び[0082]〜[0085]中に例示されている化合物が含まれる。
前記式(III)の化合物の例には、特開2005−99248号公報の[0094]及び[0095]中に例示されている化合物が含まれる。
前記式(IV)の化合物の例には、特開2005−99248号公報の[0096]中に例示されている化合物が含まれる。
前記硬化性液晶組成物中における、前記溶剤としては特に制限はなく、公知の液晶性化合物の溶剤を用いることができる。例えば、前記溶剤としては、溶剤の種類については特に制限はない。例えば、ケトン類(アセトン、2−ブタノン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなど)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、脂肪族炭化水素類(ヘキサンなど)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサンなど)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレンなど)、ハロゲン化炭素類(ジクロロメタン、ジクロロエタンなど)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、水、アルコール類(エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノールなど)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブなど)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)などが例示できる。本発明の製造方法では、固形分の溶解性、塗布膜の乾燥の効率性の観点から、2−ブタノンを用いることがより好ましい。一方、配向制御剤が溶解しやすいように極性の高い溶剤を用いることもでき、具体的にはトルエン、メチルエチルケトン、N−メチルピロリドン等がこの場合は好ましい。これらの溶媒は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
塗膜形成性や生産効率などの観点で、前記硬化性液晶組成物中における固形分濃度は、10〜50%であることが好ましく、15〜40%であることがさらに好ましい。
前記硬化性液晶組成物は、コレステリック液晶相を示すものであり、そのためには、光学活性化合物を含有しているのが好ましい。但し、上記棒状液晶化合物が不正炭素原子を有する分子である場合には、光学活性化合物を添加しなくても、コレステリック液晶相を安定的に形成可能である場合もある。前記光学活性化合物は、公知の種々のキラル剤(例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4−3項、TN、STN用キラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989に記載)から選択することができる。光学活性化合物は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物あるいは面性不斉化合物もキラル剤として用いることができる。軸性不斉化合物または面性不斉化合物の例には、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファンおよびこれらの誘導体が含まれる。光学活性化合物(キラル剤)は、重合性基を有していてもよい。光学活性化合物が重合性基を有するとともに、併用する棒状液晶化合物も重合性基を有する場合は、重合性光学活性化合物と重合性棒状液晶合物との重合反応により、棒状液晶化合物から誘導される繰り返し単位と、光学活性化合物から誘導される繰り返し単位とを有するポリマーを形成することができる。この態様では、重合性光学活性化合物が有する重合性基は、重合性棒状液晶化合物が有する重合性基と、同種の基であることが好ましい。従って、光学活性化合物の重合性基も、不飽和重合性基、エポキシ基又はアジリジニル基であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基であることが特に好ましい。
また、光学活性化合物は、液晶化合物であってもよい。
前記光反射層の形成に用いる硬化性液晶組成物は、重合性液晶組成物であるのが好ましく、そのためには、重合開始剤を含有しているのが好ましい。前記重合性液晶組成物の一例は、紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤を含有する、紫外線硬化性液晶組成物である。前記光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジン及びフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)及びオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)等が挙げられる。
本発明の光反射性フィルムは、反射する最大波長のピーク(極大値)が、700nm以上の、いわゆる赤外線反射特性の光反射層を有することが好ましく、反射する光の波長のピークが、800〜1300nmの範囲に1つ以上あるのが好ましい。波長700nm以上の光に対する選択反射性は、一般的には、螺旋ピッチが500〜1350nm程度(好ましくは500〜900nm程度、より好ましくは550〜800nm程度)であり、及び厚みが1μm〜8μm程度(好ましくは3〜8μm程度)のコレステリック液晶相によって達成される。
前記光反射層の選択反射波長は螺旋ピッチで決定され、及び選択波長は光の入射方向が層面に対して法線方向から傾斜すると、低波長側にシフトする傾向がある。よって、例えば、まず法線方向からの入射に対して螺旋ピッチを最適化し、入射角と選択反射波長の短波長シフトの関係を実測により確認し、螺旋ピッチを算出することができる。算出された所望の螺旋ピッチは、キラル剤の種類、その添加量、及び重合反応率等の要因の少なくとも1つを調整することで達成できる。
すなわち、本発明の光反射性フィルムの製造方法において、光反射層の形成に用いる材料(主には液晶材料及びキラル剤)の種類及びその濃度等を調整することで、所望の螺旋ピッチの光反射層を形成することができ、また、キラル剤又は液晶材料そのものを選択することで、所望の旋光性のコレステリック液晶相とすることができる。また層の厚みは、塗布量を調整することで所望の範囲とすることができる。
本発明の製造方法は、(c)塗布された前記硬化性液晶組成物を乾燥させてコレステリック液晶相の状態とする工程を含む。
前記硬化性液晶組成物が、溶媒を含む塗布液として調製されている態様では、塗膜を乾燥し、溶媒を除去することで、コレステリック液晶相の状態にすることができる場合がある。また、コレステリック液晶相への転移温度とするために、所望により、前記塗膜を加熱してもよい。例えば、一旦等方性相の温度まで加熱し、その後、コレステリック液晶相転移温度まで冷却する等によって、安定的にコレステリック液晶相の状態にすることができる。前記硬化性液晶組成物の液晶相転移温度は、製造適性等の面から10〜250℃の範囲内であることが好ましく、10〜150℃の範囲内であることがより好ましい。10℃未満であると液晶相を呈する温度範囲にまで温度を下げるために冷却工程等が必要となることがある。また200℃以下であれば、一旦液晶相を呈する温度範囲よりもさらに高温の等方性液体状態にするために高温を要したりすることがなく、熱エネルギーの浪費、光透過性支持体の変形、変質等を防ぐことができる。
本発明の製造方法は、(d)前記硬化性液晶組成物の硬化反応を進行させてコレステリック液晶相を固定し、光反射層を形成する工程を含む。
前記コレステリック液晶相の状態となった塗膜の硬化反応を進行させる方法としては特に制限はなく、公知の方法を用いることができるが、その中でも紫外線を照射する方法を好ましく用いることができる。
前記紫外線照射には、紫外線ランプ等の光源が利用される。この工程では、紫外線を照射することによって、前記液晶組成物の硬化反応が進行し、コレステリック液晶相が固定されて、光反射層が形成される。
紫外線の照射エネルギー量については特に制限はないが、一般的には、100mJ/cm2〜800mJ/cm2程度が好ましい。また、前記塗膜に紫外線を照射する時間については特に制限はないが、硬化膜の充分な強度及び生産性の双方の観点から決定されるであろう。
また、紫外線の波長についても特に制限はないが、光反射性フィルムの用途や前記光反射膜に求められる硬化後の強度に応じて、紫外線カットフィルタや紫外線吸収能を示す樹脂フィルムを用いて特定の波長の紫外線をカットしてもよい。
なお、本発明においては、コレステリック液晶相の光学的性質が層中において保持されていれば十分であり、最終的に層中の液晶組成物がもはや液晶性を示す必要はない。例えば、液晶組成物が、硬化反応により高分子量化して、もはや液晶性を失っていてもよい。
本発明の製造方法は、(e)前記光反射層を形成した積層体の上で、前記(b)工程〜(d)工程を少なくとも1回繰り返す工程を含む。
本発明の製造方法では、(e)工程により、後述する図1のように、コレステリック液晶相を固定してなる光反射層を2以上有する14a及び光反射層14bを有する構成の光反射性フィルム1を製造することができる。また、さらに、上記工程を繰り返すことで、図2に示す様な、4層以上の光反射層を有する光反射膜を作製することができる。
なお、本発明の製造方法が、図1および図2に示す態様の光反射膜、及び上記詳細に説明した例の製造方法に限定されないことは言うまでもなく、コレステリック液晶相を固定してなる光反射層を2以上有する光反射膜のいずれの製造にも利用することができる。
本発明の製造方法は、前記(b)工程〜(e)工程において、右円偏光の光を反射する層及び左円偏光の光を反射する層を少なくとも一層ずつ形成することが好ましい。例えば、図1および図2に基づいて説明すると、光反射層14aの表面に、光反射層14bを形成するために、硬化性液晶組成物を塗布する。当該硬化性液晶組成物も、光反射層14aと同様、コレステリック液晶相を示すために、右旋回性又は左旋回性のキラル剤、及び/又は、不斉炭素原子を有する液晶材料を含有する。特に、光反射層14aの形成に用いられるキラル剤と異なる方向の旋回性のキラル剤、例えば、光反射層14aの形成に用いられる液晶組成物が右旋回性のキラル剤を含有する態様では、左旋回性のキラル剤を、及び光反射層14aの形成に用いられる液晶組成物が左旋回性のキラル剤を含有する態様では、右旋回性のキラル剤を、含有しているのが好ましい。
前記右円偏光の光を反射する層及び前記左円偏光の光を反射する層は、互いに隣接していることが好ましい。これらの2層の光反射層が同程度の螺旋ピッチを有するとともに、互いに逆向きの旋光性を示している態様である。この態様では、同程度の波長の左及び右円偏光のいずれも反射することができるので好ましい。例えば、一方の光反射層が右旋回性のキラル剤を含有する硬化性液晶組成物からなり、他方の光反射層が左旋回性のキラル剤を含有する硬化性液晶組成物からなり、これらの光反射層の螺旋ピッチが同程度である例が挙げられる。また、この隣接する2層の光反射層の組を、2組以上有し、組間で螺旋ピッチが互いに異なっていると、反射される光の波長帯域が拡張し、広帯域の光反射性を示す。
本発明の製造方法は、ロール状に巻き取る工程を含むことが好ましい。このような巻き取りの方法としては特に制限はない。
前記巻き取りは、直径が80〜300mmの巻き芯に行う態様などを挙げることができる。
さらに、巻き取りは最終的に製品として出荷する際に行ってもよく、すなわち後述する本発明の光反射性フィルムはロール状であってもよい。
本発明の光反射性フィルムは、本発明の光反射性フィルムの製造方法で製造されたことを特徴とする。以下、本発明の光反射性フィルムについて説明する。
本発明の製造方法によって製造される光反射性フィルムの例を図1、図2にそれぞれ示す。
図1に示す光反射性フィルム1は、樹脂フィルム12の一方の表面上に形成された、コレステリック液晶相を固定してなる少なくとも2層以上に繰り返し積層された光反射層14a及び14bを有し、光反射層が形成されていない樹脂フィルム12のもう一方の表面上にハードコート層10が形成されている。また、図2に示す光反射性フィルム1は、さらにその上に、コレステリック液晶相を固定してなる光反射層16a及び16bをさらに有する。本発明の光反射性フィルムはこれらの態様に限定されるものではなく、6層以上光反射層が形成されている態様も好ましい。一方、前記光反射層が奇数層形成されていてもよい。
また、図2の光反射性フィルム1のそれぞれの一例として、光反射層14a及び14bの関係が光反射性フィルム1の上記例と同様であり、光反射層16aが右旋回性のキラル剤を含有する液晶組成物からなり、光反射層16bが左旋回性のキラル剤を含有する液晶組成物からなり、光反射層16a及び16bで螺旋ピッチが同程度d16nmであり、及びd14≠d16を満足する例が挙げられる。この条件を満足する光反射性フィルム1は、上記光反射性フィルム1の例と同様の効果を示すとともに、さらに、光反射層16a及び16bによって、反射される光の波長帯域が拡張し、広帯域の光反射性を示す。
本発明の製造方法により製造される光反射性フィルムは、各層のコレステリック液晶相に基づく選択反射特性を示す。本発明の光反射性フィルムは、右捩れ及び左捩れのいずれのコレステリック液晶相を固定してなる層を有していてもよい。同一の螺旋ピッチの右捩れ及び左捩れのコレステリック液晶相を固定した層をそれぞれ有していると、特定の波長の光に対する選択反射率が高くなるので好ましい。また、同一の螺旋ピッチの右捩れ及び左捩れのコレステリック液晶相を固定した層の対を、複数有していると、選択反射率を高められるとともに、選択反射波長域を広帯域化するので好ましい。
なお、コレステリック液晶相の旋回の方向は、棒状液晶の種類又は添加されるキラル剤の種類によって調整でき、螺旋ピッチは、これらの材料の濃度によって調整できる。
また、光反射性積層膜の総厚みについては特に制限はないが、コレステリック液晶相を固定した層を4層以上含み、赤外線反射域に広く光反射特性、即ち遮熱性、を示す態様では、各層の厚みは、3〜6μm程度であり、且つ光反射性積層膜の総厚みd3は、通常、15〜40μm程度になるであろう。
本発明の光反射性フィルムの形態は、シート状に広げられた形態であっても、ロール状に巻き取られた形態であっても構わないが、ロール状に巻き取られていることも好ましい。すなわち、本発明の光反射性フィルムは製造工程において巻き取りと送り出しを繰り返された場合に良好な光学特性を維持できることに加え、さらに製造後にロール状に巻き取られた状態で保管、搬送などをされても良好な光学特性を維持できることがより好ましい。
本発明の光反射性フィルムの用途は特に制限されない。
本発明の光反射性フィルムは、さらにガラス板やプラスチック基板等の表面に貼合されて用いられてもよい。この態様では、前記遮熱部材のガラス板等との貼合面は、粘着性であるのが好ましい。本実施形態では、本発明の光反射性フィルムは、ガラス板等の基板表面に貼合可能な、粘着層、易接着層等を有しているのが好ましい。勿論、非粘着性の本発明の光反射性フィルムを、接着剤を利用してガラス板の表面に貼合してもよい。
本発明の光反射性フィルムは、車両用又は建物用の遮熱性窓そのものとして、又は遮熱性付与を目的として、車両用又は建物用の窓に貼合されるシート又はフィルムとして、利用することができる。その他、フリーザーショーケース、農業用ハウス用材料、農業用反射シート、太陽電池用フィルム等として用いることができる。その中でも、本発明の光反射性フィルムは、窓貼付用光反射性フィルムに用いることが、高可視光透過率と低へイズという特性の観点から好ましい。
1.光反射性フィルムの製造
(1−1)帯電防止層の作製
厚み50μmのPETフィルムの一方の面に、下記組成のハードコート層塗布液(A)または(B)を4μmの厚みとなるように塗布した。次に、紫外線を250mJ/cm2照射して、層を硬化させた。このようにして、ハードコートフイルムを作製した。
────────────────────────────────────────
ハードコート層塗布液組成(A)
────────────────────────────────────────
ウレタンアクリレート(UA122P、新中村化学(株)製) 80質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA、日本化薬(株)製)10質量部
ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETA、日本化薬(株)製) 10質量部
二次平均粒径が1μmのシリカ微粒子 1質量部
光重合開始剤(イルガキュア184、チバガイギー社製) 3質量部
────────────────────────────────────────
────────────────────────────────────────
ハードコート層塗布液組成(B)
────────────────────────────────────────
ウレタンアクリレート(UA122P、新中村化学(株)製) 50質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA、日本化薬(株)製)10質量部
ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETA、日本化薬(株)製) 50質量部
二次平均粒径が1μmのシリカ微粒子 1質量部
光重合開始剤(イルガキュア184、チバガイギー社製) 3質量部
────────────────────────────────────────
またハードコート層の表面エネルギーを調整するためにハードコート層用塗布液中にフッ素系ポリマーとしてβ−(パーフルオロオクチル)エチルアクリレート(共栄社化学工業(株)製、商品名:ライトアクリレートFA−108)を添加し、各実施例および比較例の光反射性フィルムの裏面側の表面エネルギー、すなわちハードコート層の表面エネルギーを下記表4に記載した値になるように調整した。具体的には、実施例1ではハードコート層全体の質量に対して50質量%、実施例3では0.3質量%となるように添加した。ここで、表面エネルギーの測定は、協和界面科学(株)製の自動接触角計DM−300を用いて行った。
下記表1および2に示す組成の塗布液をそれぞれ調製した。
上記塗布液(A)および(B)のキラル剤濃度を調整して各光反射層の形成に用いた塗布液を、以下の表3にまとめた。また、各光反射層の反射特性及び反射波長のピークも合わせて示した。
(a) 調製した上記表3に記載の塗布液を用い、ハードコート層とは反対側のPETの面に、ワイヤーバーを用いて、乾燥後の乾膜の厚みが4〜5μm程度になるように上記(1)で作製した積層体の帯電防止層が形成されていない側の表面(PETフィルム)上に、室温にて塗布し;
(b) 室温にて30秒間乾燥させた後、85℃の雰囲気で4分間加熱し、コレステリック液晶相とし;
(c) その後30℃でアイグラフィック製メタルハライドランプにて出力を調整して、窒素置換有り、照射量は250mJ/cm2でUV照射し、コレステリック液晶相を固定して第1層(下層)を作製した。
(d) 作製した第1層を室温まで冷却した後、(a)〜(c)を繰り返して、1層下の光反射層の上に順次第2〜第6層を形成した。
光反射層を積層した後のフィルムを、直径167.5mmの巻き芯に対してロール状に100m巻き取った。
作製した各実施例および比較例の光反射性フィルムサンプルについて、以下の項目で評価した。
遮熱性能は、塗膜の日射反射率としてJIS R 316:1998「板ガラス類の透過率・反射率・放射率・日射取得率の試験方法」に記載の算出方法に準じて計算する方法が一般的に用いられているので、当該試験法に準拠して測定した。積分球付属装置付きの分光光度計を用いて測定した。
このときのサンプルは、直径167.5mmの巻き芯に対してロール状に巻き取った後に室温で1時間保管した後に再度フィルム状に巻き出したフィルムについて行った。
下記表4には、波長900nm〜1160nmの反射率を測定した結果を示す。
コレステリック液晶層の配向が悪化すると反射率が低下するのみならず、ヘイズが顕著に上昇するので、コレステリック液晶層の配向性の指標として、光反射性フィルム全体のヘイズを測定した。ヘイズは、JIS K 7136:2000(プラスチック−透明材料のヘーズの求め方)に準拠して測定した。
このときのサンプルは、直径167.5mmの巻き芯に対してロール状に巻き取った後に室温で1時間保管した後に再度フィルム状に巻き出したフィルムについて行った。
以下の表4に得られた結果を示す。表4中、ヘイズ欄の「○」は、“透明性が高く窓用のフィルムとして利用可能なレベル”を意味し、「×」は“(主に内部)散乱による白っぽさが観察され、窓用のフィルムとして透明性が不十分”を意味する。また、ヘイズ欄の括弧内は光反射層(コレステリック液晶層)の6層(No.1〜No.6)の積層膜のみのヘイズを示した結果であり、コレステリック液晶層を樹脂フィルム(PET支持体とハードコート層の積層体)より剥離させて、単体の膜としてヘイズメーターで測定した。
JIS K5400(鉛筆引っかき試験方法)に準拠して、ハードコート層表面の鉛筆硬度を測定した。
以下の表4に得られた結果を示す。
一方、比較例1〜3は、ハードコート層の表面エネルギーが30mN/mを超える水準であり、反射率とヘイズが共に悪いことがわかった。また、比較例4および5は、それぞれ実施例2および3においてハードコート層用塗布液を変更してハードコート層の鉛筆硬度を低下させた水準であり、反射率とヘイズが共に悪いことがわかった。
以上より、本発明では良好な反射率と良好なヘイズを達成できることがわかった。
10 ハードコート層
12 樹脂フィルム
14a、14b、16a、16b 光反射層
Claims (13)
- (a)樹脂フィルムの片面に表面エネルギーが30mN/m未満でかつ鉛筆硬度2H以上であるハードコート層を形成して積層体を形成する工程と、
(b)前記ハードコート層を付与した面と反対側の前記積層体の表面上に、硬化性液晶組成物を塗布する工程と、
(c)塗布された前記硬化性液晶組成物を乾燥させてコレステリック液晶相の状態とする工程と、
(d)前記硬化性液晶組成物の硬化反応を進行させてコレステリック液晶相を固定し、光反射層を形成する工程と、
(e)前記光反射層を形成した積層体の上で、前記(b)工程〜(d)工程を少なくとも1回繰り返す工程を含むことを特徴とする光反射性フィルムの製造方法。 - 前記硬化性液晶組成物が、重合性棒状液晶化合物、該重合性棒状液晶化合物の配向を制御可能な配向制御剤、及び溶剤を少なくとも含有することを特徴とする請求項1に記載の光反射性フィルムの製造方法。
- 前記(b)工程〜(e)工程において、右円偏光の光を反射する層及び左円偏光の光を反射する層を少なくとも一層ずつ形成することを特徴とする請求項1または2に記載の光反射性フィルムの製造方法。
- 前記(a)工程と前記(b)工程の間に、前記ハードコート層を形成した面と反対側の前記積層体の表面を配向させる工程を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光反射性フィルムの製造方法。
- 前記(a)工程と前記(b)工程の間に、前記ハードコートを形成した面と反対側の前記積層体の上に配向膜を作製する工程と、該配向膜の表面を配向させる工程を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光反射性フィルムの製造方法。
- 前記積層体の表面を、ラビング処理によって配向させる工程を含むことを特徴とする請求項4または5に記載の光反射性フィルムの製造方法。
- フッ素系化合物を含むハードコート層用組成物を用いて、前記ハードコート層を形成する工程を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の光反射性フィルムの製造方法。
- ケイ素系化合物を含むハードコート層用組成物を用いて、前記ハードコート層を形成する工程を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の光反射性フィルムの製造方法。
- 前記樹脂フィルムがポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の光反射性フィルムの製造方法。
- 窓貼付用光反射性フィルムの製造方法であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の光反射性フィルムの製造方法。
- ロール状に巻き取る工程を含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の光反射性フィルムの製造方法。
- 請求項1〜11のいずれか一項に記載の光反射性フィルムの製造方法で製造されたことを特徴とする光反射性フィルム。
- ロール状に巻き取られていることを特徴とする請求項12に記載の光反射性フィルム。
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