JP5308420B2 - 光反射性フィルムおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
また、特許文献2には、コレステリック液晶層を有する赤外光反射物品が開示されている。コレステリック液晶層を複数層積層する例としては、液晶表示装置への利用に対する試みが多く、具体的には可視光領域の光を効率的に反射させる試みが多く、例えば、特許文献3にはコレステリック層を多数重ねた例が開示されている。
次に、赤外光の光を高い反射率で反射するためには、コレステリック液晶相の配向性を良くすることが必要となる。これにより、光反射性フィルムの配向欠陥を無くし、低へイズ化することができ、反射率を高めることができる。
式(1) HTP=液晶の屈折率/(反射波長×キラル剤の濃度)
[1] 800〜2000nmのいずれかの波長の入射光を30%以上反射する、樹脂フィルム上に光反射層を有する光反射性フィルムの製造方法であって、硬化性液晶化合物を溶媒に溶解した原料溶液を送液しながら、下記式(1)で示すHTPが30μm-1以上のキラル剤をインラインで混合し、得られた塗布液を樹脂フィルム上に塗布し乾燥することにより形成したコレステリック液晶相をさらに硬化して光反射層を形成する工程を含むことを特徴とする光反射性フィルムの製造方法。
式(1)
HTP=硬化性液晶化合物の屈折率/{コレステリック液晶相の選択反射波長(単位:μm)×硬化性液晶化合物に対するキラル剤の比率}
[2] 800〜2000nmの赤外光領域において入射する光の30%以上を反射する波長領域をもつ光反射性フィルムの製造方法において、
(a) 硬化性液晶化合物を原料タンクにおいて溶媒に溶解する工程と、
(b) 前記原料溶液を、ポンプを使って前記原料タンクから送液管を通じて塗布装置へ送液する工程と、
(c) 送液した前記原料溶液に、前記送液管の内部で下記式(1)で示すHTPが30μm-1以上のキラル剤を含む溶液をインラインで添加し、混合する工程と、
(d) 混合後の硬化性液晶組成物を樹脂フィルム上に塗布する工程と、
(e) 塗布された前記硬化性液晶組成物を乾燥して、コレステリック液晶相の状態とする工程と、
(f) 前記硬化性液晶組成物の硬化反応を進行させてコレステリック液晶相を固定し、光反射層を形成する工程
を含むことを特徴とする光反射性フィルムの製造方法。
式(1)
HTP=硬化性液晶化合物の屈折率/{コレステリック液晶相の選択反射波長(単位:μm)×硬化性液晶化合物に対するキラル剤の比率}
[3] 前記キラル剤のインライン添加および混合を前記送液管の内部に設けられた静的混合器により行うことを特徴とする[1]または[2]に記載の光反射性フィルムの製造方法。
[4] 前記硬化性液晶化合物として、少なくとも1種のコレステリック液晶化合物を用いることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか一項に記載の光反射性フィルムの製造方法。
[5] 前記硬化性液晶組成物に、光重合開始剤を添加することを特徴とする[1]〜[4]のいずれか一項に記載の光反射性フィルムの製造方法。
[6] 前記硬化性液晶組成物に、配向制御剤を添加することを特徴とする[1]〜[5]のいずれか一項に記載の光反射性フィルムの製造方法。
[7] 前記硬化性液晶化合物に対する前記キラル剤の添加量が5.1質量%以下であることを特徴とする[1]〜[6]のいずれか一項に記載の光反射性フィルムの製造方法。
[8] 前記キラル剤のHTPが35〜95μm-1であることを特徴とする[1]〜[7]のいずれか一項に記載の光反射性フィルムの製造方法。
[9] 反射中心波長が950〜2000nmであることを特徴とする[1]〜[8]のいずれか一項に記載の光反射性フィルムの製造方法。
[10] 前記反射中心波長を測定する工程と、前記キラル剤の添加量を測定した反射中心波長からフィードバックして制御する工程を含むことを特徴とする[1]〜[9]のいずれか一項に記載の光反射性フィルムの製造方法。
[11](g) 前記光反射層の上で、 前記キラル剤の濃度または種類を変更して、前記(a)工程〜(f)工程を少なくとも1回繰り返して光反射層を積層する工程を含むことを特徴とする[1]〜[10]のいずれか一項に記載の光反射性フィルムの製造方法。
[12] 前記(d)工程〜(e)工程において、右円偏光の光を反射する層及び左円偏光の光を反射する層を少なくとも一層ずつ形成することを特徴とする[11]に記載の光反射性フィルムの製造方法。
[13] 前記樹脂フィルムがポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする[1]〜[12]のいずれか一項に記載の光反射性フィルムの製造方法。
[14] 窓貼付用光反射性フィルムの製造方法であることを特徴とする[1]〜[13]のいずれか一項に記載の光反射性フィルムの製造方法。
[15] [1]〜[14]のいずれか一項に記載の光反射性フィルムの製造方法で製造され、800〜2000nmの赤外光領域において入射する光の30%以上を反射する波長領域を持つことを特徴とする光反射性フィルム。
[16] 下記式(1)で示すHTPが30μm-1以上のキラル剤を含み、かつ、ヘイズが0.2%以下であるコレステリック液晶相を固定してなる光反射層が、少なくとも1層積層されていることを特徴とする[15]に記載の光反射性フィルム。
式(1)
HTP=硬化性液晶化合物の屈折率/{コレステリック液晶相の選択反射波長(単位:μm)×硬化性液晶化合物に対するキラル剤の比率}
本発明の光反射性フィルムの製造方法の第一の態様は、800〜2000nmのいずれかの波長の入射光を30%以上反射する、樹脂フィルム上に光反射層を有する光反射性フィルムの製造方法であって、硬化性液晶化合物を溶媒に溶解した原料溶液を送液しながら、下記式(1)で示すHTPが30μm-1以上のキラル剤をインラインで混合し、得られた塗布液を樹脂フィルム上に塗布し乾燥することにより形成したコレステリック液晶相をさらに硬化して光反射層を形成する工程を含むことを特徴とする。
式(1)
HTP=硬化性液晶化合物の屈折率/{コレステリック液晶相の選択反射波長(単位:μm)×硬化性液晶化合物に対するキラル剤の比率}
また、本発明の光反射性フィルムの製造方法の第二の態様は、800〜2000nmの赤外光領域において入射する光の30%以上を反射する波長領域をもつ光反射性フィルムの製造方法において、(a)硬化性液晶化合物を原料タンクにおいて溶媒に溶解する工程と、(b)前記原料溶液を、ポンプを使って前記原料タンクから送液管を通じて塗布装置へ送液する工程と、(c)送液した前記原料溶液に、前記送液管の内部で前記式(1)で示すHTPが30μm-1以上のキラル剤を含む溶液をインラインで添加し、混合する工程と、(d)混合後の硬化性液晶組成物を樹脂フィルム上に塗布する工程と、(e)塗布された前記硬化性液晶組成物を乾燥して、コレステリック液晶相の状態とする工程と、(f)前記硬化性液晶組成物の硬化反応を進行させてコレステリック液晶相を固定し、光反射層を形成する工程を含むことを特徴とする。
なお、本発明の光反射性フィルムの製造方法を本発明の製造方法とも言う。
まず、式(1)について説明する。
キラル剤のラセン配向能力は通常HTP(Helical Twisting Power)で表すことができる。ここで、式(1)中、硬化性液晶化合物の屈折率とは、例えば『光波工学(國分泰雄著、共立出版株式会社(1999年)』の20ページに記載のように
ここで、キラル剤のHTPは、選択波長のキラル剤濃度依存性を実験的に求めることにより、決定することができ、一意に定めることができる。
本発明の製造方法は、800〜2000nmのいずれかの波長の入射光を30%以上反射する、樹脂フィルム上に光反射層を有する光反射性フィルムの製造方法に関する。本発明の製造方法は、このような長波長の赤外光領域の波長を反射する光反射層を形成するときに、従来公知の製造方法でキラル剤の添加をすると、長波長の赤外光領域における反射性能が良好であり、かつ、配向性の良好な光反射性フィルムを得ることが難しいという課題を見出して、その課題を解決したものである。なお、光反射性フィルムの反射する特定の領域の波長は、製造方法のさまざまな要因によってシフトさせることができることが知られており、キラル剤の添加濃度のほか、コレステリック液晶相を硬化するときの温度や照度と照射時間などの条件などでシフトさせることができる。なお、ここでいう反射可能な波長領域と、前記式(1)における選択反射波長は同じである。
本発明の光反射性フィルムの製造方法は、800〜2000nmのいずれかの波長の入射光を50%以上反射する光反射性フィルムを製造するときにより好ましく用いることができる。
本発明の製造方法は、長波長の赤外光領域の波長を反射する光反射層を形成するとき、キラル剤の添加濃度による影響が非常に大きくなることを見出し、キラル剤の添加濃度を高精度で制御することで、上記課題を解決したものである。
以下、本発明の光反射性フィルムの製造方法について、好ましく用いられる材料や工程について、本発明の第二の態様に即して、順に説明する。
本発明の製造方法の第一の態様では、硬化性液晶化合物をあらかじめ溶媒に溶解させて調製しておいた原料溶液を使用しても、製造時に硬化性液晶化合物を溶媒に溶解させてもよい。また、原料溶液は、タンク状であっても、タンク状以外の形状であってもよい。
一方、本発明の製造方法の第二の態様では、(a)硬化性液晶化合物を原料タンクにおいて溶媒に溶解する工程を含む。
本発明の製造方法の第一の態様では、前記原料溶液を送液する方法としては特に制限はなく、ポンプなどの動力を用いても、重力により自然に送液してもよい。また、送液するときに、塗布装置まで通じた送液管の中を送液してもよく、塗布装置以外の塗布液を一次的に保存する装置に通じた送液管の中を送液してもよい。
一方、本発明の製造方法の第二の態様では、(b)前記原料溶液を、ポンプを使って前記原料タンクから送液管を通じて塗布装置へ送液する工程を含む。調製された原料溶液はポンプを使って塗布ヘッドまで送液されることが好ましい。
本発明の製造方法の第一の態様では、前記原料溶液に前記キラル剤をインラインで添加する態様としては特に制限はなく、溶剤に溶かしたキラル剤溶液として添加してもよく、キラル剤が液体の場合はキラル剤単体で液体として添加してもよく、必要に応じて溶融させてキラル剤溶液として添加してもよく、固体のままキラル剤を添加してもよい。その中でも、本発明の製造方法は、前記キラル剤を 溶媒に溶解した溶液の状態で添加することが好ましい。
一方、本発明の製造方法の第二の態様では、(c)送液した前記原料溶液に、前記送液管の内部で前記式(1)で示すHTPが30μm-1以上のキラル剤を含む溶液をインラインで添加し、混合する工程を含む。
このとき、前記キラル剤溶液に用いられる溶媒の組成は、原料溶液を調製するときに用いた溶媒と等しい組成であるのが最も好ましいが、原料溶液の乾燥性等を変化させるために、異なる組成の溶媒を使用することもできる。溶媒の種類については後述する原料溶液調製用の溶媒の中から一種又は二種以上を混合して用いることが出来る。また、UV吸収剤、染料、剥離促進剤、滑剤のような機能性付与を目的とする添加剤を少量加えることができる。また、溶媒のみ又は溶媒に添加剤を添加したものを用いる場合も、溶媒の組成は、原料溶液の溶媒の組成と同一であることが好ましい。
前記(c)工程においては、タンクより送液された前記硬化性液晶組成物の塗布液を、塗布装置(塗布部)より前の配管等の途中にて、キラル剤をインラインで添加・混合することで、塗布液を完成させることが好ましい。また、混合の態様としては、特に制限はなく、静的混合であっても、動的混合であってもよい。また、混合時に必要に応じて加熱をしてもよい。
本発明の製造方法では、前記キラル剤のインライン添加および混合を前記送液管の内部に設けられた静的混合器(静止型混合器と呼ばれることもある)により行うことがシンプルな構造でかつ外気との接触なく(異物混入少ない)高い混合性が得られる観点から好ましい。前記静的混合器とは、 例えばノリタケカンパニー社製のスタティックミキサーの構造を有するもののことを言う。前記静的混合器としては、例えば特開2001−205062号公報に記載のものを好ましく用いることができる。
本発明の製造方法は、(d)混合後の硬化性液晶組成物を樹脂フィルム上に塗布する工程を含む。
硬化性液晶組成物を塗布液して完成させた後に、例えば、ポリマーフィルム、ガラス板、石英板等の基板の表面に、又は必要であれば、基板上に形成された配向膜表面に塗布されることが好ましい。前記塗布液の塗布は、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法等の種々の方法によって行うことができる。
本発明の製造方法は、(e)塗布された前記硬化性液晶組成物を乾燥して、コレステリック液晶相の状態とする工程を含む。
前記硬化性液晶組成物が、溶媒を含む塗布液として調製されている態様では、塗膜を乾燥し、溶媒を除去することで、コレステリック液晶相の状態にすることができる場合がある。また、コレステリック液晶相への転移温度とするために、所望により、前記塗膜を加熱してもよい。例えば、一旦等方性相の温度まで加熱し、その後、コレステリック液晶相転移温度まで冷却する等によって、安定的にコレステリック液晶相の状態にすることができる。前記硬化性液晶組成物の液晶相転移温度は、製造適性等の面から10〜250℃の範囲内であることが好ましく、10〜150℃の範囲内であることがより好ましい。10℃未満であると液晶相を呈する温度範囲にまで温度を下げるために冷却工程等が必要となることがある。また200℃を超えると、一旦液晶相を呈する温度範囲よりもさらに高温の等方性液体状態にするために高温を要し、熱エネルギーの浪費、所望により用いられる基板の変形、変質等からも不利になる。
本発明の製造方法は、(f)前記硬化性液晶組成物の硬化反応を進行させてコレステリック液晶相を固定し、光反射層を形成する工程を含む。
前記硬化反応は、例えば、紫外線等の活性放射線を照射することで進行させることができる。紫外線照射を利用する態様では、紫外線ランプ等の光源が利用される。この工程では、紫外線を照射することによって、前記液晶組成物の硬化反応が進行し、コレステリック液晶相が固定されて、選択光反射特性を示す下層が形成される。
本発明の製造方法は、(g)前記光反射層の上で、 前記キラル剤の濃度または種類を変更して、前記(a)工程〜(f)工程を少なくとも1回繰り返して光反射層を積層する工程を含むことが好ましい。このような光反射層が2層以上の積層体を得る場合においても、本発明の製造方法は好ましく採用することができる。
遮熱性能の高い光反射性フィルムとするためには、キラル剤の濃度や種類(右ネジレ、左ネジレ)を変えた層を積層する必要がある。そのため、光反射層毎に塗布液を準備する必要があり、塗布液を交換するための洗浄毎にロスが発生したり、調液用のタンクを複数準備したりする必要があり、コストが高くなるという問題があった。これに対し、本発明の製造方法の好ましい態様では、z千基(g)工程を有することで、光反射層を2層以上積層するときにキラル剤の濃度や種類のみを容易に変更することができる。
本発明の製造方法は、前記反射中心波長を測定する工程と、前記キラル剤の添加量を測定した反射中心波長からフィードバックして制御する工程を含むことが好ましい。前記フィードバックの方法としては特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。このとき、インラインの測定器の光学データをフィードバックしながら、塗布は連続的に行なったままで、キラル剤の添加量を調整することが好ましい。フィードバック制御の方法については、例えば特開2006−258880号公報に記載の方法、装置を用いることができる。
次に、本発明の製造方法に使用することができる材料について説明する。本発明の製造方法は、硬化性液晶化合物と、キラル剤を使用する。さらに本発明の製造方法では、上述の配向制御剤を含有していることが光反射性をより高精度に制御し、配向性を良好となる観点から好ましい。また、本発明の製造方法では、硬化性とするために、重合開始剤を含有していることが好ましい。
本発明の方法に利用される液晶組成物は、硬化性液晶化合物である。前記硬化性液晶化合物は、棒状液晶化合物であっても、円盤状液晶化合物であってもよいが、棒状液晶化合物であることが好ましい。
重合性棒状液晶化合物は、重合性基を棒状液晶化合物に導入することで得られる。重合性基の例には、不飽和重合性基、エポキシ基、及びアジリジニル基が含まれ、不飽和重合性基が好ましく、エチレン性不飽和重合性基が特に好ましい。重合性基は種々の方法で、棒状液晶化合物の分子中に導入できる。重合性棒状液晶化合物が有する重合性基の個数は、好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜3個である。重合性棒状液晶化合物の例は、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許第4683327号明細書、同5622648号明細書、同5770107号明細書、国際公開WO95/22586号公報、同95/24455号公報、同97/00600号公報、同98/23580号公報、同98/52905号公報、特開平1−272551号公報、同6−16616号公報、同7−110469号公報、同11−80081号公報、及び特開2001−328973号公報などに記載の化合物が含まれる。2種類以上の重合性棒状液晶化合物を併用してもよい。2種類以上の重合性棒状液晶化合物を併用すると、配向温度を低下させることができる。
前記硬化性液晶組成物は、コレステリック液晶相を示すものであり、そのためには、光学活性化合物を含有している。前記光学活性化合物は、公知の種々のキラル剤(例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4−3項、TN、STN用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989に記載)から選択することができる。前記キラル剤は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物あるいは面性不斉化合物もキラル剤として用いることができる。軸性不斉化合物または面性不斉化合物の例には、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファンおよびこれらの誘導体が含まれる。前記キラル剤は、重合性基を有していてもよい。光学活性化合物が重合性基を有するとともに、併用する棒状液晶化合物も重合性基を有する場合は、重合性光学活性化合物と重合性棒状液晶合物との重合反応により、棒状液晶化合物から誘導される繰り返し単位と、光学活性化合物から誘導される繰り返し単位とを有するポリマーを形成することができる。この態様では、重合性光学活性化合物が有する重合性基は、重合性棒状液晶化合物が有する重合性基と、同種の基であることが好ましい。従って、光学活性化合物の重合性基も、不飽和重合性基、エポキシ基又はアジリジニル基であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基であることが特に好ましい。
また、前記キラル剤は、液晶化合物であってもよい。
前記硬化性液晶組成物中のキラル剤は、併用される前記硬化性液晶化合物に対して、1〜10質量%であることが好ましい。また、前記硬化性液晶組成物中のキラル剤は、前記硬化性液晶化合物に対して1〜7質量%であることがより好ましく、1〜5.1質量%であることがより特に好ましい。
前記キラル剤の使用量は、より少なくした方が液晶性に影響を及ぼさないことが多いため好まれる。従って、前記キラル剤は、少量でも所望の螺旋ピッチの捩れ配向を達成可能なように、強い捩り力のある化合物が好ましい。この様な、強い捩れ力を示すキラル剤としては、例えば、特開2003−287623公報に記載のキラル剤が挙げられ、本発明に好ましく用いることができる。
本発明に使用可能な配向制御剤の好ましい例には、下記一般式(I)〜(IV)で表される化合物が含まれる。これらから選択される2種以上を含有していてもよい。これらの化合物は、層の空気界面において、液晶化合物の分子のチルト角を低減若しくは実質的に水平配向させることができる。
尚、本明細書で「水平配向」とは、液晶分子長軸と膜面が平行であることをいうが、厳密に平行であることを要求するものではなく、本明細書では、水平面とのなす傾斜角が20度未満の配向を意味するものとする。液晶化合物が空気界面付近で水平配向する場合、配向欠陥が生じ難いため、可視光領域での透明性が高くなり、また赤外領域での反射率が増大する。一方、液晶化合物の分子が大きなチルト角で配向すると、コレステリック液晶相の螺旋軸が膜面法線からずれるため、反射率が低下したり、フィンガープリントパターンが発生したりし、ヘイズの増大や回折性を示すため好ましくない。
Rの好ましい例には、
−OCnH2n+1
−(OC2H4)n1(CF2)n2F
−(OC3H6)n1(CF2)n2F
−(OC2H4)n1NRaSO2(CF2)n2F
−(OC3H6)n1NRaSO2(CF2)n2F
なお、上記式中、n、n1及びn2はそれぞれ1以上の整数であり、nは1〜20であるのが好ましく、5〜15であるのがより好ましく;n1は1〜10であるのが好ましく、1〜5であるのがより好ましく;n2は1〜10であるのが好ましく、2〜10であるのがより好ましい。
前記式中、m1、m2及びm3はそれぞれ、1以上の整数を表す。
m1は、1又は2であるのが好ましく、2であるのがより好ましい。1である場合はパラ位、2である場合は、パラ位とメタ位にRが置換しているのが好ましい。
m2は、1又は2であるのが好ましく、1であるのがより好ましい。1である場合はパラ位、2である場合は、パラ位とメタ位にRが置換しているのが好ましい。
m3は、1〜3であるのが好ましく、−COOHに対して、2つのメタ位と1つのパラ位にRが置換しているのが好ましい。
前記式(II)の化合物の例には、特開2002−129162号公報の[0076]〜{0078}及び[0082]〜[0085]中に例示されている化合物が含まれる。
前記式(III)の化合物の例には、特開2005−99248号公報の[0094]及び[0095]中に例示されている化合物が含まれる。
前記式(IV)の化合物の例には、特開2005−99248号公報の[0096]中に例示されている化合物が含まれる。
前記配光制御剤の使用量は、前記硬化性液晶化合物に対して(塗布液の場合は固形分)の0.1〜20質量%であることが好ましく、1〜8質量%であることがさらに好ましい。
前記光反射層の形成に用いる液晶組成物は、硬化性液晶組成物である。重合性液晶組成物であるのが好ましく、そのためには、重合開始剤を含有しているのが好ましい。紫外線照射により硬化反応を進行させる態様では、使用する重合開始剤は、紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤であるのが好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジン及びフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)及びオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)等が挙げられる。
前記光重合開始剤の使用量は、前記硬化性液晶化合物に対して(塗布液の場合は固形分)の0.1〜20質量%であることが好ましく、1〜8質量%であることがさらに好ましい。
その他、上記液晶組成物は、配向の均一性や塗布適性、膜強度を向上させるために、ムラ防止剤、ハジキ防止剤、及び重合性モノマー等の種々の添加剤から選ばれる少なくとも1種を含有していてもよい。また、前記液晶組成物中には、必要に応じて、さらに重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、色材、金属酸化物微粒子等を、光学的性能を低下させない範囲で添加することができる。
硬化性液晶化合物を溶解させる、前記溶剤としては特に制限はなく、公知の液晶性化合物の溶剤を用いることができる。例えば、前記溶剤としては、溶剤の種類については特に制限はない。例えば、ケトン類(アセトン、2−ブタノン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなど)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、脂肪族炭化水素類(ヘキサンなど)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサンなど)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレンなど)、ハロゲン化炭素類(ジクロロメタン、ジクロロエタンなど)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、水、アルコール類(エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノールなど)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブなど)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)などが例示できる。本発明の製造方法では、固形分の溶解性、塗布膜の乾燥の効率性の観点から、2−ブタノンを用いることがより好ましい。一方、配向制御剤が溶解しやすいように極性の高い溶剤を用いることもでき、具体的にはトルエン、メチルエチルケトン、N−メチルピロリドン等がこの場合は好ましい。これらの溶媒は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
塗膜形成性や生産効率などの観点で、前記硬化性液晶組成物中における固形分濃度は、10〜50%であることが好ましく、15〜40%であることがさらに好ましい。
本発明の光反射性フィルムの製造方法に用いられる樹脂フィルムとしては特に制限はなく、任意の樹脂フィルムの上に光反射層を塗布し、本発明の光反射性フィルムを製造することができる。前記樹脂フィルムとしては、例えば可視光に対する透過性が高いポリマーフィルムを用いることができる。
前記可視光に対する透過性が高いポリマーフィルムとしては、液晶表示装置等の表示装置の部材として用いられる種々の光学フィルム用のポリマーフィルムが挙げられる。前記樹脂フィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステルフィルム;ポリカーボネート(PC)フィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム;ポリイミドフィルム、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム、などが好ましく、ポリエチレンテレフタレートおよびトリアセチルセルロースがより好ましく、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
本発明の製造方法に好ましく用いられる製造装置を、図面を参照して説明する。
図3は本発明の製造方法に好ましく用いられる製造装置の一実施形態の概略模式図である。図3において、符号1は予め調製された原料溶液を貯溜する原料タンクで、この原料タンク1は、送液管2を介して塗布装置11に連結されている。この送液管2には、原料タンク1側からポンプ4、フィルター5及び静止型混合器6が設けられている。符号7はキラル剤(またはキラル剤溶液)を貯溜する溶媒タンクで、このキラル剤用タンク7は、キラル剤用送液管8を介して送液管2の静止型混合器6の上流側に連結されている。また、キラル剤用送液管8には、キラル剤用タンク7側からポンプ9及びフィルター10が設けられている。なお、符号11は塗布装置を模式的に表したものであり、塗布装置の形態、配置場所などは図3によって限定されることはない。
光反射層へ添加するキラル剤の種類を変更する場合は、キラル剤用タンク7に別の種類のキラル剤を入れ替えてもよいし、別のキラル剤用タンク(図示せず)にキラル剤を準備しておき、別の配管に切り替えて原料溶液に異なる種類のキラル剤をインライン添加してもよい。
本発明の光反射性フィルムは、本発明の光反射性フィルムの製造方法で製造され、波長800〜2000nmの赤外光領域において、入射する光の30%以上を反射する波長領域を反射することを特徴とする。以下、本発明の光反射性フィルムについて説明する。
本発明の製造方法によって製造される光反射性フィルムの例を図1、図2にそれぞれ示す。
図1に示す光反射性フィルム21は、樹脂フィルム12の一方の表面上に形成された、コレステリック液晶相を固定してなる光反射層14aを有している。また、図2に示す光反射性フィルム21は、さらにその上に、コレステリック液晶相を固定してなる光反射層14b、16a及び16bをさらに有する。本発明の光反射性フィルムはこれらの態様に限定されるものではなく、6層以上光反射層が形成されている態様も好ましい。一方、前記光反射層が奇数層形成されていてもよい。
また、図2の光反射性フィルム21のそれぞれの一例として、光反射層14a及び14bの関係が光反射性フィルム21の上記例と同様であり、光反射層16aが右旋回性のキラル剤を含有する液晶組成物からなり、光反射層16bが左旋回性のキラル剤を含有する液晶組成物からなり、光反射層16a及び16bで螺旋ピッチが同程度d16nmであり、及びd14≠d16を満足する例が挙げられる。この条件を満足する光反射性フィルム21は、上記光反射性フィルム21の例と同様の効果を示すとともに、さらに、光反射層16a及び16bによって、反射される光の波長帯域が拡張し、広帯域の光反射性を示す。
なお、コレステリック液晶相の旋回の方向は、棒状液晶の種類又は添加されるキラル剤の種類によって調整でき、螺旋ピッチは、これらの材料の濃度によって調整できる。
また、光反射性フィルムが光反射層を2層以上有する積層体であるときの総厚みについては特に制限はないが、コレステリック液晶相を固定した光反射層を4層以上含み、赤外線反射域に広く光反射特性、即ち遮熱性、を示す態様では、各層の厚みは、3〜6μm程度であり、且つ光反射性フィルムの総厚みd3は、通常、15〜40μm程度になるであろう。
式(1)
HTP=硬化性液晶化合物の屈折率/{コレステリック液晶相の選択反射波長(単位:μm)×硬化性液晶化合物に対するキラル剤の比率}
窓等に貼付されている光反射性フィルムには、透明であることが要求され、ヘイズは低いほど好ましい。ヘイズは好ましくは0.15%以下である。なお、ヘイズは、JIS K 7136:2000(プラスチック−透明材料のヘーズの求め方)に準拠して測定することができる。なお、本発明の光反射性フィルムが複数層の光反射層を有する場合は、積層された光反射性フィルムから1層ごとの光反射層を剥ぎ取ってヘイズを測定することもでき、そのときの剥ぎ取り方としては、特に制限はない。
本発明の光反射性フィルムの形態は、シート状に広げられた形態であっても、ロール状に巻き取られた形態であっても構わないが、ロール状に巻き取られていることも好ましい。すなわち、本発明の光反射性フィルムは製造工程において巻き取りと送り出しを繰り返された場合に良好な光学特性を維持できることに加え、さらに製造後にロール状に巻き取られた状態で保管、搬送などをされても良好な光学特性を維持できることがより好ましい。
本発明の光反射性フィルムの用途は特に制限されない。本発明の光反射性フィルムは、窓貼付用光反射性フィルムであることが好ましい。
本発明の光反射性フィルムは、さらにガラス板やプラスチック基板等の表面に貼合されて用いられてもよい。この態様では、前記遮熱部材のガラス板等との貼合面は、粘着性であるのが好ましい。本実施形態では、本発明の光反射性フィルムは、ガラス板等の基板表面に貼合可能な、粘着層、易接着層等を有しているのが好ましい。勿論、非粘着性の本発明の光反射性フィルムを、接着剤を利用してガラス板の表面に貼合してもよい。
本発明の光反射性フィルムは、車両用又は建物用の遮熱性窓そのものとして、又は遮熱性付与を目的として、車両用又は建物用の窓に貼合されるシート又はフィルムとして、利用することができる。その他、フリーザーショーケース、農業用ハウス用材料、農業用反射シート、太陽電池用フィルム等として用いることができる。その中でも、本発明の光反射性フィルムは、窓貼付用光反射性フィルムに用いることが、高可視光透過率と低へイズという特性の観点から好ましい。
前記遮熱部材は、住宅、オフィスビル等の建造物、又は自動車等の車両の窓に、日射の遮熱用の部材として貼付される。又は、日射の遮熱用の部材そのもの(たとえば、遮熱用ガラス、遮熱用フィルム)として、その用途に供することができる。
(塗布液(硬化性液晶組成物)の調製)
まず、下記表1に示す組成の塗布液を調製した。
上記表1の原料溶液を原料タンク1で調製し、ポンプ4を通じて塗布装置11へ送液した。フィルター5を通過した後、送液管2の途中で上記表2のキラル剤をキラル材用タンク7からキラル剤用送液管8を通じてポンプ9によってインライン添加し、静的混合器6で混合し、塗布液を調製した。完成した膜の反射中心波長が1000nmになるように下記表3に記載のとおりに添加剤濃度を調整した。実施例1などにおけるインライン添加の場合には、インラインの測定器(図示せず)の光学データをフィードバックしながら、塗布は連続的に行なったままで、キラル剤の添加量を調整し、光学性能を合わせ込んだ。
なお、このとき、キラル剤は上記表2に記載の溶剤に溶解させてインライン添加した。
調製した塗布液はワイヤーバーを用いて、乾燥後の乾膜の厚みが4〜5μm程度になるように、厚み50μmの富士フイルム製PETフィルム上に、室温にて塗布し;
室温にて30秒間乾燥させた後、85℃の雰囲気で4分間加熱し、コレステリック液晶相とし;
その後30℃でアイグラフィック製メタルハライドランプにて出力を調整して、窒素置換下において、照度28.3mW/cm2で3秒間UV照射し、コレステリック液晶相を固定して実施例1の光反射性フィルムを作製した。
下記表3に記載したとおりにキラル剤の種類、添加量、インライン添加の有無を変更した以外は実施例1と同様にして、各実施例および比較例の光反射性フィルムを製膜した。
インライン添加無しの比較例2〜4では、キラル剤を予め原料タンクに投入し塗布液を調製した。作製した膜の反射波長の中心波長が1000nmに対してずれている場合には、タンクにキラル剤を添加する場合には、作製した膜のデータをもとに添加量を決定し、送液ライン、塗布部を洗浄した後、再度送液、塗布を行い、光学性能を合わせ込んだ。
各実施例および比較例の条件で光反射性フィルムをそれぞれ10回ずつ上記の方法でフィードバック制御しながら製造し、得られた10枚の光反射性フィルムの反射中心波長の目標値(1000nm)からのズレを測定した。その平均値を計算して求めた結果を、下記表3に示す。
コレステリック液晶層の配向が悪化すると反射率が低下するのみならず、ヘイズが顕著に上昇するので、コレステリック液晶層の配向性の指標として、光反射性フィルム全体のヘイズを測定した。ヘイズは、JIS K 7136:2000(プラスチック−透明材料のヘーズの求め方)に準拠して測定した。
以下の表3に得られた結果を示す。なお、ヘイズは光反射層(コレステリック液晶層)を樹脂フィルム上に1層積層した態様で測定したものである。
一方、比較例1はHTPが本発明の範囲を下回るキラル剤を用いた例であり、ヘイズが大きくなってしまうことがわかった。比較例2〜4は、インラインでキラル剤を添加せず、原料溶液を調製するときに、硬化性液晶化合物とあらかじめ混合して製膜した水準であり、反射中心波長の目標値からのズレが大きくなることがわかった。特に、比較例4より、HTPが本発明の範囲を下回るキラル剤を多量に用いて、従来公知の方法を採用してインラインでキラル剤を添加しなかった場合、反射中心波長の目標値からのズレを小さくするにつれてヘイズが上昇してしまい、両者を両立することができないことがわかった。
実施例1で積層した光反射層(第1層という)を室温まで冷却した後、実施例1においてキラル剤Aを右捻れ用の下記構造のキラル剤Dをインラインで混合した以外は同様にして、1層下の光反射層の上に第2層を形成した。なお、第2層の反射波長のピークは1000nmである。
さらに、第2層の上に、第3層および第4層として反射波長のピークが1120nmとなるように前記キラル剤Aと下記キラル剤Dをそれぞれ濃度調製して用いて実施例1と同様に積層し、さらにその上に第5層および第6層として反射波長のピークが1240nmとなるように前記キラル剤Aと下記キラル剤Dをそれぞれ濃度調製して用いて実施例1と同様に積層した。
得られた光反射性フィルムは、実施例1と同様の傾向を示した。
2 送液管
4 ポンプ
5 フィルター
6 静的混合器
7 キラル剤用タンク
8 キラル剤用送液管
9 ポンプ
10 フィルター
11 塗布装置
12 樹脂フィルム
14a、14b、16a、16b 光反射層
21 光反射性フィルム
Claims (14)
- 800〜2000nmのいずれかの波長の入射光を30%以上反射する、樹脂フィルム上に光反射層を有する光反射性フィルムの製造方法であって、
硬化性液晶化合物を溶媒に溶解した原料溶液を送液しながら、下記式(1)で示すHTPが30μm-1以上のキラル剤をインラインで混合し、得られた塗布液を樹脂フィルム上に塗布し乾燥することにより形成したコレステリック液晶相をさらに硬化して光反射層を形成する工程
を含むことを特徴とする光反射性フィルムの製造方法。
式(1)
HTP=硬化性液晶化合物の屈折率/{コレステリック液晶相の選択反射波長(単位:μm)×硬化性液晶化合物に対するキラル剤の比率} - 800〜2000nmのいずれかの波長の入射光を30%以上反射する、樹脂フィルム上に光反射層を有する光反射性フィルムの製造方法であって、
(a) 硬化性液晶化合物を原料タンクにおいて溶媒に溶解する工程と、
(b) 前記原料溶液を、ポンプを使って前記原料タンクから送液管を通じて塗布装置へ送液する工程と、
(c) 送液した前記原料溶液に、前記送液管の内部で下記式(1)で示すHTPが30μm-1以上のキラル剤を含む溶液をインラインで添加し、混合する工程と、
(d) 混合後の硬化性液晶組成物を樹脂フィルム上に塗布する工程と、
(e) 塗布された前記硬化性液晶組成物を乾燥して、コレステリック液晶相の状態とする工程と、
(f) 前記硬化性液晶組成物の硬化反応を進行させてコレステリック液晶相を固定し、光反射層を形成する工程
を含むことを特徴とする光反射性フィルムの製造方法。
式(1)
HTP=硬化性液晶化合物の屈折率/{コレステリック液晶相の選択反射波長(単位:μm)×硬化性液晶化合物に対するキラル剤の比率} - 前記キラル剤のインライン添加および混合を前記送液管の内部に設けられた静的混合器により行うことを特徴とする請求項1または2に記載の光反射性フィルムの製造方法。
- 前記硬化性液晶化合物として、少なくとも1種のコレステリック液晶化合物を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光反射性フィルムの製造方法。
- 前記硬化性液晶組成物に、光重合開始剤を添加することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光反射性フィルムの製造方法。
- 前記硬化性液晶組成物に、配向制御剤を添加することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光反射性フィルムの製造方法。
- 前記硬化性液晶化合物に対する前記キラル剤の添加量が5.1質量%以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の光反射性フィルムの製造方法。
- 前記キラル剤のHTPが35〜95μm-1であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の光反射性フィルムの製造方法。
- 反射中心波長が950〜2000nmであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の光反射性フィルムの製造方法。
- 前記反射中心波長を測定する工程と、前記キラル剤の添加量を測定した反射中心波長からフィードバックして制御する工程を含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の光反射性フィルムの製造方法。
- (g) 前記光反射層の上で、 前記キラル剤の濃度または種類を変更して、前記(a)工程〜(f)工程を少なくとも1回繰り返して光反射層を積層する工程を含むことを特徴とする請求項2〜10のいずれか一項に記載の光反射性フィルムの製造方法。
- 前記(d)工程〜(e)工程において、右円偏光の光を反射する層及び左円偏光の光を反射する層を少なくとも一層ずつ形成することを特徴とする請求項11に記載の光反射性フィルムの製造方法。
- 前記樹脂フィルムがポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の光反射性フィルムの製造方法。
- 窓貼付用光反射性フィルムの製造方法であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の光反射性フィルムの製造方法。
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