JP6215146B2 - 光学積層体、光学積層体の製造方法、および光学積層体作製のための転写材料 - Google Patents

光学積層体、光学積層体の製造方法、および光学積層体作製のための転写材料 Download PDF

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Description

本発明は光学積層体、光学積層体の製造方法、および光学積層体作製のための転写材料に関する。
コレステリック液晶相を固定した層(以下、コレステリック液晶層という)は特定の波長で選択反射を示すことが知られており、複数のコレステリック液晶層を積層したフィルムは、遮熱フィルム、画像表示装置などのさまざまな用途で使用されている。例えば、特許文献1には、可視光透過性サブストレートと赤外光反射性コレステリック液晶層とを備えた赤外光反射性物品が開示されている。また、特許文献2には、複数のコレステリック液晶層を備えた偏光素子が開示されている。
コレステリック液晶層を複数備えた積層体を作製する方法の一例として、例えば、特許文献3および4などに記載される以下の方法がある。まず、重合性液晶化合物を含む液晶組成物を基板上に塗布し、その塗膜においてコレステリック液晶相を形成後、紫外線照射により塗膜を硬化してコレステリック液晶相を固定し、第1層を形成する。その後、第1層表面に第2層形成のための液晶組成物を塗布し上記を繰り返すことを含む方法である。特許文献3には先に形成された層に繰り返し紫外線が照射されることに関連する技術が開示されている。また特許文献4には、接着性付与層の表面でコレステリック液晶層を作製することにより、液晶層間の密着性を高めた赤外線反射フィルムについて開示されている。
特表2009−514022号公報 特許第3500127号公報 特開2011−18037号公報 特開2013−158970号公報
コレステリック液晶層を積層したフィルムは用途の広がりに応じて様々な基材に強固に接着して用いることが求められてきている。特許文献4では、接着性付与層の利用により基材とコレステリック液晶層との接着性を高くした構成が開示されている。しかし、接着性付与層に硬化前の液晶組成物を塗布して製造されることから液晶分子の配向が不均一な部分が生じており、得られたフィルムのヘイズが高く用途が限定される。
本発明の課題は、コレステリック液晶層を積層したフィルムを、コレステリック液晶層の光学特性に影響を与えることなく、高い接着性で基材に接着させることを可能とすることである。より具体的には、本発明の課題は、2層以上のコレステリック液晶層と接着剤と基材とを含む光学積層体として、ヘイズ値が低く、かつ高い層間密着性を有する光学積層体を提供することである。本発明はまた、上記の光学積層体を製造するための製造方法および転写材料を提供することを課題とする。
コレステリック液晶層を積層したフィルムを様々な基材に接着する際、密着性を上げるためには、接着力の高い粘着成分を含む接着剤を用いることが好ましいと考えられる。しかし、本発明者らが、コレステリック液晶層を含むフィルムを上記の接着剤を用いて基材に接着して用いていたところ、コレステリック液晶層の反射スペクトルが変化している例が見られた。この原因は、高温下などにおいて粘着成分がコレステリック液晶層に侵入して液晶化合物の配向を乱していることによると考え、本発明者らは、液晶化合物を含む液晶組成物の硬化により形成されるコレステリック液晶層の硬化度を上げて粘着成分の侵入を抑えることを試みた。しかし、コレステリック液晶層の硬化度を上げると、コレステリック液晶層を多層積層する場合のコレステリック液晶層の間の密着や、コレステリック液晶層と接着層との間の結合が弱くなり、密着性に問題が生じた。また、硬化度を上げた際の密着性を改善するために、高酸素濃度化で液晶組成物の紫外線照射による硬化を行ったところ、ブロッキングの問題が生じた。
そこで、本発明者らは、コレステリック液晶層を複数備えた積層体を作製する製法の特徴も考慮してさらに検討を重ね、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は下記の[1]〜[14]を提供するものである。
[1]基材、接着層、および2層以上の液晶層をこの順で含む光学積層体であって、
上記液晶層は、重合性液晶化合物を含む液晶組成物をコレステリック液晶相とした後に硬化することにより上記コレステリック液晶相を固定した層であり、
上記液晶層の1つが上記接着層と接しており、
上記接着層に接する液晶層が上記の2層以上の液晶層の中で最も硬化度が高く、
上記接着層には粘着成分が含まれており、
上記光学積層体のヘイズ値が3%以下である光学積層体。
[2]2層以上の液晶層の硬化度が上記基材側から順次減少している[1]に記載の光学積層体。
[3]上記粘着成分がウレタンアクリレートまたはエポキシアクリレートである[1]または[2]に記載の光学積層体。
[4]上記基材がポリカーボネートである[1]〜[3]のいずれか一項に記載の光学積層体。
[5]基材、接着層、および2層以上の液晶層をこの順で含む光学積層体の製造方法であって、以下工程:
第1の仮支持体上に重合性液晶化合物を含む液晶組成物を塗布し、上記液晶組成物をコレステリック液晶相とした後、硬化して、上記コレステリック液晶相を固定して第1液晶層を形成する、第1硬化工程;
先に形成した液晶層上に重合性液晶化合物を含む液晶組成物を塗布し、第1液晶層の形成と同じ手順で液晶層を形成する工程を1回以上繰り返し、第1の仮支持体上に2つ以上の液晶層を含む転写体を作製する繰り返し硬化工程;
上記転写体の上記繰り返し硬化工程で最後に形成された液晶層側の面を、接着剤により第2の仮支持体に接着させ、続いて第1の仮支持体を剥離する第1転写工程;
上記転写体を上記剥離後に得られる剥離面で粘着成分を含む接着剤により基材に接着させる第2転写工程
を含む製造方法。
[6]第2転写工程の後に第2の仮支持体を剥離する工程を含む[5]に記載の製造方法。
[7]上記硬化が全て、紫外線照射により行われる[5]または[6]に記載の製造方法。
[8]重合性液晶化合物を含む液晶組成物の先に形成した液晶層上への上記塗布が先に形成した液晶層の表面に直接行われる[5]〜[7]のいずれか一項に記載の製造方法。
[9]第1の仮支持体および第2の仮支持体からなる群から選択される1つ以上がポリエチレンテレフタレートフィルムである[5]〜[8]のいずれか一項に記載の製造方法。
[10]上記粘着成分がウレタンアクリレートまたはエポキシアクリレートである[5]〜[9]のいずれか一項に記載の製造方法。
[11]上記基材がポリカーボネートである[5]〜[10]のいずれか一項に記載の製造方法。
[12]光学積層体作製のための転写材料であって、
仮支持体、接着層、および2層以上の液晶層を含む転写体をこの順で含み、
上記液晶層は重合性液晶化合物を含む液晶組成物をコレステリック液晶相とした後に、硬化することにより上記コレステリック液晶相を固定した層であり、
仮支持体から最も遠い液晶層が2層以上の液晶層の中で最も硬化度が高く、
上記転写体のヘイズ値が3%以下である転写材料。
[13]2層以上の液晶層の硬化度が第2の仮支持体側から順次増加している[12]に記載の転写材料。
[14]上記仮支持体がポリエチレンテレフタレートフィルムである[12]または[13]に記載の転写材料。
本発明により、2層以上のコレステリック液晶層と接着剤と基材とを含む光学積層体として、良好な光学特性と高い層間密着性を有する光学積層体が提供される。本発明はまた、上記の光学積層体を提供することのできる製造方法および転写材料を提供する。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、例えば、「45°」、「平行」、「垂直」あるいは「直交」等の角度は、特に記載がなければ、厳密な角度との差異が5度未満の範囲内であることを意味する。厳密な角度との差異は、4度未満であることが好ましく、3度未満であることがより好ましい。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレートおよびメタクリレートのいずれか一方または双方」の意味で使用される。
本明細書において、円偏光につき「選択的」というときは、照射される光の右円偏光成分または左円偏光成分のいずれかの光量が、他方の円偏光成分よりも多いことを意味する。具体的には「選択的」というとき、光の円偏光度は、0.3以上であることが好ましく、0.6以上がより好ましく、0.8以上がさらに好ましい。実質的に1.0であることがさらに好ましい。 ここで、円偏光度とは、光の右円偏光成分の強度をIR、左円偏光成分の強度をILとしたとき、|IR−IL|/(IR+IL)で表される値である。光の円偏光成分の比を表すため、本明細書においては、円偏光度を用いることがある。
本明細書において、円偏光につき「センス」というときは、右円偏光であるか、または左円偏光であるかを意味する。円偏光のセンスは、光が手前に向かって進んでくるように眺めた場合に電場ベクトルの先端が時間の増加に従って時計回りに回る場合が右円偏光であり、反時計回りに回る場合が左円偏光であるとして定義される。
本明細書においては、コレステリック液晶の螺旋の捩れ方向について「センス」との用語を用いることもある。コレステリック液晶による選択反射は、コレステリック液晶の螺旋の捩れ方向(センス)が右の場合は右円偏光を反射し、左円偏光を透過し、センスが左の場合は左円偏光を反射し、右円偏光を透過する。
可視光線は電磁波のうち、ヒトの目で見える波長の光であり、380nm〜780nmの波長域の光を示す。赤外線(赤外光)は可視光線より長く電波より短い波長域電磁波である。赤外線のうち、近赤外光とは780nm〜2500nmの波長域の電磁波である。紫外線は可視光線より短くX線より長い波長域電磁波である。紫外線は可視光線およびX線と区別される波長領域の光であればよく、例えば波長10nm〜380nmの範囲の光である。
<光学積層体>
本発明の光学積層体は、2層以上のコレステリック液晶層を含む複数の層からなる積層体である。
光学積層体は、基材、接着層、および2層以上のコレステリック液晶層をこの順で含み、接着層と2層以上のコレステリック液晶層のうちのいずれか一層とは直接接している。接着層と直接接しているコレステリック液晶層は2層以上のコレステリック液晶層のうち最も接着層側にあるコレステリック液晶層であればよい。
光学積層体は、配向層、表面保護層などの他の層を含んでいてもよい。2層以上のコレステリック液晶層の隣接する2層のコレステリック液晶層の間それぞれには、接着層が含まれてないことが好ましい。2層以上のコレステリック液晶層の隣接する2層のコレステリック液晶層の間それぞれには、別の層が含まれていないか、または配向層のみを有することが好ましい。2層以上のコレステリック液晶層の隣接する2層のコレステリック液晶層それぞれは、直接接していることも好ましい。
光学積層体の形状は特に限定されないが、通常、シート状、フィルム状、板状などであればよい。光学積層体は長尺状であっても、使用態様に応じて必要な大きさに裁断された(本明細書において、「裁断」には「打ち抜き」及び「切り出し」等も含むものとする)ものであってもよい。そのほか、光学積層体は、後述の基材の形状などに従って、上記以外でも様々な形状を取りうる。
光学積層体は、例えば、光反射材、円偏光分離膜であってもよい。後述のようにコレステリック液晶相のピッチの調節を行うことにより反射波長を調整して、赤外線波長域の光を全反射する遮熱フィルムとされていてもよく、可視光波長域の光を円偏光選択的に反射する光液晶表示装置等に用いられる反射偏光子、投映用スクリーンなどとして使用できる形態となっていてもよい。
<光学積層体の光学特性>
光学積層体は、主にコレステリック液晶相を固定した層に由来する光学特性を示すとともに、ヘイズ値が低い。
(コレステリック液晶相を固定した層の光学特性)
光学積層体は、コレステリック液晶相を固定した層を含む。コレステリック液晶相は、右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に反射する円偏光選択反射性を有することが知られている。円偏光選択反射性を示すフィルムとして、重合性液晶化合物を含む組成物から形成されたフィルムは従来から数多く知られており、コレステリック液晶相を固定した層については、それらの従来技術を参照することができる。
コレステリック液晶相を固定した層は、コレステリック液晶相となっている液晶化合物の配向が保持されている層である。本明細書においてコレステリック液晶相を固定した層をコレステリック液晶層または液晶層ということがある。コレステリック液晶層は重合性液晶化合物をコレステリック液晶相の配向状態としたうえで、光照射等によって硬化した層である。コレステリック液晶層は、その硬化により、流動性が無い層が形成され、同時に、また外場や外力によって配向形態に変化を生じさせることない状態に変化した層であればよい。なお、コレステリック液晶層においては、コレステリック液晶相の光学的性質が層中において保持されていれば十分であり、層中の液晶性化合物はもはや液晶性を示していなくてもよい。例えば、重合性液晶化合物は、硬化反応により高分子量化して、もはや液晶性を失っていてもよい。
コレステリック液晶相を固定した層は、コレステリック液晶の螺旋構造に由来した円偏光選択反射を示す。円偏光選択反射の中心波長λは、コレステリック相における螺旋構造のピッチP(=螺旋の周期)に依存し、コレステリック液晶層の平均屈折率nとλ=n×Pの関係に従う。そのため、この螺旋構造のピッチを調節することによって、円偏光選択反射を示す波長を調整できる。すなわち、n値とP値を調節して、例えば、近赤外光波長域の少なくとも一部において右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に反射するようにするために、中心波長λが780nm〜2500nmとなるようにすることができ、可視光波長域の少なくとも一部において右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に反射するようにするために、中心波長λが380nm〜780nmの波長域となるようにすることができ、紫外光波長域の少なくとも一部において右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に反射するようにするために、中心波長λが10〜380nm、の波長域となるようにすることができる。コレステリック液晶相のピッチは重合性液晶化合物とともに用いるキラル剤の種類、またはその添加濃度に依存するため、これらを調整することによって所望のピッチを得ることができる。光学積層体における2つ以上の液晶層は、用途に応じて周期Pが同じであっても、異なっていてもよい。
コレステリック液晶層の反射円偏光のセンスは螺旋のセンスに一致する。そのため、液晶層としては、螺旋のセンスが右または左のいずれかであるコレステリック液晶層を用いればよい。光学積層体における2つ以上の液晶層は、用途に応じて、螺旋のセンスが同じであっても、異なっていてもよい。
なお、螺旋のセンスやピッチの測定法については「液晶化学実験入門」日本液晶学会編 シグマ出版2007年出版、46頁、および「液晶便覧」液晶便覧編集委員会 丸善 196頁に記載の方法を用いることができる。
また、円偏光選択反射を示す選択反射帯(円偏光反射帯)の半値幅Δλ(nm)は、Δλが液晶化合物の複屈折Δnと上記ピッチPに依存し、Δλ=Δn×Pの関係に従う。そのため、選択反射帯の幅の制御は、Δnを調整して行うことができる。Δnの調整は重合性液晶化合物の種類やその混合比率を調整したり、配向固定時の温度を制御したりすることで行うことができる。
なお、コレステリック液晶層の反射中心波長と半値幅は下記のように求めることができる。
分光光度計UV3150(島津製作所)を用いて光反射層の透過スペクトルを測定すると、選択反射領域に透過率の低下ピークがみられる。この最も大きいピーク高さの1/2の高さの透過率となる2つの波長のうち、短波側の波長の値をλ1(nm)、長波側の波長の値をλ2(nm)とすると、反射中心波長と半値幅は下記式で表すことができる。
反射中心波長=(λ1+λ2)/2
半値幅=(λ2−λ1)
円偏光反射帯の幅(コレステリック液晶層の円偏光反射スペクトルプロファイルは方形であるため、通常、「幅」は「半値幅Δλ」と実質的に同じである。)は、通常1種の材料では50nm〜150nm程度である。選択波長域を広げるためには、周期Pを変えた反射光の中心波長が異なるコレステリック液晶層を2種以上積層すればよい。または、1つのコレステリック液晶層内において、周期Pを膜厚方向に対して緩やかに変化させることで制御波長域を広げることもできる。
(光学積層体のヘイズ値)
光学積層体のヘイズ値は3%以下である。本明細書において、ヘイズ値はヘイズ計NDH2000(村上色彩技術研究所社製)で測定して得られるものとする。理論的にはヘイズ値とは以下の式より計算される値である。
ヘイズ(%)=Td/Tt×100(Td:可視光の拡散透過率 Tt:可視光の全光線透過率)
ここで、全光線透過率は分光光度計と積分球ユニットを用いて得られる全方位透過率である。拡散透過率は、全方位透過率から直透過率を差し引いて算出することができる値である。直透過率は、積分球ユニットを用いて測定した値に基づく場合、0°での透過率である。可視光は波長380〜780nmの光を意味する。
光学積層体の基材および接着層を除いた、2つ以上の液晶層を含む部分(本明細書において「転写体」ということがある。)のヘイズ値が3%以下であることも好ましい。転写体のヘイズ値は2.5%以下であることがより好ましく、2%以下であることがさらに好ましい。
<光学積層体中のコレステリック液晶層の硬化度>
本発明の光学積層体においては、上記2層以上のコレステリック液晶層の中で、接着層に接するコレステリック液晶層が最も硬化度が高い。本発明の光学積層体においては、2層以上の液晶層の硬化度が接着層側から順次減少していることが好ましい。
本明細書において、硬化度は以下の式で表される値である。
(硬化により得られたコレステリック液晶層中の重合性の官能基の数)/(硬化前の液晶組成物中の重合性の官能基の数)×100(%)
すなわち、硬化度は、液晶組成物を硬化して、コレステリック液晶層を作製する際の、重合性の官能基(通常、二重結合)の消費割合に対応する。そのため、各層のIR吸収スペクトルの二重結合に対応する吸収(1620−1680cm-1付近の吸収)のピーク値の波数の吸光度を上記式中の「コレステリック液晶層中の重合性の官能基の数」として硬化度を求めることができる。
また、重合性液晶化合物の種類と濃度がほぼ同一の液晶組成物から形成された2つ以上の層の硬化度は、上記の吸光度の比較で硬化度を比較することができる。すなわち、上記吸光度が高い(重合性の官能基の消費割合が低い)層ほど硬化度が低く、上記吸光度が低い(重合性の官能基の消費割合が高い)層ほど硬化度が高い。
後述するように、2層以上のコレステリック液晶層は、光照射を経て形成されたコレステリック液晶層を第1層として、第1層上にコレステリック液晶層の第2層の形成のための液晶組成物を塗布し光照射により液晶組成物を硬化することを含む方法で作製される。光照射には通常紫外線照射が用いられる。上記の方法では、各層を形成するごとに、紫外線を照射して硬化反応を進行させるため、先に形成された層には、繰り返し紫外線が照射されることになる。そのため、先に形成された層においては硬化度が高くなり、下層側から、第1層、第2層、第3層・・第n層がある場合は、この順で硬化度が高いことになる。
なお、本発明者らは以下の方法により、繰り返し紫外線が照射された層においては、硬化度が高いことを確かめた。
PETフィルム上に実施例で用いている液晶組成物と同じものを塗布し、乾燥して膜厚10μmのコレステリック液晶層を形成し、照度28.3mW/cm2で3秒間、1回目の紫外線照射を実施した。紫外線照射後の層のIR吸収スペクトルの (1620〜1680cm-1)の光の吸光度から、硬化度を求めた。同じ層に、1回目の紫外線照射と同じ条件で、2回目の紫外線照射を実施し、上記と同様に硬化度を求めた。さらに、それぞれ、1回目の紫外線照射と同じ条件で、3回目、4回目の紫外線照射を実施し、硬化度を測定した。その結果、1回目の紫外線照射後の硬化度が一番小さく(80%)、紫外線照射回数を増やすごとに硬化度が増加した(2回目:85.2%、3回目:89.4%、4回目:92.9%)。
この結果より、2層以上のコレステリック液晶層を含む積層体で最外面にあるコレステリック液晶層が最も硬化度が高い積層体や2層以上の液晶層の硬化度が最外層側から順次減少している積層体は、上記のように、液晶組成物を順次塗布硬化する方法により得ることができることが分かる。
硬化度は、後述するように紫外線照射によって進行される液晶組成物の硬化反応(例えば重合性液晶化合物の重合反応)の反応率を調整することにより調整できる。硬化度は、層の機械的強度の保持等や未反応物が層から流出するのを抑える等の観点から、光学積層体中最も硬化度の低い液晶層において、70%以上であることが好ましく、75%以上であることがより好ましく、80%以上であることがよりさらに好ましい。また、光学積層体中最も硬化度の高い液晶層においては、80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることがよりさらに好ましい。
2層以上のコレステリック液晶層を含む光学積層体の製造方法の詳細は後述する。
<重合性液晶化合物を含む液晶組成物>
コレステリック液晶層は重合性液晶化合物を含む液晶組成物より形成される。液晶組成物は、下層となる、仮支持体、配向層、または別のコレステリック液晶層の表面に塗布され、その後、乾燥または加熱などを経てコレステリック液晶相が形成されればよい。その後、重合反応等により硬化されコレステリック液晶相を固定した層とされていればよい。
液晶組成物は、重合性液晶化合物のほか、キラル剤、重合開始剤、配向制御剤、その他添加剤などを含んでいてもよい。
(重合性液晶化合物)
重合性液晶化合物は、棒状液晶化合物であっても、円盤状液晶化合物であってもよいが、棒状液晶化合物であることが好ましい。
コレステリック液晶層を形成する棒状の重合性液晶化合物の例としては、棒状ネマチック液晶化合物が挙げられる。棒状ネマチック液晶化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。低分子液晶化合物だけではなく、高分子液晶化合物も用いることができる。
棒状の重合性液晶化合物の例は、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許第4683327号明細書、同5622648号明細書、同5770107号明細書、国際公開WO95/22586号公報、同95/24455号公報、同97/00600号公報、同98/23580号公報、同98/52905号公報、特開平1−272551号公報、同6−16616号公報、同7−110469号公報、同11−80081号公報、および特開2001−328973号公報、特願2001−64627号公報、特表平11−513019号、および特開2007−279688号公報などに記載の化合物が含まれる。
円盤状液晶化合物としては、例えば、特開2007−108732号公報や特開2010−244038号公報に記載のものを用いることができる。
重合性液晶化合物は、重合性基を液晶化合物に導入することで得られる。重合性基の例には、不飽和重合性基、エポキシ基、およびアジリジニル基が含まれ、不飽和重合性基が好ましく、エチレン性不飽和重合性基が特に好ましい。重合性基は種々の方法で、液晶化合物の分子中に導入できる。重合性液晶化合物が有する重合性基の個数は、好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜3個である。
2種類以上の重合性液晶化合物を併用してもよい。2種類以上の重合性液晶化合物を併用すると、配向温度を低下させることができる。
また、液晶組成物中の重合性液晶化合物の添加量は、液晶組成物の固形分質量(溶媒を除いた質量)に対して、80〜99.9質量%であることが好ましく、85〜99.5質量%であることがより好ましく、90〜99質量%であることが特に好ましい。
(キラル剤:光学活性化合物)
キラル剤はコレステリック液晶相の螺旋構造を誘起する機能を有する。キラル化合物は、化合物によって誘起する螺旋のセンスまたは螺旋ピッチが異なるため、目的に応じて選択すればよい。
キラル剤としては、特に制限はなく、公知の化合物(例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4−3項、TN、STN用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989に記載)、イソソルビド、イソマンニド誘導体を用いることができる。
キラル剤は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物あるいは面性不斉化合物もキラル剤として用いることができる。軸性不斉化合物または面性不斉化合物の例には、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファンおよびこれらの誘導体が含まれる。キラル剤は、重合性基を有していてもよい。キラル剤と液晶化合物とがいずれも重合性基を有する場合は、重合性キラル剤と重合性液晶化合物との重合反応により、重合性液晶化合物から誘導される繰り返し単位と、キラル剤から誘導される繰り返し単位とを有するポリマーを形成することができる。この態様では、重合性キラル剤が有する重合性基は、重合性液晶化合物が有する重合性基と、同種の基であることが好ましい。従って、キラル剤の重合性基も、不飽和重合性基、エポキシ基またはアジリジニル基であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基であることが特に好ましい。
また、キラル剤は、液晶化合物であってもよい。
キラル剤が光異性化基を有する場合には、塗布、配向後に活性光線などのフォトマスク照射によって、発光波長に対応した所望の反射波長のパターンを形成することができるので好ましい。光異性化基としては、フォトクロッミック性を示す化合物の異性化部位、アゾ、アゾキシ、シンナモイル基が好ましい。具体的な化合物として、特開2002−80478号公報、特開2002−80851号公報、特開2002−179668号公報、特開2002−179669号公報、特開2002−179670号公報、特開2002−179681号公報、特開2002−179682号公報、特開2002−338575号公報、特開2002−338668号公報、特開2003−313189号公報、特開2003−313292号公報に記載の化合物を用いることができる。
液晶組成物における、キラル剤の含有量は、重合性液晶性化合物量の0.01モル%〜200モル%が好ましく、1モル%〜30モル%がより好ましい。
(重合開始剤)
液晶組成物は、重合開始剤を含有していることが好ましい。紫外線照射により重合反応を進行させる態様では、使用する重合開始剤は、紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤であることが好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)等が挙げられる。
液晶組成物中の光重合開始剤の含有量は、重合性液晶化合物の含有量に対して0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5質量%〜5質量%であることがさらに好ましい。
(架橋剤)
液晶組成物は、硬化後の膜強度向上、耐久性向上のため、任意に架橋剤を含有していてもよい。架橋剤としては、紫外線、熱、湿気等で硬化するものが好適に使用できる。
架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の多官能アクリレート化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物;2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、4,4−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等のアジリジン化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、ビウレット型イソシアネート等のイソシアネート化合物;オキサゾリン基を側鎖に有するポリオキサゾリン化合物;ビニルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物などが挙げられる。また、架橋剤の反応性に応じて公知の触媒を用いることができ、膜強度および耐久性向上に加えて生産性を向上させることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
架橋剤の含有量は、3質量%〜20質量%が好ましく、5質量%〜15質量%がより好ましい。架橋剤の含有量が、3質量%未満であると、架橋密度向上の効果が得られないことがあり、20質量%を超えると、コレステリック液晶層の安定性を低下させてしまうことがある。
(配向制御剤)
液晶組成物中には、安定的にまたは迅速にプレーナー配向のコレステリック液晶層とするために寄与する配向制御剤を添加してもよい。配向制御剤の例としては特開2007−272185号公報の段落〔0018〕〜〔0043〕等に記載のフッ素(メタ)アクリレート系ポリマー、特開2012−203237号公報の段落〔0031〕〜〔0034〕等に記載の式(I)〜(IV)で表される化合物などが挙げられる。
なお、配向制御剤としては1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
液晶組成物中における、配向制御剤の添加量は、重合性液晶化合物の全質量に対して0.01質量%〜10質量%が好ましく、0.01質量%〜5質量%がより好ましく、0.02質量%〜1質量%が特に好ましい。
(その他の添加剤)
その他、液晶組成物は、塗膜の表面張力を調整し膜厚を均一にするための界面活性剤、および重合性モノマー等の種々の添加剤から選ばれる少なくとも1種を含有していてもよい。また、液晶組成物中には、必要に応じて、さらに重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、色材、金属酸化物微粒子等を、光学的性能を低下させない範囲で添加することができる。
(溶媒等)
液晶組成物の調製に使用する溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、有機溶媒が好ましく用いられる。
有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばケトン類、アルキルハライド類、アミド類、スルホキシド類、ヘテロ環化合物、炭化水素類、エステル類、エーテル類、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、環境への負荷を考慮した場合にはケトン類が特に好ましい。
<基材>
本発明の光学積層体は、基材を含む。本発明の光学積層体において、基材はコレステリック液晶層作製の際に必要となる支持体とは異なり、その上に液体状態の液晶組成物を塗布するものではないため、種類は特に限定されない。ただし、基材は透明であることが好ましく、コレステリック液晶層および接着層と組み合わせて用いた場合に、ヘイズ値を上記の値に維持できるものが好ましい。基材としては、後述の仮支持体として用いることができる材料として例示されているものが挙げられる。特に、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリル系樹脂フィルム、セルローストリアセテートフィルムまたはポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)、ガラス板、などが好ましい。
基材の膜厚は、5μm〜100mm程度であればよく、好ましくは10μm〜50mmであり、より好ましくは15μm〜30mmである。
また、基材のヘイズ値は、0.5%以下であることが好ましい。
<接着層(接着剤)>
接着剤としては硬化方式の観点からホットメルトタイプ、熱硬化タイプ、光硬化タイプ、反応硬化タイプ、硬化の不要な感圧接着タイプがあり、それぞれ素材としてアクリレート系、ウレタン系、ウレタンアクリレート系、エポキシ系、エポキシアクリレート系、ポリオレフィン系、変性オレフィン系、ポリプロピレン系、エチレンビニルアルコール系、塩化ビニル系、クロロプレンゴム系、シアノアクリレート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリスチレン系、ポリビニルブチラール系などの化合物を使用することができる。作業性、生産性の観点から、硬化方式として光硬化タイプが好ましく、光学的な透明性、耐熱性の観点から、素材はアクリルレート系、ウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系などを使用することが好ましい。
本発明の光学積層体において、基材とコレステリック液晶層との間の接着層は粘着成分を含む。
本明細書において、粘着成分は水、溶剤、熱などを使用せず、常温で短時間、わずかな圧力を加えるだけで接着を達成できる成分を意味する。具体的には以下の基準を満たすものを粘着成分とする。
粘着成分
融点 130℃以下
平均分子量 100000以下
粘度(25℃) 100〜10000mPa・s (100〜10000cp)
粘着成分を含む接着剤の具体例としては、いわゆる有機系粘着剤である、アクリレート系接着剤(ウレタンアクリレートまたはエポキシアクリレートなどを含むもの)、シリコーン系接着剤、ゴム系接着剤(天然ゴムまたは合成ゴムを含む接着剤が挙げられる。粘着成分を含む接着剤の好ましい例としてはウレタンアクリレートまたはエポキシアクリレートを含む接着剤が挙げられる。
<光学積層体の製造方法>
本発明の光学積層体は、硬化度が異なる2層以上のコレステリック液晶層を含む。2層以上のコレステリック液晶層のうち最外層が硬化度の最も高いコレステリック液晶層である構成や、最外層から最外層に向かって順次硬化度が低下している構成は、上述のように実現できる。
しかし、例えば、特開2013−158970号公報に記載のように、接着層上に、特に接着層の表面に、重合性液晶化合物を含む液晶組成物を塗布してコレステリック液晶層を形成すると、コレステリック液晶層において液晶分子の配向の乱れが生じ、光学積層体のヘイズ値が上がる。そのため、低いヘイズ値が求められる形態で光学積層体を使用することができない。したがって、光学積層体は以下の工程を含む方法で製造することが好ましい。
第1の仮支持体上に重合性液晶化合物を含む液晶組成物を塗布し、コレステリック液晶相を形成した後、硬化して、コレステリック液晶相を固定して第1液晶層を形成する、第1硬化工程;
先に形成した液晶層上に重合性液晶化合物を含む液晶組成物を塗布し、第1液晶層の形成と同じ方法で液晶層を形成する工程を1回以上繰り返し、第1の仮支持体上に2つ以上の液晶層を含む転写体を作製する、繰り返し硬化工程;
得られた転写体の、第1の仮支持体に対して繰り返し硬化工程で最後に形成された液晶層側の面を、接着剤(好ましくは粘着成分を含まない接着剤)により第2の仮支持体に接着させ、続いて第1の仮支持体を剥離する第1転写工程;
第1転写工程後に得られる上記転写体の剥離面を粘着成分を含む接着剤により基材に接着させる、第2転写工程。
第2転写工程後、第2の仮支持体は剥離しても剥離しなくてもよく、剥離することが好ましい。
(塗布方法)
先に形成した液晶層上に重合性液晶化合物を含む液晶組成物を塗布するときは、先に形成した液晶層の表面に直接行ってもよく、配向層等の他の層を介して行ってもよい。
液晶組成物の 仮支持体(第1の仮支持体)、先に形成した液晶層、または配向層表面への液晶組成物の塗布方法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ワイヤーバーコーティング法、カーテンコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法、スピンコーティング法、ディップコーティング法、スプレーコーティング法、スライドコーティング法などが挙げられる。また、別途仮支持体上に塗設した液晶組成物を基材上へ転写することによっても実施できる。
(コレステリック液晶相の形成)
コレステリック液晶相の形成は、液晶組成物が、溶媒を含む塗布液として調製されている態様では、塗膜を乾燥し、溶媒を除去することで、行うことができる場合がある。また、コレステリック液晶相への転移温度とするために、所望により、前述の塗膜を加熱してもよい。例えば、一旦等方性相の温度まで加熱し、その後、コレステリック液晶相転移温度まで冷却する等によって、安定的にコレステリック液晶相の状態にすることができる。前述の重合性液晶組成物の液晶相転移温度は、製造適性等の面から10〜250℃の範囲内であることが好ましく、10〜150℃の範囲内であることがより好ましく、10〜130℃の範囲内であることがさらに好ましい。この配向処理により、重合性液晶化合物が、フィルム面に対して実質的に垂直な方向に螺旋軸を有するようにねじれ配向している光学薄膜が得られる。
(硬化)
硬化は、紫外線照射により行われることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2〜50J/cm2が好ましく、100mJ/cm2〜1,500mJ/cm2がより好ましく、100mJ/cm2〜800mJ/cm2がさらに好ましい。照射紫外線波長は350nm〜430nmが好ましい。
硬化反応を促進するため、加熱条件下で紫外線照射を実施してもよい。また、紫外線照射時の温度は、コレステリック液晶相が乱れないように、コレステリック液晶相を呈する温度範囲に維持することが好ましい。また、雰囲気の酸素濃度は硬化度に関与するため、空気中で所望の重合度に達せず、膜強度が不十分の場合には、窒素置換等の方法により、雰囲気中の酸素濃度を低下させることが好ましい。酸素濃度としては、10%以下が好ましく、7%以下がさらに好ましく、3%以下が最も好ましい。硬化度を向上させるためには照射する紫外線の照射量を増大する方法や窒素雰囲気下あるいは加熱条件下での重合が効果的である。また、一旦重合させた後に、重合温度よりも高温状態で保持して熱重合反応によって反応をさらに推し進める方法や、再度紫外線を照射する方法を用いることもできる。
(液晶層の膜厚)
個々のコレステリック液晶層の厚みは、上記特性を示す範囲であれば、特に限定はされないが、好ましくは1.0μm以上、150μm以下の範囲、より好ましくは4.0μm以上、100μm以下の範囲である。
本発明の光学積層体中のコレステリック液晶層の膜厚の総計は好ましくは2.0μm以上、300μm以下の範囲、より好ましくは8.0μm以上、200μm以下の範囲である。2.0μm以上の厚みで螺旋に基づく選択反射を十分に確保することができる。また、300μm以下の厚みで、可視光等の光の透過性も十分確保することができる。
(仮支持体)
仮支持体は、支持体は液晶化合物を含有する組成物から形成された層を支持する層として機能できるとともに、その上に設けられる層(コレステリック液晶層)と、剥離可能である。剥離可能であるとは、コレステリック液晶層の光学的性質と膜面状態を、使用に影響を与える程度に変化させることなく分離できることを意味する。
仮支持体としては、特に限定はなく剛直なものでもフレキシブルなものでもよいが、取り扱いが容易な点でフレキシブルなものが好ましい。剛直な支持体としては特に限定はないが表面に酸化ケイ素皮膜を有するソーダガラス板、低膨張ガラス、ノンアルカリガラス、石英ガラス板等の公知のガラス板、アルミ板、鉄板、SUS板などの金属板、樹脂板、セラミック板、石板などが挙げられる。
フレキシブルな支持体としてはポリマーフィルム、紙、アルミホイル、布などが挙げられる。
ポリマーフィルムとしては、セルロースアシレートフィルム(例えば、セルローストリアセテートフィルム、セルロースジアセテートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム)、ポリエチレン、ポリプロピレン、脂環式構造を有するポリマー(ノルボルネン系樹脂(アートン:商品名、JSR社製、非晶質ポリオレフィン(ゼオネックス:商品名、日本ゼオン社製))等のポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂フィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリメチルメタクリレート等のポリアクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマーなどが挙げられる。このうち、セルロースアシレートフィルム、ポリエステル系樹脂フィルム、ポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリカーボネートフィルム、またはスチレン系ポリマーが好ましく、セルロースアシレートフィルム、ポリエステル系樹脂フィルムがより好ましく、セルローストリアセテートフィルムまたはポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)がさらに好ましくい。
取扱いの容易さから、剛直な支持体の膜厚としては、100〜3000μmが好ましく、300〜1500μmがより好ましい。フレキシブルな支持体の膜厚としては、
5μm〜1000μm程度であればよく、好ましくは10μm〜250μmであり、より好ましくは15μm〜90μmである。
仮支持体とその上に設けられる層とを剥離可能なものとするため、仮支持体に表面処理(例、鹸化処理、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線(UV)処理、火炎処理)を行わないことが好ましい。すなわち、例えば、支持体として好ましく用いられるセルローストリアセテートフィルムは鹸化処理されるが、鹸化処理は行わないことが好ましい。仮支持体としては未鹸化セルロースアシレートフィルムが好ましい。
仮支持体とその上に設けられる層とを剥離可能なものとするため、選択された仮支持体材料に応じてその上に設けられる層を選択し、組成を調整することも好ましい。
また長尺の仮支持体には、搬送工程でのすべり性を付与したり、巻き取った後の裏面と表面の貼り付きを防止するために、平均粒径が10〜100nm程度の無機粒子を固形分質量比で5%〜40%混合したポリマー層を仮支持体の片側に塗布や仮支持体との共流延によって形成したものを用いることが好ましい。
(配向層)
重合性液晶化合物を含む液晶組成物は配向層表面に塗布されてもよい。
配向層は、その表面に塗布された液晶組成物中の液晶分子を配向させる機能を有する。
配向膜は、有機化合物、ポリマー(ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、変性ポリアミドなどの樹脂)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、またはラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例えば、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で、設けることができる。更に、電場の付与、磁場の付与または光照射により、配向機能が生じる配向膜も知られている。
特にポリマーからなる配向膜はラビング処理を行ったうえで、ラビング処理面に液晶層形成のための組成物を塗布することが好ましい。形成する配向膜が特に好ましい。ラビング処理は、ポリマー層の表面を、紙、布で一定方向に、数回擦ることにより実施することができる。
配向膜を設けずに仮支持体表面または仮支持体をラビング処理した表面に、液晶組成物を塗布してもよい。また、コレステリック液晶層の表面に液晶組成物を塗布してもよい。さらに、配向膜は仮支持体とともに剥離されて本発明の光学積層体を構成する層とはならなくてもよい。
配向層の厚さは0.01〜5μmであることが好ましく、0.05〜2μmであることがさらに好ましい。
<転写材料>
第2の仮支持体上に2つ以上の液晶層を含む転写体を有する積層体は、光学積層体の作製のための転写材料として用いることができる。すなわち、2つ以上の液晶層を含む積層体(転写体)を任意の基材に転写するための転写材料として用いることができる。転写材料においては、仮支持体から最も遠い液晶層が2層以上の液晶層の中で最も硬化度が高くなる。また、2層以上の液晶層の硬化度が第2の仮支持体側から順次増加していることが好ましい。
転写の際の基材への接着のための接着剤としては、特に限定されないが、接着力の高い、粘着成分を含む接着剤を使用することができる。
転写材料は以下の工程をこの順で含む方法で作製することができる。
第1の仮支持体上に重合性液晶化合物を含む液晶組成物を塗布し、コレステリック液晶相を形成した後、硬化して、コレステリック液晶相を固定して第1液晶層を形成する、第1硬化工程;
先に形成した液晶層上に重合性液晶化合物を含む液晶組成物を塗布し、第1液晶層と同様の方法で液晶層の形成を1回以上繰り返し、第1の仮支持体上に2つ以上の液晶層を含む転写体を作製する、繰り返し硬化工程;
得られた転写体の第1の仮支持体に対して繰り返し硬化工程で最後に形成された液晶層側の面を接着剤(好ましくは粘着成分を含まない接着剤)により第2の仮支持体に接着させる工程。
第1の仮支持体は剥離しても剥離しなくてもよく、剥離しない場合は基材への接着時に剥離すればよい。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例1]
<液晶層形成用塗布液の調製>
以下に示す各成分を混合し、液晶層形成用塗布液を調製した。
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液晶層形成用塗布液
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下記液晶化合物A (RM−257、Merck社製) 95質量部
下記キラル剤B 4.5質量部
下記単官能モノマーC 5質量部
MEK
(メチルエチルケトン、和光純薬(株)製) 200質量部
シクロヘキサノン 20質量部
重合開始剤D
(IRGACURE819 BASF社製) 4質量部
配向制御剤E 0.1質量部
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<粘着成分を含まない接着剤の調製>
以下に示す各成分を混合し、粘着成分を含まない接着剤を調製した。
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粘着成分を含まない接着剤
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バナレジンGH−1203(新中村化学工業社製) 50質量部
ビスコート360(大阪有機化学工業社製) 50質量部
重合開始剤D 0.03質量部
MEK 300質量部
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<光学積層体の形成>
厚み50μmの富士フイルム製PETフィルム(第1のPET)の表面に、上記液晶層形成用塗布液を、ワイヤーバーを用いて、乾燥後の乾膜の厚みが4〜5μm程度になるように、室温にて塗布した。塗布層を30℃にて30秒間乾燥させた後、100℃の雰囲気で2分間加熱し、コレステリック液晶相とした。コレステリック液晶相に照度28.3mW/cm2で3秒間UV照射し、コレステリック液晶相を固定して液晶第一層を作製した。UV照射は、30℃でアイグラフィック製メタルハライドランプにて出力を調整して、窒素置換下、酸素濃度1%以下において行った。その後、第一層の表面に上記液晶層形成用塗布液を塗布し、第一層の作製と同様の手順で第二層を作製した。さらに、第二層の表面に上記液晶層形成用塗布液を塗布し、第一層の作製と同様の手順で第三層を作製した。上記のUV照射は第一の液晶層形成用塗布液を塗布した後、PETフィルムからみて塗膜の側から実施した。また、第二、第三の液晶層形成用塗布液を塗布した後もPETフィルムからみて塗膜の側からUV照射を実施した。
得られた液晶層の積層体の第三層表面に、上記で作製した粘着成分を含まない接着剤をワイヤーバーを用いて乾燥後の乾膜の厚みが2〜3μm程度になるように塗布し、100℃雰囲気下で1分間加熱した。その後、上記積層体を接着剤面で厚み50μmの富士フイルム製PETフィルム(第2のPETフィルム)表面に貼合した。次いで、接着剤に照度28.3mW/cm2で3秒間UV照射し、接着剤を硬化して接着層を形成した。UV照射は30℃でアイグラフィック製メタルハライドランプにて出力を調整して、窒素置換下において行った。その後、第1のPETフィルムを剥離した。
第1のPETを剥離して得られた表面の液晶第一層の表面にエポキシアクリレート系接着剤(DIC社製ユニディックV5500:樹脂成分(ビスフェノールA型エポキシ樹脂等)80質量部と酢酸n−ブチル20質量部とからなる。)をワイヤーバーを用いて乾燥後の乾膜の厚みが2〜3μm程度になるように塗布し、100℃雰囲気下で1分間加熱した。その後、照度28.3mW/cm2で3秒間UV照射し、接着剤を硬化して接着層を作製した。UV照射は30℃でアイグラフィック製メタルハライドランプにて出力を調整して、窒素置換下において行った。得られた接着層を厚み2.0mmのポリカーボネート板(タキロン社製)に接着した。その後第2のPETフィルムを剥離し、実施例1の光学積層体を得た。
<光学積層体の評価>
得られた光学積層体を100℃雰囲気下に100時間放置した後、以下の項目を評価した。
(密着性)
密着性試験はJISK5600−5−6に定めるクロスカット試験を実施し、剥がれが25マス中0マスはA、1マス以上5マス以下はB、6マス以上はCとした。
(反射帯域中心波長のシフト)
反射帯域中心波長のシフトは分光計(島津製作所社製)にて透過率スペクトルを測定することによって行った。スペクトル測定は300〜3000nmの範囲での光学積層体の透過率測定を実施した。100℃雰囲気下に置く前から後での反射帯域中心のシフトが10nm未満の場合はA、10nm以上の場合はBとした。
(ヘイズ値)
ヘイズ値は、ヘイズ計NDH2000(村上色彩技術研究所社製)にて測定した。
[実施例2]
液晶第一層表面に塗布する接着剤としてウレタンアクリレート系接着剤(DIC社製ユニディック17−806:樹脂成分(ウレタンアクリレート)80質量部と溶媒(酢酸ブチル、トルエン)20質量部とからなる)を用いた以外は実施例1と同様の手順で、実施例2の光学積層体を作製した。
[比較例1]
厚み50μmの富士フイルム製PETフィルム表面に、実施例1で用いた液晶層形成用塗布液を、ワイヤーバーを用いて、乾燥後の乾膜の厚みが4〜5μm程度になるように、室温にて塗布した。塗布液を30℃にて30秒間乾燥させた後、100℃の雰囲気で2分間加熱し、コレステリック液晶相とした。コレステリック液晶相に照度28.3mW/cm2で3秒間UV照射し、コレステリック液晶相を固定して液晶第一層を作製した。UV照射は、30℃でアイグラフィック製メタルハライドランプにて出力を調整して、窒素置換下において行った。その後、第一層の表面に上記液晶層形成用塗布液を塗布し、第一層の作製と同様の手順で第二層を作製した。さらに、第二層の表面に上記液晶層形成用塗布液を塗布し、第一層の作製と同様の手順で第三層を作製した。上記のUV照射は第一の液晶層形成用塗布液を塗布した後、PETフィルムからみて塗膜の側から実施した。また、第二、第三の液晶層形成用塗布液を塗布した後もPETフィルムからみて塗膜の側からUV照射を実施した。
得られた液晶層の積層体の第三層表面にエポキシアクリレート系接着剤(DIC社製ユニディックV5500)をワイヤーバーを用いて乾燥後の乾膜の厚みが2〜3μm程度になるように塗布し、100℃雰囲気下で1分間加熱した。その後、上記積層体を接着剤面で厚み2.0mmのポリカーボネート板(タキロン社製)表面に貼合した。次いで、接着剤を照度28.3mW/cm2で3秒間UV照射し、接着剤を硬化して接着層を形成した。UV照射は、30℃でアイグラフィック製メタルハライドランプにて出力を調整して、窒素置換下において行った。その後、PETフィルムを剥離し、比較例1の光学積層体を得た。
[比較例2]
液晶第三層の表面に塗布する接着剤としてウレタンアクリレート系接着剤(DIC社製ユニディック17−806)を用いた以外は、比較例1と同様の手順で比較例2の光学積層体を作製した。
[比較例3]
液晶第一層に塗布する接着剤として、上記で作製した粘着成分を含まない接着剤を用いた以外は、実施例1と同様の手順で比較例3の光学積層体を作製した。
[比較例4]
厚み50μmの富士フイルム製PETフィルム表面に、エポキシアクリレート系接着剤(DIC社製ユニディックV5500)をワイヤーバーを用いて乾燥後の乾膜の厚みが2〜3μm程度になるように塗布し、100℃雰囲気下で1分間加熱した。その後、接着剤に照度28.3mW/cm2で3秒間UV照射し、接着剤を硬化して接着層を作製した。UV照射は30℃でアイグラフィック製メタルハライドランプにて出力を調整して、窒素置換下において行った。得られた接着層の表面に、実施例1で用いた液晶層形成用塗布液を、ワイヤーバーを用いて、乾燥後の乾膜の厚みが4〜5μm程度になるように室温にて塗布した。塗膜を30℃にて30秒間乾燥させた後、100℃の雰囲気で2分間加熱し、コレステリック液晶相を形成させた。その後、コレステリック液晶相に、照度28.3mW/cm2で3秒間UV照射し、コレステリック液晶相を固定して液晶第一層を作製した。UV照射は30℃でアイグラフィック製メタルハライドランプにて出力を調整して、窒素置換下において行った。さらに、第一層の表面に上記液晶層形成用塗布液を塗布し、第一層の作製と同様の手順で第二層を作製した。さらに、第二層の表面に上記液晶層形成用塗布液を塗布し、第一層の作製と同様の手順で第三層を作製し、比較例4の光学積層体を得た。UV照射は第一の液晶層形成用塗布液を塗布した後、PETフィルムからみて塗膜の側から実施した。また、第二、第三の液晶層形成用塗布液を塗布した後もPETフィルムからみて塗膜の側からUV照射を実施した。

Claims (11)

  1. 基材、粘着成分を含む接着層、2層以上の液晶層、および粘着成分を含まない接着層をこの順で含み、
    前記液晶層は、いずれも重合性液晶化合物を含む液晶組成物をコレステリック液晶相とした後に硬化することにより前記コレステリック液晶相を固定した層であり、
    前記の粘着成分を含む接着層および前記の粘着成分を含まない接着層がいずれも前記液晶層のいずれか1つと接しており、
    前記の粘着成分を含む接着層に接する液晶層が前記の2層以上の液晶層の中で最も硬化度が高く
    前記光学積層体のヘイズ値が3%以下である
    光学積層体。
  2. 2層以上の液晶層の硬化度が前記基材側から順次減少している請求項1に記載の光学積層体。
  3. 前記粘着成分がウレタンアクリレートまたはエポキシアクリレートである請求項1または2に記載の光学積層体。
  4. 前記基材がポリカーボネートである請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学積層体。
  5. 基材および2層以上の液晶層をこの順で含む光学積層体の製造方法であって、以下工程:
    第1の仮支持体上に重合性液晶化合物を含む液晶組成物を塗布し、前記液晶組成物をコレステリック液晶相とした後、硬化して、前記コレステリック液晶相を固定して第1液晶層を形成する、第1硬化工程;
    先に形成した液晶層上に重合性液晶化合物を含む液晶組成物を塗布し、第1液晶層の形成と同じ手順で液晶層を形成する工程を1回以上繰り返し、第1の仮支持体上に2つ以上の液晶層を含む転写体を作製する繰り返し硬化工程;
    前記転写体の前記繰り返し硬化工程で最後に形成された液晶層側の面を、粘着成分を含まない接着剤により第2の仮支持体に接着させ、続いて第1の仮支持体を剥離する第1転写工程;
    前記転写体を前記剥離後に得られる剥離面で粘着成分を含む接着剤により基材に接着させる第2転写工程
    を含む製造方法。
  6. 第2転写工程の後に第2の仮支持体を剥離する工程を含む請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記硬化が全て、紫外線照射により行われる請求項5または6に記載の製造方法。
  8. 重合性液晶化合物を含む液晶組成物の先に形成した液晶層上への前記塗布が先に形成した液晶層の表面に直接行われる請求項5〜7のいずれか一項に記載の製造方法。
  9. 第1の仮支持体および第2の仮支持体からなる群から選択される1つ以上がポリエチレンテレフタレートフィルムである請求項5〜8のいずれか一項に記載の製造方法。
  10. 前記粘着成分がウレタンアクリレートまたはエポキシアクリレートである請求項5〜9のいずれか一項に記載の製造方法。
  11. 前記基材がポリカーボネートである請求項5〜10のいずれか一項に記載の製造方法。
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