JP6286440B2 - 投映像表示用ハーフミラーおよび投映像表示システム - Google Patents

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Description

本発明は、投映像表示用ハーフミラーに関する。より詳しくは、本発明は、ヘッドアップディスプレイやヘッドマウントディスプレイのコンバイナとして使用できる投映像表示用ハーフミラーおよび上記映像表示用ハーフミラーを含む投映像表示システムに関する。
プロジェクターにより投映される映像を表示するとともに前方の風景を同時に見せることのできる投映像表示用ハーフミラーは、ヘッドアップディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイ等のコンバイナ等として使用できる。ヘッドアップディスプレイ用のハーフミラーとしては、従来から、金属化合物被覆を施したガラスや、ホログラム等が使用されている(例えば特許文献1および2)。
特開平9−258020公報 特開平11−52283公報
投映像表示用ハーフミラーには、より高い光透過率とより高い投射光反射率とが常に求められている。車載のヘッドアップディスプレイなどにおいては安全性の観点からもさらに視認性のよい投映像を周囲の像とともに与えることができるハーフミラーが求められる。また、ヘッドアップディスプレイやヘッドマウントディスプレイ等の普及のために、低コストでの製造が可能なハーフミラーも求められる。さらに、従来のコンバイナには、金属化合物被覆が設けられているガラス板での反射に由来する二重像や、ホログラム自体の光学的特性に由来する映像のボケなどの問題が本質的にあり、これらの問題の改善は常に求められている。
本発明の課題は、上記の要請に応える新規な投映像表示用ハーフミラーを提供することである。
本発明者は上記課題の解決のため、鋭意検討し、従来から円偏光選択反射性を有することが知られているコレステリック液晶を利用して安価にハーフミラーの作製が可能であるとともに、高い光透過率と高い投射光反射率とが得られることを見出した。そして、本発明者らが、さらに検討を重ねていたところ、コレステリック液晶を利用したハーフミラーにおいては、投射光が偏光を含む場合や偏光サングラスで観察した場合に明暗や色のムラ(反射率の偏光依存性)が生じるという新たな課題を見出した。本発明者らはこの新たな課題の解決のためさらに検討を重ね、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は下記の[1]〜[14]を提供するものである。
[1]可視光透過性を有する投映像表示用ハーフミラーであって、
選択反射層を含み、
上記選択反射層はコレステリック液晶相を固定した層を少なくとも1層含み、上記選択反射層の少なくとも一方の面側に透明媒体を有し、
上記透明媒体は上記選択反射層の上記透明媒体側の面に対し1°〜30°の角度をなす傾斜面を有する投映像表示用ハーフミラー。
[2]上記透明媒体が、上記選択反射層と直接接しているか、または、直接接着されている[1]に記載の投映像表示用ハーフミラー。
[3]上記透明媒体が均一媒体である[1]または[2]に記載の投映像表示用ハーフミラー。
[4]上記透明媒体の屈折率と上記選択反射層の面内平均屈折率との差が0.05以内である[3]に記載の投映像表示用ハーフミラー。
[5]上記透明媒体のいずれか一方の面側にコレステリック液晶相を固定した層を含まない[1]〜[4]のいずれか一項に記載の投映像表示用ハーフミラー。
[6]上記傾斜面が最表面にある[1]〜[5]のいずれか一項に記載の投映像表示用ハーフミラー。
[7]上記選択反射層の両側面に上記透明媒体を有し、かつ、膜厚が均一である[1]〜[6]のいずれか一項に記載の投映像表示用ハーフミラー。
[8]上記選択反射層がコレステリック液晶相を固定した上記層を3層以上含み、上記3層以上のコレステリック液晶相を固定した層は互いに異なる選択反射波長を示す[1]〜[7]のいずれか一項に記載の投映像表示用ハーフミラー。
[9]上記の3層以上のコレステリック液晶相を固定した層が、先に作製されたコレステリック液晶相を固定した層表面に直接、別のコレステリック液晶相を固定した層を形成することを繰り返すことによって得られたものであり、上記の3層以上のコレステリック液晶相を固定した層のいずれの層間にも他の層を含まない[8]に記載の投映像表示用ハーフミラー。
[10]赤色光に対して見かけ上の選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶相を固定した層、緑色光に対して見かけ上の選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶相を固定した層、および青色光に対して見かけ上の選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶相を固定した層を含む[1]〜[9]のいずれか一項に記載の投映像表示用ハーフミラー。
[11]ヘッドアップディスプレイのコンバイナとして使用される[1]〜[10]のいずれか一項に記載の投映像表示用ハーフミラー。
[12]プロジェクターと[1]〜[11]のいずれか一項に記載の投映像表示用ハーフミラーとを含む、投映像表示システムであって、
上記プロジェクターの光源の発光波長が上記コレステリック液晶相を固定した層の選択反射帯にある投映像表示システム。
[13][12]に記載の投映像表示システムであって、
上記プロジェクター、上記透明媒体、上記選択反射層がこの順で配置されている投映像表示システム。
[14]ヘッドアップディスプレイとして使用される[12]または[13]に記載の投映像表示システム。
本発明により、新規な投映像表示用ハーフミラーが提供される。本発明の投映像表示用ハーフミラーは、ヘッドアップディスプレイ等のコンバイナとして有用である。本発明の投映像表示用ハーフミラーは、金属化合物被覆を有するハーフミラーまたはホログラムによるハーフミラーと比較して安価であって、高い光透過率と高い投射光反射率とが得られ、二重像の問題も生じにくい。また、投射光が偏光を含む場合や偏光サングラスで観察した場合であっても明暗や色のムラの問題が生じにくい。
本発明の投映像表示用ハーフミラーの構成例(概略断面図)を示す図である。 実施例1のハーフミラーの概略断面図と投射光方向との関係を示す図である。 比較例1のハーフミラーの概略断面図と投射光方向との関係を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、円偏光につき「選択的」というときは、照射される光の右円偏光成分または左円偏光成分のいずれかの光量が、他方の円偏光成分よりも多いことを意味する。具体的には「選択的」というとき、光の円偏光度は、0.3以上であることが好ましく、0.6以上がより好ましく、0.8以上がさらに好ましい。実質的に1.0であることがさらに好ましい。 ここで、円偏光度とは、光の右円偏光成分の強度をIR、左円偏光成分の強度をILとしたとき、|IR−IL|/(IR+IL)で表される値である。光の円偏光成分の比を表すため、本明細書においては、円偏光度を用いることがある。
本明細書において、円偏光につき「センス」というときは、右円偏光であるか、または左円偏光であるかを意味する。円偏光のセンスは、光が手前に向かって進んでくるように眺めた場合に電場ベクトルの先端が時間の増加に従って時計回りに回る場合が右円偏光であり、反時計回りに回る場合が左円偏光であるとして定義される。
本明細書においては、コレステリック液晶の螺旋の捩れ方向について「センス」との用語を用いることもある。コレステリック液晶による選択反射は、コレステリック液晶の螺旋の捩れ方向(センス)が右の場合は右円偏光を反射し、左円偏光を透過し、センスが左の場合は左円偏光を反射し、右円偏光を透過する。
本明細書において、「光」という場合、特に断らない限り、可視光(自然光)を意味する。可視光線は電磁波のうち、ヒトの目で見える波長の光であり、通常、380nm〜780nmの波長域の光を示す。
本明細書において、光透過率の算出に関連して必要である光強度の測定は、例えば通常の可視スペクトルメータを用いて、リファレンスを空気として、測定したものであればよい。
本明細書において、単に「反射光」または「透過光」というときは、散乱光および回折光を含む意味で用いられる。
なお、光の各波長の偏光状態は、円偏光板を装着した分光放射輝度計またはスペクトルメータを用いて測定することができる。この場合、右円偏光板を通して測定した光の強度がIR、左円偏光板を通して測定した光の強度がILに相当する。また、白熱電球、水銀灯、蛍光灯、LED等の通常光源は、ほぼ自然光を発しているが、これらに装着されたフィルターなどの測定対象物などの偏光を作り出す特性は、例えば、AXOMETRICS社製の偏光位相差解析装置AxoScanなどを用いて測定することができる。
また、照度計や光スペクトルメータに測定対象物を取り付けても測定することができる。右円偏光透過板をつけ、右円偏光量を測定、左円偏光透過板をつけ、左円偏光量を測定することにより、比率を測定できる。
(投映像表示用ハーフミラーの光学的性質)
本明細書において、投映像表示用ハーフミラーとは、プロジェクター等から投映された画像を視認可能に表示することができるとともに、上記画像が表示されている同じ面側から投映像表示用ハーフミラーを観察したときに、反対の面側にある情報または風景を同時に観察することができる光学部材を意味する。すなわち、投映像表示用ハーフミラーは、外界光と映像光を重ねあわせて表示する光路コンバイナとしての機能を有する。
投映像表示用ハーフミラーは、少なくとも投映されている光に対して、ハーフミラーとしての機能を有しているものであればよく、例えば可視光域全域の光に対してハーフミラーとして機能していることを必ずしも必要とするものではない。また、投映像表示用ハーフミラーは、全ての入射角の光に対して上記の光路コンバイナ機能を有していてもよいが、少なくとも一部の入射角の光に対して上記の機能を有していればよく、例えば、投映像表示用ハーフミラーの法線方向を0度としたときに5度以内、10度以内、15度以内、20度以内、30度以内、40度以内などの特定の入射角の範囲でのみ有していてもよい。
一方、投映像表示用ハーフミラーは反対の面側にある情報または風景の観察を可能とするために、可視光透過性を有する。可視光透過性を有するとは、可視光の波長域の80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは100%で、40%以上、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上の光透過率を有することを意味する。
可視光領域以外の紫外光または赤外光に対する本発明の投映像表示用ハーフミラーの光学特性は、特に限定されず、透過しても反射しても吸収していてもよい。投映像表示用ハーフミラーの劣化防止のため、遮熱、または投映像表示用ハーフミラーの使用者の目の保護などの目的のため、紫外光反射層または赤外光反射層を有していることも好ましい。
(投映像表示用ハーフミラーの構成)
本発明の投映像表示用ハーフミラーは、可視光領域のいずれかの波長において右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に反射させ、他方のセンスの円偏光を透過させる選択反射層および透明媒体を含む。
選択反射層はコレステリック液晶相を固定した層を少なくとも1層含む。本明細書においては、コレステリック液晶相を固定した層をコレステリック液晶層または液晶層ということがある。
選択反射層は選択反射波長帯において、右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に反射させ、他方のセンスの円偏光を透過させる。すなわち、反射される円偏光のセンスは、透過される円偏光のセンスが右であれば左であり、透過される円偏光のセンスが左であれば右である。選択反射層の上記の機能により投射光のうち選択反射を示す波長において、いずれか一方のセンスの円偏光を反射させて投映像を形成することができる。
本発明の投映像表示用ハーフミラーは、選択反射層の少なくとも一方の面側に透明媒体を有していればよい。すなわち、透明媒体は選択反射層のいずれか一方の面側にあってもよく、両方の面にあってもよい。また、本発明の投映像表示用ハーフミラーにおいては、透明媒体のいずれか一方の面側には選択反射層およびコレステリック液晶層を含まないことが好ましい。
なお、本明細書において、層またはフィルターなどのフィルム状の形態の対象について、「面」という場合は、フィルム面積を示す2つの面のいずれかを意味し、特に言及のない場合は、厚み方向の面を示さない。「面」は、投映像表示用ハーフミラーの使用において、光の入射方向と角度をなしていればよい。例えば上記面は光の入射方向と30°〜90°などの角度で交差していればよい。「面」は平面でも曲面でもよい。
透明媒体は、層状の媒体であることが好ましい。また、選択反射層の片側面側にある透明媒体は、上記片側面の50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上、好ましくは実質的に100%の面積を覆う層状の媒体であることが好ましい。
本発明の投映像表示用ハーフミラーの片面は、他方の面に対して、傾斜していても、傾斜していなくてもよい。投映像表示用ハーフミラーの両面が互いに略平行であるフィルターは、膜厚が均一となるため、取扱い性がよく好ましい。なお、本明細書において「略平行」というとき、互いがなす角度が1°未満、0.5°以下、0.4°以下、0.3°以下、0.2°以下、0.1°以下、0.05°以下、0.01°以下、または0°であることが好ましい関係を意味する。
本発明の投映像表示用ハーフミラーの構成例を概略断面図(厚み方向の面から見た構成)で図1に示す。
図1(a)は選択反射層の両側の面に透明媒体を有する例である。投映像表示用ハーフミラーの2つの面が略平行になるように2つの略同一形状の透明媒体が選択反射層の両側の面に配置されている。透明媒体が選択反射層の両側の面にある構成は、例えば図1(b)に示す透明媒体が選択反射層の片側の面のみにある構成と比較して、使用の際に、いずれの面をプロジェクターに向けてもよいため、向きの調整が不要であり好ましい。
本発明の投映像表示用ハーフミラーは図1(a)に示すように、投映像表示用ハーフミラーの厚み方向の面において光吸収層を有していてもよい。厚み方向の面において光吸収層を有することにより、厚み方向からの入射光や、フィルター内での厚み方向面からの反射光の影響を減らし、より円偏光度の高い円偏光を得ることができる。
図1(b)は選択反射層の片側面に透明媒体を有する例であり、投映像表示用ハーフミラーの片側面が他方の面に対して傾斜した構造を有している。選択反射層の片側面に透明媒体を有する図1(b)の構成の投映像表示用ハーフミラーを使用する場合には、透明媒体側を投映像表示側とすることが好ましい。
図1(c)は選択反射層の両側の面に透明媒体を有する例であり、図1(a)において光吸収層を有していない構成をそのまま凹面形状とした構成である。
選択反射層の法線方向から入射した光は、透明媒体と空気との界面である傾斜面で屈折する。この光路を考慮して、円偏光度をより上げるために、必要に応じて、光源の位置や円偏光照射する対象物の位置を調整してもよい。
投映像表示用ハーフミラーは薄膜のフィルム状、シート状、または板状などであればよい。投映像表示用ハーフミラーは、曲面を有していない平面状であってもよいが、曲面を有していてもよく、全体として凹型または凸型の形状を有し、投映像を拡大または縮小して表示するものであってもよい。また、他の部材に接着して、上記の形状となるものであってもよく、接着前は、薄膜のフィルムとしてロール状等になっていてもよい。
(コレステリック液晶相を固定した層:コレステリック液晶層)
以下、選択反射層に含まれるコレステリック液晶層について説明する。
コレステリック液晶相は、右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に反射させるとともに他方の円偏光を透過する円偏光選択反射を示すことが知られている。コレステリック液晶相は、通常、いずれの面から入射したものであっても右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に反射し、かついずれの面から入射した光であっても右円偏光および左円偏光に分離していずれか一方のセンスの円偏光を選択的に反射し、他方のセンスの円偏光を他側面側に透過させることができる。
円偏光選択反射性を示すフィルムとして、重合性液晶化合物を含む組成物から形成されたフィルムは従来から数多く知られており、コレステリック液晶相を固定した層(コレステリック液晶層)については、それらの従来技術を参照することができる。
コレステリック液晶層は、コレステリック液晶相となっている液晶化合物の配向が保持されている層であればよく、典型的には、重合性液晶化合物をコレステリック液晶相の配向状態としたうえで、紫外線照射、加熱等によって重合、硬化し、流動性が無い層を形成して、同時に、また外場や外力によって配向形態に変化を生じさせることない状態に変化した層であればよい。なお、コレステリック液晶層においては、コレステリック液晶相の光学的性質が層中において保持されていれば十分であり、層中の液晶性化合物はもはや液晶性を示していなくてもよい。例えば、重合性液晶化合物は、硬化反応により高分子量化して、もはや液晶性を失っていてもよい。
コレステリック液晶層は、コレステリック液晶の螺旋構造に由来した円偏光反射を示す。本明細書においては、この円偏光反射を選択反射という。
選択反射の中心波長λは、コレステリック相における螺旋構造のピッチ長P(=螺旋の周期)に依存し、コレステリック液晶層の平均屈折率nとλ=n×Pの関係に従う。なお、本明細書において、コレステリック液晶層が有する選択反射の中心波長λは、コレステリック液晶層の法線方向から測定した円偏光反射スペクトルの反射ピークの重心位置にある波長を意味する。上記式から分かるように、螺旋構造のピッチ長を調節することによって、選択反射の中心波長を調整できる。すなわち、n値とP値を調節して、例えば、青色光に対して右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に反射させるために、中心波長λを調節し、見かけ上の選択反射の中心波長が450nm〜495nmの波長域となるようにすることができる。なお、見かけ上の選択反射の中心波長とは実用の際(投映像表示用ハーフミラーとしての使用時)の観察方向から測定したコレステリック液晶層の円偏光反射スペクトルの反射ピークの重心位置にある波長を意味する。例えば、コレステリック液晶層に対して斜めに光が入射する場合は、選択反射の中心波長はコレステリック液晶層の法線方向から光を入射して測定した時の中心波長より短波長側にシフトする。
コレステリック液晶相のピッチ長は重合性液晶化合物とともに用いるキラル剤の種類、またはその添加濃度に依存するため、これらを調整することによって所望のピッチ長を得ることができる。なお、螺旋のセンスやピッチの測定法については「液晶化学実験入門」日本液晶学会編 シグマ出版2007年出版、46頁、および「液晶便覧」液晶便覧編集委員会 丸善 196頁に記載の方法を用いることができる。
各コレステリック液晶層としては、螺旋のセンスが右または左のいずれかであるコレステリック液晶層が用いられる。コレステリック液晶層の反射円偏光のセンスは螺旋のセンスに一致する。
円偏光選択反射を示す選択反射帯の半値幅Δλ(nm)は、Δλが液晶化合物の複屈折Δnと上記ピッチ長Pに依存し、Δλ=Δn×Pの関係に従う。そのため、選択反射帯の幅の制御は、Δnを調整して行うことができる。Δnの調整は重合性液晶化合物の種類やその混合比率を調整したり、配向固定時の温度を制御したりすることで行うことができる。
選択反射の中心波長が同一の1種のコレステリック液晶層の形成のために、周期Pが同じで、同じ螺旋のセンスのコレステリック液晶層を複数積層してもよい。周期Pが同じで、同じ螺旋のセンスのコレステリック液晶層を積層することによっては、特定の波長で円偏光選択性を高くすることができる。
選択反射帯の幅は、例えば可視光領域において、通常1種の材料では15nm〜100nm程度である。選択反射帯の幅を広げるためには、周期Pを変えた反射光の中心波長が異なるコレステリック液晶層を2種以上積層すればよい。この際、同じ螺旋のセンスのコレステリック液晶層を積層することが好ましい。また、1つのコレステリック液晶層内において、周期Pを膜厚方向に対して緩やかに変化させることで選択反射帯の幅を広げることもできる。 選択反射帯の幅は、特に限定されないが、1nm、10nm、50nm、100nm、150nm、または200nmなどの波長幅であってもよい。幅は、100nm幅程度以下であることが好ましい。
本発明の投映像表示用ハーフミラーは、赤色光、緑色光、および青色光に対してそれぞれ見かけ上の選択反射の中心波長を有することも好ましい。フルカラーの投映像の表示が可能となるからである。具体的には、本発明の投映像表示用ハーフミラーが、750〜620nm、630〜500nm、530〜420nmのそれぞれの範囲であって、互いに異なる(例えば50nm以上異なる)選択反射の中心波長を3つ有することも好ましい。コレステリック液晶層に対して斜めに光が入射する使用態様を考慮すると、本発明の投映像表示用ハーフミラーは、法線方向から測定した時の中心波長として、490nm〜570nmの範囲の選択反射の中心波長、580nm〜680nm範囲の選択反射の中心波長、および700nm〜830nm範囲の選択反射の中心波長を有することも好ましい。このような性質は選択反射層として3種以上のコレステリック液晶層を含む構成により達成することができる。具体的には、周期Pが異なり、故に選択反射の中心波長が異なるコレステリック液晶層を3種以上含む構成とすればよい。好ましくは、本発明の投映像表示用ハーフミラーは、赤色光に対して右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に反射するコレステリック液晶層(750―620nmに見かけ上の選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶層)、緑色光に対して右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に反射するコレステリック液晶層(630―500nmに見かけ上の選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶層)、青色光に対して右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に反射するコレステリック液晶層(530―420nmに見かけ上の選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶層)を含むことが好ましい。
使用するコレステリック液晶層の選択反射の中心波長を、投映に用いられる光源の発光波長域、および投映像表示用ハーフミラーの使用態様に応じて調整することにより光利用効率良く鮮明な投映像を表示することができる。特に複数のコレステリック液晶層の選択反射の中心波長をそれぞれ投映に用いられる光源の発光波長域などに応じてそれぞれ調整することにより、光利用効率良く鮮明なカラー投映像を表示することができる。投映像表示用ハーフミラーの使用態様としては、特に投映像表示用ハーフミラー表面への投射光の入射角、投映像表示用ハーフミラー表面の投映像観察方向などが挙げられる。
選択反射の中心波長が異なるコレステリック液晶層の螺旋のセンスは全て同じであっても、異なるものが含まれていてもよいが、コレステリック液晶層の螺旋のセンスは全て同じであることが好ましい。
複数のコレステリック液晶層の積層の際は、別に作製したコレステリック液晶層を接着剤等を用いて積層してもよく、後述の方法で形成された先のコレステリック液晶層の表面に直接、重合性液晶化合物等を含む液晶組成物を塗布し、配向および固定の工程を繰り返してもよいが、後者が好ましい。先に形成されたコレステリック液晶層の表面に直接次のコレステリック液晶層を形成することにより、先に形成したコレステリック液晶層の空気界面側の液晶分子の配向方位と、その上に形成するコレステリック液晶層の下側の液晶分子の配向方位が一致し、コレステリック液晶層の積層体の偏光特性が良好となるからである。また、通常0.5〜10μmの膜厚で設けられる接着層を用いると、接着層の厚みムラに由来する干渉ムラが観測されることがあるため、接着層を用いないで積層されることが好ましいからである。
(コレステリック液晶相を固定した層の作製方法)
以下、コレステリック液晶層の作製材料および作製方法について説明する。
上記コレステリック液晶層の形成に用いる材料としては、重合性液晶化合物とキラル剤(光学活性化合物)とを含む液晶組成物などが挙げられる。必要に応じてさらに界面活性剤や重合開始剤などと混合して溶剤などに溶解した上記液晶組成物を、基材(支持体、配向膜、下層となるコレステリック液晶層など)に塗布し、コレステリック配向熟成後、固定化してコレステリック液晶層を形成することができる。
重合性液晶化合物
重合性液晶化合物は、棒状液晶化合物であっても、円盤状液晶化合物であってもよいが、棒状液晶化合物であることが好ましい。
コレステリック液晶層を形成する棒状の重合性液晶化合物の例としては、棒状ネマチック液晶化合物が挙げられる。棒状ネマチック液晶化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。低分子液晶化合物だけではなく、高分子液晶化合物も用いることができる。
重合性液晶化合物は、重合性基を液晶化合物に導入することで得られる。重合性基の例には、不飽和重合性基、エポキシ基、およびアジリジニル基が含まれ、不飽和重合性基が好ましく、エチレン性不飽和重合性基が特に好ましい。重合性基は種々の方法で、液晶化合物の分子中に導入できる。重合性液晶化合物が有する重合性基の個数は、好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜3個である。重合性液晶化合物の例は、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許第4683327号明細書、同5622648号明細書、同5770107号明細書、国際公開WO95/22586号公報、同95/24455号公報、同97/00600号公報、同98/23580号公報、同98/52905号公報、特開平1−272551号公報、同6−16616号公報、同7−110469号公報、同11−80081号公報、および特開2001−328973号公報などに記載の化合物が含まれる。2種類以上の重合性液晶化合物を併用してもよい。2種類以上の重合性液晶化合物を併用すると、配向温度を低下させることができる。
また、液晶組成物中の重合性液晶化合物の添加量は、液晶組成物の固形分質量(溶媒を除いた質量)に対して、80〜99.9質量%であることが好ましく、85〜99.5質量%であることがより好ましく、90〜99質量%であることが特に好ましい。
キラル剤(光学活性化合物)
キラル剤はコレステリック液晶相の螺旋構造を誘起する機能を有する。キラル化合物は、化合物によって誘起する螺旋のセンスまたは螺旋ピッチが異なるため、目的に応じて選択すればよい。
キラル剤としては、特に制限はなく、公知の化合物(例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4−3項、TN、STN用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989に記載)、イソソルビド、イソマンニド誘導体を用いることができる。
キラル剤は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物あるいは面性不斉化合物もキラル剤として用いることができる。軸性不斉化合物または面性不斉化合物の例には、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファンおよびこれらの誘導体が含まれる。キラル剤は、重合性基を有していてもよい。キラル剤と液晶化合物とがいずれも重合性基を有する場合は、重合性キラル剤と重合性液晶化合物との重合反応により、重合性液晶化合物から誘導される繰り返し単位と、キラル剤から誘導される繰り返し単位とを有するポリマーを形成することができる。この態様では、重合性キラル剤が有する重合性基は、重合性液晶化合物が有する重合性基と、同種の基であることが好ましい。従って、キラル剤の重合性基も、不飽和重合性基、エポキシ基またはアジリジニル基であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基であることが特に好ましい。
また、キラル剤は、液晶化合物であってもよい。
キラル剤が光異性化基を有する場合には、塗布、配向後に活性光線などのフォトマスク照射によって、発光波長に対応した所望の反射波長のパターンを形成することができるので好ましい。光異性化基としては、フォトクロッミック性を示す化合物の異性化部位、アゾ、アゾキシ、シンナモイル基が好ましい。具体的な化合物として、特開2002−80478号公報、特開2002−80851号公報、特開2002−179668号公報、特開2002−179669号公報、特開2002−179670号公報、特開2002−179681号公報、特開2002−179682号公報、特開2002−338575号公報、特開2002−338668号公報、特開2003−313189号公報、特開2003−313292号公報に記載の化合物を用いることができる。
液晶組成物における、キラル剤の含有量は、重合性液晶性化合物量の0.01モル%〜200モル%が好ましく、1モル%〜30モル%がより好ましい。
重合開始剤
液晶組成物は、重合開始剤を含有していることが好ましい。紫外線照射により重合反応を進行させる態様では、使用する重合開始剤は、紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤であることが好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)等が挙げられる。
液晶組成物中の光重合開始剤の含有量は、重合性液晶化合物の含有量に対して0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5質量%〜5質量%であることがさらに好ましい。
架橋剤
液晶組成物は、硬化後の膜強度向上、耐久性向上のため、任意に架橋剤を含有していてもよい。架橋剤としては、紫外線、熱、湿気等で硬化するものが好適に使用できる。
架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の多官能アクリレート化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物;2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、4,4−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等のアジリジン化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、ビウレット型イソシアネート等のイソシアネート化合物;オキサゾリン基を側鎖に有するポリオキサゾリン化合物;ビニルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物などが挙げられる。また、架橋剤の反応性に応じて公知の触媒を用いることができ、膜強度および耐久性向上に加えて生産性を向上させることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
架橋剤の含有量は、3質量%〜20質量%が好ましく、5質量%〜15質量%がより好ましい。架橋剤の含有量が、3質量%未満であると、架橋密度向上の効果が得られないことがあり、20質量%を超えると、コレステリック液晶層の安定性を低下させてしまうことがある。
配向制御剤
液晶組成物中には、安定的にまたは迅速にプレーナー配向のコレステリック液晶層とするために寄与する配向制御剤を添加してもよい。配向制御剤の例としては特開2007−272185号公報の段落〔0018〕〜〔0043〕等に記載のフッ素(メタ)アクリレート系ポリマー、特開2012−203237号公報の段落〔0031〕〜〔0034〕等に記載の式(I)〜(IV)で表される化合物などが挙げられる。
なお、配向制御剤としては1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
液晶組成物中における、配向制御剤の添加量は、重合性液晶化合物の全質量に対して0.01質量%〜10質量%が好ましく、0.01質量%〜5質量%がより好ましく、0.02質量%〜1質量%が特に好ましい。
その他の添加剤
その他、液晶組成物は、塗膜の表面張力を調整し膜厚を均一にするための界面活性剤、および重合性モノマー等の種々の添加剤から選ばれる少なくとも1種を含有していてもよい。また、液晶組成物中には、必要に応じて、さらに重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、色材、金属酸化物微粒子等を、光学的性能を低下させない範囲で添加することができる。
コレステリック液晶層は、重合性液晶化合物および重合開始剤、更に必要に応じて添加されるキラル剤、界面活性剤等を溶媒に溶解させた液晶組成物を、支持体、配向層、または先に作製されたコレステリック液晶層等の上に塗布し、乾燥させて塗膜を得、この塗膜に活性光線を照射してコレステリック液晶性組成物を重合し、コレステリック規則性が固定化されたコレステリック液晶層を形成することができる。なお、複数のコレステリック液晶層からなる積層膜は、コレステリック液晶層の製造工程を繰り返し行うことにより形成することができる。
液晶組成物の調製に使用する溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、有機溶媒が好ましく用いられる。
有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばケトン類、アルキルハライド類、アミド類、スルホキシド類、ヘテロ環化合物、炭化水素類、エステル類、エーテル類、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、環境への負荷を考慮した場合にはケトン類が特に好ましい。
基材上への液晶組成物の塗布方法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ワイヤーバーコーティング法、カーテンコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法、スピンコーティング法、ディップコーティング法、スプレーコーティング法、スライドコーティング法などが挙げられる。また、別途支持体上に塗設した液晶組成物を基材上へ転写することによっても実施できる。塗布した液晶組成物を加熱することにより、液晶分子を配向させる。加熱温度は、200℃以下が好ましく、130℃以下がより好ましい。この配向処理により、重合性液晶化合物が、フィルム面に対して実質的に垂直な方向に螺旋軸を有するようにねじれ配向している光学薄膜が得られる。
配向させた液晶化合物は、更に重合させればよい。重合は、熱重合、光照射による光重合のいずれでもよいが、光重合が好ましい。光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2〜50J/cm2が好ましく、100mJ/cm2〜1,500mJ/cm2がより好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下または窒素雰囲気下で光照射を実施してもよい。照射紫外線波長は350nm〜430nmが好ましい。重合反応率は安定性の観点から、高いほうが好ましく70%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。重合反応率は、重合性の官能基の消費割合を、IR吸収スペクトルを用いて決定することができる。
(透明媒体)
透明媒体は選択反射層の透明媒体側の面に対し1°〜30°の角度をなす傾斜面を有する。本発明者は、コレステリック液晶層を含む選択反射層から得られる反射光の円偏光度が傾斜面を有する透明媒体の利用により、顕著に増加することを偶然にも見出した。また、投映像表示用ハーフミラーに明暗や色のムラが減り、二重像の問題も生じにくくなることを見出した。そして、さらに検討を重ねて、その傾斜が選択反射層の透明媒体側の面に対し1°〜30°であることが好ましいことを見出したものである。本明細書において、1°〜30°の角度をなすというとき、投映像表示用ハーフミラー内に面が交わり1°〜30°の角度をなす部分があることを意味していてもよく、単にそれぞれの面を含む延長面を想定したときに、それらの延長面同士交わってなす角度が1°〜30°であることを意味していてもよい。上記角度は1°〜30°であればよいが、2°〜15°が好ましく、3°〜7°がより好ましい。
なお、本明細書において、上記角度、すなわち、選択反射層の透明媒体側の面に対し傾斜面がなす角度を「傾斜角」という。また、本明細書においては、「傾斜方向」との用語を用いることがある。「傾斜方向」は、傾斜面が選択反射層の透明媒体側の面内のいずれの方向に向かって角度をなすように傾いているかを示す。本発明の投映像表示用ハーフミラーの傾斜面の傾斜方向は特に限定されない。
傾斜は、図1(a)、(b)に示したように、傾斜方向、および傾斜角において、投映像表示用ハーフミラー全面において同一であればよい。また、傾斜は傾斜方向が連続的、すなわち、傾斜面全面において、同一の傾斜方向であるが、傾斜角が非連続的、すなわち、変化していてもよい。また、選択反射層の透明媒体側の面が曲面であるときは、その曲面に対応して、図1(c)に示したように透明媒体の傾斜面は曲面として傾斜していればよく、光の投射方向で、選択反射層の透明媒体側の曲面の接線に対して連続的に傾斜している接線を有する曲面を透明媒体が有していればよい。例えば膜厚が一定方向に変化している透明媒体を用いればよい。
本発明の投映像表示用ハーフミラーにおいて、傾斜面は最表面にあることが好ましい。
透明媒体は、可視光領域の波長において、透明媒体の光の透過率が50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、95%以上、99%以上、または実質的に100%であればよい。透明媒体は上記の特定の波長域以外の波長域においては光の透過率が高くても低くてもよい。
また、透明媒体は、制御波長域において選択反射層の平均屈折率(面内平均屈折率)との屈折率の差が小さいことが好ましい。具体的には差が、0.2以内、0.1以内、または0.05以内であればよい。コレステリック液晶層またはコレステリック液晶層を含む選択反射層は平均屈折率が通常1.55〜1.6程度であるため、透明媒体の屈折率は例えば1.3〜1.8、好ましくは1.4〜1.7の範囲であればよい。
平均屈折率については ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する: セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)。また、ガラスの屈折率は1.51程度である。
さらに透明媒体は、低複屈折性であることが好ましい。本明細書において低複屈折性であるとは、制御波長域において、正面位相差が10nm以下であることを意味する。上記正面位相差は5nm以下であることが好ましい。なお、本明細書において、正面位相差は、位相差の測定は、Axometrix社製のAxoScanを用いて測定した、単位nmの値である。正面位相差はKOBRA 21ADHまたはWR(王子計測機器(株)製)において反射層の選択反射の中心波長などの可視光波長域内の波長の光をフィルム法線方向に入射させて測定した値を用いることもできる。
透明媒体は、1つの均一媒体からなるものであってもよく、複数の媒体からなるものであってもよい。
1つの均一媒体からなる透明媒体としては、例えば、ガラス板およびプラスチック板などが挙げられる。透明媒体の材料の例として、具体的には、ガラスやポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル樹脂、フッ素樹脂、ポリエチレン、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリオレフィン、セルロース誘導体、シリコーン(シリコーンポリウレア等の変性シリコーンを含む)等のポリマーや アクリルモノマーやエポキシ、オキセタンモノマーを重合固定したものをあげることができる。
複数の媒体からなる透明媒体としては、例えば、平坦なガラス板またはプラスチックフィルム上に傾斜を持つように塗布された組成物(ポリマー組成物や重合固定化される重合性組成物)から形成される層を設けた構成を有する媒体や、2枚の平坦なガラス板またはプラスチックフィルムの間に流動性のある組成物を導入して形成される媒体、複数の透明フィルムの積層体などが挙げられる。複数の媒体からなる透明媒体中の個々の媒体の材料としては、例えば、上記の1つの均一媒体からなる透明媒体の例として挙げた材料が使用できる。
また、後述の、配向層、接着層、支持体等が、透明媒体の全部または一部を構成していてもよい。
選択反射層の透明媒体側の面と、この透明媒体の傾斜面との間には、選択反射層の平均屈折率との屈折率の差が大きい物質が含まれていないことが好ましい。言い換えると、投映像表示用ハーフミラーを反射する光の進行方向を大きく変化させる物質が、光の進行方向を大きく変化させる形態で、選択反射層の透明媒体側の面と、この透明媒体の傾斜面との間に含まれていないことが好ましい。特に投映像表示用ハーフミラーの光路上に、選択反射層の平均屈折率との屈折率の差が大きい層が含まれていないことが好ましい。例えば、屈折率の差が、0.2より大きい物質、0.1より大きい物質、0.05より大きい物質が含まれていないことが好ましい。また、選択反射層の透明媒体側の面と傾斜面との間には空気などの気体の媒体が実質的に含まれていないことが好ましい。気相は選択反射層の平均屈折率との屈折率の差が大きくなるからである。さらに、選択反射層の透明媒体側の面と、この透明媒体の傾斜面との間には、透明媒体のみ、または透明媒体および選択反射層と透明媒体とを接着するための接着層のみが存在することも好ましい。すなわち、透明媒体が、選択反射層と直接接しているか、または、直接接着されていることも好ましい。
投映像表示用ハーフミラーは上記のように傾斜面を有する透明媒体を含むことにより、投射光が偏光を含む場合や偏光サングラスで観察した場合に明暗や色のムラが生じにくく、二重像の問題も生じにくい。円偏光選択反射率の偏光依存性や明暗や色のムラはハーフミラー表面での自然光の反射光や基材での反射光が関与していると考えられるが、傾斜面を有する透明媒体を含むことにより上記の反射光と選択反射層からの円偏光選択反射光とを分離することができる。このことより、本発明の投映像表示用ハーフミラーにおいては、反射防止層が設けられていなくてもよい。
特に、選択反射層の両側に透明媒体を設ける構成としてハーフミラー全体の厚さを均一にすることによっては、ハーフミラーを介して観察する周囲像の位置ずれを防ぎ、またプリズム効果による周囲像の色づきを防ぐことができる。
(その他の層)
投映像表示用ハーフミラーは、選択反射層、透明媒体の他に、配向層、支持体、接着層、基材などの層を含んでいてもよい。他の層はいずれも、透明媒体について記載したように、透明であって、低複屈折性であり、かつ円偏光分離層の平均屈折率(面内平均屈折率)との屈折率の差が小さいことが好ましい。 一方、投映像表示用ハーフミラー光を反射または吸収する光遮断層を含まないことが好ましい。周囲風景の視認やハーフミラーの反対側の情報の視認のための高い透明性(60%以上、好ましくは70%以上の光透過性)を得るためである。また、投映像表示用ハーフミラーは、正面位相差が10nm以上である層、特に20nm以上である層を含まないことが好ましい。本発明の投映像表示用ハーフミラーは、光の反射面においてテレセントリックな光学系とする目的のレンズ(フィールドレンズ等)を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。上記レンズを含まなくても、本発明の投映像表示用ハーフミラーは、高い円偏光度の反射光を与えることが可能である。また、上記レンズを含まなくても、本発明の投映像表示用ハーフミラーは、明暗や色のムラが生じにくく、二重像の問題も生じにくい。
(支持体)
支持体は特に限定されない。コレステリック液晶層の形成のために用いられる支持体は、コレステリック液晶層形成後に剥離される仮支持体であってもよい。支持体が仮支持体である場合は、本発明の投映像表示用ハーフミラーを構成する層とはならないため、透明性や屈折性などの光学特性に関する制限は特にない。支持体(仮支持体)としては、プラスチックフィルムの他、ガラス等を用いてもよい。プラスチックフィルムの例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル、ポリカーボネート、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリオレフィン、セルロース誘導体、シリコーンなどが挙げられる。
支持体の膜厚としては、5μm〜1000μm程度であればよく、好ましくは10μm〜250μmであり、より好ましくは15μm〜90μmである。
(配向膜)
配向膜は、有機化合物、ポリマー(ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、変性ポリアミドなどの樹脂)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、またはラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例えば、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で、設けることができる。更に、電場の付与、磁場の付与または光照射により、配向機能が生じる配向膜も知られている。
特にポリマーからなる配向膜はラビング処理を行ったうえで、ラビング処理面に液晶層形成のための組成物を塗布することが好ましい。ラビング処理は、ポリマー層の表面を、紙、布で一定方向に、数回擦ることにより実施することができる。
配向膜を設けずに支持体表面、または支持体をラビング処理した表面に、液晶組成物を塗布してもよい。
支持体が仮支持体である場合は、配向膜は仮支持体とともに剥離されて本発明の投映像表示用ハーフミラーを構成する層とはならなくてもよい。
配向層の厚さは0.01〜5μmであることが好ましく、0.05〜2μmであることがさらに好ましい。
(接着層)
接着層は接着剤から形成されるものであればよい。
接着剤としては硬化方式の観点からホットメルトタイプ、熱硬化タイプ、光硬化タイプ、反応硬化タイプ、硬化の不要な感圧接着タイプがあり、それぞれ素材としてアクリレート系、ウレタン系、ウレタンアクリレート系、エポキシ系、エポキシアクリレート系、ポリオレフィン系、変性オレフィン系、ポリプロピレン系、エチレンビニルアルコール系、塩化ビニル系、クロロプレンゴム系、シアノアクリレート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリスチレン系、ポリビニルブチラール系などの化合物を使用することができる。作業性、生産性の観点から、硬化方式として光硬化タイプが好ましく、光学的な透明性、耐熱性の観点から、素材はアクリルレート系、ウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系などを使用することが好ましい。
接着層の膜厚は0.5〜10μm、好ましくは1〜5μmであればよい。投映像表示用ハーフミラーの色ムラ等を軽減するため均一な膜厚で設けれられることが好ましい。
(用途)
本発明の投映像表示用ハーフミラーは各種プロジェクターと組み合わせて、投映像を表示するために用いることができる。すなわち、本発明の投映像表示用ハーフミラーは投映像表示システムの構成部材として用いることができる。投映像表示システムは、例えば、投映像表示装置であればよく、投映像表示用ハーフミラーおよびプロジェクターが一体となったものであってもよく、投映像表示用ハーフミラーおよびプロジェクターの組み合わせとして使用されるものであってもよい。
本明細書において、投映像とは、周囲風景ではない、使用するプロジェクターからの光の投射に基づく映像を意味する。投映像は単一色の映像であってもよく、多色またはフルカラーの映像であってもよい。投映像はハーフミラーにおける反射光によるものであればよい。投映像は本発明の投映像表示用ハーフミラー表面で表示され、そのように視認されるものであってもよく、観察者から見て投映像表示用ハーフミラーの先に浮かび上がって見える虚像であってもよい。
本発明の投映像表示用ハーフミラーと組み合わせて用いられるプロジェクターとしては、特に限定されず、画像を投射する機能を有するものであれば特に限定されない。プロジェクターの例としては、液晶プロジェクター、DMD(Digital Micromirror device)を用いたDLP(Digital Light Processing)プロジェクター、GLV(Grating Light Valve)プロジェクター、LCOS(Liquid Crystal on Silicon)プロジェクター、CRTプロジェクターなどが挙げられる。DLPプロジェクターおよびGLV(Grating Light Valve)プロジェクターはMEMS(Microelectromechanical systems)を用いたものであってもよい。
プロジェクターの光源としてはレーザー光源、LED、放電管などを用いることができる。
本発明の投映像表示用ハーフミラーの用途の具体例としては、ヘッドアップディスプレイのコンバイナや投映装置に使用される反射ミラー、シースルーディスプレイ用反射スクリーン、ヘッドマウントディスプレイ用の反射ミラーやダイクロイックミラーなど、各種プロジェクターによる虚像形成のための平面鏡、凹面鏡、凸面鏡などが挙げられる。ヘッドアップディスプレイのコンバイナとしての用途に関しては、特開2013−79930号公報, 国際公開WO2005/124431を参照することができる。
本発明の投映像表示用ハーフミラーは、特に、発光波長が可視光領域において連続的でないレーザーやLED、OLEDなどを光源に用いたプロジェクターと組み合わせて用いる際に有用である。各発光波長に合わせて、コレステリック液晶層の選択反射の中心波長を調整できるからである。また、LCD(液晶表示装置)やOLEDなど表示光が偏光しているディスプレイの投映に用いることもできる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
ラビング処理を施した富士フイルム製PETのラビング処理面に、表1に示す塗布液A−1 を乾燥後の乾膜の厚みが3μmになるように室温にてワイヤーバーを用いて塗布した。塗布層を室温にて30秒間乾燥させた後、85℃の雰囲気で2分間加熱し、その後70℃でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)にて出力60%で6〜12秒間UV照射し液晶層を得た。この液晶層上に表1に示す塗布液A−2を乾燥後の乾膜の厚みが3.5μmになるように室温にて塗布し、その後上記と同様に乾燥、加熱、UV照射を行い、2層目の液晶層を形成した。さらに2層目の液晶層上に表1に示す塗布液A−3を乾燥後の乾膜の厚みが4μmになるように室温にて塗布し、その後上記と同様に乾燥、加熱、UV照射を行い、3層目の液晶層を形成して、450nm、530nm、640nmに選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶層1を得た。
縦7cm、横6mm、高さ20cmの三角柱状のアクリル樹脂製透明媒体を準備し、この傾斜面に、DIC株式会社製UV硬化型接着剤Exp.U12034−6を乾燥後の乾膜の厚みが5μmになるように室温にてワイヤーバーを用いて塗布した。この塗布面と上記で作製したコレステリック液晶層1の液晶層側の面とを気泡が入らないように貼りあわせ、その後30℃でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)にて出力60%で6〜12秒間UV照射した後、ベースのPETを剥離した。さらにこの液晶層に同じ接着剤を塗布して、別の縦7cm 横6mm 高さ20cm の三角柱状のアクリル樹脂製透明媒体を気泡が入らないように貼りあわせ、同様にして硬化した。形成された実施例1のハーフミラーの断面図を図2に示す。
[実施例2]
ラビング処理を施した富士フイルム製PETのラビング処理面に、表1に示す塗布液A−2 を乾燥後の乾膜の厚みが3.5μmになるように室温にてワイヤーバーを用いて塗布した。塗布層を室温にて30秒間乾燥させた後、85℃の雰囲気で2分間加熱し、その後70℃でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)にて出力60%で6〜12秒間UV照射し、530nmに反射ピーク波長を有するコレステリック液晶層2を得た。これを実施例1と同様にして、一対の縦7cm、横6mm、高さ20cmの三角柱状のアクリル樹脂製透明媒体の間に設置して貼りあわせ、実施例2のハーフミラーを形成した。
[比較例1]
実施例1と同様の方法でコレステリック液晶層1を形成した。これを縦7cm、厚さ6mm、長さ20cmの板状のアクリル樹脂製透明基材に実施例1と同じ接着剤、同じ手順で貼りあわせ、図3に示す断面構造の比較例1のハーフミラーを形成した。
[比較例2]
実施例2と同様の方法でコレステリック液晶層2を形成した。これを縦7cm、厚さ6mm、長さ20cmの板状のアクリル樹脂製透明基材に実施例1と同じ接着剤、同じ手順で貼りあわせ、比較例1と同様の構造の比較例2のハーフミラーを形成した。
実施例および比較例で製作したハーフミラーの評価結果を表2に示す。なお、表2においては、作製したハーフミラーの層構成が左側を投映像表示側(投射光入射側)として示されており、ラビング面がある場合は、そのラビング面の位置も層構成との関係において左側を投映像表示側として同様に示されている。また、「R反射Ch」は640nmに選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶層、「G反射Ch」は530nmに選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶層、「B反射Ch」は450nmに選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶層を示す。
表中の自然光透過率は可視紫外分光光度計を用いて測定し、380nmから780nmの波長領域での自然光に対する平均透過率を示す。投射光反射率は、可視紫外分光光度計を用いて測定し実施例2と比較例2は530nmの波長の自然光に対する正反射率であり、実施例1と比較例1は450nm、530nm、640nmの波長の自然光に対する正反射率の平均値を示す。
反射ムラ面内均一性の評価は、以下のようにして行った。黒の下敷き(黒ベルベット)の上にハーフミラー(試料)の投射光側面を上にして水平に設置した。図1のように 発光面に直線偏光板を貼った白色のシャーカステンの光を試料の上面から照射して、試料の反射光の面内の均一性を目視により評価した。
A ムラは視認できない
B ムラは認められるが視認し難い
C ムラが認められる
D ムラが顕著に認められる
二重像の評価は ハーフミラーの投影光側面側に緑色のレーザポインター光を入射して、目視で観察し、以下の基準で評価した。
A 二重像の視認が難しい
B 二重像が顕著に認められる
反射光の円偏光度は、可視紫外分光光度計を用いて受光部側に左右の円偏光板を置いてそれぞれ反射率を測定し算出し、実施例2および比較例2については、530nmの波長の円偏光度を示し、実施例1および比較例1については、450nm、530nm、640nmの3つの波長の円偏光度の平均値を示す。
1 選択反射層
2 透明媒体
3 光吸収層

Claims (13)

  1. 可視光透過性を有する投映像表示用ハーフミラーであって、
    選択反射層を含み、
    前記選択反射層はコレステリック液晶相を固定した層を少なくとも1層含み、前記選択反射層の少なくとも投映像表示側の面に透明媒体を有し、
    前記透明媒体は前記選択反射層の前記透明媒体側の面に対し1°〜30°の角度をなす傾斜面を有し、
    前記傾斜面が最表面にある投映像表示用ハーフミラー。
  2. 前記透明媒体が、前記選択反射層と直接接しているか、または、直接接着されている請求項1に記載の投映像表示用ハーフミラー。
  3. 前記透明媒体が均一媒体である請求項1または2に記載の投映像表示用ハーフミラー。
  4. 前記透明媒体の屈折率と前記選択反射層の面内平均屈折率との差が0.05以内である請求項3に記載の投映像表示用ハーフミラー。
  5. 前記透明媒体のいずれか一方の面側にコレステリック液晶相を固定した層を含まない請求項1〜4のいずれか一項に記載の投映像表示用ハーフミラー。
  6. 前記選択反射層の両側面に前記透明媒体を有し、かつ、膜厚が均一である請求項1〜5のいずれか一項に記載の投映像表示用ハーフミラー。
  7. 前記選択反射層がコレステリック液晶相を固定した前記層を3層以上含み、前記3層以上のコレステリック液晶相を固定した層は互いに異なる選択反射波長を示す請求項1〜6のいずれか一項に記載の投映像表示用ハーフミラー。
  8. 前記3層以上のコレステリック液晶相を固定した層が、先に作製されたコレステリック液晶相を固定した層表面に直接、別のコレステリック液晶相を固定した層を形成することを繰り返すことによって得られたものであり、前記3層以上のコレステリック液晶相を固定した層のいずれの層間にも他の層を含まない請求項7に記載の投映像表示用ハーフミラー。
  9. 赤色光に対して見かけ上の選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶相を固定した層、緑色光に対して見かけ上の選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶相を固定した層、および青色光に対して見かけ上の選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶相を固定した層を含む請求項1〜8のいずれか一項に記載の投映像表示用ハーフミラー。
  10. ヘッドアップディスプレイのコンバイナとして使用される請求項1〜9のいずれか一項に記載の投映像表示用ハーフミラー。
  11. プロジェクターと請求項1〜10のいずれか一項に記載の投映像表示用ハーフミラーとを含む、投映像表示システムであって、
    前記プロジェクターの光源の発光波長が前記コレステリック液晶相を固定した層の選択反射帯にある投映像表示システム。
  12. 請求項11に記載の投映像表示システムであって、
    前記プロジェクター、前記透明媒体、前記選択反射層がこの順で配置されている投映像表示システム。
  13. ヘッドアップディスプレイとして使用される請求項11または12に記載の投映像表示システム。
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