JP2018116308A - 遮熱用途に使用可能な反射部材および反射部材を含むプロジェクター - Google Patents

遮熱用途に使用可能な反射部材および反射部材を含むプロジェクター Download PDF

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市橋 光芳
Mitsuyoshi Ichihashi
光芳 市橋
裕樹 斉木
Yuki Saiki
裕樹 斉木
和宏 沖
Kazuhiro Oki
和宏 沖
田口 貴雄
Takao Taguchi
貴雄 田口
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Abstract

【課題】新規な構成の反射部材であって、特に、遮熱部材として用いることができ、プロジェクターの光学系の遮熱用途に用いた場合にも投射光を効率的に取り出しつつ可視光を含む外光による光学系の損傷を低減することができる反射部材を提供する。【解決手段】選択反射層および2層の1/4波長位相差板を含む反射部材であって、上記選択反射層は上記2層の1/4波長位相差板の間に配置されており、かつ上記選択反射層は、可視光領域波長λiに選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶相を固定した層を含み、上記選択反射層は、波長λiにおいて選択反射を有するコレステリック液晶相を固定した層として、コレステリック液晶の螺旋の捩れ方向が右である層または左である層のいずれか一方のみを含む、反射部材。【選択図】図2

Description

本発明は、遮熱用途に使用可能な反射部材および反射部材を含むプロジェクターに関する。
前方の風景とともに、各種情報を表示するヘッドアップディスプレイは、車載用を中心に数多く開発され、実用化されている。ヘッドアップディスプレイ装置では、例えば、車両のダッシュボード上または内部にプロジェクターが設置され、直接、または反射鏡等を介して車両のフロントガラスまたはコンバイナに画像を形成する光を投射し、車両の運転者から視認可能な像を形成する。(例えば特許文献1)。
上記のような設置位置のため、ヘッドアップディスプレイ用プロジェクターには太陽光が入射しやすく、光学系も直接または反射鏡等を介して太陽光の熱の影響を受けやすい。太陽光の熱の影響を軽減するための手段として、特許文献2には、液晶パネルを利用したヘッドアップディスプレイ装置において、線状リブ部を形成した耐熱温度の高い偏光部材を利用することが提案されている。
一方、太陽光などの熱を遮断するための手段として、一般的には、Low−Eペアガラスと呼ばれる熱放射を遮断する特殊な金属膜をコーティングした複層ガラス、赤外線吸収色素を含む層を有する熱線遮断シート(例えば特許文献3)、コレステリック液晶相を固定した層を利用したフィルム(例えば特許文献4)が知られている。
特開2003−295105号公報 特開2005−315931号公報 特開平6−194517号公報 特許第4109914号公報
上記のようにヘッドアップディスプレイ装置は太陽光の影響を大きく受ける場所での使用が多く、より効率的な遮熱手段が望まれる。遮熱手段としては、従来技術から、赤外光を反射または吸収して遮断することによる手段に関する知見を多く得ることができるが、十分な遮熱のためには、赤外光の遮断のみではなく可視光の遮断も行われることが好ましい。しかし、従来の知見を参照して可視光を遮断すると、ヘッドアップディスプレイ装置の投映像表示機能が損なわれてしまう。
本発明の課題は、新規な構成の反射部材を提供することである。本発明は特に、遮熱用の部材として用いることができる反射部材であって、プロジェクターの光学系の遮熱用途に用いた場合にも投射光を効率的に取り出しつつ可視光を含む外光による光学系の損傷を低減することができる反射部材を提供することを課題とする。本発明はまた、このような反射部材を含むプロジェクターを提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題の解決のため鋭意検討を重ね、ヘッドアップディスプレイ装置などにおいて効率的に可視光を遮断するために、プロジェクターの光学系の投射光の光特性に対応して設計された部材を用いることに着眼し、さらに検討を行って、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は下記の[1]〜[20]を提供するものである。
[1]選択反射層および2層の1/4波長位相差板を含む反射部材であって、
上記選択反射層は上記2層の1/4波長位相差板の間に配置されており、
上記選択反射層は、可視光領域波長λiに選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶相を固定した層を含み、かつ
上記選択反射層は、波長λiにおいて選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶相を固定した層として、コレステリック液晶の螺旋の捩れ方向が右である層または左である層のいずれか一方のみを含む、
反射部材。
[2]上記選択反射層は、波長λiにおいて選択反射を示すコレステリック液晶相を固定した層として、コレステリック液晶の螺旋の捩れ方向が右である層または左である層のいずれか一方のみを含む、[1]に記載の反射部材。
[3]波長λiが、赤色波長域、緑色波長域、または青色波長域にある[1]または[2]に記載の反射部材。
[4]上記選択反射層が、可視光領域波長λnに選択反射の中心波長を有する螺旋の捩れ方向が右または左のいずれか一方であるコレステリック液晶相を固定した層と波長λnで選択反射を示す螺旋の捩れ方向が逆であるコレステリック液晶相を固定した層とを含む[1]〜[3]のいずれか一項に記載の反射部材。
[5]可視光領域波長λnに選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶相を固定した層として螺旋の捩れ方向が右である層と螺旋の捩れ方向が左である層との双方を含む[4]に記載の反射部材。
[6]波長λnが、赤色波長域、緑色波長域、および青色波長域以外の波長域にある[4]または[5]に記載の反射部材。
[7]上記選択反射層が、以下の(RR)、(RG)および(BB)から選択される1つ以上を満たす、[1]〜[6]のいずれか一項に記載の反射部材;
(RR)670nm〜750nmの波長域に選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶相を固定した層としてコレステリック液晶の螺旋の捩れ方向が右である層と左である層との双方を含む、
(RG)550nm〜600nmの波長域に選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶相を固定した層としてコレステリック液晶の螺旋の捩れ方向が右である層と左である層との双方を含む、
(BB)400nm〜430nmの波長域に選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶相を固定した層としてコレステリック液晶の螺旋の捩れ方向が右である層と左である層との双方を含む。
[8](RR)、(RG)および(BB)をすべて満たす[7]に記載の反射部材。
[9]上記選択反射層が、赤色波長域に選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶相を固定した層R、緑色波長域に選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶相を固定した層G、および青色波長域に選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶相を固定した層Bからなる群から選択される層を2つ以上含み、
層R、層G、および層Bから選択される層として、コレステリック液晶の螺旋の捩れ方向が右である層または左である層のいずれか一方のみを含む
[1]〜[8]のいずれか一項に記載の反射部材。
[10]層R、層G、および層Bをそれぞれ1つ以上含む[9]に記載の反射部材。
[11]赤色波長域が610nm〜650nm、緑色波長域が510nm〜540nm、
青色波長域が440nm〜470nmである[9]または[10]に記載の反射部材。
[12]上記の2枚の1/4波長位相差板の遅相軸が平行である[1]〜[11]のいずれか一項に記載の反射部材。
[13]赤外光遮断層を含む[1]〜[12]のいずれか一項に記載の反射部材。
[14][1]〜[13]のいずれか一項に記載の反射部材を含む遮熱部材。
[15][1]〜[14]のいずれか一項に記載の反射部材を含むプロジェクター。
[16]直線偏光を投射する光学系を含む[15]に記載のプロジェクター。
[17]ヘッドアップディスプレイ用プロジェクターである[16]に記載のプロジェクター。
[18][16]または[17]に記載のプロジェクターであって、
上記光学系および上記反射部材を内包するハウジングを含み、
上記ハウジングは上記光学系由来の光を上記ハウジング外部に取り出すための窓部を含み、
上記窓部と上記光学系との間に上記反射部材が配置されているプロジェクター。
[19][18]に記載のプロジェクターであって、
上記直線偏光を上記窓部方向に反射する反射鏡を含み、
上記光学系と上記反射鏡との間に上記反射部材が配置されているプロジェクター。
[20][18]に記載のプロジェクターであって、
上記直線偏光を上記窓部方向に反射する反射鏡を含み、
上記反射鏡と上記窓部との間に上記反射部材が配置されているプロジェクター。
本発明により、新規な構成の反射部材が提供される。本発明の反射部材は遮熱用の部材として用いることができ、プロジェクターの光学系の遮熱用途に用いた場合にも投射光を効率的に取り出しつつ可視光を含む外光による光学系の損傷を低減することができる。本発明の反射部材を、ヘッドアップディスプレイ用プロジェクターに用いることによりプロジェクターの光学系の劣化を低減することができる。
ヘッドアップディスプレイ用プロジェクターの一例の概略断面図と本発明の反射部材の設置位置の一例を示した図である。 実施例で作製したフィルム1の自然光の透過率および直線偏光の透過率を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。 本明細書において、角度について言及するときは、厳密な角度との誤差が±5°未満の範囲の角度を意味する。さらに、厳密な角度との誤差は、4°未満であることが好ましく、3°未満であることがより好ましい。
本明細書において、円偏光につき「選択的」というときは、照射される光の右円偏光成分または左円偏光成分のいずれかの光量が、他方の円偏光成分よりも多いことを意味する。具体的には「選択的」というとき、光の円偏光度は、0.3以上であることが好ましく、0.6以上がより好ましく、0.8以上がさらに好ましい。実質的に1.0であることがさらに好ましい。ここで、円偏光度とは、光の右円偏光成分の強度をIR、左円偏光成分の強度をILとしたとき、|IR−IL|/(IR+IL)で表される値である。
本明細書において、円偏光につき「センス」というときは、右円偏光であるか、または左円偏光であるかを意味する。円偏光のセンスは、光が手前に向かって進んでくるように眺めた場合に電場ベクトルの先端が時間の増加に従って時計回りに回る場合が右円偏光であり、反時計回りに回る場合が左円偏光であるとして定義される。
本明細書においては、コレステリック液晶の螺旋の捩れ方向について「センス」との用語を用いることもある。コレステリック液晶による選択反射は、コレステリック液晶の螺旋の捩れ方向(センス)が右の場合は右円偏光を反射し、左円偏光を透過し、センスが左の場合は左円偏光を反射し、右円偏光を透過する。
本明細書において、「光」という場合、特に断らない限り、可視光(自然光)を意味する。可視光線は電磁波のうち、ヒトの目で見える波長の光であり、通常、380nm〜780nmの波長域の光を示す。
本明細書において、光透過率の算出に関連して必要である光強度の測定は、例えば通常の可視スペクトルメータを用いて、リファレンスを空気として、測定したものであればよい。
本明細書において、単に「反射光」または「透過光」というときは、散乱光および回折光を含む意味で用いられる。
なお、光の各波長の偏光状態は、円偏光板を装着した分光放射輝度計またはスペクトルメータを用いて測定することができる。この場合、右円偏光板を通して測定した光の強度がIR、左円偏光板を通して測定した光の強度がILに相当する。また、白熱電球、水銀灯、蛍光灯、LED等の通常光源は、自然光を発しているが、通常光源に装着された部材の偏光を作り出す特性は、例えば、AXOMETRICS社製の偏光位相差解析装置AxoScanなどを用いて測定することができる。
また、偏光状態は照度計や光スペクトルメータに測定対象物を取り付けても測定することができる。右円偏光透過板をつけ、右円偏光量を測定、左円偏光透過板をつけ、左円偏光量を測定することにより、比率を測定できる。
<反射部材>
反射部材は、選択反射層および1/4波長位相差板を含む。反射部材は1/4波長位相差板を2層有し、この2層の1/4波長位相差板の間に選択反射層を有する。すなわち、反射部材は、1/4波長位相差板、選択反射層、1/4波長位相差板をこの順に含む。選択反射層と1/4波長位相差板との間には他の層が含まれていてもよく、含まれていなくてもよい。他の層の例としては、接着層、配向層などが挙げられる。反射部材は、選択反射層以外に、可視光領域の自然光を反射または吸収する層、可視光領域の偏光(直線偏光、楕円偏光、および円偏光)を反射または吸収する層のいずれも含んでいないことが好ましい。
反射部材の形状は特に限定されないが、薄膜のフィルム状、シート状、または板状などであればよい。薄膜のフィルムとしてロール状等になっていてもよい。反射部材は、他の部材に接着して用いるものであってもよい。
<選択反射層>
選択反射層はコレステリック液晶相を固定した層を少なくとも1層含む。本明細書においては、コレステリック液晶相を固定した層をコレステリック液晶層または液晶層ということがある。選択反射層はコレステリック液晶層を1層含んでいてもよく、2層以上含んでいてもよい。選択反射層はコレステリック液晶層を例えば2〜50層、2〜20層、2〜15層含んでいてもよい。また、選択反射層は組成が均一のコレステリック液晶層を1種含んでいてもよく、組成が互いに異なるコレステリック液晶層2種以上含んでいてもよい。選択反射層はコレステリック液晶層を例えば2〜50種、2〜20種、2〜15種含んでいてもよい。選択反射層はコレステリック液晶層の他に、後述の、配向層、支持体、接着層などの層を含んでいてもよい。一方、選択反射層は、光(自然光)を反射または吸収する光遮断層を含んでいないことが好ましい。
<コレステリック液晶相を固定した層:コレステリック液晶層>
コレステリック液晶層は選択反射帯(選択反射波長域)において、右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に反射させ、他方のセンスの円偏光を透過させる円偏光選択反射層として機能する。すなわち、反射される円偏光のセンスは、透過される円偏光のセンスが右であれば左であり、透過される円偏光のセンスが左であれば右である。
円偏光選択反射性を示すフィルムとして、重合性液晶化合物を含む組成物から形成されたフィルムは従来から数多く知られており、コレステリック液晶層については、それらの従来技術を参照することができる。
コレステリック液晶層は、コレステリック液晶相となっている液晶化合物の配向が保持されている層であればよく、典型的には、重合性液晶化合物をコレステリック液晶相の配向状態としたうえで、紫外線照射、加熱等によって重合、硬化し、流動性が無い層を形成して、同時に、また外場や外力によって配向形態に変化を生じさせることない状態に変化した層であればよい。なお、コレステリック液晶層においては、コレステリック液晶相の光学的性質が層中において保持されていれば十分であり、該層中の液晶性化合物はもはや液晶性を示していなくてもよい。例えば、重合性液晶化合物は、硬化反応により高分子量化して、もはや液晶性を失っていてもよい。
コレステリック液晶層は、コレステリック液晶の螺旋構造に由来した円偏光反射を示す。本明細書においては、この円偏光反射を選択反射という。コレステリック液晶層の反射円偏光のセンスは螺旋の捩れ方向に一致する。選択反射層の各コレステリック液晶層は、螺旋の捩れ方向が右または左のいずれかである。
選択反射の中心波長λは、コレステリック相における螺旋構造のピッチ長P(=螺旋の周期)に依存し、コレステリック液晶層の平均屈折率nとλ=n×Pの関係に従う。なお、本明細書において、コレステリック液晶層が有する選択反射の中心波長λは、当該コレステリック液晶層の法線方向から測定した円偏光反射スペクトルの反射ピークの重心位置にある波長を意味する。上記式から分かるように、螺旋構造のピッチ長を調節することによって、選択反射の中心波長を調整できる。すなわち、n値とP値を調節して、例えば、青色光に対して右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に反射させるために、中心波長λを調節し、見かけ上の選択反射の中心波長が450nm〜495nmの波長域となるようにすることができる。なお、見かけ上の選択反射の中心波長とは実用の際の観察方向から測定したコレステリック液晶層の円偏光反射スペクトルの反射ピークの重心位置にある波長を意味する。コレステリック液晶相のピッチ長は重合性液晶化合物とともに用いるキラル剤の種類、またはその添加濃度に依存するため、これらを調整することによって所望のピッチ長を得ることができる。なお、螺旋のセンスやピッチの測定法については「液晶化学実験入門」日本液晶学会編 シグマ出版2007年出版、46頁、および「液晶便覧」液晶便覧編集委員会 丸善 196頁に記載の方法を用いることができる。
選択反射層において、各コレステリック液晶層の選択反射帯の半値幅は、特に限定されないが、1nm、10nm、50nm、100nm、150nm、または200nmなどであればよい。
円偏光選択反射を示す選択反射帯の半値幅Δλ(nm)は、Δλが液晶化合物の複屈折Δnと上記ピッチ長Pに依存し、Δλ=Δn×Pの関係に従う。そのため、選択反射帯の幅の制御は、Δnを調整して行うことができる。Δnの調整は重合性液晶化合物の種類やその混合比率を調整したり、配向固定時の温度を制御したりすることで行うことができる。
選択反射の中心波長が同一の1種のコレステリック液晶層の形成のために、周期Pが同じで、同じ螺旋のセンスのコレステリック液晶層を複数積層してもよい。周期Pが同じで、同じ螺旋のセンスのコレステリック液晶層を積層することによっては、特定の波長で円偏光選択性を高くすることができる。
後述する液晶化合物のいずれか1種を用いて可視光領域に選択反射を示すコレステリック液晶層を作製すると、選択反射帯の半値幅は、通常、15nm〜100nm程度である。選択反射帯の半値幅を広げるためには、周期Pを変えた反射光の中心波長が異なるコレステリック液晶層を2種以上積層すればよい。この際、同じ螺旋のセンスのコレステリック液晶層を積層することが好ましい。また、1つのコレステリック液晶層内において、周期Pを膜厚方向に対して緩やかに変化させることで選択反射帯の半値幅を広げることもできる。
<選択反射層の光学特性>
本発明の反射部材における選択反射層は、可視光領域のいずれかの波長である波長λiに選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶層を含み、かつ、波長λiにおいて選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶相を固定した層として、コレステリック液晶の螺旋の捩れ方向が右である層または左である層のいずれか一方のみを含む。選択反射層は、波長λiにおいて選択反射を示すコレステリック液晶相を固定した層として、コレステリック液晶の螺旋の捩れ方向が右である層または左である層のいずれか一方のみを含むことが好ましい。すなわち、選択反射層は、可視光領域のいずれかの波長λiにおいて、右円偏光または左円偏光のいずれか一方のみを選択的に透過し、他方を選択的に反射するように構成されていればよい。選択反射層は上記を満たす波長λiを1つ有していてもよく、2つ以上有していてもよい。すなわち、選択反射層が、右円偏光または左円偏光のいずれか一方のみを選択的に透過し、他方を選択的に反射する選択反射の中心波長は、1つであっても2つ以上であってもよい。具体的には選択反射層は波長λiを有するコレステリック液晶層を2つ以上含んでいてもよい。本明細書においては、上記のような波長λiをその数に応じて、例えば、波長λi−1、波長λi−2のように数字を付与して表すことがある。具体的には、選択反射層は、例えば波長λi−1、波長λi−2、波長λi−3、波長λi−4、波長λi−5から数字順に選択される1つ以上で表される1〜5の該当する波長を有していてもよい。
波長λiは、反射部材の用途に応じて選択することができる。例えば、反射部材をプロジェクターの遮熱部材として用いる場合、プロジェクターが投映像表示のために投射する光の波長に合わせて選択すればよい。特にプロジェクターが、直線偏光を投射する光学系を含むプロジェクターであって、直線偏光を投射して投映像を表示させている場合は、その直線偏光の波長を含む範囲の波長域であればよく、好ましくはその直線偏光の波長であればよい。投射光が1/4波長位相差板を透過して生成するいずれか一方のセンスの円偏光を選択的に透過させ、他方のセンスの円偏光を選択的に反射することができるからである。典型的には、波長λiは、赤色波長域、緑色波長域、または青色波長域にあることが好ましい。また、波長λi−1、波長λi−2が赤色波長域、緑色波長域、および青色波長域から選択されるいずれか2つの波長域にそれぞれあること、波長λi−1、波長λi−2、波長λi−3が赤色波長域、緑色波長域、および青色波長域それぞれにあることも好ましい。フルカラーの投映像を表示させるプロジェクターであって、投射光が直線偏光である光学系を含むプロジェクターと組み合わせて用いられる反射部材などにおいて、遮熱などの用途として好ましい形態で各波長の投射光を選択的に透過および反射できるからである。本明細書においては、波長λiが赤色波長域にある層を層R、波長λiが緑色波長域にある層を層G、波長λiが青色波長域にある層を層Bとそれぞれ呼ぶことがある。
本発明の反射部材における選択反射層は、可視光領域のいずれかの波長である波長λnに選択反射の中心波長を有する螺旋の捩れ方向が右または左のいずれか一方であるコレステリック液晶相を固定した層と波長λnで選択反射を示す螺旋の捩れ方向が逆であるコレステリック液晶相を固定した層とを含むことが好ましい。波長λnは波長λiとは異なる波長(例えば20nm以上異なる)である。すなわち、選択反射層は、可視光領域のいずれかの波長λnにおいて、右円偏光および左円偏光のいずれも反射するように構成されていることが好ましい。選択反射層は、可視光領域波長λnに選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶相を固定した層として螺旋の捩れ方向が右である層と螺旋の捩れ方向が左である層との双方を含むことも好ましい。波長λnは1つであってもよく、2つ以上であってもよい。すなわち、選択反射層が、右円偏光および左円偏光の双方を反射する可視光領域の波長は、1つであっても2つ以上あってもよい。本明細書において、上記のような2つ以上の波長λnをその数に応じて、それぞれ、波長λn−1、波長λn−2のように数字を付与して表すことがある。具体的には、選択反射層は、例えば波長λn−1、波長λn−2、波長λn−3、波長λn−4、波長λn−5から数字順に選択される1つ以上で表される1〜5の該当する波長を有していてもよい。
波長λnは、反射部材の用途に応じて選択することができる。例えば、反射部材をプロジェクターの遮熱部材として用いる場合、プロジェクターが投映像表示のために投射する光の波長に合わせて選択すればよい。具体的にはプロジェクターの光学系が投映像表示のために投射する光の波長以外の波長域の波長であればよい。投映像表示に関わる波長域以外でいずれのセンスの円偏光も反射することができるからである。典型的には、波長λnは、赤色波長域、緑色波長域、および青色波長域以外にあることが好ましい。また、波長λn−1、波長λn−2が、赤色波長域より高波長域、赤色波長域と緑色波長域との間、緑色波長域と青色波長域との間、および青色波長域より低波長域から選択されるいずれか2つの波長域にそれぞれあること、波長λn−1、波長λn−2、波長λn−3が赤色波長域より高波長域、赤色波長域と緑色波長域との間、緑色波長域と青色波長域との間、および青色波長域より低波長域から選択されるいずれか3つの波長域にそれぞれあること、波長λn−1、波長λn−2、波長λn−3、波長λn−4が赤色波長域より高波長域、赤色波長域と緑色波長域との間、緑色波長域と青色波長域との間、および青色波長域より低波長域から選択される波長域にそれぞれあることも好ましい。フルカラーの投映像を表示させるプロジェクターであって、投射光が直線偏光である光学系を含むプロジェクターと組み合わせて用いられる反射部材などにおいて、遮熱などの用途として好ましい形態で各波長の投射光を反射できるからである。波長λn−1、波長λn−2、波長λn−3が赤色波長域より高波長域、赤色波長域と緑色波長域との間、および青色波長域より低波長域から選択される波長域にそれぞれあることも特に好ましい例として挙げられる。
赤色波長域、緑色波長域、または青色波長域は、それぞれ、赤色を示す光の波長域、緑色を示す光の波長域、青色を示す光の波長域を示す。それぞれの具体的な波長域は、当業者であれば自ずと理解できるであろう。赤色波長域、緑色波長域、または青色波長域は、例えば反射部材の用途に応じて定めてもよい。例えば、反射部材をプロジェクターの遮熱部材として用いる場合、プロジェクターの光学系の投射光の波長に応じて定めてもよい。例えば、フルカラーの投映像を表示するためのプロジェクターであれば、投射光は、典型的には、赤色波長域、緑色波長域、または青色波長域にそれぞれ光強度の極大を有するものとなるが、それらを光源の発光スペクトルなどに基づき確認して、赤色波長域、緑色波長域、または青色波長域を定めることができる。例えば、光源としてレーザーを用いた光学系の遮熱部材として用いる場合においては、赤色波長域、緑色波長域、または青色波長域は狭くなり得る。
赤色波長域は具体的には、例えば、610nm〜650nmなどであればよい。緑色波長域は具体的には、例えば、510nm〜540nmであればよい。または青色波長域は具体的には、例えば、440nm〜470nmであればよい。また、赤色波長域、緑色波長域、および青色波長域以外の波長域として具体的には、例えば、670nm〜750nm、550nm〜600nm、400nm〜430nmであればよい。
<選択反射層の作製方法>
選択反射層が複数のコレステリック液晶層を含む場合のコレステリック液晶層の積層は、別に作製したコレステリック液晶層を接着剤等を用いて積層することにより行ってもよく、後述の方法で形成された先のコレステリック液晶層の表面に直接、重合性液晶化合物等を含む液晶組成物を塗布し、配向および固定の工程を繰り返してもよい。
<コレステリック液晶相を固定した層の作製方法>
以下、コレステリック液晶層の作製材料および作製方法について説明する。
上記コレステリック液晶層の形成に用いる材料としては、重合性液晶化合物とキラル剤(光学活性化合物)とを含む液晶組成物などが挙げられる。必要に応じてさらに界面活性剤や重合開始剤などと混合して溶剤などに溶解した上記液晶組成物を、基材(支持体、配向膜、下層となるコレステリック液晶層など)に塗布し、コレステリック配向熟成後、固定化してコレステリック液晶層を形成することができる。
重合性液晶化合物
重合性液晶化合物は、棒状液晶化合物であっても、円盤状液晶化合物であってもよいが、棒状液晶化合物であることが好ましい。
コレステリック液晶層を形成する棒状の重合性液晶化合物の例としては、棒状ネマチック液晶化合物が挙げられる。棒状ネマチック液晶化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。低分子液晶化合物だけではなく、高分子液晶化合物も用いることができる。
重合性液晶化合物は、重合性基を液晶化合物に導入することで得られる。重合性基の例には、不飽和重合性基、エポキシ基、およびアジリジニル基が含まれ、不飽和重合性基が好ましく、エチレン性不飽和重合性基が特に好ましい。重合性基は種々の方法で、液晶化合物の分子中に導入できる。重合性液晶化合物が有する重合性基の個数は、好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜3個である。重合性液晶化合物の例は、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許第4683327号明細書、同5622648号明細書、同5770107号明細書、国際公開WO95/22586号公報、同95/24455号公報、同97/00600号公報、同98/23580号公報、同98/52905号公報、特開平1−272551号公報、同6−16616号公報、同7−110469号公報、同11−80081号公報、および特開2001−328973号公報などに記載の化合物が含まれる。2種類以上の重合性液晶化合物を併用してもよい。2種類以上の重合性液晶化合物を併用すると、配向温度を低下させることができる。
また、液晶組成物中の重合性液晶化合物の添加量は、液晶組成物の固形分質量(溶媒を除いた質量)に対して、80〜99.9質量%であることが好ましく、85〜99.5質量%であることがより好ましく、90〜99質量%であることが特に好ましい。
キラル剤(光学活性化合物)
キラル剤はコレステリック液晶相の螺旋構造を誘起する機能を有する。キラル化合物は、化合物によって誘起する螺旋のセンスまたは螺旋ピッチが異なるため、目的に応じて選択すればよい。
キラル剤としては、特に制限はなく、公知の化合物(例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4−3項、TN、STN用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989に記載)、イソソルビド、イソマンニド誘導体を用いることができる。
キラル剤は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物あるいは面性不斉化合物もキラル剤として用いることができる。軸性不斉化合物または面性不斉化合物の例には、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファンおよびこれらの誘導体が含まれる。キラル剤は、重合性基を有していてもよい。キラル剤と液晶化合物とがいずれも重合性基を有する場合は、重合性キラル剤と重合性液晶化合物との重合反応により、重合性液晶化合物から誘導される繰り返し単位と、キラル剤から誘導される繰り返し単位とを有するポリマーを形成することができる。この態様では、重合性キラル剤が有する重合性基は、重合性液晶化合物が有する重合性基と、同種の基であることが好ましい。従って、キラル剤の重合性基も、不飽和重合性基、エポキシ基またはアジリジニル基であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基であることが特に好ましい。
また、キラル剤は、液晶化合物であってもよい。
キラル剤が光異性化基を有する場合には、塗布、配向後に活性光線などのフォトマスク照射によって、発光波長に対応した所望の反射波長のパターンを形成することができるので好ましい。光異性化基としては、フォトクロッミック性を示す化合物の異性化部位、アゾ、アゾキシ、シンナモイル基が好ましい。具体的な化合物として、特開2002−80478号公報、特開2002−80851号公報、特開2002−179668号公報、特開2002−179669号公報、特開2002−179670号公報、特開2002−179681号公報、特開2002−179682号公報、特開2002−338575号公報、特開2002−338668号公報、特開2003−313189号公報、特開2003−313292号公報に記載の化合物を用いることができる。
液晶組成物における、キラル剤の含有量は、重合性液晶性化合物量の0.01モル%〜200モル%が好ましく、1モル%〜30モル%がより好ましい。
重合開始剤
液晶組成物は、重合開始剤を含有していることが好ましい。紫外線照射により重合反応を進行させる態様では、使用する重合開始剤は、紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤であることが好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)等が挙げられる。
液晶組成物中の光重合開始剤の含有量は、重合性液晶化合物の含有量に対して0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5質量%〜5質量%であることがさらに好ましい。
架橋剤
液晶組成物は、硬化後の膜強度向上、耐久性向上のため、任意に架橋剤を含有していてもよい。架橋剤としては、紫外線、熱、湿気等で硬化するものが好適に使用できる。
架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の多官能アクリレート化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物;2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、4,4−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等のアジリジン化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、ビウレット型イソシアネート等のイソシアネート化合物;オキサゾリン基を側鎖に有するポリオキサゾリン化合物;ビニルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物などが挙げられる。また、架橋剤の反応性に応じて公知の触媒を用いることができ、膜強度および耐久性向上に加えて生産性を向上させることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
架橋剤の含有量は、3質量%〜20質量%が好ましく、5質量%〜15質量%がより好ましい。架橋剤の含有量が、3質量%未満であると、架橋密度向上の効果が得られないことがあり、20質量%を超えると、コレステリック液晶層の安定性を低下させてしまうことがある。
配向制御剤
液晶組成物中には、安定的にまたは迅速にプレーナー配向のコレステリック液晶層とするために寄与する配向制御剤を添加してもよい。配向制御剤の例としては特開2007−272185号公報の段落〔0018〕〜〔0043〕等に記載のフッ素(メタ)アクリレート系ポリマー、特開2012−203237号公報の段落〔0031〕〜〔0034〕等に記載の式(I)〜(IV)で表される化合物などが挙げられる。
なお、配向制御剤としては1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
液晶組成物中における、配向制御剤の添加量は、重合性液晶化合物の全質量に対して0.01質量%〜10質量%が好ましく、0.01質量%〜5質量%がより好ましく、0.02質量%〜1質量%が特に好ましい。
その他の添加剤
その他、液晶組成物は、塗膜の表面張力を調整し膜厚を均一にするための界面活性剤、および重合性モノマー等の種々の添加剤から選ばれる少なくとも1種を含有していてもよい。また、液晶組成物中には、必要に応じて、さらに重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、色材、金属酸化物微粒子等を、光学的性能を低下させない範囲で添加することができる。
コレステリック液晶層は、重合性液晶化合物および重合開始剤、更に必要に応じて添加されるキラル剤、界面活性剤等を溶媒に溶解させた液晶組成物を、支持体、配向層、または先に作製されたコレステリック液晶層等の上に塗布し、乾燥させて塗膜を得、この塗膜に活性光線を照射してコレステリック液晶性組成物を重合し、コレステリック規則性が固定化されたコレステリック液晶層を形成することができる。なお、複数のコレステリック液晶層からなる積層膜は、コレステリック液晶層の製造工程を繰り返し行うことにより形成することができる。
液晶組成物の調製に使用する溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、有機溶媒が好ましく用いられる。
有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばケトン類、アルキルハライド類、アミド類、スルホキシド類、ヘテロ環化合物、炭化水素類、エステル類、エーテル類、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、環境への負荷を考慮した場合にはケトン類が特に好ましい。
基材上への液晶組成物の塗布方法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ワイヤーバーコーティング法、カーテンコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法、スピンコーティング法、ディップコーティング法、スプレーコーティング法、スライドコーティング法などが挙げられる。また、別途支持体上に塗設した液晶組成物を基材上へ転写することによっても実施できる。塗布した液晶組成物を加熱することにより、液晶分子を配向させる。加熱温度は、200℃以下が好ましく、130℃以下がより好ましい。この配向処理により、重合性液晶化合物が、フィルム面に対して実質的に垂直な方向に螺旋軸を有するようにねじれ配向している光学薄膜が得られる。
配向させた液晶化合物は、更に重合させればよい。重合は、熱重合、光照射による光重合のいずれでもよいが、光重合が好ましい。光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2〜50J/cm2が好ましく、100mJ/cm2〜1,500mJ/cm2がより好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下または窒素雰囲気下で光照射を実施してもよい。照射紫外線波長は350nm〜430nmが好ましい。重合反応率は安定性の観点から、高いほうが好ましく70%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。重合反応率は、重合性の官能基の消費割合を、IR吸収スペクトルを用いて決定することができる。
(支持体)
支持体は特に限定されない。コレステリック液晶層の形成のために用いられる支持体は、コレステリック液晶層形成後に剥離される仮支持体であってもよい。支持体が仮支持体である場合は、反射部材を構成する層とはならないため、透明性や屈折性などの光学特性に関する制限は特にない。支持体(仮支持体)としては、プラスチックフィルムの他、ガラス等を用いてもよい。プラスチックフィルムの例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル、ポリカーボネート、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリオレフィン、セルロース誘導体、シリコーンなどが挙げられる。
支持体の膜厚としては、5μm〜1000μm程度であればよく、好ましくは10μm〜250μmであり、より好ましくは15μm〜90μmである。
(配向膜)
配向膜は、有機化合物、ポリマー(ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、変性ポリアミドなどの樹脂)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、またはラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例えば、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で、設けることができる。更に、電場の付与、磁場の付与または光照射により、配向機能が生じる配向膜も知られている。
特にポリマーからなる配向膜はラビング処理を行ったうえで、ラビング処理面に液晶層形成のための組成物を塗布することが好ましい。ラビング処理は、ポリマー層の表面を、紙、布で一定方向に、数回擦ることにより実施することができる。
配向膜を設けずに支持体表面、または支持体をラビング処理した表面に、液晶組成物を塗布してもよい。
支持体が仮支持体である場合は、配向膜は仮支持体とともに剥離されて反射部材を構成する層とはならなくてもよい。
配向層の厚さは0.01〜5μmであることが好ましく、0.05〜2μmであることがさらに好ましい。
<1/4波長位相差層>
1/4波長位相差層は可視光領域において1/4波長板として機能する位相差層であればよい。1/4波長層の例としては、一層型の1/4波長位相差層、1/4波長位相差板と1/2波長位相差板とを積層した広帯域1/4波長位相差層などが挙げられる。
前者の1/4波長位相差層の正面位相差は 投影光波長の1/4の長さであればよい。それゆえに例えば投影光の中心波長が450nm、530nm、640nmの場合は、450nmの波長で112.5nm±10nm、好ましくは、112.5nm±5nm、より好ましくは112.5nm、530nmの波長で132.5nm±10nm、好ましくは、132.5nm±5nm、より好ましくは132.5nm、640nmの波長で160nm±10nm、好ましくは、160nm±5nm、より好ましくは160nmの位相差であるような逆分散性の位相差層が1/4波長位相差層として最も好ましいが、位相差の波長分散性の小さい位相差板や順分散性の位相差板も用いることができる。なお、逆分散性とは長波長になるほど位相差の絶対値が大きくなる性質を意味し、順分散性とは短波長になるほど位相差の絶対値が大きくなる性質を意味する。
後者の積層型の1/4波長位相差層は、1/4波長位相差板と1/2波長位相差板とをその遅相軸を約60度の角度で貼り合わせ、1/2波長位相差板側を直線偏光の入射側に配置して、且つ1/2波長位相差板の遅相軸を入射直線偏光の偏光面に対して15度、または75度に交差して使用するもので、位相差の逆分散性が良好なため好適に用いることができる。
なお、位相差はAXOMETRICS社製の偏光位相差解析装置AxoScanを用いて測定することができる。またはKOBRA 21ADHまたはWR(王子計測機器(株)製)において特定の波長の光をフィルム法線方向に入射させて測定してもよい。
1/4波長位相差層は、石英などの複屈折材料を用いた市販の製品を用いてもよく、重合性液晶化合物、高分子液晶化合物を配列させて固定して形成することもできる。この形成に用いられる液晶性化合物の種類については、特に制限されない。1/4波長位相差層の形成のために、上記のコレステリック液晶層の作製に用いられる液晶組成物および作製方法を参照することもできる。ただし、1/4波長位相差層形成のための液晶組成物はキラル剤を含まないことが好ましい。例えば、低分子液晶性化合物を液晶状態においてネマチック配向に形成後、光架橋や熱架橋によって固定化して得られる光学異方性層や、高分子液晶性化合物を液晶状態においてネマチック配向に形成後、冷却することによって当該配向を固定化して得られる光学異方性層を用いることもできる。
反射部材は2つの1/4波長位相差層を含む。2つの1/4波長位相差層は組成や膜厚などにおいて同一のものであってもよく、異なるものであってもよい。
反射部材において2つの1/4波長位相差層がともに一枚型の場合には、1/4波長位相差層の遅相軸の方向は平行であるかまたは直交していることが好ましい。また2つの1/4波長位相差層がともに二枚型の場合には、何れの1/4波長位相差層においてもその1/4波長位相差板側をコレステリック液晶層側に1/2波長位相差板側をコレステリック液晶層とは反対側に配置し、且つ、1/2波長位相差板の遅相軸の方向は平行であるかまたは直交していることが好ましい。また2つの1/4波長位相差層が一枚型と二枚型の場合には、二枚型の1/4波長位相差板側をコレステリック液晶層側に1/2波長位相差板側をコレステリック液晶層とは反対側に配置し、且つ、1/2波長位相差板の遅相軸と一枚型の1/4波長位相差層の遅相軸の方向は平行であるかまたは直交していることが好ましい。
<接着層>
反射部材は、選択反射層と1/4波長位相差板との間、または、選択反射層中の各層の間などに、接着層を含んでいてもよい。接着層は接着剤から形成されるものであればよい。
接着剤としては硬化方式の観点からホットメルトタイプ、熱硬化タイプ、光硬化タイプ、反応硬化タイプ、硬化の不要な感圧接着タイプがあり、それぞれ素材としてアクリレート系、ウレタン系、ウレタンアクリレート系、エポキシ系、エポキシアクリレート系、ポリオレフィン系、変性オレフィン系、ポリプロピレン系、エチレンビニルアルコール系、塩化ビニル系、クロロプレンゴム系、シアノアクリレート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリスチレン系、ポリビニルブチラール系などの化合物を使用することができる。作業性、生産性の観点から、硬化方式として光硬化タイプが好ましく、光学的な透明性、耐熱性の観点から、素材はアクリルレート系、ウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系などを使用することが好ましい。
接着層の膜厚は0.5〜10μm、好ましくは1〜5μmであればよい。反射部材の色ムラ等を軽減するため均一な膜厚で設けられることが好ましい。
<赤外光遮断層>
反射部材は、赤外光反射層を含んでいてもよい。反射部材が遮熱部材として用いられる場合などにおいて、赤外光遮断層を含むことによって、遮熱性能がより高い反射部材とすることができる。赤外光遮断層は赤外光を反射する層でも、赤外光を吸収する層であってもよい。
赤外光遮断層の例としては、真空成膜法により複数の金属層を積層した層(例えば特開平6−263486号公報参照)、赤外線吸収色素を含む層(例えば特開平6−194517号公報参照)、コレステリック液晶相を固定した層を利用した層(例えば特許第4109914号公報参照)が挙げられる。
赤外光遮断層は、例えば反射部材が太陽光に対する遮熱の用途に用いられる場合において、選択反射層に対して、太陽光を受光する側で用いられることが好ましい。選択反射層の劣化を防止するためである。
<反射部材の用途>
反射部材は可視光遮光用部材、遮熱部材等として用いることができる。反射部材はプロジェクターの遮熱部材として好ましく用いることができ、特に直線偏光を投射する光学系を含むプロジェクターにおいて、光学系を遮熱するための部材として好ましく用いることができる。
本明細書において、プロジェクターにおける光学系とは、光源および光変調器などの描画デバイスを含む部分を意味し、例えば一般的なプロジェクターにおいて、ハウジングなどの付加的な部材を除く、投映像形成のための投射光を発するために必要な最低限の構成を意味する。光学系は、画像を投射する機能を有するものであれば特に限定されない。光学系における光源としてはレーザー光源、LED、放電管などが挙げられる。また光学系の描画デバイスとしては、液晶パネル、DMD(Digital Micromirror device)、GLV(Grating Light Valve)、LCOS(Liquid Crystal on Silicon)、MEMS(Microelectromechanical systems)などが挙げられる。
本発明の反射部材は、直線偏光を投射する光学系を有するプロジェクターの遮熱部材として用いることが好ましい。本発明の反射部材を、直線偏光を投射する光学系を有するプロジェクターに設ける場合、または直線偏光を投射する光学系を有するプロジェクターと組み合わせて用いる場合は、光学系の投射光の各波長の偏光方向に従ってコレステリック液晶層の捩れ方向が調整されていればよい。
<ヘッドアップディスプレイ用プロジェクター>
本発明の反射部材が適用されるプロジェクターは、特に限定されないが、好ましい例としてはヘッドアップディスプレイに用いられるプロジェクターが挙げられる。ヘッドアップディスプレイ装置は太陽光の熱の影響を受けやすい車両用に用いられる際、特に遮熱性が求められるからである。
ヘッドアップディスプレイ用プロジェクターにおいて、反射部材は、光学系に対して太陽光の入射方向であって、かつ投映像表示部に対して光学系側に設けられていればよい。このような構成により、光学系からの投射光を反射部材に透過させ、光学系への外光を遮断する。
図1にヘッドアップディスプレイ用プロジェクターの一例の概略断面図を示す。図において、1の位置に本発明の反射部材が設置されており、11は光源、12は描画デバイス、14がハウジング、15が光学系由来の光をハウジング外部に取り出すための窓部、13が光学系からの投射光を窓部方向に反射する反射鏡を示す。図1に示すヘッドアップディスプレイ用プロジェクターにおいて、光学系からの投射光は、1の位置にある反射部材を経由して反射鏡13で反射され窓部15をさらに経由して図1において窓部15の上部にある投映像表示部材で投映像を表示する。窓部15から太陽光などの外光がプロジェクターの内部に取り込まれるが、1の位置にある本発明の反射部材によって、可視光の一部が反射され、光学系が遮熱される。反射部材が赤外光遮断層を含まないときは、位置1に赤外光遮断フィルターを設けることが好ましい。また、赤外光遮断フィルターは光学系からみて、反射部材より外側(外光受光側)に設けることが好ましい。
図1では、反射部材を光学系と反射鏡との間に設ける構成を示したが、反射部材は反射鏡と窓部15の間に設けてもよい。また、反射鏡を設けずに光学系の投射光が反射部材を経由して直接窓部から取り出される構成であってもよい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
<フィルム1の作製>
ラビング処理を施した富士フイルム製PETのラビング処理面に、表1に示す捩れセンスが右の塗布液R−1を、乾燥後の乾膜の厚みが3.5μmになるように、室温にてワイヤーバーを用いて塗布した。塗布層を室温にて30秒間乾燥させた後、85℃の雰囲気で2分間加熱し、その後30℃でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)にて出力60%で12秒間UV照射しPETフィルム上にR−1層を得た。同様にして、ラビング処理を施した富士フイルム製PETラビング処理面に、表1に示した塗布液を、それぞれ乾燥後の乾膜の厚みが表2に示した厚みになるように室温にてワイヤーバーを用いて塗布し、R−1層形成の際と同様にUV照射を行って、R−2層、L−1層、R−2層、R−3層、R−4層、R−5層、L−2層、R−6層、R−7層、L−3層、およびλ/4層をそれぞれ作製した。
これらのコレステリック液晶層の反射ピークの中心波長をAXOMETRICS社製のAxoScanを用いて測定した。結果を表2に示す。
次に厚さ40μmで正面レターデーションが0nmであって片側に反射防止層が付いたセルロースアシレート製の透明フィルムを準備し、反射防止層とは反対側の面上に、DIC株式会社製UV硬化型接着剤Exp.U12034−6を、乾燥後の乾膜の厚みが5μmになるように室温にてワイヤーバーを用いて塗布した。この塗布面と塗布液Q−1を用いて作製したPETつきλ/4層の液晶層側の面とを気泡が入らないように貼りあわせ、30℃でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)にて出力60%で12秒間UV照射した。その後λ/4層の支持体となっていたPETを剥離した。このセルロースアシレートフィルムつきλ/4層の正面レターデーションをAXOMETRICS社製のAxoScanを用いて測定した波長550nmにおけるレターデーションの値は137nmであった。
続いて、上述のUV硬化型接着剤を用いて、このλ/4層の上に表2に示したR−1層から始まって上から順にL−3層までコレステリック液晶層を順次接着し、PETフィルムを剥離することを繰り返して、λ/4層の上に10層のコレステリック層を積層した。最後に 同様に作製した塗布液Q−1を用いて作製したPETつきλ/4層の液晶層側の面上に、DIC株式会社製UV硬化型接着剤Exp.U12034−6を、乾燥後の乾膜の厚みが5μmになるように室温にてワイヤーバーを用いて塗布し、このλ/4層の遅相軸が一番最初にセルロースアシレートフィルムと貼りあわせたλ/4層の遅相軸と平行になるように上記で作製したコレステリック層積層フィルムの最上面のL−3層と貼りあわせ、λ/4層の支持体となっていた富士フイルム製PETを剥離し、実施例1のフィルム1を形成した。
<フィルム2の作製>
コレステリックL−3層を積層しない以外は実施例1と同様にして、表3に示した実施例2のフィルム2を形成した。
<フィルム3の作製>
コレステリックL−1層、L−2層、およびL−3層を積層しない以外は実施例1と同様にして、表4に示した実施例3のフィルム3を形成した。
<フィルムの評価>
フィルムの直線偏光透過率と自然光透過率を日本分光社製の紫外可視近赤外分光光度計V−670を用いて測定した。直線偏光に対する透過率の測定は、直線偏光板を分光光度計の光源側において、その偏光透過軸とフィルムのλ/4板の遅相軸が45度になるように配置して測定を行った。フィルム1の測定結果を図1に示す。このようにして得られた自然光透過率の波長400nmから700nmまでの平均値、および評価に用いた液晶表示装置のLED光源の発光中心波長の465nm±5nm、525nm±5nm、および630nm±5nm領域の直線偏光に対する平均透過率を表5に示す。
自然光透過率は、フィルムを透過して液晶表示装置に進入する太陽光に対する透過率と同じであるため、小さいほど性能が優れることを示す。一方、直線偏光透過率は、液晶表示装置から発せられた投射光の透過率に対応するもので、この値が大きいほど明るい表示を与えることができる。したがって、直線偏光透過率/自然光透過率が大きいフィルムほど、投射光の取り出し効率が高いとともに遮熱性も高いことを表す。
次に、図1に示す構成のヘッドアップディスプレイ用プロジェクターにおいて、黒色の遮光性合成樹脂からなるハウジング内にフィルム1、フィルム2およびフィルム3を図1の1の位置に配置し、さらにそれぞれのフィルムに対して反射鏡13側に赤外線遮断フィルター(朝日分光株式会社製 SC1201)を配置してTN−TFT液晶表示パネルの温度上昇抑制効果を測定した。1の位置に赤外線遮断フィルターのみを配置した構成を用意し比較例1として同様に測定を行った。何れの測定においても装置全体の位置を調整して、太陽光がパネルに集光するようにしてから、一時間後の温度を測定した。温度の測定は熱電対をパネルの中央部表面に直接貼り付けて行った。結果を表5に示す。
1 反射部材の配置位置
11 光源
12 描画デバイス
13 凹面反射鏡
14 ハウジング
15 窓部

Claims (20)

  1. 選択反射層および2層の1/4波長位相差板を含む反射部材であって、
    前記選択反射層は前記2層の1/4波長位相差板の間に配置されており、
    前記選択反射層は、可視光領域波長λiに選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶相を固定した層を含み、かつ
    前記選択反射層は、波長λiにおいて選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶相を固定した層として、コレステリック液晶の螺旋の捩れ方向が右である層または左である層のいずれか一方のみを含む、
    反射部材。
  2. 前記選択反射層は、波長λiにおいて選択反射を示すコレステリック液晶相を固定した層として、コレステリック液晶の螺旋の捩れ方向が右である層または左である層のいずれか一方のみを含む、請求項1に記載の反射部材。
  3. 波長λiが、赤色波長域、緑色波長域、または青色波長域にある請求項1または2に記載の反射部材。
  4. 前記選択反射層が、可視光領域波長λnに選択反射の中心波長を有する螺旋の捩れ方向が右または左のいずれか一方であるコレステリック液晶相を固定した層と前記波長λnで選択反射を示す螺旋の捩れ方向が逆であるコレステリック液晶相を固定した層とを含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の反射部材。
  5. 可視光領域波長λnに選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶相を固定した層として螺旋の捩れ方向が右である層と螺旋の捩れ方向が左である層との双方を含む請求項4に記載の反射部材。
  6. 波長λnが、赤色波長域、緑色波長域、および青色波長域以外の波長域にある請求項4または5に記載の反射部材。
  7. 前記選択反射層が、以下の(RR)、(RG)および(BB)から選択される1つ以上を満たす、請求項1〜6のいずれか一項に記載の反射部材:
    (RR)670nm〜750nmの波長域に選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶相を固定した層としてコレステリック液晶の螺旋の捩れ方向が右である層と左である層との双方を含む、
    (RG)550nm〜600nmの波長域に選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶相を固定した層としてコレステリック液晶の螺旋の捩れ方向が右である層と左である層との双方を含む、
    (BB)400nm〜430nmの波長域に選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶相を固定した層としてコレステリック液晶の螺旋の捩れ方向が右である層と左である層との双方を含む。
  8. (RR)、(RG)および(BB)をすべて満たす請求項7に記載の反射部材。
  9. 前記選択反射層が、赤色波長域に選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶相を固定した層R、緑色波長域に選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶相を固定した層G、および青色波長域に選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶相を固定した層Bからなる群から選択される層を2つ以上含み、
    層R、層G、および層Bから選択される層として、コレステリック液晶の螺旋の捩れ方向が右である層または左である層のいずれか一方のみを含む
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の反射部材。
  10. 層R、層G、および層Bをそれぞれ1つ以上含む請求項9に記載の反射部材。
  11. 赤色波長域が610nm〜650nm、緑色波長域が510nm〜540nm、
    青色波長域が440nm〜470nmである請求項9または10に記載の反射部材。
  12. 前記の2枚の1/4波長位相差板の遅相軸が平行である請求項1〜11のいずれか一項に記載の反射部材。
  13. 赤外光遮断層を含む請求項1〜12のいずれか一項に記載の反射部材。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の反射部材を含む遮熱部材。
  15. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の反射部材を含むプロジェクター。
  16. 直線偏光を投射する光学系を含む請求項15に記載のプロジェクター。
  17. ヘッドアップディスプレイ用プロジェクターである請求項16に記載のプロジェクター。
  18. 請求項16または17に記載のプロジェクターであって、
    前記光学系および前記反射部材を内包するハウジングを含み、
    前記ハウジングは前記光学系由来の光を前記ハウジング外部に取り出すための窓部を含み、
    前記窓部と前記光学系との間に前記反射部材が配置されているプロジェクター。
  19. 請求項18に記載のプロジェクターであって、
    前記直線偏光を前記窓部方向に反射する反射鏡を含み、
    前記光学系と前記反射鏡との間に前記反射部材が配置されているプロジェクター。
  20. 請求項18に記載のプロジェクターであって、
    前記直線偏光を前記窓部方向に反射する反射鏡を含み、
    前記反射鏡と前記窓部との間に前記反射部材が配置されているプロジェクター。
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