JP2013158970A - 赤外線反射フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】液晶を積層するに際して工程数を増やすことなく安価に製造することが可能であり、液晶間の密着性が良好な赤外線反射フィルムを提供する。
【解決手段】基材フィルムの一方の面に接着性付与層を介して少なくとも2層の液晶層を積層した積層液晶層を有する積層フィルムであって、前記接着性付与層により各液晶層の配向を乱したことを特徴とする赤外線反射フィルムである。
【選択図】図1
【解決手段】基材フィルムの一方の面に接着性付与層を介して少なくとも2層の液晶層を積層した積層液晶層を有する積層フィルムであって、前記接着性付与層により各液晶層の配向を乱したことを特徴とする赤外線反射フィルムである。
【選択図】図1
Description
本発明は、赤外線を反射するための液晶層を複数層有する赤外線反射フィルムに関し、各液晶層間の密着性が良好な赤外線反射フィルムに関するものである。
窓ガラスから室内に入り込む太陽光は、可視光線だけでなく赤外線や紫外線を含んでいる。太陽光に含まれる紫外線は日焼けの原因となるため人体に対する悪影響が指摘されている。また、紫外線による包装材の劣化が原因で内容物の変質が生じることもよく知られている。一方、太陽光に含まれる赤外線については、直射日光による室内の温度上昇を引き起こすため夏場の冷房効率を低下させる等の問題があった。
従来はこのような問題に対し、例えば着色フィルムや金属蒸着フィルム等を窓ガラスに貼り付けることにより対処していた(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記の着色フィルムは紫外線をある程度はカットするものの赤外線はほとんどカットせず、可視光線をカットしてしまうため、窓ガラス等に貼り付けた場合に透明性が損なわれるという問題がある。
また、上記の金属蒸着フィルムは紫外線及び赤外線をカットするものの可視光の透過性が悪いため、透明性が損なわれるという問題がある。更に、可視光を吸収するのではなく反射することから、明るい側から見るとフィルムの表面が鏡面になってしまうため、用途が限られてしまうという問題がある。
しかしながら、上記の着色フィルムは紫外線をある程度はカットするものの赤外線はほとんどカットせず、可視光線をカットしてしまうため、窓ガラス等に貼り付けた場合に透明性が損なわれるという問題がある。
また、上記の金属蒸着フィルムは紫外線及び赤外線をカットするものの可視光の透過性が悪いため、透明性が損なわれるという問題がある。更に、可視光を吸収するのではなく反射することから、明るい側から見るとフィルムの表面が鏡面になってしまうため、用途が限られてしまうという問題がある。
このような問題に対して、近年無機系赤外線吸収剤の微粒子を用いたフィルムが用いられるようになってきた。
例えば、
(1)ハードコート層又は粘着剤層に、アンチモンドープ酸化錫(ATO)微粒子又は錫ドープ酸化インジウム(ITO)微粒子を含有させた熱線遮蔽フィルム(例えば、特許文献2参照)、及び
(2)ATOやITO微粒子と、(メタ)アクリロイル基をもつ活性エネルギー線重合性多官能(メタ)アクリレートを含む熱線遮蔽性樹脂組成物を硬化させてなるハードコート層を有するフィルム(例えば、特許文献3参照)が提案されている。
しかしながら、無機系赤外線吸収剤の微粒子をハードコート層に含有させた場合には、該ハードコート層に要求される他の物性が損なわれるという問題が生じる。
例えば、
(1)ハードコート層又は粘着剤層に、アンチモンドープ酸化錫(ATO)微粒子又は錫ドープ酸化インジウム(ITO)微粒子を含有させた熱線遮蔽フィルム(例えば、特許文献2参照)、及び
(2)ATOやITO微粒子と、(メタ)アクリロイル基をもつ活性エネルギー線重合性多官能(メタ)アクリレートを含む熱線遮蔽性樹脂組成物を硬化させてなるハードコート層を有するフィルム(例えば、特許文献3参照)が提案されている。
しかしながら、無機系赤外線吸収剤の微粒子をハードコート層に含有させた場合には、該ハードコート層に要求される他の物性が損なわれるという問題が生じる。
一方、赤外線を反射し室内の温度上昇を抑制すると共に、透明性、電波透過性に優れる部材として、液晶を構成材料として備えるウィンドウフィルムが開発されている。例えば、特許文献4にはコレステリック液晶層を固定してなる光反射層を複数有する赤外線反射板であって、主に建造物及び車両等の窓の遮熱に利用される赤外線反射板が開示されている。
このような液晶を用いた赤外線吸収部材においては、1層の液晶層で単一波長の右円偏光成分又は左円偏光成分のいずれかの成分しか反射できないため、複数の液晶層を積層する必要がある。また、広波長域の光を反射するには反射波長の異なる複数の液晶層を積層する必要がある。
しかしながら、液晶を積層する場合にはラビング処理を行った配向膜を設け、その上に液晶を塗布して配向を整える必要があるが、液晶の配向を整えると液晶層間の密着性が得られないという問題が生じる。この問題に対しては、液晶層間に粘着剤等を用いる対処法があるが工程数や構成層数が増加してしまう。
本発明は、このような状況下になされたものであって、液晶層を積層するに際して工程数を増やすことなく安価に製造することが可能であり、液晶層間の密着性が良好な赤外線反射フィルムを提供することを目的とするものである。
しかしながら、液晶を積層する場合にはラビング処理を行った配向膜を設け、その上に液晶を塗布して配向を整える必要があるが、液晶の配向を整えると液晶層間の密着性が得られないという問題が生じる。この問題に対しては、液晶層間に粘着剤等を用いる対処法があるが工程数や構成層数が増加してしまう。
本発明は、このような状況下になされたものであって、液晶層を積層するに際して工程数を増やすことなく安価に製造することが可能であり、液晶層間の密着性が良好な赤外線反射フィルムを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、下記の知見を得た。
すなわち、液晶層を少なくとも2層積層するに際して液晶の配向を乱すことで液晶層間の密着性を向上させ得ること、そして、該液晶の配向を乱すためにはラビング処理が施されていない接着性付与層を基材フィルムの一方の面に設け、その上に少なくとも2層の液晶層を積層することにより、その目的を達成し得ることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、液晶層を少なくとも2層積層するに際して液晶の配向を乱すことで液晶層間の密着性を向上させ得ること、そして、該液晶の配向を乱すためにはラビング処理が施されていない接着性付与層を基材フィルムの一方の面に設け、その上に少なくとも2層の液晶層を積層することにより、その目的を達成し得ることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)基材フィルムの一方の面に接着性付与層を介して少なくとも2層の液晶層を積層した積層液晶層を有する積層フィルムであって、前記接着性付与層により各液晶層の配向を乱したことを特徴とする赤外線反射フィルム、
(2)基材フィルムの一方の面に、接着性付与層、少なくとも2層の液晶層、表面保護層を順に有すると共に、基材フィルムの他方の面に耐候粘着剤層を有し内貼り用ウィンドウフィルムとして用いられる、上記(1)に記載の赤外線反射フィルム、及び
(3)基材フィルムの一方の面に、接着性付与層、少なくとも2層の液晶層、耐候保護層を順に有すると共に、基材フィルムの他方の面に粘着剤層を有し外貼り用ウィンドウフィルムとして用いられる、上記(1)に記載の赤外線反射フィルム、
を提供するものである。
(1)基材フィルムの一方の面に接着性付与層を介して少なくとも2層の液晶層を積層した積層液晶層を有する積層フィルムであって、前記接着性付与層により各液晶層の配向を乱したことを特徴とする赤外線反射フィルム、
(2)基材フィルムの一方の面に、接着性付与層、少なくとも2層の液晶層、表面保護層を順に有すると共に、基材フィルムの他方の面に耐候粘着剤層を有し内貼り用ウィンドウフィルムとして用いられる、上記(1)に記載の赤外線反射フィルム、及び
(3)基材フィルムの一方の面に、接着性付与層、少なくとも2層の液晶層、耐候保護層を順に有すると共に、基材フィルムの他方の面に粘着剤層を有し外貼り用ウィンドウフィルムとして用いられる、上記(1)に記載の赤外線反射フィルム、
を提供するものである。
本発明によれば、液晶を積層するに際して工程数を増やすことなく安価に製造することが可能であり、液晶層間の密着性が良好な赤外線反射フィルムを提供することができる。
まず、本発明の赤外線反射フィルムについて説明する。
[赤外線反射フィルム]
図1は、本発明の赤外線反射フィルムにおける基本層構成の一例を示す断面模式図であって3層の液晶層を有する場合の例を示す。
この赤外線反射フィルム10は、基材フィルム1の一方の面に接着性付与層2を介して、液晶層3a、3b及び3cの3層の積層液晶層3を有する積層フィルムであって、前記接着性付与層2により各液晶層の配向が乱されている。
[赤外線反射フィルム]
図1は、本発明の赤外線反射フィルムにおける基本層構成の一例を示す断面模式図であって3層の液晶層を有する場合の例を示す。
この赤外線反射フィルム10は、基材フィルム1の一方の面に接着性付与層2を介して、液晶層3a、3b及び3cの3層の積層液晶層3を有する積層フィルムであって、前記接着性付与層2により各液晶層の配向が乱されている。
通常、液晶を積層したフィルムにおいては、ラビング処理を施した配向膜上に液晶を塗布して液晶を配向させるため、反射率が向上すると共にヘイズを小さくすることが可能である。しかしながら、配向させて重ね塗りした液晶の積層膜は、各液晶層間の密着力が弱く、テープ剥離試験等で簡単に剥がれてしまうためウィンドウフィルムとしては使用しにくい。
そこで、本発明においては、配向膜の代わりにラビング処理が施されていない接着性付与層2を設け、この接着性付与層2上に液晶を配向させずに積層することにより液晶層間の密着性を向上させている。この配向を乱すことによる液晶層間の密着性向上の原理については現状では明らかでないが、液晶分子がわずかに右や左にランダムに傾くことで、界面での液晶同士の絡み合いが形成されることに起因すると考えられる。
そこで、本発明においては、配向膜の代わりにラビング処理が施されていない接着性付与層2を設け、この接着性付与層2上に液晶を配向させずに積層することにより液晶層間の密着性を向上させている。この配向を乱すことによる液晶層間の密着性向上の原理については現状では明らかでないが、液晶分子がわずかに右や左にランダムに傾くことで、界面での液晶同士の絡み合いが形成されることに起因すると考えられる。
<基材フィルム>
本発明において用いられる基材フィルム1としては、可視光に対する透過性の高い透明プラスチックフィルムの中から、状況に応じて適宜選択して用いることができる。この透明プラスチックフィルムとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリブテン−1等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂、ポリエチレンサルファイド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、セルロースアセテート等のセルロース系樹脂等からなるフィルム又はこれらの積層フィルムが挙げられる。これらの中で、特にポリエチレンテレフタレートフィルムが好適である。この透明基材フィルムの厚さとしては特に制限はなく、使用目的に応じて適宜選定すればよいが、5〜200μmが好ましく、10〜150μmがより好ましい。
本発明において用いられる基材フィルム1としては、可視光に対する透過性の高い透明プラスチックフィルムの中から、状況に応じて適宜選択して用いることができる。この透明プラスチックフィルムとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリブテン−1等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂、ポリエチレンサルファイド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、セルロースアセテート等のセルロース系樹脂等からなるフィルム又はこれらの積層フィルムが挙げられる。これらの中で、特にポリエチレンテレフタレートフィルムが好適である。この透明基材フィルムの厚さとしては特に制限はなく、使用目的に応じて適宜選定すればよいが、5〜200μmが好ましく、10〜150μmがより好ましい。
この透明基材フィルムは、所望により着色又は蒸着されていてもよく、また酸化防止剤や紫外線吸収剤等を含んでいてもよい。更に、その表面に設けられる層との密着性を向上させる目的で、必要に応じて片面又は両面に酸化法や凹凸化法等により表面処理を施してもよい。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン−紫外線照射処理等が挙げられる。また、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法等が挙げられる。これらの表面処理法は基材フィルムの種類に応じて適宜選ばれるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性等の面から好ましい。
<接着性付与層>
接着性付与層としては、以下に示す材料をラビング処理を施さずに用いることが好ましい。
接着性付与層を構成する材料としては、紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等を挙げることができ、なかでも紫外線硬化性樹脂が好ましい。紫外線硬化性樹脂を用いた場合には、後述の製造方法によって容易に接着付与層を形成することが可能になるため生産性が向上する。
なお、構成材料として紫外線硬化性樹脂を用いた場合、本発明における接着性付与層は硬化された紫外線硬化性樹脂で構成されることになる。紫外線硬化性樹脂の具体例としては、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、メラミンアクリレート等のアクリロイル基を有する重合性オリゴマー又はモノマーと、アクリル酸、アクリルアミド、アクリロニトリル、スチレン等重合性ビニル基を有する重合性オリゴマー又はモノマー等を挙げることができる。これらの紫外線硬化性樹脂に対しては、光重合開始剤及び必要に応じて増感剤等の添加剤を加えてもよい。
接着性付与層としては、以下に示す材料をラビング処理を施さずに用いることが好ましい。
接着性付与層を構成する材料としては、紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等を挙げることができ、なかでも紫外線硬化性樹脂が好ましい。紫外線硬化性樹脂を用いた場合には、後述の製造方法によって容易に接着付与層を形成することが可能になるため生産性が向上する。
なお、構成材料として紫外線硬化性樹脂を用いた場合、本発明における接着性付与層は硬化された紫外線硬化性樹脂で構成されることになる。紫外線硬化性樹脂の具体例としては、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、メラミンアクリレート等のアクリロイル基を有する重合性オリゴマー又はモノマーと、アクリル酸、アクリルアミド、アクリロニトリル、スチレン等重合性ビニル基を有する重合性オリゴマー又はモノマー等を挙げることができる。これらの紫外線硬化性樹脂に対しては、光重合開始剤及び必要に応じて増感剤等の添加剤を加えてもよい。
また、一般的に液晶の配向膜として使用される材料をラビング処理を施さずに用いてもよい。例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、カルボキシメチルセルロース及びゼラチンの中から選ばれる水溶性ポリマーをラビング処理せずに用いることが好ましい。これらの中でもゼラチン、ポリビニルアルコール及び変性ポリビニルアルコールがより好ましく、ポリビニルアルコール及び変性ポリビニルアルコールが更に好ましい。
接着性付与層2としてポリビニルアルコールを用いる場合のポリビニルアルコールのケン化度は70〜100%が好ましく、80〜100%がより好ましく、85〜98%が更に好ましい。
ポリビニルアルコールの数平均分子量は、5,000〜400,000が好ましく、10,000〜250,000がより好ましい。なお、本明細書における数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により、ポリスチレンを標準物質として測定した値である。
接着性付与層2としてポリビニルアルコールを用いる場合のポリビニルアルコールのケン化度は70〜100%が好ましく、80〜100%がより好ましく、85〜98%が更に好ましい。
ポリビニルアルコールの数平均分子量は、5,000〜400,000が好ましく、10,000〜250,000がより好ましい。なお、本明細書における数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により、ポリスチレンを標準物質として測定した値である。
変性ポリビニルアルコールの変性基は、共重合変性、連鎖移動変性又はブロック重合変性により導入できる。変性基の例には、親水性基(カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、アミノ基、アンモニウム基、アミド基、チオール基等)、炭素数10〜100個の炭化水素基、フッ素原子置換の炭化水素基、チオエーテル基、重合性基(不飽和重合性基、エポキシ基、アジリニジル基等)、アルコキシシリル基(トリアルコキシ、ジアルコキシ、モノアルコキシ)等が挙げられる。これらの変性ポリビニルアルコール化合物の具体例として、例えば、特開2000−56310号公報、特開2000−155216号公報、特開2002−62426号公報に記載のもの等を挙げることができる。
この接着性付与層2の厚さとしては、各層の密着性を向上させる観点から0.5〜10μmが好ましく、1〜5μmがより好ましい。
この接着性付与層2の厚さとしては、各層の密着性を向上させる観点から0.5〜10μmが好ましく、1〜5μmがより好ましい。
<積層液晶層>
赤外線反射フィルム10においては、前述した接着性付与層2上に少なくとも2層の液晶層で構成される積層液晶層3が設けられる。この積層液晶層は、いずれもコレステリック液晶ポリマーで構成されることが好ましい。
この積層液晶層3は、右円偏光成分又は左円偏光成分の赤外線を反射する層である。積層液晶層3は、層の一方の面から入射する光(電磁波)のうち右円偏光成分又は左円偏光成分を選択反射し、残りの成分を透過する機能を有する。このように特定の円偏光成分のみを反射できる材料として、コレステリック液晶材料が知られている。コレステリック液晶材料は、液晶のプレーナー配列のヘリカル軸に沿って入射した光(電磁波)の右旋及び左旋の2つの円偏光のうち一方の偏光を選択的に反射する性質を有する。この性質は、円偏光二色性として知られ、コレステリック液晶分子の螺旋構造における旋回方向を適宜選択すると、その旋回方向と同一の旋回方向を有する円偏光が選択的に反射される。
赤外線反射フィルム10においては、前述した接着性付与層2上に少なくとも2層の液晶層で構成される積層液晶層3が設けられる。この積層液晶層は、いずれもコレステリック液晶ポリマーで構成されることが好ましい。
この積層液晶層3は、右円偏光成分又は左円偏光成分の赤外線を反射する層である。積層液晶層3は、層の一方の面から入射する光(電磁波)のうち右円偏光成分又は左円偏光成分を選択反射し、残りの成分を透過する機能を有する。このように特定の円偏光成分のみを反射できる材料として、コレステリック液晶材料が知られている。コレステリック液晶材料は、液晶のプレーナー配列のヘリカル軸に沿って入射した光(電磁波)の右旋及び左旋の2つの円偏光のうち一方の偏光を選択的に反射する性質を有する。この性質は、円偏光二色性として知られ、コレステリック液晶分子の螺旋構造における旋回方向を適宜選択すると、その旋回方向と同一の旋回方向を有する円偏光が選択的に反射される。
赤外線反射フィルムにおいて、少なくとも2層の積層液晶層によって形成される選択反射層は、通常右円偏光選択反射層又は左円偏光選択反射層である。これらの層は、円偏光二色性を発揮する層であれば特に限定されるものではない。このような選択反射層としては、例えば、コレステリック構造を形成した棒状化合物を含有するものを挙げることができる。
上記棒状化合物は、通常、屈折率異方性を有するものであり、分子内に重合性官能基を有するものが好適に用いられ、特に3次元架橋可能な重合性官能基を有するものが好ましい。上記棒状化合物が重合性官能基を有することにより、上記棒状液晶化合物を重合して固定することが可能になるため、経時変化が生じにくいものとすることができるからである。また、上記重合性官能基を有する棒状化合物と、上記重合性官能基を有さない棒状化合物とを混合して用いてもよい。なお、上記「3次元架橋」とは、棒状化合物を互いに3次元に重合して網目(ネットワーク)構造の状態にすることを意味する。
上記重合性官能基としては、例えば、紫外線、電子線等の電離放射線、或いは熱の作用によって重合する重合性官能基を挙げることができる。これら重合性官能基の代表例としては、ラジカル重合性官能基、及びカチオン重合性官能基等が挙げられる。更にラジカル重合性官能基の代表例としては、少なくとも一つの付加重合可能なエチレン性不飽和二重結合を持つ官能基を挙げることができる。具体例としては、置換基を有するもしくは有さないビニル基、アクリレート基(アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基を包含する総称)等を挙げることができる。
また、上記カチオン重合性官能基の具体例としては、エポキシ基等が挙げられる。その他、重合性官能基としては、例えば、イソシアネート基、不飽和三重結合等が挙げられる。これらの中でもプロセス上の点から、エチレン性不飽和二重結合を持つ官能基が好適に用いられる。
また、上記カチオン重合性官能基の具体例としては、エポキシ基等が挙げられる。その他、重合性官能基としては、例えば、イソシアネート基、不飽和三重結合等が挙げられる。これらの中でもプロセス上の点から、エチレン性不飽和二重結合を持つ官能基が好適に用いられる。
また、棒状化合物は液晶性を示す液晶性材料であることが好ましい。液晶性材料は屈折率異方性が大きいからである。棒状化合物の具体例としては、下記化学式(1)〜(6)で表される化合物を例示することができる。
(カイラル剤)
カイラル剤としては、上記棒状液晶化合物を所定のコレステリック配列させることができるものであれば、特に限定されるものではないが、光学活性化合物を含有しているものが好ましい。但し、上記棒状液晶化合物が不斉炭素原子を有する分子である場合には、光学活性化合物を添加しなくても、コレステリック液晶相を安定的に形成可能である場合もある。前記光学活性化合物は、公知の種々のキラル剤(例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4−3項、TN、STN用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989に記載)から選択することができる。光学活性化合物は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物あるいは面性不斉化合物もカイラル剤として用いることができる。軸性不斉化合物及び面性不斉化合物としては、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファン及びこれらの誘導体が挙げられる。
光学活性化合物(キラル剤)は重合性基を有していてもよい。光学活性化合物が重合性基を有すると共に、併用する棒状液晶化合物も重合性基を有する場合は、重合性光学活性化合物と重合性棒状液晶合物との重合反応により、棒状液晶化合物から誘導される繰り返し単位と、光学活性化合物から誘導される繰り返し単位とを有するポリマーを形成することができる。
この態様において、重合性光学活性化合物が有する重合性基は重合性棒状液晶化合物が有する重合性基と同種の基であることが好ましい。したがって、光学活性化合物の重合性基も不飽和重合性基、エポキシ基又はアジリジニル基であることが好ましく、不飽和重合性基であることが更に好ましく、エチレン性不飽和重合性基であることが特に好ましい。また、光学活性化合物は液晶化合物であってもよい。
カイラル剤としては、上記棒状液晶化合物を所定のコレステリック配列させることができるものであれば、特に限定されるものではないが、光学活性化合物を含有しているものが好ましい。但し、上記棒状液晶化合物が不斉炭素原子を有する分子である場合には、光学活性化合物を添加しなくても、コレステリック液晶相を安定的に形成可能である場合もある。前記光学活性化合物は、公知の種々のキラル剤(例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4−3項、TN、STN用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989に記載)から選択することができる。光学活性化合物は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物あるいは面性不斉化合物もカイラル剤として用いることができる。軸性不斉化合物及び面性不斉化合物としては、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファン及びこれらの誘導体が挙げられる。
光学活性化合物(キラル剤)は重合性基を有していてもよい。光学活性化合物が重合性基を有すると共に、併用する棒状液晶化合物も重合性基を有する場合は、重合性光学活性化合物と重合性棒状液晶合物との重合反応により、棒状液晶化合物から誘導される繰り返し単位と、光学活性化合物から誘導される繰り返し単位とを有するポリマーを形成することができる。
この態様において、重合性光学活性化合物が有する重合性基は重合性棒状液晶化合物が有する重合性基と同種の基であることが好ましい。したがって、光学活性化合物の重合性基も不飽和重合性基、エポキシ基又はアジリジニル基であることが好ましく、不飽和重合性基であることが更に好ましく、エチレン性不飽和重合性基であることが特に好ましい。また、光学活性化合物は液晶化合物であってもよい。
前記液晶組成物中の光学活性化合物は併用される液晶化合物に対して、1〜30モル%であることが好ましい。光学活性化合物の使用量はより少なくした方が液晶性に影響を及ぼさないことが多いため好まれる。したがって、キラル剤として用いられる光学活性化合物は、少量でも所望の螺旋ピッチの捩れ配向を達成可能なように強い捩り力のある化合物が好ましい。この様な強い捩れ力を示すキラル剤としては、例えば、特開2003−287623公報に記載のキラル剤が挙げられる。
赤外線反射フィルムにおいては、隣接する2つの液晶層が互いに逆方向の円偏光を反射するものであることが好ましい。すなわち、コレステリック液晶相の螺旋方向が互いに逆の液晶層が隣接していることが好ましい。前記コレステリック液晶相の螺旋方向は、使用するカイラル剤の種類によって制御することができ、また、該カイラル剤の使用量によって反射光の波長を制御することも可能である。
具体的には、右旋回性のカイラル剤を含有する液晶組成物と、左旋回性のカイラル剤を含有する液晶組成物とを用い、後述のように、隣接する2つの液晶層が互いに逆方向の円偏光を反射するように赤外線反射フィルムを作製すればよい。
具体的には、右旋回性のカイラル剤を含有する液晶組成物と、左旋回性のカイラル剤を含有する液晶組成物とを用い、後述のように、隣接する2つの液晶層が互いに逆方向の円偏光を反射するように赤外線反射フィルムを作製すればよい。
(重合開始剤)
本発明の赤外線反射フィルムにおける光反射層の形成に用いる液晶組成物は、重合性液晶組成物であることが好ましい。本発明においては、紫外線照射により硬化反応を進行させて形成した光反射層が好ましいため、重合開始剤としては紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤を用いることが好ましい。
光重合開始剤としては、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジン及びフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)及びオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)等が挙げられる。
この光重合開始剤の使用量は、液晶組成物(塗布液の場合は固形分)の0.1〜20質量%であることが好ましく、1〜8質量%であることが更に好ましい。
なお、積層液晶層を構成する各層の厚さは、1〜15μmが好ましく2〜10μmがより好ましく、3〜8μmが更に好ましい。
本発明の赤外線反射フィルムにおける光反射層の形成に用いる液晶組成物は、重合性液晶組成物であることが好ましい。本発明においては、紫外線照射により硬化反応を進行させて形成した光反射層が好ましいため、重合開始剤としては紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤を用いることが好ましい。
光重合開始剤としては、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジン及びフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)及びオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)等が挙げられる。
この光重合開始剤の使用量は、液晶組成物(塗布液の場合は固形分)の0.1〜20質量%であることが好ましく、1〜8質量%であることが更に好ましい。
なお、積層液晶層を構成する各層の厚さは、1〜15μmが好ましく2〜10μmがより好ましく、3〜8μmが更に好ましい。
次に、赤外線反射フィルムの製造方法について説明する。
[赤外線反射フィルムの製造方法]
本発明の赤外線反射フィルムは、例えば以下に示す方法により効率よく製造することができる。
まず、接着性付与層用組成物、右円偏光選択反射層用硬化性液晶組成物、及び左円偏光選択反射層用硬化性液晶組成物を調製する。前記接着性付与層用組成物としては、例えばポリビニルアルコールや変性ポリビニルアルコール等の水溶性ポリマーを含む水/メタノール溶液を挙げることができる。
前記右円偏光選択反射層用硬化性液晶組成物としては、有機溶媒中に、両末端に重合可能なアクリレートを有する液晶モノマー分子と、両末端に重合可能なアクリレートを有するカイラル剤とを所定の割合で含むと共に、従来公知の光重合開始剤を上記液晶モノマー分子に対して2〜8質量%程度の割合で含む有機溶媒溶液を挙げることができる。
一方、前記左円偏光選択反射層用硬化性液晶組成物は、上述した右円偏光選択反射層用硬化性液晶組成物の調製において、カイラル剤の種類及び量を変更することにより同様に調製することができる。
[赤外線反射フィルムの製造方法]
本発明の赤外線反射フィルムは、例えば以下に示す方法により効率よく製造することができる。
まず、接着性付与層用組成物、右円偏光選択反射層用硬化性液晶組成物、及び左円偏光選択反射層用硬化性液晶組成物を調製する。前記接着性付与層用組成物としては、例えばポリビニルアルコールや変性ポリビニルアルコール等の水溶性ポリマーを含む水/メタノール溶液を挙げることができる。
前記右円偏光選択反射層用硬化性液晶組成物としては、有機溶媒中に、両末端に重合可能なアクリレートを有する液晶モノマー分子と、両末端に重合可能なアクリレートを有するカイラル剤とを所定の割合で含むと共に、従来公知の光重合開始剤を上記液晶モノマー分子に対して2〜8質量%程度の割合で含む有機溶媒溶液を挙げることができる。
一方、前記左円偏光選択反射層用硬化性液晶組成物は、上述した右円偏光選択反射層用硬化性液晶組成物の調製において、カイラル剤の種類及び量を変更することにより同様に調製することができる。
次に、基材フィルム、好ましくはPETフィルムの一方の面に前記の接着性付与層組成物を従来公知の方法で塗布して乾燥処理をすることにより、厚さ1.5μm程度の接着性付与層を形成する。この接着性付与層はラビング処理を施すことなく、更に後述する少なくとも2層のコレステリック液晶相を固定して光選択反射層を形成する。
次いで、前述のようにして基材フィルムの一方の面に形成された接着性付与層上に、前記の右円偏光選択反射層用硬化性液晶組成物、又は左円偏光選択反射層用硬化性液晶組成物を塗布してコレステリック液晶相の状態にする。
上記硬化性組成物の塗布は、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法等の種々の方法によって行うことができる。また、インクジェット装置を用いて、液晶組成物をノズルから吐出して塗膜を形成することもできる。
上記硬化性組成物の塗布は、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法等の種々の方法によって行うことができる。また、インクジェット装置を用いて、液晶組成物をノズルから吐出して塗膜を形成することもできる。
次に、接着性付与層表面に塗布され、塗膜となった硬化性液晶組成物をコレステリック液晶相の状態にする。前記硬化性液晶組成物が溶媒を含む塗布液として調製されている態様では、塗膜を乾燥させて溶媒を除去することでコレステリック液晶相の状態にすることができる場合がある。また、コレステリック液晶相への転移温度とするために、必要に応じて前記塗膜を加熱してもよい。例えば、一旦等方性相の温度まで加熱し、その後、コレステリック液晶相転移温度まで冷却する等によって安定的にコレステリック液晶相の状態にすることができる。前記硬化性液晶組成物の液晶相転移温度は製造適性等の面から10〜250℃の範囲内であることが好ましく、10〜150℃の範囲内であることがより好ましい。10℃未満であると液晶相を呈する温度範囲にまで温度を下げるために冷却工程等が必要となることがある。また200℃を超えると、一旦液晶相を呈する温度範囲よりも更に高温の等方性液体状態にするために高温を要し、熱エネルギーの浪費、基材フィルムの変形、変質等からも不利になる。
次に、コレステリック液晶相の状態となった塗膜に紫外線を照射して硬化反応を進行させる。紫外線照射には紫外線ランプ等の光源が利用される。この工程では、紫外線を照射することによって前記液晶組成物の硬化反応が進行し、コレステリック液晶相が固定されて右円偏光選択反射層又は左円偏光選択反射層が形成される。
紫外線の照射エネルギー量については特に制限はないが、一般的には100mJ/cm2〜800mJ/cm2程度が好ましい。また、前記塗膜に紫外線を照射する時間については特に制限はないが、硬化膜の充分な強度及び生産性の双方の観点から決定される。
紫外線の照射エネルギー量については特に制限はないが、一般的には100mJ/cm2〜800mJ/cm2程度が好ましい。また、前記塗膜に紫外線を照射する時間については特に制限はないが、硬化膜の充分な強度及び生産性の双方の観点から決定される。
赤外線反射フィルムにおいては、このようにしてコレステリック液晶相が固定されて形成された右円偏光選択反射層又は左円偏光選択反射層上に、更に同様な操作を行い、少なくとも2層のコレステリック液晶相が固定されてなる光選択反射層を形成するが、隣接する2つの液晶相が互いに逆方向の円偏光を反射するように硬化性液晶組成物を選択することが望ましい。なお、積層液晶層の反射光波長は、5度正反射及び拡散反射共に、800〜1100nmの範囲にあることが好ましい。
本発明においては、前記液晶をラビング処理が施されていない接着性付与層上に設けているため、各液晶層に配向の乱れが生じ、各液晶層間の密着性が向上するものと考えられる。
本発明においては、前記液晶をラビング処理が施されていない接着性付与層上に設けているため、各液晶層に配向の乱れが生じ、各液晶層間の密着性が向上するものと考えられる。
次に、本発明の赤外線反射フィルムの一実施形態である内貼り用ウィンドウフィルム、及び外貼り用ウィンドウフィルムについて説明する。
[内貼り用ウィンドウフィルム]
本発明に係る内貼り用ウィンドウフィルムは、基材フィルムの一方の面に接着性付与層を介して、少なくとも2層の液晶層を有する積層フィルムであって、前記接着性付与層により各液晶相の配向を乱して各液晶の層間密着性を向上させたフィルムである。
図2は、本発明の赤外線反射フィルムを内貼り用ウィンドウフィルムとして窓ガラスに貼付した場合の層構成の一例を示す模式図である。
図2において、基材フィルム、接着性付与層及び積層液晶層については本発明の赤外線反射フィルムにおける説明において示したとおりである。
本発明の赤外線フィルムを内貼り用ウィンドウフィルムとして用いる場合には、必要に応じて、後述の表面保護層、プライマー層及び耐候粘着剤層を設けてもよい。
[内貼り用ウィンドウフィルム]
本発明に係る内貼り用ウィンドウフィルムは、基材フィルムの一方の面に接着性付与層を介して、少なくとも2層の液晶層を有する積層フィルムであって、前記接着性付与層により各液晶相の配向を乱して各液晶の層間密着性を向上させたフィルムである。
図2は、本発明の赤外線反射フィルムを内貼り用ウィンドウフィルムとして窓ガラスに貼付した場合の層構成の一例を示す模式図である。
図2において、基材フィルム、接着性付与層及び積層液晶層については本発明の赤外線反射フィルムにおける説明において示したとおりである。
本発明の赤外線フィルムを内貼り用ウィンドウフィルムとして用いる場合には、必要に応じて、後述の表面保護層、プライマー層及び耐候粘着剤層を設けてもよい。
<表面保護層>
内貼り用ウィンドウフィルムにおける表面保護層は、ウィンドウフィルムに耐擦傷性を付与するために設けられる層であって透明性を有するものが好ましい。
この表面保護層は、カプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレートを含むコーティング剤組成物を前記のプライマー層上に塗布して電離放射線硬化性樹脂組成物層を設け、これに電離放射線を照射することにより架橋硬化させて形成したものが好ましい。
コーティング剤組成物の塗布は、硬化後の厚さが通常1〜20μm程度、好ましくは2〜20μmとなるように、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート等の公知の方式で行うことが可能であり、これらの中ではグラビアコートで行うことが好ましい。
内貼り用ウィンドウフィルムにおける表面保護層は、ウィンドウフィルムに耐擦傷性を付与するために設けられる層であって透明性を有するものが好ましい。
この表面保護層は、カプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレートを含むコーティング剤組成物を前記のプライマー層上に塗布して電離放射線硬化性樹脂組成物層を設け、これに電離放射線を照射することにより架橋硬化させて形成したものが好ましい。
コーティング剤組成物の塗布は、硬化後の厚さが通常1〜20μm程度、好ましくは2〜20μmとなるように、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート等の公知の方式で行うことが可能であり、これらの中ではグラビアコートで行うことが好ましい。
コーティング剤組成物の塗布により形成した未硬化樹脂組成物層は、電子線、紫外線等の電離放射線を照射して架橋硬化することで表面保護層となる。ここで、電離放射線として電子線を用いる場合、その加速電圧については用いる樹脂や層の厚みに応じて適宜選定し得るが、通常加速電圧70〜300kV程度で未硬化樹脂組成物層を硬化させることが好ましい。
照射線量は、カプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレートの架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは10〜100kGy(1〜10Mrad)の範囲で選定される。
電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用いることができる。
また、電離放射線として紫外線を用いる場合には、波長190〜380nmの紫外線を含むものを照射することが好ましい。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈等が用いられる。なお、この場合、従来公知の光重合開始剤をコーティング剤組成物中に含有させておくことが好ましい。
電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用いることができる。
また、電離放射線として紫外線を用いる場合には、波長190〜380nmの紫外線を含むものを照射することが好ましい。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈等が用いられる。なお、この場合、従来公知の光重合開始剤をコーティング剤組成物中に含有させておくことが好ましい。
(カプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレート)
本発明で用いられるカプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレートは、電離放射線硬化性を有する樹脂であり、通常カプロラクトン系ポリオールと有機イソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレートとの反応により得ることができる。
ここで、カプロラクトン系ポリオールとしては、市販されるものを使用することができ、好ましくは2個の水酸基を有し、重量平均分子量が500〜3000であるものが好ましく、750〜2000のものがより好ましい。また、カプロラクトン系以外のポリオール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のポリオールの1種又は複数種を任意の割合で混合して使用してもよい。
有機ポリイソシアネートとしては、2個のイソシアネート基を有するジイソシアネートが好ましく、黄変を抑制する観点から、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が好ましく挙げられる。また、ヒドロキシ(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が好ましく挙げられる。
本発明で用いられるカプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレートは、電離放射線硬化性を有する樹脂であり、通常カプロラクトン系ポリオールと有機イソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレートとの反応により得ることができる。
ここで、カプロラクトン系ポリオールとしては、市販されるものを使用することができ、好ましくは2個の水酸基を有し、重量平均分子量が500〜3000であるものが好ましく、750〜2000のものがより好ましい。また、カプロラクトン系以外のポリオール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のポリオールの1種又は複数種を任意の割合で混合して使用してもよい。
有機ポリイソシアネートとしては、2個のイソシアネート基を有するジイソシアネートが好ましく、黄変を抑制する観点から、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が好ましく挙げられる。また、ヒドロキシ(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が好ましく挙げられる。
カプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレートは、これらのポリカプロラクトン系ポリオールと有機ポリイソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレートとの反応で合成することができる。合成法としては、ポリカプロラクトン系ポリオールと有機ポリイソシアネートとを反応させて両末端に−NCO基(イソシアナート基)を含有するポリウレタンプレポリマーを生成させた後に、ヒドロキシ(メタ)アクリレートと反応させる方法が好ましい。反応の条件等は常法に従えばよい。
本発明で用いられるカプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレートは、その重量平均分子量(GPC法で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量)が、1,000〜10,000であることが好ましく、2,000〜10,000がより好ましい。すなわち、カプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレートはオリゴマーであることが好ましい。重量平均分子量が上記範囲内(オリゴマー)であれば、加工性に優れ、コーティング剤組成物に適度なチキソ性を付与することができるので表面保護層の形成が容易となる。
<プライマー層>
内貼り用ウィンドウフィルムにおいて、積層液晶層上に設けられるプライマー層は、積層液晶層と表面保護層との接着性を向上させるための層であって透明性を有するものが好ましい。
このようなプライマー層としては、2液硬化型ウレタン樹脂が好ましく、特に、(メタ)アクリレート系の表面保護層との接着性の点から、主剤のポリオールとしてはアクリルポリオールが好ましい。アクリルポリオールは、例えば、(メタ)アクリル酸エチル−(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル−(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル−スチレン共重合体等である。またアクリルポリオールに対する硬化剤となるイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の無黄変イソシアネート(脂肪族又は脂環式イソシアネート)が耐候性の観点から好ましい。
この透明プライマー層の厚みは、層間の接着性向上の観点から0.1〜5μm程度が好ましい。
内貼り用ウィンドウフィルムにおいて、積層液晶層上に設けられるプライマー層は、積層液晶層と表面保護層との接着性を向上させるための層であって透明性を有するものが好ましい。
このようなプライマー層としては、2液硬化型ウレタン樹脂が好ましく、特に、(メタ)アクリレート系の表面保護層との接着性の点から、主剤のポリオールとしてはアクリルポリオールが好ましい。アクリルポリオールは、例えば、(メタ)アクリル酸エチル−(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル−(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル−スチレン共重合体等である。またアクリルポリオールに対する硬化剤となるイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の無黄変イソシアネート(脂肪族又は脂環式イソシアネート)が耐候性の観点から好ましい。
この透明プライマー層の厚みは、層間の接着性向上の観点から0.1〜5μm程度が好ましい。
<耐候粘着剤層>
内貼り用ウィンドウフィルムにおいて、基材フィルムの接着性付与層が設けられる側の反対面に設けられる耐候粘着剤層は、窓ガラス等の被着体にウィンドウフィルムを接着させるための層であり、窓ガラスを通して照射される太陽光による劣化を防止するために耐候性を向上させた粘着剤層である。
なお、この耐候粘着剤層は内貼り用途に限定されるものではなく、外貼り用途に適用してもよい。
内貼り用ウィンドウフィルムにおいて、基材フィルムの接着性付与層が設けられる側の反対面に設けられる耐候粘着剤層は、窓ガラス等の被着体にウィンドウフィルムを接着させるための層であり、窓ガラスを通して照射される太陽光による劣化を防止するために耐候性を向上させた粘着剤層である。
なお、この耐候粘着剤層は内貼り用途に限定されるものではなく、外貼り用途に適用してもよい。
粘着剤層を構成する粘着剤としては特に制限はなく、従来公知の様々な粘着剤の中から状況に応じて適宜選択して用いることができるが、耐候性、透明性等の点から、アクリル系、ウレタン系及びシリコーン系粘着剤が好適であり、特にアクリル系粘着剤が好ましい。粘着剤層の厚さは1〜100μmが好ましく、2〜50μmがより好ましい。
この粘着剤層には、耐候性を向上させるために各種の耐候剤、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤等を含有させることができる。酸化防止剤としては、フェノール系、有機ホスファイト系、チオエーテル系等が挙げられ、紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、トリアゾール系、トリアジン系等が挙げられ、ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えばビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート等が挙げられる。これらの耐候剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このように、粘着剤層に耐候剤を含有させることにより、基材フィルムの劣化も抑制することができる。
このように、粘着剤層に耐候剤を含有させることにより、基材フィルムの劣化も抑制することができる。
また、粘着剤層には、該粘着剤層を保護するために剥離シートを貼付することができる。この剥離シートとしては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィンフィルム等のプラスチックフィルムに、剥離剤を塗布したもの等が挙げられる。剥離剤としては、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系等を用いることができるが、これらの中で、安価で安定した性能が得られるシリコーン系が好ましい。該剥離シートの厚さについては特に制限はないが、通常20〜250μm程度、加熱成形を行う場合は20〜50μmが好ましい。
このように粘着剤層に剥離シートを貼付する場合には、該剥離シートの剥離剤層面に粘着剤を塗布して所定の厚さの粘着剤層を設けた後、これを基材シートの接着性付与層が設けられた側の反対面に貼付し、前記粘着剤層を転写して剥離シートはそのまま貼り付けた状態にしておいてもよい。
このように粘着剤層に剥離シートを貼付する場合には、該剥離シートの剥離剤層面に粘着剤を塗布して所定の厚さの粘着剤層を設けた後、これを基材シートの接着性付与層が設けられた側の反対面に貼付し、前記粘着剤層を転写して剥離シートはそのまま貼り付けた状態にしておいてもよい。
[外貼り用ウィンドウフィルム]
本発明に係る外貼り用ウィンドウフィルムは、基材フィルムの一方の面に、接着性付与層と、少なくとも2層の液晶層と、耐候保護層を順に有すると共に基材フィルムの他方の面に粘着剤層が設けられた積層フィルムであって、前述した内貼り用ウィンドウフィルムと同様に、前記接着性付与層により各液晶相の配向を乱し、これにより各液晶の層間密着性を向上させたフィルムである。
図3は、本発明の赤外線反射フィルムを外貼り用ウィンドウフィルムとして窓ガラスに貼付した場合の層構成の一例を示す模式図である。
図3において、基材フィルム、接着性付与層及び積層液晶層については、本発明の赤外線反射フィルムにおける説明で示したとおりである。
外貼り用ウィンドウフィルムにおいては、必要に応じて、耐候保護層、プライマー層、粘着剤層を設けることが好ましい。
本発明に係る外貼り用ウィンドウフィルムは、基材フィルムの一方の面に、接着性付与層と、少なくとも2層の液晶層と、耐候保護層を順に有すると共に基材フィルムの他方の面に粘着剤層が設けられた積層フィルムであって、前述した内貼り用ウィンドウフィルムと同様に、前記接着性付与層により各液晶相の配向を乱し、これにより各液晶の層間密着性を向上させたフィルムである。
図3は、本発明の赤外線反射フィルムを外貼り用ウィンドウフィルムとして窓ガラスに貼付した場合の層構成の一例を示す模式図である。
図3において、基材フィルム、接着性付与層及び積層液晶層については、本発明の赤外線反射フィルムにおける説明で示したとおりである。
外貼り用ウィンドウフィルムにおいては、必要に応じて、耐候保護層、プライマー層、粘着剤層を設けることが好ましい。
<耐候保護層>
外貼り用ウィンドウフィルムにおける耐候保護層は、積層液晶層上、プライマー層を介して最表層として設けられる層であって、透明性を有すると共に耐候性及び耐擦傷性に優れる層である。
このような耐候保護層は、積層液晶層上に設けられたプライマー層上に、カプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレート、トリアジン系紫外線吸収剤、及び反応性官能基を有するヒンダードアミン系光安定剤を含むコーティング剤組成物を塗布して、電離放射線硬化性樹脂組成物層を設け、これに電離放射線を照射することにより架橋硬化させて形成する層である。
コーティング剤組成物の塗布条件、硬化後の膜の厚さ、電離放射線を照射して架橋硬化する際の条件等は前記表面保護層を形成する際の条件と同条件とすることが好ましい。また、耐候保護層に用いるカプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレートも前記表面保護層に用いるものと同様のものを用いることが好ましい。
なお、この耐候保護層は外貼り用途に限定されるものではなく、内貼り用途における表面保護層に適用してもよい。
外貼り用ウィンドウフィルムにおける耐候保護層は、積層液晶層上、プライマー層を介して最表層として設けられる層であって、透明性を有すると共に耐候性及び耐擦傷性に優れる層である。
このような耐候保護層は、積層液晶層上に設けられたプライマー層上に、カプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレート、トリアジン系紫外線吸収剤、及び反応性官能基を有するヒンダードアミン系光安定剤を含むコーティング剤組成物を塗布して、電離放射線硬化性樹脂組成物層を設け、これに電離放射線を照射することにより架橋硬化させて形成する層である。
コーティング剤組成物の塗布条件、硬化後の膜の厚さ、電離放射線を照射して架橋硬化する際の条件等は前記表面保護層を形成する際の条件と同条件とすることが好ましい。また、耐候保護層に用いるカプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレートも前記表面保護層に用いるものと同様のものを用いることが好ましい。
なお、この耐候保護層は外貼り用途に限定されるものではなく、内貼り用途における表面保護層に適用してもよい。
(トリアジン系紫外線吸収剤)
本発明で用いられるトリアジン系紫外線吸収剤としては、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤が好ましい。このような紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル]−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(2'−エチル)ヘキシル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン等が好ましく挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明で用いられるトリアジン系紫外線吸収剤としては、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤が好ましい。このような紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル]−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(2'−エチル)ヘキシル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン等が好ましく挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
トリアジン系紫外線吸収剤の含有量は、カプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレート100質量部に対して1〜10質量部が好ましく、3〜10質量部がより好ましく、5〜10質量部が更に好ましい。トリアジン系紫外線吸収剤の含有量が上記範囲内であれば該吸収剤がブリードアウトすることなく、また十分な紫外線吸収能が得られるので優れた耐候性が得られる。
(反応性官能基を有するヒンダードアミン系光安定剤)
ヒンダードアミン系光安定剤における反応性官能基は、カプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレートと反応性を有するものであれば特に制限はなく、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性二重結合を有する官能基等が好ましく挙げられ、これらから選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。なかでも(メタ)アクリロイル基が好ましい。
このような光安定剤としては、例えば4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これらの光安定剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ヒンダードアミン系光安定剤における反応性官能基は、カプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレートと反応性を有するものであれば特に制限はなく、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性二重結合を有する官能基等が好ましく挙げられ、これらから選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。なかでも(メタ)アクリロイル基が好ましい。
このような光安定剤としては、例えば4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これらの光安定剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
反応性官能基を有するヒンダードアミン系光安定剤の含有量は、カプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレート100質量部に対して1〜10質量部が好ましく、3〜10質量部がより好ましく、5〜10質量部が更に好ましい。ヒンダードアミン系光安定剤の含有量が上記範囲内であれば該光安定剤がブリードアウトすることなく、また十分な光安定性が得られるので優れた耐候性が得られる。
<プライマー層>
プライマー層については、前述した内貼り用ウィンドウフィルムの説明において示したものを用いることができる。また、外装用途として、更に耐候性を向上させるために、ポリカーボネート系ウレタンアクリレートやポリエステル系ウレタンアクリレート、又はポリカーボネート系ウレタンアクリレート及びアクリルポリオールからなるバインダー樹脂を用いることができ、そこに耐候保護層で用いたトリアジン系紫外線吸収剤、及び反応性官能基を有するヒンダードアミン系光安定剤を加えてもよい。
粘着剤層を構成する粘着剤としては特に制限はなく、従来公知の様々な粘着剤の中から状況に応じて適宜選択して用いることができるが、耐候性、透明性等の点からアクリル系、ウレタン系及びシリコーン系粘着剤が好適であり、特にアクリル系粘着剤が好ましい。粘着剤層の厚さは、通常1〜100μm、好ましくは2〜50μmの範囲である。
プライマー層については、前述した内貼り用ウィンドウフィルムの説明において示したものを用いることができる。また、外装用途として、更に耐候性を向上させるために、ポリカーボネート系ウレタンアクリレートやポリエステル系ウレタンアクリレート、又はポリカーボネート系ウレタンアクリレート及びアクリルポリオールからなるバインダー樹脂を用いることができ、そこに耐候保護層で用いたトリアジン系紫外線吸収剤、及び反応性官能基を有するヒンダードアミン系光安定剤を加えてもよい。
粘着剤層を構成する粘着剤としては特に制限はなく、従来公知の様々な粘着剤の中から状況に応じて適宜選択して用いることができるが、耐候性、透明性等の点からアクリル系、ウレタン系及びシリコーン系粘着剤が好適であり、特にアクリル系粘着剤が好ましい。粘着剤層の厚さは、通常1〜100μm、好ましくは2〜50μmの範囲である。
本発明の赤外線反射フィルムは、前述のように内貼り用ウィンドウフィルムや外貼り用ウィンドウフィルムとして用いることができる。また、外貼り用ウィンドウフィルムの一実施形態であるロールカーテンとしても用いることができる。
次に、本発明を実施例により、更に詳細に説明するが本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、各例で得られた赤外線反射フィルムの層間密着性及び昇温抑制効果の評価は、下記のようにして行った。
また、各例で用いた液晶モノマー分子の構造を下記に示す。
なお、各例で得られた赤外線反射フィルムの層間密着性及び昇温抑制効果の評価は、下記のようにして行った。
また、各例で用いた液晶モノマー分子の構造を下記に示す。
(1)層間密着性の評価
各例で得られた赤外線反射フィルムをJIS K 5600−5−6に準拠して試験を実施(カットの間隔1mm、テープ:ニチバン製セロテープ(登録商標))し、膜(層)の剥がれ状態を下記の基準で評価した。
○;剥がれが見られない
×;剥がれが見られる
各例で得られた赤外線反射フィルムをJIS K 5600−5−6に準拠して試験を実施(カットの間隔1mm、テープ:ニチバン製セロテープ(登録商標))し、膜(層)の剥がれ状態を下記の基準で評価した。
○;剥がれが見られない
×;剥がれが見られる
(2)昇温抑制効果の評価
発泡プラスチック板の1面に黒台紙を貼り、この黒台紙側が内側になるように内寸10cmの立方体の箱を作成した。前記箱の6面のうち1面に1辺が7cmの正方形の開口部を設け、その反対面に温度計の測温プローブを差し込めるように穴を開け、温度計を設置した。一方、各例で得られた赤外線反射フィルムについては、粘着剤を介してガラス(1辺10cmの正方形、厚さ3mm)に貼り付けた。
前記開口部が上部にくるように前記箱を置き、その開口部の上に、フィルムが上側(外側)にくるようにガラスを置き密閉空間を作った。そして、開口部から上部30cmのところにライトを設置して、開口部から箱内を照らすようにした。
ライトの点灯時を測定開始時間として、15分後のボックス内の温度上昇を測定する。
なお、基材フィルムとして用いたPETフィルムをガラスに貼ったものを開口部において同様の試験をおこなったものをブランクとし、下記基準にしたがって評価した。
◎:ブランクと比較して、温度上昇の差が−2.5℃以上
○:ブランクと比較して、温度上昇の差が−1.5℃以上〜−2.5℃未満
×:ブランクと比較して、温度上昇の差が0〜−1.5℃未満
発泡プラスチック板の1面に黒台紙を貼り、この黒台紙側が内側になるように内寸10cmの立方体の箱を作成した。前記箱の6面のうち1面に1辺が7cmの正方形の開口部を設け、その反対面に温度計の測温プローブを差し込めるように穴を開け、温度計を設置した。一方、各例で得られた赤外線反射フィルムについては、粘着剤を介してガラス(1辺10cmの正方形、厚さ3mm)に貼り付けた。
前記開口部が上部にくるように前記箱を置き、その開口部の上に、フィルムが上側(外側)にくるようにガラスを置き密閉空間を作った。そして、開口部から上部30cmのところにライトを設置して、開口部から箱内を照らすようにした。
ライトの点灯時を測定開始時間として、15分後のボックス内の温度上昇を測定する。
なお、基材フィルムとして用いたPETフィルムをガラスに貼ったものを開口部において同様の試験をおこなったものをブランクとし、下記基準にしたがって評価した。
◎:ブランクと比較して、温度上昇の差が−2.5℃以上
○:ブランクと比較して、温度上昇の差が−1.5℃以上〜−2.5℃未満
×:ブランクと比較して、温度上昇の差が0〜−1.5℃未満
(使用材料)
発泡プラスチック板: 株式会社アルテ製「のりパネ」
黒台紙 : 黒画用紙
温度計 : 株式会社ドリテック 室内・室外温度計「O−215」
ライト : 株式会社ヤザワコーポレーション製スタンドライト(電球:
三菱製レフランプ「RF100V57W」)
PETフィルム : 東洋紡績株式会社製 2軸延伸ポリエステル(PET)フィ
ルム「コスモシャイン A4300」 厚み50μm
粘着剤 : 日東電工株式会社製 光学用透明粘着シート「LUCIAC
S CS9621T」
ガラス : 厚み3mm 板ガラス
発泡プラスチック板: 株式会社アルテ製「のりパネ」
黒台紙 : 黒画用紙
温度計 : 株式会社ドリテック 室内・室外温度計「O−215」
ライト : 株式会社ヤザワコーポレーション製スタンドライト(電球:
三菱製レフランプ「RF100V57W」)
PETフィルム : 東洋紡績株式会社製 2軸延伸ポリエステル(PET)フィ
ルム「コスモシャイン A4300」 厚み50μm
粘着剤 : 日東電工株式会社製 光学用透明粘着シート「LUCIAC
S CS9621T」
ガラス : 厚み3mm 板ガラス
<実施例1,2、比較例1〜3>
実施例1
透明基材フィルムとして易接着ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム[東洋紡社製、商品名「コスモシャイン A4300:厚み50μm」]を準備した。次に両末端に重合可能なアクリレートを有するとともに中央部のメソゲンと上記アクリレートとの間にスペーサーを有する液晶モノマー分子96.95質量部と、両末端に重合可能なアクリレートを有するカイラル剤(ADEKA製「CNL−715」)3.05質量部とを溶解させたシクロヘキサノン溶液を準備した。なお、上記シクロヘキサノン溶液には、上記液晶モノマー分子に対して5.0質量%の光重合開始剤[イルガキュア184]を添加した(固形分30重量%)。これをシクロヘキサノン溶液1とした。
次に両末端に重合可能なアクリレートを有するとともに中央部のメソゲンと上記アクリレートとの間にスペーサーを有する液晶モノマー分子95.65質量部と、重合可能なアクリレートを有するカイラル剤(ADEKA製「CNL−716」)4.35質量部とを溶解させたシクロヘキサノン溶液を準備した。なお、上記シクロヘキサノン溶液には、上記液晶モノマー分子に対して5.0質量%の光重合開始剤[イルガキュア184]を添加した(固形分30重量%)。これをシクロヘキサノン溶液2とした。
次いで、基材フィルムに、接着性付与層用樹脂(紫外線硬化性樹脂)(DIC株式会社製「ユニディック」)を塗布し乾燥させて、紫外線照射装置(フュージョン社製、Hバルブ、以下同じ)を用いて紫外線を70mJ/cm2(照射量測定はフュージョン社製、「UV PowerMAP」にて測定、以下同じ)照射し、厚さ1.5μmの接着性付与層を形成した。
その上に、バーコーターにて、上記シクロヘキサノン溶液1を塗布した。次いで、120℃で2分間保持し、シクロヘキサノン溶液中のシクロヘキサノンを蒸発させて右旋回性塗膜を得た。そして、得られた塗膜に、紫外線照射装置を用いて紫外線を200mJ/cm2照射し、塗膜中の光重合開始剤から発生するラジカルによって配向した液晶性モノマー分子のアクリレート及びカイラル剤のアクリレートを3次元架橋してポリマー化し、基材上にコレステリック構造を固定化することにより、右円偏光選択反射層(膜厚5μm)を形成した。
更に、上記の右円偏光選択反射層の上にバーコーターにて、上記シクロヘキサノン溶液2を塗布した。次いで、120℃で2分間保持し、シクロヘキサノン溶液中のシクロヘキサノンを蒸発させて左旋回性塗膜を得た。そして、得られた塗膜に、紫外線照射装置を用いて紫外線を200mJ/cm2照射し、塗膜中の光重合開始剤から発生するラジカルによって配向した液晶性モノマー分子のアクリレート及びカイラル剤のアクリレートを3次元架橋してポリマー化し、基材上にコレステリック構造を固定化することにより、左円偏光選択反射層(膜厚5μm)を形成し、赤外線反射フィルムを作製した。このフィルムの性能評価結果を表1に示す。
実施例1
透明基材フィルムとして易接着ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム[東洋紡社製、商品名「コスモシャイン A4300:厚み50μm」]を準備した。次に両末端に重合可能なアクリレートを有するとともに中央部のメソゲンと上記アクリレートとの間にスペーサーを有する液晶モノマー分子96.95質量部と、両末端に重合可能なアクリレートを有するカイラル剤(ADEKA製「CNL−715」)3.05質量部とを溶解させたシクロヘキサノン溶液を準備した。なお、上記シクロヘキサノン溶液には、上記液晶モノマー分子に対して5.0質量%の光重合開始剤[イルガキュア184]を添加した(固形分30重量%)。これをシクロヘキサノン溶液1とした。
次に両末端に重合可能なアクリレートを有するとともに中央部のメソゲンと上記アクリレートとの間にスペーサーを有する液晶モノマー分子95.65質量部と、重合可能なアクリレートを有するカイラル剤(ADEKA製「CNL−716」)4.35質量部とを溶解させたシクロヘキサノン溶液を準備した。なお、上記シクロヘキサノン溶液には、上記液晶モノマー分子に対して5.0質量%の光重合開始剤[イルガキュア184]を添加した(固形分30重量%)。これをシクロヘキサノン溶液2とした。
次いで、基材フィルムに、接着性付与層用樹脂(紫外線硬化性樹脂)(DIC株式会社製「ユニディック」)を塗布し乾燥させて、紫外線照射装置(フュージョン社製、Hバルブ、以下同じ)を用いて紫外線を70mJ/cm2(照射量測定はフュージョン社製、「UV PowerMAP」にて測定、以下同じ)照射し、厚さ1.5μmの接着性付与層を形成した。
その上に、バーコーターにて、上記シクロヘキサノン溶液1を塗布した。次いで、120℃で2分間保持し、シクロヘキサノン溶液中のシクロヘキサノンを蒸発させて右旋回性塗膜を得た。そして、得られた塗膜に、紫外線照射装置を用いて紫外線を200mJ/cm2照射し、塗膜中の光重合開始剤から発生するラジカルによって配向した液晶性モノマー分子のアクリレート及びカイラル剤のアクリレートを3次元架橋してポリマー化し、基材上にコレステリック構造を固定化することにより、右円偏光選択反射層(膜厚5μm)を形成した。
更に、上記の右円偏光選択反射層の上にバーコーターにて、上記シクロヘキサノン溶液2を塗布した。次いで、120℃で2分間保持し、シクロヘキサノン溶液中のシクロヘキサノンを蒸発させて左旋回性塗膜を得た。そして、得られた塗膜に、紫外線照射装置を用いて紫外線を200mJ/cm2照射し、塗膜中の光重合開始剤から発生するラジカルによって配向した液晶性モノマー分子のアクリレート及びカイラル剤のアクリレートを3次元架橋してポリマー化し、基材上にコレステリック構造を固定化することにより、左円偏光選択反射層(膜厚5μm)を形成し、赤外線反射フィルムを作製した。このフィルムの性能評価結果を表1に示す。
実施例2
両末端に重合可能なアクリレートを有するとともに中央部のメソゲンと上記アクリレートとの間にスペーサーを有する、液晶モノマー分子96.95質量部と、両末端に重合可能なアクリレートを有するカイラル剤(ADEKA製「CNL−715」)3.05質量部とを溶解させたシクロヘキサノン溶液を準備した。なお、上記シクロヘキサノン溶液には、上記液晶モノマー分子に対して5.0質量%の前記光重合開始剤を添加した。これをシクロヘキサノン溶液3とした。
実施例1で得られた赤外線反射フィルムの左円偏光選択反射層の上に、バーコーターにて、上記シクロヘキサノン溶液3を塗布した。次いで、120℃で2分間保持し、シクロヘキサノン溶液中のシクロヘキサノンを蒸発させて右旋回性塗膜を得た。そして、得られた塗膜に、紫外線照射装置を用いて紫外線を200mJ/cm2照射し、塗膜中の光重合開始剤から発生するラジカルによって配向した液晶性モノマー分子のアクリレート及びカイラル剤のアクリレートを3次元架橋してポリマー化し、基材上にコレステリック構造を固定化することにより、右円偏光選択反射層(膜厚5μm)を形成し、赤外線反射フィルムを作製した。このフィルムの性能評価結果を表1に示す。
両末端に重合可能なアクリレートを有するとともに中央部のメソゲンと上記アクリレートとの間にスペーサーを有する、液晶モノマー分子96.95質量部と、両末端に重合可能なアクリレートを有するカイラル剤(ADEKA製「CNL−715」)3.05質量部とを溶解させたシクロヘキサノン溶液を準備した。なお、上記シクロヘキサノン溶液には、上記液晶モノマー分子に対して5.0質量%の前記光重合開始剤を添加した。これをシクロヘキサノン溶液3とした。
実施例1で得られた赤外線反射フィルムの左円偏光選択反射層の上に、バーコーターにて、上記シクロヘキサノン溶液3を塗布した。次いで、120℃で2分間保持し、シクロヘキサノン溶液中のシクロヘキサノンを蒸発させて右旋回性塗膜を得た。そして、得られた塗膜に、紫外線照射装置を用いて紫外線を200mJ/cm2照射し、塗膜中の光重合開始剤から発生するラジカルによって配向した液晶性モノマー分子のアクリレート及びカイラル剤のアクリレートを3次元架橋してポリマー化し、基材上にコレステリック構造を固定化することにより、右円偏光選択反射層(膜厚5μm)を形成し、赤外線反射フィルムを作製した。このフィルムの性能評価結果を表1に示す。
比較例1
前記易接着PETフィルム上に、配向膜用組成物[ポリビニルアルコール(ケン化度:98%、数平均分子量:2万)5質量%の水/メタノール溶液]を塗布し、乾燥させ、厚さ1.5μmのポリビニール膜を形成し、これにラビング処理を施して配向膜を形成した。
その上に、バーコーターにて、上記シクロヘキサノン溶液1を塗布した。次いで、120℃で2分間保持し、シクロヘキサノン溶液中のシクロヘキサノンを蒸発させて、液晶性モノマー分子を配向させ、右旋回性塗膜を得た。そして、得られた塗膜に、紫外線照射装置を用いて紫外線を200mJ/cm2照射し、塗膜中の光重合開始剤から発生するラジカルによって配向した液晶性モノマー分子のアクリレート及びカイラル剤のアクリレートを3次元架橋してポリマー化し、基材上にコレステリック構造を固定化することにより、右円偏光選択反射層(膜厚5μm)を形成し、赤外線反射フィルムを得た。(液晶1層、配向膜のラビング処理)
このフィルムの性能評価結果を表1に示す。
前記易接着PETフィルム上に、配向膜用組成物[ポリビニルアルコール(ケン化度:98%、数平均分子量:2万)5質量%の水/メタノール溶液]を塗布し、乾燥させ、厚さ1.5μmのポリビニール膜を形成し、これにラビング処理を施して配向膜を形成した。
その上に、バーコーターにて、上記シクロヘキサノン溶液1を塗布した。次いで、120℃で2分間保持し、シクロヘキサノン溶液中のシクロヘキサノンを蒸発させて、液晶性モノマー分子を配向させ、右旋回性塗膜を得た。そして、得られた塗膜に、紫外線照射装置を用いて紫外線を200mJ/cm2照射し、塗膜中の光重合開始剤から発生するラジカルによって配向した液晶性モノマー分子のアクリレート及びカイラル剤のアクリレートを3次元架橋してポリマー化し、基材上にコレステリック構造を固定化することにより、右円偏光選択反射層(膜厚5μm)を形成し、赤外線反射フィルムを得た。(液晶1層、配向膜のラビング処理)
このフィルムの性能評価結果を表1に示す。
比較例2
前記易接着PETフィルムに、配向膜を介さずにバーコーターにて、上記シクロヘキサノン溶液1を塗布した。次いで、120℃で2分間保持し、シクロヘキサノン溶液中のシクロヘキサノンを蒸発させて、液晶性モノマー分子を配向させ、右旋回性塗膜を得た。そして、得られた塗膜に、紫外線照射装置を用いて紫外線を200mJ/cm2照射し、塗膜中の光重合開始剤から発生するラジカルによって配向した液晶性モノマー分子のアクリレート及びカイラル剤のアクリレートを3次元架橋してポリマー化し、基材上にコレステリック構造を固定化することにより、右円偏光選択反射層(膜厚5μm)を形成し、赤外線反射フィルムを得た。(液晶2層、配向膜なし)
このフィルムの性能評価結果を表1に示す。
前記易接着PETフィルムに、配向膜を介さずにバーコーターにて、上記シクロヘキサノン溶液1を塗布した。次いで、120℃で2分間保持し、シクロヘキサノン溶液中のシクロヘキサノンを蒸発させて、液晶性モノマー分子を配向させ、右旋回性塗膜を得た。そして、得られた塗膜に、紫外線照射装置を用いて紫外線を200mJ/cm2照射し、塗膜中の光重合開始剤から発生するラジカルによって配向した液晶性モノマー分子のアクリレート及びカイラル剤のアクリレートを3次元架橋してポリマー化し、基材上にコレステリック構造を固定化することにより、右円偏光選択反射層(膜厚5μm)を形成し、赤外線反射フィルムを得た。(液晶2層、配向膜なし)
このフィルムの性能評価結果を表1に示す。
比較例3
前記比較例1と同様に配向膜を設けたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、赤外線反射フィルムを得た。(液晶2層、配向膜あり、ラビング処理あり)
このフィルムの性能評価結果を表1に示す。
前記比較例1と同様に配向膜を設けたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、赤外線反射フィルムを得た。(液晶2層、配向膜あり、ラビング処理あり)
このフィルムの性能評価結果を表1に示す。
本発明の赤外線反射フィルムは、積層された液晶層により太陽光に含まれる赤外線(熱線)を反射して室内の温度上昇を抑制する内貼り用又は外貼り用ウィンドウフィルム等として用いられ、かつ液晶を積層するに際して液晶間の密着性を確保するための工程数を増やすことなく、安価に製造することができる。
1 基材フィルム
2 接着性付与層
3 積層液晶層
3a、3b、3c 液晶層
10 赤外線反射フィルム
2 接着性付与層
3 積層液晶層
3a、3b、3c 液晶層
10 赤外線反射フィルム
Claims (10)
- 基材フィルムの一方の面に接着性付与層を介して少なくとも2層の液晶層を積層した積層液晶層を有する積層フィルムであって、前記接着性付与層により各液晶層の配向を乱したことを特徴とする赤外線反射フィルム。
- 基材フィルムの一方の面に、接着性付与層、少なくとも2層の液晶層、及び表面保護層を順に有すると共に、基材フィルムの他方の面に耐候粘着剤層を有し、内貼り用ウィンドウフィルムとして用いられる、請求項1に記載の赤外線反射フィルム。
- 基材フィルムの一方の面に、接着性付与層、少なくとも2層の液晶層、及び耐候保護層を順に有すると共に、基材フィルムの他方の面に粘着剤層を有し、外貼り用ウィンドウフィルムとして用いられる、請求項1に記載の赤外線反射フィルム。
- 接着性付与層が、紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、及び電子線硬化性樹脂の中から選ばれる少なくとも1種の硬化物である、請求項1〜3のいずれかに記載の赤外線反射フィルム。
- 接着性付与層が、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、カルボキシメチルセルロース及びゼラチンの中から選ばれ、かつラビング処理が施されていない水溶性ポリマーである、請求項1〜3のいずれかに記載の赤外線反射フィルム。
- 水溶性ポリマーがポリビニルアルコール又は変性ポリビニルアルコールである、請求項5に記載の赤外線反射フィルム。
- 2層の液晶層がいずれもコレステリック液晶ポリマー層である、請求項1〜6のいずれかに記載の赤外線反射フィルム。
- 隣接する2つの液晶層が互いに逆方向の円偏光を反射する、請求項1〜7のいずれかに記載の赤外線反射フィルム。
- 積層液晶層の反射光波長が800〜1100nmの範囲にある、請求項1〜8のいずれかに記載の赤外線反射フィルム。
- 基材フィルムがポリエチレンテレフタレートフィルムである、請求項1〜9のいずれかに記載の赤外線反射フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012021220A JP2013158970A (ja) | 2012-02-02 | 2012-02-02 | 赤外線反射フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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