JP6363012B2 - 光学部材および光学部材を有する画像表示装置 - Google Patents

光学部材および光学部材を有する画像表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、光学部材および光学部材を有する画像表示装置に関する。
画像表示装置のディスプレイに電子ペン等で手書きしてデータ入力するシステムに対する必要性は、近年高まっている。特許文献1には、透明基板上に、赤外線を選択反射するコレステリック構造を有する液晶材料を含有する透明インキからなるドットパターンを印刷した透明シートが開示されている。本透明シートは、ディスプレイ装置に装着され、上記ドットパターンからの反射光を検知する赤外線センサーと赤外線照射部とを備えている電子ペンと組み合わせて、上記のシステムに用いることができる。
特開2008−165385号公報 特開2011−154215号公報
特許文献1に開示されるドットパターンにおけるドットは、直径100μmと小さい。そして、今後は、さらに繊細な手書きデータ入力のために、より小さいドットのパターンも求められていくと考えられる。そのため、各ドットからの反射光を電子ペン内のセンサーが十分に検知するためには、各ドットの反射光強度がより強いことが望まれる。特許文献1では、上記コレステリック構造の螺旋軸方向と透明基板の表面の法線とがなす傾き角を少なくとも0〜45度の範囲内で分布させることにより、広い読取角度を有する赤外線反射パターン印刷透明シートが形成できるとされている。しかし、上記のように傾き角を分布させた構造は単に光を拡散させるだけであるため、反射光の強度を高くしているものではない。
本発明の課題は、基板上に反射材料からなるドットを有する光学部材において、ドットからの反射光の強度が大きい光学部材を提供することである。本発明はさらに、また、データ入力することができる画像表示装置としてデータ入力の感度のよい画像表示装置を提供することを課題とする。
反射材料として、コレステリック構造を有する液晶材料を用いた場合、この液晶材料は右円偏光または左円偏光のいずれかのみを反射する円偏光選択反射特性を有するため、ドットの特定波長での反射率は最大でも50%以下となる。すなわち、反射されない円偏光は透過して失われている。特許文献1の[0011]には、右円偏光または左円偏光のいずれかのみを反射する円偏光選択反射であることを利用し、円偏光フィルターを組み合わせて検知を行って、コレステリック構造からの反射光と背景光のSN比を改善することについて開示されている。しかし、これも、SN比の改善に過ぎず、コレステリック構造からの反射光の絶対強度を増加させるものではない。そこで、本発明者らは、コレステリック構造を有する液晶材料を用いて、右円偏光および左円偏光の双方を反射するドットパターンの形成を試みて、本発明の完成に至った。
右円偏光および左円偏光の双方を反射するコレステリック構造を有する液晶材料については、例えば、特許文献2等に、右円偏光を反射する層と左円偏光を反射する層とを含む赤外光反射板についての開示がある。しかし、ドット形状のコレステリック構造を有する液晶材料の形成は、コレステリック構造を有する液晶材料からなる層(膜)の形成とは、液晶分子の配向の制御などの観点から技術的相違点が多く、特許文献2に記載の方法をそのまま応用することはできない。そして、右円偏光および左円偏光の双方を反射するドットを有する光学部材は、本願出願時までには知られていない。
すなわち、本発明は下記の[1]〜[14]を提供するものである。
[1]光学部材であって、
基板と、上記基板の表面に接するドットとを有し、
上記ドットは、コレステリック構造を有する液晶材料からなり、
上記ドットは波長選択反射性を有し、
上記ドットは上記波長選択反射性を示す波長において、右円偏光および左円偏光のいずれも反射する光学部材。
[2]上記ドットが、上記基板の法線に対する角度が0度である入射光および上記基板の法線に対する角度が27度である入射光の双方に対して右円偏光および左円偏光のいずれも反射する[1]に記載の光学部材。
[3]上記ドットが、螺旋の捩れ方向が右のコレステリック構造と螺旋の捩れ方向が左のコレステリック構造とを含む[1]または[2]に記載の光学部材。
[4]上記ドットが、上記基板の法線の方向で、上記基板側から、螺旋の捩れ方向が右のコレステリック構造、螺旋の捩れ方向が左のコレステリック構造をこの順で層状に含まれている部位を含み、上記基板と螺旋の捩れ方向が右の上記コレステリック構造とが互いに直接接しており、かつ、螺旋の捩れ方向が右の上記コレステリック構造と螺旋の捩れ方向が左の上記コレステリック構造とが互いに直接接している[3]に記載の光学部材。
[5]上記基板の表面に上記ドットの複数をパターン状に有する[1]〜[4]のいずれか一項に記載の光学部材。
[6]上記ドットの直径が20〜200μmである[1]〜[5]のいずれか一項に記載の光学部材。
[7]上記ドットの直径が70〜150μmである[1]〜[5]のいずれか一項に記載の光学部材。
[8]上記ドットの最大高さを上記ドットの直径で割った値が0.16〜0.30である[1]〜[7]のいずれか一項に記載の光学部材。
[9]上記ドットの端部において、上記ドットの表面と上記基板とのなす角度が33度〜62度である[1]〜[8]のいずれか一項に記載の光学部材。
[10]上記液晶材料が液晶化合物およびキラル剤を含む液晶組成物を硬化して得られる材料である[1]〜[9]のいずれか一項に記載の光学部材。
[11]上記ドットが赤外光領域に中心波長を有する波長選択反射性を有する[1]〜[10]のいずれか一項に記載の光学部材。
[12]上記ドットが波長800〜950nmに中心波長を有する波長選択反射性を有する[11]に記載の光学部材。
[13]可視光領域において透明である[1]〜[12]のいずれか一項に記載の光学部材。
[14][13]に記載の光学部材を有する画像表示装置。
本発明により、新規な光学部材が提供される。本発明の光学部材は、例えば画像表示装置のディスプレイに装着して、ディスプレイに電子ペンなどにより手書きしてデータ入力するための光学部材として使用することができる。本発明の光学部材の利用によりデータ入力の際の感度を高くすることができる。
本発明の光学部材の一例の断面図を模式的に示す図である。 本発明の光学部材を、画像表示装置(画像表示可能なディスプレイ装置)の表面または前方に装着されるシートとして用いたシステムの概略図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、例えば、「45度」、「平行」、「垂直」あるいは「直交」等の角度は、特に記載がなければ、厳密な角度との差異が5度未満の範囲内であることを意味する。厳密な角度との差異は、4度未満であることが好ましく、3度未満であることがより好ましい。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレートおよびメタクリレートのいずれか一方または双方」の意味で使用される。
本明細書において、各数値、数値範囲、及び定性的な表現(例えば、「同一」、等の表現)については、本技術分野で一般的に許容される誤差を含む数値、数値範囲及び性質を示していると解釈されるものとする。特に、本明細書において、「全部」、「いずれも」または「全面」などというとき、100%である場合のほか、技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含み、例えば99%以上、95%以上、または90%以上である場合を含むものとする。
可視光は電磁波のうち、ヒトの目で見える波長の光であり、380nm〜780nmの波長域の光を示す。非可視光は、380nm未満の波長域または780nmを超える波長域の光である。
赤外光のうち、近赤外光は780nm〜2500nmの波長域の電磁波である。紫外光は波長10〜380nmの範囲の光である。
本明細書において再帰反射は入射した光が入射方向に反射される反射を意味する。
本明細書において、「極角」は基板の法線に対する角度を意味する。
本明細書において、ドットの表面というときは、基板と反対側のドットの表面または界面を意味し、基板と接していない面を意味する。
本明細書において透明というとき、具体的には波長380〜780nmの非偏光透過率(全方位透過率)が50%以上であればよく、70%以上であればよく、85%以上であることが好ましい。
本明細書において、「ヘイズ」は、日本電色工業株式会社製のヘーズメーターNDH−2000を用いて測定される値を意味する。
理論上は、ヘイズは、以下式で表される値を意味する。
(380〜780nmの自然光の散乱透過率)/(380〜780nmの自然光の散乱透過率+自然光の直透過率)×100%
散乱透過率は分光光度計と積分球ユニットを用いて、得られる全方位透過率から直透過率を差し引いて算出することができる値である。直透過率は、積分球ユニットを用いて測定した値に基づく場合、0度での透過率である。
<光学部材>
光学部材は基板、およびその表面に形成されたドットを含む。
光学部材の形状は特に限定されず、例えば、フィルム状、シート状、または板状であればよい。図1に本発明の光学部材の一例の断面図を模式的に示す。この一例では、支持体3および下地層4からなる基板2の下地層側の表面にドット1が接しており、さらにドット1を覆うように基板のドット形成面側にオーバーコート層5が設けられている。
本発明の光学部材は、用途に応じて、可視光領域において、透明であっても透明でなくてもよいが、透明であることが好ましい。
本発明の光学部材のヘイズは、5%以下であることが好ましく、3%以下であることがより好ましく、2%以下であることが特に好ましい。
<基板>
本発明の光学部材に含まれる基板は、表面にドットを形成するための基材として機能する。
基板は、ドットが光を反射する波長において、光の反射率が低いことが好ましく、ドットが光を反射する波長において光を反射する材料を含んでいないことが好ましい。
また、基板は可視光領域において、透明であることが好ましい。また、基板は、着色していてもよいが、着色していないか、着色が少ないことが好ましい。さらに基板は屈折率が1.2〜2.0程度であることが好ましく、1.4〜1.8程度であることがより好ましい。いずれも、例えば、光学部材がディスプレイの前面で用いられる用途の光学部材などにおいて、ディスプレイに表示される画像の視認性を低下させないようにするためである。
基板の厚みは用途に応じて選択すればよく、特に限定されないが、5μm〜1000μm程度であればよく、好ましくは10μm〜250μmであり、より好ましくは15μm〜150μmである。
基板は単層であっても、多層であってもよい。単層である場合の基板の例としては、ガラス、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、アクリル、ポリオレフィン等が挙げられる。多層である場合の基板の例としては、上記の単層である場合の基板の例のいずれかなどを支持体として含み、上記支持体の表面に他の層を設けたものなどが挙げられる。
他の層の例としては、支持体とドットの間に設けられる下地層が挙げられる。下地層は樹脂層であることが好ましく、透明樹脂層であることが特に好ましい。下地層の例としては、ドットを形成する際の表面形状を調整するための層、ドットとの接着特性を改善するための層、ドット形成の際の重合性液晶化合物の配向を調整するための配向層などが挙げられる。また、下地層は、ドットが光を反射する波長において、光の反射率が低いことが好ましく、ドットが光を反射する波長において光を反射する材料を含んでいないことが好ましい。また、下地層は透明であることが好ましい。さらに下地層は屈折率が1.2〜2.0程度であることが好ましく、1.4〜1.8程度であることがより好ましい。下地層は支持体表面に直接塗布された重合性化合物を含む組成物の硬化により得られた熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂であることも好ましい。重合性化合物の例としては、(メタ)アクリレートモノマー、ウレタンモノマーなどの非液晶性の化合物が挙げられる。
下地層の厚みは、特に限定されないが、0.01〜50μmであることが好ましく、0.05〜20μmであることがさらに好ましい。
基板表面または下地層は、ドット形成前に、表面加工されていてもよい。例えば、所望の形状のドットの形成、または所望のドットパターンの形成のために、親水性処理や、凸凹形状の形成などがなされていてもよい。
<ドット>
本発明の光学部材は基板表面に形成されたドットを含む。ドットが形成される基板表面は基板の両面であっても片面であってもよいが、片面であることが好ましい。
ドットは基板表面に1つまたは2つ以上形成されていればよい。2つ以上のドットは基板表面で互いに近接して多数形成されて、ドットの総表面積が基板のドット形成側表面の面積の50%以上、60%以上、70%以上等となっていてもよい。この場合などにおいて、ドットの選択反射性などの光学特性は、実質的に光学部材全体、特にドット形成表面全面の光学特性となっていてもよい。一方、2つ以上のドットは基板表面で互いに離れて多数形成されて、ドットの総表面積が基板のドット形成側表面の面積の50%未満、30%以下、10%以下等となっていてもよい。この場合などにおいて、光学部材のドット形成表面側の光学特性は、基板の光学特性とドットの光学特性とのコントラストとして確認できるものであってもよい。
複数のドットは、パターン状に形成され、情報を提示する機能を有していてもよい。例えば、シート状に形成された光学部材における位置情報を提供できるように形成されることにより、光学部材はディスプレイに装着して、データ入力することができるシートとして用いることができる。
ドットがパターン状に形成されているときであって、例えば、直径が20〜200μmのドットが複数形成される場合、基板面の2mm四方の正方形当たり、平均10個〜100個、好ましくは15〜50個、さらに好ましくは20〜40個のドットが含まれていればよい。
基板表面にドットが複数ある場合、ドットの直径、形状はすべて同一であってもよく、互いに異なるものが含まれていてもよいが、各ドットから均一な反射光を得るためには、同一であることが好ましい。例えば、同一の直径および形状のドット形成を意図して、同条件で形成されたドットであることが好ましい。
本明細書において、ドットについて説明されるとき、その説明は、本発明の光学部材中のすべてのドットについて適用できるが、説明されるドットを含む本発明の光学部材が、本技術分野で許容される誤差やエラーなどにより同説明に該当しないドットを含むことを許容するものとする、
[ドットの形状]
ドットの形状は特に限定されないが、基板法線方向から見たとき円形であることが好ましい。円形は正円でなくてもよく、略円形または楕円形であればよい。例えば、複数の円が少しずつずれて重なり合った形状であってもよい。ドットについて中心というときは、この円形の中心または重心を意味する。基板表面にドットが複数ある場合、ドットの形状は同じであっても異なっていてもよいが、同じであるか、少なくとも似通っていることが好ましい。
ドットは直径が20〜200μmであることが好ましく、70〜150μmであることがより好ましい。ドットの直径はドットが円形でないときは、円形に近似して、測定または算出したものとする。
ドットの直径は、レーザー顕微鏡、走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)などの顕微鏡で得られる画像において、端部(ドットのへりまたは境界部)から端部までの直線であってドットの中心を通る直線の長さを測定することにより得ることができる。なお、ドットの数、ドット間距離もレーザー顕微鏡、走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)などの顕微鏡画像で確認できる。
ドットは、ドットの端部から中心に向かう方向で最大高さまで連続的に増加する高さを有する部位を含むことが好ましい。本明細書において、上記部位を傾斜部または曲面部ということがある。すなわち、ドットは、ドットの端部から中心に向かって高さが増加する傾斜部または曲面部等を含むことが好ましい。
なお、本明細書において、ドットについて、「高さ」というときは、「ドットの表面の点から基板のドット形成側表面までの最短距離」を意味する。また、基板に凹凸がある場合は、ドットの端部における基板面の延長を上記ドット形成側表面とする。最大高さは、上記高さの最大値であり、例えば、ドットの頂点から基板のドット形成側表面までの最短距離である。ドットの高さは、レーザー顕微鏡による焦点位置スキャン、またはSEMもしくはTEMなどの顕微鏡を用いて得られるドットの断面図から確認することができる。
上記の傾斜部または曲面部を含む構造の例としては、基板側を平面とした半球形状、この半球形状の上部を基板と略平行に切断し平坦化した形状(球台形状)、基板側を底面とした円錐形状、この円錐形状の上部を基板と略平行に切断し平坦化した形状(円錐台形形状)、および、これらいずれかに近似できる形状などが挙げられる。これらのうち、基板側を平面とした半球形状、この半球形状の上部を基板と略平行に切断し平坦化した形状、基板側を底面とした円錐形状の上部を基板と略平行に切断し平坦化した形状、および、これらいずれかに近似できる形状が好ましい。なお上記半球形状は球の中心を含む面を平面とする半球の形状のみでなく、球を任意に2つに切断して得られる球欠形状のいずれかを含むものとする。
ドットの最大高さを与えるドット表面の点は、半球形状または円錐形状の頂点にあるか、上記のように基板と略平行に切断し平坦化した面にあればよい。平坦化した面状の点全部がドットの最大高さを与えていることも好ましい。ドットの中心が最大高さを与えていることも好ましい。
ドットは、最大高さをドットの直径で割った値(最大高さ/直径)が0.16〜0.30であることが好ましい。特に基板側を平面とした半球形状、この半球形状の上部を基板と略平行に切断し平坦化した形状、基板側を底面とした円錐形状の上部を基板と略平行に切断し平坦化した形状など、ドットの高さがドットの端部から連続的に増加して、最大高さになっており、かつ、中心が最大高さを示す形状において、上記を満たすことが好ましい。最大高さ/直径は0.18〜0.28であることがより好ましい。
また、ドットの表面と上記基板(基板のドット形成側表面)とのなす角度(例えば平均値)は33度〜62度であることが好ましく、35度〜60度であることがより好ましい。このような角度であることにより、後述の光学部材の用途に適した光の入射角で高い再帰反射性を示すドットとすることができる。
上記角度はレーザー顕微鏡による焦点位置スキャン、または、SEMもしくはTEMなどの顕微鏡を用いて得られるドットの断面図から確認することができるが、本明細書においては、ドットの中心を含み基板に垂直な面での断面図のSEM画像で基板とドット表面との接触部分の角度を測定したものとする。
[ドットの光学的性質]
本発明の光学部材におけるドットは、波長選択反射性を有し、波長選択反射性を示す波長において、右円偏光および左円偏光のいずれも反射する。
本発明の光学部材におけるドットは右円偏光および左円偏光のいずれも反射することにより、照射される光(通常、自然光(無偏光))に対する反射効率がよく、同様の条件でより強い反射光を与えることができる。
ドットが選択反射性を示す光は特に限定されず、例えば、赤外光、可視光、紫外光などいずれであってもよい。例えば、光学部材をディスプレイに貼り付けて、ディスプレイ装置に直接手書きしてデータ入力するための光学部材として使用する場合などにおいて、ドットが選択反射性を示す光の波長は、ディスプレイ画像に影響がないように、非可視光域の波長であることが好ましく、赤外光域の波長であることがより好ましく、近赤外光域の波長であることが特に好ましい。例えば、ドットからの反射スペクトルにおいて、750〜2000nmの範囲、好ましくは800〜1500nmの範囲に中心波長を有する反射波長帯域が確認できることが好ましい。上記反射波長は、組み合わせて用いられる光源から照射される光の波長や撮像素子(センサー)が感知する光の波長に従って選択されていることも好ましい。
ドットは可視光領域で透明であることが好ましい。また、ドットは着色していてもよいが、着色していないか、着色が少ないことが好ましい。いずれも、例えば、光学部材がディスプレイの前面で用いられる場合に、ディスプレイに表示される画像の視認性を低下させないようにするためである。
[コレステリック構造]
ドットは、コレステリック構造を有する液晶材料からなる。
コレステリック構造は特定の波長において、選択反射性を示すことが知られている。選択反射の中心波長(反射ピーク波長)λは、コレステリック構造における螺旋構造のピッチP(=螺旋の周期)に依存し、コレステリック液晶の平均屈折率nとλ=n×Pの関係に従う。そのため、この螺旋構造のピッチを調節することによって、選択反射波長を調節することができる。コレステリック構造のピッチは、ドットの形成の際、重合性液晶化合物とともに用いるキラル剤の種類、またはその添加濃度に依存するため、これらを調整することによって所望のピッチを得ることができる。
ピッチの調整については富士フイルム研究報告No.50(2005年)p.60−63に詳細な記載がある。螺旋の捩れ方向やピッチの測定法については「液晶化学実験入門」日本液晶学会編 シグマ出版2007年出版、46頁、および「液晶便覧」液晶便覧編集委員会 丸善 196頁に記載の方法を用いることができる。
コレステリック構造は走査型電子顕微鏡(SEM)にて明部と暗部との縞模様として観測される。この明部と暗部の繰り返し2回分(明部2つおよび暗部2つ)が螺旋1ピッチ分に相当する。そのため、ピッチはSEM断面図から測定することができる。上記縞模様の各線の法線が螺旋軸方向となる。
選択反射を示す選択反射帯(円偏光反射帯)の半値幅Δλ(nm)は、Δλが液晶化合物の複屈折Δnと上記ピッチPに依存し、Δλ=Δn×Pの関係に従う。そのため、選択反射帯の幅の制御は、Δnを調整して行うことができる。Δnの調整は重合性液晶化合物の種類やその混合比率を調整したり、配向固定時の温度を制御したりすることで行うことができる。反射波長帯域の半値幅は本発明の光学部材の用途に応じて調整され、例えば50〜500nmであればよく、好ましくは100〜300nmであればよい。
また、コレステリック構造の示す選択反射光は円偏光選択性であり、1種のコレステリック構造の選択反射光は右円偏光または左円偏光となる。反射光が右円偏光であるか、または左円偏光であるかは、コレステリック構造の螺旋の捩れ方向による。コレステリック構造の螺旋の捩れ方向が右の場合は右円偏光を反射し、螺旋の捩れ方向が左の場合は左円偏光を反射する。コレステリック構造の螺旋の捩れ方向は、一般的には、後述の液晶組成物中のキラル剤に依存し、誘起する螺旋の捩れ方向が右のキラル剤を用いて螺旋の捩れ方向が右のコレステリック構造を形成することができ、誘起する螺旋の捩れ方向が左のキラル剤を用いて螺旋の捩れ方向が左のコレステリック構造を形成することができる。
本発明の光学部材においては、ドットは、螺旋の捩れ方向が右のコレステリック構造と螺旋の捩れ方向が左のコレステリック構造とを含んでいればよい。螺旋の捩れ方向が右のコレステリック構造と螺旋の捩れ方向が左のコレステリック構造とはドット中でどのように含まれていてもよいが、少なくとも基板の法線方向に対し右円偏光および左円偏光のいずれも反射する構造とするために、基板の法線の方向で両方のコレステリック構造が層状に含まれている部位を含むことが好ましい。この時、いずれのコレステリック構造も、基板の法線方向に対し、40度〜0度、好ましくは30度〜0度、より好ましくは20度〜0度の角度をなしている螺旋軸を含んでいればよい。上記の一例として、コレステリック構造ドットの表面に接する部分に一方のコレステリック構造が配置され、その内側に他方のコレステリック構造が配置されている構造が挙げられる。螺旋の捩れ方向が右のコレステリック構造および螺旋の捩れ方向が左のコレステリック構造がドットの表面から交互に3〜10層程度の層状に形成されていてもよい。順番は限定されないが、基板表面に直接接するように形成されているコレステリック構造が、螺旋の捩れ方向が右のコレステリック構造であることが好ましい。螺旋の捩れ方向が右のコレステリック構造および螺旋の捩れ方向が左のコレステリック構造はドット内において隣接する層同士で、互いに直接接していることが好ましい。
[ドット中のコレステリック構造]
ドット内において、コレステリック構造の螺旋軸はドット表面と50度〜90度の範囲の角度の範囲であることが好ましい。上記角度は60度〜90度の範囲であることがより好ましく、70度〜90度の範囲であることがさらに好ましい。ドットの表面においてコレステリック構造の螺旋軸が表面となす角度は、70度〜90度の範囲であることが好ましい。
コレステリック構造の螺旋軸は、ドットの断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観測したときに、各暗部がなす線の法線方向にある。ドットの表面においてコレステリック構造の螺旋軸が表面となす角度は、ドットの表面から1本目の暗部がなす線の法線と上記表面とのなす角度である。表面が曲線であるときは、表面を上記断面における表面の接線として角度を求めればよい。特に、上記の傾斜部または曲面部においても上記の角度を満たすことにより、基板の法線方向から角度をなす方向からドットに入射する光に対しても高い再帰反射性を示すことができ、かつ、基板の法線方向から角度をなす方向からドットに入射する光に対しても右円偏光および左円偏光の双方を反射することができる。例えば、ドットの形状に従い、極角27度でドットに入射する光に対しても、好ましくは45度でドットに入射する光に対しても、高い再帰反射性を示し、かつ右円偏光および左円偏光の双方を反射することができる。ここで、ドットに入射する光の極角は、ドットに入射する直前の光の極角を示し、後述するように、光学部材が後述のオーバーコート層を有するときなどにおいて、光学部材の入射光側最表面に入射する光の極角とは異なることがある。本発明の光学部材は、オーバーコート層を有していない形態でも、少なくとも極角27度以内で右円偏光および左円偏光の双方を反射することができる。
コレステリック構造は、コレステリック液晶相を固定して得ることができる。コレステリック液晶相を固定した構造は、コレステリック液晶相となっている液晶化合物の配向が保持されている構造であればよく、典型的には、重合性液晶化合物をコレステリック液晶相の配向状態としたうえで、紫外線照射、加熱等によって重合、硬化し、流動性が無い層を形成して、同時に、また外場や外力によって配向形態に変化を生じさせることない状態に変化した構造であればよい。なお、コレステリック液晶相を固定した構造においては、コレステリック液晶相の光学的性質が保持されていれば十分であり、液晶化合物はもはや液晶性を示していなくてもよい。例えば、重合性液晶化合物は、硬化反応により高分子量化して、もはや液晶性を失っていてもよい。
[液晶組成物]
コレステリック構造の形成に用いる材料としては、液晶化合物およびキラル剤を含む液晶組成物が挙げられる。液晶化合物は重合性液晶化合物であることが好ましい。
重合性液晶化合物を含む液晶組成物は、さらに、界面活性剤または重合開始剤等を含んでいてもよい。
(重合性液晶化合物)
重合性液晶化合物は、棒状液晶化合物であっても、円盤状液晶化合物であってもよいが、棒状液晶化合物であることが好ましい。
コレステリック液晶層を形成する棒状の重合性液晶化合物の例としては、棒状ネマチック液晶化合物が挙げられる。棒状ネマチック液晶化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。低分子液晶化合物だけではなく、高分子液晶化合物も用いることができる。
重合性液晶化合物は、重合性基を液晶化合物に導入することで得られる。重合性基の例には、不飽和重合性基、エポキシ基、およびアジリジニル基が含まれ、不飽和重合性基が好ましく、エチレン性不飽和重合性基が特に好ましい。重合性基は種々の方法で、液晶化合物の分子中に導入できる。重合性液晶化合物が有する重合性基の個数は、好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜3個である。重合性液晶化合物の例は、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許第4683327号明細書、同5622648号明細書、同5770107号明細書、国際公開WO95/22586号公報、同95/24455号公報、同97/00600号公報、同98/23580号公報、同98/52905号公報、特開平1−272551号公報、同6−16616号公報、同7−110469号公報、同11−80081号公報、および特開2001−328973号公報などに記載の化合物が含まれる。2種類以上の重合性液晶化合物を併用してもよい。2種類以上の重合性液晶化合物を併用すると、配向温度を低下させることができる。
重合性液晶化合物の具体例としては、下記式(1)〜(11)に示す化合物が挙げられる。
また、上記以外の重合性液晶化合物としては、特開昭57−165480号公報に開示されているようなコレステリック相を有する環式オルガノポリシロキサン化合物等を用いることができる。さらに、前述の高分子液晶化合物としては、液晶を呈するメソゲン基を主鎖、側鎖、あるいは主鎖及び側鎖の両方の位置に導入した高分子、コレステリル基を側鎖に導入した高分子コレステリック液晶、特開平9−133810号公報に開示されているような液晶性高分子、特開平11−293252号公報に開示されているような液晶性高分子等を用いることができる。
また、液晶組成物中の重合性液晶化合物の添加量は、液晶組成物の固形分質量(溶媒を除いた質量)に対して、75〜99.9質量%であることが好ましく、80〜99質量%であることがより好ましく、85〜90質量%であることが特に好ましい。
(キラル剤(光学活性化合物))
キラル剤はコレステリック液晶相の螺旋構造を誘起する機能を有する。キラル化合物は、化合物によって誘起する螺旋の捩れ方向または螺旋ピッチが異なるため、目的に応じて選択すればよい。
キラル剤が誘起する螺旋ピッチは、キラル剤が液晶をねじる力の指標として、HTP(Helical Twisting Power)で表されることがある。HTPは、キラル剤と液晶性化合物とを含む液晶組成物から形成されたコレステリック液晶層の、選択反射波長λと、平均屈折率n、および加えたキラル剤濃度C(質量%)から、式HTP=n/(λ×0.01×C)を用いて算出することができる。
キラル剤としては、特に制限はなく、公知の化合物(例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4−3項、TN、STN用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989に記載)、イソソルビド、イソマンニド誘導体を用いることができる。
キラル剤は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物あるいは面性不斉化合物もキラル剤として用いることができる。軸性不斉化合物または面性不斉化合物の例には、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファンおよびこれらの誘導体が含まれる。キラル剤は、重合性基を有していてもよい。キラル剤と液晶化合物とがいずれも重合性基を有する場合は、重合性キラル剤と重合性液晶化合物との重合反応により、重合性液晶化合物から誘導される繰り返し単位と、キラル剤から誘導される繰り返し単位とを有するポリマーを形成することができる。この態様では、重合性キラル剤が有する重合性基は、重合性液晶化合物が有する重合性基と、同種の基であることが好ましい。従って、キラル剤の重合性基も、不飽和重合性基、エポキシ基またはアジリジニル基であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基であることが特に好ましい。
また、キラル剤は、液晶化合物であってもよい。
キラル剤が光異性化基を有する場合には、塗布、配向後に活性光線などのフォトマスク照射によって、発光波長に対応した所望の反射波長のパターンを形成することができるので好ましい。光異性化基としては、フォトクロッミック性を示す化合物の異性化部位、アゾ、アゾキシ、シンナモイル基が好ましい。具体的な化合物として、特開2002−80478号公報、特開2002−80851号公報、特開2002−179668号公報、特開2002−179669号公報、特開2002−179670号公報、特開2002−179681号公報、特開2002−179682号公報、特開2002−338575号公報、特開2002−338668号公報、特開2003−313189号公報、特開2003−313292号公報に記載の化合物を用いることができる。
キラル剤の具体例としては以下の式(12)で表される化合物が挙げられる。
液晶組成物における、キラル剤の含有量は、重合性液晶性化合物量の0.01モル%〜200モル%が好ましく、1モル%〜30モル%がより好ましい。
(界面活性剤)
液晶組成物は界面活性剤を含んでいてもよい。界面活性剤としては、例えば、シリコ−ン系界面活性剤およびフッ素系界面活性剤が挙げられ、フッ素系界面活性剤が好ましい。
界面活性剤の具体例としては、特開2014−119605の[0082]〜[0090]に記載の化合物、特開2012−203237号公報の段落〔0031〕〜〔0034〕に記載の化合物、特開2005−99248号公報の[0092]及び[0093]中に例示されている化合物、特開2002−129162号公報の[0076]〜[0078]及び[0082]〜[0085]中に例示されている化合物、特開2007−272185号公報の段落〔0018〕〜〔0043〕等に記載のフッ素(メタ)アクリレート系ポリマー、などが挙げられる。
なお、水平配向剤としては1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
フッ素系界面活性剤として、特開2014−119605の[0082]〜[0090]に記載の一般式(I)で表される化合物が特に好ましい。
液晶組成物中における、界面活性剤の添加量は、重合性液晶化合物の全質量に対して0.01質量%〜10質量%が好ましく、0.01質量%〜5質量%がより好ましく、0.02質量%〜1質量%が特に好ましい。
(重合開始剤)
液晶組成物に重合性化合物を含む場合は、重合開始剤を含有していることが好ましい。紫外線照射により重合反応を進行させる態様では、使用する重合開始剤は、紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤であることが好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)等が挙げられる。
液晶組成物中の光重合開始剤の含有量は、重合性液晶化合物の含有量に対して0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5質量%〜12質量%であることがさらに好ましい。
(架橋剤)
液晶組成物は、硬化後の膜強度向上、耐久性向上のため、任意に架橋剤を含有していてもよい。架橋剤としては、紫外線、熱、湿気等で硬化するものが好適に使用できる。
架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の多官能アクリレート化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物;2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、4,4−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等のアジリジン化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、ビウレット型イソシアネート等のイソシアネート化合物;オキサゾリン基を側鎖に有するポリオキサゾリン化合物;ビニルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物などが挙げられる。また、架橋剤の反応性に応じて公知の触媒を用いることができ、膜強度および耐久性向上に加えて生産性を向上させることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
架橋剤の含有量は、3質量%〜20質量%が好ましく、5質量%〜15質量%がより好ましい。架橋剤の含有量が、3質量%未満であると、架橋密度向上の効果が得られないことがあり、20質量%を超えると、コレステリック液晶層の安定性を低下させてしまうことがある。
(その他の添加剤)
ドット形成方法として、後述のインクジェット法を用いる場合には、一般的に求められるインク物性を得るために、単官能重合性モノマーを使用してもよい。単官能重合性モノマーとしては、2−メトキシエチルアクリレート、イソブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソデシルアクリレート、オクチル/デシルアクリレート等が挙げられる。
また、液晶組成物中には、必要に応じて、さらに重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、色材、金属酸化物微粒子等を、光学的性能等を低下させない範囲で添加することができる。
(溶媒)
液晶組成物は、ドット形成の際は、液体として用いられることが好ましい。
液晶組成物は溶媒を含んでいてもよい。溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、有機溶媒が好ましく用いられる。
有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、アルキルハライド類、アミド類、スルホキシド類、ヘテロ環化合物、炭化水素類、エステル類、エーテル類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、環境への負荷を考慮した場合にはケトン類が特に好ましい。上述の単官能重合性モノマーなどの上述の成分が溶媒として機能していてもよい。
[ドットの形成方法]
上記液晶組成物を、基板上に適用し、乾燥後、必要に応じて硬化することにより、基板表面にドットを形成することができる。
基板上への液晶組成物の適用は、好ましくは打滴により行われる。複数のドットを基板上に適用する際には、液晶組成物をインクとした印刷を行えばよい。印刷法としては特に限定されず、インクジェット法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法などを用いることができるが、インクジェット法が特に好ましい。ドットのパターン形成も、公知の印刷技術を応用して形成することができる。
(打滴)
基板上に適用する方法として特に好ましい打滴について、以下説明する。
打滴は1つのドット当たり2回以上行うことが好ましい。2回以上の打滴により、互いに誘起する螺旋の捩れ方向が異なるキラル剤を含む液晶組成物を、互いに分離した状態で、1つのドットの形成のために基板上に適用することができる。2回目以降の液晶組成物の打滴は、直前に打滴された液晶組成物の基板上の位置に合わせて行えばよい。
本発明者らは、ドットの形成の際、液晶組成物がすでに打滴された部位に再度打滴を行うと、ドットの形状が先に形成された形状と相似的に大きくなるのではなく、基板法線方向からみた大きさに対して、高さ方向が増えやすいことを見出した。高さ方向が増えると、互いに異なる液晶組成物からなる2層以上のコレステリック構造が表面から順に存在するドットを大きな最大高さで得ることができ、大きな極角の入射光に対しても右円偏光および左円偏光の双方を反射するドットを形成することができる。すなわち、例えば、上記のように極角27度や45度の入射光に対しても右円偏光および左円偏光の双方を反射するドットを形成することができる。
2回目以降の打滴で、直前に打滴された液晶組成物とは、含まれるキラル剤が誘起する螺旋の捩れ方向が異なる液晶組成物を打滴するときは、打滴の前に、打滴済みの液晶組成物を乾燥させることが好ましい。また、液晶組成物が重合性液晶化合物を含む場合において乾燥および硬化させることが、より好ましい。互いに異なる捩れ方向を誘起するキラル剤が混合しにくくなり、キラル剤としての効果が相殺されてコレステリック構造の形成ができなくなることを防止することができる。硬化後の液晶組成物の表面に打滴された液晶組成物においては液晶化合物分子の配向が良好である傾向がある。この観点から、螺旋の捩れ方向がより制御しやすい誘起する螺旋の捩れ方向が右であるキラル剤を含む液晶組成物を基板表面に先に打滴し、この液晶組成物を乾燥、硬化後に、その表面に、誘起する螺旋の捩れ方向が左であるキラル剤を含む液晶組成物を打滴することが好ましい。
1つのドットの形成に対して打滴は2回以上であればよく、2〜200回であることが好ましく、2〜100回であることがより好ましく、2〜80回であることがさらに好ましく、2〜50回であることが特に好ましい。
3回以上の打滴を行う場合において、同一組成の液晶組成物による打滴が繰り返されてもよい。直前に打滴された液晶組成物と同一組成の液晶組成物による打滴を行うときは、直前に打滴された液晶組成物の乾燥前に行っても乾燥後に行ってもよい。 また、液晶組成物が重合性液晶化合物を含む場合において、直前に打滴された液晶組成物の硬化前に行っても硬化後に行ってもよい。
重合性液晶化合物を含む液晶組成物を用いる場合のドット形成の手順としては、以下が例示できる。以下において、液晶組成物1と液晶組成物2とは誘起する螺旋の捩れ方向が異なるキラル剤を含む液晶組成物である。
第1例
(1)乾燥、硬化工程を含まずに1〜20回、基板上に液晶組成物1の打滴を行う。
(2)打滴した液晶組成物1の乾燥を行う。
(3)液晶組成物1と異なる液晶組成物2を1〜100回打滴する。
(4)打滴した液晶組成物2の乾燥、液晶組成物1および液晶組成物2全体の硬化を行う。
第2例
(1)乾燥、硬化工程を含まずに1〜20回、基板上に液晶組成物1の打滴を行う。
(2)打滴した液晶組成物1の乾燥、硬化を行う。
(3)液晶組成物1と異なる液晶組成物2を1〜100回打滴する。
(4)打滴した液晶組成物2の乾燥、硬化を行う。
上記、第1例、第2例において、液晶組成物2の打滴数は液晶組成物1の打滴数の例えば3〜8倍であればよく、5倍程度であればよい。
上記第1例〜第2例のいずれか1つを2回以上繰り返してもよく、上記第1例〜第2例からなる群より選択されるいずれか2つ以上を組みあわせてもよい。
上記の例において、基板表面に打滴される液晶組成物1が、誘起する螺旋の捩れ方向が右であるキラル剤を含み、液晶組成物2が、誘起する螺旋の捩れ方向が左であるキラル剤を含むことが、好ましい。
液晶組成物1と液晶組成物2とにおいては、液晶化合物の種類や濃度が異なっていてもよい
先に打滴された液晶組成物の位置または位置パターンに対し、同一の位置に2回目以降の液晶組成物を打滴する技術については、印刷技術分野で公知のアラインメント法を応用することができる。
打滴一回当たりの液晶組成物量(インク量)は1ドットあたり、例えば、1pL〜20pLであればよく、2pL〜10pLであることが好ましく、5pL〜6pLであることがより好ましく。1ドットあたり、打滴される液晶組成物の総量は、例えば2pL〜1200pLであればよく、10pL〜600pLであることが好ましく、50pL〜500pLであることがより好ましく、100pL〜400pLであることがさらに好ましい。
(液晶組成物の乾燥)
基板表面に適用された液晶組成物は必要に応じて乾燥されればよい。乾燥のため、または乾燥後に、加熱を行ってもよく、乾燥または加熱の工程で液晶組成物中の液晶化合物が配向して、コレステリック液晶相を形成していればよい。加熱を行う場合、加熱温度は、200℃以下が好ましく、130℃以下がより好ましい。
ドット形成の過程で複数回の乾燥を行う場合、それらの条件は、互いに同じでも異なっていてもよい。
(液晶組成物の硬化)
液晶組成物が重合性液晶化合物を含むものである場合、液晶組成物の硬化により、配向させた重合性液晶化合物が、重合されていればよい。硬化は光照射または加熱により行われればよく、光照射によるものが好ましい。光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2〜50J/cm2が好ましく、100mJ/cm2〜1,500mJ/cm2がより好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下または窒素雰囲気下で光照射を実施してもよい。照射紫外線波長は250nm〜430nmが好ましい。重合反応率は安定性の観点から、高いことが好ましく70%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。重合反応率は、重合性の官能基の消費割合を、IR吸収スペクトルを用いて決定することができる。
ドット形成の過程で複数回の硬化を行う場合、それらの条件は、互いに同じでも異なっていてもよい。
<オーバーコート層>
光学部材はオーバーコート層を含んでいてもよい。オーバーコート層は基板のドットが形成された面側に設けられていればよく、光学部材の表面を平坦化していることが好ましい。
オーバーコート層は特に限定されないが、屈折率が1.4〜1.8程度の樹脂層であることが好ましい。光学部材を画像表示装置などのディスプレイ表面で入力シートなどの入力媒体として用いる場合の、画像表示装置からの画像光の散乱をさけるため、オーバーコート層と液晶材料からなるドットの屈折率との差異は0.2以下であることが好ましい。より好ましくは0.1以下であればよい。液晶材料からなるドットの屈折率は1.6程度であるが、屈折率が1.4〜1.8程度のオーバーコート層を用いることによって、ドットに実際に入射する光の極角を小さくすることができる。例えば、屈折率が1.6のオーバーコート層を用い、極角45度で光学部材に光を入射させたとき、ドットに実際に入射する極角は27度程度とすることができる。そのため、オーバーコート層を用いることによっては光学部材が再帰反射性を示す光の極角を広げることが可能であり、ドットの表面と基板とのなす角度が小さいドットにおいても、より広い範囲で、高い再帰反射性を得ることができる。また、オーバーコート層は、反射防止層、粘着剤層、接着剤層、ハードコート層としての機能を有していてもよい。
オーバーコート層の例としては、モノマーを含む組成物を基板のドットが形成された面側に塗布、その後塗布膜を硬化して得られる樹脂層などが挙げられる。樹脂は、特に限定されず、基板やドットを形成すする液晶材料への密着性などを考慮して選択すればよい。例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等を用いることができる。耐久性、耐溶剤性等の点からは、架橋により硬化するタイプの樹脂が好ましく、特に、短時間での硬化が可能である紫外線硬化性樹脂が好ましい。オーバーコート層の形成に用いることができるモノマーとしては、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン、ポリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
オーバーコート層の厚みは、特に限定されず、ドットの最大高さを考慮して決定すればよく、5μm〜100μm程度であればよく、好ましくは10μm〜50μmであり、より好ましくは20μm〜40μmである。厚みは、ドットが無い部分の基板のドット形成表面から対向する面にあるオーバーコート層表面までの距離である。
<光学部材の用途>
本発明の光学部材の用途としては特に限定されず、各種反射部材として用いることができる。
例えば、ドットが基板表面で互いに近接して多数形成された形態の光学部材は、特定波長の円偏光のみを反射する再帰反射体として用いることができる。
パターン状にドットを有する光学部材は、例えば、パターンを位置情報を与えるコード化されたドットパターンとして形成することにより、手書き情報をデジタル化して情報処理装置に入力する電子ペンなどの入力手段と組み合わせて用いる入力媒体とすることができる。使用の際は入力手段から照射される光の波長がドットが反射を示す波長となるように、ドットを形成する液晶材料を調製して用いられる。具体的にはコレステリック構造の螺旋ピッチを上述の方法で調整すればよい。
本発明の光学部材は、液晶ディスプレイなどのディスプレイ表面で入力シートなどの入力媒体として用いることもできる。このとき、光学部材は透明であることが好ましい。光学部材はディスプレイ表面に直接、または他のフィルム等を介して接着され、ディスプレイと一体化されていてもよく、例えばディスプレイ表面に脱着可能に装着されてもよい。このとき、本発明の光学部材におけるドットが選択反射を示す光の波長域はディスプレイが発する光の波長域とは異なっていることが好ましい。すなわち、ドットは非可視光領域で選択反射性を有し、かつディスプレイは、検出装置で誤検知がないように、非可視光を発していないことが好ましい。
手書き情報をデジタル化して情報処理装置に入力する手書き入力システムについては、特開2014−67398号公報、特開2014‐98943号公報、特開2008−165385号公報、特開2008−108236号公報の[0021]〜[0032]、または特開2008−077451号公報等を参照できる。
本発明の光学部材を、画像表示可能なディスプレイ装置の表面または前方に装着されるシートとして用いる場合の好ましい態様としては、特許第4725417号公報の[0024]〜[0031]に記載の態様を挙げることができる。
本発明の光学部材を、画像表示可能なディスプレイ装置の表面または前方に装着されるシートとして用いたシステムの概略図を図2に示す。
図2において、赤外線iを発し、前述のパターンの反射光rを検知できるものであれば特に限定されず公知のセンサーを用いればよく、例えば、ペン型の入力端末106が読取データ処理装置107も具備する例として、特開2003−256137号公報に開示されている、インキや黒鉛等を備えないペン先、赤外線照射部を備えたCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)カメラ、プロセッサ、メモリ、Bluetooth(登録商標)技術等を利用したワイヤレストランシーバ等の通信インタフェース、及びバッテリ等を内蔵しているものなどが挙げられる。
ペン型の入力端末106の動作としては、例えば、ペン先を本発明の光学部材100の前面に接触させてなぞるように描画すると、ペン型の入力端末106がペン先に加わった筆圧を検知し、CMOSカメラが作動して、ペン先近傍の所定範囲を赤外線照射部から発する所定波長の赤外線で照射するとともに、パターンを撮像する(パターンの撮像は、例えば、1秒間に数10から100回程度行われる)。ペン型の入力端末106が読取データ処理装置107を具備する場合には、撮像したパターンをプロセッサで解析することにより手書き時のペン先の移動に伴う入力軌跡を数値化・データ化して入力軌跡データを生成し、その入力軌跡データを情報処理装置へ送信する。
なお、プロセッサ、メモリ、Bluetooth(登録商標)技術等を利用したワイヤレストランシーバ等の通信インタフェース、及びバッテリ等の部材は、図2に示すように、読取データ処理装置107として、ペン型の入力端末106の外部にあってもよい。この場合には、ペン型の入力端末106は読取データ処理装置107にコード108で接続されていても、電波、赤外線等を用い無線で読取データを送信してもよい。
この他、入力端末106は、特開2001−243006号公報に記載された読取器のようなものであってもよい。
本発明において適用できる読取データ処理装置107は、入力端末106で読み取った連続的な撮像データから位置情報を算出し、それを時間情報と組み合わせ、情報処理装置で扱える入力軌跡データとして提供する機能を有するものであれば特に限定されず、プロセッサ、メモリ、通信インタフェース及びバッテリ等の部材を具備していればよい。
また、読取データ処理装置107は、特開2003−256137号公報に記載のように入力端末106に内蔵されていてもよく、また、ディスプレイ装置を備える情報処理装置に内蔵されていてもよい。また、読取データ処理装置107は、ディスプレイ装置を備える情報処理装置に無線で位置情報を送信してもよく、コード等で接続された有線接続で送信してもよい。
ディスプレイ装置105に接続された情報処理装置は、読取データ処理装置107から送信されてきた軌跡情報に基づき、ディスプレイ装置105に表示する画像を順次更新することによって、入力端末106で手書き入力した軌跡を、紙の上にペンで書いたかのようにディスプレイ装置上に表示することができる。
<画像表示装置>
本発明の画像表示装置は、本発明の光学部材を有する。
例えば、表示装置の最前面や保護用の前面板と表示用パネルとの間に本発明の光学部材を配置するなど、画像表示装置の画像表示面の前方に本発明の光学部材が装着された画像表示装置であることが好ましい。画像表示装置の好ましい態様は、上記の光学部材の用途の項目に記載した。
なお、画像表示装置の画像表示面または画像表示面の前方に本発明の光学部材が装着された画像表示装置を含むシステムも、本明細書に開示された発明に含まれる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(下地層の作製)
下記に示す組成物を、25℃に保温された容器中にて、攪拌、溶解させ、下地層溶液を調製した。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
下地層溶液(質量部)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 67.8
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD DPHA) 15.0
メガファックRS−90(DIC株式会社製) 26.7
IRGACURE 819(BASF社製) 0.5
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
上記で調製した下地層溶液を、100μm厚の透明なPET(ポリエチレンテレフタレート、東洋紡株式会社製、コスモシャインA4100)基板に、バーコーターを用いて3mL/m2の塗布量で塗布した。その後、膜面温度が90℃になるように加熱し、120秒間乾燥した後に、酸素濃度100ppm以下の窒素パージ下で、紫外線照射装置により、700mJ/cm2(照度200mW/cm2、3.5秒間)の紫外線を照射し、架橋反応を進行させ、下地層を作製した。
(コレステリック液晶ドットの形成)
下記に示す組成物を、25℃に保温された容器中にて、攪拌、溶解させ、コレステリック液晶インク液A、およびB(液晶組成物)を調製した。なお、インク液Aに用いたキラル剤は右巻き、インク液Bに用いたキラル剤は左巻きのキラル剤である。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
コレステリック液晶インク液A(質量部)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
メトキシエチルアクリレート 145.0
下記の棒状液晶化合物の混合物 100.0
IRGACURE 819(BASF社製) 10.0
下記構造のキラル剤 3.8
下記構造の界面活性剤 0.08
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
数値は質量%である。また、Rで表される基は右下に示す部分構造であり、この部分構造の酸素原子の箇所で結合している。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
コレステリック液晶インク液B(質量部)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
メトキシエチルアクリレート 145.0
インク液Aで使用の棒状液晶化合物の混合物 100.0
IRGACURE 819(BASF社製) 10.0
下記構造のキラル剤 6.7
インク液Aで使用の界面活性剤 0.08
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
上記で調製したコレステリック液晶インク液Aを、上記で作製したPET上の下地層上に、インクジェットプリンター(DMP−2831、FUJIFILM Dimatix社製)にて、ドット中心間距離300μm、ドット径17μmで、50×50mm領域全面に打滴し、95℃、30秒間乾燥した後に、紫外線照射装置により、500mJ/cm2(照度200mW/cm2、2.5秒間)の紫外線を照射して、プレドットを得た。
さらに上記で調整したコレステリック液晶インク液Bを、上記で作製したプレドット表面に打滴し、95℃、30秒間乾燥した後に、紫外線照射装置により、500mJ/cm2(照度200mW/cm2、2.5秒間)の紫外線を照射して、ドット径29μmのドット(屈折率、1.57)を形成し、光学部材を得た。
(ドット形状、コレステリック構造評価)
上記で得られた光学部材のドットのうち、無作為に10個を選択しドットの形状をレーザー顕微鏡(キーエンス社製)にて観察したところ、ドットは平均直径29μm、平均最大高さ4.7μm、ドット端部のドット表面と下地層表面とが両者の接触部でなす角度は平均35度であり、ドット端部から中心に向かう方向で、連続的に高さが増加していた。
上記で得られた光学部材の中央に位置する1つのドットについてドット中心を含む面で、PET基板に垂直に切削し、断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、ドット内部に明部と暗部の縞模様が確認された。
また、上記で得られた光学部材のドットについて、株式会社ニコン製の偏光顕微鏡(ECLIPSE E600 POL)、顕微鏡用デジタルカメラ(DXM1200)、アプリケーションソフト(ACT−1)を用いた反射観察系において、富士フイルム株式会社製IRシャープカットフィルター(IR80)を用いて可視光をカットして、光学部材を27度傾斜させて観察したところ、再帰反射光が確認された。
(オーバーコート層の形成)
下記に示す組成物を、25℃に保温された容器中にて、攪拌、溶解させ、オーバーコート用塗布液を調製した。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
オーバーコート用塗布液(質量部)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
アセトン 100.0
KAYARAD DPCA−30(日本化薬株式会社製) 100.0
IRGACURE 819(BASF社製) 3.0
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

上記で調製したオーバーコート用塗布液を、コレステリック液晶ドットを形成した下地層上に、アプリケーターを用いて80mL/m2の塗布量で塗布した。その後、膜面温度が50℃になるように加熱し、60秒間乾燥した後に、紫外線照射装置により、700mJ/cm2の紫外線を照射し、架橋反応を進行させ、オーバーコート層(屈折率:1.52)を作製した。
(ドット性能評価)
上記にて作製したオーバーコート層付き光学部材について、オーシャンオプティクス社製の可視−近赤外照射用光源(HL−2000)、超高分解能ファイバマルチチャンネル分光器(HR4000)、2分岐光ファイバを用いて直径2mm視野、無作為に5箇所を計測したところ、いずれの箇所の視野でも反射ピーク波長は850nmであり、光学部材の法線を0度として、極角0〜50度の範囲で確認したとき常に、全てのドットから再帰反射が確認された。
さらに、上記にて作製したオーバーコート層付き光学部材について、株式会社ニコン製の偏光顕微鏡(ECLIPSE E600 POL)、顕微鏡用デジタルカメラ(DXM1200)、アプリケーションソフト(ACT−1)を用いた反射観察系において、富士フイルム株式会社製IRシャープカットフィルター(IR80)を用いて可視光をカットして観察した。
まず、反射される円偏光の向き(左右)を判断するために、偏光顕微鏡に付属のλ/4板を挿入し、アナライザの角度を0度、および90度にした際の観察から、両方の円偏光か、片方の円偏光かの判断を行った。
また、アプリケーションソフト(ACT−1)の露光時間を変更し、ドットからの反射が確認できる露光時間を判断し、以下のような評価基準でランク分けを行った。露光時間が短いほど反射強度が大きいことを意味する。なお、反射円偏光の判断、および観察可能な露光時間の判断の際には、正面に加え、サンプルを45度傾斜させた状態での判断も行った。
A;露光時間1/50秒でも視認可能
B;露光時間1/40秒で視認可能(1/50秒では視認できず)
C;露光時間1/30秒で視認可能
D;露光時間1/20秒で視認可能
E;露光時間1/15秒で視認可能
F;露光時間1/12秒で視認可能
G;露光時間1/6秒で視認可能
[実施例2〜9、および比較例1,2]
コレステリック液晶インク液の使用順、下地層溶液のDPHA量、インクジェットのドット径を下表のように変えたこと以外は、実施例1と同様にオーバーコート層付き光学部材を作製した。
実施例1と同様に、ドット直径、最大高さ/直径、反射円偏光、視認可能な露光時間を測定した結果を下表に示す。
1 ドット
2 基板
3 支持体
4 下地層
5 オーバーコート層
100 光学部材
105 ディスプレイ装置
106 ペン型の入力端末
107 読取データ処理装置
108 コード

Claims (14)

  1. 光学部材であって、
    基板と、前記基板の表面に接するドットとを有し、
    前記ドットは、コレステリック構造を有する液晶材料からなり、
    前記ドットは波長選択反射性を有し、
    前記ドットは前記波長選択反射性を示す波長において、右円偏光および左円偏光のいずれも反射し、
    前記ドットはドットの端部から中心に向かう方向で最大高さまで連続的に増加する高さを有する部位を含む光学部材。
  2. 前記ドットが、前記基板の法線に対する角度が0度である入射光および前記基板の法線に対する角度が27度である入射光の双方に対して右円偏光および左円偏光のいずれも反射する請求項1に記載の光学部材。
  3. 前記ドットが、螺旋の捩れ方向が右のコレステリック構造と螺旋の捩れ方向が左のコレステリック構造とを含む請求項1または2に記載の光学部材。
  4. 前記ドットが、前記基板の法線の方向で、前記基板側から、螺旋の捩れ方向が右のコレステリック構造、螺旋の捩れ方向が左のコレステリック構造をこの順で層状に含まれている部位を含み、前記基板と螺旋の捩れ方向が右の前記コレステリック構造とが互いに直接接しており、かつ、螺旋の捩れ方向が右の前記コレステリック構造と螺旋の捩れ方向が左の前記コレステリック構造とが互いに直接接している請求項3に記載の光学部材。
  5. 前記基板の表面に前記ドットの複数をパターン状に有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学部材。
  6. 前記ドットの直径が20〜200μmである請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学部材。
  7. 前記ドットの直径が70〜150μmである請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学部材。
  8. 前記ドットの最大高さを前記ドットの直径で割った値が0.16〜0.30である請求項1〜7のいずれか一項に記載の光学部材。
  9. 前記ドットの端部において、前記ドットの表面と前記基板とのなす角度が33度〜62度である請求項1〜8のいずれか一項に記載の光学部材。
  10. 前記液晶材料が液晶化合物およびキラル剤を含む液晶組成物を硬化して得られる材料である請求項1〜9のいずれか一項に記載の光学部材。
  11. 前記ドットが赤外光領域に中心波長を有する波長選択反射性を有する請求項1〜10のいずれか一項に記載の光学部材。
  12. 前記ドットが波長800〜950nmに中心波長を有する波長選択反射性を有する請求項11に記載の光学部材。
  13. 可視光領域において透明である請求項1〜12のいずれか一項に記載の光学部材。
  14. 請求項13に記載の光学部材を有する画像表示装置。
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