JP2004170901A - 反射防止フィルム、偏光板およびディスプレイ装置 - Google Patents

反射防止フィルム、偏光板およびディスプレイ装置 Download PDF

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Tatsuhiko Obayashi
達彦 大林
Takahiro Ishizuka
孝宏 石塚
Shuntaro Ibuki
俊太郎 伊吹
Yuzo Muramatsu
雄造 村松
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

【課題】十分な反射防止性能と防汚性を有しながら耐傷性の向上した反射防止フィルムを提供する。
【解決手段】透明支持体上に、少なくともハードコート層とバインダーポリマーを含む低屈折率層とを有する光学フィルムであって、該ハードコート層および/または低屈折率層が、(a)水酸基または加水分解可能な基がケイ素に直接結合しているオルガノシランの加水分解物および/またはその部分縮合物、ならびに(b)一般式R3OH(式中、R3は炭素数1〜10のアルキル基を示す)で表されるアルコールと一般式R4COCH2COR5(式中、R4は炭素数1〜10のアルキル基、R5は炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のアルコキシ基を示す)で表される化合物とを配位子とした、Zr、Ti又はAlから選ばれる金属を中心金属とする少なくとも1種の金属キレート化合物を含んでなる反射防止フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、反射防止フィルム、偏光板およびそれを用いたディスプレイ装置に関する。
有機材料・無機材料を配合して、接着剤、外装塗料、ハードコート、反射防止膜などの用途において、耐擦傷性、硬化物の強度、接触した他の素材との密着などを向上させることが検討されている。中でも、重合硬化系の有機材料との組み合わせにおいては、重合基を含有するアルコキシシラン、及びまたはその加水分解縮合物が注目されている。例えば、特許文献1には、特定のポリアルコキシポリシロキサンと重合性シランカップリング剤との併用が提案されているが、ポリアルコキシポリシロキサンと重合性シランカップリング剤との反応が十分に行いにくく、重合性基の導入率が低いために、硬化物の耐擦過性や強度は十分ではない。特許文献2には、有機官能基を含むアルコキシシランとテトラアルコキシシランとの部分共加水分解縮合物が報告されているが、液の保存性は十分なものではなかった。
一方、反射防止フィルムは一般に、陰極管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や液晶表示装置(LCD)のようなディスプレイ装置において、外光の反射によるコントラスト低下や像の映り込みを防止するために、光学干渉の原理を用いて反射率を低減する様ディスプレイの最表面に配置される。
このような反射防止フィルムは、支持体上に高屈折率層、さらにその上に適切な膜厚の低屈折率層を形成することにより作製できる。低い反射率を実現するために低屈折率層にはできるだけ屈折率の低い材料が望まれる。また反射防止フィルムはディスプレイの最表面に用いられるため高い耐擦傷性が要求される。厚さ100nm前後の薄膜において高い耐擦傷性を実現するためには、皮膜自体の強度、および下層への密着性が必要である。
材料の屈折率を下げるには、(1)フッ素原子を導入する、(2)密度を下げる(空隙を導入する)という手段があるがいずれも皮膜強度および密着性が損なわれ耐擦傷性が低下する方向であり、低い屈折率と高い耐傷性の両立は困難な課題であった。
例えば、特許文献3〜5には、含フッ素ポリマー中にポリシロキサン構造を導入することにより皮膜表面の摩擦係数を下げ耐傷性を改良する手段が記載されている。該手段は耐傷性改良に対してある程度有効であるが、本質的な皮膜強度および界面密着性が不足している皮膜に対して該手法のみでは十分な耐傷性が得られない。
皮膜強度を上げる手段の一つに、低屈折率層に無機フィラーを導入する方法がある。低屈折率の無機微粒子をフィラーとすることにより、層自体の屈折率の増加なしに皮膜強度を上げることが可能となる。しかし、無機フィラーの導入では下層への密着性まで得ることは難しく、耐傷性はまだ充分ではない。
特開平9−169847号公報 特開平9−40909号公報 特開平11−189621号公報 特開平11−228631号公報 特開2000−313709号公報
本発明の目的は、透明性と密着性に優れた硬化被膜及びこれを形成することのできる硬化性組成物を提供することにある。
また、十分な反射防止性能と防汚性を有しながら耐傷性の向上した反射防止フィルムを提供することにある。
さらにはそのような反射防止フィルムを高い生産性で得ることのできる製造方法を提供することにある。
さらにはそのような反射防止フィルムを用いた偏光板やディスプレイ装置を提供することにある。
本発明者らはシランカップリング剤をあらかじめ加水分解/脱水縮合してから添加することにより添加量を減らしても安定した性能が得られ、しかもシランカップリング剤をそのまま添加する場合に比べて大きな効果が得られることを見出した。ただし加水分解/脱水縮合物(ゾル)の安定性は使用する触媒種等によって決まり、条件によっては塗布液のポットライフが悪く、持続して満足する性能が得られないという問題があったが、鋭意検討した結果ポットライフも良好な材料を見出し、本発明をなすに至った。
すなわち本発明は
(1)透明支持体上に、少なくともハードコート層とバインダーポリマーを含む低屈折率層とを有する光学フィルムであって、該ハードコート層および/または低屈折率層が、(a)水酸基または加水分解可能な基がケイ素に直接結合しているオルガノシランの加水分解物および/またはその部分縮合物、ならびに(b)一般式R3OH(式中、R3は炭素数1〜10のアルキル基を示す)で表されるアルコールと一般式R4COCH2COR5(式中、R4は炭素数1〜10のアルキル基、R5は炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のアルコキシ基を示す)で表される化合物とを配位子とした、Zr、Ti又はAlから選ばれる金属を中心金属とする少なくとも1種の金属キレート化合物を含んでいることを特徴とする反射防止フィルム、
(2)該ハードコート層の少なくとも1層が防眩性ハードコート層であることを特徴とする(1)に記載の反射防止フィルム、
(3)該防眩性ハードコート層の下層に、さらに防眩性を有しないハードコート層を有することを特徴とする(2)に記載の反射防止フィルム、
(4)該防眩性ハードコート層がバインダーと平均粒径1.0〜10.0μmのマット粒子から形成され、該バインダーの屈折率が1.48〜2.00であることを特徴とする(2)または(3)に記載の反射防止フィルム、
(5)該ハードコート層にジルコニウム、チタン、アルミニウム、インジウム、亜鉛、錫、アンチモン、およびケイ素のうちより選ばれる少なくとも1つの酸化物からなる無機フィラーを含有することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の反射防止フィルム、
(6)該低屈折率層にシリカ、およびフッ化マグネシウムより選ばれる無機フィラーを含有することを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の反射防止フィルム、
(7)該防眩性ハードコート層より下層の防眩性を有しないハードコート層にシリカ、およびアルミナより選ばれる無機フィラーを含有することを特徴とする(3)〜(6)のいずれかに記載の反射防止フィルム、
(8)全てのハードコート層および低屈折率層に無機フィラー粒子を含有することを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の反射防止フィルム、
(9)該無機フィラーの平均粒径が0.001〜0.2μmであることを特徴とする(5)〜(8)のいずれかに記載の反射防止フィルム、
(10)該低屈折率層側の表面の動摩擦係数が0.03〜0.15であり、かつ、水に対する接触角が90〜120°であることを特徴とする(1)〜(9)のいずれかに記載の反射防止フィルム、
(11)該ハードコート層の表面エネルギーが25mN・m-1〜70mN・m-1であることを特徴とする(1)〜(10)のいずれかに記載の反射防止フィルム、
(12)該防眩性ハードコート層がフッ素系および/またはシリコーン系の界面活性剤を含有することを特徴とする(2)〜(11)のいずれかに記載の反射防止フィルム、
(13)該防眩性ハードコート層が、X線光電子分光法で測定したフッ素原子由来のピークと炭素原子由来のピークとの比であるF/Cが0.40以下、および/またはシリコン原子由来のピークと炭素原子由来のピークとの比であるSi/Cが0.30以下であることを特徴とする(2)〜(12)のいずれかに記載の反射防止フィルム、
(14)低屈折率層のバインダーポリマーが含フッ素ポリマーであることを特徴とする(1)〜(13)のいずれかに記載の反射防止フィルム、
(15)前記(a)の水酸基または加水分解可能な基がケイ素に直接結合しているオルガノシランが、下記一般式(A)で表されるオルガノシランの加水分解物および/またはその部分縮合物であることを特徴とする(1)〜(14)のいずれかに記載の反射防止フィルム、
一般式(A)
(R10m1−SiXn1
(式中、R10は置換もしくは無置換のアルキル基またはアリール基を表す。Xは水酸基または加水分解可能な基を表す。m1は0〜3の整数を表す。n1は1〜4の整数を表す。m1とn1の合計は4である。)
(16)ヘイズが3.0〜50.0%であり、450〜650nmの波長の光に対する平均反射率が2.2%以下であることを特徴とする(1)〜(15)のいずれかに記載の反射防止フィルム、
(17)該透明支持体がトリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、またはポリエチレンナフタレートであることを特徴とする(1)〜(16)のいずれかに記載の反射防止フィルム、
(18)低屈折率層を有する側とは反対側の透明支持体の表面の水に対する接触角が40゜以下であることを特徴とする(1)〜(17)のいずれかに記載の反射防止フィルム、
(19)一般式(A)におけるオルガノシランの置換基R10が(メタ)アクリロイル基、またはエポキシ基を含有する基であることを特徴とする(1)〜(18)のいずれかに記載の反射防止フィルム、
(20)低屈折率層のバインダーポリマーが含フッ素ポリマーであり、該含フッ素ポリマーがパーフルオロオレフィン共重合体であることを特徴とする(1)〜(19)のいずれかに記載の反射防止フィルム、
(21)低屈折率層のバインダーポリマーが含フッ素ポリマーであり、該含フッ素ポリマーが側鎖にラジカル重合性基またはカチオン開環重合性基を有する繰り返し単位を有するポリマーであることを特徴とする(1)〜(20)のいずれかに記載の反射防止フィルム、
(22)透明支持体上に、少なくともハードコート層とバインダーポリマーを含む低屈折率層とを塗設する(1)〜(21)のいずれかに記載の反射防止フィルムを製造するに当り、前記ハードコート層用塗布液および/または前記低屈折率層用塗布液が、前記(a)で表されるオルガノシランの加水分解物および/またはその部分縮合物、前記(b)で表される金属キレート化合物、ならびに(c)一般式R4COCH2COR5(式中、R4およびR5は前記(b)に同じ意味をもつ)で表されるβ−ジケトン化合物および/またはβ−ケトエステル化合物を含有することを特徴とする反射防止フィルムの製造方法、
(23)(b)で表される金属キレート化合物が(a)で表されるオルガノシランの加水分解物および/またはその部分縮合物の0.01〜50質量%含まれ、かつ、(c)β−ジケトン化合物および/またはβ−ケトエステル化合物が(b)金属キレート化合物1モルに対し2モル以上含まれていることを特徴とする(22)に記載の反射防止フィルムの製造方法、
(24)透明支持体上に低屈折率層を形成した後、鹸化処理することを特徴とする(22)または(23)に記載の反射防止フィルムの製造方法、
(25)低屈折率層が塗布工程により形成され、該低屈折率層用塗布液の溶媒が少なくとも1種の溶媒からなり、該溶媒の50〜100質量%が沸点100℃以下の溶媒からなることを特徴とする(22)〜(24)のいずれかに記載の反射防止フィルムの製造方法、
(26)低屈折率層用塗布液の溶媒がケトン化合物および/またはエステル化合物であることを特徴とする(22)〜(25)のいずれかに記載の反射防止フィルムの製造方法、
(27)ロール形態の透明支持体を連続的に巻き出し、該巻き出された支持体の一方の側に、少なくとも前記ハードコート層および/または前記低屈折率層を、マイクログラビアコート法によって塗工することを特徴とする(22)〜(26)のいずれかに記載の反射防止フィルムの製造方法、
(28)(1)〜(21)のいずれかに記載の反射防止フィルムまたは(22)〜(27)のいずれかに記載の製造方法で製造された反射防止フィルムを、偏光板における偏光層の2枚の保護フィルムのうちの少なくとも一方に用いたことを特徴とする偏光板、
(29)(1)〜(21)のいずれかに記載の反射防止フィルム、(22)〜(27)のいずれかに記載の製造方法で製造された反射防止フィルムまたは(28)に記載の偏光板を有するディスプレイ装置で、前記低屈折率層が視認側になるように配置したことを特徴とするディスプレイ装置、
(30)オルガノシランの加水分解物および/またはその部分縮合物(好ましくは、前記(a)のもの)、少なくとも1種の金属キレート化合物(好ましくは、前記(b)のもの)、およびバインダー樹脂(バインダーポリマー)からなる光学フィルム用樹脂組成物、
(31)酸触媒の存在下で製造されてなる、下記一般式(1)で表されるオルガノシランの加水分解物および/またはその部分縮合物を含有することを特徴とする硬化性組成物、
一般式(1)
(R10−Si(X)4−m
(式中、R10は置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を表す。Xは水酸基または加水分解可能な基を表す。mは1〜3の整数を表す。)
(32)R10が重合性置換基を含むことを特徴とする(31)記載の硬化性組成物、
(33)前記重合性置換基がラジカル重合性基であることを特徴とする(32)記載の硬化性組成物、
(34)前記重合性置換基を含有するオルガノシランが下記一般式(2)で表されることを特徴とする(33)記載の硬化性組成物、
一般式(2)
Figure 2004170901
(式中、Rは水素原子もしくはメチル基、メトキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子を表す。Yは単結合もしくはエステル基、アミド基、エーテル基又はウレア基を表す。Lは2価の連結鎖を表す。nは0または1を表す。R10は置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を表す。Xは水酸基または加水分解可能な基を表す。)
(35)該オルガノシランの加水分解物および/またはその部分縮合物における分子量300以上の成分のうち、分子量1000〜20000の成分が80質量%以上であることを特徴とする(31)〜(34)のいずれかに記載の硬化性組成物、
(36)用いる酸触媒が有機酸であることを特徴とする(31)〜(35)のいずれかに記載の硬化性組成物、
(37)(a)好ましくは上記一般式(1)で表される水酸基または加水分解可能な基がケイ素に直接結合しているオルガノシランの加水分解物および/またはその部分縮合物、並びに(b)一般式ROH(式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基を示す。)で表されるアルコールと一般式RCOCHCOR(式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基を、Rは炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のアルコキシ基を示す。)で表される化合物とを配位子とした、Zr、TiまたはAlから選ばれる金属を中心金属とする少なくとも1種の金属キレート化合物を含んでいることを特徴とする硬化性組成物、
(38)(31)〜(37)のいずれかに記載の硬化性組成物を硬化して得られる硬化被膜、
(39)(31)〜(37)のいずれかに記載のオルガノシランの加水分解物および/またはその部分縮合物とバインダーポリマーとを含んでなる硬化性組成物を硬化させて得られる硬化被膜、
(40)バインダーポリマーが含フッ素ポリマーを含むことを特徴とする(39)記載の硬化被膜、
(41)オルガノシランの加水分解物および/または部分縮合物の29Si−NMR分析による縮合度が0.5〜3.5であることを特徴とする(38)〜(40)のいずれかに記載の硬化被膜、
(42)透明支持体上に、少なくともハードコート層と低屈折率層とを有する反射防止フィルムであって、該ハードコート層および/または低屈折率層が、(38)〜(41)のいずれかに記載の硬化被膜からなることを特徴とする反射防止フィルム、
(43)低屈折率層のバインダーポリマーが含フッ素ポリマーを含むことを特徴とする(42)記載の反射防止フィルム、
(44)オルガノシランの一部あるいは全てが、置換基R10として(メタ)アクリロイル基またはエポキシ基を含有する基であることを特徴とする(42)又は(43)に記載の反射防止フィルム、
(45)該酸触媒が、水中での酸解離定数(pKa値(25℃))が4.5以下の有機酸であることを特徴とする(42)〜(44)のいずれかに記載の反射防止フィルム、
(46)該オルガノシランの加水分解物および/またはその部分縮合物が溶媒にアルコールを用いて製造されたことを特徴とする(45)に記載の反射防止フィルム、
(47)該オルガノシランの加水分解物および/またはその部分縮合物が溶媒にアルコールを用い、実質的に水を添加せずに製造されたことを特徴とする(45)に記載の反射防止フィルム、
(48)該低屈折率層における、含フッ素ポリマーに対するオルガノシランの加水分解物および/またはその部分縮合物の使用量が5〜100質量%であることを特徴とする(42)〜(47)のいずれかに記載の反射防止フィルム、
(49)該ハードコート層の少なくとも1層が防眩性ハードコート層であることを特徴とする(42)〜(48)のいずれかに記載の反射防止フィルム、
(50)該防眩性ハードコート層の下層に、さらに防眩性を有しないハードコート層を有することを特徴とする(49)に記載の反射防止フィルム、
(51)該防眩性ハードコート層がバインダーと平均粒径1.0〜10.0μmのマット粒子から形成され、該バインダーの屈折率が1.48〜2.00であることを特徴とする(49)または(50)に記載の反射防止フィルム、
(52)該マット粒子が粒径の異なる2種類以上の粒子によって構成されていることを特徴とする(51)に記載の反射防止フィルム、
(53)該マット粒子として、平均粒子径より20%以上大きな粒子径を持つ粒子数が全粒子数の1%以下であることを特徴とする(51)または(52)に記載の反射防止フィルム、
(54)該ハードコート層にジルコニウム、チタン、アルミニウム、インジウム、亜鉛、錫、アンチモン、およびケイ素のうちより選ばれる少なくとも1つの酸化物からなる無機フィラーを含有することを特徴とする(42)〜(53)のいずれかに記載の反射防止フィルム、
(55)該低屈折率層にシリカ、およびフッ化マグネシウムより選ばれる無機フィラーを含有することを特徴とする(42)〜(54)のいずれかに記載の反射防止フィルム、
(56)該低屈折率層において、粒子径の異なる無機フィラー粒子を含むことを特徴とする(55)に記載の反射防止フィルム、
(57)該防眩性ハードコート層より下層の防眩性を有しないハードコート層にシリカ、およびアルミナより選ばれる無機フィラーを含有することを特徴とする(50)〜(54)のいずれかに記載の反射防止フィルム、
(58)全てのハードコート層および低屈折率層に無機フィラー粒子を含有することを特徴とする(42)〜(57)のいずれかに記載の反射防止フィルム、
(59)該無機フィラーの平均粒径が0.001〜0.2μmであることを特徴とする(54)〜(58)のいずれかに記載の反射防止フィルム、
(60)該低屈折率層側の表面の動摩擦係数が0.03〜0.15であり、かつ、水に対する接触角が90〜120°であることを特徴とする(42)〜(59)のいずれかに記載の反射防止フィルム、
(61)該ハードコート層の表面エネルギーが25mN・m-1〜70mN・m-1であることを特徴とする(42)〜(60)のいずれかに記載の反射防止フィルム、
(62)該防眩性ハードコート層がフッ素系および/またはシリコーン系の界面活性剤を含有することを特徴とする(49)〜(61)のいずれかに記載の反射防止フィルム、
(63)該防眩性ハードコート層が、X線光電子分光法で測定したフッ素原子由来のピークと炭素原子由来のピークとの比であるF/Cが0.40以下、および/またはシリコン原子由来のピークと炭素原子由来のピークとの比であるSi/Cが0.30以下であることを特徴とする(49)〜(62)のいずれかに記載の反射防止フィルム、
(64)ヘイズが3.0〜60.0%(好ましくは、3.0〜50.0%)であり、450〜650nmの波長の光に対する平均反射率が3.0%以下(好ましくは、2.2%以下)であることを特徴とする(42)〜(63)のいずれかに記載の反射防止フィルム、
(65)該透明支持体がトリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、またはポリエチレンナフタレートであることを特徴とする(42)〜(64)のいずれかに記載の反射防止フィルム、
(66)低屈折率層を有する側とは反対側の透明支持体の表面の水に対する接触角が40゜以下であることを特徴とする(42)〜(65)のいずれかに記載の反射防止フィルム、
(67)含フッ素ポリマーがパーフルオロオレフィン共重合体であることを特徴とする(42)〜(66)のいずれかに記載の反射防止フィルム、
(68)含フッ素ポリマーが側鎖にラジカル重合性基またはカチオン開環重合性基を有する繰り返し単位を有するポリマーであることを特徴とする(42)〜(67)のいずれかに記載の反射防止フィルム、
(69)オルガノシランの一部あるいは全てが、置換基R10として(メタ)アクリロイル基またはエポキシ基を含有する基であり、該オルガノシランの加水分解物および/またはその部分縮合物が有機酸の存在下に製造されたことを特徴とする(42)〜(68)のいずれかに記載の反射防止フィルム、
(70)前記反射防止層と前記透明支持体との間に少なくとも1層の前方散乱層を有することを特徴とする(42)〜(69)のいずれかに記載の反射防止フィルム、
(71)透明支持体上に、少なくともハードコート層と低屈折率層とを塗設する反射防止フィルムを製造するに当り、前記ハードコート層用塗布液および/または前記低屈折率層用塗布液が、(31)〜(37)のいずれかに記載の硬化性組成物を含有することを特徴とする反射防止フィルムの製造方法、
(72)透明支持体上に、少なくともハードコート層とバインダーポリマーを含む低屈折率層とを塗設する(42)〜(70)のいずれかに記載の反射防止フィルムを製造するに当り、前記ハードコート層用塗布液および/または前記低屈折率層用塗布液が、前記(a)で表されるオルガノシランの加水分解物および/またはその部分縮合物、(b)で表される金属キレート化合物、並びに(c)一般式RCOCHCOR(式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基を、Rは炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のアルコキシ基を示す。)で表されるβ−ジケトン化合物および/またはβ−ケトエステル化合物を含有することを特徴とする反射防止フィルムの製造方法、
(73)(b)で表される金属キレート化合物が(a)で表されるオルガノシランの加水分解物および/またはその部分縮合物の0.01〜50質量%含まれ、かつ、(c)で表されるβ−ジケトン化合物および/またはβ−ケトエステル化合物が(b)で表される金属キレート化合物1モルに対し2モル以上含まれていることを特徴とする(72)に記載の反射防止フィルムの製造方法、
(74)透明支持体上に低屈折率層を形成した後、鹸化処理することを特徴とする(71)〜(73)のいずれかに記載の反射防止フィルムの製造方法、
(75)低屈折率層が塗布工程により形成され、該低屈折率層用塗布液の溶媒が少なくとも1種の溶媒からなり、該溶媒の50〜100質量%が沸点100℃以下の溶媒からなることを特徴とする(71)〜(74)のいずれかに記載の反射防止フィルムの製造方法、
(76)低屈折率層用塗布液の溶媒がケトン化合物および/またはエステル化合物であることを特徴とする(71)〜(75)のいずれかに記載の反射防止フィルムの製造方法、
(77)ロール形態の透明支持体を連続的に巻き出し、該巻き出された支持体の一方の側に、少なくとも前記ハードコート層および/または前記低屈折率層を、マイクログラビアコート法によって塗工することを特徴とする(71)〜(76)のいずれかに記載の反射防止フィルムの製造方法、
(78)(42)〜(70)のいずれかに記載の反射防止フィルムまたは(71)〜(77)のいずれかに記載の製造方法で製造された反射防止フィルムを、偏光板における偏光層の2枚の保護フィルムのうちの少なくとも一方に用いたことを特徴とする偏光板、
(79)(42)〜(70)のいずれかに記載の反射防止フィルム、(71)〜(77)のいずれかに記載の製造方法で製造された反射防止フィルムまたは(78)に記載の偏光板を有するディスプレイ装置で、前記低屈折率層が視認側になるように配置したことを特徴とするディスプレイ装置、
(80)2枚の表面保護フィルムを偏光子の表面と裏面に張り合わせた偏光板であり、(42)〜(70)のいずれかに記載の反射防止フィルム、(74)に記載の反射防止フィルム(その反射防止層)を形成後に、アルカリ液中に少なくとも一回浸漬することで、該フィルムの裏面を鹸化処理した反射防止フィルムを少なくとも片面の表面保護フィルムに用いたことを特徴とする偏光板、
(81)2枚の表面保護フィルムを偏光子の表面と裏面に張り合わせた偏光板であり、(42)〜(70)のいずれかに記載の反射防止フィルムの反射防止層の形成前または後に、アルカリ液を該反射防止フィルムの反射防止層を形成する面の反対側の面に塗布し、加熱、水洗および/または中和することで、該フィルムの裏面だけを鹸化処理した反射防止フィルムを少なくとも片面の表面保護フィルムに用いたことを特徴とする偏光板、
(82)前記表面保護フィルムのうちの反射防止フィルム以外のフィルムが、該表面保護フィルムの偏光子と反対側の面に光学異方層を含んでなる光学補償層を有する光学補償フィルムであり、該光学異方層がディスコティック構造単位を有する化合物からなる負の複屈折を有する層であり、該ディスコティック構造単位の円盤面が該表面保護フィルム面に対して傾いており、かつ該ディスコティック構造単位の円盤面と該表面保護フィルム面とのなす角度が、光学異方層の深さ方向において変化していることを特徴とする(80)または(81)に記載の偏光板、
(83)(80)〜(82)のいずれかに記載の偏光板を少なくとも1枚有するTN、STN、VA、IPS、OCBのモードの透過型、反射型、または半透過型の液晶表示装置、
(84)(80)〜(82)のいずれかに記載の偏光板を少なくとも1枚有する透過型または半透過型の液晶表示装置であり、視認側とは反対側の偏光板とバックライトとの間に、偏光選択層を有する偏光分離フィルムを配置することを特徴とする液晶表示装置、及び
(85)(80)または(81)に記載の偏光板の反射防止フィルムとは反対側の透明保護フィルムに、λ/4板を配置したことを特徴とする有機ELディスプレイ用表面保護版
を提供するものである。
本発明の硬化性組成物は透明性と密着性に優れた硬化被膜を形成することができる。
例えば前記組成物より作製される本発明の反射防止フィルムは、十分な反射防止性能と防汚性を有しながら耐傷性に優れる。また、本発明の反射防止フィルムの製造方法によれば、上記反射防止フィルムを高い生産性で安定して得ることができる。
さらに、このような反射防止フィルムを用いた本発明の偏光板およびディスプレイ装置は十分な反射防止性能を有し視認性に優れる。
また、本発明の硬化被膜は、透明性と密着性に優れる。
本発明の実施の一形態として好適な反射防止フィルムの基本的な構成を図面を参照しながら説明する。
図1に模式的に示される態様は本発明の反射防止フィルムの一例を示す断面図であり、この場合、反射防止フィルム1は、透明支持体2、ハードコート層3、防眩性ハードコート層4、そして屈折率が最も低い低屈折率層5の順序の層構成を有する。防眩性ハードコート層4には、微粒子(マット粒子)6が分散しており、防眩性ハードコート層4の微粒子6以外の部分の素材の屈折率が1.48〜2.00の範囲(より好ましくは、1.57〜2.00の範囲)にあることが好ましく、低屈折率層5の屈折率は1.38〜1.49の範囲にあることが好ましい。本発明においてはハードコート層はこのように防眩性を有するハードコート層でもよいし、防眩性を有しないハードコート層でもよく、1層でもよいし、複数層、例えば2層乃至4層で構成されていてもよい。従って図1に示したハードコート層3は必須ではないがフィルム強度付与のために塗設されることが好ましい。同様に低屈折率層においても1層で構成されていてもよいし、複数層で構成されていてもよい。
本発明のハードコート層と低屈折率層のうちの少なくとも1層には、オルガノシラン化合物の加水分解物/またはその部分縮合物、いわゆるゾル成分(以降このようにもあるいはオルガノシランゾルとも称する)を含有する。
本発明においては、ハードコート層と低屈折率層のうちの少なくとも1層に、前記(a)で表されるオルガノシランの加水分解物および/またはその部分縮合物、および前記(b)で表される金属キレート化合物を含むことが好ましい。さらに、ハードコート層乃至低屈折率層を形成する塗布液にはポットライフを高めるために上記(a)、(b)に加えて前記(c)で表されるβ−ジケトン化合物および/またはβ−ケトエステル化合物を含むことが好ましい。
(a)オルガノシラン化合物
オルガノシラン化合物は、下記一般式(A)で表される。
一般式(A)
(R10m1−Si(X)n1
一般式(A)においてR10は置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。アルキル基としてはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ヘキシル、t−ブチル、sec−ブチル、ヘキシル、デシル、ヘキサデシル等が挙げられる。アルキル基として好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは1〜6のものである。アリール基としてはフェニル、ナフチル等が挙げられ、好ましくはフェニル基である。
Xは水酸基または加水分解可能な基を表し加水分解可能な基として、例えばアルコキシ基(炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましい。例えばメトキシ基、エトキシ基等が挙げられる)、ハロゲン原子(例えばCl、Br、I等)、又はRCOO(Rは水素原子または炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。例えばCHCOO、CCOO等が挙げられる)が挙げられ、好ましくはアルコキシ基であり、特に好ましくはメトキシ基またはエトキシ基である。
m1は0〜3の整数を表す。n1は1〜4の整数を表す。m1とn1の合計は4である。R10もしくはXが複数存在するとき、複数のR10もしくはXはそれぞれ同じであっても異なっていても良い。m1として好ましくは0、1、2であり、より好ましくは1,2であり、特に好ましくは1である。
10に含まれる置換基としては特に制限はないが、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、エポキシ基、アルキル基(メチル、エチル、i−プロピル、プロピル、t−ブチル等)、アリール基(フェニル、ナフチル等)、芳香族ヘテロ環基(フリル、ピラゾリル、ピリジル等)、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、i−プロポキシ、ヘキシルオキシ等)、アリールオキシ(フェノキシ等)、アルキルチオ基(メチルチオ、エチルチオ等)、アリールチオ基(フェニルチオ等)、アルケニル基(ビニル、1−プロペニル等)、アルコキシシリル基(トリメトキシシリル、トリエトキシシリル等)、アシルオキシ基(アセトキシ、アクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシ等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル、エトキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(フェノキシカルボニル等)、カルバモイル基(カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N−メチル−N−オクチルカルバモイル等)、アシルアミノ基(アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、アクリルアミノ、メタクリルアミノ等)等が挙げられ、これら置換基は更に置換されていても良い。
これらのうちで好ましくは水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、エポキシ基、アルキル基、アルコキシシリル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基であり、さらに好ましくはエポキシ基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミノ基である。
本発明において、一般式(A)で表されるオルガノシラン化合物のうち、少なくとも一つはR10を有する、一般式(1)で表されるオルガノシラン化合物が好ましい。
一般式(1)
(R10−Si(X)4−m
一般式(1)において、R10およびXは一般式(A)におけるR10およびXと同義であり、その具体例や好ましい基の例も一般式(A)におけるR10およびXと同様である。
mは1〜3の整数を表す。R10もしくはXが複数存在するとき、複数のR10もしくはXはそれぞれ同じであっても異なっていても良い。mとして好ましくは1、2であり、特に好ましくは1である。
10が複数ある場合は、少なくとも一つが、置換アルキル基もしくは置換アリール基であることが好ましく、中でも、一般式(2)で表されるビニル重合性の置換基を有するオルガノシラン化合物が好ましい。
一般式(2)
Figure 2004170901
一般式(2)においてRは水素原子もしくはメチル基、メトキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子を表す。アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる。水素原子、メチル基、メトキシ基、メトキシカルボニル基、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子が好ましく、水素原子、メチル基、メトキシカルボニル基、フッ素原子又は塩素原子が更に好ましく、水素原子又はメチル基が特に好ましい。
Yは単結合もしくはエステル基、アミド基、エーテル基又はウレア基を表す。単結合もしくはエステル基又はアミド基が好ましく、単結合もしくはエステル基が更に好ましく、エステル基が特に好ましい。
Lは2価の連結鎖を表す。具体的には、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、内部に連結基(例えば、エーテル、エステル、アミド。以下、同義である。)を有する置換もしくは無置換のアルキレン基、内部に連結基を有する置換もしくは無置換のアリーレン基が挙げられ、置換もしくは無置換の炭素数2〜10のアルキレン基、置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリーレン基、内部に連結基を有する炭素数3〜10のアルキレン基が好ましく、無置換のアルキレン基、無置換のアリーレン基、内部にエーテル、あるいは、エステル連結基を有するアルキレン基が更に好ましく、無置換のアルキレン基、内部にエーテル、あるいは、エステル連結基を有するアルキレン基が特に好ましい。置換基は、ハロゲン、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、エポキシ基、アルキル基、アリール基等が挙げられ、これら置換基は更に置換されていても良い。
nは0または1を表す。Xが複数存在するとき、複数のXはそれぞれ同じであっても異なっていても良い。nとして好ましくは0である。
10は一般式(A)と同義であり、置換もしくは無置換のアルキル基、無置換のアリール基が好ましく、無置換のアルキル基、無置換のアリール基が更に好ましい。
Xは一般式(A)と同義であり、ハロゲン、水酸基、無置換のアルコキシ基が好ましく、塩素、水酸基、無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基が更に好ましく、水酸基、炭素数1〜3のアルコキシ基が更に好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
一般式(A)、一般式(1)および一般式(2)の化合物は2種類以上を併用しても良い。以下に一般式(A)、一般式(1)または一般式(2)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2004170901
Figure 2004170901
Figure 2004170901
Figure 2004170901
Figure 2004170901
Figure 2004170901
Figure 2004170901
(M−48) 3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)
(M−49) 3−アセトキシプロピルトリメトキシシラン
(M−50) テトラエトキシシラン
(M−51) テトラプロポキシシラン
(M−52) テトライソプロポキシシラン
(M−53) テトラアセトキシシラン
(M−54) ジアセトキシジエトキシシラン
(M−55) (CH3O)3-Si-(CH2)4-Si-(OCH3)3
(M−56) (CH3O)3-Si-(CH2)6-Si-(OCH3)3
(M−57) (CH3O)2-Si(CH3)-(CH2)4-Si(CH3)-(OCH3)2
(M−58) H2C=CH-CONH(CH2)3-Si-(OCH3)3
(M−59) H2C=CH-CONH(CH2)4-Si-(OCH3)3
Figure 2004170901
(M−61) HOOC-(CH2)3-Si(CH3)-(OCH3)2
(M−62)メチルトリメトキシシラン
これらの具体例の中で、(M−1)、(M−2)、(M−25)、(M−48)、(M−49)、(M−50)等が特に好ましい。
本発明の効果を得るためには、オルガノシランの加水分解物および/またはその部分縮合物における前記ビニル重合性基を含有するオルガノシランの含有量は、30質量%〜100質量%が好ましく、50質量%〜100質量%がより好ましく、70質量%〜100質量%が更に好ましく、90質量%〜100質量%が特に好ましい。前記ビニル重合性基を含有するオルガノシランの含有量が少なすぎると、固形分が生じたり、液が濁ったり、ポットライフが悪化したり、分子量の制御が困難(分子量の増大)であったり、重合性基の含有量が少ないために重合処理を行った場合の性能(例えば反射防止膜の耐傷性)の向上が得られにくいために好ましくない。
本発明に用いられる前記(a)成分は上記オルガノシランを加水分解および/または部分縮合することにより調製される。
加水分解および/または縮合反応は、例えば加水分解性基(X)1モルに対して0.3〜2.0モル、好ましくは0.5〜1.0モルの水を添加し、本発明に用いられる前記(b)金属キレート化合物の存在下、25〜100℃で、撹拌することにより行われる。
オルガノシランの加水分解物および/またはその部分縮合物において、ビニル重合性基を含有するオルガノシランを含有するオルガノシランの加水分解物および/またはその部分縮合物の質量平均分子量は、分子量が300未満の成分を除いた場合に、1000〜20000が好ましく、1000〜10000がより好ましく、1100〜5000が更に好ましく、1200〜3000が更に好ましく、1200〜2000が更に好ましい。
オルガノシランの加水分解物および/またはその部分縮合物における分子量が300以上の成分のうち、分子量が20000より大きい成分は20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることが更に好ましく、6質量%以下であることが更に好ましく、4質量%以下であることが特に好ましい。
また、オルガノシランの加水分解物および/またはその部分縮合物における分子量300以上の成分のうち、分子量1000〜20000の成分は80質量%以上であることが好ましい。分子量1000〜20000の成分が少なすぎると、そのようなオルガノシランの加水分解物および/またはその部分縮合物を含有する硬化性組成物を硬化させて得られる硬化皮膜は、透明性や基板との密着性が劣る場合がある。
ここで、質量平均分子量及び分子量は、TSKgel GMHxL、TSKgel G4000HxL、TSKgel G2000HxL(何れも東ソー(株)製の商品名)のカラムを使用したGPC分析装置により、溶媒THF、示差屈折計検出によるポリスチレン換算で表した分子量であり、含有量は、分子量が300以上の成分のピーク面積を100%とした場合の、前記分子量範囲のピークの面積%である。
分散度(質量平均分子量/数平均分子量)は3.0〜1.1が好ましく、2.5〜1.1がより好ましく、2.0〜1.1が更に好ましく、1.5〜1.1が特に好ましい。
オルガノシランの加水分解物および/または部分縮合物の29Si−NMR分析により一般式(A)、(1)のXが−OSiの形で縮合している状態を確認できる。
この時、Siの3つの結合が−OSiの形で縮合している場合(T3)、Siの2つの結合が−OSiの形で縮合している場合(T2)の比率(T3/T2)を縮合度とした場合に、縮合度は0.5〜3.5が好ましく、0.5〜3.0がより好ましく、0.7〜2.5がとくに好ましい。
前記縮合度が小さすぎると加水分解や縮合が十分でなく、モノマー成分が増えるため硬化が十分でない。一方、大きすぎると加水分解や縮合が進みすぎ、加水分解可能な基が消費されてしまうため、バインダーポリマー、樹脂基板、無機微粒子などの相互作用が低下してしまい、これらを用いても効果が得られにくくなる。
オルガノシランの加水分解および/または縮合反応は、無溶媒でも、溶媒中でも行うことができる。この反応により、本発明の硬化性組成物を製造することができる。溶媒を用いる場合はオルガノシランの加水分解物および/またはその部分縮合物の濃度を適宜に定めることができる。溶媒としては成分を均一に混合するために有機溶媒を用いることが好ましく、例えばアルコール類、芳香族炭化水素類、エーテル類、ケトン類、エステル類などが好適である。
溶媒はオルガノシランと触媒を溶解させるものが好ましい。また、有機溶媒が塗布液あるいは塗布液の一部として用いられることが工程上好ましく、含フッ素ポリマーなどのその他の素材と混合した場合に、溶解性あるいは分散性を損なわないものが好ましい。
このうち、アルコール類としては、例えば1価アルコールまたは2価アルコールを挙げることができ、このうち1価アルコールとしては炭素数1〜8の飽和脂肪族アルコールが好ましい。これらのアルコール類の具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec −ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテルなどを挙げることができる。
また、芳香族炭化水素類の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどを、エーテル類の具体例としては、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど、ケトン類の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトンなどを、エステル類の具体例としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、炭酸プロピレンなどを挙げることができる。
これらの有機溶媒は、1種単独であるいは2種以上を混合して使用することもできる。該反応における溶媒に対する固形分の濃度は特に限定されるものではないが通常1質量%〜90質量%の範囲であり、好ましくは20質量%〜70質量%の範囲である。
オルガノシランの加水分解および/または縮合反応は、触媒の存在下で行われることが好ましい。触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸類;シュウ酸、酢酸、ギ酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸等の有機酸類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の無機塩基類;トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基類;トリイソプロポキシアルミニウム、テトラブトキシジルコニウム等の金属アルコキシド類等が挙げられるが、ゾル液の製造安定性やゾル液の保存安定性の点から、本発明においては、酸触媒(無機酸類、有機酸類)が用いられる。無機酸では塩酸、硫酸、有機酸では、水中での酸解離定数(pKa値(25℃))が4.5以下のものが好ましく、塩酸、硫酸、水中での酸解離定数が3.0以下の有機酸がより好ましく、塩酸、硫酸、水中での酸解離定数が2.5以下の有機酸が更に好ましく、水中での酸解離定数が2.5以下の有機酸が更に好ましく、メタンスルホン酸、シュウ酸、フタル酸、マロン酸が更に好ましく、シュウ酸が特に好ましい。
加水分解および/または縮合反応は、通常、オルガノシランの加水分解性基1モルに対して0.3〜2モル、好ましくは0.5〜1モルの水を添加し、上記溶媒の存在下あるいは非存在下に、そして酸触媒の存在下に、25〜100℃で、撹拌することにより行われる。
加水分解性基がアルコキシ基で酸触媒が有機酸の場合には、有機酸のカルボキシル基やスルホ基がプロトンを供給するために、水の添加量を減らすことができ、オルガノシランのアルコキシ基等の加水分解性基1モルに対する水の添加量は、0〜2モル、好ましくは0〜1.5モル、より好ましくは、0〜1モル、特に好ましくは、0〜0.5モルである。アルコールを溶媒に用いた場合には、実質的に水を添加しない場合も好適である。
酸触媒の使用量は、酸触媒が無機酸の場合には加水分解性基に対して0.01〜10モル%、好ましくは0.1〜5モル%であり、酸触媒が有機酸の場合には、水の添加量によって最適な使用量が異なるが、水を添加する場合には加水分解性基に対して0.01〜10モル%、好ましくは0.1〜5モル%であり、実質的に水を添加しない場合には、加水分解性基に対して1〜500モル%、好ましくは10〜200モル%であり、より好ましくは20〜200モル%であり、更に好ましくは50〜150モル%であり、特に好ましくは50〜120モル%である。
反応は25〜100℃で撹拌することにより行われるがオルガノシランの反応性により調節されることが好ましい。
オルガノシランのゾルの含有量は、添加する層によっても異なるが、低屈折率層の添加量は含有層(添加層)の全固形分の0.1〜50質量%が好ましく、0.5〜20質量%がより好ましく、1〜10質量%が特に好ましい。低屈折率層以外の層への添加量は、含有層(添加層)の全固形分の0.001〜50質量%が好ましく、0.01〜20質量%がより好ましく、0.05〜10質量%が更に好ましく、0.1〜5質量%が特に好ましい。
低屈折率層における、含フッ素ポリマーに対するオルガノシランのゾルの使用量(比)は、5〜100質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましく、8〜35質量%が更に好ましく、10〜30質量%が特に好ましい。使用量が少なすぎると本発明の効果が得にくく、使用量が多すぎると屈折率が増加したり、膜の形状・面状が悪化したりするので好ましくない。
(b)金属キレート化合物
金属キレート化合物は、一般式ROH(式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基を示す。)で表されるアルコールと一般式RCOCHCOR(式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基を、Rは炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のアルコキシ基を示す。)で表される化合物とを配位子とした、Zr、TiまたはAlから選ばれる金属を中心金属とするものであれば特に制限なく好適に用いることができる。この範疇であれば、2種以上の金属キレート化合物を併用しても良い。本発明に用いられる金属キレート化合物は、一般式Zr(OR)p1(RCOCHCOR)p2、Ti(OR)q1(RCOCHCOR)q2およびAl(OR)r1(RCOCHCOR)r2で表される化合物群から選ばれるものが好ましく、前記(a)成分の縮合反応を促進する作用をなす。
金属キレート化合物中のRおよびRは、同一または異なってもよく炭素数1〜10のアルキル基、具体的にはエチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、フェニル基などである。また、Rは、前記と同様の炭素数1〜10のアルキル基のほか、炭素数1〜10のアルコキシ基、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基などである。また、金属キレート化合物中のp1、p2、q1、q2、r1およびr2は、4あるいは6座配位となるように決定される整数を表す。
これらの金属キレート化合物の具体例としては、トリ−n−ブトキシエチルアセトアセテートジルコニウム、ジ−n−ブトキシビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、n−ブトキシトリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(n−プロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウムなどのジルコニウムキレート化合物;ジイソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセトン)チタニウムなどのチタニウムキレート化合物;ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、ジイソプロポキシアセチルアセトナートアルミニウム、イソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、イソプロポキシビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノアセチルアセトナート・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウムなどのアルミニウムキレート化合物などが挙げられる。
これらの金属キレート化合物のうち好ましいものは、トリ−n−ブトキシエチルアセトアセテートジルコニウム、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタニウム、ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウムである。これらの金属キレート化合物は、1種単独であるいは2種以上混合して使用することができる。また、(b)成分としては、これらの金属キレート化合物の部分加水分解物を使用することもできる。
(b)成分の金属キレート化合物は、(a)成分の原料であるオルガノシランに対し、好ましくは、0.01〜50質量%、より好ましくは、0.1〜50質量%、さらに好ましくは、0.5〜10質量%の割合で用いられる。(b)成分が少なすぎると、(a)成分の縮合反応が遅く、塗膜の耐久性が悪化するおそれがあり、一方多すぎると、(a)成分と(b)成分を含有してなる組成物の保存安定性が悪化するおそれがあり好ましくない。
本発明に用いられるハードコート層乃至低屈折率層の塗布液には上記(a)成分および(b)成分(例えばこれらを含む組成物として)に加えて、前記(c)成分が添加されることが好ましい。以下に、(c)成分をさらに説明する。
(c)成分
本発明で使用される(c)成分は、一般式RCOCHCORで表されるβ−ジケトン化合物および/またはβ−ケトエステル化合物であり、本発明に用いられる組成物の安定性向上剤として作用するものである。すなわち、前記(b)成分の金属キレート化合物(ジルコニウム、チタニウムおよび/またはアルミニウム化合物)中の金属原子に配位することにより、これらの金属キレート化合物による(a)〜(b)成分の縮合反応を促進する作用を抑制し、得られる組成物の保存安定性を向上させる作用をなすものと考えられる。(c)成分を構成するRおよびRは、前記(b)金属キレート化合物を構成するRおよびRと同様である。
この(c)成分のβ−ジケトン化合物および/またはβ−ケトエステル化合物の具体例としては、アセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸−n−プロピル、アセト酢酸−i−プロピル、アセト酢酸−n−ブチル、アセト酢酸−sec−ブチル、アセト酢酸−t−ブチル、2,4−ヘキサン−ジオン、2,4−ヘプタン−ジオン、3,5−ヘプタン−ジオン、2,4−オクタン−ジオン、2,4−ノナン−ジオン、5−メチル−ヘキサン−ジオンなどを挙げることができる。これらのうち、アセト酢酸エチルおよびアセチルアセトンが好ましく、特にアセチルアセトンが好ましい。これらのβ−ジケトン化合物および/またはβ−ケトエステル化合物は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することもできる。本発明において(c)成分のβ−ジケトン化合物および/またはβ−ケトエステル化合物は、(b)成分の金属キレート化合物1モルに対し好ましくは2モル以上、より好ましくは3〜20モル用いられる。少なすぎると得られる組成物の保存安定性に劣るおそれがあり好ましいものではない。
上記(a)成分の含有量は、比較的薄膜である表面層の場合は少なく、厚膜である下層の場合は多いことが好ましいが、含有層(添加層)の全固形分の0.1〜50質量%が好ましく、0.5〜20質量%がより好ましく、1〜10質量%が最も好ましい。
本発明においてはまず前記(a)、(b)成分を含有する組成物を調製し、これに(c)成分を添加した液をハードコート層乃至低屈折率層の少なくとも1層の塗布液に含有せしめて塗設することが好ましい。
本発明の反射防止フィルムは透明支持体上にハードコート層を有し、さらにその上に低屈折率層を有するが、要求される性能に応じ、該ハードコートの一層を防眩性ハードコート層とした反射防止フィルムとすることができる。
本発明の反射防止フィルムでは膜強度を向上させる目的で防眩性ハードコート層の下層にさらに防眩性ではないハードコート層を設けることもできる。
さらに支持体上の各層に無機フィラーを添加することが好ましい。各層に添加する無機フィラーはそれぞれ同じでも異なっていても良く、各層の屈折率、膜強度、膜厚、塗布性などの必要性能に応じて、種類、添加量は調節されることが好ましい。
本発明に使用する無機フィラー形状は特に制限されるものではなく、例えば、球状、板状、繊維状、棒状、不定形、中空等のいずれも好ましく用いられるが、球状が分散性がよくより好ましい。また、無機フィラーの種類についても特に制限されるものではないが、非晶質のものが好ましく用いられ、金属の酸化物、窒化物、硫化物またはハロゲン化物からなることが好ましく、金属酸化物が特に好ましい。金属原子としては、Na、K、Mg、Ca、Ba、Al、Zn、Fe、Cu、Ti、Sn、In、W、Y、Sb、Mn、Ga、V、Nb、Ta、Ag、Si、B、Bi、Mo、Ce、Cd、Be、PbおよびNi等が挙げられる。無機フィラーの平均粒子径は、透明な硬化膜を得るためには、0.001〜0.2μmの範囲内の値とするのが好ましく、より好ましくは0.001〜0.1μm、さらに好ましくは0.001〜0.06μmである。ここで、粒子の平均粒径はコールターカウンターにより測定される。
本発明における無機フィラーの使用方法は特に制限されるものではないが、例えば、乾燥状態で使用することができるし、あるいは水もしくは有機溶媒に分散した状態で使用することもできる。
本発明において、無機フィラーの凝集、沈降を抑制する目的で、分散安定化剤を併用することも好ましい。分散安定化剤としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、セルロース誘導体、ポリアミド、リン酸エステル、ポリエーテル、界面活性剤および、本発明に係る前記一般式(A)、(1)で表されるオルガノシランの加水分解物および/またはその部分縮合物も含め、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等を使用することができる。特にシランカップリング剤が硬化後の皮膜が強いため好ましい。分散安定化剤としてのシランカップリング剤の添加量は特に制限されるものではないが、例えば、無機フィラー100質量部に対して、1質量部以上の値とするのが好ましい。また、分散安定化剤の添加方法も特に制限されるものではないが、予め加水分解したものを添加することもできるし、あるいは、分散安定化剤であるシランカップリング剤と無機フィラーとを混合後、さらに加水分解および縮合する方法を採ることができるが、後者の方がより好ましい。
また本発明の前記一般式(A)、(1)で表されるオルガノシランの加水分解物および/またはその部分縮合物は、無機フィラーの分散安定化剤として用いられる以外に、さらに各層のバインダー構成成分の一部として、塗布液調製時の添加剤としても用いることが好ましい。
各層に適する無機フィラーについてはそれぞれ後述する。
本発明の防眩性ハードコート層について以下に説明する。
防眩性ハードコート層はハードコート性を付与するためのバインダー、防眩性を付与するためのマット粒子、および高屈折率化、架橋収縮防止、高強度化のための無機フィラー、から形成される。
バインダーとしては、飽和炭化水素鎖またはポリエーテル鎖を主鎖として有するポリマーであることが好ましく、飽和炭化水素鎖を主鎖として有するポリマーであることがさらに好ましい。
また、バインダーポリマーは架橋構造を有することが好ましい。
飽和炭化水素鎖を主鎖として有するバインダーポリマーとしては、エチレン性不飽和モノマーの重合体が好ましい。飽和炭化水素鎖を主鎖として有し、かつ架橋構造を有するバインダーポリマーとしては、二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの(共)重合体が好ましい。
高屈折率にするには、このモノマーの構造中に芳香族環や、フッ素以外のハロゲン原子、硫黄原子、リン原子、及び窒素原子から選ばれた少なくとも1種の原子を含むことが好ましい。
二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーとしては、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル(例、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート)、ビニルベンゼンおよびその誘導体(例、1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ジビニルシクロヘキサン)、ビニルスルホン(例、ジビニルスルホン)、アクリルアミド(例、メチレンビスアクリルアミド)およびメタクリルアミドが挙げられる。上記モノマーは2種以上併用してもよい。
高屈折率モノマーの具体例としては、ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド、ビニルナフタレン、ビニルフェニルスルフィド、4−メタクリロキシフェニル−4'−メトキシフェニルチオエーテル等が挙げられる。これらのモノマーも2種以上併用してもよい。
これらのエチレン性不飽和基を有するモノマーの重合は、光ラジカル開始剤あるいは熱ラジカル開始剤の存在下、電離放射線の照射または加熱により行うことができる。
従って、エチレン性不飽和基を有するモノマー、光ラジカル開始剤あるいは熱ラジカル開始剤、マット粒子および無機フィラーを含有する塗液を調製し、該塗液を透明支持体上に塗布後電離放射線または熱による重合反応により硬化して反射防止フィルムの防眩性ハードコート層を形成することができる。
光ラジカル重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類や芳香族スルホニウム類が挙げられる。アセトフェノン類の例には、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−4−メチルチオ−2−モルフォリノプロピオフェノンおよび2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノンが含まれる。ベンゾイン類の例には、ベンゾインベンゼンスルホン酸エステル、ベンゾイントルエンスルホン酸エステル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテルおよびベンゾインイソプロピルエーテルが含まれる。ベンゾフェノン類の例には、ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノンおよびp−クロロベンゾフェノンが含まれる。ホスフィンオキシド類の例には、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドが含まれる。
最新UV硬化技術(P.159,発行人;高薄一弘,発行所;(株)技術情報協会,1991年発行)にも種々の例が記載されており本発明に有用である。
市販の光開裂型の光ラジカル重合開始剤としては、日本チバガイギー(株)製の商品名イルガキュア(651,184,907)等が好ましい例として挙げられる。
光重合開始剤は、多官能モノマー100質量部に対して、0.1〜15質量部の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは1〜10質量部の範囲である。
光重合開始剤に加えて、光増感剤を用いてもよい。光増感剤の具体例として、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、ミヒラーのケトンおよびチオキサントンを挙げることができる。
熱ラジカル開始剤としては、有機あるいは無機過酸化物、有機アゾ及びジアゾ化合物等を用いることができる。
具体的には、有機過酸化物として過酸化ベンゾイル、過酸化ハロゲンベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過酸化ジブチル、クメンヒドロぺルオキシド、ブチルヒドロぺルオキシド、無機過酸化物として、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等、アゾ化合物として2−アゾ−ビス(イソブチロニトリル)、2−アゾ−ビス(プロピオニトリル)、2−アゾ−ビス(シクロヘキサンジニトリル)等、ジアゾ化合物としてジアゾアミノベンゼン、p−ニトロベンゼンジアゾニウム等を挙げることができる。
ポリエーテルを主鎖として有するポリマーは、多官能エポシキシ化合物の開環重合体が好ましい。多官能エポシキ化合物の開環重合は、光酸発生剤あるいは熱酸発生剤の存在下、電離放射線の照射または加熱により行うことができる。
従って、多官能エポシキシ化合物、光酸発生剤あるいは熱酸発生剤、マット粒子および無機フィラーを含有する塗液を調製し、該塗液を透明支持体上に塗布後電離放射線または熱による重合反応により硬化して反射防止フィルムを形成することができる。
二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの代わりにまたはそれに加えて、架橋性官能基を有するモノマーを用いてポリマー中に架橋性官能基を導入し、この架橋性官能基の反応により、架橋構造をバインダーポリマーに導入してもよい。
架橋性官能基の例には、イソシアナート基、エポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン基、アルデヒド基、カルボニル基、ヒドラジン基、カルボキシル基、メチロール基および活性メチレン基が含まれる。ビニルスルホン酸、酸無水物、シアノアクリレート誘導体、メラミン、エーテル化メチロール、エステルおよびウレタン、テトラメトキシシランのような金属アルコキシドも、架橋構造を導入するためのモノマーとして利用できる。ブロックイソシアナート基のように、分解反応の結果として架橋性を示す官能基を用いてもよい。すなわち、本発明において架橋性官能基は、すぐには反応を示すものではなくとも、分解した結果反応性を示すものであってもよい。
これら架橋性官能基を有するバインダーポリマーは塗布後、加熱することによって架橋構造を形成することができる。
防眩性ハードコート層には、防眩性付与の目的で、フィラー粒子より大きな平均粒径が1〜10μm、好ましくは1.5〜7.0μmのマット粒子、例えば無機化合物の粒子または樹脂粒子が含有される。
上記マット粒子の具体例としては、例えばシリカ粒子、TiO2粒子等の無機化合物の粒子;架橋アクリル粒子、架橋スチレン粒子、メラミン樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子等の樹脂粒子が好ましく挙げられる。なかでも架橋スチレン粒子が好ましい。
マット粒子の形状は、真球あるいは不定形のいずれも使用できる。
また、異なる2種以上のマット粒子を併用して用いてもよい。
上記マット粒子は、形成された防眩性ハードコート層中のマット粒子量が好ましくは10〜1000mg/m2、より好ましくは30〜100mg/m2となるように防眩性ハードコート層に含有される。
また、特に好ましい態様は、マット粒子として架橋スチレン粒子を用い、防眩性ハードコート層の膜厚の2分の1よりも大きい粒径の架橋スチレン粒子が、該架橋スチレン粒子全体の40〜100%を占める態様である。ここで、マット粒子の粒度分布はコールターカウンター法により測定し、測定された分布を粒子数分布に換算する。
また、粒子径の異なる2種以上のマット粒子を併用して用いてもよい。より大きな粒子径のマット粒子で防眩性を付与し、より小さな粒子径のマット粒子で別の光学特性を付与することが可能である。例えば、133dpi以上の高精細ディスプレイに反射防止フィルムを貼り付けた場合にギラツキと呼ばれる光学性能が要求される。これはフィルム表面に微妙に存在する凹凸により、画素が拡大もしくは縮小され、表示性能の均一性を失うことに由来するが、これは防眩性を付与するマット粒子よりも5〜50%粒子径の小さなマット粒子を併用することにより大きく改善することができる。
さらに、上記マット粒子の粒子径分布としては単分散であることが好ましく、全粒子の粒子径は同一に近ければ近いほどよい。例えば平均粒子径よりも20%以上粒子径の異なる粒子を粗大粒子と規定した場合には、この粗大粒子の割合は全粒子数の1%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1%以下であり、さらに好ましくは0.01%以下である。このような粒子径分布を持つマット粒子は通常の合成反応後に、分級によって得られ、分級の回数を上げることやその程度を強くすることにより、より好ましい分布のマット剤を得ることができる。
防眩性ハードコート層には、層の屈折率を高めるために、上記のマット粒子に加えて、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、インジウム、亜鉛、錫、アンチモンのうちより選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物からなり、平均粒径が0.2μm以下、好ましくは0.1μm以下、より好ましくは0.06μm以下である無機フィラーが含有されることが好ましい。
また逆に、マット粒子との屈折率差を大きくするために、高屈折率マット粒子を用いた防眩性ハードコート層では層の屈折率を低目に保つためにケイ素の酸化物を用いることも好ましい。好ましい粒径は前述の無機フィラーと同じである。
防眩性ハードコート層に用いられる無機フィラーの具体例としては、TiO2、ZrO2、Al23、In23、ZnO、SnO2、Sb23、ITO(インジウム−スズ酸化物)とSiO2等が挙げられる。TiO2およびZrO2が高屈折率化の点で特に好ましい。該無機フィラーは表面をシランカップリング処理又はチタンカップリング処理されることも好ましく、フィラー表面にバインダー種と反応できる官能基を有する表面処理剤が好ましく用いられる。
これらの無機フィラーの添加量は、防眩性ハードコート層の全質量の10〜90%であることが好ましく、より好ましくは20〜80%であり、特に好ましくは30〜75%である。
なお、このようなフィラーは、粒径が光の波長よりも十分小さいために散乱が生じず、バインダーポリマーに該フィラーが分散した分散体は光学的に均一な物質として振舞う。
本発明の防眩性ハードコート層のバインダーおよび無機フィラーの混合物の合計の屈折率は、1.48〜2.00であることが好ましく、より好ましくは1.50〜1.80である。屈折率を上記範囲とするには、バインダー及び無機フィラーの種類及び量の割合を選択すればよい。どのように選択するかは、予め実験的に知ることができる。
本発明の防眩性ハードコート層は、特に塗布ムラ、乾燥ムラ、点欠陥等の面状故障を抑制して面状均一性を確保するために、フッ素系、シリコーン系の何れかの界面活性剤、あるいはその両者を防眩層形成用の塗布組成物中に含有する。特にフッ素系の界面活性剤は、より少ない添加量において、本発明の反射防止フィルムの塗布ムラ、乾燥ムラ、点欠陥等の面状故障を改良する効果が現れるため、好ましく用いられる。
フッ素系の界面活性剤の好ましい例としては、大日本インキ社製のメガファックF−171、F−172、F−173、F−176(いずれも商品名)等のパーフルオロアルキル基含有オリゴマー等が挙げられる。シリコーン系の界面活性剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール等のオリゴマー等の各種の置換基で側鎖や主鎖の末端が変性されたポリジメチルシロキサン等が挙げられる。
しかしながら、上記のような界面活性剤を使用することにより、防眩層表面にF原子を含有する官能基および/またはSi原子を有する官能基が偏析することにより防眩層の表面エネルギーが低下し、上記防眩層上に低屈折率層をオーバーコートしたときに反射防止性能が悪化する問題が生じる。これは低屈折率層を形成するために用いられる塗布組成物の濡れ性が悪化するために低屈折率層の膜厚の目視では検知できない微小なムラが悪化するためと推定される。このような問題を解決するためには、フッ素系および/またはシリコーン系の界面活性剤の構造と添加量を調整することにより、防眩層の表面エネルギーを好ましくは25mN・m-1〜70mN・m-1に、より好ましくは35mN・m-1〜70mN・m-1に制御することが効果的であり、さらに後述するように低屈折率層の塗布溶剤を50〜100質量パーセントが100℃以下の沸点を有するものとすることが効果的であることを見出した。また、上記のような表面エネルギーを実現するためには、X線光電子分光法で測定したフッ素原子由来のピークと炭素原子由来のピークの比であるF/Cが0.40以下、および/またはシリコン原子由来のピークと炭素原子由来のピークの比であるSi/Cが0.30以下であることが必要である。
防眩性ハードコート層の膜厚は1〜10μmが好ましく、1.2〜6μmがより好ましい。
本発明の反射防止フィルムでは、フィルム強度向上の目的で防眩性ではないいわゆる平滑なハードコート層も好ましく用いられ、透明支持体と防眩性ハードコート層の間に塗設される。
平滑なハードコート層に用いる素材は防眩性付与のためのマット粒子を用いないこと以外は防眩性ハードコート層において挙げたものと同様であり、バインダーと無機フィラーから形成される。
本発明の平滑なハードコート層では無機フィラーとしては強度および汎用性の点でシリカ、アルミナが好ましく、特にシリカが好ましい。また該無機フィラーは表面をシランカップリング処理されることが好ましく、フィラー表面にバインダー種と反応できる官能基を有する表面処理剤が好ましく用いられる。
これらの無機フィラーの添加量は、ハードコート層の全質量の10〜90%であることが好ましく、より好ましくは20〜80%であり、特に好ましくは30〜75%である。平滑なハードコート層の膜厚は1〜10μmが好ましく、1.2〜6μmがより好ましい。
本発明の低屈折率層について以下に説明する。
本発明の反射防止フィルムの低屈折率層の屈折率は、好ましくは1.38〜1.49であり、より好ましくは1.38〜1.44の範囲にある。
さらに、低屈折率層は下記数式(I)を満たすことが低反射率化の点で好ましい。
mλ/4×0.7<n11<mλ/4×1.3 数式(I)
式中、mは正の奇数であり、n1は低屈折率層の屈折率であり、そして、d1は低屈折率層の膜厚(nm)である。また、λは波長であり、500〜550nmの範囲の値である。
なお、上記数式(I)を満たすとは、上記波長の範囲において数式(I)を満たすm(正の奇数、通常1である)が存在することを意味している。
本発明の低屈折率層を形成する素材について以下に説明する。
本発明の低屈折率層には、低屈折率バインダーとして、含フッ素ポリマーを含むことが望ましい。含フッ素ポリマーとしては動摩擦係数0.03〜0.15、水に対する接触角90〜120°の熱または電離放射線により架橋する含フッ素ポリマーが好ましい。本発明の低屈折率層には膜強度向上のための無機フィラーを用いることもできる。
低屈折率層に用いられる含フッ素ポリマーとしてはパーフルオロアルキル基含有シラン化合物(例えば(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリエトキシシラン)の加水分解、脱水縮合物の他、含フッ素モノマー単位と架橋反応性付与のための構成単位を構成成分とする含フッ素共重合体が挙げられる。
含フッ素モノマー単位の具体例としては、例えばフルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等)、(メタ)アクリル酸の部分または完全フッ素化アルキルエステル誘導体類(例えばビスコート6FM(商品名、大阪有機化学製)やM−2020(商品名、ダイキン製)等)、完全または部分フッ素化ビニルエーテル類等が挙げられるが、好ましくはパーフルオロオレフィン類であり、屈折率、溶解性、透明性、入手性等の観点から特に好ましくはヘキサフルオロプロピレンである。
架橋反応性付与のための構成単位としてはグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテルのように分子内にあらかじめ自己架橋性官能基を有するモノマーの重合によって得られる構成単位、カルボキシル基やヒドロキシ基、アミノ基、スルホ基等を有するモノマー(例えば(メタ)アクリル酸、メチロール(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アリルアクリレート、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、マレイン酸、クロトン酸等)の重合によって得られる構成単位、これらの構成単位に高分子反応によって(メタ)アクリルロイル基等の架橋反応性基を導入した構成単位(例えばヒドロキシ基に対してアクリル酸クロリドを作用させる等の手法で導入できる)が挙げられる。
また上記含フッ素モノマー単位、架橋反応性付与のための構成単位以外に溶剤への溶解性、皮膜の透明性等の観点から適宜フッ素原子を含有しないモノマーを共重合することもできる。併用可能なモノマー単位には特に限定はなく、例えばオレフィン類(エチレン、プロピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等)、アクリル酸エステル類(アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル)、メタクリル酸エステル類(メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、エチレングリコールジメタクリレート等)、スチレン誘導体(スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等)、ビニルエーテル類(メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等)、ビニルエステル類(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、桂皮酸ビニル等)、アクリルアミド類(N−tertブチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド等)、メタクリルアミド類、アクリロニトリル誘導体等を挙げることができる。
上記のポリマーに対しては特開平10−25388号および特開平10−147739号に記載のごとく適宜硬化剤を併用しても良い。
本発明で特に有用な含フッ素ポリマーは、パーフルオロオレフィンとビニルエーテル類またはビニルエステル類のランダム共重合体である。特に単独で架橋反応可能な基((メタ)アクリロイル基等のラジカル反応性基、エポキシ基、オキセタニル基等の開環重合性基等)を有していることが好ましい。これらの架橋反応性基含有重合単位はポリマーの全重合単位の5〜70mol%を占めていることが好ましく、特に好ましくは30〜60mol%の場合である。
また本発明の含フッ素ポリマーには防汚性を付与する目的で、ポリシロキサン構造が導入されていることが好ましい。ポリシロキサン構造の導入方法に制限はないが例えば特開平11−189621号、同11−228631号、特開2000−313709号に記載のごとくシリコーンマクロアゾ開始剤を用いてポリシロキサンブロック共重合成分を導入する方法、特開平2−251555号、同2−308806号に記載のごとくシリコーンマクロマーを用いてポリシロキサングラフト共重合成分を導入する方法が好ましい。これらのポリシロキサン成分はポリマー中の0.5〜10質量%であることが好ましく、特に好ましくは1〜5質量%である。
防汚性付与に対しては上記以外にも反応性基含有ポリシロキサン(例えばKF-100T,X-22-169AS,KF-102,X-22-3701IE,X-22-164B,X-22-5002,X-22-173B,X-22-174D,X-22-167B,X-22-161AS(以上商品名、信越化学工業社製)、AK-5,AK-30,AK-32(以上商品名、東亜合成社製)、サイラプレーンFM0725,サイラプレーンFM0721(以上商品名、チッソ社製)等)を添加する手段も好ましい。この際これらのポリシロキサンは低屈折率層全固形分の0.5〜10質量%の範囲で添加されることが好ましく、特に好ましくは1〜5質量%の場合である。
低屈折率層に用いられる無機フィラーとしては低屈折率のものが好ましく用いられ、好ましい無機フィラーは、シリカ、フッ化マグネシウムであり、特にシリカが好ましい。
該無機フィラーの平均粒径は0.001〜0.2μmであることが好ましく、0.001〜0.05μmであることがより好ましい。フィラーの粒径はなるべく均一(単分散)であることが好ましい。
該無機フィラーは粒子径の異なる2種類のフィラーを併用してもよい。特に粒子径が0.02〜0.05μmの無機フィラーと粒子径が0.01μm以下の無機フィラーを併用することにより、反射率と耐擦傷性を両立させることができる。粒子径の異なる2種類の無機フィラーそれぞれの添加量の割合は、欲しい反射率と耐擦傷性のバランスにより0〜1の間を自由に変化させることが可能である。反射率を低減させたい場合には粒子径の小さな無機フィラーが大部分を占めることが好ましく、耐擦傷性を強化したい場合には粒子径の大きな無機フィラーの割合を上げていくことが好ましい。
該無機フィラーの添加量は、低屈折率層の全質量の5〜90質量%であることが好ましく、10〜70質量%であると更に好ましく、10〜50質量%が特に好ましい。
該無機フィラーは表面処理を施して用いることも好ましい。表面処理法としてはプラズマ放電処理やコロナ放電処理のような物理的表面処理とカップリング剤を使用する化学的表面処理があるが、カップリング剤の使用が好ましい。カップリング剤としては、本発明に係る前記一般式(A)、(1)で表されるオルガノシランの加水分解物および/またはその部分縮合物を含むアルコキシメタル化合物(例、チタンカップリング剤、シランカップリング剤)が好ましく用いられる。該無機フィラーがシリカの場合はシランカップリング処理が特に有効である。
本発明に係る前記一般式(A)、(1)で表されるオルガノシランの加水分解物および/またはその部分縮合物は、低屈折率層の無機フィラーの表面処理剤として該層塗布液調製以前にあらかじめ表面処理を施すために用いてもよいが、該層塗布液調製時にさらに添加剤として添加して該層に含有させることが好ましい。
本発明に係るハードコート層、低屈折率層を形成するために用いる塗布液の溶媒組成としては、単独および混合のいずれでもよく、混合のときは、全溶媒中、沸点が100℃以下の溶媒が50〜100質量%であることが好ましく、より好ましくは80〜100質量%、より好ましくは90〜100質量%、さらに好ましくは100質量%である。沸点が100℃以下の溶媒が少なすぎると、乾燥速度が非常に遅くなり、塗布面状が悪化し、塗布膜厚にもムラが生じるため、反射率などの光学特性も悪化するおそれがあり好ましいものではない。本発明では、沸点が100℃以下の溶媒を多く含む塗布液を用いる事により、この問題を解決することができる。
沸点が100℃以下の溶媒としては、例えば、ヘキサン(沸点68.7℃、以下「℃」を省略する)、ヘプタン(98.4)、シクロヘキサン(80.7)、ベンゼン(80.1)などの炭化水素類、ジクロロメタン(39.8)、クロロホルム(61.2)、四塩化炭素(76.8)、1,2−ジクロロエタン(83.5)、トリクロロエチレン(87.2)などのハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル(34.6)、ジイソプロピルエーテル(68.5)、ジプロピルエーテル(90.5)、テトラヒドロフラン(66)などのエーテル類、ギ酸エチル(54.2)、酢酸メチル(57.8)、酢酸エチル(77.1)、酢酸イソプロピル(89)などのエステル類、アセトン(56.1)、2−ブタノン(=メチルエチルケトン、79.6)などのケトン類、メタノール(64.5)、エタノール(78.3)、2−プロパノール(82.4)、1−プロパノール(97.2)などのアルコール類、アセトニトリル(81.6)、プロピオニトリル(97.4)などのシアノ化合物類、二硫化炭素(46.2)、などがある。このうちケトン類、エステル類が好ましく、特に好ましくはケトン類である。ケトン類の中では2−ブタノンが特に好ましい。
沸点が100℃以上の溶媒としては、例えば、オクタン(125.7)、トルエン(110.6)、キシレン(138)、テトラクロロエチレン(121.2)、クロロベンゼン(131.7)、ジオキサン(101.3)、ジブチルエーテル(142.4)、酢酸イソブチル(118)、シクロヘキサノン(155.7)、2−メチル−4−ペンタノン(=MIBK、115.9)、1−ブタノール(117.7)、N,N−ジメチルホルムアミド(153)、 N,N−ジメチルアセトアミド(166)、ジメチルスルホキシド(189)、などがある。好ましくは、シクロヘキサノン、2−メチル−4−ペンタノン、である。
本発明に係るハードコート層、低屈折率層成分を前述の組成の溶媒で希釈することにより、それらの層用塗布液が調製される。塗布液濃度は、塗布液の粘度、層素材の比重などを考慮して調節される事が好ましいが、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは1〜10質量%である。
本発明の反射防止フィルムの透明支持体としては、プラスチックフィルムを用いることが好ましい。プラスチックフィルムを形成するポリマーとしては、セルロースエステル(例、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、代表的には富士写真フイルム社製 商品名TAC−TD80U、TD80U、TD80UFなど)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、ポリスチレン、ポリオレフィン、ノルボルネン系樹脂(アートン:商品名、JSR社製)、非晶質ポリオレフィン(ゼオネックス:商品名、日本ゼオン社製)、などが挙げられる。このうちトリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、が好ましく、特にトリアセチルセルロースが好ましい。
トリアセチルセルロースは、単層または複数の層からなる。単層のトリアセチルセルロースは、特開平7−11055号等で開示されているドラム流延、あるいはバンド流延等により作成され、後者の複数の層からなるトリアセチルセルロースは、公開特許公報の特開昭61−94725号、特公昭62−43846号等で開示されている、いわゆる共流延法により作成される。すなわち、原料フレークをハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン等、アルコール類(メタノール、エタノール、ブタノール等)、エステル類(蟻酸メチル、酢酸メチル等)、エーテル類(ジオキサン、ジオキソラン、ジエチルエーテル等)等の溶剤にて溶解し、これに必要に応じて可塑剤、紫外線吸収剤、劣化防止剤、滑り剤、剥離促進剤等の各種の添加剤を加えた溶液(ドープと称する)を、水平式のエンドレスの金属ベルトまたは回転するドラムからなる支持体の上に、ドープ供給手段(ダイと称する)により流延する際、単層ならば単一のドープを単層流延し、複数の層ならば高濃度のセルロースエステルドープの両側に低濃度ドープを共流延し、支持体上である程度乾燥して剛性が付与されたフィルムを支持体から剥離し、次いで各種の搬送手段により乾燥部を通過させて溶剤を除去することからなる方法である。
上記のような、トリアセチルセルロースを溶解するための溶剤としては、ジクロロメタンが代表的である。しかし地球環境や作業環境の観点から、溶剤はジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素を実質的に含まないことが好ましい。「実質的に含まない」とは、有機溶剤中のハロゲン化炭化水素の割合が5質量%未満(好ましくは2質量%未満)であることを意味する。ジクロロメタン等を実質的に含まない溶剤を用いてトリアセチルセルロースのドープを調製する場合には、後述するような特殊な溶解法が必須となる。
第一の溶解法は、冷却溶解法と称され、以下に説明する。まず室温近辺の温度(−10〜40℃)で溶剤中にトリアセチルセルロースを撹拌しながら徐々に添加する。次に、混合物は−100〜−10℃(好ましくは−80〜−10℃、さらに好ましくは−50〜−20℃、最も好ましくは−50〜−30℃)に冷却する。冷却は、例えば、ドライアイス・メタノール浴(−75℃)や冷却したジエチレングリコール溶液(−30〜−20℃)中で実施できる。このように冷却すると、トリアセチルセルロースと溶剤の混合物は固化する。さらに、これを0〜200℃(好ましくは0〜150℃、さらに好ましくは0〜120℃、最も好ましくは0〜50℃)に加温すると、溶剤中にトリアセチルセルロースが流動する溶液となる。昇温は、室温中に放置するだけでもよし、温浴中で加温してもよい。
第二の方法は、高温溶解法と称され、以下に説明する。まず室温近辺の温度(−10〜40℃)で溶剤中にトリアセチルセルロースを撹拌しながら徐々に添加される。本発明のトリアセチルセルロース溶液は、各種溶剤を含有する混合溶剤中にトリアセチルセルロースを添加し予め膨潤させることが好ましい。本法において、トリアセチルセルロースの溶解濃度は30質量%以下が好ましいが、フィルム製膜時の乾燥効率の点から、なるべく高濃度であることが好ましい。次に有機溶剤混合液は、0.2MPa〜30MPaの加圧下で70〜240℃に加熱される(好ましくは80〜220℃、更に好ましく100〜200℃、最も好ましくは100〜190℃)。次にこれらの加熱溶液はそのままでは塗布できないため、使用された溶剤の最も低い沸点以下に冷却する必要がある。その場合、−10〜50℃に冷却して常圧に戻すことが一般的である。冷却はトリアセチルセルロース溶液が内蔵されている高圧高温容器やラインを、室温に放置するだけでもよく、更に好ましくは冷却水などの冷媒を用いて該装置を冷却してもよい。ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素を実質的に含まないセルロースアセテートフィルムおよびその製造法については発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、以下公開技報2001−1745号と略す)に記載されている。
本発明の反射防止フィルムを液晶表示装置に用いる場合、片面に粘着層を設ける等してディスプレイの最表面に配置する。該透明支持体がトリアセチルセルロースの場合は偏光板の偏光層を保護する保護フィルムとしてトリアセチルセルロースが用いられるため、本発明の反射防止フィルムをそのまま保護フィルムに用いることがコストの上では好ましい。
本発明の反射防止フィルムは、片面に粘着層を設ける等してディスプレイの最表面に配置したり、そのまま偏光板用保護フィルムとして使用される場合には、十分に接着させるためには透明支持体上に含フッ素ポリマーを主体とする最外層を形成した後、鹸化処理を実施することが好ましい。鹸化処理は、公知の手法、例えば、アルカリ液の中に該フィルムを適切な時間浸漬して実施される。アルカリ液に浸漬した後は、該フィルムの中にアルカリ成分が残留しないように、水で十分に水洗したり、希薄な酸に浸漬してアルカリ成分を中和することが好ましい。
鹸化処理することにより、最外層を有する側とは反対側の透明支持体の表面が親水化される。
親水化された表面は、ポリビニルアルコールを主成分とする偏光膜(偏向膜)との接着性を改良するのに特に有効である。また、親水化された表面は、空気中の塵埃が付着しにくくなるため、偏光膜と接着させる際に偏光膜と反射防止フィルムの間に塵埃が入りにくく、塵埃による点欠陥を防止するのに有効である。
鹸化処理は、最外層を有する側とは反対側の透明支持体の表面の水に対する接触角が40゜以下になるように実施することが好ましい。更に好ましくは30゜以下、特に好ましくは20゜以下である。
アルカリ鹸化処理の具体的手段としては、以下の2つから選択することができる。汎用のトリアセチルセルロースフィルムと同一の工程で処理できる点で下記(1)が優れているが、反射防止膜面まで鹸化処理されるため、表面がアルカリ加水分解されて膜が劣化する点、鹸化処理液が残ると汚れになる点が問題になり得る。その場合には、特別な工程となるが、下記(2)が優れる。
(1)透明支持体上に反射防止層を形成後に、アルカリ液中に少なくとも1回浸漬することで、該フィルムの裏面を鹸化処理する。
(2)透明支持体上に反射防止層を形成する前または後に、アルカリ液を該反射防止フィルムの反射防止層を形成する面とは反対側の面に塗布し、加熱、水洗および/または中和することで、該フィルムの裏面だけを鹸化処理する。
本発明の反射防止フィルムは、以下の方法で各層を透明支持体上に塗設し製造することができるが、この方法に制限されない。
まず、各層を形成するための成分を含有した塗布液が調製される。次に、ハードコート層を形成するための塗布液を、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法(米国特許2681294号明細書参照)により透明支持体上に塗布し、加熱・乾燥するが、マイクログラビアコート法が特に好ましい。その後、光照射あるいは加熱して、防眩性ハードコート層を形成するためのモノマーを重合して硬化する。これによりハードコート層が形成される。
ここで、必要であればハードコート層を複数層とし、防眩性ハードコート層塗布の前に同様な方法で平滑なハードコート層塗布および硬化を行うことができる。
次に、同様にして低屈折率層を形成するための塗布液をハードコート層上に塗布し、光照射あるいは加熱し低屈折率層が形成される。このようにして、本発明の反射防止フィルムが得られる。
本発明で用いられるマイクログラビアコート法とは、直径が約10〜100mm、好ましくは約20〜50mmで全周にグラビアパターンが刻印されたグラビアロールを支持体の下方に、かつ支持体の搬送方向に対してグラビアロールを逆回転させると共に、該グラビアロールの表面からドクターブレードによって余剰の塗布液を掻き落として、定量の塗布液を前記支持体の上面が自由状態にある位置におけるその支持体の下面に塗布液を転写させて塗工することを特徴とするコート法である。ロール形態の透明支持体を連続的に巻き出し、該巻き出された支持体の一方の側に、少なくともハードコート層乃至含フッ素ポリマーを含む低屈折率層の内の少なくとも一層をマイクログラビアコート法によって塗工することができる。
マイクログラビアコート法による塗工条件としては、グラビアロールに刻印されたグラビアパターンの線数は50〜800本/インチが好ましく、100〜300本/インチがより好ましく、グラビアパターンの深度は1〜600μmが好ましく、5〜200μmがより好ましく、グラビアロールの回転数は3〜800rpmであることが好ましく、5〜200rpmであることがより好ましく、支持体の搬送速度は0.5〜100m/分であることが好ましく、1〜50m/分がより好ましい。
このようにして形成された本発明の反射防止フィルムは、ヘイズ値が好ましくは3〜60%、さらに好ましくは3〜50%、より好ましくは4〜45%の範囲にあり、そして450nm〜650nmの波長の光に対する平均反射率が好ましくは3.0%以下、さらに好ましくは2.2%以下、より好ましくは1.9%以下である。
本発明の反射防止フィルムが上記範囲のヘイズ値及び平均反射率であることにより、透過画像の劣化を伴なわずに良好な防眩性および反射防止性が得られる。
偏光板は、偏光膜を両面から挟む2枚の保護フィルムで主に構成される。本発明の反射防止フィルムは、偏光膜を両面から挟む2枚の保護フィルムのうち少なくとも1枚に用いることが好ましい。本発明の反射防止フィルムが保護フィルムを兼ねることで、偏光板の製造コストを低減できる。また、本発明の反射防止フィルムを最表層に使用することにより、外光の映り込み等が防止され、耐傷性、防汚性等も優れた偏光板とすることができる。
偏光膜としては公知の偏光膜や、偏光膜の吸収軸が長手方向に平行でも垂直でもない長尺の偏光膜から切り出された偏光膜を用いてもよい。偏光膜の吸収軸が長手方向に平行でも垂直でもない長尺の偏光膜は以下の方法により作成される。
即ち、連続的に供給されるポリマーフィルムの両端を保持手段により保持しつつ張力を付与して延伸した偏光膜で、少なくともフィルム幅方向に1.1〜20.0倍に延伸し、フィルム両端の保持装置の長手方向進行速度差が3%以内であり、フィルム両端を保持する工程の出口におけるフィルムの進行方向と、フィルムの実質延伸方向のなす角が、20〜70゜傾斜するようにフィルム進行方向を、フィルム両端を保持させた状態で屈曲させてなる延伸方法によって製造することができる。
図2を用いて偏光膜の延伸方法について説明する。
このような偏光膜の延伸方法は、原反フィルム、例えば、ポリビニルアルコールポリマーフィルム、を矢印(イ)方向に導入する(a)で示される工程、(b)で示される幅方向延伸工程、及び延伸フィルムを次工程、即ち(ロ)方向に送る(c)で示される工程を含む。以下「延伸工程」と称するときは、これらの(a)〜(c)工程を含んで、延伸方法を行うための工程全体を指す。
フィルムは(イ)の方向から連続的に導入され、上流側から見て左側の保持手段29にB1点で初めて保持される。この時点ではいま一方のフィルム端は保持されておらず、幅方向に張力は発生しない。つまり、B1点は実質的な保持開始点(以下、「実質保持開始点」という)には相当しない。
実質保持開始点は、フィルム両端が初めて保持される点で定義される。実質保持開始点は、保持手段30における保持開始点A1と、A1から導入側フィルム25の中心線21に略垂直に引いた直線が、反対側の保持手段の軌跡23と交わる点C1の2点で示される。
この点を起点とし、両端の保持手段を実質的に等速度で搬送すると、単位時間ごとにA1はA2,A3...Anと移動し、C1は同様にC2,C3...Cnに移動する。つまり同時点に基準となる保持手段が通過する点AnとCnを結ぶ直線が、その時点での延伸方向となる。
この方法では、図2のようにAnはCnに対し次第に遅れてゆくため、延伸方向は、搬送方向垂直から徐々に傾斜していく。実質的な保持解除点(以下、「実質保持解除点」という)は、より上流で保持手段から離脱するCx点と、Cxから次工程へ送られるフィルム26の中心線22に略垂直に引いた直線が、反対側の保持手段の軌跡24と交わる点Ayの2点で定義される。
最終的なフィルムの延伸方向の角度は、実質的な延伸工程の終点(実質保持解除点)での左右保持手段の行程差であるAyとAxの距離と、実質保持解除点の距離W(CxとAyの距離)との比率で決まる。従って、延伸方向が次工程への搬送方向(フィルム進行方向)に対しなす傾斜角δは
tanδ=W/(AyとAxの距離)、即ち、
tanδ=W/|L1−L2|
を満たす角度である。ただし、ここでフィルムの一方端の実質保持開始点から実質保持解除点までの保持手段の軌跡をL1とし、もう一端の実質保持開始点から実質保持解除点までの保持手段の軌跡をL2とする。
図2の上側のフィルム端は、Ay点の後も28aまで保持されるが、もう一端が保持されていないため新たな幅方向延伸は発生せず、28aは実質保持解除点ではない。
以上のように、フィルムの両端にある実質保持開始点は、左右各々の保持手段への単純な噛み込み点ではない。二つの実質保持開始点は、上記で定義したことをより厳密に記述すれば、左右いずれかの保持点と他の保持点とを結ぶ直線がフィルムを保持する工程に導入されるフィルムの中心線と略直交している点であり、かつこれらの二つの保持点が最も上流に位置するものとして定義される。
同様に、二つの実質保持解除点は、左右いずれかの保持点と他の保持点とを結ぶ直線が、次工程に送りだされるフィルムの中心線と略直交している点であり、しかもこれら二つの保持点が最も下流に位置するものとして定義される。
ここで、略直交とは、フィルムの中心線と左右の実質保持開始点、あるいは実質保持解除点を結ぶ直線が、90±0.5゜であることを意味する。
テンター方式の延伸機を用いて左右の行程差を付けようとする場合、レール長などの機械的制約により、しばしば保持手段への噛み込み点と実質保持開始点に大きなずれが生じたり、保持手段からの離脱点と実質保持解除点に大きなずれが生ずることがあるが、上記定義する実質保持開始点と実質保持解除点間の工程が下記式(1)の関係を満たしていればよい。
式(1) |L2−L1|>0.4W
上記において、得られる延伸フィルムにおける配向軸の傾斜角度は、(c)工程の出口幅Wと、左右の二つの実質的フィルム保持手段の行程差|L1−L2|の比率で制御、調整することができる。
長手方向に対し、45゜に近い配向角を得るためには、下記式(2)を満たすことが好ましく、
式(2) 0.9W<|L1−L2|<1.1W
さらに好ましくは、下記式(3)を満たすことが好ましい。
式(3) 0.97W<|L1−L2|<1.03W
延伸工程へのフィルム導入方向(イ)と、次工程へのフィルム搬送方向(ロ)のなす角度は、任意の数値が可能であるが、延伸前後の工程を含めた設備の総設置面積を最小にする観点からは、この角度は小さい方がよく、3゜以内が好ましく、0.5゜以内がさらに好ましい。延伸率は1.1〜10.0倍が望ましく、より望ましくは2〜10倍であり、その後の収縮率は10%以上が望ましい。
また、延伸工程の設備コストを最小に抑える観点から、保持手段の軌跡の屈曲回数、屈曲角度は小さい程良い。この観点からは、図2に例示する如くフィルム両端を保持する工程の出口におけるフィルムの進行方向と、フィルムの実質延伸方向のなす角が、20〜70゜傾斜するようにフィルム進行方向をフィルム両端を保持させた状態で屈曲させることが好ましい。特に45°傾斜する(±0°)ような延伸方法が好ましい。
テンター型の延伸機の場合、クリップが固定されたチェーンがレールに沿って進む構造が多いが、本発明のように左右不均等な延伸方法をとると、結果的に図2に例示される如く、工程入口、出口でレールの終端がずれ、左右同時に噛み込み、離脱をしなくなることがある。この場合、実質工程長L1,L2は、上に述べたように単純な噛み込み−離脱間の距離ではなく、既に述べたように、あくまでフィルムの両端を保持手段が保持している部分の行程長である。
延伸工程出口でフィルムの左右に進行速度差があると、延伸工程出口におけるシワ、寄りが発生するため、左右のフィルム把持手段の搬送速度差は、実質的に同速度であることが求められる。速度差は好ましくは1%以下であり、さらに好ましくは0.5%未満であり、最も好ましくは0.05%未満である。ここで述べる速度とは、毎分当たりに左右各々の保持手段が進む軌跡の長さのことである。一般的なテンター延伸機等では、チェーンを駆動するスプロケット歯の周期、駆動モータの周波数等に応じ、秒以下のオーダーで発生する速度ムラがあり、しばしば数%のムラを生ずるが、これらは本発明で述べる速度差には該当しない。
また、左右の行程差が生じるに従って、フィルムにシワ、寄り、延伸軸のばらつきが発生する。この問題を解決するためには、ポリマーフィルムの支持性を保ち、揮発分率が10%以上の状態を存在させて延伸し、その後収縮させ揮発分率を低下させる。揮発分率とは、フィルムの単位体積あたりに含まれる揮発成分の体積を表し、揮発成分体積をフィルム体積で割った値である。揮発分を含有させる方法としては、フィルムをキャストし溶剤・水を含有させる、延伸前に溶剤・水などに浸漬・塗布・噴霧する、延伸中に溶剤・水を塗布することなどが上げられる。ポリビニルアルコールポリマーフィルムは、高温高湿雰囲気下で水を含有するので、高湿雰囲気下で調湿後延伸、もしくは高湿条件下で延伸することにより揮発分を含有させることができる。これらの方法以外でも、ポリマーフィルムの揮発分を10%以上にさせることができれば、いかなる手段を用いても良い。
好ましい揮発分率は、ポリビニルアルコールでは揮発分率として10%〜100%が好ましい。
また、延伸ポリマーフィルムの収縮は、延伸時、延伸後のいずれの工程でも行って良い。収縮により、斜め方向に配向する際の発生するポリマーフィルムのシワおよび延伸軸のばらつきが解消すればよく、フィルムを収縮させる手段としては、加熱することにより揮発分を除去する方法などが挙げられるが、フィルムを収縮させればいかなる手段を用いても良い。好ましいフィルムの収縮率としては、長手方向に対する配向角δを用いて、1/sinδ倍以上収縮することで、値としては10%以上収縮することが好ましい。
斜め方向に配向する際に発生するポリマーフィルムのシワは、実質保持解除点までに消失していればよい。しかし、シワの発生から消失までに時間がかかると、延伸方向のばらつきが生じることがあり、好ましくは、シワが発生した地点からできるだけ短い移行距離でシワが消失することが良い。このためには、揮発分量の揮発速度を高くするなどの方法がある。
長尺、特にロール形態の偏光膜を一貫工程にて作製する場合には、染色のムラや抜けがないことが必要である。延伸前のフィルム中の揮発成分に分布のムラ(フィルム面内の場所による揮発成分量の差異)があると染色ムラ、抜けの原因となる。従って、延伸前のフィルム中の揮発分成分の含有分布(揮発分率分布)は小さいほうが好ましく、少なくとも5%以下であることが好ましい。揮発分率とは、フィルムの単位体積あたりに含まれる揮発成分の体積をあらわし、揮発成分体積をフィルム体積で割った値であり、その分布すなわち揮発分率分布とは、揮発分率の1m2あたりの変動幅(平均揮発分率に対する、最大値または最小値と該平均揮発分率との差の大きい方の比)を表す。揮発分成分の含有分布を小さくする方法として、フィルムの表裏表面を均一なエアーでブローする、ニップローラーにて均一に絞る、ワイパーなどで拭き取るなどが上げられるが、分布が均一になればいかなる方法を用いても良い。
本発明の反射防止フィルムおよびこの反射防止フィルムを低屈折率層が最表面になるように配置して用いた前記本発明の偏光板は、ディスプレイ装置、例えば液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような画像表示装置に適用することができる。本発明の反射防止フィルムは透明支持体を有しているので、透明支持体側を画像表示装置の画像表示面に接着して用いられる。本発明の偏光板の場合は、低屈折率層がディスプレイ装置の最表面になるようにディスプレイ装置の表示面に接着して用いられる。
本発明の反射防止フィルムは、偏光膜の表面保護フィルムの片側として用いた場合、 ツイステットネマチック(TN)、スーパーツイステットネマチック(STN)、バーティカルアライメント(VA)、インプレインスイッチング(IPS)、オプティカリーコンペンセイテットベンドセル(OCB)、電界制御複屈折(Electrically Controlled Birefigence(ECB))等のモードの透過型、反射型、または半透過型の液晶表示装置に好ましく用いることができる。
VAモードの液晶セルには、(1)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2−176625号公報記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモードの)液晶セル(SID97、Digest of tech. Papers(予稿集)28(1997)845記載)、(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n−ASMモード)の液晶セル(日本液晶討論会の予稿集58〜59(1998)記載)および(4)SURVAIVALモードの液晶セル(LCDインターナショナル98で発表)が含まれる。
OCBモードの液晶セルは、棒状液晶性分子を液晶セルの上部と下部とで実質的に逆の方向に(対称的に)配向させるベンド配向モードの液晶セルを用いた液晶表示装置であり、米国特許4583825号、同5410422号の各明細書に開示されている。棒状液晶性分子が液晶セルの上部と下部とで対称的に配向しているため、ベンド配向モードの液晶セルは、自己光学補償機能を有する。そのため、この液晶モードは、OCB(Optically Compensatory Bend) 液晶モードとも呼ばれる。ベンド配向モードの液晶表示装置は、応答速度が速いとの利点がある。
ECBモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向しており、カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献に記載がある。例えば「EL、PDP、LCDディスプレイ」東レリサーチセンター発行(2001)などに記載されている。
特にTNモードやIPSモードの液晶表示装置に対しては、特開2001-100043等に記載されているように、視野角拡大効果を有する光学補償フィルムを偏光膜の裏表2枚の保護フィルムの内の本発明の反射防止フィルムとは反対側の面に用いることにより、1枚の偏光板の厚みで反射防止効果と視野角拡大効果を有する偏光板を得ることができ、特に好ましい。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(パーフルオロオレフィン共重合体(1)の合成)
Figure 2004170901
内容量100mlのステンレス製撹拌機付オートクレーブに酢酸エチル40ml、ヒドロキシエチルビニルエーテル14.7gおよび過酸化ジラウロイル0.55gを仕込み、系内を脱気して窒素ガスで置換した。さらにヘキサフルオロプロピレン(HFP)25gをオートクレーブ中に導入して65℃まで昇温した。オートクレーブ内の温度が65℃に達した時点の圧力は5.4kg/cmであった。該温度を保持し8時間反応を続け、圧力が3.2kg/cmに達した時点で加熱をやめ放冷した。室温まで内温が下がった時点で未反応のモノマーを追い出し、オートクレーブを開放して反応液を取り出した。得られた反応液を大過剰のヘキサンに投入し、デカンテーションにより溶剤を除去することにより沈殿したポリマーを取り出した。さらにこのポリマーを少量の酢酸エチルに溶解してヘキサンから2回再沈殿を行うことによって残存モノマーを完全に除去した。乾燥後ポリマー28gを得た。次に該ポリマーの20gをN,N-ジメチルアセトアミド100mlに溶解、氷冷下アクリル酸クロライド11.4gを滴下した後、室温で10時間攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え水洗、有機層を抽出後濃縮し、得られたポリマーをヘキサンで再沈殿させることによりパーフルオロオレフィン共重合体(1)を19g得た。得られたポリマーの屈折率は1.421であった。
(パーフルオロオレフィン共重合体(2)の合成)
Figure 2004170901
内容量100mlのステンレス製撹拌機付オートクレーブに酢酸エチル30ml、グリシジルビニルエーテル11.5gおよび過酸化ジラウロイル0.42gを仕込み、系内を脱気して窒素ガスで置換した。さらにヘキサフルオロプロピレン(HFP)21gをオートクレーブ中に導入して65℃まで昇温した。オートクレーブ内の温度が65℃に達した時点の圧力は6.2kg/cmであった。該温度を保持し8時間反応を続け、圧力が3.6kg/cmに達した時点で加熱をやめ放冷した。室温まで内温が下がった時点で未反応のモノマーを追い出し、オートクレーブを開放して反応液を取り出した。反応液を大過剰のヘキサンに投入し、デカンテーションにより溶剤を除去することにより沈殿したポリマーを取り出した。さらにこのポリマーを少量の酢酸エチルに溶解してヘキサンから2回再沈殿を行うことによって残存モノマーを完全に除去した。乾燥後パーフルオロオレフィン共重合体(2)を21g得た。得られたポリマーの屈折率は1.424であった。
(ゾル液a-1の調製)
攪拌機、還流冷却器を備えた反応器に、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(KBM5103(商品名);信越化学工業社製)161質量部、シュウ酸 123質量部、エタノール415質量部を加え混合したのち、70℃で4時間反応させた後、室温まで冷却し、本発明の硬化性組成物として透明なゾル液a-1を得た。重量平均分子量は1600であり、オリゴマー成分以上の成分のうち、分子量が1000〜20000の成分は100%であった。また、ガスクロマトグラフィー分析から、原料の3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランは全く残存していなかった。
(ゾル液a-2の調製)
攪拌機、還流冷却器を備えた反応器に、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン29.5質量部、エタノール 62.5質量部、イオン交換水 3.4質量部、2モル/l塩酸 3質量部を加え混合したのち、40℃で3時間反応させた後室温まで冷却し、エタノールを30質量部加え、本発明の硬化性組成物として透明なゾル液a-2を得た。重量平均分子量は1300であり、オリゴマー成分以上の成分のうち、分子量が1000〜20000の成分は100%であった。また、ガスクロマトグラフィー分析から、原料の3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランは全く残存していなかった。
(ゾル液a-3の調製)
攪拌機、還流冷却器を備えた反応器に、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン29.5質量部、MEK(メチルエチルケトン)62.5質量部、イオン交換水 6.3質量部、2モル/l塩酸 6質量部を加え混合したのち、40℃で3時間反応させた後室温まで冷却し、MEK 24質量部を加え、本発明の硬化性組成物として透明なゾル液a-3を得た。重量平均分子量は1100であり、オリゴマー成分以上の成分のうち、分子量が1000〜20000の成分は100%であった。また、ガスクロマトグラフィー分析から、原料の3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランは全く残存していなかった。
(ゾル液a-4の調製)
オルガノシランのゾル組成物a-2の調製において、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン29.5質量部を3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン19.5質量部と3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン10.0質量部の混合物に変更する以外はオルガノシランのゾル組成物a-2の調製と同様の操作で、本発明の硬化性組成物として透明なゾル液a-4を得た。重量平均分子量は1400であり、オリゴマー成分以上の成分のうち、分子量が1000〜20000の成分は100%であった。また、ガスクロマトグラフィー分析から、原料のオルガノシランは全く残存していなかった。
(ゾル液a-5の調製)
攪拌機、還流冷却器を備えた反応器に、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン161質量部、シュウ酸 80質量部、エタノール415質量部を加え混合したのち、70℃で4時間反応させた後室温まで冷却し、エタノール43質量部加え、本発明の硬化性組成物として透明なゾル液a-5を得た。重量平均分子量は1400であり、オリゴマー成分以上の成分のうち、分子量が1000〜20000の成分は100%であった。また、ガスクロマトグラフィー分析から、原料の3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランは全く残存していなかった。
(ゾル液a-6の調製)
ゾル液a-5の調製において、シュウ酸をマロン酸に換えた他は、ゾル液a-5の調製と同様にして、本発明の硬化性組成物として透明なゾル液a-6を得た。重量平均分子量は1300であり、オリゴマー成分以上の成分のうち、分子量が1000〜20000の成分は100%であった。また、ガスクロマトグラフィー分析から、原料の3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランは全く残存していなかった。
(ゾル液a-7の調製)
ゾル液a-1の調製において、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン161質量部を3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン46質量部、3−アセトキシプロピルトリメトキシシラン115質量部に換えた他は、ゾル液a-1の調製と同様にして、本発明の硬化性組成物として透明なゾル液a-7を得た。重量平均分子量は1300であり、オリゴマー成分以上の成分のうち、分子量が1000〜20000の成分は100%であった。また、ガスクロマトグラフィー分析から、原料の3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アセトキシプロピルトリメトキシシランは全く残存していなかった。
(ゾル液a-8の調製)
攪拌機、還流冷却器を備えた反応器に、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン29.5質量部、MEK(メチルエチルケトン)62.5質量部、イオン交換水 6.3質量部、2モル/l塩酸 6質量部を加え混合したのち、40℃で3時間反応させた後室温まで冷却し、MEK 24質量部を加え、本発明の硬化性組成物として透明なゾル液a-8を得た。重量平均分子量は1100であり、オリゴマー成分以上の成分のうち、分子量が1000〜20000の成分は100%であった。また、ガスクロマトグラフィー分析から、原料の3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランは全く残存していなかった。
(ゾル液b-1の調製)
ゾル液a-1の調製において、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランをメチルトリメトキシシランに換えた他は、ゾル液a-1の調製と同様にして、ゲル分を含む白濁のゾル液b-1を得た。ゲル分を含むために、GPC分析は出来なかった。
(ゾル液b-2の調製)
ゾル液a-1の調製において、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランを3−アセトキシプロピルトリメトキシシランに換えた他は、ゾル液a-1の調製と同様にして透明なゾル液b-2を得た。重量平均分子量は1400であり、オリゴマー成分以上の成分のうち、分子量が1000〜20000の成分は100%であった。また、ガスクロマトグラフィー分析から、原料の3−アセトキシプロピルトリメトキシシランは全く残存していなかった。
(ゾル液c-1の調製)
攪拌機、還流冷却器を備えた反応器に、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン100質量部、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート6質量部、i−プロパノール12質量部を加え混合したのち、イオン交換水30質量部を加え、60℃で4時間反応させたのち、室温まで冷却し、アセチルアセトン6質量部を添加し、ゾル液c-1を得た。
(ゾル液c-2の調製)
3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランを3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランに変更する以外はゾル液c-1の調製と同様の操作でゾル液c-2を得た。
(ゾル液c-3の調製)
3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランを3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランに変更する以外はゾル液c-1の調製と同様の操作でゾル液c-3を得た。
(ハードコート層用塗布液Aの調製)
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、商品名、日本化薬(株)製)150gをメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50%の混合溶媒206gに溶解した。得られた溶液に、シリカゾル30%メチルエチルケトン分散物(MEK−ST、商品名、日産化学社製、平均粒径約15nm)333g、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)7.5gおよび光増感剤(カヤキュアーDETX、商品名、日本化薬(株)製)5.0gを49gのメチルエチルケトンに溶解した溶液を加えた。
(ハードコート層用塗布液Bの調製)
市販シリカ含有UV硬化型ハードコート液(デソライトZ7526、商品名、JSR社製、固形分濃度72%、シリカ含率38%、平均粒径約20nm)347gをメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50%の混合溶媒403gで希釈した。
(ハードコート層用塗布液Cの調製)
市販アルミナ含有UV硬化型ハードコート液(デソライトZ7526(商品名、JSR社製)の含有無機微粒子変更品、固形分濃度50%、アルミナ含率50%、平均粒径約20nm)500gをメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50%の混合溶媒250gで希釈した。
(ハードコート層用塗布液Dの調製)
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)250gをメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50%の混合溶媒439gに溶解した。得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)7.5gおよび光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)5.0gを49gのメチルエチルケトンに溶解した溶液を加えた。
(ハードコート層用塗布液Eの調製)
市販シリカ含有UV硬化型ハードコート液(デソライトZ7526、JSR社製、固形分濃度72%、シリカ含率38%、平均粒径約20nm)450gにa-1を36g加え、この液をメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50%の混合溶媒264gで希釈した。
(ハードコート層用塗布液Fの調製)
市販アルミナ含有UV硬化型ハードコート液(デソライトZ7526(商品名、JSR社製)の含有無機微粒子変更品、固形分濃度50%、アルミナ含率50%、平均粒径約20nm)375gにa-1を47g加え、この液をメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50%の混合溶媒328gで希釈した。
(ハードコート層用塗布液Gの調製)
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)135gをメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50%の混合溶媒196gに溶解した。得られた溶液に、シリカゾル30%メチルエチルケトン分散物(MEK−ST、日産化学社製、平均粒径約15nm)300g、a-1を25g加え、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)7.5gおよび光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)5.0gを82gのメチルエチルケトンに溶解した溶液を加えた。
(防眩性ハードコート層用塗布液Aの調製)
市販ジルコニア含有UV硬化型ハードコート液(デソライトZ7401、商品名、JSR社製、固形分濃度48%、ジルコニア含率71%、平均粒径約20nm)278gにジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)117g、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)7.5g、をメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50%の混合溶媒355gで希釈した。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.61であった。
さらにこの溶液に平均粒径2μmの架橋ポリスチレン粒子(商品名:SX−200H、綜研化学(株)製)10gを添加して、高速ディスパにて5000rpmで1時間攪拌、分散した後、孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して防眩性ハードコート層の塗布液Aを調製した。
(防眩性ハードコート層用塗布液Bの調製)
市販ジルコニア含有UV硬化型ハードコート液(デソライトZ7401、JSR社製、固形分濃度48%、ジルコニア含率71%、平均粒径約20nm)521g、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)7.5g、をメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50%の混合溶媒229gで希釈した。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.73であった。
さらにこの溶液に平均粒径2μmのベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド樹脂粒子(商品名:エポスターMS、日本触媒(株)製)10gを添加して、高速ディスパにて5000rpmで1時間攪拌、分散した後、孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して防眩性ハードコート層の塗布液Bを調製した。
(防眩性ハードコート層用塗布液Cの調製)
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)75g、ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド(MPSMA、商品名、住友精化(株)製)75g、平均粒径33nmのアルミナ粒子(シーアイ化成社製)100gを、439gのメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50%の混合溶媒に溶解した。得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)5.0gおよび光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)3.0gを61gのメチルエチルケトンに溶解した溶液を加えた。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.60であった。
さらにこの溶液に平均粒径2μmの架橋ポリスチレン粒子(商品名:SX−200H、綜研化学(株)製)10gを添加して、高速ディスパにて5000rpmで1時間攪拌、分散した後、孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過してハードコート層の塗布液Cを調製した。
(防眩性ハードコート層用塗布液Dの調製)
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)75g、ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド(MPSMA、住友精化(株)製)75g、平均粒径33nmのアルミナ粒子(シーアイ化成社製)100gを、439gのメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50%の混合溶媒に溶解した。得られた溶液に、a-1の28.7g、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)5.0gおよび光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)3.0gを33gのメチルエチルケトンに溶解した溶液を加えた。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.60であった。
さらにこの溶液に平均粒径2μmの架橋ポリスチレン粒子(商品名:SX−200H、綜研化学(株)製)10gを添加して、高速ディスパにて5000rpmで1時間攪拌、分散した後、孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過してハードコート層の塗布液Dを調製した。
(防眩性ハードコート層用塗布液Eの調製)
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)125g、ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド(MPSMA、住友精化(株)製)125gを、439gのメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50%の混合溶媒に溶解した。得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)5.0gおよび光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)3.0gを49gのメチルエチルケトンに溶解した溶液を加えた。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.60であった。
さらにこの溶液に平均粒径2μmの架橋ポリスチレン粒子(商品名:SX−200H、綜研化学(株)製)10gを添加して、高速ディスパにて5000rpmで1時間攪拌、分散した後、孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過してハードコート層の塗布液Eを調製した。
(防眩性ハードコート層用塗布液Fの調製)
市販ジルコニア含有UV硬化型ハードコート液(デソライトZ7401、JSR社製、固形分濃度48%、ジルコニア含率71%、平均粒径約20nm)195gにジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)82g、a-1 25.8g、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)7.5g、をメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50%の混合溶媒368gで希釈した。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.59であった。
さらにこの溶液に平均粒径2μmの架橋ポリスチレン粒子(商品名:SX−200H、綜研化学(株)製)10gを添加して、高速ディスパにて5000rpmで1時間攪拌、分散した後、孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して防眩性ハードコート層の塗布液Fを調製した。
(防眩性ハードコート層用塗布液Gの調製)
市販ジルコニア含有UV硬化型ハードコート液(デソライトZ7401、JSR社製、固形分濃度48%、ジルコニア含率71%、平均粒径約20nm)250gにジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)105g、a-1 25.8g、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)7.5g、をメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50%の混合溶媒384gで希釈した。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.61であった。
さらにこの溶液に平均粒径2μmの架橋ポリスチレン粒子(商品名:SX−200H、綜研化学(株)製)10gを添加して、高速ディスパにて5000rpmで1時間攪拌、分散した後、孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して防眩性ハードコート層の塗布液Gを調製した。
(防眩性ハードコート層用塗布液Hの調製)
上記、防眩性ハードコート層用塗布液Gのa-1を、a-2に変更した以外は、添加量も含め上記塗布液Gと全く同様にして防眩性ハードコート層用塗布液Hを調製した。
(防眩性ハードコート層用塗布液Iの調製)
上記、防眩性ハードコート層用塗布液Gのa-1を、a-3に変更した以外は、添加量も含め上記塗布液Gと全く同様にして防眩性ハードコート層用塗布液Iを調製した。
(防眩性ハードコート層用塗布液Jの調製)
上記、防眩性ハードコート層用塗布液Gのa-1を、a-4に変更した以外は、添加量も含め上記塗布液Gと全く同様にして防眩性ハードコート層用塗布液Jを調製した。
(防眩性ハードコート層用塗布液Kの調製)
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)91g、粒径約30nmの酸化ジルコニウム超微粒子分散物含有ハードコート塗布液(デソライトZ−7401、JSR(株)製)218gを、52gのメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=54/46質量%の混合溶剤に溶解した。得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907、チバファインケミカルズ(株)製)10gを加え、攪拌溶解した後に、20質量パーセントの含フッ素オリゴマーのメチルエチルケトン溶液からなるフッ素系界面活性剤(メガファックF−176、商品名、大日本インキ(株)製)0.93gを添加した。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.61であった。
さらにこの溶液に個数平均粒径1.99μm、粒径の標準偏差0.32μm(個数平均粒径の16%)の架橋ポリスチレン粒子(商品名:SX−200HS、綜研化学(株)製)20gを80gのメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=54/46質量%の混合溶剤に高速ディスパにて5000rpmで1時間攪拌分散し、孔径10μm、3μm、1μmのポリプロピレン製フィルター(それぞれ商品名、PPE-10、PPE−03、PPE−01、いずれも富士写真フイルム(株)製)にてろ過して得られた分散液29gを添加、攪拌した後、孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して防眩性ハードコート層塗布液Kを調製した。
(防眩性ハードコート層用塗布液Lの調製)
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)82g、粒径約30nmの酸化ジルコニウム超微粒子分散物含有ハードコート塗布液(デソライトZ−7401、JSR(株)製)196g、a-1 20.7g、を、64.5gのメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=54/46質量%の混合溶剤に溶解した。得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907、チバファインケミカルズ(株)製)10gを加え、攪拌溶解した後に、20質量パーセントの含フッ素オリゴマーのメチルエチルケトン溶液からなるフッ素系界面活性剤(メガファックF−176、大日本インキ(株)製)0.93gを添加した。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.61であった。
さらにこの溶液に個数平均粒径1.99μm、粒径の標準偏差0.32μm(個数平均粒径の16%)の架橋ポリスチレン粒子(商品名:SX−200HS、綜研化学(株)製)20gを80gのメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=54/46質量%の混合溶剤に高速ディスパにて5000rpmで1時間攪拌分散し、孔径10μm、3μm、1μmのポリプロピレン製フィルター(それぞれPPE-10、PPE−03、PPE−01、いずれも富士写真フイルム(株)製)にてろ過して得られた分散液29gを添加、攪拌した後、孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して防眩性ハードコート層塗布液Lを調製した。
(防眩性ハードコート層用塗布液Mの調製)
フッ素系界面活性剤をシリコーン系界面活性剤(シリコーンX−22−945、商品名、信越化学工業(株)製)に置き換えた以外は防眩性ハードコート層塗布液Kと同様にして、防眩層用塗布液Mを調製した。
(防眩性ハードコート層用塗布液Nの調製)
フッ素系界面活性剤をシリコーン系界面活性剤(シリコーンX−22−945、信越化学工業(株)製)に置き換えた以外は防眩性ハードコート層塗布液Lと同様にして、防眩層用塗布液Nを調製した。
(防眩性ハードコート層用塗布液1イの調製)
市販シリカ含有UV硬化型ハードコート液(デソライトZ7526(商品名、JSR社製)の溶剤組成変更品、固形分濃度約72%、固形分中SiO2含率約38%、重合性モノマー、重合開始剤含有)272gをメチルイソブチルケトン26.2gで希釈した。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.51であった。
さらにこの溶液に平均粒径3.5μmの架橋ポリスチレン粒子(商品名:SX−350H、綜研化学(株)製)の25%メチルイソブチルケトン分散液をポリトロン分散機にて10000rpmで30分分散した分散液を44g加え、次いで、平均粒径5μmの架橋ポリスチレン粒子(商品名:SX−500H、綜研化学(株)製)の25%メチルイソブチルケトン分散液をポリトロン分散機にて10000rpmで30分分散した分散液を57.8g加えた。
上記混合液を孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して防眩性ハードコート層の塗布液1イを調製した。
(防眩性ハードコート層用塗布液1ロの調製)
市販シリカ含有UV硬化型ハードコート液(デソライトZ7526(商品名、JSR社製)の溶剤組成変更品、固形分濃度72%、固形分中SiO2含率約38%、重合性モノマー、重合開始剤含有)245gにa-1 19.6gを加え、さらにメチルイソブチルケトン33.6gで希釈した。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.51であった。
さらにこの溶液に平均粒径3.5μmの架橋ポリスチレン粒子(商品名:SX−350H、綜研化学(株)製)の25%メチルイソブチルケトン分散液をポリトロン分散機にて10000rpmで30分分散した分散液を44g加え、次いで、平均粒径5μmの架橋ポリスチレン粒子(商品名:SX−500H、綜研化学(株)製)の25%メチルイソブチルケトン分散液をポリトロン分散機にて10000rpmで30分分散した分散液を57.8g加えた。
上記混合液を孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して防眩性ハードコート層の塗布液1ロを調製した。
(防眩性ハードコート層用塗布液1ハの調製)
上記、防眩性ハードコート層用塗布液1ロのa-1を、a-2に変更した以外は、添加量も含め塗布液1ロと全く同様にして防眩性ハードコート層用塗布液1ハを調製した。
(防眩性ハードコート層用塗布液1ニの調製)
上記、防眩性ハードコート層用塗布液1ロのa-1を、a-4に変更した以外は、添加量も含め塗布液1ロと全く同様にして防眩性ハードコート層用塗布液1ニを調製した。
(防眩性ハードコート層用塗布液1ホの調製)
上記、防眩性ハードコート層用塗布液1ロのa-1を、a-3に変更した以外は、添加量も含め塗布液1ロと全く同様にして防眩性ハードコート層用塗布液1ホを調製した。
(防眩性ハードコート層用塗布液1ヘの調製)
市販シリカ含有UV硬化型ハードコート液(デソライトZ7526(商品名、JSR社製)の溶剤組成変更品、固形分濃度約72%、固形分中SiO2含率約38%、重合性モノマー、重合開始剤含有)272g、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)91g、オルガノシランのゾル組成物a-1を19.6g加え、さらにメチルイソブチルケトン26.2gで希釈した。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.52であった。
さらにこの溶液に平均粒径3.5μmの分級強化架橋ポリスチレン粒子(商品名:SXS−350H、綜研化学(株)製)の30%メチルイソブチルケトン分散液をポリトロン分散機にて10000rpmで20分分散した分散液を44g加え、次いで、平均粒径5μmの分級強化架橋ポリスチレン粒子(商品名:SXS−500H、綜研化学(株)製)の30%メチルイソブチルケトン分散液をポリトロン分散機にて10000rpmで30分分散した分散液を57.8g加えた。
上記混合液を孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して防眩性ハードコート層の塗布液1ヘを調製した。
(防眩性ハードコート層用塗布液1トの調製)
市販ジルコニア含有UV硬化型ハードコート液(デソライトZ7404(商品名)、JSR社製、固形分濃度約61.2%、固形分中ZrO2含率約69.6%、重合性モノマー、重合開始剤含有)95.2g、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)28.8g、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(KBM5103(商品名);信越化学工業社製)9.6gを加え、さらにメチルイソブチルケトン20.1g、メチルエチルケトン5.4gで希釈した。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.62であった。
さらにこの溶液に平均粒径1.5μmのシリカ粒子(商品名:シーホスターKE−P150、日本触媒(株)製)の30%メチルイソブチルケトン分散液をポリトロン分散機にて10000rpmで20分分散した分散液を29.5g加え、次いで、平均粒径3μmの分級強化架橋ポリメタクリル酸メチル粒子(商品名:MXS−300、綜研化学(株)製)の30%メチルイソブチルケトン分散液をポリトロン分散機にて10000rpmで30分分散し、1週間経時させた分散液を11.3g加えた。
上記混合液を孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して防眩性ハードコート層の塗布液1トを調製した。
(防眩性ハードコート層用塗布液1チの調製)
上記、防眩性ハードコート層用塗布液1トの3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン9.6gをa-1 5.0gに変更した以外は、添加量も含め塗布液1トと全く同様にして防眩性ハードコート層用塗布液1チを調製した。
(防眩性ハードコート層用塗布液1リの調製)
上記、防眩性ハードコート層用塗布液1チのa-1を、a-8に変更した以外は、添加量も含め塗布液1トと全く同様にして防眩性ハードコート層用塗布液1リを調製した。
(防眩性ハードコート層用塗布液1ヌの調製)
上記、防眩性ハードコート層用塗布液1チのa-1を、c-1に変更した以外は、添加量も含め塗布液1トと全く同様にして防眩性ハードコート層用塗布液1ヌを調製した。
(防眩性ハードコート層用塗布液1ルの調製)
EO付きトリメチロールプロパントリアクリレート(商品名:ビスコート#360、大阪有機化学工業製)80g、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(商品名:DPHA、日本化薬(株)製)21gと市販ジルコニア含有UV硬化型ハードコート液(デソライトZ7404、JSR社製、固形分濃度61%、固形分中ジルコニア含率68%、平均粒径20nm、重合性モノマー、重合開始剤含有)327gにメチルイソブチルケトン16.0g、メチルエチルケトン19.8gを加え、混合撹拌した。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.70であった。
さらにこの溶液に平均粒径3μmの分級強化架橋ポリメタクリル酸メチル粒子(商品名:MXS−300、綜研化学(株)製)の30%メチルイソブチルケトン分散液をポリトロン分散機にて10000rpmで30分分散した分散液を30.4g加え、次いで、平均粒径5μmの分級強化架橋ポリメタクリル酸メチル粒子(商品名:MXS−500、綜研化学(株)製)の30%メチルイソブチルケトン分散液をポリトロン分散機にて10000rpmで20分分散した分散液を48.5g加えた。最後にオルガノシランのゾル組成物a-1を9.8g添加した後、ディスパーにて20分撹拌し、孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して防眩性ハードコート層の塗布液1ルを調製した。
(防眩性ハードコート層用塗布液1ヲの調製)
上記、防眩性ハードコート層用塗布液1ルのa-1を、a-8に変更した以外は、添加量も含め塗布液1ルと全く同様にして防眩性ハードコート層用塗布液1ヲを調製した。
(防眩性ハードコート層用塗布液1ワの調製)
EO付きトリメチロールプロパントリアクリレート(商品名:ビスコート#360、大阪有機化学工業製)127g、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(商品名:DPHA、日本化薬(株)製)76.4gを加え、さらに重合開始剤イルガキュア184(商品名、チバファインケミカルズ(株))10.8gを添加し、混合撹拌した。これにメチルイソブチルケトン60.0g、メチルエチルケトン33.0gを加え、撹拌した。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.53であった。
さらにこの溶液に平均粒径5μmの分級強化架橋ポリメタクリル酸メチル粒子(商品名:MXS−500、綜研化学(株)製)の30%メチルイソブチルケトン分散液をポリトロン分散機にて10000rpmで20分分散した分散液を102g加え、次いで、平均粒径2.5μmのシリカ粒子(商品名:シーホスターKE−P250、日本触媒(株)製)の30%メチルイソブチルケトン分散液をポリトロン分散機にて10000rpmで30分分散した分散液を95g加えた。最後にオルガノシランのゾル組成物a-1を6.1g添加した後、ディスパーにて20分撹拌し、孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して防眩性ハードコート層の塗布液1ワを調製した。
(防眩性ハードコート層用塗布液1カの調製)
上記、防眩性ハードコート層用塗布液1ワのa-1を、a-8に変更した以外は、添加量も含め塗布液1ワと全く同様にして防眩性ハードコート層用塗布液1カを調製した。
(低屈折率層用塗布液Aの調製)
屈折率1.42の熱架橋性含フッ素ポリマー(JN−7228、商品名、固形分濃度6%、JSR(株)製)177gにシリカゾル(MEK−ST、平均粒径10〜20nm、固形分濃度30%、日産化学社製)15.2gおよびメチルエチルケトン116g、シクロヘキサノン9.0gを添加、攪拌の後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層用塗布液Aを調製した。
(低屈折率層用塗布液Bの調製)
パーフルオロオレフィン共重合体(1)の15.2gに反応性シリコーンX-22-164B(商品名;信越化学工業社製)0.3g、光重合開始剤(イルガキュア907(商品名)、チバガイギー社製)0.76g、メチルエチルケトン293g、シクロヘキサノン9.0gを添加、攪拌の後、孔径5μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層用塗布液Bを調製した。
(低屈折率層用塗布液Cの調製)
パーフルオロオレフィン共重合体(2)の15.2gに反応性シリコーンX-22-169AS(商品名;信越化学工業社製)0.3g、光重合開始剤(UVI6990、商品名、ユニオンカーバイド社製)1.52g、メチルエチルケトン293g、シクロヘキサノン9.0gを添加、攪拌の後、孔径5μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層用塗布液Cを調製した。
(低屈折率層用塗布液Dの調製)
屈折率1.42の熱架橋性含フッ素ポリマー(JN−7228、固形分濃度6%、JSR(株)製)177gにシリカゾル(MEK−ST、平均粒径10〜20nm、固形分濃度30%、日産化学社製)15.2g、a-1 7.3gおよびメチルエチルケトン90g、シクロヘキサノン9.0gを添加、攪拌の後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層用塗布液Dを調製した。
(低屈折率層用塗布液Eの調製)
上記、低屈折率層用塗布液Dのa-1を、a-2に変更した以外は添加量も含めて低屈折率層用塗布液Dと全く同様にして、低屈折率層用塗布液Eを調製した。
(低屈折率層用塗布液Fの調製)
上記、低屈折率層用塗布液Dのa-1を、a-3に変更した以外は添加量も含めて低屈折率層用塗布液Dと全く同様にして、低屈折率層用塗布液Fを調製した。
(低屈折率層用塗布液Gの調製)
上記、低屈折率層用塗布液Dのa-1を、a-4に変更した以外は添加量も含めて低屈折率層用塗布液Dと全く同様にして、低屈折率層用塗布液Gを調製した。
(低屈折率層用塗布液Hの調製)
パーフルオロオレフィン共重合体(1)の15.2gに反応性シリコーンX-22-164B(商品名;信越化学工業社製)0.3g、a-1 7.3g、光重合開始剤(イルガキュア907(商品名)、チバガイギー社製)0.76g、メチルエチルケトン301g、シクロヘキサノン9.0gを添加、攪拌の後、孔径5μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層用塗布液Hを調製した。
(低屈折率層用塗布液Iの調製)
パーフルオロオレフィン共重合体(2)の15.2gに反応性シリコーンX-22-169AS(商品名;信越化学工業社製)0.3g、a-2 7.3g、光重合開始剤(UVI6990、ユニオンカーバイド社製)1.52g、メチルエチルケトン288g、シクロヘキサノン9.0gを添加、攪拌の後、孔径5μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層用塗布液Iを調製した。
(低屈折率層用塗布液Jの調製)
上記、低屈折率層用塗布液Hのa-1を、a-8に変更した以外は添加量も含めて低屈折率層用塗布液Hと全く同様にして、低屈折率層用塗布液Jを調製した。
(低屈折率層用塗布液Kの調製)
屈折率1.42の熱架橋性含フッ素ポリマー(JN−7228、商品名、固形分濃度6%、JSR(株)製)177gにシリカゾル(MEK−ST、平均粒径10〜20nm、固形分濃度30%、日産化学社製)6.9g、粒径違いのシリカゾル(MEK−ST−L、平均粒径約50nm、固形分濃度30%、日産化学社製)8.3g、a-1 7.3gおよびメチルエチルケトン90g、シクロヘキサノン9.0gを添加、攪拌の後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層用塗布液Kを調製した。
(低屈折率層用塗布液Lの調製)
上記、低屈折率層用塗布液Kのa-1を、a-8に変更した以外は添加量も含めて低屈折率層用塗布液Kと全く同様にして、低屈折率層用塗布液Lを調製した。
(低屈折率層用塗布液Mの調製)
上記、低屈折率層用塗布液Kのa-1を、c-1に変更した以外は添加量も含めて低屈折率層用塗布液Kと全く同様にして、低屈折率層用塗布液Mを調製した。
(低屈折率層用塗布液Nの調製)
上記、低屈折率層用塗布液Kのa-1を、c-2に変更した以外は添加量も含めて低屈折率層用塗布液Kと全く同様にして、低屈折率層用塗布液Nを調製した。
(低屈折率層用塗布液Oの調製)
上記、低屈折率層用塗布液Kのa-1を、c-3に変更した以外は添加量も含めて低屈折率層用塗布液Kと全く同様にして、低屈折率層用塗布液Oを調製した。
上記低屈折率層用塗布液A〜Oにより形成された低屈折率層は、いずれも屈折率は1.38〜1.49の範囲であった。
実施例1
ハードコート層A〜G、防眩性ハードコート層A〜N、低屈折率層A〜Iそれぞれを以下のようにして塗布し、反射防止フィルム試料を得た。積層の組み合わせは表1、表2に記載のとおりに行った。
(1)ハードコート層の塗設
80μmの厚さのトリアセチルセルロースフイルム(TD80U、商品名、富士写真フイルム(株)製)をロール形態で巻き出して、上記のハードコート層用塗布液を線数180本/インチ、深度40μmのグラビアパターンを有する直径50mmのマイクログラビアロールとドクターブレードを用いて、グラビアロール回転数30rpm、搬送速度10m/分の条件で塗布し、120℃、2分で乾燥の後、酸素濃度0.1%以下の窒素パージ下で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm、照射量300mJ/cmの紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ2.5μmのハードコート層を形成し、巻き取った。
(2)防眩性ハードコート層の塗設
該ハードコート層を塗設したトリアセチルセルロースフイルムを再び巻き出して、上記の防眩性ハードコート層用塗布液を線数180本/インチ、深度40μmのグラビアパターンを有する直径50mmのマイクログラビアロールとドクターブレードを用いて、グラビアロール回転数30rpm、搬送速度5m/分の条件で塗布し、120℃で4分乾燥の後、窒素パージ下で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm、照射量300mJ/cmの紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ1.5〜4.5μmの防眩性ハードコート層を形成し、巻き取った。
(3)低屈折率層の塗設
該ハードコート層と防眩性ハードコート層を塗設したトリアセチルセルロースフイルムを再び巻き出して、上記低屈折率層用塗布液を線数180本/インチ、深度40μmのグラビアパターンを有する直径50mmのマイクログラビアロールとドクターブレードを用いて、グラビアロール回転数30rpm、搬送速度10m/分の条件で塗布し、80℃で2分乾燥の後、さらに窒素パージ下で240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm、照射量600mJ/cmの紫外線を照射し、120℃で2.5分乾燥の後、さらに140℃で10〜20分乾燥させて、厚さ0.096μmの低屈折率層を形成し、巻き取った。
Figure 2004170901
Figure 2004170901
上記試料の中から抜粋した試料について防眩性ハードコート層まで塗布した試料について、表面エネルギーと、X線光電子部分光法で測定したフッ素原子由来のピークと炭素原子由来のピーク比F/Cと、シリコン原子由来のピークと炭素原子由来のピーク比Si/Cを以下に示す。なお、防眩性ハードコート層の表面エネルギーは、純水およびジヨードメタンの接触角を測定してOwensの表面エネルギーの式に代入して算出した。
試料116:表面エネルギー 22mN・m-1、 F/C 0.53
試料143:表面エネルギー 31mN・m-1、 F/C 0.28
試料144:表面エネルギー 33mN・m-1、 F/C 0.27
試料145:表面エネルギー 29mN・m-1、 Si/C 0.12
試料146:表面エネルギー 30mN・m-1、 Si/C 0.11
(反射防止フィルムの評価)
得られたフィルムについて、以下の項目の評価を行った。
(1)平均反射率
分光光度計(日本分光(株)製)を用いて、380〜780nmの波長領域において、入射角5°における分光反射率を測定した。結果には450〜650nmの積分球平均反射率を用いた。
(2)ヘイズ
得られたフィルムのヘイズをヘイズメーターMODEL 1001DP(商品名、日本電色工業(株)製)を用いて測定した。
(3)鉛筆硬度評価
耐傷性の指標としてJIS K 5400に記載の鉛筆硬度評価を行った。反射防止フィルムを温度25℃、湿度60%RHで2時間調湿した後、JIS S 6006に規定する3Hの試験用鉛筆を用いて、1kgの荷重にて試験し、以下の基準で評価した。
n=5の評価において傷が全く認められない :○
n=5の評価において傷が1または2つ :△
n=5の評価において傷が3つ以上 :×
(4)接触角、指紋付着性評価
表面の耐汚染性の指標として、反射防止フィルムを温度25℃、湿度60%RHで2時間調湿した後、水に対する接触角を測定した。またこのサンプル表面に指紋を付着させてから、それをクリーニングクロスで拭き取ったときの状態を目視にて観察して、以下のように指紋付着性を評価した。
指紋が完全に拭き取れる :○
指紋がやや見える :△
指紋がほとんど拭き取れない :×
(5)動摩擦係数測定
表面滑り性の指標として動摩擦係数にて評価した。動摩擦係数は試料を25℃、相対湿度60%で2時間調湿した後、HEIDON−14(商品名)動摩擦測定機により5mmステンレス鋼球、荷重100g、速度60cm/minにて測定した値を用いた。
(6)防眩性評価
作成した防眩性フィルムにルーバーなしのむき出し蛍光灯(8000cd/m2)を映し、その反射像のボケの程度を以下の基準で評価した。
蛍光灯の輪郭が全くわからない :◎
蛍光灯の輪郭がわずかにわかる :○
蛍光灯はぼけているが、輪郭は識別できる :△
蛍光灯がほとんどぼけない :×
(7)ギラツキ評価
作成した防眩性フィルムにルーバーありの蛍光灯拡散光を映し、表面のギラツキを以下の基準で評価した。
ほとんどギラツキが見られない :○
わずかにギラツキがある :△
目で識別できるサイズのギラツキがある :×
(8)スチールウール耐傷性評価
ラビングテスターを用いて、以下の条件でこすりテストをおこなった。
試料調湿条件: 25℃、60%RH、2時間以上。
こすり材: 試料と接触するテスターのこすり先端部(1cm×1cm)にスチールウール(日本スチールウール製、ゲレードNo.0000)を巻いて、動かないようバンド固定した。
移動距離(片道):13cm、 こすり速度:13cm/秒、 荷重:200g/cm2、 先端部接触面積:1cm×1cm、 こすり回数:20往復。
こすり終えた試料の裏側に油性黒インキを塗り、反射光で目視観察して、こすり部分の傷を、以下の基準で評価した。
非常に注意深く見ても、全く傷が見えない。 : ◎
非常に注意深く見ると僅かに弱い傷が見える。 : ○
弱い傷が見える。 : ○△
中程度の傷が見える。 : △
一目見ただけで強い傷が見える。 : ×
(9)水綿棒こすり耐性評価
ラビングテスターのこすり先端部に綿棒を固定し、平滑皿中で試料の上下をクリップで固定し、室温25℃で、試料と綿棒を25℃の水に浸し、綿棒に500gの荷重をかけて、こすり回数を変えてこすりテストを行った。こすり条件は以下のとおり。
こすり距離(片道):1cm、 こすり速度:約2往復/秒
こすり終えた試料を観察して、膜剥がれが起こった回数で、こすり耐性を以下のように評価した。
0〜10往復で膜剥がれ ×
10往復を超え、30往復までで膜剥がれ ×△
30往復を超え、50往復までで膜剥がれ △
50往復を超え、100往復までで膜剥がれ ○△
100往復を超え、150往復までで膜剥がれ ○
150往復を超えても膜剥がれなし ◎
(10)塗布面状ムラ
塗布面側を上にして、裏面側から上記蛍光灯を照射して、透過目視面検にてハジキ、ブツ等の点欠陥、塗布ムラ、乾燥ムラ等の面状ムラの発生頻度について、10m2だけ検査し、その値を10で割って1m2当たりの面状ムラの数を算出した。
上記試料中の本発明の全試料において、指紋付着性は○で、防眩性は◎で、ギラツキは○であり、反射防止性能と鉛筆硬度も防眩性反射防止フィルムに必要とされる性能レベルを越えていた。
また試料116、143〜146について面状ムラの数を数えた。
試料116 9個/m2
試料143 3個/m2
試料144 0個/m2
試料145 3個/m2
試料146 1個/m2
その結果、防眩性ハードコート層にフッ素系界面活性剤を含有することにより塗布面状ムラ低減効果が確認された。
その他の評価結果について表3,4に示す。
本発明の試料104、106〜110、112、114、119〜121、124〜142、144、146〜149、151、152は、比較例試料101〜103、105、111、113、115〜118、122、123、143、145、150に比べて、スチールウール耐傷性と綿棒こすり性能が優れていることが分かる。特に、防眩性ハードコート層と低屈折率層の両層に本発明の化合物を含有した系が耐傷性能に優れることが分かる。これらの効果は本発明のシラン系化合物の含有によることが明らかである。
Figure 2004170901
Figure 2004170901
次に、本発明の試料104、106〜110、112、114、119〜121、124〜142、144、146〜149、151、152のフィルムを偏光板における偏光層の保護フィルムとして用いて防眩性反射防止偏光板を作成した。この偏光板を用いて反射防止フィルムの低屈折率層が最表層になるように配置した液晶表示装置を作製したところ、外光の映り込みがないために優れたコントラストが得られ、防眩性により反射像が目立たず優れた視認性を有していた。
さらに同様にして、上記本発明の試料を偏光子、透明支持体およびディスコティック液晶の配向を固定した光学異方層から構成される光学補償フィルム、並びに光散乱層からなる偏光板と組み合わせて液晶表示装置を作製して視認性を評価したところ、外光の映り込みがなく、優れたコントラストが得られ、防眩性により反射像が目立たず優れた性能を有していた。
(反射防止フィルムの鹸化処理)
前記試料101〜152について、以下の処理を行った。
1.5モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液を調製し、50℃に保温した。0.005モル/Lの希硫酸水溶液を調製した。
作製した反射防止フィルムを上記の水酸化ナトリウム水溶液に2分間浸漬した後、水に浸漬し水酸化ナトリウム水溶液を十分に洗い流した。次いで、上記の希硫酸水溶液に1分間浸漬した後、水に浸漬し希硫酸水溶液を十分に洗い流した。さらに反射防止フィルムを100℃で十分に乾燥させた。
このようにして、鹸化処理済み反射防止フィルムを作製した。
(11)鹸化処理による膜の剥がれの評価
鹸化処理過程での膜の剥がれ評価した。100枚の反射防止フィルムを鹸化処理した。鹸化処理前と鹸化処理後における膜の剥がれの有無を目視で観察し、下記の3段階評価を行った。
〇:100枚全てにおいて剥がれが全く認められなかったもの
△:剥がれが認められたものが5枚以内のもの
×:剥がれが認められたものが5枚をこえたもの
(12)碁盤目密着の評価
偏光板用保護フィルム(反射防止フィルム)を温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間調湿した。偏光板用保護フィルムの最外層を有する側の表面において、カッターナイフで碁盤目状に縦11本、横11本の切り込みを入れ、日東電工(株)製のポリエステル粘着テープ(NO.31B)における密着試験を同じ場所で繰り返し3回行った。膜の剥がれの有無を目視で観察し、下記の3段階評価を行った。
〇:100枡において剥がれが全く認められなかったもの
△:剥がれが認められたものが2枡以内のもの
×:剥がれが認められたものが2枡をこえたもの
鹸化処理を行った、剥がれ、密着評価結果について記す。
本発明のいずれの試料においても、鹸化処理による膜の剥がれの評価は○であり、および碁盤目密着の評価も○でありいずれの評価試験も膜の剥がれは、観察されなかった。
また、本発明の試料について、防眩性ハードコート層および低屈折率層とは支持体を挟んだ反対側面の水に対する接触角を測定したところ、いずれの試料においても40°〜30°の範囲に入っていた。
実施例2
防眩性ハードコート層用塗布液1イ〜1カ、低屈折率層用塗布液A〜Oを実施例1と同様にして塗布した。積層の組み合わせは表5に記載のとおりにおこなった。
Figure 2004170901
(反射防止膜の評価)
得られた試料201〜251について、実施例1と同様の評価を行った。
本発明の試料202〜251について、いずれの試料においても、指紋付着性は○で、防眩性は○で、ギラツキは◎であり、反射防止性能と鉛筆硬度も防眩性反射防止フィルムに必要とされる性能レベルを越えていた。
その他の評価結果について表6に示す。
本発明の試料202〜251は、比較例試料201に比べて、実施例1と同様に、スチールウール耐傷性と綿棒こすり耐性が優れていることが分かる。特に、防眩性ハードコート層と低屈折率層の両層に本発明の化合物を含有した系が耐傷性能に優れることが分かる。これらの効果は本発明のシラン系化合物の含有によることが明らかである。
Figure 2004170901
次に、実施例1と同様にして、本発明の試料202〜251のフィルムを用いて防眩性反射防止偏光板を作成した。この偏光板を用いて反射防止フィルムの低屈折率層が最表層になるように配置した液晶表示装置を作成したところ、外光の映り込みがないために優れたコントラストが得られ、防眩性により反射像が目立たず優れた視認性を有していた。
さらに同様にして、上記本発明の試料を偏光子の片側に貼合し、反対側に透明支持体およびディスコティック液晶の配向を固定した光学異方層から構成される光学補償フィルムを貼合した楕円偏光板を用いて液晶表示装置を作製して視認性を評価したところ、外光の映り込みがなく、優れたコントラストが得られ、防眩性により反射像が目立たず優れた性能を有していた。
(反射防止フィルムの鹸化処理)
前記試料202〜251について、実施例1と同様の鹸化処理を行った。
鹸化処理を行った試料202〜251について、実施例1と同様の鹸化処理による膜の剥がれ、碁盤目密着の評価を行った。
その結果、いずれの試料においても、鹸化処理による膜の剥がれ、および碁盤目密着の剥がれは、観察されなかった。
また、本発明の試料202〜251について、防眩性ハードコート層および低屈折率層とは支持体を挟んだ反対側面の水に対する接触角を測定したところ、いずれの試料においても40°〜30°の範囲に入っていた。
実施例3
PVAフィルムをヨウ素2.0g/l、ヨウ化カリウム4.0g/lの水溶液に25℃にて240秒浸漬し、さらにホウ酸10g/lの水溶液に25℃にて60秒浸漬後、図2の形態のテンター延伸機に(イ)から導入し、5.3倍に延伸し、テンターを延伸方向に対し図2の如く屈曲させ、以降幅を一定に保った。80℃雰囲気で乾燥させた後テンターから離脱した。左右のテンタークリップの搬送速度差は、0.05%未満であり、導入されるフィルムの中心線21と次工程に送られるフィルムの中心線22のなす角は、46゜であった。ここで|L1−L2|は0.7m、Wは0.7mであり、|L1−L2|=Wの関係にあった。テンター出口における実質延伸方向Ax−Cxは、次工程へ送られるフィルムの中心線22に対し45゜傾斜していた。テンター出口におけるシワ、フィルム変形は観察されなかった。
さらに、PVA((株)クラレ製PVA−117H(商品名))3%水溶液を接着剤としてケン化処理したトリアセチルセルロースフィルム(TD80U、商品名、富士写真フイルム(株)製)と貼り合わせ、さらに80℃で乾燥して有効幅650mmの偏光板を得た。得られた偏光板の吸収軸方向は、長手方向に対し45゜傾斜していた。この偏光板の550nmにおける透過率は43.7%、偏光度は99.97%であった。さらに図3の如く310×233mmサイズに裁断したところ、91.5%の面積効率で辺に対し45゜吸収軸が傾斜した偏光板を得た。図3中、81は吸収軸(延伸軸)を82は長手方向を示す。
次に、実施例1の本発明の試料104、106〜110、112、114、119〜121、124〜142、144、146〜149、151、152および実施例2の本発明の試料202〜251の鹸化処理したフィルムを上記偏光板と貼り合わせて防眩性反射防止フィルム付き偏光板を作製した。この偏光板を用いて反射防止フィルムの低屈折率層が最表層になるように配置した液晶表示装置を作製したところ、外光の映り込みがないために優れたコントラストが得られ、防眩性により反射像が目立たず優れた視認性を有していた。
実施例4
上記実施例3の45°吸収軸が傾斜した偏光板作製の中の、トリアセチルセルロースフィルム(TD80U、商品名、富士写真フイルム(株)製)の代わりに実施例1の本発明の試料104、106〜110、112、114、119〜121、124〜142、144、146〜149、151、152および実施例2の本発明の試料202〜251の鹸化処理したフィルムを張り合わせて防眩性反射防止フィルム付き偏光板を作製した。この偏光板を用いて反射防止フィルムの低屈折率層が最表層になるように配置した液晶表示装置を作製したところ、実施例3同様に、外光の映り込みがないために優れたコントラストが得られ、防眩性により反射像が目立たず優れた視認性を有していた。
実施例5
実施例1で作製した本発明の試料104、106〜110、112、114、119〜121、124〜142、144、146〜149、151、152および実施例2の本発明の試料202〜251を、1.5モル/L、55℃のNaOH水溶液中に2分間浸漬したあと中和、水洗してフィルムの裏面のトリアセチルセルロース面を鹸化処理し、80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム(TD80U、商品名、富士写真フイルム(株)製)を同条件で鹸化処理したフィルムにポリビニルアルコールにヨウ素を吸着させ、延伸して作製した偏光子の両面を接着、保護して偏光板を作製した。このようにして作製した偏光板を、反射防止フィルムの低屈折率層側が最表面となるように透過型TN液晶表示装置搭載のノートパソコンの液晶表示装置(偏光選択層を有する偏光分離フィルムである住友3M(株)製のD−BEF(商品名)をバックライトと液晶セルとの間に有する)の視認側の偏光板と貼り代えたところ、背景の映りこみが極めて少なく、表示品位の非常に高い表示装置が得られた。
実施例6
実施例1で作製した本発明の試料104、106〜110、112、114、119〜121、124〜142、144、146〜149、151、152および実施例2の本発明の試料202〜251を、低屈折率層が最表層になるように貼りつけた透過型TN液晶セルの視認側の偏光板の液晶セル側の保護フィルム、およびバックライト側の偏光板の液晶セル側の保護フィルムに、ディスコティック構造単位の円盤面が透明支持体面に対して傾いており、且つ該ディスコティック構造単位の円盤面と透明支持体面とのなす角度が、光学異方層の深さ方向において変化している光学補償層を有する視野角拡大フィルム(ワイドビューフィルム A 12B、商品名、富士写真フイルム(株)製)を用いたところ、明室でのコントラストに優れ、且つ、上下左右の視野角が非常に広く、極めて視認性に優れ、表示品位の高い液晶表示装置が得られた。
実施例7
実施例1で作製した本発明の試料104、106〜110、112、114、119〜121、124〜142、144、146〜149、151、152および実施例2の本発明の試料202〜251を、低屈折率層が最表層になるように有機EL表示装置の表面のガラス板に粘着剤を介して貼り合わせたところ、ガラス表面での反射が抑えられ、視認性の高い表示装置が得られた。
実施例8
実施例1で作製した本発明の試料104、106〜110、112、114、119〜121、124〜142、144、146〜149、151、152および実施例2の本発明の試料202〜251を用いて、低屈折率層が最表層になるように片面反射防止フィルム付き偏光板を作製した。この偏光板の反射防止フィルムを有している側の反対面にλ/4板(ピュアエースWR、商品名、帝人製)を張り合わせて、得られた偏光板を低屈折率層が最表層になるように有機EL表示装置の表面のガラス板に貼り付けたところ、表面反射および、表面ガラスの内部からの反射がカットされ、極めて視認性の高い表示装置が得られた。
実施例9
ゾル液a-1〜a-7及びb-1について、それぞれ10gを20mL容量のサンプルビンに入れ、40℃で2ヶ月保管した。本発明に好ましく使用されるオルガノシランのゾル組成物a-1〜a-7は粘度の変化が殆どなく沈殿のない透明液のままであったのに対し、ゾル組成物b-1は全体がゲル化し、液の保存安定性が悪いことが判った。
実施例10
シリカゾル(MEK−ST、平均粒径10〜20nm、固形分濃度30%、日産化学社製)40質量部、モノマー(KAYARAD DPCA-60(商品名)、日本化薬(株)製)20質量部、ゾル液(ゾル液a-1〜a-8、b-1〜b-2、及びc-1〜c-3のいずれか)20質量部、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)2質量部、および光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)0.2質量部とを混合し、ワイヤーバー塗布にてガラス板上に乾燥膜厚20μmとなるように塗布した。
50℃、5分乾燥後、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度800mW/cm、照射量300mJ/cmの紫外線を照射して塗布層を硬化させた。
得られた試料について、以下の項目の評価を行った。
(1)透明性
膜が透明なものを○、濁りがあるものを×とした。
(2)密着
クロスカット法により、剥がれの有無を目視で観察し、下記の3段階評価を行った。
〇:剥がれが殆ど認められなかったもの
△:10%以上剥がれが認められたもの
×:50%剥がれが認められたもの
評価結果について表7に示す。
Figure 2004170901
本発明の試料301〜308、311〜313は、試料309〜310に比べて、透明性、密着性ともに優れていることが分かる。
次に、以下の実施例で用いた材料について述べる。
((a)、(b)及び(c)成分含有組成物の調製)
攪拌機、還流冷却器を備えた反応器、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(KBM5103(商品名);信越化学工業社製)100質量部、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート6質量部、i−プロパノール12質量部を加え混合したのち、イオン交換水30質量部を加え、60℃で4時間反応させたのち、室温まで冷却し、アセチルアセトン6質量部を添加し、d-1を得た。
3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランを3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランに変更する以外は上記と同様の操作でd-2を得た。
3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランを3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランに変更する以外は上記と同様の操作でd-3を得た。
3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランをテトラエトキシシランに変更する以外は上記と同様の操作でd-4を得た。
(ハードコート層用塗布液2Aの調製)
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、商品名、日本化薬(株)製)150gをメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50%の混合溶媒206gに溶解した。得られた溶液に、シリカゾル30%メチルエチルケトン分散物(MEK−ST、商品名、日産化学社製、平均粒径約15nm)333g、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)7.5gおよび光増感剤(カヤキュアーDETX、商品名、日本化薬(株)製)5.0gを49gのメチルエチルケトンに溶解した溶液を加えた。
(ハードコート層用塗布液2Bの調製)
市販シリカ含有UV硬化型ハードコート液(デソライトZ7526、商品名、JSR社製、固形分濃度72%、シリカ含率38%、平均粒径約20nm)347gをメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50%の混合溶媒403gで希釈した。
(ハードコート層用塗布液2Cの調製)
市販アルミナ含有UV硬化型ハードコート液(デソライトZ7526(商品名)の含有無機微粒子変更品、JSR社製、固形分濃度50%、アルミナ含率50%、平均粒径約20nm)500gをメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50%の混合溶媒250gで希釈した。
(ハードコート層用塗布液2Dの調製)
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)250gをメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50%の混合溶媒439gに溶解した。得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)7.5gおよび光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)5.0gを49gのメチルエチルケトンに溶解した溶液を加えた。
(ハードコート層用塗布液2Eの調製)
市販シリカ含有UV硬化型ハードコート液(デソライトZ7526、JSR社製、固形分濃度72%、シリカ含率38%、平均粒径約20nm)330gにd-1を24g加え、この液をメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50%の混合溶媒396gで希釈した。
(ハードコート層用塗布液2Fの調製)
市販アルミナ含有UV硬化型ハードコート液(デソライトZ7526の含有無機微粒子変更品、JSR社製、固形分濃度50%、アルミナ含率50%、平均粒径約20nm)476gにd-1を24g加え、この液をメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50%の混合溶媒250gで希釈した。
(ハードコート層用塗布液2Gの調製)
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)166gをメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50%の混合溶媒196gに溶解した。得られた溶液に、シリカゾル30%メチルエチルケトン分散物(MEK−ST、日産化学社製、平均粒径約15nm)238g、d-1を24g加え、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)7.5gおよび光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)5.0gを113gのメチルエチルケトンに溶解した溶液を加えた。
(防眩性ハードコート層用塗布液2Aの調製)
市販ジルコニア含有UV硬化型ハードコート液(デソライトZ7401、商品名、JSR社製、固形分濃度48%、ジルコニア含率71%、平均粒径約20nm)278gにジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)117g、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)7.5g、をメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50%の混合溶媒355gで希釈した。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.61であった。
さらにこの溶液に平均粒径2μmの架橋ポリスチレン粒子(商品名:SX−200H、綜研化学(株)製)10gを添加して、高速ディスパにて5000rpmで1時間攪拌、分散した後、孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して防眩性ハードコート層の塗布液2Aを調製した。
(防眩性ハードコート層用塗布液2Bの調製)
市販ジルコニア含有UV硬化型ハードコート液(デソライトZ7401、JSR社製、固形分濃度48%、ジルコニア含率71%、平均粒径約20nm)521g、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)7.5g、をメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50%の混合溶媒229gで希釈した。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.73であった。
さらにこの溶液に平均粒径2μmのベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド樹脂粒子(商品名:エポスターMS、日本触媒(株)製)10gを添加して、高速ディスパにて5000rpmで1時間攪拌、分散した後、孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して防眩性ハードコート層の塗布液2Bを調製した。
(防眩性ハードコート層用塗布液2Cの調製)
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)75g、ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド(MPSMA、商品名、住友精化(株)製)75g、平均粒径33nmのアルミナ粒子(シーアイ化成社製)100gを、439gのメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50%の混合溶媒に溶解した。得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)5.0gおよび光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)3.0gを61gのメチルエチルケトンに溶解した溶液を加えた。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.60であった。
さらにこの溶液に平均粒径2μmの架橋ポリスチレン粒子(商品名:SX−200H、綜研化学(株)製)10gを添加して、高速ディスパにて5000rpmで1時間攪拌、分散した後、孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して防眩性ハードコート層の塗布液2Cを調製した。
(防眩性ハードコート層用塗布液2Dの調製)
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)75g、ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド(MPSMA、住友精化(株)製)75g、平均粒径33nmのアルミナ粒子(シーアイ化成社製)100gを、516gのメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50%の混合溶媒に溶解した。得られた溶液に、d-1の25g、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)5.0gおよび光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)3.0gを33gのメチルエチルケトンに溶解した溶液を加えた。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.60であった。
さらにこの溶液に平均粒径2μmの架橋ポリスチレン粒子(商品名:SX−200H、綜研化学(株)製)10gを添加して、高速ディスパにて5000rpmで1時間攪拌、分散した後、孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して防眩性ハードコート層の塗布液2Dを調製した。
(防眩性ハードコート層用塗布液2Eの調製)
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)125g、ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド(MPSMA、住友精化(株)製)125gを、439gのメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50%の混合溶媒に溶解した。得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)5.0gおよび光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)3.0gを49gのメチルエチルケトンに溶解した溶液を加えた。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.60であった。
さらにこの溶液に平均粒径2μmの架橋ポリスチレン粒子(商品名:SX−200H、綜研化学(株)製)10gを添加して、高速ディスパにて5000rpmで1時間攪拌、分散した後、孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して防眩性ハードコート層の塗布液2Eを調製した。
(防眩性ハードコート層用塗布液2Fの調製)
市販ジルコニア含有UV硬化型ハードコート液(デソライトZ7401、JSR社製、固形分濃度48%、ジルコニア含率71%、平均粒径約20nm)195gにジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)82g、d-1 17.56g、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)9.22g、をメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50%の混合溶媒297gで希釈した。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.59であった。
さらにこの溶液に平均粒径2μmの架橋ポリスチレン粒子(商品名:SX−200H、綜研化学(株)製)10gを添加して、高速ディスパにて5000rpmで1時間攪拌、分散した後、孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して防眩性ハードコート層の塗布液2Fを調製した。
(防眩性ハードコート層用塗布液2Gの調製)
市販ジルコニア含有UV硬化型ハードコート液(デソライトZ7401、JSR社製、固形分濃度48%、ジルコニア含率71%、平均粒径約20nm)195gにジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)82g、d-1 8.78g、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)9g、をメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50%の混合溶媒292gで希釈した。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.61であった。
さらにこの溶液に平均粒径2μmの架橋ポリスチレン粒子(商品名:SX−200H、綜研化学(株)製)10gを添加して、高速ディスパにて5000rpmで1時間攪拌、分散した後、孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して防眩性ハードコート層の塗布液2Gを調製した。
(防眩性ハードコート層用塗布液2Hの調製)
上記、防眩性ハードコート層用塗布液2Gのd-1を、d-2に変更した以外は、添加量も含め上記塗布液2Gと全く同様にして防眩性ハードコート層用塗布液2Hを調製した。
(防眩性ハードコート層用塗布液2Iの調製)
上記、防眩性ハードコート層用塗布液2Gのd-1を、d-3に変更した以外は、添加量も含め上記塗布液2Gと全く同様にして防眩性ハードコート層用塗布液2Iを調製した。
(防眩性ハードコート層用塗布液2Jの調製)
上記、防眩性ハードコート層用塗布液2Gのd-1を、d-4に変更した以外は、添加量も含め上記塗布液2Gと全く同様にして防眩性ハードコート層用塗布液2Jを調製した。
(防眩性ハードコート層用塗布液2Kの調製)
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)91g、粒径約30nmの酸化ジルコニウム超微粒子分散物含有ハードコート塗布液(デソライトZ−7401、JSR(株)製)218gを、52gのメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=54/46質量%の混合溶剤に溶解した。得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907、チバファインケミカルズ(株)製)10gを加え、攪拌溶解した後に、20質量パーセントの含フッ素オリゴマーのメチルエチルケトン溶液からなるフッ素系界面活性剤(メガファックF−176、商品名、大日本インキ(株)製)0.93gを添加した。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.61であった。
さらにこの溶液に個数平均粒径1.99μm、粒径の標準偏差0.32μm(個数平均粒径の16%)の架橋ポリスチレン粒子(商品名:SX−200HS、綜研化学(株)製)20gを80gのメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=54/46質量%の混合溶剤に高速ディスパにて5000rpmで1時間攪拌分散し、孔径10μm、3μm、1μmのポリプロピレン製フィルター(それぞれ商品名PPE-10、PPE−03、PPE−01、いずれも富士写真フイルム(株)製)にてろ過して得られた分散液29gを添加、攪拌した後、孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して防眩性ハードコート層塗布液2Kを調製した。
(防眩性ハードコート層用塗布液2Lの調製)
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)82g、粒径約30nmの酸化ジルコニウム超微粒子分散物含有ハードコート塗布液(デソライトZ−7401、JSR(株)製)196g、d-1 17.6gを、262gのメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=54/46質量%の混合溶剤に溶解した。得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907、チバファインケミカルズ(株)製)10gを加え、攪拌溶解した後に、20質量パーセントの含フッ素オリゴマーのメチルエチルケトン溶液からなるフッ素系界面活性剤(メガファックF−176、大日本インキ(株)製)0.93gを添加した。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.61であった。
さらにこの溶液に個数平均粒径1.99μm、粒径の標準偏差0.32μm(個数平均粒径の16%)の架橋ポリスチレン粒子(商品名:SX−200HS、綜研化学(株)製)20gを80gのメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=54/46質量%の混合溶剤に高速ディスパにて5000rpmで1時間攪拌分散し、孔径10μm、3μm、1μmのポリプロピレン製フィルター(それぞれPPE-10、PPE−03、PPE−01、いずれも富士写真フイルム(株)製)にてろ過して得られた分散液29gを添加、攪拌した後、孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して防眩性ハードコート層塗布液2Lを調製した。
(防眩性ハードコート層用塗布液2Mの調製)
フッ素系界面活性剤をシリコーン系界面活性剤(シリコーンX−22−945、商品名、信越化学工業(株)製)に置き換えた以外は防眩性ハードコート層塗布液2Kと同様にして、防眩層用塗布液2Mを調製した。
(防眩性ハードコート層用塗布液2Nの調製)
フッ素系界面活性剤をシリコーン系界面活性剤(シリコーンX−22−945、信越化学工業(株)製)に置き換えた以外は防眩性ハードコート層塗布液2Lと同様にして、防眩層用塗布液2Nを調製した。
(防眩性ハードコート層用塗布液3イの調製)
市販シリカ含有UV硬化型ハードコート液(デソライトZ7526(商品名)の溶剤組成変更品、JSR社製、固形分濃度約72%、固形分中SiO2含率約38%、重合性モノマー、重合開始剤含有)272gをメチルイソブチルケトン26.2gで希釈した。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.51であった。
さらにこの溶液に平均粒径3.5μmの架橋ポリスチレン粒子(商品名:SX−350H、綜研化学(株)製)の25%メチルイソブチルケトン分散液をポリトロン分散機にて10000rpmで30分分散した分散液を44g加え、次いで、平均粒径5μmの架橋ポリスチレン粒子(商品名:SX−500H、綜研化学(株)製)の25%メチルイソブチルケトン分散液をポリトロン分散機にて10000rpmで30分分散した分散液を57.8g加えた。
上記混合液を孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して防眩性ハードコート層の塗布液3イを調製した。
(防眩性ハードコート層用塗布液3ロの調製)
市販シリカ含有UV硬化型ハードコート液(デソライトZ7526の溶剤組成変更品、JSR社製、固形分濃度72%、固形分中SiO2含率約38%、重合性モノマー、重合開始剤含有)245gにd-1 17.64gを加え、さらにメチルイソブチルケトン235gで希釈した。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.51であった。
さらにこの溶液に平均粒径3.5μmの架橋ポリスチレン粒子(商品名:SX−350H、綜研化学(株)製)の25%メチルイソブチルケトン分散液をポリトロン分散機にて10000rpmで30分分散した分散液を44g加え、次いで、平均粒径5μmの架橋ポリスチレン粒子(商品名:SX−500H、綜研化学(株)製)の25%メチルイソブチルケトン分散液をポリトロン分散機にて10000rpmで30分分散した分散液を57.8g加えた。
上記混合液を孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して防眩性ハードコート層の塗布液3ロを調製した。
(防眩性ハードコート層用塗布液3ハの調製)
上記、防眩性ハードコート層用塗布液3ロのd-1を、d-2に変更した以外は、添加量も含め塗布液3ロと全く同様にして防眩性ハードコート層用塗布液3ハを調製した。
(防眩性ハードコート層用塗布液3ニの調製)
上記、防眩性ハードコート層用塗布液3ロのd-1を、d-4に変更した以外は、添加量も含め塗布液3ロと全く同様にして防眩性ハードコート層用塗布液3ニを調製した。
(防眩性ハードコート層用塗布液3ホの調製)
上記、防眩性ハードコート層用塗布液3ロのd-1を、d-3に変更した以外は、添加量も含め塗布液3ロと全く同様にして防眩性ハードコート層用塗布液3ホを調製した。
(低屈折率層用塗布液2Aの調製)
屈折率1.42の熱架橋性含フッ素ポリマー(JN−7228、商品名、固形分濃度6%、JSR(株)製)177gにシリカゾル(MEK−ST、平均粒径10〜20nm、固形分濃度30%、日産化学社製)15.2gおよびメチルエチルケトン116g、シクロヘキサノン9.0gを添加、攪拌の後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層用塗布液2Aを調製した。
(低屈折率層用塗布液2Bの調製)
パーフルオロオレフィン共重合体(1)の15.2gに反応性シリコーンX-22-164B(商品名;信越化学工業社製)0.3g、光重合開始剤(イルガキュア907(商品名)、チバガイギー社製)0.76g、メチルエチルケトン293g、シクロヘキサノン9.0gを添加、攪拌の後、孔径5μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層用塗布液2Bを調製した。
(低屈折率層用塗布液2Cの調製)
パーフルオロオレフィン共重合体(2)の15.2gに反応性シリコーンX-22-169AS(商品名;信越化学工業社製)0.3g、光重合開始剤(UVI6990、商品名、ユニオンカーバイド社製)1.52g、メチルエチルケトン293g、シクロヘキサノン9.0gを添加、攪拌の後、孔径5μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層用塗布液2Cを調製した。
(低屈折率層用塗布液2Dの調製)
屈折率1.42の熱架橋性含フッ素ポリマー(JN−7228、固形分濃度6%、JSR(株)製)177gにシリカゾル(MEK−ST、平均粒径10〜20nm、固形分濃度30%、日産化学社製)15.2g、a-1 1.45gおよびメチルエチルケトン95g、シクロヘキサノン9.0gを添加、攪拌の後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層用塗布液2Dを調製した。
(低屈折率層用塗布液2Eの調製)
上記、低屈折率層用塗布液2Dのd-1を、d-2に変更した以外は添加量も含めて低屈折率層用塗布液2Dと全く同様にして、低屈折率層用塗布液2Eを調製した。
(低屈折率層用塗布液2Fの調製)
上記、低屈折率層用塗布液2Dのd-1を、d-3に変更した以外は添加量も含めて低屈折率層用塗布液2Dと全く同様にして、低屈折率層用塗布液2Fを調製した。
(低屈折率層用塗布液2Gの調製)
上記、低屈折率層用塗布液2Dのd-1を、d-4に変更した以外は添加量も含めて低屈折率層用塗布液2Dと全く同様にして、低屈折率層用塗布液2Gを調製した。
(低屈折率層用塗布液2Hの調製)
パーフルオロオレフィン共重合体(1)の15.2gに反応性シリコーンX-22-164B(商品名;信越化学工業社製)0.3g、d-1 1.45g、光重合開始剤(イルガキュア907(商品名)、チバガイギー社製)0.76g、メチルエチルケトン306g、シクロヘキサノン9.0gを添加、攪拌の後、孔径5μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層用塗布液2Hを調製した。
(低屈折率層用塗布液2Iの調製)
パーフルオロオレフィン共重合体(2)の15.2gに反応性シリコーンX-22-169AS(商品名;信越化学工業社製)0.3g、d-2 1.45g、光重合開始剤(UVI6990、ユニオンカーバイド社製)1.52g、メチルエチルケトン293g、シクロヘキサノン9.0gを添加、攪拌の後、孔径5μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層用塗布液2Iを調製した。
上記低屈折率層用塗布液2A〜2Iにより形成された低屈折率層は、いずれも屈折率は1.38〜1.49の範囲であった。
実施例11
ハードコート層2A〜2G、防眩性ハードコート層2A〜2N、低屈折率層2A〜2Iそれぞれを以下のようにして塗布し、反射防止フィルム試料を得た。積層の組み合わせは表8、表9に記載のとおりに行った。
(1)ハードコート層の塗設
80μmの厚さのトリアセチルセルロースフイルム(TD80U、商品名、富士写真フイルム(株)製)をロール形態で巻き出して、上記のハードコート層用塗布液を線数180本/インチ、深度40μmのグラビアパターンを有する直径50mmのマイクログラビアロールとドクターブレードを用いて、グラビアロール回転数30rpm、搬送速度10m/分の条件で塗布し、120℃、2分で乾燥の後、酸素濃度0.1%以下の窒素パージ下で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ2.5μmのハードコート層を形成し、巻き取った。
(2)防眩性ハードコート層の塗設
該ハードコート層を塗設したトリアセチルセルロースフイルムを再び巻き出して、上記の防眩性ハードコート層用塗布液を線数180本/インチ、深度40μmのグラビアパターンを有する直径50mmのマイクログラビアロールとドクターブレードを用いて、グラビアロール回転数30rpm、搬送速度5m/分の条件で塗布し、120℃で4分乾燥の後、窒素パージ下で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ2.5μmの防眩性ハードコート層を形成し、巻き取った。
(3)低屈折率層の塗設
該ハードコート層と防眩性ハードコート層を塗設したトリアセチルセルロースフイルムを再び巻き出して、上記低屈折率層用塗布液を線数180本/インチ、深度40μmのグラビアパターンを有する直径50mmのマイクログラビアロールとドクターブレードを用いて、グラビアロール回転数30rpm、搬送速度10m/分の条件で塗布し、80℃で2分乾燥の後、さらに窒素パージ下で240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量600mJ/cm2の紫外線を照射し、140℃で10分間加熱し、厚さ0.096μmの低屈折率層を形成し、巻き取った。
Figure 2004170901
Figure 2004170901
上記試料の中から抜粋した試料について防眩性ハードコート層まで塗布した試料について、表面エネルギーと、X線光電子部分光法で測定したフッ素原子由来のピークと炭素原子由来のピーク比F/Cと、シリコン原子由来のピークと炭素原子由来のピーク比Si/Cを以下に示す。なお、防眩性ハードコート層の表面エネルギーは、純水およびジヨードメタンの接触角を測定してOwensの表面エネルギーの式に代入して算出した。
試料1116:表面エネルギー 22mN・m-1、 F/C 0.53
試料1143:表面エネルギー 31mN・m-1、 F/C 0.28
試料1144:表面エネルギー 33mN・m-1、 F/C 0.27
試料1145:表面エネルギー 29mN・m-1、 Si/C 0.12
試料1146:表面エネルギー 30mN・m-1、 Si/C 0.11
(反射防止フィルムの評価)
得られたフィルムについて、実施例1と同様に、以下の項目:(1)平均反射率、(2)ヘイズ、(3)鉛筆硬度、(4)接触角および指紋付着性、(5)動摩擦係数、(6)防眩率、(7)ギラツキ、(8)スチールウール耐傷性、(9)水綿棒こすり耐性、(10)塗布面状ムラ、の評価を行った。
上記試料中の本発明の全試料において、指紋付着性は○で、防眩性は◎で、ギラツキは○であり、反射防止性能と鉛筆硬度も防眩性反射防止フィルムに必要とされる性能レベルを越えていた。
また試料1116、1143〜1146について面状ムラの数を数えた。
試料1116 9個/m2
試料1143 3個/m2
試料1144 0個/m2
試料1145 3個/m2
試料1146 1個/m2
その結果、防眩性ハードコート層にフッ素系界面活性剤を含有することにより塗布面状ムラ低減効果が確認された。
その他の評価結果について表10、11に示す。
本発明の試料1104、1106〜1110、1112、1114、1119〜1121、1124〜1142、1144、1146〜1149、1151、1152は、比較例試料1101〜1103、1105、1111、1113、1115〜1118、1122、1123、1143、1145、1150に比べて、スチールウール耐傷性と綿棒こすり性能が優れていることが分かる。特に、防眩性ハードコート層と低屈折率層の両層に本発明の化合物を含有した系が耐傷性能に優れることが分かる。これらの効果は本発明のシラン系化合物の含有によることが明らかである。
Figure 2004170901
Figure 2004170901
次に、本発明の試料1104、1106〜1110、1112、1114、1119〜1121、1124〜1142、1144、1146〜1149、1151、1152のフィルムを偏光板における偏光層の保護フィルムとして用いて防眩性反射防止偏光板を作成した。この偏光板を用いて反射防止フィルムの低屈折率層が最表層になるように配置した液晶表示装置を作製したところ、外光の映り込みがないために優れたコントラストが得られ、防眩性により反射像が目立たず優れた視認性を有していた。
さらに同様にして、上記本発明の試料を偏光子、透明支持体およびディスコティック液晶の配向を固定した光学異方層から構成される光学補償フィルム、並びに光散乱層からなる偏光板と組み合わせて液晶表示装置を作製して視認性を評価したところ、外光の映り込みがなく、優れたコントラストが得られ、防眩性により反射像が目立たず優れた性能を有していた。
(反射防止フィルムの鹸化処理)
前記試料1101〜1152について、実施例1と同様の鹸化処理を行い、鹸化処理済み反射防止フィルムを作製した。このようにして得られた鹸化処理を行った試料について、実施例1と同様にして、以下の項目:(11)鹸化処理による膜の剥がれ、および(12)碁盤目密着、を試験、評価した。
剥がれ、密着評価結果について記す。
本発明のいずれの試料においても、鹸化処理による膜の剥がれの評価は○であり、および碁盤目密着の評価も○でありいずれの評価試験も膜の剥がれは、観察されなかった。
また、本発明の試料について、防眩性ハードコート層および低屈折率層とは支持体を挟んだ反対側面の水に対する接触角を測定したところ、いずれの試料においても40°から30°の範囲に入っていた。
実施例12
防眩性ハードコート層用塗布液3イ〜3ホ、低屈折率層用塗布液2A〜2Iを実施例11と同様にして塗布した。積層の組み合わせは表12に記載のとおりにおこなった。
Figure 2004170901
(反射防止膜の評価)
得られた試料1201〜1228について、実施例11と同様の評価を行った。
本発明の試料1202〜1228について、いずれの試料においても、指紋付着性は○で、防眩性は◎で、ギラツキは○であり、反射防止性能と鉛筆硬度も防眩性反射防止フィルムに必要とされる性能レベルを越えていた。
その他の評価結果について表13に示す。
本発明の試料1202〜1228は、比較例試料1201に比べて、実施例11と同様に、スチールウール耐傷性と綿棒こすり性能が優れていることが分かる。特に、防眩性ハードコート層と低屈折率層の両層に本発明の化合物を含有した系が耐傷性能に優れることが分かる。これらの効果は本発明のシラン系化合物の含有によることが明らかである。
Figure 2004170901
次に、実施例11と同様にして、本発明の試料1202〜1228のフィルムを用いて防眩性反射防止偏光板を作成した。この偏光板を用いて反射防止フィルムの低屈折率層が最表層になるように配置した液晶表示装置を作成したところ、外光の映り込みがないために優れたコントラストが得られ、防眩性により反射像が目立たず優れた視認性を有していた。
さらに同様にして、上記本発明の試料を偏光子の片側に貼合し、反対側に透明支持体およびディスコティック液晶の配向を固定した光学異方層から構成される光学補償フィルムを貼合した楕円偏光板を用いて液晶表示装置を作製して視認性を評価したところ、外光の映り込みがなく、優れたコントラストが得られ、防眩性により反射像が目立たず優れた性能を有していた。
(反射防止フィルムの鹸化処理)
前記試料1202〜1228について、実施例11と同様の鹸化処理を行った。
鹸化処理を行った試料1202〜1228について、実施例11と同様の鹸化処理による膜の剥がれ、碁盤目密着の評価を行った。
その結果、いずれの試料においても、鹸化処理による膜の剥がれ、および碁盤目密着の剥がれは、観察されなかった。
また、本発明の試料1202〜1228について、防眩性ハードコート層および低屈折率層とは支持体を挟んだ反対側面の水に対する接触角を測定したところ、いずれの試料においても40°から30°の範囲に入っていた。
実施例13
実施例3と同様にして偏光板を得た。
次に、実施例11の本発明の試料1104、1106〜1110、1112、1114、1119〜1121、1124〜1142、1144、1146〜1149、1151、1152の鹸化処理したフィルムを上記偏光板と貼り合わせて防眩性反射防止フィルム付き偏光板を作製した。この偏光板を用いて反射防止フィルムの低屈折率層が最表層になるように配置した液晶表示装置を作製したところ、外光の映り込みがないために優れたコントラストが得られ、防眩性により反射像が目立たず優れた視認性を有していた。
実施例14
上記実施例13の45°吸収軸が傾斜した偏光板作製の中の、トリアセチルセルロースフィルム(TD80U、商品名、富士写真フイルム(株)製)の代わりに実施例11の本発明の試料1104、1106〜1110、1112、1114、1119〜1121、1124〜1142、1144、1146〜1149、1151、1152の鹸化処理したフィルムを張り合わせて防眩性反射防止フィルム付き偏光板を作製した。この偏光板を用いて反射防止フィルムの低屈折率層が最表層になるように配置した液晶表示装置を作製したところ、実施例13同様に、外光の映り込みがないために優れたコントラストが得られ、防眩性により反射像が目立たず優れた視認性を有していた。
実施例15
実施例11で作製した本発明の試料1104、1106〜1110、1112、1114、1119〜1121、1124〜1142、1144、1146〜1149、1151、1152を、1.5モル/L、55℃のNaOH水溶液中に2分間浸漬したあと中和、水洗してフィルムの裏面のトリアセチルセルロース面を鹸化処理したフィルムと、80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム(TD80U、商品名、富士写真フイルム(株)製)を同条件で鹸化処理したフィルムでポリビニルアルコールにヨウ素を吸着させ、延伸して作製した偏光子の両面を接着、保護して偏光板を作製した。このようにして作製した偏光板を、反射防止フィルムの低屈折率層側が最表面となるように透過型TN液晶表示装置搭載のノートパソコンの液晶表示装置(偏光選択層を有する偏光分離フィルムである住友3M(株)製のD−BEF(商品名)をバックライトと液晶セルとの間に有する)の視認側の偏光板と貼り代えたところ、背景の映りこみが極めて少なく、表示品位の非常に高い表示装置が得られた。
実施例16
実施例11で作製した本発明の試料1104、1106〜1110、1112、1114、1119〜1121、1124〜1142、1144、1146〜1149、1151、1152を、低屈折率層が最表層になるように貼りつけた透過型TN液晶セルの視認側の偏光板の液晶セル側の保護フィルム、およびバックライト側の偏光板の液晶セル側の保護フィルムに、ディスコティック構造単位の円盤面が透明支持体面に対して傾いており、且つ該ディスコティック構造単位の円盤面と透明支持体面とのなす角度が、光学異方層の深さ方向において変化している光学補償層を有する視野角拡大フィルム(ワイドビューフィルム A 12B、商品名、富士写真フイルム(株)製)を用いたところ、明室でのコントラストに優れ、且つ、上下左右の視野角が非常に広く、極めて視認性に優れ、表示品位の高い液晶表示装置が得られた。
実施例17
実施例11で作製した本発明の試料1104、1106〜1110、1112、1114、1119〜1121、1124〜1142、1144、1146〜1149、1151、1152を、低屈折率層が最表層になるように有機EL表示装置の表面のガラス板に粘着剤を介して貼り合わせたところ、ガラス表面での反射が抑えられ、視認性の高い表示装置が得られた。
実施例18
実施例11で作製した本発明の試料1104、1106〜1110、1112、1114、1119〜1121、1124〜1142、1144、1146〜1149、1151、1152を用いて、低屈折率層が最表層になるように片面反射防止フィルム付き偏光板を作製した。この偏光板の反射防止フィルムを有している側の反対面にλ/4板(ピュアエースWR、商品名、帝人製)を張り合わせて、得られた偏光板を低屈折率層が最表層になるように有機EL表示装置の表面のガラス板に貼り付けたところ、表面反射および、表面ガラスの内部からの反射がカットされ、極めて視認性の高い表示装置が得られた。
防眩性反射防止フィルムの層構成を示す断面模式図である。 実施例3、13で使用のテンター延伸機を示す概略図である。 実施例3、13の偏光板の裁断方法を示す説明図である。
符号の説明
1 防眩性反射防止フィルム
2 透明支持体
3 ハードコート層
4 防眩性ハードコート層
5 低屈折率層
6 マット粒子
(イ) フィルム導入方向
(ロ) 次工程へのフィルム搬送方向
(a) フィルムを導入する工程
(b) フィルムを延伸する工程
(c) 延伸フィルムを次工程へ送る工程
A1 フィルムの保持手段への噛み込み位置とフィルム延伸の起点位置(実質保持開始点:右)
B1 フィルムの保持手段への噛み込み位置(左)
C1 フィルム延伸の起点位置(実質保持開始点:左)
Cx フィルム離脱位置とフィルム延伸の終点基準位置(実質保持解除点:左)
Ay フィルム延伸の終点基準位置(実質保持解除点:右)
|L1−L2| 左右のフィルム保持手段の行程差
W フィルムの延伸工程終端における実質幅
δ 延伸方向とフィルム進行方向のなす角
21 導入側フィルムの中心線
22 次工程に送られるフィルムの中心線
23 フィルム保持手段の軌跡(左)
24 フィルム保持手段の軌跡(右)
25 導入側フィルム
26 次工程に送られるフィルム
27a、27b 右左のフィルム保持開始(噛み込み)点
28a、28b 右左のフィルム保持手段からの離脱点

Claims (16)

  1. 透明支持体上に、少なくともハードコート層とバインダーポリマーを含む低屈折率層とを有する光学フィルムであって、該ハードコート層および/または低屈折率層が、(a)水酸基または加水分解可能な基がケイ素に直接結合しているオルガノシランの加水分解物および/またはその部分縮合物、ならびに(b)一般式R3OH(式中、R3は炭素数1〜10のアルキル基を示す)で表されるアルコールと一般式R4COCH2COR5(式中、R4は炭素数1〜10のアルキル基、R5は炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のアルコキシ基を示す)で表される化合物とを配位子とした、Zr、Ti又はAlから選ばれる金属を中心金属とする少なくとも1種の金属キレート化合物を含んでいることを特徴とする反射防止フィルム。
  2. 該ハードコート層にジルコニウム、チタン、アルミニウム、インジウム、亜鉛、錫、アンチモン、およびケイ素のうちより選ばれる少なくとも1つの酸化物からなる無機フィラーを含有することを特徴とする請求項1に記載の反射防止フィルム。
  3. 該低屈折率層にシリカ、およびフッ化マグネシウムより選ばれる無機フィラーを含有することを特徴とする請求項1または2に記載の反射防止フィルム。
  4. 該低屈折率層側の表面の動摩擦係数が0.03〜0.15であり、かつ、水に対する接触角が90〜120°であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の反射防止フィルム。
  5. 該ハードコート層の表面エネルギーが25mN・m-1〜70mN・m-1であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の反射防止フィルム。
  6. 低屈折率層のバインダーポリマーが含フッ素ポリマーであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の反射防止フィルム。
  7. 前記(a)の水酸基または加水分解可能な基がケイ素に直接結合しているオルガノシランが、下記一般式(A)で表されるオルガノシランの加水分解物および/またはその部分縮合物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の反射防止フィルム。
    一般式(A)
    (R10m1−SiXn1
    (式中、R10は置換もしくは無置換のアルキル基またはアリール基を表す。Xは水酸基または加水分解可能な基を表す。m1は0〜3の整数を表す。n1は1〜4の整数を表す。m1とn1の合計は4である。)
  8. 一般式(A)におけるオルガノシランの置換基R10が(メタ)アクリロイル基、またはエポキシ基を含有する基であることを特徴とする請求項7に記載の反射防止フィルム。
  9. 低屈折率層のバインダーポリマーが含フッ素ポリマーであり、該含フッ素ポリマーがパーフルオロオレフィン共重合体であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の反射防止フィルム。
  10. 低屈折率層のバインダーポリマーが含フッ素ポリマーであり、該含フッ素ポリマーが側鎖にラジカル重合性基またはカチオン開環重合性基を有する繰り返し単位を有するポリマーであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の反射防止フィルム。
  11. 透明支持体上に、少なくともハードコート層とバインダーポリマーを含む低屈折率層とを塗設する請求項1〜10のいずれかに記載の反射防止フィルムを製造するに当り、前記ハードコート層用塗布液および/または前記低屈折率層用塗布液が、前記(a)で表されるオルガノシランの加水分解物および/またはその部分縮合物、前記(b)で表される金属キレート化合物、ならびに(c)一般式R4COCH2COR5(式中、R4およびR5は前記(b)に同じ意味をもつ)で表されるβ−ジケトン化合物および/またはβ−ケトエステル化合物を含有することを特徴とする反射防止フィルムの製造方法。
  12. 請求項1〜10のいずれかに記載の反射防止フィルムまたは請求項11に記載の製造方法で製造された反射防止フィルムを、偏光板における偏光層の2枚の保護フィルムのうちの少なくとも一方に用いたことを特徴とする偏光板。
  13. 請求項1〜10のいずれかに記載の反射防止フィルム、請求項11に記載の製造方法で製造された反射防止フィルムまたは請求項12に記載の偏光板を有するディスプレイ装置で、前記低屈折率層が視認側になるように配置したことを特徴とするディスプレイ装置。
  14. 酸触媒の存在下で製造されてなる、下記一般式(1)
    一般式(1)
    (R10−Si(X)4−m
    (式中、R10は置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を表す。Xは水酸基または加水分解可能な基を表す。mは1〜3の整数を表す。)
    で表されるオルガノシランの加水分解物および/またはその部分縮合物を含有してなり、該オルガノシランの加水分解物および/またはその部分縮合物における分子量300以上の成分のうち、分子量1000〜20000の成分が80質量%以上であることを特徴とする硬化性組成物。
  15. 請求項14の硬化性組成物を硬化して得られる硬化被膜であって、オルガノシランの加水分解物および/または部分縮合物の29Si−NMR分析による縮合度が0.5〜3.5であることを特徴とする硬化被膜。
  16. 透明支持体上に少なくともハードコート層と低屈折率層とを有してなり、該ハードコート層および/または低屈折率層が請求項15の硬化被膜からなり、該酸触媒が水中での酸解離定数(pKa値(25℃))が4.5以下の有機酸であり、該オルガノシランの加水分解物および/またはその部分縮合物が溶媒にアルコールを用い実質的に水を添加せずに製造されたことを特徴とする反射防止フィルム。
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