JP2010122323A - 光学シート及び光学シートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材の一面側にハードコート層を設けた光学シートであって、前記ハードコート層は、反応性無機微粒子及びバインダー成分を含むハードコート層用硬化性樹脂組成物の硬化物からなり、ハードコート層の基材とは反対側の界面には、ハードコート層と平行な仮想平面とのなす角が鋭角となる微細突起が存在することを特徴とする、光学シート。基材の一面側に反応性異形シリカ微粒子及びバインダー成分を含むハードコート層用硬化性樹脂組成物を塗布し、塗膜において、反応性異形シリカ微粒子の長軸が仮想平面の平面方向に配向することを抑制しながら、又は抑制した後に塗膜を硬化させ、ハードコート層及び微細突起を形成する工程を含むことを特徴とする、光学シートの製造方法。
【選択図】図3
Description
前記ハードコート層には前記反応性無機微粒子の少なくとも一部が前記バインダー成分と架橋反応した無機微粒子が含まれ、且つ、当該架橋反応した無機微粒子により、前記ハードコート層の基材とは反対側の界面には、ハードコート層と平行な仮想平面とのなす角が鋭角となる微細突起が存在することを特徴とする。
前記ハードコート層用硬化性樹脂組成物を基材の一面側に塗布し、塗膜とする工程、及び、
前記塗膜において、前記反応性異形シリカ微粒子の長軸が前記仮想平面の平面方向に配向することを抑制しながら、又は抑制した後に前記塗膜を光照射により硬化させ、ハードコート層を形成し、且つ、当該ハードコート層の基材とは反対側の界面に、ハードコート層と平行な仮想平面とのなす角が鋭角となる微細突起を形成する工程を含むことを特徴とする。
本発明において、「ハードコート層」とは、一般にJIS K5600−5−4(1999)で規定される鉛筆硬度試験(4.9N荷重)で「H」以上の硬度を示すものである。
また、本発明の光には、可視及び非可視領域の波長の電磁波だけでなく、電子線のような粒子線、及び、電磁波と粒子線を総称する放射線又は電離放射線が含まれる。
本発明において、膜厚とは乾燥時の膜厚(乾燥膜厚)を意味する。
本発明において、分子量とは、分子量分布を有する場合には、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算値である重量平均分子量を意味し、分子量分布を有しない場合には、化合物そのものの分子量を意味する。
本発明において、微粒子の平均粒径とは、溶液中の当該粒子を動的光散乱方法で測定し、粒径分布を累積分布で表したときの50%粒子径(d50 メジアン径)を意味する。当該平均粒径は、日機装(株)製のMicrotrac粒度分析計又はNanotrac粒度分析計を用いて測定することができる。
本発明に係る光学シートは、基材の一面側に少なくともハードコート層を設けた光学シートであって、
前記ハードコート層は、平均1次粒径1〜100nmの無機微粒子表面に反応性官能基aを有する反応性無機微粒子、及び反応性官能基bを有するバインダー成分を含み、且つ、前記反応性官能基a及びbは、それぞれ、同種及び異種の反応性官能基間で架橋反応性を有するハードコート層用硬化性樹脂組成物の硬化物からなり、
前記ハードコート層には前記反応性無機微粒子の少なくとも一部が前記バインダー成分と架橋反応した無機微粒子が含まれ、且つ、当該架橋反応した無機微粒子により、前記ハードコート層の基材とは反対側の界面には、ハードコート層と平行な仮想平面とのなす角が鋭角となる微細突起が存在することを特徴とする。
光学シート1は、基材10の一面側に、ハードコート層20が設けられている。
本発明に用いられる基材は、光学シートの用途によって適宜選択され、光透過性を有しない基材であっても、光透過性を有する基材であっても良い。例えば、反射スクリーン等に用いられる光学シートとしては、光透過性を有しない基材を用いることができる。液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ及び有機ELディスプレイ等の画像表示面の保護に用いられる光学シートとしては、光透過性を有する基材であることが好ましい。
光透過性樹脂基材は、薄さ、軽さ、割れにくさ、フレキシブル性等の点で優れている。
シクロオレフィンポリマーとしては、例えば、ノルボルネン系重合体、単環の環状オレフィン系重合体、環状共役ジエン系重合体、ビニル脂環式炭化水素系重合体樹脂等が挙げられ、より具体的には、日本ゼオン(株)製のゼオネックスやゼオノア(ノルボルネン系樹脂)、住友ベークライト(株)製 スミライトFS−1700、JSR(株)製 アートン(変性ノルボルネン系樹脂)、三井化学(株)製 アペル(環状オレフィン共重合体)、Ticona社製の Topas(環状オレフィン共重合体)、日立化成(株)製 オプトレッツOZ−1000シリーズ(脂環式アクリル樹脂)等が挙げられる。
ポリカーボネートの具体例としては、ビスフェノール類(ビスフェノールA等)をベースとする芳香族ポリカーボネート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート等の脂肪族ポリカーボネート等が挙げられる。
アクリレート系ポリマーの具体例としては、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体等が挙げられる。
ポリエステルの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。
トリアセチルセルロースフィルム(TACフィルム)は、可視光域380〜780nmにおいて、平均光透過率を50%以上とすることが可能な光透過性基材である。TACフィルムの平均光透過率は70%以上、更に85%以上であることが好ましい。
TACフィルムは、光学的等方性を有するため、液晶ディスプレイ用途の場合においても好ましく用いることができる。
本発明のハードコート層は、平均1次粒径1〜100nmの無機微粒子表面に反応性官能基aを有する反応性無機微粒子、及び反応性官能基bを有するバインダー成分を含み、且つ、前記反応性官能基a及びbは、それぞれ、同種及び異種の反応性官能基間で架橋反応性を有するハードコート層用硬化性樹脂組成物の硬化物からなり、ハードコート層には前記反応性無機微粒子の少なくとも一部が前記バインダー成分と架橋反応した無機微粒子が含まれ、且つ、当該架橋反応した無機微粒子により、前記ハードコート層の光透過性樹脂基材とは反対側の界面には、ハードコート層と平行な仮想平面とのなす角が鋭角となる微細突起が存在する。
図2において、ハードコート層20の基材とは反対側の界面30には、架橋反応したシリカ微粒子40や架橋反応した異形シリカ微粒子41により形成された微細突起50が存在する。
図3は、図2における仮想平面と微細突起のなす角を模式的に示した断面図である。
図3に示すように、ハードコート層と平行な仮想平面60を想定し、微細突起50は、微細突起50と仮想平面60のなす角70が鋭角となるものである。
本発明のハードコート層用硬化性樹脂組成物は、平均1次粒径1〜100nmの無機微粒子表面に反応性官能基aを有する反応性無機微粒子、及び反応性官能基bを有するバインダー成分を含み、且つ、前記反応性官能基a及びbは、それぞれ、同種及び異種の反応性官能基間で架橋反応性を有する。
その他、機能性付与を目的として防眩剤や防汚剤及び帯電防止剤、コーティング適性の制御としてレベリング剤や溶剤、ブロッキング防止を目的として易滑剤等を含有していても良い。
反応性無機微粒子は、無機微粒子表面に反応性官能基aを有し、硬化してハードコート層の硬度向上に寄与する成分である。
ハードコート層用硬化性樹脂組成物には、平均1次粒径1〜100nmの反応性無機微粒子を含有させることにより、当該反応性無機微粒子同士が架橋可能となり、また当該反応性無機微粒子と後述するバインダー成分が架橋反応するため、ハードコート層の硬度及び耐擦傷性を高めることができる。
さらに、ハードコート層において、バインダー成分と架橋反応した無機微粒子により、当該ハードコート層の基材とは反対側の界面に、前記仮想平面とのなす角が鋭角となる微細突起が形成される。
無機微粒子の表面には通常、無機微粒子内ではこの形態で存在できない基を有する。これら表面の基は通常、相対的に反応しやすい官能基である。例えば、金属酸化物の場合には、例えば、水酸基及びオキシ基、例えば、金属硫化物の場合には、チオール基及びチオ基、又は例えば、窒化物の場合には、アミノ基、アミド基及びイミド基を有する。
反応無機微粒子の反応性官能基aとバインダー成分の反応性官能基bは同じであっても異なっていても良い。
中でも、本発明においては、シリカ微粒子同士の凝集を抑制し、膜の硬度を向上させる点から、以下の(i)(ii)のシリカ微粒子のいずれかを適宜選択して用いることが好ましい。
(i)飽和又は不飽和カルボン酸、当該カルボン酸に対応する酸無水物、酸塩化物、エステル及び酸アミド、アミノ酸、イミン、ニトリル、イソニトリル、エポキシ化合物、アミン、β‐ジカルボニル化合物、シラン、及び官能基を有する金属化合物よりなる群から選択される1種以上の分子量500以下の表面修飾化合物の存在下、分散媒としての水及び/又は有機溶剤の中にシリカ微粒子を分散させることにより得られる、表面に反応性官能基aを有するシリカ微粒子。
(ii)被覆前のシリカ微粒子に導入する反応性官能基a、下記化学式(1)に示す基、及びシラノール基又は加水分解によってシラノール基を生成する基を含む化合物と、金属酸化物微粒子とを結合することにより得られる、表面に反応性官能基aを有するシリカ微粒子。
化学式(1)
−Q1−C(=Q2)−Q3−
化学式(1)中、Q1は、NH、O(酸素原子)、又はS(硫黄原子)を示し、Q2はO又はSを示し、Q3は、NH又は2価以上の有機基を示す。
(i)飽和又は不飽和カルボン酸、当該カルボン酸に対応する酸無水物、酸塩化物、エステル及び酸アミド、アミノ酸、イミン、ニトリル、イソニトリル、エポキシ化合物、アミン、β‐ジカルボニル化合物、シラン、及び官能基を有する金属化合物よりなる群から選択される1種以上の分子量500以下の表面修飾化合物の存在下、分散媒としての水及び/又は有機溶剤の中にシリカ微粒子を分散させることにより得られる、表面に反応性官能基aを有するシリカ微粒子。
上記(i)の反応性シリカ微粒子を用いる場合には、有機成分含量が少なくても膜強度を向上できるというメリットがある。
例えば、疎水性分子残基としては、不活性化又は反発作用をもたらす、アルキル、アリール、アルカリル、アラルキル又はフッ素含有アルキル基等が挙げられる。親水性基としてはヒドロキシ基、アルコキシ基又はポリエステル基等が挙げられる。
アミノ酸の例としては、β−アラニン、グリシン、バリン、アミノカプロン酸、ロイシン及びイソロイシンが挙げられる。
分散媒は、蒸留(任意に減圧下)により容易に除去できる沸点を有することが好ましく、沸点が200℃以下、特に150℃以下の溶剤が好ましい。
化学式(1)
−Q1−C(=Q2)−Q3−
化学式(1)中、Q1は、NH、O(酸素原子)、又はS(硫黄原子)を示し、Q2はO又はSを示し、Q3は、NH又は2価以上の有機基を示す。
上記(ii)の反応性シリカ微粒子を用いる場合には、有機成分量が高まり、分散性、及び膜強度がより高まるという利点がある。
上記反応性官能基修飾加水分解性シランにおいて、当該シリカ微粒子に導入したい反応性官能基aは、後述するバインダー成分と反応可能なように適宜選択すれば特に限定されない。上述したような重合性不飽和基を導入するのに適している。
[(RaO)mRb 3ーmSi−]で示される基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリフェノキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、ジメチルメトキシシリル基等を挙げることができる。このような基のうち、トリメトキシシリル基又はトリエトキシシリル基等が好ましい。
反応性異形シリカ微粒子は、平均1次粒径1〜100nmの略球状のシリカ微粒子の3〜20個が無機の化学結合により結合して異形シリカ微粒子を形成し、その異形シリカ微粒子表面に反応性官能基aを有する。当該反応性官能基aにより、反応性異形シリカ微粒子とバインダー成分が架橋し、ハードコート層の耐擦傷性及び硬度が向上する。
また、反応性異形シリカ微粒子は、ハードコート層の基材とは反対側の界面において、長軸をハードコート層の層法線方向に対して斜め方向に配向させることにより、前記微細突起を形成しやすい効果も有する。
前記シリカ微粒子が無機の化学結合によって結合した当該微粒子数が3個以上であれば、耐擦傷性及び硬度向上の効果が得られる。シリカ微粒子が無機の化学結合によって結合した当該微粒子数が20個超過では、アスペクト比の小さい微粒子の存在が増加し、鋭角である前記微細突起の形成に寄与しない粒子の割合が増加して高価な異形シリカ微粒子が無駄となってしまうからである。
なお、極性溶剤としては、例えば、水、並びにメタノール、及びエタノール、イソプロパノール等の低級アルコール等が挙げられる。
異形シリカ微粒子が反応性シリカ微粒子の反応性官能基aにより3〜20個結合したものよりも硬度に優れる理由は定かではないが、異形シリカ微粒子の無機の化学結合は、有機成分である反応性官能基同士による結合よりも剛性が高いためと推測される。
球状の反応シリカ微粒子の反応性官能基aと反応性異形シリカ微粒子の反応性官能基aは同じであっても異なっていても良い。
ハードコート層用硬化性樹脂組成物に用いられるバインダー成分は、反応性官能基bを有し、硬化した際に当該バインダー成分同士で架橋し、ハードコート層のマトリクスとなる成分である。また、反応性官能基bは、前記反応性無機微粒子の反応性官能基aと架橋反応性を有するため、バインダー成分は前記反応性無機微粒子と架橋し、網目構造が形成され、ハードコート層の耐擦傷性及び硬度を更に高める。
尚、変性体としては、EO(エチレンオキサイド)変性体、PO(プロピレンオキサイド)変性体、CL(カプロラクトン)変性体、及びイソシアヌル酸変性体等が挙げられる。
前記ポリアルキレンオキシド鎖含有ポリマー(A)は、下記化学式(4)で表され、末端に3つ以上の反応性官能基bを有する分子量が1000以上のポリアルキレンオキシド鎖含有ポリマーである。
ハードコート層を形成した際の硬度を維持しつつクラックを抑制する点から、n1、n2・・・nkはそれぞれ2〜500の数であることが好ましく、更に2〜300の数であることが好ましい。
Y1〜Ykが反応性官能基bそのものである場合、Y1〜Ykとしては例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基(CH2=CH−)等の重合性不飽和基が挙げられる。
例えば、エチレン性不飽和基を有する化合物残基としては、具体的には例えば、以下の化合物のエチレン性不飽和基以外の反応性置換基又は反応性置換基の一部(水素等)を除いた残基が挙げられる。例えば、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
2つ以上の反応性官能基bを有する分子量が10,000未満の化合物(B)は、前記反応性無機微粒子と相俟って、ハードコート層の硬度を向上させ、十分な耐擦傷性及び硬度を付与するものである。なお、上記ポリマー(A)の構造を有するものは、2つ以上の反応性官能基bを有する分子量が10,000未満の化合物(B)から除かれる。
本発明において当該化合物(B)は、前記ポリマー(A)及び反応性無機微粒子との組み合わせにおいて、互いに反応可能な反応性官能基bを有し、十分な耐擦傷性を有する広範な化合物から適宜選択して用いることができる。当該化合物(B)としては、1種単独で用いても良く、2種以上を適宜混合して用いても良い。
2つ以上の反応性官能基bを有する分子量が10000未満の化合物(B)は、1分子中に含まれる反応性官能基bが3個以上であることが、硬化膜の架橋密度をあげて、硬度を付与する点から好ましい。ここで化合物(B)が分子量分布を有するオリゴマーの場合、反応性官能基b数は、平均の個数で表される。
また、化合物(B)の分子量は、硬度向上の点から、5,000未満であることが好ましい。
重合性不飽和基を有する具体例として、重合性不飽和基を1分子内に2つ以上有する多官能(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート等の2官能すなわち反応性官能基が2つの(メタ)アクリレート化合物;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、及びそのEO、PO、エピクロルヒドリン変性品、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、及びそのEO、PO、エピクロルヒドリン変性品、イソシアヌール酸EO変性トリ(メタ)アクリレート(東亞合成製アロニックスM−315等)、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート、フタル酸水素−(2,2,2−トリ−(メタ)アクリロイルオキシメチル)エチル、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、及びそのEO、PO、エピクロルヒドリン変性品等の3官能(メタ)アクリレート化合物;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、及びそのEO、PO、エピクロルヒドリン変性品、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の4官能(メタ)アクリレート化合物;ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、及びそのEO、PO、エピクロルヒドリン、脂肪酸、アルキル、ウレタン変性品等の5官能(メタ)アクリレート化合物;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、及びそのEO、PO、エピクロルヒドリン、脂肪酸、アルキル、ウレタン変性品、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、及びそのEO、PO、エピクロルヒドリン、脂肪酸、アルキル、ウレタン変性品等の6官能(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。
また、上記ウレタン(メタ)アクリレート類に用いられるポリオールとしては、例えば、1,6−ヘキサンジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリカプロラクトンジオール、ポリカーボネートジオール、ポリブタジエンポリオール、ポリエステルジオール等が挙げられる。上記ウレタン(メタ)アクリレート類に用いられるポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフエニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、ヘキサメレチンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。上記ウレタン(メタ)アクリレート類に用いられる水酸基を含有する(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記ポリエステルアクリレート類に用いられるポリエステルポリオールを形成するためのポリオールとしては、例えばエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられ、多塩基酸としては、例えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
分子量が10000以上100000未満のバインダー成分の例としては、荒川化学工業(株)製のBS371、BS371MLV,DK1、DK2、DK3などが挙げられる。
ハードコート層硬化性樹脂組成物には、上記成分のほかに、更に溶剤、重合開始剤、帯電防止剤、防眩剤等を適宜添加することもできる。更に、反応性又は非反応性レベリング剤、各種増感剤等の各種添加剤が混合されていても良い。帯電防止剤及び/又は防眩剤を含む場合には、ハードコート層に、更に帯電防止性及び/又は防眩性を付与できる。
溶剤は特に限定されず、反応性無機微粒子の分散性や塗布性を考慮して適宜選択して用いることができる。接着性や干渉縞防止の観点からは浸透性溶剤が、また、光学シートの硬度を高める観点から非浸透性溶剤が好ましい。なお、本発明において、浸透とは、基材を溶解又は膨潤させることを意味する。
基材がトリアセチルセルロースフィルム(TACフィルム)の場合には、非浸透性溶剤として、例えば、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、ノルマルブタノール、sec−ブタノール、イソブタノール、及びtert−ブタノール等が挙げられ、浸透性溶剤としてはメチルエチルケトン等のケトン系や酢酸エチル等のエステル系の溶剤が挙げられる。
上記ラジカル重合性官能基やカチオン重合性官能基の開始又は促進させるために、必要に応じてラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤、ラジカル及びカチオン重合開始剤等を適宜選択して用いても良い。これらの重合開始剤は、光照射及び/又は加熱により分解されて、ラジカルもしくはカチオンを発生してラジカル重合とカチオン重合を進行させるものである。
帯電防止剤の具体例としては、第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、第1〜第3アミノ基等のカチオン性基を有する各種のカチオン性化合物、スルホン酸塩基、硫酸エステル塩基、リン酸エステル塩基、ホスホン酸塩基などのアニオン性基を有するアニオン性化合物、アミノ酸系、アミノ硫酸エステル系などの両性化合物、アミノアルコール系、グリセリン系、ポリエチレングリコール系などのノニオン性化合物、スズ及びチタンのアルコキシドのような有機金属化合物及びそれらのアセチルアセトナート塩のような金属キレート化合物等が挙げられ、さらに上記に列記した化合物を高分子量化した化合物が挙げられる。また、第3級アミノ基、第4級アンモニウム基、又は金属キレート部を有し、且つ、電離放射線により重合可能なモノマー又はオリゴマー、或いは電離放射線により重合可能な重合可能な官能基を有する且つ、カップリング剤のような有機金属化合物等の重合性化合物もまた帯電防止剤として使用できる。
防眩剤としては微粒子が挙げられ、微粒子の形状は、真球状、楕円状などのものであってよく、好ましくは真球状のものが挙げられる。また、微粒子は無機系、有機系のものが挙げられるが、好ましくは有機系材料により形成されてなるものが好ましい。微粒子は、防眩性を発揮するものであり、好ましくは光透過性のものがよい。微粒子の具体例としては、プラスチックビーズが挙げられ、より好ましくは、光透過性を有するものが挙げられる。プラスチックビーズの具体例としては、スチレンビーズ(屈折率1.59)、メラミンビーズ(屈折率1.57)、アクリルビーズ(屈折率1.49)、アクリル−スチレンビーズ(屈折率1.54)、ポリカーボネートビーズ、ポリエチレンビーズなどが挙げられる。微粒子の添加量は、樹脂組成物100重量部に対し、2〜30重量部、好ましくは10〜25重量部程度である。
本発明のハードコート層用硬化性樹脂組成物には、レベリング剤を添加することができ、中でも、フッ素系又はシリコーン系等のレベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤を添加したハードコート層用硬化性樹脂組成物は、塗布又は乾燥時に塗膜表面に対して塗工安定性、滑り性、防汚染性、及び耐擦傷性を付与することができる。
レベリング剤の添加量としては、ハードコート層用硬化性樹脂組成物の全固形分に対して0〜0.5重量%が好ましく、0〜0.2重量%がより好ましく、0.01〜0.2重量%がさらに好ましい。
レベリング剤として市販のものを使用することもできる。本発明において使用することができる市販のレベリング剤としては、例えば以下のものが挙げられる。
また(株)ネオス製のフタ―ジェントシリーズ(FTX218、250、245M、209F、222F、245F、208G、218G、240G、206D、240D等)やKBシリーズ等、ビックケミー・ジャパン(株)製のBYK333、300等、共栄社化学(株)製のKL600等も挙げられる。
光学シートは、上記したように基材、及びハードコート層より基本的には構成されてなる。しかしながら、光学シートとしての機能又は用途を加味して、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記ハードコート層の基材側、又は基材とは反対側の面に、更に下記のような一又は二以上の層を設けてもよい。
(帯電防止層)
帯電防止層は、帯電防止剤と硬化性樹脂を含む帯電防止層用硬化性樹脂組成物の硬化物からなり、ハードコート層の基材側又は基材とは反対側の面に設けることができる。帯電防止層の厚さは、30nm〜3μm程度であることが好ましい。
本発明の好ましい態様によれば、光学シート最表面の汚れ防止を目的として、光学シートの基材とは反対側の最表面に防汚層を設けることができる。防汚層は、光学シートに対して防汚性と耐擦傷性のさらなる改善を図ることが可能となる。防汚層は、防汚剤と硬化性樹脂組成物を含む防汚層用硬化性樹脂組成物の硬化物からなる。
低屈折率層は、当該層の基材側に隣接する層よりも屈折率が低い層であり、低屈折率層用硬化性樹脂組成物の硬化物からなる。当該低屈折率層用硬化性樹脂組成物には、前記隣接する層よりも屈折率が低くなるように、適宜公知の低屈折率硬化性樹脂や微粒子を用いることができる。
カールを防止し、光学シートの硬度を更に向上させる点から、前記ハードコート層の基材側に表面が平滑な第2のハードコート層を設けても良い。
第2のハードコート層は前記ハードコート層と同様のものを用いることができ、当該二つのハードコート層の組成は同一であっても良く、異なっていても良い。なお、この場合にはハードコート層の微細突起は第2のハードコート層の密着性を上げることにより、第2のハードコート層のハードコート性をより強く引き出す効果を奏している。
本発明に係る光学シートの製造方法は、平均1次粒径1〜100nmの略球状のシリカ微粒子3〜20個が無機の化学結合により結合し表面に反応性官能基aを有する反応性異形シリカ微粒子、及び反応性官能基bを有するバインダー成分を含み、且つ、前記反応性官能基a及びbは、それぞれ、同種及び異種の反応性官能基間で架橋反応性を有するハードコート層用硬化性樹脂組成物を用意する工程、
前記ハードコート層用硬化性樹脂組成物を基材の一面側に塗布し、塗膜とする工程、及び、
前記塗膜において、前記反応性異形シリカ微粒子の長軸が前記仮想平面の平面方向に配向することを抑制しながら、又は抑制した後に前記塗膜を光照射により硬化させ、ハードコート層を形成し、且つ、当該ハードコート層の基材とは反対側の界面に、ハードコート層と平行な仮想平面とのなす角が鋭角となる微細突起を形成する工程を含むことを特徴とする。
また、基材上へのハードコート層用硬化性樹脂組成物の塗工量としては、得られる光学シートが要求される性能により異なるものであるが、乾燥後の膜厚が3〜25μmになるように適宜調節すればよく、塗工量が3g/m2〜30g/m2の範囲内、特に5g/m2〜25g/m2の範囲内であることが好ましい。
光照射に加えて、加熱する場合は、通常40℃〜120℃の温度にて処理する。また、室温(25℃)で24時間以上放置することにより反応を行っても良い。
基材上にその他の層を形成する場合は、ハードコート層用硬化性樹脂組成物を塗布する前に、その他の層の硬化性樹脂組成物を塗布し、乾燥させ、光照射及び/又は加熱してその他の層を形成し、その後、ハードコート層用硬化性樹脂組成物を塗布し、反応性異形シリカ微粒子の長軸が仮想平面の平面方向に配向することを抑制しながら、又は抑制した後に、塗膜に光照射して硬化させハードコート層及び微細突起を形成すればよい。
ハードコート層上にその他の層を形成する場合は、ハードコート層用硬化性樹脂組成物を塗布し、反応性異形シリカ微粒子の長軸が仮想平面の平面方向に配向することを抑制しながら、又は抑制した後に、塗膜を光照射して硬化させハードコート層及び微細突起を形成した後に、その他の層の硬化性樹脂組成物を塗布し、必要に応じて乾燥させ、光照射してその他の層を設ければよい。
反応性異形シリカ微粒子(2)として、平均1次粒径5nmのシリカ微粒子が平均3個無機の化学結合により結合した長軸の長さ15nm、固形分40%、分散媒MIBK溶剤、反応性官能基aはメタクリレート基の反応性異形シリカ微粒子を用いた。
反応性異形シリカ微粒子(3)として、平均1次粒径20nmのシリカ微粒子が平均5個無機の化学結合により結合した長軸の長さ90nm、固形分40%、分散媒MIBK溶剤、反応性官能基aはメタクリレート基の反応性異形シリカ微粒子を用いた。
反応性異形シリカ微粒子(4)として、平均1次粒径45nmのシリカ微粒子が平均5個無機の化学結合により結合した長軸の長さ180nm、固形分40%、分散媒MIBK溶剤、反応性官能基aはメタクリレート基の反応性異形シリカ微粒子を用いた。
反応性官能基を持たない異形シリカ微粒子(1)として、平均1次粒径20nmのシリカ微粒子が平均3.5個無機の化学結合により結合した長軸の長さ60nm、固形分40%、分散媒MIBK溶剤の異形シリカ微粒子を用いた。
球状反応性シリカ微粒子(1)として、平均1次粒径20nm、固形分40%、分散媒MIBK溶剤、反応性官能基aはメタクリレート基の反応性シリカ微粒子を用いた。
球状反応性シリカ微粒子(2)として、平均1次粒径80nm、固形分40%、分散媒MIBK溶剤、反応性官能基aはメタクリレート基の反応性シリカ微粒子を用いた。
球状シリカ微粒子(1)として、平均1次粒径200nm、固形分40%、分散媒MIBK溶剤の反応性シリカ微粒子を用いた。
バインダー成分(2)として、日本化薬(株)製、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)を用いた。
バインダー成分(3)として、荒川化学工業(株)製、ビームセットDK1(反応性官能基bはアクリレート基、30官能以上、重量平均分子量20000、固形分75重量%、MKBK溶剤)を用いた。
レベリング剤(1)として、DIC(株)製、メガファックMCF350−5を用いた。
レベリング剤(2)として、DIC(株)製、RS71を用いた。
基材として、TACフィルム(厚み40μm、トリアセチルセルロース樹脂フィルム、商品名:KC4UY、コニカ(株)製)を用いた。
各化合物の略語はそれぞれ、以下の通りである。
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
PETA:ペンタエリスリトールトリアクリレート
MIBK:メチルイソブチルケトン
TAC:トリアセチルセルロース
下記に示す組成の成分を配合して硬化性樹脂組成物1〜19をそれぞれ、調製した。硬化性樹脂組成物1〜19について、反応性異形シリカ微粒子を含むものについては、異形シリカ微粒子を構成しているシリカ微粒子の平均1次粒径、及び平均連結数を、異形シリカ微粒子以外の球状のシリカ微粒子を含むものについては、当該球状のシリカ微粒子の平均1次粒径を表1に示す。また、硬化性樹脂組成物1〜19について、各粒子の反応性官能基aの有無、微粒子の硬化性樹脂組成物の全固形分に対する割合、バインダー成分の種類を表1に示す。
反応性異形シリカ微粒子(1):150重量部(固形分60重量部)
バインダー成分(1):40重量部
イルガキュア184:4重量部
メガファックMCF350−5:0.2重量部(固形分)
MIBK:54重量部
反応性異形シリカ微粒子(1):150重量部(固形分60重量部)
バインダー成分(1):40重量部
イルガキュア184:4重量部
メガファックMCF350−5:0.05重量部(固形分)
MIBK:54重量部
反応性異形シリカ微粒子(1):150重量部(固形分60重量部)
バインダー成分(1):40重量部
イルガキュア184:4重量部
メガファックMCF350−5:0.01重量部(固形分)
MIBK:54重量部
反応性異形シリカ微粒子(1):150重量部(固形分60重量部)
バインダー成分(1):40重量部
イルガキュア184:4重量部
メガファックMCF350−5:0.5重量部(固形分)
MIBK:54重量部
反応性異形シリカ微粒子(1):150重量部(固形分65重量部)
バインダー成分(1):35重量部
イルガキュア184:4重量部
メガファックMCF350−5:0.2重量部(固形分)
MIBK:54重量部
反応性異形シリカ微粒子(1):100重量部(固形分40重量部)
バインダー成分(1):60重量部
イルガキュア184:4重量部
メガファックMCF350−5:0.2重量部(固形分)
MIBK:54重量部
反応性異形シリカ微粒子(2):150重量部(固形分60重量部)
バインダー成分(1):40重量部
イルガキュア184:4重量部
メガファックMCF350−5:0.2重量部(固形分)
MIBK:54重量部
反応性異形シリカ微粒子(1):150重量部(固形分60重量部)
バインダー成分(2):40重量部
イルガキュア184:4重量部
メガファックMCF350−5:0.2重量部(固形分)
MIBK:54重量部
反応性異形シリカ微粒子(1):150重量部(固形分60重量部)
バインダー成分(1):20重量部
バインダー成分(3):20重量部
イルガキュア184:4重量部
メガファックMCF350−5:0.2重量部(固形分)
MIBK:54重量部
反応性異形シリカ微粒子(1):75重量部(固形分30重量部)
バインダー成分(1):70重量部
イルガキュア184:4重量部
RS71:0.4重量部(固形分)
MIBK:54重量部
反応性異形シリカ微粒子(3):150重量部(固形分60重量部)
バインダー成分(1):40重量部
イルガキュア184:4重量部
メガファックMCF350−5:0.2重量部(固形分)
MIBK:54重量部
反応性異形シリカ微粒子(4):150重量部(固形分60重量部)
バインダー成分(1):40重量部
イルガキュア184:4重量部
メガファックMCF350−5:0.2重量部(固形分)
MIBK:54重量部
反応性異形シリカ微粒子(1):25重量部(固形分10重量部)
バインダー成分(1):90重量部
イルガキュア184:4重量部
メガファックMCF350−5:0.2重量部(固形分)
MIBK:54重量部
反応性異形シリカ微粒子(1):25重量部(固形分10重量部)
バインダー成分(1):90重量部
イルガキュア184:4重量部
メガファックMCF350−5:5.0重量部(固形分)
MIBK:54重量部
異形シリカ微粒子(1):150重量部(固形分60重量部)
バインダー成分(1):40重量部
イルガキュア184:4重量部
メガファックMCF350−5:0.2重量部(固形分)
MIBK:54重量部
反応性異形シリカ微粒子(5):100重量部(固形分40重量部)
バインダー成分(1):40重量部
イルガキュア184:4重量部
メガファックMCF350−5:0.2重量部(固形分)
MIBK:54重量部
球状反応性シリカ微粒子(1):25重量部(固形分10重量部)
バインダー成分(1):40重量部
イルガキュア184:4重量部
メガファックMCF350−5:0.2重量部(固形分)
MIBK:54重量部
球状反応性シリカ微粒子(2):25重量部(固形分10重量部)
バインダー成分(1):40重量部
イルガキュア184:4重量部
メガファックMCF350−5:0.2重量部(固形分)
MIBK:54重量部
球状シリカ微粒子(1):150重量部(固形分60重量部)
バインダー成分(1):40重量部
イルガキュア184:4重量部
メガファックMCF350−5:0.2重量部(固形分)
MIBK:54重量部
TACフィルムの片面に、上記ハードコート層用硬化性樹脂組成物1を塗布し、温度70℃の熱オーブン中で60秒間乾燥し、塗膜中の溶剤を蒸発させ、紫外線を積算光量が200mJ/cm2になるように照射して塗膜を硬化させることにより、膜厚15μm、突出高さ10nmのハードコート層を形成し、実施例1の光学シートを作製した。
実施例1において、ハードコート層用硬化性樹脂組成物1を表1に示す組成物に代えた以外は実施例1と同様にして、実施例2〜12の光学シートをそれぞれ作製した。
実施例1において、ハードコート層用硬化性樹脂組成物1を表1に示す組成物に代え、温度40℃の熱オーブン中で180秒間乾燥させた以外は実施例1と同様にして、比較例1〜2の光学シートをそれぞれ作製した。
実施例1において、ハードコート層用硬化性樹脂組成物1を表1に示す組成物に代えた以外は実施例1と同様にして、比較例3〜7の光学シートをそれぞれ作製した。
作製した実施例1〜12、及び比較例1〜7の光学シートについて、以下の様に、微細突起が仮想平面となす角度のうち最も小さい角度、仮想平面の平面方向の長さ500nmあたりのなす角度が鋭角である微細突起の数、鉛筆硬度、耐擦傷性、及びヘイズを評価した。その結果を表2に示す。なお、微細突起が仮想平面となす角度及び仮想平面の平面方向の長さ500nmあたりの微細突起の数はSEM写真を用いて判定した。実施例1の光学シートのハードコート層のTACフィルムとは反対側の界面側のSEM写真、及びその一部を拡大した写真をそれぞれ、図4、図5に示す。
鉛筆硬度試験;鉛筆引っ掻き試験の硬度は、作製した光学シートを温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間調湿した後、JIS−S−6006が規定する試験用鉛筆を用いて、JIS K5600−5−4(1999)に規定する鉛筆硬度試験(4.9N荷重)を行い、傷がつかない最も高い鉛筆硬度を評価した。
作製した光学シートを#0000のスチールウールを用い、荷重4.9N/cm2をかけながら、速度100mm/secで10往復した時の傷の有無を目視により確認した。評価基準は以下の通りとした。
○:全く傷が認められないもの
×:傷が認められるもの
作製した光学シートのヘイズ値(%)を、ヘイズメーター(村上色彩技術研究所製、製品番号;HM−150)を用いてJIS K−7136に従って測定した。
○:1.0%以下
×:1.0%より大きい
異形シリカ微粒子を用いていても反応性官能基を有しない比較例3では、鉛筆硬度が3Hと低く、また、反応性官能基を有しないため架橋が不十分となり異形シリカ微粒子の欠落が多く、耐擦傷性の評価も悪かった。
異形シリカ微粒子を構成しているシリカ微粒子の平均1次粒径が大きい比較例4では、鉛筆硬度は5Hと良い評価が得られたが、平均1次粒径が大きいために光透過性が低下し、ヘイズの評価が悪かった。
球状の反応性シリカ微粒子を用いた比較例5,6、及び球状の反応性官能基を有しないシリカ微粒子を用いた比較例7では、突起の仮想平面とのなす角度が鋭角を超え、鉛筆硬度及び耐擦傷性の評価が低くなった。
10 基材
20 ハードコート層
30 ハードコート層の基材とは反対側の界面
40 架橋したシリカ微粒子
41 架橋した異形シリカ微粒子
50 微細突起
60 仮想平面
70 微細突起と仮想平面のなす角
Claims (7)
- 基材の一面側に少なくともハードコート層を設けた光学シートであって、
前記ハードコート層は、平均1次粒径1〜100nmの無機微粒子表面に反応性官能基aを有する反応性無機微粒子、及び反応性官能基bを有するバインダー成分を含み、且つ、前記反応性官能基a及びbは、それぞれ、同種及び異種の反応性官能基間で架橋反応性を有するハードコート層用硬化性樹脂組成物の硬化物からなり、
前記ハードコート層には前記反応性無機微粒子の少なくとも一部が前記バインダー成分と架橋反応した無機微粒子が含まれ、且つ、当該架橋反応した無機微粒子により、前記ハードコート層の基材とは反対側の界面には、ハードコート層と平行な仮想平面とのなす角が鋭角となる微細突起が存在することを特徴とする、光学シート。 - 前記微細突起が、前記ハードコート層の基材とは反対側の界面において、前記仮想平面の平面方向の長さ500nmあたり、3個以上存在することを特徴とする、請求項1に記載の光学シート。
- 前記基材が光透過性樹脂基材であることを特徴とする、請求項1又は2記載の光学シート。
- 前記反応性無機微粒子が反応性シリカ微粒子であり、当該反応性シリカ微粒子として、平均1次粒径1〜100nmの略球状のシリカ微粒子3〜20個が無機の化学結合により結合し表面に反応性官能基aを有する反応性異形シリカ微粒子が含まれることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光学シート。
- 前記ハードコート層用硬化性樹脂組成物の全固形分に対する前記反応性無機微粒子の含有量の割合は、15〜70重量%であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光学シート。
- JIS K5600−5−4(1999)に規定する鉛筆硬度試験(4.9N荷重)の硬度が、5H以上であることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の光学シート。
- 平均1次粒径1〜100nmの略球状のシリカ微粒子3〜20個が無機の化学結合により結合し表面に反応性官能基aを有する反応性異形シリカ微粒子、及び反応性官能基bを有するバインダー成分を含み、且つ、前記反応性官能基a及びbは、それぞれ、同種及び異種の反応性官能基間で架橋反応性を有するハードコート層用硬化性樹脂組成物を用意する工程、
前記ハードコート層用硬化性樹脂組成物を基材の一面側に塗布し、塗膜とする工程、及び、
前記塗膜において、前記反応性異形シリカ微粒子の長軸が前記ハードコート層と平行な仮想平面の平面方向に配向することを抑制しながら、又は抑制した後に前記塗膜を光照射により硬化させ、ハードコート層を形成し、且つ、当該ハードコート層の基材とは反対側の界面に、ハードコート層と平行な仮想平面とのなす角が鋭角となる微細突起を形成する工程を含むことを特徴とする、光学シートの製造方法。
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