JP4379591B2 - 化粧シート - Google Patents

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Description

本発明は、シリカを含む電離放射線硬化型樹脂からなる表面保護層を最表面に有する、耐アルカリ性に優れた化粧シートに関する。
最表面に電離放射線硬化型樹脂からなる表面保護層を有する化粧シートは、耐摩性、耐衝撃性、耐汚染性、耐擦傷性等の物性が優れているため、例えば、床材用シートとして好適に用いられている。ここで、電離放射線硬化型樹脂とは、紫外線、電子線等の電離放射線の照射により重合架橋反応可能なラジカル重合性二重結合を分子中に含むプレポリマー、オリゴマー及び/又はモノマーを適宜配合してなるものである。このような化粧シートは、例えば、特許文献1及び2に開示されている。
電離放射線硬化型樹脂からなる表面保護層は、そのままでも耐摩性、耐衝撃性、耐汚染性、耐擦傷性等の物性は優れているが、さらなる耐擦傷性、耐摩性等の向上を目的として、充填剤、減摩剤等としてシリカを含有する場合がある。また、表面保護層を化粧シートの艶調整層として用いる場合にも、表面保護層に艶消し剤としてシリカが添加されている。
しかしながら、電離放射線硬化型樹脂からなる表面保護層にシリカを添加した場合には、耐アルカリ性が低下することが問題となっている。具体的には、アルカリ成分を含む洗剤、薬剤等が接触した場合に、シリカを添加した部分が白化することが問題となっている。
従って、シリカを含む電離放射線硬化型樹脂からなる表面保護層を最表面に有する化粧シートであって、耐アルカリ性の向上した化粧シートの開発が望まれている。
特開2001−260282号公報 特開2003−276133号公報
本発明は、シリカを含む電離放射線硬化型樹脂からなる表面保護層を最表面に有する化粧シートであって、耐アルカリ性の向上した化粧シートを提供することを主な目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定処理されたシリカの使用が、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の化粧シートに係る。
1.シリカを含む電離放射線硬化型樹脂からなる表面保護層を最表面に有する化粧シートであって、当該シリカが耐アルカリ処理されたものであることを特徴とする化粧シート。
2.耐アルカリ処理されたシリカが、表面の少なくとも一部がシリコンオイルで被覆されたシリカである上記項1記載の化粧シート。
3.耐アルカリ処理されたシリカが、未処理シリカの表面に存在するシラノール基の少なくとも一部が疎水化されたシリカである上記項1記載の化粧シート。
4.熱可塑性樹脂からなる基材シート上に、絵柄模様層、透明性接着剤層、透明性樹脂層及び透明性表面保護層が順に積層されてなる上記項1〜3のいずれかに記載の化粧シート。
5.ポリオレフィン系樹脂からなる基材シート上に、絵柄模様層、透明性接着剤層、ポリオレフィン系樹脂からなる透明性樹脂層及び透明性表面保護層が順に積層されている上記項4記載の化粧シート。

以下、本発明の化粧シートについて詳細に説明する。
本発明の化粧シートは、シリカを含む電離放射線硬化型樹脂からなる表面保護層を最表面に有する化粧シートであって、当該シリカが耐アルカリ処理されたものであることを特徴とする。
表面保護層
表面保護層は、電離放射線硬化型樹脂からなり、耐アルカリ処理されたシリカを含む。
電離放射線硬化型樹脂としては特に限定されず、紫外線、電子線等の電離放射線の照射により重合架橋反応可能なラジカル重合性二重結合を分子中に含むプレポリマー(オリゴマーを含む)及び/又はモノマーを主成分とする透明性樹脂が使用できる。これらのプレポリマー又はモノマーは、単体又は複数を混合して使用できる。硬化反応は、通常、架橋硬化反応である。
具体的には、前記プレポリマー又はモノマーとしては、分子中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基、エポキシ基等のカチオン重合性官能基等を有する化合物が挙げられる。また、ポリエンとポリチオールとの組み合わせによるポリエン/チオール系のプレポリマーも好ましい。ここで、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基の意味である。
ラジカル重合性不飽和基を有するプレポリマーとしては、例えば、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの分子量としては、通常250〜100000程度が好ましい。
ラジカル重合性不飽和基を有するモノマーとしては、例えば、単官能モノマーとして、メチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、多官能モノマーとしては、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
カチオン重合性官能基を有するプレポリマーとしては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ化合物等のエポキシ系樹脂、脂肪酸系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル等のビニルエーテル系樹脂のプレポリマーが挙げられる。また、チオールとしては、例えば、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート等のポリチオールが挙げられる。ポリエンとしては、例えば、ジオール及びジイソシアネートによるポリウレタンの両端にアリルアルコールを付加したものが挙げられる。
上記の中でも、特にウレタンアクリレート系の電離放射線硬化型樹脂が好ましい。ウレタンアクリレート系の電離放射線硬化型樹脂は、ラジカル重合性不飽和基を有するプレポリマーとしてウレタン(メタ)アクリレートプレポリマーを用いて、必要に応じて、ラジカル重合性不飽和基を有するモノマーとして、単官能モノマー、多官能モノマー等を併用した組成物である。
このような電離放射線硬化型樹脂を表面保護層に用いることにより、架橋密度を高くできるため、2液硬化型ウレタン樹脂を表面保護層に用いる場合よりも優れた耐擦傷性が得られる。その結果、化粧シートを貼着して得た化粧板を積み重ねて運搬する際にも、化粧シート表面に擦り傷が付き難くなる。しかも、電離放射線硬化型樹脂としてウレタンアクリレート系の樹脂を採用することにより、表面保護層硬化後に、その上から熱圧によるエンボス加工によって良好な凹凸模様を賦形することも容易となり、また、プライマー層との密着性も良好となる。エンボス加工及びプライマー層については後述する。
表面保護層には、上記電離放射線硬化型樹脂とともに、耐アルカリ処理されたシリカが含まれる。シリカの添加理由は特に限定的ではないが、通常は艶調整剤;表面保護層をより硬化させるために用いる充填剤;耐擦傷性、耐摩性等を向上させるために用いる充填剤、減摩剤等として添加する。耐アルカリ処理されたシリカの含有量は特に限定されず、艶調整剤として用いる場合には目標とする艶の程度、充填剤として用いる場合には目標とする耐擦傷性等の程度に応じて広範な範囲から設定できる。通常は電離放射線硬化型樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部、好ましくは5〜30重量部程度である。
シリカの平均粒径は特に限定的ではなく、シリカの用途、表面保護層の厚み等に応じて適宜設定できる。通常は、表面保護層の厚みに応じて1〜30μmの中から設定できる。その中でも、化粧シートが床材用である場合には、5〜25μm程度が好ましく、建具面材用である場合には、1〜10μm程度が好ましい。
シリカの耐アルカリ処理方法は、シリカ表面にアルカリ成分を含む洗浄剤、薬剤等が付着した場合にも、シリカの溶解が防止又は抑制できる方法であれば限定されない。例えば、シリカ表面の少なくとも一部をシリコンオイルで被覆する方法;未処理シリカの表面に存在するシラノール基の少なくとも一部にシランカップリング剤、グリコール系処理剤、その他の炭化水素系処理剤(いわゆるワックス処理に用いられる処理剤を含む)を吸着させて疎水化する方法等が挙げられる。これらの方法は単独又は2種以上を組み合わせて使用できる。
なお、上記した耐アルカリ処理されたシリカを含む電離放射線硬化型樹脂には、さらに必要に応じて、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂等の熱可塑性樹脂を添加することもできる。また、必要に応じて、公知の各種添加剤を添加してもよい。添加剤としては、例えば、シリコーン樹脂、ワックス等の滑剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤(HALS)等の光安定剤、着色剤等である。但し、表面保護層の下層に絵柄模様層等の化粧層がある場合には、表面保護層は透明性であることが必要なため、着色剤を添加したとしても透明着色又は半透明着色とすべきである。
上記した耐アルカリ処理されたシリカを含む電離放射線硬化型樹脂を硬化させるために用いる電離放射線としては、電離放射線硬化型樹脂(組成物)中の分子を硬化反応させ得るエネルギーを有する電磁波又は荷電粒子が用いられる。通常は、紫外線又は電子線を用いればよいが、可視光線、X線、イオン線等を用いてもよい。
紫外線源としては、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト、メタルハライドランプ等の光源が使用できる。紫外線の波長としては、190〜380nmが好ましい。
電子線源としては、例えば、コッククロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型のものが使用できる。その他、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器も使用できる。その中でも、特に100〜1000keV、好ましくは100〜300keVのエネルギーを持つ電子を照射できるものが好ましい。
表面保護層は、例えば、化粧シートの構成において、表面保護層の下に位置するシート(例えば、熱可塑性樹脂フィルム)上に、耐アルカリ処理を施したシリカを含む電離放射線硬化型樹脂をグラビアコート、ロールコート等の公知の塗工法により塗工後、電離放射線を照射して該樹脂を硬化させることにより形成できる。
表面保護層の厚さは特に限定されず、最終製品の特性(化粧シート用途)、化粧シートの構成等に応じて適宜設定できるが、通常1〜30μm程度である。具体的には、化粧シートが床材用である場合には、表面保護層は5〜25μm程度、建具面材用である場合には、表面保護層は1〜10μm程度が好ましい。
化粧シートの具体的構成態様
本発明の化粧シートは、上記した表面保護層を有するものであればその構成態様は特に限定されないが、例えば、熱可塑性樹脂からなる基材シート上に、絵柄模様層、透明性接着剤層、透明性樹脂層及び透明性表面保護層が順に積層されてなる構成態様が好ましい。以下、この態様を例に挙げて層構成の具体例を説明する。
(基材シート)
基材シートとしては熱可塑性樹脂からなるものが好ましい。
熱可塑性樹脂としては、化粧シートの分野で従来公知のものが使用できる。例えば、ポリオレフィン系樹脂又はポリエステル系樹脂からなるフィルムが好ましい。この中でも、特にポリオレフィン系樹脂からなるフィルムが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらの中でも、特にポリプロピレン、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等が好ましい。
ポリプロピレンを主成分とする単独又は共重合体も好ましく、例えば、ホモポリプロピレン樹脂、ランダムポリプロピレン樹脂、ブロックポリプロピレン樹脂、ポリプロピレン結晶部を有するプロピレン以外の炭素数2〜20のα−オレフィン等が挙げられる。その他、エチレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1又はオクテン−1のコモノマーを15モル%以上含有するプロピレン−α−オレフィン共重合体等も好ましい。
ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントに高結晶性且つ高融点の芳香族ポリエステル、ソフトセグメントにガラス転移温度が−70℃以下の非晶性ポリエーテルを使用したブロックポリマーである。特にアイソタクチックポリプロピレンからなるハードセグメントとアタクチックポリプロピレンからなるソフトセグメントとを重量比80:20で混合したものが好ましい。
ポリエステル系樹脂としても特に限定されず、化粧シートの分野で従来公知のものが使用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリカーボネート、エチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体、ポリアリレート等が挙げられる。この中でも、特にポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が好ましい。
ポリエステル系樹脂としても、ポリオレフィン系樹脂と同様に、各種ホモポリマーの他、樹脂の柔軟化等の目的で各種の共重合成分又は改質成分を添加した共重合ポリエステル系樹脂、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等が使用できる。具体的には、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸又はジカルボン酸エステルと、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール等の脂肪族ジオールとの縮合重合反応により得られるものが使用できる。ジカルボン酸成分としては、例えば、セバシン酸、エイコ酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の長鎖脂肪族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸等が好ましい。ジオール成分としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の両末端に水酸基を有するポリエーテル系ジオールが好ましい。
これらのポリオレフィン系樹脂及びポリエステル系樹脂は、例えば、カレンダー法、インフレーション法、Tダイ押し出し法等によりフィルム状にすればよい。
基材シートの厚みは特に限定されず、製品特性に応じて設定できるが。通常50〜200μm程度である。
基材シートには、必要に応じて、添加剤が配合されてもよい。添加剤としては、例えば、炭酸カルシウム、クレー等の充填剤、水酸化マグネシウム等の難燃剤、酸化防止剤、滑剤、発泡剤、着色剤(下記参照)などが挙げられる。添加剤の配合量は、製品特性に応じて適宜設定できる。
着色剤としては特に限定されず、顔料、染料等の公知の着色剤を使用できる。例えば、チタン白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、黄鉛、カーボンブラック等の無機顔料;イソインドリノン、ハンザイエローA、キナクリドン、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブルー、インダスレンブルーRS、アニリンブラック等の有機顔料(染料も含む);アルミニウム、真鍮等の金属顔料;二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔粉からなる真珠光沢(パール)顔料などが挙げられる。基材シートの着色態様には、透明着色と不透明着色(隠蔽着色)があり、これらは任意に選択できる。例えば、基材シートに被着材(ラワン等の化粧材の基材)の着色隠蔽作用を付与する場合には、不透明着色を選択すればよい。一方、被着材の地模様を目視できるようにする場合には、透明着色を選択すればよい。
基材シートの片面又は両面には、必要に応じて、コロナ放電処理、オゾン処理、プラズマ処理、電離放射線処理、重クロム酸処理等の表面処理を施してもよい。例えば、コロナ放電処理を行う場合には、基材シート表面の表面張力を30dyne以上、好ましくは40dyne以上にすればよい。表面処理は、各処理の常法に従って行えばよい。
基材シートの片面又は両面には、必要に応じて、プライマー層を設けてもよい。プライマー層を形成すれば、隣接層との層間密着力を高めることができる。プライマー層は、公知のプライマー剤を基材シートの片面又は両面に塗布することにより形成できる。
(絵柄模様層)
基材シート上(おもて面)には、絵柄模様層が形成されている。
絵柄模様層は、化粧シートに所望の絵柄による意匠性を付与するものであり、絵柄の種類等は特に限定的ではない。例えば、木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。
絵柄模様層の形成方法は特に限定されず、例えば、公知の着色剤(染料又は顔料)を結着材樹脂とともに溶剤(又は分散媒)中に溶解(又は分散)させて得られる着色インキ、コーティング剤等を用いた印刷法などにより形成すればよい。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、チタン白、亜鉛華、弁柄、紺青、カドミウムレッド等の無機顔料;アゾ顔料、レーキ顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、フタロシアニン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料等の有機顔料;アルミニウム粉、ブロンズ粉等の金属粉顔料;酸化チタン被覆雲母、酸化塩化ビスマス等の真珠光沢顔料;蛍光顔料;夜光顔料等が挙げられる。これらの着色剤は、単独又は2種以上を混合して使用できる。これらの着色剤には、シリカ等のフィラー、有機ビーズ等の体質顔料、中和剤、界面活性剤等がさらに配合してもよい。
結着剤樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独又は2種以上を混合して使用できる。
この中でも、特にウレタン樹脂が好ましい。その理由は、基材シートにポリオレフィン系樹脂を用いる場合に、ポリオレフィン系樹脂と高い密着性が得られるからである。上記ウレタン樹脂としては、熱可塑性ウレタン樹脂、2液硬化型ウレタン樹脂等が挙げられる。2液硬化型ウレタン樹脂としては、例えば、後記する接着剤に用いる樹脂等を好適に使用できる。一方、熱可塑性樹脂ウレタン樹脂は、2価のポリオール(ジオール)と2価のポリイソシアネート(ジイソシアネート)を用いて、ウレタン結合を生成させて得られる線状高分子であり、ブタンジオール等の低分子ジオール、エチレンジアミン等の鎖伸長剤も使用できる。
溶剤(又は分散媒)としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤、;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水等の無機溶剤等が挙げられる。これらの溶剤(又は分散媒)は、単独又は2種以上を混合して使用できる。
絵柄模様層の形成に用いる印刷法としては、例えば、グラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、静電印刷法、インクジェット印刷法等が挙げられる。また、全面ベタ状の絵柄模様層を形成する場合には、例えば、ロールコート法、ナイフコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、キスコート法、フローコート法、ディップコート法等の各種コーティング法が挙げられる。その他、手描き法、墨流し法、写真法、転写法、レーザービーム描画法、電子ビーム描画法、金属等の部分蒸着法、エッチング法等を用いたり、他の形成方法と組み合わせて用いたりしてもよい。
(透明性接着剤層)
透明性接着剤層を構成する接着剤としては特に限定されず、化粧シートの分野で公知の接着剤を使用できる。
化粧シートの分野で公知の接着剤としては、例えば、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂、熱硬化性ウレタン樹脂等の硬化性樹脂等が挙げられる。また、イソシアネートを硬化剤とする2液硬化型ポリウレタン樹脂又はポリエステル樹脂も適用し得る。
本発明の化粧シートの好ましい態様では、接着剤として2液硬化型ウレタン樹脂を用いることにより基材シートと絵柄模様層とからなるシート部分(シート1)と、透明性樹脂層を含むシート部分(シート2)とを、密着性良く積層できる。接着剤層の形成方法は特に限定されないが、例えば、シート1の絵柄模様層の側に2液硬化型ウレタン樹脂からなる接着剤を塗布し、シート2の透明性樹脂層側をラミネートすることにより形成できる。
2液硬化型ウレタン樹脂は、ポリオールを主剤としイソシアネートを硬化剤(硬化剤)とするウレタン樹脂である。ポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオール等が挙げられる。イソシアネートとしては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート;1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(又は脂環式)イソシアネートが用いられる。これらのイソシアネートの付加体又は多量体、例えば、トリレンジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネート3量体(trimer)等も使用できる。なお、耐候性の観点からは、脂肪族又は脂環式イソシアネートが好ましい。
透明性接着剤層の厚みは特に限定されないが、通常0.1〜30μm程度である。
(透明性樹脂層)
透明性樹脂層の組成は特に限定されないが、通常は基材シートに用いる熱可塑性樹脂と同じものが使用できる。透明性樹脂層を形成する熱可塑性樹脂としても、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、特にエチレン−プロピレン−ブテン共重合体が好ましい。
但し、透明性樹脂層は、下層の絵柄模様層を化粧シートのおもて面から透視可能とするため、着色されているとしても、透明着色であることが必要である。
透明性樹脂層には、必要に応じて、充填剤、難燃剤、滑剤、酸化防剤、光安定剤(紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤等)などの添加剤を添加することができる。特に耐候性を向上させるためには、光安定剤の添加が好ましい。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸エステル系等の有機系紫外線吸収剤が挙げられる。また、粒径0.2μm以下の微粒子状の酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化チタン等の無機系紫外線吸収剤も使用できる。
ラジカル捕捉剤としては、例えば、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート等のヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤、ピペリジン系ラジカル捕捉剤等のラジカル捕捉剤などが挙げられる。
透明性樹脂層は、基材シートと同様に、予めカレンダー法、インフレーション法、Tダイ押出法等の公知の成膜方法によってシート(フィルム)化した樹脂シートを、基材シート上に絵柄模様層を形成して得た印刷シートに対して、ドライラミネーション又は熱融着することにより形成できる。その他、透明性樹脂層とする樹脂を、基材シートに絵柄層を形成して得られる印刷シート(前記シート1)に対して、溶融押出塗工法(EC法)によって成膜と同時に形成してもよい。
なお、透明性樹脂層として樹脂シートを用いる場合、その樹脂シートは、延伸シート、未延伸シートのいずれでも使用可能であるが、Vカット加工等の成形適性は未延伸シートの方が良好である。また、樹脂シートとして用いる場合、その他層との接着面には、必要に応じ、従来公知の各種易接着処理を施してもよい。例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理等の表面処理等である。
透明性樹脂層の厚みは特に限定されないが、通常20〜300μm、好ましくは50〜200μm程度とすればよい。
透明性樹脂層の上に透明性表面保護層を形成する方法については、前述の通りであるが、透明性樹脂層のおもて面に直接透明性表面保護層を形成してもよく、又はプライマー層を介して透明性表面保護層を形成してもよい。以下にプライマー層について説明する。
(透明性プライマー層)
プライマー層は、透明性表面保護層を透明性樹脂層に密着良く積層するための層である。プライマー層としては、両層の密着性が高まること、しかも耐候性も高まり密着性の経時低下が殆どない点から、2液硬化型ウレタン樹脂が好ましい。また、透明性表面保護層を形成した後でその表面保護層の上からエンボス加工を行っても、透明性表面保護層の剥離が生じにくいという利点も得られる。
プライマー層に用いる2液硬化型ウレタン樹脂としては、アクリル−ウレタンブロック共重合体を主剤とし、イソシアネートを硬化剤とする2液硬化型ウレタン樹脂が好ましい。アクリル−ウレタンブロック共重合体は、ウレタン部分に於けるイソシアネート成分が脂肪族イソシアネート及び/又は脂環式イソシアネートである重合体が好ましい。また、硬化剤とするイソシアネートとしても、脂肪族イソシアネート及び/又は脂環式イソシアネートを用いる。
主剤にアクリル−ウレタンブロック共重合体という、アクリル部分とウレタン部分との両ブロックを含む重合体を用いることで、ウレタンアクリレート系の電離放射線硬化性樹脂からなる表面保護層との密着性がよくなる。また、ウレタン部分に使用されるイソシアネート成分については、脂肪族又は脂環式のイソシアネートを用いて、且つ主剤に対する硬化剤のイソシアネートについても脂肪族又は脂環式のイソシアネートを用いることにより、これらイソシアネート自体の耐加水分解性、耐熱性等も優れているため、プライマー層自体の耐候性が向上する。故に、プライマー層による透明性樹脂層と表面保護層との密着性向上効果の耐候性も得られ、経時的な密着性の低下を防げる。従って、表面保護層に、2液硬化型ウレタン樹脂等よりも耐擦傷性が優れているが密着性確保が難しい電離放射線硬化性樹脂を適用しても、表面保護層の優れた密着性、耐候性等を確保できる。
上記アクリル−ウレタンブロック共重合体とは、アクリル系単量体の重合反応によって得られるアクリル単量体の連鎖部分(アクリル成分)(A)を有し、なお且つ、アクリル単量体の連鎖(又は他の単量体との共重合による連鎖)を一部含んでいてもよいが、少なくともアクリル単量体の連鎖(又は他の単量体との共重合による連鎖)以外の連鎖部分を含むヒドロキシル基含有化合物(B)と、該ヒドロキシル基含有化合物とイソシアネート基含有化合物(C)との反応(ウレタン反応)で得られるウレタン結合含有部分(ウレタン成分)(D)とを有する化合物である。
前記ヒドロキシル基含有化合物(B)は、アクリル系単量体の重合反応を利用して得られる所謂アクリルポリオールでもよいが(例えば、ポリカーボネートポリオール等)のそれ以外のポリオールを利用することによって、物性調整の自由度が増し、より幅広い用途に適した重合体とすることができる。
アクリル−ウレタンブロック共重合体は、例えば、ポリカーボネートポリオール(B)とポリイソシアネート(C)とを反応させて得たポリカーボネートポリウレタン(D)と、アクリルポリオール(A)との反応により得られる。その他、アクリルポリオール(A)とポリカーボネートポリオール(B)とポリイソシアネート(C)との3化合物を反応させても得られる。
該アクリル−ウレタンブロック共重合体のウレタン成分を構成するポリオール成分としては、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオールやポリエーテルポリオール等を用い、またこれに更にアクリルポリオールを併用してもよい。また、該ウレタン成分を構成するイソシアネート成分としては、耐候性を有するものが好ましい。耐候性を有するイソシアネートとしては、脂環式イソシアネート、脂肪族イソシアネートが好ましい。なお、脂環式イソシアネートと脂肪族イソシアネートとを併用しても良い。脂環式イソシアネートとしては、例えば、IPDI(イソホロンジイソシアネート)、水素添加MDI(水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート)等を用いることができる。また、脂肪族イソシアネートとしては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等を用いることができる。なお、これらは、1種又は2種以上使用する。
また、上記アクリル−ウレタンブロック共重合体のアクリル成分としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル等の(メタ)アクリル酸エステルの単量体からなる重合体、又はこれら単量体からなるプレポリマー等の1種若しくは2種以上からなるアクリル系単量体の連鎖部分である。なお、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸又はメタクリル酸の意味である。
プライマー層は、基材シート/絵柄模様層/透明性接着剤層/透明性樹脂層からなる積層シートの透明性樹脂層のおもて面に対して、ロールコート等の公知公知の塗工法で形成すればよい。その際、プライマー層形成に先だって、形成面、つまり透明樹脂層表面に、必要に応じ適宜、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理等の表面易接着処理を施してもよい。
(エンボス加工)
透明性表面保護層の表面には、エンボス加工(凹凸模様付与)が施されていてもよい。熱圧を利用する公知のエンボス加工(加熱プレス)によって賦形すれば良い。該凹凸模様は、透明性表面保護層を積層し該層が固化した後に賦形するとよい。それは、凹凸模様賦形後に表面保護層を形成すると、凹凸模様の凹凸が鈍るからである。また、凹凸模様賦形後に透明性表面保護層を形成すると、透明性表面保護層が薄膜の場合に、凹凸模様の凹部に表面保護層用の塗液を均一に塗工できず、化粧シートの耐汚染性等が低下する可能性も高くなる。エンボス加工は、熱プレス方式の枚葉又は輪転式エンボス機を用いて、透明性表面保護層形成済みの加熱軟化させた積層シートの表面にエンボス版を押圧して賦形する。なお、凹凸模様としては、木目板導管溝、石板表面凹凸(花崗岩劈開面等)、布表面テクスチュア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等である。なお、凹凸模様の凹部内には、公知のワイピング法(特公昭58−14312号公報等参照)によって、着色インキを充填して着色部を形成しても良い。
本発明の化粧シートは、最表面の電離放射線硬化型樹脂からなる表面保護層に含まれるシリカが耐アルカリ処理されているため、化粧シート表面にアルカリ性の洗浄剤、薬剤等が接触した場合にも、白化が防止又は抑制されている。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1
図1に示す層構成の化粧シートを下記手順に従って作製した。
先ず、基材シート1として、着色剤添加で着色隠蔽性とした茶褐色の厚み60μmのポリプロピレン系樹脂フィルムを用意した。基材シート1の表裏両面には、コロナ放電処理を施した。次いで、基材シート1のおもて面に、2液硬化型ウレタン樹脂をバインダーとした着色インキを用いてグラビア印刷を行い、木目絵柄の絵柄模様層2を形成した。
絵柄模様層2の上に、2液硬化型ウレタン樹脂からなる塗液を塗布して厚さ2μmの透明性接着剤層3を形成した。次いで、接着剤層3が硬化する前に、その上にエチレン−プロピレン−ブテン共重合体を主成分とし、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及びヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤を添加したポリプロピレン系熱可塑性エラストマーを、Tダイを用いて溶融押出塗工し、厚さ80μmの透明性樹脂層4を形成した。
透明性樹脂層4の上に、アクリル−ウレタンブロック共重合体を主剤とし、硬化剤としてイソシアネートを含む2液硬化型ウレタン樹脂の塗液を塗工し、厚さ2μmの透明性プライマー層5を形成した。次いで、プライマー層5の上に、シリコンオイルにより耐アルカリ処理したシリカ14重量%(樹脂100重量部に対して16重量部)を含むウレタンアクリレート系電離放射線硬化型樹脂をグラビアコートにより塗布した。さらに、電子線を175keV、50kGy(5Mrad)の条件で照射し、電離放射線硬化型樹脂の塗膜を架橋硬化させて厚さ15μmの透明性表面保護層6を形成した。表面保護層のおもて面にはエンボス加工を施した。
上記アクリル−ウレタンブロック共重合体は、ウレタン部分のイソシアネート成分がイソホロンジイソシアネートと水素添加MDIであり、硬化剤としてはヘキサメチレンジイソシアネート系硬化剤を用いた。シリカは艶消しのために添加しており、平均粒子径5μm及び15μmのものを混合して使用し、シリコンオイルで被覆することにより耐アルカリ処理を行った。
比較例1
艶消しのために添加するシリカとして、耐アルカリ処理を施していない未処理シリカを用いる他は、実施例1と同様にして化粧シートを作製した。
試験例1
実施例1及び比較例1で作製した化粧シートについて、耐アルカリ性試験を行った。
試験方法は、JIS K6902「熱硬化性樹脂高圧化粧板試験方法4.6耐汚染性、及び同方法附属書(規定)15.耐汚染性」の規定に従う方法とした。
アルカリ性試薬としては、以下のものを使用した。
試験A:10%NaOH水溶液
試験B:5%NaOH水溶液
試験C:2%NaOH水溶液
試験D:ジョンソン株式会社製排水口洗剤、商標名「パイプユニッシュ」
試験E:日本リーバ製除菌クリーナー、商標名「ドメスト」
試験D及びEでは、各製品を原液のまま使用した。
耐アルカリ性試験評価は、各試験後の化粧シート表面の変色の有無を肉眼により目視観察して評価した。試験結果(評価結果)を下記表1に示す。
Figure 0004379591
実施例1で作製した化粧シートの概念図である。

Claims (5)

  1. シリカを含む電離放射線硬化型樹脂からなる表面保護層を最表面に有する化粧シートであって、当該シリカの表面、シリコンオイルで被覆されたものであることを特徴とする化粧シート。
  2. 前記シリカの含有量が、電離放射線硬化型樹脂100重量部に対して5〜30重量部である、請求項1に記載の化粧シート。
  3. 熱可塑性樹脂からなる基材シート上に、絵柄模様層、透明性接着剤層、透明性樹脂層及び透明性表面保護層が順に積層されてなる請求項1又は2に記載の化粧シート。
  4. ポリオレフィン系樹脂からなる基材シート上に、絵柄模様層、透明性接着剤層、ポリオレフィン系樹脂からなる透明性樹脂層及び透明性表面保護層が順に積層されている請求項記載の化粧シート。
  5. アルカリ性成分の接触下、電離放射線硬化型樹脂からなる表面保護層を最表面に有する化粧シートの前記最表面の白化を抑制する方法であって、
    該電離放射線硬化型樹脂中に、表面がシリコンオイルで被覆されたシリカを含有することを特徴とする、
    方法。
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