JP2000141551A - プレコート化粧紙 - Google Patents

プレコート化粧紙

Info

Publication number
JP2000141551A
JP2000141551A JP31858298A JP31858298A JP2000141551A JP 2000141551 A JP2000141551 A JP 2000141551A JP 31858298 A JP31858298 A JP 31858298A JP 31858298 A JP31858298 A JP 31858298A JP 2000141551 A JP2000141551 A JP 2000141551A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ionizing radiation
curable resin
layer
paper
decorative paper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP31858298A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiro Takahashi
一弘 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP31858298A priority Critical patent/JP2000141551A/ja
Publication of JP2000141551A publication Critical patent/JP2000141551A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電離放射線硬化性樹脂を用いて硬度の高い被
膜を得るには、架橋密度が高く、低粘度の電離放射線硬
化性樹脂を使用する必要があるが、含浸性基材の場合
は、基材への浸透が多過ぎて所望の被膜を形成するのが
困難である。 【解決手段】 紙等の含浸性のある基材11に絵柄層12を
設けた後、その絵柄層12の上に、1 μm以下の微粉体14
を0.1 〜5 重量%含有する電離放射線硬化性樹脂を塗布
して塗膜を形成し、その塗膜に電離放射線を照射して硬
化し、微粉体14を含む硬化した電離放射線硬化性樹脂層
13を形成してプレコート化粧紙1 を作製する。微粉体14
を添加した電離放射線硬化性樹脂は、微粉体の増粘効果
及びチキソトロピー効果により基材への浸透が抑制さ
れ、所定の被膜が形成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の床面、壁
面、天井等の内装、家具並びに各種キャビネット等の表
面装飾材料、建具の表面化粧、車両内装等に用いる表面
化粧紙として利用させれるプレコート化粧紙に関し、特
に表面の耐摩耗性が要求される用途に使用されるプレコ
ート化粧紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、建築物の内層や家具、キャビネッ
ト等の装飾用の表面に使用される化粧シートとして、基
材シートの片面に絵柄層又はベタ印刷層等の印刷インキ
層を設け、このインキ層を保護するために、トップコー
ト層として、熱硬化型のウレタン樹脂等を塗布し、熱乾
燥、熱硬化させて熱硬化性樹脂層を形成する方法、又は
電離放射線硬化性樹脂を塗布し、電離放射線を照射して
塗膜を硬化して、表面に硬化した電離放射線硬化性樹脂
層を形成する方法がある。特に、架橋密度の高い電離放
射線硬化性樹脂を用いて硬化した電離放射線硬化性樹脂
層は、表面硬度、耐薬品性、耐汚染性等の物性に優れた
ものである。
【0003】上記の如くバインダー樹脂として硬い樹脂
を使用することで、確かに耐摩耗性は向上する。そのた
め、メラミン化粧板等のように硬質の基材を用いた化粧
材の場合は、表面樹脂層の柔軟性はあまり問題にならな
いので、耐摩耗性を改良する方法として、表面に硬い樹
脂を使用することは有効な手段である。しかし、基材と
して、厚みの薄い紙やプラスチックシートのような柔軟
性を有する基材を使用する場合は、樹脂の架橋密度を高
くすると樹脂層の柔軟性が損なわれて、表面樹脂層が衝
撃によって割れたり、亀裂が発生し易くなる等の問題が
生じる。従って、表面樹脂の架橋密度を上げて、耐摩耗
性を改良しようとしても、柔軟性を要求される場合は限
界があった。
【0004】そのため、樹脂層の柔軟性を低下させずに
耐摩耗性を改良する方法として、樹脂層に無機材料を添
加する方法が、従来から行われている。例えば、特開昭
60ー23642号公報には、サンドブラスト法やブラ
シ研磨法等の研磨剤として使用されている平均粒径が1
〜50μmのSiO2 及びAl 23 を主成分とする天
然ガラスの粉末を配合した塗料を用いて、表面樹脂層を
形成することが開示されている。上記塗料によって形成
された表面保護層は、従来品に比べて、硬度が硬く、且
つ柔軟性を有し、耐摩耗性や耐擦傷性に優れた物性を示
した。
【0005】また、転写シートの場合は、転写後の被転
写体の表面の耐摩耗性や耐擦傷性を向上させる目的で、
表面保護層を形成する電離放射線硬化性樹脂に、平均粒
径1〜5μmのアルミナ粉末を、電離放射線硬化性樹脂
100重量部に対して10〜30重量部添加し、このア
ルミナ含有電離放射線硬化性樹脂を用いて転写シートの
保護層を形成することが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記アルミナ
や天然ガラスの粉末等の無機フィラーを添加した塗料を
用いて化粧シートの保護層を形成した場合、無機材料を
添加しないものより化粧材の耐摩耗性は向上するが、基
材シートとして紙等の含浸性の基材を使用した場合、塗
工液が紙に含浸して必要とする塗膜が得られないという
問題があった。
【0007】即ち、柔軟性を損なわずに硬度の高い電離
放射線硬化性樹脂層を得るには、電離放射線硬化性樹脂
の架橋密度を高める必要があり、分子量が小さく多官能
な電離放射線硬化性樹脂を使用する必要がある。しか
し、分子量の小さい電離放射線硬化性樹脂は粘度が低い
ため、紙に塗工した際に、紙に含浸して、紙の表面に必
要な厚さの塗膜が得られなかった。
【0008】また、無機フィラーを添加した塗工液を用
いて、グラビアロールコート法により基材にコートする
場合、無機フィラーのアルミナや天然ガラスの粉末は角
が尖った多角形状であるため、グラビアロールやドクタ
ーブレードを摩耗させたり、傷つけたりして、加工上大
きな問題であった。更に、硬質で角の尖った多角形状の
粉末を添加した塗工液を用いて形成した塗膜は、手触り
感が悪く、感触を重視するものには利用できなかった。
又、床材に使用したとき、履物等のように、この化粧材
に直接接触する場合は、その物体を摩耗させるという問
題もあった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題を解
決するために、プレコート化粧紙の構成を以下のように
した。少なくとも含浸性のある基材に硬化した電離放射
線硬化性樹脂層を積層した化粧紙において、前記硬化し
た電離放射線硬化性樹脂層中に平均粒径1μm以下の微
粉体が0.1〜5.0重量%含有していることを特徴と
するプレコート化粧紙とした。そして、前記平均粒径1
μm以下の微粉体がシリカであることを特徴とするプレ
コート化粧紙とした。
【0010】また、少なくとも含浸性のある基材に硬化
した電離放射線硬化性樹脂層を積層した化粧シートにお
いて、前記硬化した電離放射線硬化性樹脂層中に鱗片状
粒子が0.1〜5.0重量%含有していることを特徴と
するプレコート化粧紙とした。更に、前記電離放射線硬
化性樹脂が、硬化する前の粘度が25℃において50〜
1000cps以下であることを特徴とするプレコート
化粧紙とした。
【0011】即ち、含浸性のある基材の表面に、絵柄層
及び耐摩耗性保護層を形成してプレコート化粧紙を作製
する際に、塗工液として電離放射線硬化性樹脂に平均粒
径1μm以下のシリカを添加した樹脂組成物を用いるこ
とにより、紙等の含浸性のある基材シートに塗布したと
き、塗工液に増粘作用及びチキソトロピー性を付与して
基材シートへの塗工液の含浸を抑制し、必要とする塗膜
を形成できるようにしたものである。
【0012】また、電離放射線硬化性樹脂にシリカの代
わりに、二酸化チタン被覆雲母、魚鱗箔等の鱗片状粒子
を添加して、紙等の含浸性のある基材シートへの塗工液
の含浸を抑制して、必要とする硬度の高い塗膜を形成で
きるようにした。更に、前記電離放射線硬化性樹脂の硬
化する前の粘度を、25℃において50〜1000cp
sの範囲に調整することにより、紙等の含浸性のある基
材シートへの含浸量を少なくして、硬度の高い塗膜を必
要とする厚さで形成できるようにした。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照にしながら本
発明を詳細に説明する。図1は本発明のプレコート化粧
紙の一例を示した模式断面図である。図2は本発明のプ
レコート化粧紙の別の態様で、フィラーとして鱗片状フ
ィラーを添加したときのプレコート化粧紙の模式断面図
である。図3は本発明のプレコート化粧紙を作製すると
きの説明図である。図4は実施例1によりプレコート化
粧紙を作製するときの説明図である。図5は実施例4に
よりプレコート化粧紙を作製するときの説明図である。
図6は実施例5によりプレコート化粧紙を作製するとき
の説明図である。
【0014】本発明のプレコート化粧紙は、図1に示す
ように、基本的には、含浸性のある基材11、絵柄層1
2、及び微粉体14を含有する硬化した電離放射線硬化
性樹脂層13から構成される。即ち、本発明の特徴は、
紙等の含浸性のある基材11に、印刷等により絵柄層1
2を形成した後、その絵柄層12の上に、微粉体14を
添加した電離放射線硬化性樹脂を用いて表面保護層を形
成し、これに電離放射線を照射して電離放射線硬化性樹
脂を硬化して、表面に微粉体14を含有する硬化した電
離放射線硬化性樹脂層13を形成することにより、耐摩
耗性に優れた保護層を有するプレコート化粧紙としたこ
とにある。
【0015】そして、表面保護層を形成する電離放射線
硬化性樹脂層が柔軟性を損なわずに硬度を高めるには、
電離放射線を照射して硬化させたとき、電離放射線硬化
性樹脂の架橋密度が高くなるように、分子量が小さく多
官能な電離放射線硬化性樹脂を使用する必要がある。し
かし、分子量の小さい電離放射線硬化性樹脂は粘度が低
いために、紙等の含浸性のある基材に塗工した際に、基
材に含浸して、基材の表面に必要な厚さの塗膜を形成す
ることは困難であった。
【0016】そのため、本発明においては、フィラーと
して、平均粒径が1μm以下のシリカを用い、電離放射
線硬化性樹脂への添加量を0.1〜5.0重量%にする
ことにより、塗工液に増粘作用及びチキソトロピー性を
付与し、基材への塗工液の含浸量を抑制し、必要とする
塗膜を形成できるようにした。更に、硬化する前の電離
放射線硬化性樹脂の粘度を、25℃において50〜10
00cpsにすることにより、塗工適性を良好にし、生
産効率の向上を図ることができた。
【0017】また、フィラーとして、シリカの代わり
に、二酸化チタン被覆雲母、魚鱗箔等の鱗片状粒子を用
いることにより、紙等の含浸性のある基材への塗工液の
含浸を抑制できるようになり、図2に示すように、鱗片
状フィラーを含有する電離放射線硬化性樹脂からなる硬
度の高い塗膜を形成できるようになった。
【0018】以下に、本発明のプレコート化粧紙の製造
方法について説明する。先ず、図3(a)に示すよう
に、基材11として、含浸性のある紙や合成紙を用い
て、この基材11に、グラビア印刷等によりベタ印刷層
12a及び木目柄等の絵柄層12を形成する。次いで、
図3(b)に示すように、ベタ印刷層12a及び絵柄層
12と電離放射線硬化性樹脂の接着力を高めるために、
前記絵柄層を設けた基材11の絵柄層12側に、二液硬
化型ウレタン樹脂とブチラール樹脂の混合物からなるプ
ライマー液を用いてプライマー層15を形成する。
【0019】次に、電離放射線硬化性樹脂に平均粒径が
1μm以下の微粉体(例えばシリカ)を0.1〜5.0
重量%添加して塗工液を作り、この塗工液を用いて、プ
ライマー層15の上に塗布して、図3(c)に示すよう
に、微粉体14を含有する未硬化の電離放射線硬化性樹
脂層13aを形成する。次いで、図3(d)に示すよう
に、微粉体14を含有する未硬化の電離放射線硬化性樹
脂層13aに、電子線や紫外線等の電離放射線16を照
射して、電離放射線硬化性樹脂を架橋、硬化させて、微
粉体14を含む硬化した電離放射線硬化性樹脂層13を
形成して、プレコート化粧紙1を作製する。得られたプ
レコート化粧紙1は、表面保護層として、架橋密度の高
い電離放射線硬化性樹脂層が形成されるので、柔軟性が
あり、且つ耐摩耗性に優れたものとなる。
【0020】本発明に用いられるフィラーとしては、平
均粒径が1μm以下のシリカの微粉体が好適である。シ
リカの微粉体の一次粒子はほぼ球形であり、その平均粒
径は7〜40nmとなっている。そして、個々の粒子は
その表面にシラノール基(SiOH)をもっており、こ
のシラノール基がお互いに水素架橋結合によって鎖状の
二次凝集粒子を作り、更に二次粒子が結合して三次元的
な網の目構造を形成している。液体系中でこの三次元的
な網の目構造ができるほど増粘作用並びにチキソトロピ
ー性が高くなる。液体を攪拌したり、振動したりする
と、この網の目構造が崩壊し粘度の減少が生じるが、攪
拌や振動を止めて静止状態にすると、再び網の目構造が
生成し、粘度が増加する。従って、上記シリカの微粉体
は、粘度の低い塗工液に添加することにより、塗工液の
粘度を調節することができるため、低粘度の塗工液の粘
度調整剤としては非常に優れた材料である。
【0021】本発明においては、表面保護層として電離
放射線硬化性樹脂を使用するが、電離放射線硬化性樹脂
の架橋密度を高めるためには、分子量が小さく多官能な
電離放射線硬化性樹脂を使用する必要がある。しかし、
分子量が小さく多官能な電離放射線硬化性樹脂は粘度が
低いため、含浸性のある基材にコーティングしたとき、
塗工液が基材に含浸して、基材表面に必要とする塗膜が
得られ難くなる。そこで、この低粘度の電離放射線硬化
性樹脂に上記シリカの微粉体を添加して粘度を調整する
ことにより、含浸性基材への塗工時の問題点を解決する
ことができた。
【0022】即ち、低粘度の電離放射線硬化性樹脂にシ
リカの微粉体を添加することにより、僅かの添加量で電
離放射線硬化性樹脂の粘度を調節することができので、
含浸性のある基材でも含浸量を抑制することができ、基
材表面に必要とする厚さの塗膜を得ることができる。
【0023】また、低粘度の電離放射線硬化性樹脂にシ
リカの微粉体の添加により、塗工液(低粘度の電離放射
線硬化性樹脂からなる樹脂組成物)のチキソトロピー性
が高まるので、含浸性のある基材にコーティングしたと
き、基材表面に塗布された塗工液は粘度が急に増加し、
含浸性のある基材でも塗工液の含浸は抑制される。従っ
て、低粘度の電離放射線硬化性樹脂に、1μm以下のシ
リカの微粉体を添加することにより、塗工液の粘度の増
加及びチキソトロピー性が高まるので、含浸性のある基
材でも塗工液の含浸は抑制され、基材表面に所望の塗膜
を形成することができる。
【0024】シリカの微粉体は、塗工液の粘度調整用に
使用されるため、その添加量は塗工液の性質によって異
なるが、わずかの添加量で増粘効果が大きいので、0.
1〜5.0重量%の範囲で使用され、好ましくは0.5
〜3重量%の範囲である。添加量が0.1重量%未満で
は、塗工液の増粘効果及びチキソトロピー効果が発揮で
きない。また、添加量が5重量%以下で増粘効果及びチ
キソトロピー効果が十分発揮できるので、これ以上の添
加量は必要がなくなる。
【0025】また、本発明においては、電離放射線硬化
性樹脂を含浸性のある基材にコーティングしたとき、基
材への含浸を抑制するために、フィラーとして鱗片状フ
ィラーを使用する。電離放射線硬化性樹脂に鱗片状フィ
ラーを分散した塗工液は、含浸性のある基材にコーティ
ングしたとき、鱗片状フィラーが偏平であるため、鱗片
状フィラーが基材の空隙を塞ぎ、基材への塗工液の浸透
が抑制される。鱗片状フィラーとしては、二酸化チタン
被覆雲母、魚鱗箔、天然真珠箔、金属箔片等が使用され
る。平均粒径としては0.1〜5μmのものが好適であ
る。
【0026】本発明に用いられる電離放射線硬化性樹脂
は、未硬化の状態でシリカの微粉体を分散させて塗工し
た後、電子線や紫外線などの電離放射線を照射して塗膜
を硬化させるものであるが、その架橋密度によって硬化
塗膜の物性が変化する。即ち、架橋密度が高くなるほど
硬化塗膜の硬度が高くなり、耐摩耗性は向上するが、柔
軟性は低下する。そのため、電離放射線硬化性樹脂の架
橋密度は、化粧紙の用途に応じて耐摩耗性と柔軟性のど
ちらを重視するかによって、適宜調整する必要がある。
【0027】本発明に用いる電離放射線硬化性樹脂とし
ては、具体的には、分子中に(メタ)アクリロイル基、
(メタ)アクリロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽
和基、エポキシ基等のカチオン重合性官能基又はチオー
ルを2個以上有する単量体、プレポリマー、オリゴマ
ー、及び/又はポリマーを適宜混合した、電離放射線に
より硬化可能な組成物が使用される。尚、ここで、(メ
タ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタアク
リロイル基の意味で用いており、以下同様の意味で用い
るものとする。ここで、電離放射線とは、電磁波又は荷
電粒子線の中で分子を重合或いは架橋し得るエネルギー
量子を有するものを意味し、通常、電子線又は紫外線が
用いられる。
【0028】前記プレポリマー、オリゴマーの例として
は、不飽和ジカルボン酸と多価アルコールの縮合物等の
不飽和ポリエステル類、ポリエステルメタクリレート、
ポリエーテルメタクリレート、ポリオールメタクリレー
ト、メラミンメタクリレート等のメタクリレート類、ポ
リエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレ
タンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリオ
ールアクリレート、メラミンアクリレート等のアクリレ
ート類、カチオン重合型エポキシ化合物等が挙げられ
る。分子量としては、通常250〜10,000程度の
ものが用いられる。ラジカル重合性不飽和基を有するポ
リマーとしては、上記ポリマーの重合度を10,000
程度以上としたものが用いられる。
【0029】カチオン重合性官能基を有するプレポリマ
ーの例としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボ
ラック型エポキシ樹脂等のエポキシ系樹脂、脂肪族系ビ
ニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル等のビニルエー
テル系樹脂のプレポリマーが挙げられる。
【0030】カチオン重合性官能基を有する単量体の例
としては、上記カチオン重合性官能基を有するプレポリ
マーの単量体が利用できる。チオール基を有する単量体
の例としては、トリメチロールプロパントリチオグリコ
レート、ジペンタエリスリトールテトラチオグリコレー
ト等がある。
【0031】ラジカル重合性不飽和基を有する単量体の
例としては、(メタ)アクリレート化合物の単官能単量
体、例えば、メチル(メタ)アクリレート、2−エチル
ヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メ
タ)アクリレート等が挙げられる。
【0032】ラジカル重合性不飽和基を有する多官能単
量体の例としては、ジエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0033】電離放射線硬化性樹脂に用いられる単量体
の例としては、スチレン、α−メチルスチレン等のスチ
レン系単量体、アクリル酸メチル、アクリル酸−2−エ
チルヘキシル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸
ブトキシエチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸メトキ
シブチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル
類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸プロピル、メタクリル酸メトキシエチル、メタク
リル酸エトキシメチル、メタクリル酸フェニル、メタク
リル酸ラウリル等のメタクリル酸エステル類がある。
【0034】また、アクリル酸−2−(N、N−ジエチ
ルアミノ)エチル、メタクリル酸−2−(N、N−ジメ
チルアミノ)エチル、アクリル酸−2−(N、N−ジベ
ンジルアミノ)エチル、メタクリル酸(N、N−ジメチ
ルアミノ)メチル、アクリル酸−2−(N、N−ジジエ
チルアミノ)プロピル等の不飽和酸の置換アミノアルコ
ールエステル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等
の不飽和カルボン酸アミド、エチレングリコールジアク
リレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオ
ペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサン
ジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアク
リレート、トリエチレングリコールジアクリート等の化
合物がある。
【0035】更に、ジプロピレングリコールジアクリレ
ート、エチレングリコールアクリレート、プロピレング
リコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメ
タクリレート等の多官能性化合物、及び/又は、分子中
に2個以上のチオール基を有するポリチオール化合物、
例えば、トリメチロールプロパントリチオグリコレー
ト、トリメチロールプロパントリチオプロピレート、ペ
ンタエリスリトールテトラチオグリコール等がある。
【0036】以上の化合物を必要に応じ1種もしくは2
種以上混合して用いるが、電離放射線硬化性樹脂に通常
の塗工適性を付与するために、前記プレポリマー又はオ
リゴマーを5重量%以上、前記単量体及び/又はポリチ
オールを95重量%以下とすることが好ましい。
【0037】単量体の選定に際しては、硬化物の可撓性
が要求される場合は塗工適性上支障の無い範囲で単量体
の量を少なめにしたり、1官能又は2官能アクリレート
単量体を用い比較的低架橋密度の構造とする。また、硬
化物の耐熱性、硬度、耐溶剤性等を要求される場合には
塗工適性上支障の無い範囲で単量体の量を多めにした
り、3官能以上のアクリレート系単量体を用い高架橋密
度の構造とするのが好ましい。1、2官能単量体と3官
能以上の単量体を混合し塗工適性と硬化物の物性とを調
整することも出来る。
【0038】以上のような1官能アクリレート系単量体
としては、2−ヒドロキシアクリレート、2−ヘキシル
アクリレート、フェノキシエチルアクリレート等が挙げ
られる。2官能アクリレート系単量体としては、エチレ
ングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオー
ルジアクリレート等がある。3官能以上のアクリレート
系単量体としては、トリメチロールプロパントリアクリ
レート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジ
ペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられ
る。
【0039】電離放射線硬化性樹脂として紫外線又は可
視光線にて硬化させる場合には、電離放射線硬化型樹脂
中に光重合開始剤を添加する。ラジカル重合性不飽和基
を有する樹脂系の場合は、光重合開始剤として、アセト
フェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベ
ンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等を単独又は混合
して用いることができる。また、カチオン重合性官能基
を有する樹脂系の場合は、光重合開始剤として、芳香族
ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨード
ニウム塩、メタセロン化合物、ベンゾインスルホン酸エ
ステル等を単独又は混合物として用いることができる。
尚、これらの光重合開始剤の添加量としては、該電離放
射線硬化型樹脂100重量部に対して、0.1〜10重
量部程度である。
【0040】本発明に使用される含浸性のある基材とし
ては、紙、合成紙、不織布等のシート状のものが用いら
れる。基材として用いられる紙としては、薄葉紙、クラ
フト紙、チタン紙、リンター紙、板紙、石膏ボード紙、
紙にポリ塩化ビニル樹脂をゾル又はドライラミネートし
た所謂ビニル壁紙原反、上質紙、コート紙、硫酸紙、グ
ラシン紙、パーチメント紙、パラフィン紙、和紙等が挙
げられる。また、紙類似シートとしては、ガラス繊維、
石綿、チタン酸カリウム繊維、アルミナ繊維、シリカ繊
維、炭素繊維、等の無機繊維質のシート状のもの、ポリ
エステル、ビニロン、ポリエチレン、ポリプロピレン等
の合成樹脂繊維からなる不織布又は織布等が使用され
る。
【0041】基材には、印刷等により絵柄層が形成され
る。絵柄層は基材の片面又は両面に形成すことができ
る。また、絵柄層を設ける前に、基材表面にベタ印刷層
を設ける場合がある。絵柄層としては、印刷による印刷
模様、エンボス加工によるエンボス模様、ヘアライン加
工による凹凸模様等があり、更に、凹凸模様の凹部に公
知のワイピング加工法によって着色インキを充填して絵
柄層を形成することもできる。印刷絵柄層としては、木
目柄、石目柄、布目柄、皮絞模様、幾何学図形、文字、
記号、各種抽象模様、或いは全面ベタ印刷等がある。全
面ベタ印刷の隠蔽層は化粧シートを貼付する被着体の表
面状態によって省略されることがある。
【0042】絵柄印刷のインキとしては、基材の材質や
形態によって異なるが、一般的には、塩素化ポリエチレ
ン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン、
硝化綿、酢酸セルロース、塩化ビニル、酢酸ビニル、塩
化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラー
ル、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等
の単独又は2種以上の樹脂を混合したものをビヒクルと
し、これと通常の顔料、染料等の着色剤、体質顔料、硬
化剤、添加剤、溶剤等からなるインキが使用される。
【0043】絵柄の印刷としては、グラビア印刷、凹版
印刷、オフセット印刷、活版印刷、フレキソ印刷、シル
クスクリーン印刷、静電印刷、インクジェット印刷等通
常の印刷方式が使用できる。もしくは、別に離型性シー
ト上に一旦絵柄模様を形成して転写シートを作成し、得
られた転写シートからの転写印刷方式によって模様印刷
を転写して設けてもよい。
【0044】印刷模様の代りに、アルミニウム、クロ
ム、金、銀、銅等の金属を真空蒸着、スパッタリング等
によって、基材に、金属薄膜を全面又は部分的に形成し
て絵柄層とすることもできる。また、エンボス加工とし
ては、基材シートを加熱軟化させ、エンボス版で加圧、
賦型し、冷却固化して形成するもので、公知の枚葉、或
いは輪転式のエンボス機が用いられる。凹凸形状として
は、木目版導管溝、石板表面凹凸(花崗岩劈開面等)、
布表面テクスチャー、梨地、砂目、ヘアライン、万線条
溝等である。
【0045】上記絵柄層の上に、印刷インキと電離放射
線硬化性樹脂層との接着力を向上するために、易接着層
を設けることがある。易接着層(プライマー層或いはア
ンカー層ともいう)としては、アクリル系樹脂、ウレタ
ン系樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポ
リエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩素化ポリエチレ
ン、塩素化ポリプロピレン等の樹脂を溶媒に溶解した塗
工液が使用されるが、特に二液硬化型ウレタン樹脂とブ
チラール樹脂の混合物を使用するものが好ましい。上記
樹脂を溶媒に溶解した塗工液を、公知の方法で塗布、乾
燥して易接着層とする。
【0046】基材の表面には、上記のように、絵柄層を
形成した後、シリカの微粒体又は鱗片状フィラーからな
るフィラーを含有した電離放射線硬化性樹脂を用いて、
公知のコーティング方法にて耐摩耗性の表面保護層を形
成する。シリカの微粒体又は鱗片状フィラーを添加した
電離放射線硬化性樹脂には、必要に応じて、充填剤、光
重合開始剤、溶剤等を加えて塗工組液を調製し、この塗
工組液を用いて基材の表面にコーティングする。
【0047】コーティング法としては、グラビアコー
ト、グラビアリバースコート、グラビアオフセットコー
ト、スピンナーコート、ロールコート、リバースロール
コート、キスコート、ディップコート、シルクスクリー
ンコートによるベタコート、ワイヤーバーコート、コン
マコート、スプレーコート、フロートコート、かけ流し
コート、刷毛塗り、スプレーコート等を用いることがで
きる。その中でもグラビアコートが好ましい。
【0048】電離放射線硬化性樹脂を硬化させる電離放
射線照射装置としては、紫外線照射装置や電子線照射装
置が用いられる。紫外線照射装置としては、例えば、超
高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアー
ク、ブラックライトランプ、メタルハライドランプ等の
光源が使用される。電子線照射装置としては、コックロ
フトワルト型、バンデグラフ型、共振変圧器型、絶縁コ
ア変圧器型或いは直線型、ダイナミトロン型、高周波型
等の各種電子線加速器を用いられる。本発明において
は、紫外線照射装置及び電子線照射装置のいずれの装置
を用いても目的を達成することができる。しかし、電子
線装置の場合は、瞬時に電離放射線硬化性樹脂を硬化さ
せることができるので、大量生産には好適である。
【0049】電子線照射装置を用いる場合、加速電圧1
00〜1000KeV、好ましくは100〜300Ke
Vで照射し、吸収線量としては、通常、1〜300kG
y程度である。吸収線量が1kGy未満では、塗膜の硬
化が不十分となり、又、照射量が300kGyを超える
と硬化した塗膜及び基材が黄変したり、損傷したりす
る。また、紫外線照射装置を用いる場合、その照射量は
50〜1000mJ/cm 2 の範囲が好ましい。紫外線
照射量が50mJ/cm2 未満では、塗膜の硬化が不十
分となり、また、照射量が1000mJ/cm2 を超え
ると硬化した塗膜が黄変したりする。電離放射線の照射
方法として、先ず紫外線を照射して電離放射線硬化性樹
脂を少なくとも表面が指触乾燥する程度以上に硬化さ
せ、而る後に、電子線を照射して塗膜を完全に硬化させ
る方法もある。
【0050】本発明のプレコート化粧紙は、他の被着体
(又は裏打材)に積層して使用することもできる。被着
体としては各種素材の平板、曲面板等の板材、シート
(或いはフィルム)、或いは各種立体形状物品(成形
品)が対象となる。本発明のプレコート化粧紙は、各種
被着体に積層し、所定の成形加工等を施して、各種の用
途に使用される。
【0051】例えば、壁、天井、床等の建築物の内装、
浴室、洗面所、厨房等で用いる住設機器、窓枠、扉、手
すり等の建具の表面化粧、机、食卓、箪笥等の家具又は
弱電・OA機器のキャビネットの表面化粧、自動車、電
車等の車両の内装、航空機の内装、窓硝子の化粧等に利
用できる。そのために、プレコート化粧紙が直接被着体
に接着できない場合は、適当な易接着層又は接着剤層を
介して被着体に接着する。しかし、プレコート化粧紙が
熱融着等で被着体に接着可能な場合は、易接着層又は接
着剤層は省略してもよい。
【0052】被着体として、板材或いはシート(フィル
ム)のいずれにも用いられる素材としては、木材単板、
木材合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MD
F)等の木材板、木質繊維板等の水質板、鉄、アルミニ
ウム等の金属、アクリル、ポリカーボネート、エチレン
・酢酸ビニル共重合体、エチレンビニルアセテート、ポ
リエステル、ポリスチレン、ポリオレフィン、ABS、
フェノール樹脂、ポリ塩化ビニル、セルロース系樹脂、
ゴム等の樹脂が挙げられる。
【0053】被着体として専ら板材、或いは立体形状物
品として用いられる素材としては、ガラス、陶磁器等の
セラミックス、ALC(発砲軽量コンクリート)等のセ
メント、硅酸カルシウム、石膏等の被セメント窯業系材
料が挙げられる。
【0054】被着体として専らシート(或いはフィル
ム)として用いられる素材としては、上質紙、和紙等の
紙、炭素、石綿、チタン酸カリウム、ガラス、合成樹脂
等の繊維からなる不織布又は織布等が挙げられる。
【0055】これら各種被着体への積層方法としては、
例えば、次の〜の方法を挙げることができる。即
ち、 接着剤層を間に介して板状基材に加圧ローラーで加
圧して積層する方法、 特公昭50−19132号公報、特公昭43−27
488号公報等に記載されるように、化粧シートを射出
成形の雌雄両金型間に挿入して、両金型を閉じ、雄型の
ゲートから溶融樹脂を射出充填した後、冷却して樹脂成
形品の成形と同時にその表面に化粧シートを接着積層す
る、いわゆる射出成形同時ラミネート法、 特公昭56−45768号公報、特公昭60−58
014号公報等に記載されるように、化粧シートを成形
品の表面に接着剤を介して対向なしいは載置し、成形品
側からの真空吸引による圧力差により化粧シートを成形
品表面に積層する、いわゆる真空プレス積層方法、 特公昭61−5895号公報、特公平3−2666
号公報等に記載されるように、円柱、多角柱等の柱状基
材の長軸方向に、化粧シートを間に接着剤層を介して供
給しつつ、多数の向きの異なるローラーにより、柱状体
を構成する複数の側面に順次化粧シートを加圧接着して
積層してゆく、いわゆるラッピング加工方法、 実公大15−31122号公報、特開昭48−47
972号公報等に記載されるように、先ず化粧シートを
板状基材に接着剤層を介して積層し、次いで板状基材の
化粧シートとは反対側の面に、化粧シートと板状基材と
の界面に到達する、断面がV字状、又はU字状溝を切削
し、次いで該溝内に接着剤を塗布した上で、該溝を折り
曲げ、箱体又は柱状体を成形するいわゆる、Vカット又
はUカット加工方法、等が挙げられる。
【0056】特に、本発明の耐摩耗性化粧材を凹凸立体
物に貼り合わせる方法としては、前記方法の中で、ラッ
ピング加工法、Vカット加工法、射出成形同時ラミネー
ト法、真空成形同時ラミネート法等が好ましい。
【0057】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明を更に詳細
に説明する。 (実施例1)先ず、基材11として、坪量60g/m2
の含浸紙を用いて、グラビア印刷によりベタ印刷と木目
柄を印刷して、図4(a)に示すように、基材11にベ
タ印刷層12aと絵柄層12を形成した。次いで、図4
(b)に示すように、基材11の絵柄層12側に、プラ
イマー塗工液(二液硬化型ウレタン樹脂とブチラール樹
脂の1:1の混合樹脂を酢酸エチルとメチルイソブイチ
ルケトン(MIBK)の1:1(重量比)の混合溶剤で
塗料化したもの)をグラビア印刷方式で塗布、乾燥し
て、膜厚2g/m2 のプライマー層15を形成した。
【0058】次に、電子線硬化性樹脂として下記の樹脂
組成物(A)を用いて、ロールコーターにて、図4
(c)に示すように、前記基材11のプライマー層15
面にコーティングして塗布量7g/m2 (乾物として)
の未硬化の電子線硬化性樹脂層13bを形成した。
【0059】 樹脂組成物(A)の組成 ・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 14重量部 ・トリメチロールプロパントリアクリレート 50重量部 ・エチレングリコールジアクリレート 10重量部 ・シリカの微粉体 0.5重量部 ・未処理シリカ(平均粒径7μ) 5.5重量部 ・アクリロイル変性シリコーン 6重量部 ・シリコーンオイル 7重量部 尚、樹脂組成物(A)の粘度は400cpsであった。
【0060】次いで、図4(d)に示すように、上記未
硬化の電子線硬化性樹脂層13bの上に、電子線照射装
置を用いて、加速電圧175keVにて、吸収線量が5
0kGy(キログレイ)になるように電子線16aを照
射し、電子線硬化性樹脂を完全に硬化させて、シリカの
微粉体14bを含有した硬化した電子線硬化性樹脂層1
3cを形成して、プレコート化粧紙1を作製した。
【0061】(実施例2)実施例1と同様に、基材11
にベタ印刷層12a、絵柄層12及びプライマー層15
を形成した。次いで、樹脂組成物(A)を用いて、実施
例1と同様にコーティングして、塗布量5g/m2 の未
硬化の電子線硬化性樹脂層13bを形成し、実施例1と
同様に、電子線を照射して電子線硬化性樹脂を硬化させ
て、図4(d)に示すようなプレコート化粧紙1を作製
した。
【0062】(実施例3)実施例1と同様に、基材11
にベタ印刷層12a、絵柄層12及びプライマー層15
を形成した。次に、電子線硬化性樹脂として下記の樹脂
組成物(B)を用いて、実施例1と同様にコーティング
して、図4(c)に示すように、塗布量10g/m2
未硬化の電子線硬化性樹脂層13bを形成した。次い
で、実施例1と同様に、電子線を照射して電子線硬化性
樹脂を硬化させて、図4(d)に示すようなプレコート
化粧紙1を作製した。
【0063】 樹脂組成物(B)の組成 ・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 14重量部 ・トリメチロールプロパントリアクリレート 50重量部 ・エチレングリコールジアクリレート 10重量部 ・シリカの微粉体 0.5重量部 ・アクリロイル変性シリコーン 6重量部 ・シリコーンオイル 7重量部 尚、樹脂組成物(B)の粘度は150cpsであった。
【0064】(実施例4)実施例1と同様に、図5
(a)に示すように、基材11にベタ印刷層12a、絵
柄層12及びプライマー層15を形成した。次に、電子
線硬化性樹脂としてシリカの微粉体の代わりに鱗片状フ
ィラーとして二酸化チタン被覆雲母を添加した下記の樹
脂組成物(C)を用いて、実施例1と同様にコーティン
グして、図5(b)に示すように、塗布量7g/m2
未硬化の電子線硬化性樹脂層13bを形成した。
【0065】 樹脂組成物(C)の組成 ・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 10重量部 ・トリメチロールプロパントリアクリレート 50重量部 ・エチレングリコールジアクリレート 10重量部 ・鱗片状フィラー(二酸化チタン被覆雲母) 2重量部 ・ワックス処理シリカ 8重量部 ・メタクリル変性シリコーン 6重量部 ・シリコーンオイル 7重量部 尚、樹脂組成物(C)の粘度は400cpsであった。
【0066】次いで、図5(c)に示すように、上記未
硬化の電子線硬化性樹脂層13bの上に、実施例1と同
様に、電子線を照射して電子線硬化性樹脂を完全に硬化
させて、鱗片状フィラー14aを含有した硬化した電子
線硬化性樹脂層13cを形成したプレコート化粧紙1を
作製した。
【0067】(実施例5)実施例1と同様に、図6
(a)に示すように、基材11にベタ印刷層12a、絵
柄層12及びプライマー層15を形成した。次に、紫外
線硬化性樹脂として鱗片状フィラーとして二酸化チタン
被覆雲母を添加した下記の樹脂組成物(D)を用いて、
実施例1と同様にコーティングして、図6(b)に示す
ように、塗布量7g/m2 の未硬化の紫外線硬化性樹脂
層13dを形成した。
【0068】 樹脂組成物(D)の組成 ・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 10重量部 ・トリメチロールプロパントリアクリレート 50重量部 ・エチレングリコールジアクリレート 10重量部 ・鱗片状フィラー(二酸化チタン被覆雲母) 2重量部 ・ワックス処理シリカ 8重量部 ・メタクリル変性シリコーン 6重量部 ・シリコーンオイル 7重量部 ・ベンゾフェノン系光重合開始剤 4重量部 尚、樹脂組成物(D)の粘度は400cpsであった。
【0069】次いで、図6(c)に示すように、上記未
硬化の紫外線硬化性樹脂層13dに、出力160W/c
mの高圧水銀灯2灯を用いて、照射量が800mJ/c
2になるように、紫外線16bを照射して、紫外線硬
化性樹脂を完全に硬化させて、鱗片状フィラー14aを
含有した硬化した紫外線硬化性樹脂層13eを形成した
プレコート化粧紙1を作製した。
【0070】実施例と同様に、基材にベタ印刷層、絵柄
層、プライマー層を形成後、実施例で用いた樹脂組成物
から微粉末シリカ又は鱗片状フィラーを除いた樹脂組成
物を用いて、実施例と同様に、電子線又は紫外線で硬化
した樹脂層を形成してプレコート化粧紙を作製して比較
例とした。
【0071】(比較例1)実施例1で用いた樹脂組成物
(A)からシリカの微粉体を除去した樹脂組成物を用い
た以外は、実施例1と同様にプレコート化粧紙を作製し
た。 (比較例2)実施例3で用いた樹脂組成物(B)からシ
リカの微粉体を除去した樹脂組成物を用いた以外は、実
施例3と同様にプレコート化粧紙を作製した。 (比較例3)実施例4で用いた樹脂組成物(C)から鱗
片状フィラーを除去した樹脂組成物を用いた以外は、実
施例4と同様にプレコート化粧紙を作製した。 (比較例4)実施例5で用いた樹脂組成物(D)から鱗
片状フィラーを除去した樹脂組成物を用いた以外は、実
施例5と同様にプレコート化粧紙を作製した。
【0072】(性能試験)実施例1〜5及び比較例1〜
4で作製したプレコート化粧紙について、耐摩耗性、耐
擦傷性、鏡面性等を評価した。耐摩耗性はスチールウー
ルにて試験片を擦り、傷の発生する回数で評価した。耐
擦傷性はホフマンスクラッチテスターにて測定し、傷の
発生荷重g/cm2で評価した。鏡面性は試験片表面の
75°鏡面光沢度をJIS Z8714に準拠して測定
した。
【0073】試験結果は表1に示すとおりで、実施例で
作製したプレコート化粧紙は比較例に比較して耐摩耗性
が優れていた。また、実施例で用いた樹脂組成物は、基
材に対して塗工液の含浸量が少なく、基材表面に所定の
塗膜を形成することができた。これに対して、実施例で
用いた樹脂組成物は、基材に対して塗工液の含浸量が多
くなり、表面の塗膜の厚さが不均一となった。
【0074】
【表1】
【0075】
【発明の効果】本発明によれば、紙等の含浸性のある基
材の表面に、柔軟性を損なわずに硬度の高い電離放射線
硬化性樹脂層を形成しているので、耐摩耗性、耐擦傷性
に優れたプレコート化粧紙を得ることができる。即ち、
電離放射線硬化性樹脂で硬度の高い樹脂層を形成するに
は、電離放射線硬化性樹脂の架橋密度を高めるために、
分子量が小さく多官能な電離放射線硬化性樹脂を使用す
る必要があるが、分子量の小さい電離放射線硬化性樹脂
は粘度が低いため、紙等の含浸性のある基材に塗工した
際に、基材への含浸量が多くなり過ぎて、紙の表面に必
要な厚さの塗膜が得られなかった。そのため、本発明に
おいては、低粘度の電離放射線硬化性樹脂に平均粒子径
が1μm以下のシリカの微粉体を添加することにより、
該電離放射線硬化性樹脂の増粘効果及びチキソトロピー
効果を高めたので、含浸性のある基材でも塗工液の含浸
量が少なくなり、未硬化の電離放射線硬化性樹脂層を所
定の膜厚で形成することが可能となる。従って、所定の
膜厚で形成した未硬化の電離放射線硬化性樹脂層に電離
放射線を照射して電離放射線硬化性樹脂を硬化させれ
ば、柔軟性を損なわずに且つ硬度の高い電離放射線硬化
性樹脂層を得ることができる。また、シリカの微粉体の
代わりに、鱗片状フィラーを添加した場合も、含浸性の
ある基材への低粘度の電離放射線硬化性樹脂の含浸量を
抑制することができ、基材表面に硬度の高い電離放射線
硬化性樹脂層を得ることができる。
【0076】また、上記プレコート化粧紙を製造する工
程において、シリカの微粉体を添加した樹脂組成物を用
いてグラビアロールコート法等により基材にコートする
場合、塗工液中ではシリカの微粉体は三次元的な網の目
構造を形成しているが、グラビアロールの回転により、
塗工液が攪拌されている間は、シリカの三次元的な網の
目構造は崩壊されて微粒子となるので、グラビアロール
やドクターブレードを摩耗させたり、傷つけたりするこ
とがなくなり、作業能率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプレコート化粧紙の一例を示した模式
断面図である。
【図2】本発明のプレコート化粧紙の別の態様で、フィ
ラーとして鱗片状フィラーを添加したときのプレコート
化粧紙の模式断面図である。
【図3】本発明のプレコート化粧紙を作製するときの説
明図である。
【図4】実施例1によりプレコート化粧紙を作製すると
きの説明図である。
【図5】実施例4によりプレコート化粧紙を作製すると
きの説明図である。
【図6】実施例5によりプレコート化粧紙を作製すると
きの説明図である。
【符号の説明】
1 プレコート化粧紙 11 基材(含浸紙) 12 絵柄層 12a ベタ印刷層 13 硬化した電離放射線硬化性樹脂層 13a 未硬化の電離放射線硬化性樹脂層 13b 未硬化の電子線硬化性樹脂層 13c 硬化した電子線硬化性樹脂層 13d 未硬化の紫外線硬化性樹脂層 13e 硬化した紫外線硬化性樹脂層 14 微粉体 14a 鱗片状フィラー 14b シリカの微粉体 15 プライマー層 16 電離放射線 16a 電子線 16b 紫外線
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA20B AK01B AK23G AK25 AK51G BA02 BA03 BA04 BA07 CB02 DE01B DE02B DG10A EH46 EJ08B EJ53 EJ82A GB08 GB81 HB00 HB31 HB35 JA06B JB14B JK09 JK12 JK13 JK14 JK17 YY00B

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも含浸性のある基材に硬化した
    電離放射線硬化性樹脂層を積層した化粧紙において、前
    記硬化した電離放射線硬化性樹脂層中に平均粒径1μm
    以下の微粉体が0.1〜5.0重量%含有していること
    を特徴とするプレコート化粧紙。
  2. 【請求項2】 前記平均粒径1μm以下の微粉体がシリ
    カであることを特徴とする請求項1に記載のプレコート
    化粧紙。
  3. 【請求項3】 少なくとも含浸性のある基材に硬化した
    電離放射線硬化性樹脂層を積層した化粧シートにおい
    て、前記硬化した電離放射線硬化性樹脂層中に鱗片状粒
    子が0.1〜5.0重量%含有していることを特徴とす
    るプレコート化粧紙。
  4. 【請求項4】 前記電離放射線硬化性樹脂が、硬化する
    前の粘度が25℃において、50〜1000cpsであ
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに
    記載のプレコート化粧紙。
JP31858298A 1998-11-10 1998-11-10 プレコート化粧紙 Withdrawn JP2000141551A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31858298A JP2000141551A (ja) 1998-11-10 1998-11-10 プレコート化粧紙

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31858298A JP2000141551A (ja) 1998-11-10 1998-11-10 プレコート化粧紙

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000141551A true JP2000141551A (ja) 2000-05-23

Family

ID=18100755

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31858298A Withdrawn JP2000141551A (ja) 1998-11-10 1998-11-10 プレコート化粧紙

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000141551A (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005314665A (ja) * 2004-03-30 2005-11-10 Sumitomo Bakelite Co Ltd 化粧板用樹脂組成物、化粧板表層用材料、及び化粧板
JP2006175719A (ja) * 2004-12-22 2006-07-06 Toyo Ink Mfg Co Ltd 化粧紙および化粧材
WO2006093165A1 (ja) * 2005-03-01 2006-09-08 Dai Nippon Printing Co., Ltd. 高光沢化粧シート
JP2007015232A (ja) * 2005-07-08 2007-01-25 Toyo Ink Mfg Co Ltd 化粧紙および化粧材
JP2007016139A (ja) * 2005-07-08 2007-01-25 Toyo Ink Mfg Co Ltd 活性エネルギー線硬化型組成物およびそれを用いた化粧シート
JP2009108616A (ja) * 2007-10-31 2009-05-21 Toppan Cosmo Inc 床用化粧シート
CN1672922B (zh) * 2004-03-24 2010-12-15 大日本印刷株式会社 装饰薄片
KR101157242B1 (ko) * 2004-03-31 2012-06-15 다이니폰 인사츠 가부시키가이샤 장식 시트
JP2012210742A (ja) * 2011-03-30 2012-11-01 Dainippon Printing Co Ltd 化粧板及び化粧板の製造方法
JP2018104664A (ja) * 2016-12-22 2018-07-05 Dic株式会社 化粧板用活性エネルギー線硬化型塗料組成物及びこれを用いた化粧板
CN113118715A (zh) * 2021-04-23 2021-07-16 上海明勤金属制品有限公司 一种金属展示架的加工方法
JP7405700B2 (ja) 2019-07-30 2023-12-26 小島プレス工業株式会社 加飾樹脂製品の製造方法

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1672922B (zh) * 2004-03-24 2010-12-15 大日本印刷株式会社 装饰薄片
KR101164236B1 (ko) * 2004-03-24 2012-07-09 다이니폰 인사츠 가부시키가이샤 장식 시트
JP2005314665A (ja) * 2004-03-30 2005-11-10 Sumitomo Bakelite Co Ltd 化粧板用樹脂組成物、化粧板表層用材料、及び化粧板
KR101157242B1 (ko) * 2004-03-31 2012-06-15 다이니폰 인사츠 가부시키가이샤 장식 시트
JP2006175719A (ja) * 2004-12-22 2006-07-06 Toyo Ink Mfg Co Ltd 化粧紙および化粧材
JP2006239954A (ja) * 2005-03-01 2006-09-14 Dainippon Printing Co Ltd 高光沢化粧シート
US8053061B2 (en) 2005-03-01 2011-11-08 Dai Nippon Printing Co., Ltd. High-gloss decorative sheet
WO2006093165A1 (ja) * 2005-03-01 2006-09-08 Dai Nippon Printing Co., Ltd. 高光沢化粧シート
JP2007016139A (ja) * 2005-07-08 2007-01-25 Toyo Ink Mfg Co Ltd 活性エネルギー線硬化型組成物およびそれを用いた化粧シート
JP2007015232A (ja) * 2005-07-08 2007-01-25 Toyo Ink Mfg Co Ltd 化粧紙および化粧材
JP2009108616A (ja) * 2007-10-31 2009-05-21 Toppan Cosmo Inc 床用化粧シート
JP2012210742A (ja) * 2011-03-30 2012-11-01 Dainippon Printing Co Ltd 化粧板及び化粧板の製造方法
JP2018104664A (ja) * 2016-12-22 2018-07-05 Dic株式会社 化粧板用活性エネルギー線硬化型塗料組成物及びこれを用いた化粧板
JP7405700B2 (ja) 2019-07-30 2023-12-26 小島プレス工業株式会社 加飾樹脂製品の製造方法
CN113118715A (zh) * 2021-04-23 2021-07-16 上海明勤金属制品有限公司 一种金属展示架的加工方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2740943B2 (ja) 耐摩耗性を有する化粧材
JP2001138470A (ja) 耐摩耗性を有する化粧材
JP2001105541A (ja) 耐摩耗性化粧材
JP2000141551A (ja) プレコート化粧紙
EP1842652B1 (en) Shapping sheet and method for the preparation of a decoration plate
JPH1148412A (ja) 耐摩耗性を有する抗菌性化粧材
JP4402339B2 (ja) 化粧材
JP3295877B2 (ja) 耐摩耗性化粧材
JP4498548B2 (ja) 化粧ボードの製造方法
JPH11277685A (ja) 抗菌性化粧シート及びその製造方法
JP2001260301A (ja) 化粧シート及びそれを用いた化粧材
JPH10286932A (ja) 耐摩耗性化粧材
JP4286949B2 (ja) 耐摩耗性を有する化粧紙
JP2001138469A (ja) 耐摩耗性を有する化粧材
JP2000006325A (ja) 耐摩耗性を有する化粧材
JP6786821B2 (ja) 化粧板の製造方法
JP4531205B2 (ja) 化粧ボードの製造方法
JP2004167779A (ja) 化粧材及びその製造方法
JP4489216B2 (ja) 耐摩耗性化粧材
JP4390942B2 (ja) 化粧シート
JP4289528B2 (ja) 耐摩擦性を有する化粧材およびその製造方法
JP4108833B2 (ja) 化粧材の製造法
JPH1128799A (ja) 化粧板およびその製造方法
JPH10119228A (ja) 化粧シート
JP4489215B2 (ja) 耐摩耗性化粧材

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060110