JP2018104664A - 化粧板用活性エネルギー線硬化型塗料組成物及びこれを用いた化粧板 - Google Patents

化粧板用活性エネルギー線硬化型塗料組成物及びこれを用いた化粧板 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の課題は、低光沢、耐汚染性、及びリコート性に優れた化粧板用活性エネルギー線硬化型塗料組成物、及び該組成を表面に被覆し硬化してなる化粧板用活性エネルギー線硬化型塗料組成物を提供することにある。
【解決手段】 活性エネルギー線重合性2官能モノマー、光重合開始剤、及び艶消し剤を含有することを特徴とする化粧板用活性エネルギー線硬化型塗料組成物であって、前記艶消し剤が融点70℃以上である有機ワックスで表面処理されたシリカである化粧板用活性エネルギー線硬化型塗料組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は低光沢で耐汚染性及びリコート性に優れた化粧板用活性エネルギー線硬化型塗料組成物、及び該組成物を表面に被覆し硬化してなる化粧板に関するものである。
従来から紙、プラスチック、ガラス、金属、木材、セラミック等の基材の表面には高硬度、耐汚染性等の様々な機能や意匠性を付加し、表面を保護するためにコーティングが行われている。近年環境問題への対応から、活性エネルギー線硬化型高不揮発分タイプの塗料の需要が拡大している。その中で床や壁や天井に使用する製品の塗膜には低光沢のものが好まれ、また汚染にさらされる機会も多いため耐汚染性に優れたコーティングが求められている。
低光沢の塗膜を得る方法として、シリカなどの硬質多孔質粒子等を塗料中に添加する方法が知られているが、高不揮発分タイプの塗料では溶剤揮発による体積減少が少ないことから特に低光沢の塗膜を得ることが難しく、硬質多孔質粒子の添加量を増やす必要があるため、その分 多孔質粒子と汚染物質との付着により耐汚染性が低下するという問題があった。また、ワックス等を添加して光沢を下げた場合は、充分な低光沢が得られない問題もあり、低光沢と耐汚染性に優れる性能の両立は難しいとされていた。
低光沢と耐汚染性を兼備した活性エネルギー線硬化型塗料組成物としてベース樹脂に活性エネルギー線重合性モノマー、多官能モノマー、オリゴマー成分を組合せた例えば(特許文献1)が挙げられるが、紫外線照射時に窒素パージを行い酸素濃度を通常濃度、及び低濃度に変化させた2段階照射を行う事が前提であり、塗料組成物の塗装・硬化乾燥後の仕上がりの「艶」が高く、市場のニーズに一致しない。窒素パージを必要とせず、高すぎない低めの光沢と耐汚染性を両立した化粧板用活性エネルギー線硬化型塗料組成物の発現が望まれる。
更に、該塗料組成物を内装建材等に使用した場合、施工時に発生する傷などを補修する必要があり、そのためには補修塗料のリコート性が要求され、前記の低光沢、耐汚染性及び補修適性の全てを保持するのは従来技術では困難とされている。
特開2004−51653号公報
本発明の課題は、低光沢、耐汚染性、及びリコート性に優れた化粧板用活性エネルギー線硬化型塗料組成物、及び該組成を表面に被覆し硬化してなる化粧板用活性エネルギー線硬化型塗料組成物を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討の結果、活性エネルギー線重合性2官能モノマー、光重合開始剤、及び艶消し剤として特定のシリカを含有することにより、低光沢、耐汚染性、及びリコート性に優れた塗膜を得ることを見いだし、本発明に至った。
すなわち本発明は、活性エネルギー線重合性2官能モノマー、光重合開始剤、及び艶消し剤を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型塗料組成物であって、前記艶消し剤が融点70℃以上である有機ワックスで表面処理されたシリカである化粧板用活性エネルギー線硬化型塗料組成物を提供する。
また本発明は、前記活性エネルギー線重合性2官能モノマーの含有量が、前記塗料組成物全量の30〜80質量%である化粧板用活性エネルギー線硬化型塗料組成物に関する。
また本発明は、前記活性エネルギー線重合性2官能モノマーが、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる1つ以上である化粧板用活性エネルギー線硬化型塗料組成物に関する。
また本発明は、前記有機ワックスで表面処理されたシリカの含有量が、塗料組成物全量の1〜10質量%である化粧板用活性エネルギー線硬化型塗料組成物に関する。
また本発明は、該化粧板用活性エネルギー線硬化型塗料組成を表面に被覆し硬化した化粧板を提供する。
低光沢、耐汚染性、及びリコート性に優れた化粧板用活性エネルギー線硬化型塗料組成物、及び該組成を表面に被覆し硬化してなる化粧板用活性エネルギー線硬化型塗料組成物を提供することができる。
本発明は、活性エネルギー線重合性2官能モノマー、光重合開始剤、及び艶消し剤を含有することを特徴とする化粧板用活性エネルギー線硬化型塗料組成物であって、前記艶消し剤が融点70℃以上である有機ワックスで表面処理されたシリカであることを特徴とする化粧板用活性エネルギー線硬化型塗料組成物を提供することで目的とする本発明の効果を奏するものである。
まず、本発明の化粧板用活性エネルギー線硬化型塗料組成物では、活性エネルギー線重合性2官能モノマーを必須とする。
前記活性エネルギー線重合性2官能モノマーの含有量は、塗料組成物全量の30〜80質量%であることが好ましい。含有量を30質量%以上とすることで好適な耐汚染性を得やすく、80質量%以下とすることで低光沢性を得やすくなる。
前記2官能モノマーとしては、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレ−ト、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド(以下EOと略記)変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド(以下POと略記)変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン(以下ECHと略記)変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールSジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジアクリレート、EO変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリロイルイソシアヌレート等が挙げられる。これらのモノマーを1種または2種以上の混合系で用いることが出来るが、中でもトリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートを単独で用いることが好ましく、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレート、PO変性ビスフェノールAジアクリレートを単独で用いることがより好ましく、トリシクロデカンジメタノールジアクリレートを単独で用いることが最も好ましい。
次に、本発明の化粧板用活性エネルギー線硬化型塗料組成物では、艶消し剤として融点70℃以上である有機ワックスで表面処理されたシリカを必須とする。
艶消し剤は70℃以上の融点のみの有機ワックスで表面処理されたシリカで、複数の有機ワックスで表面処理された場合でもすべてが融点70℃以上であることを必須とする。融点が70℃以上の有機ワックスとしては、マイクロクリスタリンワックス、酸化マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンが挙げられる。中でも、酸化マイクロクリスタリンにより処理された合成アモルファス二酸化シリコンがより好ましい。融点70℃以上の有機ワックスにより処理された合成アモルファス二酸化シリコンを使用すれば、塗膜表面へのブリードが少なく、たとえブリードしたとしても、リコート性への悪影響が小さいという利点があるためである。
本発明の化粧板用活性エネルギー線硬化型塗料組成物で使用する融点70℃以上である有機ワックスで表面処理されたシリカの含有量は、塗料組成物全量の1〜20質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましい。含有量を1質量%以上とすることで好適な艶消し効果を得やすく、20質量%以下とすることで耐汚染性を得やすくなる。
本発明の化粧板用活性エネルギー線硬化型塗料組成物では、樹脂ビーズも添加する事が出来る。前記樹脂ビーズの代表的なものとしてはウレタンビーズ、アクリルビーズ、シリコンビーズ、スチレンビース等が挙げられる。これら樹脂ビーズを使用する場合には、好ましくは塗料組成物全量の1〜30質量%、より好ましくは5〜25質量%程度の範囲で適宜使用できる。
本発明の化粧板用活性エネルギー線硬化型塗料組成物では、ワックスも添加する事が出来る。ワックスの代表的なものとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、酸化ポリエチレン、アマイド、変性ポリエチレン、変性ポリプロピレン、変性アマイド、ポリテロラフルオロエチレン等が挙げられる。これらワックスを使用する場合には、好ましくは塗料組成物全量の1〜10質量%、より好ましくは3〜8質量%程度の範囲で適宜使用できる。
更に、本発明の化粧板用活性エネルギー線硬化型塗料組成物では、活性エネルギー線重合性オリゴマーをも添加する事が出来る。前記オリゴマーの代表的なものとしては、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、アクリルアクリレート、不飽和ポリエステルなどが挙げられ、何れも1種または2種以上の混合系で用いることが出来る。中でも、低光沢の目的として、ウレタンアクリレートまたはポリエステルアクリレートが好ましい。
本発明の化粧板用活性エネルギー線硬化型塗料組成物に、前記オリゴマーを使用する場合、塗料組成物全量の0.5〜15質量%であることが好ましい。当該含有量を0.5質量%以上とすることで好適なレベリング性、塗装時の塗膜転移性を得やすく、15質量%以下とすることで低光沢を得やすくなる。
また、本発明の塗料組成物には、上記以外にも必要に応じて、構造中に(メタ)アクリロイル基を1つ有する単官能モノマーや、(メタ)アクリロイル基を3つ以上有する多官能モノマーを適宜含有してもよい。これら単官能モノマーや多官能モノマーは、塗料組成物全量中の20質量%以下とすることが好ましく、10質量%以下とすることがより好ましい。
本発明の化粧板用活性エネルギー線硬化型塗料組成物で使用する光重合開始剤としては、アルキルフェノン系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤、分子内水素引き抜き型光重合開始剤、オキシムエステル系光重合開始剤、その他ブレンド型の光重合開始剤から幅広く使用する事が出来る。中でも分子内水素引き抜き型光重合開始剤が好ましい。
前記アルキルフェノン系光重合開始剤の一例を挙げれば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)-フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホニル)フェニル]−1−ブタノン、トリアリールスルフォニウムヘキサフルオロフォスフェート、トリアリールスルフォニウムテトラキス−(ペンタフルオロフェニル)ポレート等が挙げられる。
前記アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−1−ナフチルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド等のビスアシルフォスフィンオキサイド類、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6−ジクロロベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−フェニルフォスフィン酸メチルエステル、2−メチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ピバロイルフェニルフォスフィン酸イソプロピルエステル等のモノアシルフォスフィンオキサイド類等が挙げられ、これらの中でも、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド等のビスアシルフォスフィンオキサイド類が好ましく用いられ、特に、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイドは、紫外線発光ダイオードの発光波長領域に合致するUV吸収波長を有することで、好適な硬化性が得られ、且つ、硬化皮膜の黄変が少ない点でより好ましい。
前記分子内水素引き抜き型光重合開始剤としては、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、オキシフェニル酢酸と2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステルとオキシフェニル酢酸と2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステルの混合物が挙げられる。中でも、オキシフェニル酢酸と2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステルとオキシフェニル酢酸と2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステルの混合物は、紫外線硬化後の残存臭気が非常に少ない液状タイプの低揮発性光重合開始剤であり、硬化後の黄変も殆ど示さず、本発明の化粧板用活性エネルギー線硬化型塗料組成物にとって最も好ましい。
前記オキシムエステル系光重合開始剤としては、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)等が挙げられる。
これら光重合開始剤は単独で使用しても、2種以上組合せて使用してもよい。
使用する光重合開始剤の含有量の総計は、塗料組成物全量の0.1〜10質量%であることが好ましい。含有量が0.1質量%未満であると硬化性向上の効果が殆ど無く、10質量%を上回ると添加量に見合った硬化性の更なる向上が望めない上、塗料組成物中に溶解させることが困難であり、塗料の流動性の低下及び開始剤の析出に起因する保存安定性の悪化を招くことから好ましくない。
本発明の化粧板用活性エネルギー線硬化型塗料組成物には、さらに必要に応じて本発明の目的を逸脱しない範囲内で、各種の機能を付与するため着色剤、体質顔料、滑剤、可塑剤、消泡剤、レベリング剤、分散剤、酸化防止剤、カップリング剤、有機溶剤及びキレート剤などの添加剤を添加することができる。
本発明の化粧板用活性エネルギー線硬化型塗料組成物の製造は、従来公知の方法で実施出来る。一例として、活性エネルギー線重合性モノマー及び又はオリゴマー、光重合開始剤、及びシリカ、必要に応じて塗料添加剤をこの順に仕込み混合、撹拌等の方法で製造可能である。
本発明の化粧板用活性エネルギー線硬化型塗料組成物の粘度範囲としては、塗工方式により異なるが、液温40℃において40〜2000mPa・sが好ましく、例えばロールコート方式の場合を例に挙げれば、液温40℃において200〜1500mPa・sの範囲が好ましい。粘度測定はリオン社ビスコテスター VT−04にて行った。
本発明の化粧板用活性エネルギー線硬化型塗料組成物を硬化させる為に照射する活性エネルギー線とは紫外線、電子線、γ線の如き、電離性放射線や電磁波などであり、中でも紫外線が好ましい。紫外線を照射する場合、高圧水銀灯、エキシマランプ、メタルハライドランプ等を備えた公知の紫外線照射装置を使用することができる。照射する紫外線の強度としては〜、100〜400mJ/cmが好ましい。
本発明の化粧板用活性エネルギー線硬化型塗料組成物を塗工する基材とは、木製床材(フロア材)、塩化ビニル(PVC)、オレフィン、紙材、ケイ酸カルシウム板、セメント板、酸化マグネシウム板、酸化アルミニウム板等が挙げられる。化粧板用途として使用する場合の基材としては、特にケイ酸カルシウム板が好ましい。これらの基材上には意匠性、平滑性及び密着性を発現させるための層が施されていてもよい
本発明の化粧板用活性エネルギー線硬化型塗料組成物の塗工方式としては、従来公知の方式が適用できるが、その中でも特に代表的なものとしては、ロールコート、グラビアコート、バーコート、フローコート、ディップコートなどがある。中でもロールコートの塗工方式にて塗工する際の塗布量は、硬化塗膜として1〜20μmが好ましく、1〜11μmがより好ましい。
尚、本発明の化粧板用活性エネルギー線硬化型塗料組成を表面に被覆し硬化した化粧板は、意匠性のみならず難燃性の点でも有効であり、難燃性化粧板として活用することもできる。
次に、本発明を、実施例を挙げて更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下において特に断りのない限り、表中の数字は質量部を表すものとする。
<艶消し剤の表面処理ワックスの融点の測定方法>
艶消し剤の融点は、示差走査熱量計X−DSC−7000(日立ハイテクサイエンス社製)を使用して以下の条件にて測定を行う。
昇温速度:10℃/min
測定開始温度:20℃
測定終了温度:200℃
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、艶消し剤より分離抽出したワックス約1mgを精秤し、アルミ製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミ製のパンを用い、示差走査熱量測定を行う。測定は、一度200℃まで昇温させ、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程で、温度30℃から200℃の範囲におけるDSC曲線の最大吸熱ピークのピーク温度をワックスの融点とする。上記最大吸熱ピークとは、最も吸熱量の大きいピークのことである。
(実施例1〜18/比較例1〜7)
表1〜4の組成に従って、化粧板用活性エネルギー線硬化型塗料組成物を配合し、分散攪拌機にて各々調製した。
(実施例1)
2官能モノマーであるトリシクロデカンジジメタノールジアクリレート(新中村化学工業(株)社製 A−DCP)67部、融点74℃の酸化マイクロクリスタリンにより表面処理されたシリカ 合成アモルファス二酸化シリコン6.7部、光重合開始剤IRGACURE754(BASF社製、オキシフェニル酢酸と2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステルとオキシフェニル酢酸と2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステルの混合物)4.2部、ポリプロピレンワックス 5部、アクリルビーズ 17部、分散剤 0.4部にて塗料Aを調製した。
同様に実施例2〜18についても同様に、表1〜3の組成に従い調整を行った。
比較例については、表4の組成に従い同様に調整を行った。
比較例1については、融点74℃の酸化マイクロクリスタリンにより表面処理されたシリカ 合成アモルファス二酸化シリコンの代わりに、融点が58℃の有機ワックスで表面処理されたワックス処理シリカを使用した。
比較例2については、これらの代わりに未処理シリカを使用した。
比較例3については、シリカを未添加とした。
比較例4については、融点が58℃の有機ワックスで表面処理されたワックス処理シリカに、更にダイセル・オルネクス(株)社製EBECRY1290(6官能脂肪族ウレタンアクリレート)を添加した。
比較例5については、融点が58℃の有機ワックスで表面処理されたワックス処理シリカに、更に第一工業(株)社製ニューフロンティアR−1901(9官能脂肪族アクリレート)を添加した。
比較例6については、表面処理なしの未処理シリカに、更にダイセル・オルネクス(株)社製EBECRY1290(6官能脂肪族ウレタンアクリレート)を添加した。
比較例7についは、表面処理なしの未処理シリカに、更に第一工業(株)社製ニューフロンティアR−1901(9官能アクリレート)を添加した。
〔評価用の化粧板の作製〕
フロアを基材に、各塗料を40℃に加温した状態でナチュラルロールコーターにて15m/minの塗布スピードにて塗布量が5g/mになる様調整し塗布した後、高圧水銀灯にて450mJ/cmの強度の紫外線照射を行い、硬化させた。得られた化粧板の硬化塗膜それぞれに対し、下記に記載の方法に従って試験を行った。硬化性の評価のみ段階的に照度を変化させタックフリーとなる照度を判定した。タックフリーとは、紫外線照射塗膜に指を50gの加重で押しつけ、離した後に指に塗料が付いたり、塗膜に指紋の跡が残らない状態をいう。照度測定はGSユアサ製 UV−NR1を使用した。
〔評価試験方法〕
(1)光沢測定
VG2000(日本電色製)で光沢の測定を行い、その結果を0〜100グロスで示した。光沢の測定条件は入射角60°反射角60°とした。
測定したグロス値(低い程、光沢がなく、高い程、光沢がある)に応じて、次の4段階に区分して評価した。
◎:グロス値が15.0より低い
○:グロス値が15.0以上25.0未満である
△:グロス値が25.0以上30.0未満である
×:グロス値が30.0より高い
(2)耐汚染性試験
黒インキ(パイロット社製)を塗膜に塗布し、4時間放置後、水と溶剤で拭き取った後、汚染跡を次の4段階に目視判定した。
◎:汚染跡が完全に拭き取れる
○:汚染跡がほぼ拭き取れる
△:汚染跡全体に残色が確認できる
×:汚染跡全体に著しい残色が確認できる
(3)リコート性(補修適性)
水性ワックスであるリンレイオールを、化粧板の活性エネルギー線硬化型塗料組成物の硬化皮膜の上からアプリケーターを使用してワックス引きし乾燥した後、セロファンテープを使用しワックス表面を引剥がした際のワックスの残存率を、次の4段階に目視判定した。
◎:ワックスは全く剥がれる事なく10割が残っている
○:ワックス全体の9割は残っているが、1割は剥がれる
△:ワックス全体の半分は残っているが、1割超以上〜半分が剥がれている
×:ワックス全体の半分超以上〜大半が剥がれている
(4)硬化性
◎:100mJ/cm以上 250mJ/cm未満にてタックフリーとなる
○:250mJ/cm以上 400mJ/cm未満にてタックフリーとなる
△:400mJ/cm以上 450mJ/cm未満にてタックフリーとなる
×:450mJ/cm以上 600mJ/cm未満にてタックフリーとなる
Figure 2018104664


・EBECRY1290:6官能脂肪族ウレタンアクリレート(重量平均分子量
1,000)、ダイセル・オルネクス(株)社製
・ニューフロンティアR−1901:9官能アクリレート、第一工業(株)社製
Figure 2018104664
Figure 2018104664
Figure 2018104664
実施例では十分な硬化性を保持しつつ低光沢(艶)、耐汚染性、及びリコート性を兼備した化粧板用活性エネルギー線硬化型塗料組成物、及び該組成を表面に被覆し硬化してなる化粧板を提供することができる。

Claims (5)

  1. 活性エネルギー線重合性2官能モノマー、光重合開始剤、及び艶消し剤を含有する化粧板用活性エネルギー線硬化型塗料組成物であって、前記艶消し剤が融点70℃以上である有機ワックスで表面処理されたシリカであることを特徴とする化粧板用活性エネルギー線硬化型塗料組成物。
  2. 前記活性エネルギー線重合性2官能モノマーの含有量が、前記塗料組成物全量の30〜80質量%である請求項1に記載の化粧板用活性エネルギー線硬化型塗料組成物。
  3. 前記活性エネルギー線重合性2官能モノマーが、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる1つ以上である請求項1又は2に記載の化粧板用活性エネルギー線硬化型塗料組成物。
  4. 前記で有機ワックス表面処理されたシリカの含有量が、塗料組成物全量の1〜10質量%である請求項1〜3の何れか1つに記載の化粧板用活性エネルギー線硬化型塗料組成物。
  5. 請求項1〜4に記載の化粧板用活性エネルギー線硬化型塗料組成物を表面に被覆し硬化した化粧板。
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