JP2006291126A - 塗料用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来、塗料用組成物では、無機充填剤の分散安定性を良くする方法として、シリカ等を添加して塗料組成物の粘度を高める方法、分散安定剤を添加する方法および無機充填剤をシランカップリング剤で処理する方法等が知られていたが種々の問題点があったため、塗膜物性を損なうことなく、比較的低粘度でしかも無機充填剤の優れた分散安定性を付与した塗料用組成物を提供する。
【解決手段】 0.002〜20μmの体積平均粒径を有するシリカを必須成分とする無機充填剤、樹脂および有機溶剤からなり、0.2〜5重量%の水を含有してなることを特徴とする塗料用組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、無機充填剤と樹脂からなる塗料用組成物に関する。さらに詳しくは、塗膜物性を損なうことなく無機充填剤の沈降を防止した塗料用組成物に関する。
従来、塗料用組成物は、艶消し、着色、帯電防止および耐摩耗性付与等の目的で、無機充填剤を配合しているが、無機充填剤は、樹脂成分に比べ比重が大きく、塗料組成物の保存時や使用時に沈降が起こり、塗工ができない、塗膜の透明性を損ねる、色分かれする等の問題があった。そのため、無機充填剤の分散安定性を良くするために、シリカ等を添加して塗料組成物の粘度を高める方法、分散安定剤を添加する方法(例えば、特許文献1参照)および無機充填剤をシランカップリング剤で処理する方法(例えば、特許文献2参照)等が提唱されている。
特開2000−262883号公報 特開平5−25422号公報
しかしながら、シリカ等を添加して塗料粘度を高める方法では、均一に塗工するのが困難となるため、塗工時には有機溶剤で希釈する低粘度化が必要となり、沈降防止が結局達成できない。また、分散安定剤を添加する方法では、該分散安定剤と無機充填剤および樹脂成分それぞれとの結合性が弱いため、塗膜物性を低下させる欠点がある。さらに、無機充填剤をシランカップリング剤で処理する方法は、適用できる無機充填剤が限られる上に、処理工程が煩雑で多量のシランカップリング剤を要するという問題がある。
本発明の目的は、塗膜物性を損なうことなく、比較的低粘度でしかも無機充填剤の優れた分散安定性を付与した塗料用組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち本発明は、0.002〜20μmの体積平均粒径を有するシリカ(a1)を必須成分とする無機充填剤(A)、樹脂(B)および有機溶剤(C)からなり、0.2〜5重量%の水を含有してなることを特徴とする塗料用組成物である。
本発明の塗料用組成物は、下記の効果を奏する。
(1)比較的低粘度で、かつ無機充填剤の分散安定性に優れる。
(2)該組成物を用いた塗膜は、機械物性に優れる。
本発明における(A)を構成する必須成分であるシリカ(a1)の種類は特に限定されないが、例えば、合成シリカ(湿式法沈殿シリカ、ゲル状シリカ、コロイダルシリカおよび超微粒子状無水シリカ等)および天然シリカ(結晶性シリカ、破砕溶融シリカおよび球状溶融シリカ等)が挙げられる。これらのうち塗料組成物中での分散安定性の観点から、好ましいのは、合成シリカ、とくに好ましいのは湿式法沈殿シリカおよび超微粒子状無水シリカである。
(a1)の体積平均粒径は、0.002〜20μm、好ましくは0.01〜10μm、さらに好ましくは0.05〜8μmである。体積平均粒径が0.002μm未満では塗工安定性が悪くなり、20μmを超えると分散安定性が悪くなる。
ここにおいて体積平均粒径は、SKレーザー粒度分布測定機[セイシン企業(株)製]を用いて下記の方法で測定して得られる値である。
(体積平均粒径測定法)
分散媒(イオン交換水)100gに、試料を50〜100mg加え、超音波(出力200Hz)を60秒照射して試料を分散させた後、SKレーザー粒度分布測定機を用いて測定する。
(a1)は、必要により表面処理が施されたものでもよい。表面処理方法としては、シリカにポリエチレンワックス等を高温で噴霧する方法(特開平7−166091号公報等参照)、シリカにシランカップリング剤を噴霧して表面に疎水基、親水基、反応性基等を導入する方法(特開2002−146232号公報等参照)等が挙げられる。
(A)としては、塗料に、着色したり、帯電防止性、耐摩耗性およびその他の性能を付与するために、(a1)以外の、好ましくは0.5〜50(さらに好ましくは1〜30)μmの体積平均粒径、かつ好ましくは1.5〜7(さらに好ましくは2〜5)の真比重を有する無機充填剤(a2)をさらに含有させたものが好ましい。
(a2)としては、例えば着色を目的とする場合は、白色顔料(二酸化チタン、アルミナ白、ホワイトカーボン、クレー、タルク、沈降性硫酸バリウム、バライト粉、炭酸カルシウム、鉛白、アルミニウム粉、リトポン、黒色顔料(酸化亜鉛、酸化クロム、鉄黒、カーボンブラック)、赤色顔料(酸化鉄、朱、カドミウムレッド)、青色顔料(コバルトブルー、群青、紺青)、黄色顔料(酸化鉄黄、カドミウムイエロー、黄鉛、硫化亜鉛、ジンククロメート、ストロンチウムクロメート)、その他顔料(モリブデートオレンジ、ビリジアン、マンガンバイオレット、パール系顔料)等;が使用できる。
帯電防止性を付与するためには、炭素粉体(例えばカーボンブラック、グラファイト)、金属酸化物(例えばスズ・アンチモン複合酸化物、アンチモン・インジウム・スズ複合酸化物、インジウム・スズ複合酸化物、Sn、F、Cl等をドープした導電性酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛)金属[例えば銅、ニッケル、銀、金、アルミニウム等の各種金属粒子(粉体)または金属繊維]等;
耐摩耗性を付与するためには、アルミナ、ジルコニア、炭化タングステン、炭化チタン、炭化ケイ素、炭化ホウ素およびダイヤモンド等;
さらに、その他の性能(耐熱性、寸法安定性、難燃性等)を付与するためには、ケイ酸塩(例えば微粉ケイ酸マグネシウム、ソープストーン、ステアライト、ケイ酸カルシウム、アルミノケイ酸マグネシウムおよびアルミノケイ酸ソーダ)、炭酸塩[例えば沈降性(活性、乾式、重質または軽質)炭酸マグネシウム]、硫酸塩[例えば硫酸アルミニウム(例えば硫酸バンドおよびサチンホワイト)、硫酸マグネシウムおよび硫酸カルシウム(石コウ)(例えば無水石コウおよび半水石コウ)]、鉛白、雲母粉、活性フッ化カルシウム、セメント、石灰、亜硫酸カルシウム、二硫化モリブデン、アスベスト、ガラスファイバー、ロックファイバー等、が使用できる。
(a2)の体積平均粒径は、下限は(A)の凝集の観点から、上限は分散安定性の観点から好ましくは0.5〜50μm、さらに好ましくは1〜30μmである。
(a2)の真比重は、分散安定性の観点から好ましくは1.5〜7、さらに好ましくは2〜5である。
(A)中の(a1)と(a2)の重量比は、分散安定性およびその他の機能付与の観点から好ましくは100:0〜1:99、さらに好ましくは100:0〜10:90である。
本発明における樹脂(B)は、塗料に使用される樹脂であれば、特に限定されることはなく、例えば、「塗料と塗装(増補版)、(株)パワー刊(1973)」に記載の天然樹脂(ロジン、コーパル、ダンマルゴム、セラックス、エステルゴム等)、合成樹脂{熱可塑性樹脂[例えば、セルロース樹脂(ニトロセルロース、アセチルセルロース、ベンジルセルロース等)、ポリウレタン樹脂、熱可塑性アクリル樹脂、ビニル樹脂(塩化ビニル、酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等)、塩化ゴム、フッ素樹脂(ポリフッ化ビニリデン、ポリ三フッ化塩化エチレン、ポリ四フッ化エチレン等)]および熱硬化性樹脂〔例えば、2液硬化型ウレタン樹脂、熱硬化型エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、感光性樹脂[例えば(ポリ)(メタ)アクリレート、脂環式エポキシ樹脂]〕}およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
これらのうち塗膜の機械物性の観点から好ましいのは熱硬化性樹脂、さらに好ましいのは感光性樹脂、とくに好ましいのは(ポリ)(メタ)アクリレートである。
該2液硬化型ウレタン樹脂としては、分子中に水酸基を2個以上有するポリオールからなる第I液と、ポリイソシアネートからなる第II液を水酸基とイソシアネート基との当量比(OH/NCO比)が0.7〜1.5になるように配合したもの等、例えば「ポリウレタン樹脂ハンドブック、日刊工業新聞社刊(1987)」に記載のものが挙げられる。
該熱硬化性エポキシ樹脂としては、分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂と、エポキシ基と反応する活性水素を分子中に2個以上有するモノ−、またはポリ−アミンとをエポキシ基とアミノ基の活性水素との当量比が0.7〜1.5になるように配合したもの等、例えば「エポキシ樹脂ハンドブック、日刊工業新聞社刊(1987)」に記載のものが挙げられる。
該不飽和ポリエステル樹脂としては、不飽和多塩基酸[炭素数(以下Cと略記)4〜10、例えばマレイン酸、フマル酸]と多価アルコール[C2〜30、例えばエチレングリコール、グリセリン(以下それぞれEG、GRと略記)等]を水酸基とカルボキシル基の当量比が0.7〜1.5になるように反応させたもの等、例えば「ポリエステル樹脂ハンドブック、日刊工業新聞社刊(1988)」に記載のものが挙げられる。
上記感光性樹脂のうち、該(ポリ)(メタ)アクリレートとしては、次のものが挙げられる。
(1)モノ(メタ)アクリレート
(1−1)脂肪族(C1〜30)、脂環式(C6〜30)および芳香脂肪族(C7〜10)1価アルコールの(メタ)アクリレート
ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート等;
(1−2)脂肪族(C1〜30)、脂環式(C6〜30)および芳香脂肪族(C7〜10)1価アルコールのアルキレンオキシド(以下、AOと略記)1〜30モル付加物の(メタ)アクリレート
ラウリルアルコールのエチレンオキシド(以下、EOと略記)2モル付加物の(メタ)アクリレート、ラウリルアルコールのプロピレンオキシド(以下、POと略記)3モル付加物の(メタ)アクリレート、その他上記(1−1)における1価アルコールのAO付加物の(メタ)アクリレート等;
(1−3)C6〜30の[アルキル(C1〜20)]フェノールのAO1〜30モル付加物の(メタ)アクリレート
フェノールのPO3モル付加物の(メタ)アクリレート、ノニルフェノールのEO1モル付加物の(メタ)アクリレート等;
(2)ジ(メタ)アクリレート
(2−1)ポリオキシアルキレン(C2〜4)[分子量106〜数平均分子量[以下Mnと略記。測定はゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法による。]3,000]のジ(メタ)アクリレート
ポリエチレングリコール(以下、PEGと略記)(Mn400)、ポリプロピレングリコール(以下、PPGと略記)(Mn200)およびポリテトラメチレングリコール(以下、PTMGと略記)(Mn650)の各ジ(メタ)アクリレート等;
(2−2)2官能フェノール化合物のAO(2〜30モル)付加物のジ(メタ)アクリレート
2官能フェノール化合物[C6〜18、例えば単環フェノール(カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン等)、縮合多環フェノール(ジヒドロキシナフタレン等)、ビスフェノール化合物]のAO付加物[レゾルシノールのEO4モル付加物のジ(メタ)アクリレート、ジヒドロキシナフタレンのPO4モル付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA、−Fおよび−Sの、EO2モル、およびPO4モル各付加物等]の各ジ(メタ)アクリレート等;
(2−3)脂肪族2価アルコール(C2〜30)のジ(メタ)アクリレート
ネオペンチルグリコール(以下、NPGと略記)および1,6−ヘキサンジオール(以下、HDと略記)の各ジ(メタ)アクリレート等;
(2−4)脂環含有2価アルコール(C6〜30)のジ(メタ)アクリレート
ジメチロールトリシクロデカンのジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールのジ(メタ)アクリレートおよび水素化ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレート等;
(3)ポリ(3価〜6価またはそれ以上)(メタ)アクリレート
(3−1)C3〜40の多価(3価〜6価またはそれ以上)アルコールおよびそのAO付加物のポリ(メタ)アクリレート
トリメチロールプロパン(以下、TMPと略記)トリ(メタ)アクリレート、GRトリ(メタ)アクリレート、TMPのEO3モルおよびPO3モル付加物の各トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(以下、PEと略記)のトリ(メタ)アクリレート、PEのテトラ(メタ)アクリレート、PEのEO4モル付加物のテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール(以下、DPEと略記)のヘキサ(メタ)アクリレート等;
(4)ポリエステル(メタ)アクリレート
多価(2〜4価)カルボン酸、多価(2価〜8価またはそれ以上)アルコールおよび(メタ)アクリロイル基含有化合物のエステル化反応により得られる複数のエステル結合と複数の末端(メタ)アクリロイル基を有する分子量150〜Mn4,000のポリエステル(メタ)アクリレート等;
(5)ウレタン(メタ)アクリレート
多価(2〜4価)アルコール、ポリ(2価〜4価またはそれ以上)イソシアネートおよび水酸基含有(メタ)アクリレートのウレタン化反応により得られる複数のウレタン結合と複数の末端(メタ)アクリロイル基を有する分子量500〜Mn7,000のポリウレタン(メタ)アクリレート等;
(6)エポキシ(メタ)アクリレート
多価(2〜4価)エポキシドと(メタ)アクリル酸の反応により得られる分子量400〜Mn5,000のエポキシ(メタ)アクリレート等;
(7)主鎖および/または側鎖に(メタ)アクリロイル基を有するブタジエン重合体
ポリブタジエンポリ(メタ)アクリレート(Mn500〜500,000)等
(8)ジメチルポリシロキサンの主鎖および/または側鎖に(メタ)アクリロイル基を有するシロキサン重合体[Mn300〜20,000、例えばジメチルポリシロキサンポリ(メタ)アクリレート]
これら(1)〜(8)の(ポリ)(メタ)アクリレートのうち、後述する硬化物の強靭性の観点から好ましいのは(2)〜(6)である。
上記感光性樹脂のうち脂環式エポキシ樹脂としては、次のものが挙げられる。これらのうち硬化性、硬化物の剛性の観点から好ましいのは2官能脂環式エポキシ樹脂である。
(1)単官能脂環式エポキシ樹脂
シクロヘキサンオキシド、シクロペンタンオキシド、α−ピネンオキシド3,4−エポキシビニルシクロヘキサン等;
(2)2官能脂環式エポキシ樹脂
2−(3,4−エポキシ)シクロヘキシル−5,5−スピロ−(3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビニルシクロヘキサンジオキシド、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、エキソ−エキソビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、エンド−エキソビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、2,2−ビス(4−(2,3−エポキシプロポキシ)シクロヘキシル)プロパン、2,6−ビス(2,3−エポキシプロポキシシクロヘキシル−p−ジオキサン)、2,6−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ノルボルネン、リモネンジオキシド、2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロパン、ジシクロペンタジエンジオキシド、1,2−エポキシ−6−(2,3−エポキシプロポキシ)ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダン、p−(2,3−エポキシ)シクロペンチルフェニル−2,3−エポキシプロピルエーテル、1−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル−5,6−エポキシヘキサヒドロ−4,7−メタノインダン、o−(2,3−エポキシ)シクロペンチルフェニル−2,3−エポキシプロピルエーテル)、1,2−ビス〔5−(1,2−エポキシ)−4,7−ヘキサヒドロメタノインダノキシル〕エタン、シクロペンテニルフェニルグリシジルエーテル等;
(3)多官能(3価〜20価またはそれ以上)脂環式エポキシ樹脂
3,4−エポキシシクロヘキサンメタノールのε−カプロラクトン(1〜10モル)付加物と多価(3〜20価)アルコール(GR、TMP、PE、DPE、ヘキサペンタエリスリトール)のエステル化物等。
本発明における有機溶剤(C)は、25℃での(C)100gに対する水の溶解度が0.3〜20g[塗料組成物中での(A)の分散安定性の観点から好ましくは1〜15g]である有機溶剤である。
(C)としては、例えばエステル(C4〜5、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル)、ケトン(C4〜6、例えばメチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、シクロヘキサノン)、エーテル(C2〜4、例えばジエチルエーテル)、アルコール(C8〜16、例えばデカノール)、およびこれらの混合物等が挙げられる。
本発明の組成物を構成する(A)、(B)および(C)の割合(重量%)は、(A)、(B)および(C)の合計重量に基づいて、(A)は分散安定性およびその他の性能付与(着色、帯電防止性、耐摩耗性等)の観点から好ましくは0.5〜50%、さらに好ましくは1〜40%、(B)は塗膜の強靭性および機能発現の観点から好ましくは20〜80%、さらに好ましくは25〜70%、(C)は塗工性および分散安定性の観点から好ましくは10〜70%、さらに好ましくは15〜50%である。
本発明の組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で必要によりさらに塗料、インキに使用される種々の添加剤(D)を含有させてもよい。(D)には、有機顔料(D1)、分散剤(D2)、消泡剤(D3)、レベリング剤(D4)、シランカップリング剤(D5)、チクソトロピー性付与剤(増粘剤)(D6)、スリップ剤(D7)、酸化防止剤(D8)および紫外線吸収剤(D9)からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤が含まれる。
(D)の合計の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、通常20%以下、好ましくは0.005〜10%である。
(D1)としては、下記のものが挙げられる。
(1)アゾ系顔料
不溶性モノアゾ顔料(トルイジンレッド、パーマネントカーミンFB、ファストイエローG等)、不溶性ジスアゾ顔料(ジスアゾイエローAAA、ジスアゾオレンジPMP等)、アゾレーキ(溶性アゾ顔料)(レーキレッドC、ブリリアントカーミン6B等)、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等
(2)多環式顔料
フタロシアニンブルー、インダントロンブルー、キナクリドンレッド、ジオキサジンバイオレット等
(3)染つけレーキ
塩基性染料(ビクトリアピュアブルーBOレーキ等)、酸性染料(アルカリブルートーナー等)等
(4)その他
アジン系顔料(アニリンブラック等)、昼光けい光顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料等
(D1)の使用量は、組成物の全重量に基づいて、通常10%以下、塗膜の可撓性の観点から好ましくは5%以下である。
(D2)としては、有機分散剤[高分子分散剤(Mn2,000〜500,000)および低分子分散剤(分子量100〜Mn2,000未満)]および無機分散剤が挙げられる。
高分子分散剤としては、ナフタレンスルホン酸塩[アルカリ金属(NaおよびK等)塩、アンモニウム塩等]のホルマリン縮合物、ポリスチレンスルホン酸塩(上記に同じ)、ポリアクリル酸塩(上記に同じ)、ポリ(2〜4)カルボン酸(マレイン酸/グリセリン/モノアリルエーテル共重合体等)塩(上記に同じ)、カルボキシメチルセルロース(Mn2,000〜10,000)およびポリビニルアルコール(Mn2,000〜100,000)等が挙げられる。
低分子分散剤としては、下記のものが挙げられる。
(1)ポリオキシアルキレン型
脂肪族アルコール(C4〜30)、[アルキル(C1〜30)]フェノール、脂肪族(C4〜30)アミンおよび脂肪族(C4〜30)アミドのAO(C2〜4)1〜30モル付加物
脂肪族アルコールとしては、n−、i−、sec−およびt−ブタノール、オクタノール、ドデカノール等;(アルキル)フェノールとしては、フェノール、メチルフェノールおよびノニルフェノール等;脂肪族アミンとしては、ラウリルアミンおよびメチルステアリルアミン等;および脂肪族アミドとしては、ステアリン酸アミド等が挙げられる。
(2)多価アルコール型
C4〜30の脂肪酸(ラウリン酸、ステアリン酸等)と多価(2〜6またはそれ以上)アルコール(例えばGR、PE、ソルビトールおよびソルビタン)のモノエステル化合物
(3)カルボン酸塩型
C4〜30の脂肪酸(前記に同じ)のアルカリ金属(上記に同じ)塩
(4)硫酸エステル型
C4〜30の脂肪族アルコール(上記に同じ)および脂肪族アルコールのAO(C2〜4)1〜30モル付加物の硫酸エステルアルカリ金属(前記に同じ)塩等
(5)スルホン酸塩型
[アルキル(C1〜30)]フェノール(上記に同じ)のスルホン酸アルカリ金属(前記に同じ)塩
(6)リン酸エステル型
C4〜30の脂肪族アルコール(上記に同じ)および脂肪族アルコールのAO(C2〜4)1〜30モル付加物のモノまたはジリン酸エステルの塩[アルカリ金属(上記に同じ)塩、4級アンモニウム塩等]
(7)1〜3級アミン塩型
C4〜30の脂肪族アミン[1級(ラウリルアミン等)、2級(ジブチルアミン等)および3級アミン(ジメチルステアリルアミン等)]塩酸塩、トリエタノールアミンとC4〜30の脂肪酸(上記に同じ)のモノエステルの無機酸(塩酸、硫酸、硝酸およびリン酸等)塩
(8)4級アンモニウム塩型
C4〜30の4級アンモニウム(ブチルトリメチルアンモニウム、ジエチルラウリルメチルアンモニウム、ジメチルジステアリルアンモニウム等)の無機酸(上記に同じ)塩等
が挙げられる。
無機分散剤としては、ポリリン酸のアルカリ金属(上記に同じ)塩およびリン酸系分散剤(リン酸、モノアルキルリン酸エステル、ジアルキルリン酸エステル等)等が挙げられる。
(D2)の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、通常5%以下、好ましくは0.05〜3%である。
(D3)としては、低級アルコール(C1〜6)(メタノール、ブタノール等)、高級アルコール(C8〜18)(オクチルアルコール、ヘキサデシルアルコール等)、高級脂肪酸(C10〜20)(オレイン酸、ステアリン酸等)、高級脂肪酸エステル(C11〜30)(グリセリンモノラウリレート)、リン酸エステル(トリブチルホスフェート等)、金属石けん(ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム等)、ポリエーテル[PEG(Mn200〜10,000)、PPG(Mn200〜10,000)等]、シリコーン(ジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フルオロシリコーンオイル等)および鉱物油系(シリカ粉末を鉱物油に分散させたもの)等が挙げられる。
(D3)の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、通常3%以下、好ましくは0.01〜2%である。
(D4)としては、PEG型非イオン界面活性剤(ノニルフェノールEO1〜40モル付加物、ステアリン酸EO1〜40モル付加物等)、多価アルコール型非イオン界面活性剤(ソルビタンパルミチン酸モノエステル、ソルビタンステアリン酸モノエステル、ソルビタンステアリン酸トリエステル等)、フッ素含有界面活性剤(パーフルオロアルキルEO1〜50モル付加物、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルベタイン等)、変性シリコーンオイル[ポリエーテル変性シリコーンオイル、(メタ)アクリレート変性シリコーンオイル等]等が挙げられる。
(D4)の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、通常3%以下、好ましくは0.1〜2%である。
(D5)としては、アミノ基含有シランカップリング剤(γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−フェニルアミノフロピルトリメトキシシラン等)、ウレイド基含有シランカップリング剤(ウレイドプロピルトリエトキシシラン等)、ビニル基含有シランカップリング剤[ビニルエトキシシラン、ビニルメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン等]、メタクリレート基含有シランカップリング剤(γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等)、エポキシ基含有シランカップリング剤(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等)、イソシアネート基含有シランカップリング剤(γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等)、ポリマー型シランカップリング剤(ポリエトキシジメチルシロキサン、ポリエトキシジメチルシロキサン等)、カチオン型シランカップリング剤[N−(N−ベンジル−β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩等]等が挙げられる。
(D5)の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、通常5%以下、好ましくは0.5〜3%である。
(D6)としては、無機チクソトロピー性付与剤(ベントナイト、有機処理ベントナイトおよび極微細表面処理炭酸カルシウム等)および有機チクソトロピー性付与剤(水添ヒマシ油ワックス、ステアリン酸カルシウム、オレイン酸アルミニウム、重合アマニ油等)が挙げられる。
(D6)の使用量は本発明の組成物の全重量に基づいて、通常5%以下、好ましくは0.5〜3%である。
(D7)としては、高級脂肪酸エステル(ステアリン酸ブチル等)、高級脂肪酸アミド(エチレンビスステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等)、金属石けん(ステアリン酸カルシウム、オレイン酸アルミニウム等)、ワックス[パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、カルボキシル基含有ポリエチレンワックス等)等]およびシリコーン(例えばジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイルおよびフルオロシリコーンオイル)等が挙げられる。
(D7)の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、通常5%以下、好ましくは0.01〜2%である。
(D8)としては、ヒンダードフェノール化合物〔トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネートジエチルエステル〕およびアミン化合物(n−ブチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミノメチルメタクリレート等)が挙げられる。
(D8)の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、通常3%以下、好ましくは0.005〜2%である。
(D9)としては、ベンゾトリアゾール化合物[2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等]、トリアジン化合物〔2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール〕、ベンゾフェノン(2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノン等)、シュウ酸アニリド化合物(2−エトキシ−2’−エチルオキサリック酸ビスアニリド等)が挙げられる。
(D9)の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、通常3%以下、好ましくは0.005〜2%である。
上記(D1)〜(D9)の間で添加剤が同一で重複する場合は、それぞれの添加剤が該当する添加効果を奏する量を他の添加剤としての効果に関わりなく使用するのではなく、他の添加剤としての効果も同時に得られることをも考慮し、使用目的に応じて使用量を調整するものとする。これは前記(B)と(D)が重複する場合も同様とする。
本発明の組成物は、(B)が不飽和ポリエステル、感光性樹脂[(メタ)アクリレート、脂環式エポキシ樹脂等]の場合、さらに熱硬化触媒および/または光重合開始剤を含有させることができる。
熱硬化触媒としては、有機過酸化物(t−ブチルパーオキシベンゾエート、ベンゾイルパーオキシド、メチルエチルケトンパーオキシド等)およびアゾ化合物(アゾビスイソブチロニトリルおよびアゾビスイソバレロニトリル等)等が挙げられる。これらのうち組成物の安定性(保存時にゲル化しない)および反応性の観点から好ましいのはt−ブチルパーオキシベンゾエートおよびメチルエチルケトンパーオキシドである。
光重合開始剤としては、ヒドロキシベンゾイル化合物(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインアルキルエーテル等)、ベンゾイルホルメート化合物(メチルベンゾイルホルメート等)、チオキサントン化合物(イソプロピルチオキサントン等)、ベンゾフェノン化合物(ベンゾフェノン等)、リン酸エステル化合物(1,3,5−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド等)、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。これらのうち塗膜の耐光性の観点から好ましいのは2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンおよび1,3,5−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドである。
熱硬化触媒および光重合開始剤の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、それぞれ通常20%以下、好ましくは0.1〜10%である。
本発明の組成物は、(B)が脂環式エポキシ樹脂の場合、さらに光カチオン重合開始剤をあらかじめ含有させておき、乾燥後に種々の方法(紫外線照射等)で硬化させることができる。
光カチオン重合開始剤としては、種々のもの、例えば、アリルスルホニウム塩[トリフェニルスルホニウムホスフェート、p−(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、p−(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等]、アリルヨードニウム塩[ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート等]、スルホン酸エステル[o−ニトロベンジルトシレート、ジメトキシアントラセンスルホン酸p−ニトロベンジルエステル、トシレートアセトフェノン等]、フェロセン〔(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)ヘキサフルオロホスフェート等〕が挙げられる。
光カチオン重合開始剤の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、組成物の硬化性の観点から好ましくは0.1〜20%、さらに好ましくは0.3〜10%、とくに好ましくは0.5〜5%である。
本発明の組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で必要により(C)以外のその他の溶剤を併用することができる。
該溶剤としては、例えば、芳香族炭化水素(C7〜10、例えばトルエン、キシレンおよびエチルベンゼン)、エステルまたはエーテルエステル(C4〜10、例えばメトキシブチルアセテート)、エーテル(C4〜10、例えば、テトラヒドロフラン、EGのモノエチルエーテル、EGのモノブチルエーテル、PGのモノメチルエーテルおよびDEGのモノエチルエーテル)、ケトン(C3〜10、例えば、メチルイソブチルケトン、ジ−n−ブチルケトン)、アルコール(C1〜10、例えばメタノール、エタノール、n−およびi−プロパノール、n−、i−、sec−およびt−ブタノール、2−エチルヘキシルアルコール)、アミド(C3〜6、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等)、スルホキシド(C2〜4、例えばジメチルスルホキシド)、およびこれらの2種以上の混合溶剤が挙げられる。
これらの溶剤の使用量は、(C)の重量に基づいて通常50%以下、好ましくは30%以下である。
本発明の塗料用組成物の製造方法としては、特に限定はされないが、混合時生じる泡を取り除き、(A)と(B)の濡れを良くするため、減圧下(13kPa以下)で行うのが好ましく、混合装置としては釜内減圧可能な万能混合機またはプラネタリーミキサー等が好ましい。混合する際の温度は、通常0〜60℃、組成物の均一混合性および分散安定性の観点から好ましくは5〜40℃、さらに好ましくは15〜35℃である。
混合する順序は、特に限定されず、(A)、(B)および(C)を同時に一括混合する方法、(A)を(B)または(C)に混合したのち、(C)または(B)を加える方法、(A)を(B)および(C)にそれぞれ混合した後、これらを混合する方法、(B)と(C)を混合したのち、(A)を混合する方法等のいずれの方法であってもよい。(A)、(B)および(C)以外で必要により加えられるその他の成分については、上記いずれかの方法の任意の段階で混合することができる。
本発明の塗料用組成物中の水の含有量(重量%)は、0.2〜5%、好ましくは0.5〜4%、さらに好ましくは1〜3%である。水分が0.2%未満では分散安定性が悪くなり、5%を超えると塗工性が悪くなる。
ここで、水分は、カールフィッシャー水分計[MKS−500、京都電子工業(株)製]を用いて下記方法で測定される値である。
(水分測定法)
滴定槽に溶媒(例えばメタノール/ピリジン、但し測定サンプルがケトンを含有する場合は、EG/ピリジン)を入れ、カールフィッシャー滴定溶液で無水の状態にする。試料約1gを精秤し、速やかに滴定槽内に加える。撹拌しながらカールフィッシャー滴定溶液で滴定する。
本発明の組成物に、水を含有させる方法としては、特に限定されることはなく、例えば[1](A)、(B)および/または(C)の各成分に予め水を含有させておく方法、[2](A)、(B)、(C)およびその他の成分の配合時に水も一括添加する方法、および[3]組成物を塗工する直前に水を添加する方法等が挙げられる。いずれの方法においても、該組成物中の水の含有量は最終的には塗工直前に測定される。
本発明の組成物の、JIS K−7117に規定の方法で得られる下記の粘度η1およびη2の粘度比(η1/η2 )は、分散安定性および塗工性の観点から、好ましくは2〜15(さらに好ましくは5〜11)で、かつη1が同様の観点から好ましくは10〜8,000mPa(さらに好ましくは300〜4,000mPa)である。
η1:回転速度 6回転/分における粘度(25℃)
η2:回転速度60回転/分における粘度(25℃)
本発明の組成物は、基材に塗工し必要により乾燥させることで基材の表面および/または裏面の少なくとも一部に被膜を有する被覆物を得ることができる。
該塗工に際しては、種々の装置、例えば塗工機[バーコーター、グラビアコーター、ロールコーター(サイズプレスロールコーター、ゲートロールコーター等)、エアナイフコーター、スピンコーター、ブレードコーター等]が使用できる。塗工膜厚は、乾燥後の膜厚として、通常0.5〜300μm、下限は耐摩耗性、耐溶剤性、耐汚染性の観点から、上限は乾燥性、硬化性の観点から好ましくは1〜250μmである。
使用できる基材は通常の塗料が適用できるものであれば、材質、形状、寸法等、特に限定されないが、材質としては例えば紙、木材、金属、プラスチック等、形状としては、例えばフィルム状、板状が挙げられる。
本発明の組成物は、公知の塗料の使用方法で塗膜にすることができる。例えば、(B)が熱可塑性樹脂の場合は、塗工後、乾燥させることで塗膜が得られる。(B)が熱硬化性樹脂の場合は、塗工後熱および/または活性エネルギー線(紫外線、電子線、X線等)で硬化させることで塗膜が得られる。例えば(B)が不飽和ポリエステル、(メタ)アクリレートの場合は、組成物中に前記熱硬化触媒および/または光重合開始剤を含有させて、熱および/または活性エネルギー線(紫外線、電子線、X線等)で硬化させることができ、また、(B)が脂環式エポキシ樹脂の場合は、組成物中に前記光カチオン重合開始剤を含有させて紫外線で硬化させることができる。
本発明の組成物の基材への塗工後の乾燥方法としては、例えば熱風乾燥(ドライヤー等)が挙げられる。乾燥温度は、通常10〜200℃、下限は乾燥速度の観点から、上限は塗膜の表面平滑性の観点から好ましくは30〜150℃である。乾燥時間は通常10分以下、生産性の観点から好ましくは1〜5分である。
上記乾燥後、熱により硬化させる場合は、通常50〜200℃、好ましくは80〜180℃のオーブンで1分〜20時間加熱処理される。
電子線で硬化させる場合は、種々の電子線照射装置〔例えばエレクトロンビーム[岩崎電気(株)製]〕を使用することができる。電子線の照射量は、通常0.5〜20Mrad、下限は組成物の硬化性の観点から、上限は硬化物(塗膜)の可撓性、並びに硬化物または基材の損傷を避けるとの観点から、好ましくは1〜15Mradである。
本発明の組成物を紫外線照射で硬化させる場合は、種々の紫外線照射装置〔例えばアイグランデージ[アイグラフィック(株)製、以下同じ。]〕を使用することができる。紫外線の照射量は、通常10〜10,000mJ/cm2、下限は組成物の硬化性の観点から、上限は硬化物の可撓性の観点から、好ましくは100〜5,000J/cm2である。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例中の部は重量部、%は重量%を示す。
製造例1
滴下ロート、温度計、還流冷却管および撹拌棒を備えたガラス製反応容器中に、Mn1,000のPTMG100部、1,4−ブタンジオール9.0部、およびイソホロンジイソシアネート66.6部を仕込み、120℃で3時間反応させた。40℃に冷却後、酢酸エチル300.2部、イソプロピルアルコール150.1部を加え、25℃に温度調整し、イソホロンジアミン15.4部、ジエタノールアミン2部を加え、40℃で2時間反応させポリウレタン組成物(U)を得た。(U)はNCO含量が0.001%、Mnが20,000であった。
実施例1〜8
表1の配合組成に従ってプラネタリーミキサーで30分間混錬し、実施例1〜8の塗料用組成物を得た。該組成物について水分、25℃での粘度および分散安定性を評価した結果を表1に示す。該評価の方法は下記のとおりである。
[1]水分
メタノール約30mlに試料1gを精秤して分散させ、カールフィッシャー法で水分を
測定した。
[2]粘度および粘度比(η1/η2
JIS K−7117に準じ、BL型粘度計[東京計器(株)製]を用いて下記の粘度を測定し、粘度比(η1/η2)を求めた。
η1:回転速度 6回転/分における粘度(25℃)
η2:回転速度60回転/分における粘度(25℃)
[3]分散安定性
口径2cm、高さ10cmの円筒形のガラス容器に試料を高さ9cmまで充填して25℃で静置、4時間後に試料全体の高さに対する上澄み高さの割合(%)を測定した。
実施例9〜11
表2の配合組成に従ってプラネタリーミキサーで30分間混錬し、実施例9〜11の塗料用組成物を得た。該組成物について水分、25℃での粘度および分散安定性、塗膜物性を評価した結果を表2に示す。該塗膜物性の評価方法は下記のとおりである。
[4]塗膜物性
試料をポリメチルメタクリレート板(基材、厚さ2mm)上にバーコーターで塗工し、ドライヤーで30秒間加熱して溶剤を乾燥除去した後、紫外線照射装置(アイグランデージ)で紫外線を2,000mJ/cm2照射し、硬化させる。得られた硬化物(塗膜)の鉛筆硬度、耐摩耗性、耐汚染性を下記の方法で評価する。
(1)鉛筆硬度
JIS K−5600に従って鉛筆硬度を評価する。
(2)耐摩耗性
JIS K−6902に従って、下記のテーバー摩耗試験法で耐摩耗性を評価する。
[テーバー摩耗試験法の手順]
<1> 基材の塗膜面とは反対側の片面を、粘着加工したボール紙に張り付け、100mm×100mmの大きさに切り取り、これを試験サンプルとする。
<2> JIS K−6902に従い、塗膜面についてテーバー摩耗試験(回転数200/分)を行う。試験前後の試験サンプル重量(mg)から、塗膜の摩耗量(mg)を算出する。
(3)耐汚染性
JIS K−6902に従い、下記の手順で耐汚染性評価を行う。汚染試験物は3品目(青インク、赤インクおよびマスタード)とする。
<1> 基材の塗膜面とは反対側の片面を、粘着加工したボール紙に張り付け、100mm×100mmの大きさに切り取り、これを試験サンプルとする。
<2> 塗膜面上に汚染試験物を滴下または付着させ、該滴下または付着箇所を時計皿で覆い、24時間室温で静置する。
<3> 時計皿を取り除いた塗膜面を水、さらにメタノールで洗い、乾燥した清浄なガーゼで拭ってから、1時間室温で静置する。
<4> 下記の基準で塗膜面の外観を評価する。
○ シミが残らない。
△ わずかにシミが残る。
× 明らかにシミが残る。
比較例1〜3
表1の配合組成に従ってプラネタリーミキサーで30分間混錬し、比較例1〜3の塗料用組成物を得た。実施例1〜8の組成物と同様に該組成物について評価した。結果を表1に示す。
比較例4〜6
表2の配合組成に従ってプラネタリーミキサーで30分間混錬し、比較例4〜6の塗料用組成物を得た。実施例9〜11の組成物と同様に該組成物について評価した。結果を表2に示す。
Figure 2006291126
Figure 2006291126
ED−50 :ワックス処理シリカ、体積平均粒径5.0μm[グレース(株)製:
サイロイドED−50]
アエロジル200 :シリカ、体積平均粒径0.2μm[日本アエロジル(株)製:アエロ
ジル200]
炭酸カルシウム :重炭酸カルシウム、体積平均粒径10.3μm[白石カルシウム(
株)製:ホワイトンA]
アルミナ :球状アルミナ、体積平均粒径20μm[昭和電工(株)製:アルミナ
ビーズCB−A20S]
EP828 :ビスフェノールAジグリシジルエーテル[ジャパンエポキシレジン
(株)製:エピコート828]
ヘロキシ107 :シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル[ジャパンエポ
キシレジン(株)製:ヘロキシ107]
BA−641 :ビスフェノールA(EO4モル付加物)ジアクリレート[三洋化成
工業(株)製:ネオマーBA−641]
TMPTA :TMPトリアクリレート[日本化薬(株)製:カヤラッドTMPTA

TEAI−2000:水添ブタジエン系ウレタンアクリレート[日本曹達(株)製:TEA
I−2000]
VR−77 :ビスフェノールAジグリシジルエーテルジアクリレート[昭和高分
子(株)製:リポキシVR−77]
2021 :3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロ
ヘキサンカルボキシレート[ダイセル化学(株)製:セロキサイド2
021]
3000 :リモネンジオキシド[ダイセル化学(株)製:セロキサイド3000

D1173 :2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン[
チバスペシャリティケミカルズ(株)製:ダロキュアー1173]
Disperbyk−108:分散剤[ビックケミー・ジャパン(株)製]
Disperbyk−174:分散剤[ビックケミー・ジャパン(株)製]
本発明の塗料用組成物は、比較的低粘度で、かつ無機充填剤の分散安定性に優れ、また、該組成物を用いた塗膜は、機械物性に優れることから、化粧板、壁紙、電気機器、包装材、建材および自動車用途等として幅広く用いられる。

Claims (6)

  1. 0.002〜20μmの体積平均粒径を有するシリカ(a1)を必須成分とする無機充填剤(A)、樹脂(B)および有機溶剤(C)からなり、0.2〜5重量%の水を含有してなることを特徴とする塗料用組成物。
  2. (A)が、(a1)以外の、0.5〜50μmの体積平均粒径かつ1.5〜7の真比重を有する無機充填剤(a2)をさらに含有してなる無機充填剤である請求項1記載の組成物。
  3. (C)が、25℃での水の溶解度0.3〜20g/有機溶剤100gを有する有機溶剤である請求項1または2記載の組成物。
  4. (B)が熱硬化性樹脂である請求項1〜3のいずれか記載の組成物。
  5. 熱硬化性樹脂が感光性樹脂である請求項4記載の組成物。
  6. JIS K−7117に規定の方法で得られる粘度η1およびη2の粘度比(η1/η2 )が2〜15で、かつη1が10〜8,000mPaである請求項1〜5のいずれか記載の組成物。
    η1:回転速度 6回転/分における粘度(25℃)
    η2:回転速度60回転/分における粘度(25℃)
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