JP2008248069A - 活性エネルギー線硬化性ハードコート用樹脂組成物 - Google Patents

活性エネルギー線硬化性ハードコート用樹脂組成物 Download PDF

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浩 吉持
Ayumi Sakaguchi
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Abstract

【課題】 表面硬度が高く、かつ耐擦傷性に優れ、かつ低カール性で、クラックが発生せず、また高い透明性を有するハードコート膜(塗膜)を形成する活性エネルギー線硬化性ハードコート樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 下記のイソシアヌレート化合物(a)と下記の多官能アクリレート化合物(b)とのウレタン化反応生成物(A)と、下記の多官能アクリレート(B)と、光重合開始剤(C)からなることを特徴とする活性エネルギー線硬化性ハードコート用樹脂組成物。
(a):ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体
(b):多価アルコール(c)とアクリル酸とのエステル化物であって、分子内に1個または2個の水酸基と3〜11個のアクリロイル基を有する多官能アクリレート
(B):多価アルコール(d)のすべての水酸基がアクリル酸によりエステル化された3〜12個のアクリロイル基を有する多官能アクリレート
【選択図】 なし

Description

本発明は、活性エネルギー線硬化性ハードコート樹脂組成物および該組成物を硬化させてなるハードコート膜を有するフィルムに関する。
従来、酢酸セルロースフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムは、加工性、軽量性、透明性および光学特性等の利点により液晶表示装置(LCD)をはじめとするディスプレイ用途に広く使用されている。
しかしながら、表面が傷付きやすいという欠点があるため、このフィルムの表面は、通常、耐擦傷性の付与を目的にハードコートされている。ハードコート材としては、オルガノポリシロキサンやメラミン等の熱硬化型ハードコート材、および多官能アクリレート等の活性エネルギー線硬化性ハードコート材が知られているが、生産性の観点から後者が主流となっている。
このような活性エネルギー線硬化性ハードコート材のうち、分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和基を有する多官能アクリレートモノマーを使用したハードコート材は、古くから知られている(例えば、特許文献1、2)。
また、多官能アクリレートモノマーの代わりに、1分子中に水酸基を1個以上かつ1個以上のアクリロイル基を有するアクリレートモノマーとポリイソシアネートとの反応物を使用することによって、活性エネルギー線硬化に伴う樹脂の硬化収縮を低減したハードコート材や、アルコキシシラン等で表面処理したシリカゾルやアルミナゾルを多官能アクリレートモノマーに添加することにより、耐擦傷性の向上をはかったハードコート材が知られている(例えば、特許文献3、4)。
特公昭49− 22951号公報 特開昭56−135526号公報 特開平9−68799号公報 特許第1416240号公報
多官能アクリレートモノマーを使用したハードコート材の場合、耐擦傷性を向上させる主な方策は架橋密度の増大であり、そのため市販の多官能アクリレートの中で最も架橋密度の高いジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが使用される。
しかしながら、上記のような多官能アクリレートモノマーで設計したハードコート材は、活性エネルギー線で硬化させる際に生じる体積収縮(硬化収縮)が大きく、ハードコート膜にクラックが生じる。この不具合を避けるため、その膜厚は、3〜5μm程度に制限される。従って、被塗布材料が、数mm以上の厚みを有し、複層貼り合わせではなく、単体における表面硬度(鉛筆硬度。以下同じ。)が比較的高いもの、例えばポリメチルメタクリレート樹脂板上にハードコート膜を形成した場合、表面硬度は5〜6Hと高い値を示すが、トリアセチルセルロースフィルムなどの数10μm程度の薄膜で柔軟なフィルム上にハードコート膜を形成させた場合、表面硬度は2〜3H程度しかなく、決して満足のいくものではなかった。
一方、フィルム上に形成させたハードコート膜の表面硬度を向上させるには、ハードコート膜の厚みを増すことが有効であることが知られている。
しかしながら、原料の多官能アクリレートモノマー中には、副生成物であるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを多量に含有しているため、硬化収縮の低減の効果は小さく、ハードコート膜の厚みは5〜6μm程度が限界であり、ハードコート膜の表面硬度向上は充分には達成されていない。
そこで、本発明の目的は、表面硬度が高く、耐擦傷性、耐クラック性に優れ、かつ硬化収縮が小さいため低カール性で、さらに光学部品として使用する際の高い透明性を有する活性エネルギー線硬化性ハードコート樹脂組成物を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、下記のイソシアヌレート化合物(a)と下記の多官能アクリレート化合物(b)とのウレタン化反応生成物(A)と、下記の多官能アクリレート(B)と、光重合開始剤(C)からなり、(B)の割合が、(A)100重量部に基づいて 35〜55重量部であることを特徴とする活性エネルギー線硬化性ハードコート用樹脂組成物である。
ただし、(a):ヘキサメチレンジイソシアネートの3〜9量体;
(b):多価アルコール(c)とアクリル酸とのエステル化物であって、分子内に1個または2個の水酸基と3〜11個のアクリロイル基を有する多官能アクリレート;
(B):多価アルコール(d)のすべての水酸基がアクリル酸によりエステル化された4〜12個のアクリロイル基を有する多官能アクリレートである。
本発明の樹脂組成物は、硬化収縮が小さく、この組成物を硬化させてなるハードコート膜を有するフィルムは、下記の効果を奏する。
(1)表面硬度が高い。
(2)耐擦傷性に優れる。
(3)低カール性である。
(4)ハードコート膜にクラックが発生することがない。
(5)透明性および外観などの光学的特性に優れる。
本発明の活性エネルギー線硬化性ハードコート用樹脂組成物は、ウレタン化反応生成物(A)と、下記の多官能アクリレート(B)と、光重合開始剤(C)を必須成分とし、このウレタン化反応生成物(A)は、下記のイソシアヌレート化合物(a)と下記の多官能アクリレート化合物(b)との反応で得られるものである。
(a):ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体
(b):多価アルコール(c)とアクリル酸とのエステル化物であって、分子内に1個または2個の水酸基と3〜11個のアクリロイル基を有する多官能アクリレート
(B):多価アルコール(d)のすべての水酸基がアクリル酸によりエステル化された4〜12個のアクリロイル基を有する多官能アクリレート
本発明におけるウレタン化反応生成物(A)は、上記のイソシアヌレート化合物(a)と、上記の多官能アクリレート化合物(b)をウレタン化することにより得られる反応生成物である。
1分子中に、通常3〜6個、好ましくは 3〜4個のウレタン結合基を有し、かつ通常9〜30個、好ましくは15〜25個のアクリロイル基を有する。
1分子中のウレタン結合基の数が3個未満では、1分子中のアクリロイル基数が小さいため、硬化における架橋が不十分となり、表面硬度が低く耐擦傷性が悪くなる。また、アクリロイル基の数が9個未満では表面硬度が低く耐擦傷性が悪くなる。
本発明のイソシアヌレート化合物(a)は、ヘキサメチレンジイソシアネート3〜9量体、またはこれらの混合物であり、好ましくはヘキサメチレンジイソシアネート3〜5量体、またはこれらの混合物が挙げられ、さらに好ましくはヘキサメチレンジイソシアネート3量体が挙げらる。
ヘキサメチレンジイソシアネート3量体は、下記の化学構造を有する。
Figure 2008248069
他のイソシアヌレート化合物、たとえば芳香族イソシアネートに由来するイソシアヌレート化合物を用いると、そのウレタン反応生成物の硬化物は、表面硬度や耐擦傷性に優れるものの、経時により黄色に着色するため、最表面に使用されることの多いハードコート用樹脂組成物としてはふさわしくない。特に、ディスプレイ表層などの光学用途には使用できない。
また、イソホロンジイソシアネートなどの脂環族イソシアネートに由来するイソシアヌレート化合物を用いると、そのウレタン反応生成物の硬化物は、低カール性、透明性に優れるものの、表面硬度や耐擦傷性に劣るため、ハードコート用樹脂組成物として不適である。
本発明の多官能アクリレート化合物(b)は、多価アルコール(c)とアクリル酸とのエステル化物であって、分子内に1個または2個の水酸基と3〜11個のアクリロイル基を有する多官能アクリレートである。
この多価アルコール(c)としては、通常、4価〜8価もしくはそれ以上の多価アルコール、好ましくは4〜6価の多価アルコールである。
このような多価アルコール(c)の具体例としては、4〜6価のアルコールとしては、ペンタエリスリトール、グルコシド(メチルグルコシド等の置換体);ソルビトール、エリスリトール、マンニトール、キシリトール、ショ糖、グルコース、フラクトース、マンノース、ラクトースなどの糖類];および3価のアルコールの脱水エーテル化縮合物が挙げられる。
ここで、脱水エーテル化縮合物を誘導する3価のアルコールとしては、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、グリセリン、1,2 ,6−ヘキサントリオール、シクロヘキサントリオール、トリメチロールエタンが挙げられる。
脱水エーテル化縮合物の具体例としては、ペンタエリスリトールの脱水エーテル化縮合物であるジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、テトラペンタエリスリトールなど;トリメチロールプロパンの脱水エーテル化縮合物であるジトリメチロールプロパン、トリメチロールプロパンの3量体など;グリセリンの脱水エーテル化縮合物であるジグリセリン、グリセリンの3量体などが挙げられる。
本発明の多官能アクリレート化合物(b)としては、ペンタエリスリトールとアクリル酸とのエステル化物、またはペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、グリセリンなどの3価のアルコールの脱水エーテル化縮合物とアクリル酸とのエステル化物であって、分子内に1個または2個の水酸基と3〜11個のアクリロイル基を有する多官能アクリレートである。
具体例としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリペンタエリスリトールペプタアクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパントリアクリレート、ジグリセリントリアクリレート、さらに好ましいのはジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレートである。
本発明における第2の必須成分である多官能アクリレート(B)は、多価アルコール(d)のすべての水酸基がアクリル酸によりエステル化された3〜11個のアクリロイル基を有する多官能アクリレートである。
ここで、多価アルコール(d)は、多官能アクリレート化合物(b)で用いる多価アルコール(c)として説明した多価アルコール(c)と同様のものが使用できる。
多官能アクリレート(B)の具体例としては、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリペンタエリスリトールオクタアクリレート、テトラペンタエリスリトールウンデカアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジグリセリンテトラアクリレートなどが挙げられる。
これらのうち好ましいのは、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、さらに好ましいのは、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートである。
(B)の含有量は、(A)100重量部に基づいて、塗膜の表面硬度および硬化収縮の観点から、35〜55重量部であり、好ましくは、40〜50重量部、さらに好ましくは43〜47重量部である。35重量部未満の場合は、塗膜の表面硬度が劣り、55重量部を超える場合は、硬化収縮が大きくなるため、プラスチックフィルムや板に塗布した場合、カールや反りが大きくなる。さらには、塗膜にクラックが生じてしまう。
本発明における第3の必須成分である光重合開始剤(C)としては、ベンゾイン化合物[C14〜18、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル];アセトフェノン化合物〔C8〜18、例えばアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン〕;アントラキノン化合物[C14〜19、例えば2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン];チオキサントン化合物[C13〜17、例えば2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン];ケタール化合物[C16〜17、例えばアセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール];ベンゾフェノン化合物[C13〜21、例えばベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、4,4’−ビスメチルアミノベンゾフェノン];ホスフィンオキサイド化合物[C22〜28、例えば2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2、6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド]が挙げられる。
上記(C)は、1種単独使用でも2種以上を併用してもよい。
これらのうち、活性エネルギー線照射後に黄変しにくいとの観点から好ましいのは、アセトフェノン化合物およびホスフィンオキサイド化合物、さらに好ましいのは、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドおよびビス−(2、6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、とくに好ましいのは、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンである。
(C)の含有量は、(A)と(B)の合計100重量部に基づいて、組成物の活性エネルギー線硬化性および塗膜の耐光性の観点から好ましくは1〜25重量部、さらに好ましくは3〜15重量部、最も好ましくは7〜11重量部である。
本発明のハードコート用樹脂組成物には、(A)と(B)と(C)以外に、特定の化学構造のポリエーテル変性オルガノポリシロキサン(D)を含有させることにより、塗布性、塗膜の透明性、塗膜表層のスリップ性を向上させることができる。ここで塗布性とは、樹脂組成物のプラスチックフィルムへの塗布に際して、フィルム上でのハジキ、ブツ等の塗膜欠陥の発生の有無、すなわちレベリング性を意味する。
本発明におけるポリエーテル変性オルガノポリシロキサン(D)は、下記一般式(2)で表され、(D)には分子末端および/または側鎖にポリエーテル基を有するもの、およびポリエーテル末端の水酸基がアセチル化されたもの等が含まれる。
Figure 2008248069
式(2)中、R1は炭素数1〜4(好ましくは1〜3)のアルキル基を表す。
Xは−(CH2)3−O−[(C24O)p/(C36O)q]−R2で表されるポリエーテル鎖を表し、式中のR2は水素原子、炭素数1〜4(好ましくは1〜3)のアルキル基もしくはアセチル基を表す。これらのうち、好ましいのはアルキル基である。
p、qは、それぞれ、p+q=2〜100を満たす正の整数を表す。好ましくは、p+q=20〜60である。
ここで、[(C24O)p/(C36O)q]のエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの結合様式はランダムおよび/またはブロックのいずれでもよい。
また、式中のMeはメチル基を表す。
m、nは、それぞれ、m+n=10〜200を満たす正の整数である。好ましくは、m+n=80〜150である。
a、b、cはそれぞれ独立に、0または1を表し、nが0のときはaとcは同時に1になることはない。
本発明のポリエーテル変性オルガノポリシロキサン(D)の数平均分子量は、低ブリードアウト性、塗膜の透明性および塗膜のレベリング性の観点から好ましくは2,500〜100,000、さらに好ましくは3,000〜50,000である。
ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン(D)の具体例としては、(1)ジメチルポリシロキサンの両末端がポリエーテルで変性された(2)ジメチルポリシロキサンの側鎖がポリエーテルで変性されたもの(3)ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサンを含有するレベリング剤などが挙げられる。
以上の市販の商品名としては、(1)のSF8427、BY16−004[いずれも東レ・ダウコーニング(株)製]など;(2)のSH3771、SH8400[いずれも東レ・ダウコーニング(株)製];(3)のBYK−300、BYK−306、BYK−307、BYK−310、BYK−330、BYK−331、BYK−333、BYK−377[いずれもビックケミー・ジャパン(株)製の商品名]が挙げられる。
(D)の含有量は、(A)と(B)の合計重量に基づいて、塗布性、耐擦傷性、硬化塗膜のスリップ性、および塗膜の透明性、べたつきの観点から、通常、0.01〜2.5%、好ましくは0.1〜1重量%である。
本発明のハードコート用樹脂組成物には、本発明の効果をさらに向上させる目的で、前記(A)と(B)のアクリロイル基含有化合物以外に、他のアクリロイル基含有化合物(E)を含有させることができる。このアクリロイル基含化合物(E)を含有させることで硬化収縮を低減したり、基材への付着性や耐擦傷性をさらに向上させることができる。
このアクリロイル基含化合物(E)としては、種々のアクリロイル基含有化合物を特に限定なく使用することができ、下記(1)〜(8)およびこれらの混合物が挙げられる。
(1)モノアクリロイル基含有化合物
(1−1)C1〜30の脂肪族1価アルコールのアクリレート
メチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、オレイルアクリレート等
(1−2)C6〜30の脂環式1価アルコールのアクリレート
シクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート等
(1−3)上記脂肪族または脂環式1価アルコールのアルキレンオキシド(以下AOと略記)[C2〜12、例えばエチレンオキシド(以下、EOと略記)、プロピレンオキシド(以下、POと略記)、ブチレンオキシド]1〜30モル付加物のアクリレート
ラウリルアルコールEO2モル付加物のアクリレート、ラウリルアルコールPO3モル付加物のアクリレート、シクロヘキサノールEO2モル付加物のアクリレート、イソボルネオールPO4モル付加物のアクリレート等
(1−4)C6〜30の[アルキル(C1〜20)]フェノールのAO1〜30モル付加物のアクリレート
フェノールPO3モル付加物のアクリレート、ノニルフェノールEO1モル付加物のアクリレート等
(1−5)複素環含有アクリロイル基含有化合物
N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド等
(2)ジアクリレート
(2−1)(ポリ)オキシアルキレン(C2〜4)(分子量62以上かつMn3,000以下)のジアクリレート
ポリエチレングリコール(以下、PEGと略記)(Mn400)、ポリプロピレングリコール(以下、PPGと略記)(Mn200)およびポリテトラメチレングリコール(以下、PTMGと略記)(Mn650)の各ジアクリレート等
(2−2)C2〜30の脂肪族2価アルコールのジアクリレート
ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレンジオールの各ジアクリレート等
(2−3)C6〜30の脂環式骨格を有する2価アルコールのジアクリレート
ジメチロールトリシクロデカンのジアクリレート、シクロヘキサンジメタノールのジアクリレートおよび水素化ビスフェノールAのジアクリレート等
(2−4)上記脂肪族または脂環式2価アルコールのAO2〜30モル付加物のジアクリレート
(2−5)ビスフェノール化合物のAO2〜30モル付加物のジアクリレート
ビスフェノールA、−Fおよび−SのEO2モルまたはPO4モル付加物の各ジアクリレート等
(3)トリおよびテトラアクリレート
(3−1)C3〜40の多価(3価〜6価またはそれ以上)アルコールのトリまたはテトラアクリレート
トリメチロールプロパントリアクリレート、グリセリントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート等
(3−2)上記多価(3価〜6価またはそれ以上)アルコールAO付加物のトリまたはテトラアクリレート
トリメチロールプロパンのPO3モル付加物のトリアクリレート、トリメチロールプロパンのEO3モル付加物のトリアクリレート、ペンタエリスリトールのEO4モル付加物のテトラアクリレート等
(4)ポリエステルアクリレート
多価(2価〜4価)カルボン酸、多価(2価〜8価またはそれ以上)アルコールおよびエステル形成性のアクリロイル基含有化合物のエステル化により得られる複数のエステル結合と1〜5個のアクリロイル基を有する分子量150以上かつMn4,000以下のポリエステルアクリレート
ヒドロキシ無水フタル酸とトリメチロールプロパンおよびアクリル酸のエステル化により得られるテトラアクリレート等
(5)ウレタンアクリレート
ポリ(2官能〜3官能またはそれ以上)イソシアネート、多価(2価〜6価またはそれ以上)ポリオール、水酸基含有アクリレートとのウレタン化反応により得られる複数のウレタン結合と1〜5個のアクリロイル基を有する分子量400以上かつMn5,000以下のウレタンアクリレート
イソホロンジイソシアネートとトリメチロールプロパンジアクリレートのウレタン化により得られるテトラアクリレート等
(6)エポキシアクリレート
エポキシ樹脂〔ビスフェノールA型および−F型エポキシ樹脂、ポリイソシアネート(トリレンジイソシアネート等)変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのPO付加物の末端グリシジルエーテル等〕とアクリル酸の反応物であるエポキシアクリレート
ビスフェノールAジグリシジルエーテルアクリル酸付加物等
(7)末端および/または側鎖に(メタ)アクリロイル基を有するブタジエン重合体
ポリブタジエンアクリレート(Mn500〜500,000)等
(8)ジメチルポリシロキサンの末端および/または側鎖にアクリロイル基を有するシロキサン重合体
数平均分子量(Mn)300〜20,000、例えばジメチルポリシロキサンジアクリレート等
これらのアクリロイル基含化合物(E)は、1種単独または2種以上の併用ができる。併用の場合、低硬化収縮の観点から好ましいのは(2)と(3)の併用である。
このアクリロイル基含有化合物(E)の使用量は、(A)〜(C)の合計重量に基づいて通常30重量%以下、基材フィルムとの密着性および塗膜の耐擦傷性の観点から好ましくは5〜20重量%、さらに好ましくは、7〜15重量%である。
また、本発明のハードコート用樹脂組成物は、さらに必要により、本発明における光重合開始剤(C)に加えて、増感剤(F)を含有させることができる。
増感剤(F)の使用量は、(A)〜(C)の合計重量に基づいて、通常3重量%以下、硬化速度および硬化塗膜の低着色性の観点から好ましくは0.01〜1重量%、さらに好ましくは0.05〜0.5重量%である。
上記増感剤(F)としては、色素増感剤(キサンテン、チオキサンテン、クマリン、チオクマリン等)の他に、アルキルアミン増感剤(トリエチルアミン等)、アルカノールアミン増感剤(エタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等)、アミノ安息香酸化合物増感剤(4−ジメチルアミノ安息香酸等)、アミノ安息香酸エステル増感剤(4−ジメチルアミノ安息香酸−メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸−エチルおよび4−ジメチルアミノ安息香酸−イソアミル等)等が挙げられる。
本発明のハードコート用樹脂組成物には、さらに必要により、本発明の効果を阻害しない範囲で、後述する硬化膜に防眩性を付与するために無機微粒子(無機顔料を含む)、有機微粒子(有機顔料を含む)等を含有させることができる。
無機微粒子としては、体積平均粒径が0.01〜5μmのもの、例えばカーボンブラック(チャンネルブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック等)、シリカ(微粉ケイ酸、含水ケイ酸、ケイ藻土、コロイダルシリカ等)、ケイ酸塩(微粉ケイ酸マグネシウム、タルク、ソープストーン、ステアライト、ケイ酸カルシウム、アルミノケイ酸マグネシウム、アルミノケイ酸ソーダ等)、炭酸塩[沈降性(活性、乾式、重質または軽質)炭酸カルシウム、白亜、炭酸マグネシウム等]、クレー(カオリン質クレー、セリサイト質クレー、バイロフィライト質クレー、モンモリロナイト質クレー、ベントナイト、酸性白土等)、アルミナ(水和物)(酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、アルミナホワイト等)、ジルコニア(酸化ジルコニウム等)、硫酸アルミニウム(硫酸バンド、サチンホワイト等)、硫酸バリウム(バライト粉、沈降性硫酸バリウム、リトポン等)、石膏(無水および半水石膏等)、鉛白、マイカ、亜鉛華、酸化チタン、活性フッ化カルシウム、ゼオライト、セメント、石灰、亜硫酸カルシウム、二硫化モリブデン、アスベスト、ガラスファイバー、ロックファイバー、マイクロバルーン(シラス、ガラス)等が挙げられ、これらの無機微粒子は2種以上併用してもよい。
これらの無機微粒子のうち、後述のハードコートフィルムの透明性の観点から好ましいのはシリカ、タルク、沈降性炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ(水和物)、硫酸バリウム、マイカ、酸化チタン、さらに好ましいのは、コールターカウンター法による体積平均粒径が0.01〜0.1μmのシリカである。
無機微粒子の使用量は、(A)〜(C)の合計重量に基づいて通常200%以下、防眩性および塗膜の透明性の観点から、好ましくは0.5〜100%である。
無機微粒子の形状は、特に限定されず、中空状、多孔質状、花弁状、凝集状、造粒状、球状等が挙げられ、硬化塗膜の防眩性の観点から、好ましいのは中空状、多孔質状および球状である。これらは、顔料としての役目も有する。
有機微粒子としては、下記のものが挙げられる。
(1)アゾ顔料
不溶性モノアゾ顔料(トルイジンレッド、パーマネントカーミンFB、ファストイエローG等)、不溶性ジスアゾ顔料(ジスアゾイエローAAA、ジスアゾオレンジPMP等)、溶性アゾ顔料(アゾレーキ)(レーキレッドC、ブリリアントカーミン6B等)、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等;
(2)多環式顔料
フタロシアニンブルー、インダントロンブルー、キナクリドンレッド、ジオキサジンバイオレッド等
(3)染つけレーキ
塩基性染料(ビクトリアピュアブルーレーキ等)、酸性染料(アルカリブルートーナー等)
(4)有機ビーズ(コールターカウンター法による体積平均粒径0.1〜2μm)
アクリルビーズ、ポリスチレンビーズ、ウレタンビーズ、エポキシビーズ等
(5)その他
アジン顔料(アニリンブラック等)、昼光けい光顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料等
これらの有機微粒子は、2種以上併用してもよい。
これらの有機微粒子のうち、後述のハードコートフィルムの透明性の観点から好ましいのは有機ビーズである。
有機微粒子の使用量は、(A)〜(C)の合計重量に基づいて通常100%以下、塗膜の透明性の観点から、好ましくは0.1〜50%である。
有機微粒子の形状は、特に限定されず、中空状、多孔質状、花弁状、凝集状、造粒状、球状等が挙げられ、硬化塗膜の防眩性の観点から、好ましくは中空状、多孔質状および球状である。
本発明の樹脂組成物には、さらに必要により、上記無機または有機微粒子等用の分散剤や、消泡剤、シランカップリング剤、チクソトロピー性付与剤(増粘剤)、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の、通常塗料、インキ等に添加されるその他の添加剤を任意に含有させることができる。
上記添加剤(分散剤〜紫外線吸収剤)の使用量は、それぞれ本発明の樹脂組成物の全体の重量に基づいて通常5%以下、好ましくは2%以下である。
分散剤としては、有機分散剤[高分子(Mn2,000〜500,000)分散剤および低分子(Mn2,000未満)分散剤]および無機分散剤が挙げられる。
高分子有機分散剤としては、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリアクリル酸塩、カルボキシメチルセルロース、ポリカルボン酸塩、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
低分子有機分散剤としては、下記の(1)〜(8)が挙げられる。
(1)ポリオキシアルキレンジオール型
C4〜30の脂肪族2価アルコールのAO(C2〜4)1〜30モル付加物、C7〜30のアルキルフェノールのAO1〜30モル付加物、C4〜30の脂肪族ジアミンのAO1〜30モル付加物、C4〜30の脂肪族アミドのAO1〜30モル付加物等;
(2)多価アルコール型
C4〜30の脂肪酸とグリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトールまたはソルビタンとのモノエステル化合物等;
(3)カルボン酸塩型
C4〜30の脂肪酸ナトリウム等;
(4)硫酸エステル型
C4〜30の脂肪族アルコールの硫酸エステルナトリウム、C4〜30の脂肪族アルコール硫酸エステルアンモニウム、C4〜30の脂肪族アルコールのAO1〜30モル付加物の硫酸エステルナトリウム等;
(5)スルホン酸塩型
C7〜30のアルキルフェノールのスルホン酸ナトリウムおよびスルホン酸カルシウム等;
(6)リン酸エステル型
C4〜30の脂肪族アルコールのリン酸モノエステルのナトリウム塩、リン酸ジエステルのナトリウム塩およびリン酸モノエステルの4級アンモニウム塩等;
(7)第1〜3級アミン塩型
C4〜30の脂肪族アミン(第1〜3級)塩酸塩、トリエタノールアミンとC4〜30の脂肪酸のモノエステルの塩酸塩等;
(8)第4級アンモニウム塩型
C4〜30の脂肪族4級アンモニウムの塩酸塩等;
無機分散剤としては、ポリリン酸塩、リン酸等のリン酸化合物が挙げられる。
消泡剤としては、低級アルコール(C1〜4、例えばメタノール、ブタノール)、高級アルコール(C6〜30、例えばオクチルアルコール、ヘキサデシルアルコール)、脂肪酸(C4〜30、例えばオレイン酸、ステアリン酸)、脂肪酸エステル(C7〜36、例えばグリセリンモノラウレート)、リン酸エステル(C6〜20、例えばトリブチルホスフェート)、金属石けん(C18〜30、例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、鉱物油、ポリエーテル(例えばPEG、PPG)、シリコーン[例えばジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フルオロシリコーンオイル。但し本発明における(D)を除く。]等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、アミン化合物(γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン等)、ウレイド化合物(ウレイドプロピルトリエトキシシラン等)、ビニル化合物[ビニルエトキシシラン、ビニルメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン等]、メタクリレート系(γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等)、エポキシド(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等)、イソシアネート化合物(γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等)、ポリマー型(ポリメトキシジメチルシロキサン、ポリエトキシジメチルシロキサン等)、カチオン型[N−(N−ベンジル−β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩等]等のシランカップリング剤が挙げられる。
チクソトロピー性付与剤(増粘剤)としては、無機チクソトロピー性付与剤(増粘剤)(ベントナイト、有機処理ベントナイト、極微細表面処理炭酸カルシウム等)、有機チクソトロピー性付与剤(増粘剤)(水添ヒマシ油ワックス、ステアリン酸カルシウム、オレイン酸アルミニウム、重合アマニ油等)等が挙げられる。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール〔トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート−ジエチルエステル等〕、アミン(n−ブチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミノメチルメタクリレート等)等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール[2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等]、トリアジン〔2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール等〕、ベンゾフェノン(2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノン等)、シュウ酸アニリド(2−エトキシ−2’−エチルオキサリック酸ビスアニリド等)等が挙げられる。
本発明のハードコート用樹脂組成物は、(A)〜(C)、および必要に応じて、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン(D)、アクリロイル基含有化合物(E)、増感剤(F)、無機・有機微粒子、その他の添加剤等を均一に混合した後、使用される。添加、混合の順序は特に制限されない。
混合する方法としては、特に制限はないが、前述の必須成分、および必要に応じてアクリロイル基含有化合物(E)、各種添加剤成分を配合した組成物を混合する温度は、通常0〜70℃、組成物のゲル化を防止する観点から好ましくは、15〜60℃である。また、30分〜3時間混合を行うと組成物が均一に溶解または分散するので好ましい。
混合する装置としては、ディスパーザー、ホモジナイザー、サンドグラインダー、ポールミル、コロイドミル等が挙げられ、好ましいのは、ディスパーザーとホモジナイザーである。
また、本発明のハードコート用樹脂組成物は、基材への塗布に当たり有機溶剤で希釈して使用することもできる。有機溶剤としては、例えば、エステル(酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸ベンジル、エチレングリコールモノブチルアセテート、乳酸ブチル、レピリン酸ブチル等)、ケトン(メチルエチルケトン、エチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、アルコール(エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ベンジルアルコール、メチルフェニルカルビトール、n−およびt−ブタノール等)、(アルキル置換)芳香族炭化水素(キシレン等)、ハロゲン化炭化水素(メチレンジクロライド、エチレンジクロライド等)、石油系溶剤(石油エーテル、石油ナフサ等)が挙げられる。これらは1種単独でも、2種以上併用してもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化性ハードコート用樹脂組成物は、基材の片面の少なくとも一部に塗布し、紫外線、電子線、X線、赤外線および可視光線からなる群から選ばれる活性エネルギー線を照射して硬化させて得られる。基材がフィルムの場合、塗膜付きのフィルム全体の厚みは通常20〜200μm、ハードコートフィルムとしての取り扱いのし易さの観点から好ましくは30〜100μmである。
本発明の活性エネルギー線硬化型ハードコート用樹脂組成物を塗布する基材としては、ポリメタクリレート、セルロースアセテート、ポリエステル、ポリカーボネート、ノルボルネン、ポリアレートなどの樹脂フィルムや樹脂板などが挙げられる。
本発明の活性エネルギー線硬化性ハードコート用樹脂組成物を基材の片面の少なくとも一部に塗布する方法としては、塗工法(バーコーター、メイヤーバー、エアナイフ等を用いるもの)、および印刷法(グラビア印刷、リバースグラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷等)等が挙げられる。
塗布膜厚は、硬化後の膜厚として、ハードコートフィルムの表面硬度を向上させる観点および活性エネルギー線硬化による樹脂組成物の硬化収縮性の観点から好ましくは2〜15μm、さらに好ましくは4〜13μmである。
本発明の樹脂組成物を硬化させる際に照射する活性エネルギー線には、紫外線、電子線、X線、赤外線および可視光線が含まれる。これらの活性エネルギー線のうち硬化性と樹脂劣化の観点から好ましいのは紫外線と電子線である。
本発明の組成物を紫外線照射で硬化させるに際しては、種々の紫外線照射装置〔アイグランデージ[商品名、アイグラフィック(株)製]、キセノンランプ、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等〕を使用することができる。紫外線の照射量は、通常10〜10,000mJ/cm2、組成物の硬化性の観点から好ましい下限は100mJ/cm2、硬化物の可撓性の観点から好ましい上限は5,000mJ/cm2である。
また、本発明の組成物を電子線照射で硬化させるに際しては、種々の電子線照射装置[例えばエレクトロンビーム、岩崎電気(株)製]を使用することができる。電子線の照射量は、通常0.5〜20Mrad、組成物の硬化性の観点から好ましい下限は1Mrad、さらに好ましくは2Mrad、硬化物の可撓性、並びに硬化物または基材の損傷を避けるとの観点から、好ましい上限は15Mrad、さらに好ましくは7Mradである。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。以下の記述において、特に指定しない限り、「部」は「重量部」、%は重量%を示す。
分子内に1または2個の水酸基と3〜11価のアクリロイル基を有する多官能アクリレートを、以下の製造例1、2、および比較製造例1で製造した。
製造例1
撹拌装置、冷却管、温度計および生成水除去用のガラス管を備えたガラス製反応容器に、ペンタエリスリトール1.7%、ジペンタエリスリトール86.9%、トリペンタエリスリトール7.1%、その他組成物(トリペンタエリスリトールまたはそれ以上の多価アルコール)4.3%である混合物[商品名「ジペンタエリスリトール」、広栄化学工業(株)製、水酸基価39、以下同じ。]300部、アクリル酸510部、硫酸25部、ハイドロキノン5部、トルエン300部を仕込み、110℃で15時間加熱還流し反応させた。生成水は127部得られた。次いで、冷却しトルエン1,500部を追加し、15%NaOH水溶液で中和洗浄した。分液後、水層を除去し、さらに15%NaCl水溶液300mlで3回洗浄し、次いでp−メトキシフェノール0.25部をトルエン層に仕込み、トルエンを減圧留去することにより、多官能アクリレート混合物(P−1)586部を得た。
(P−1)は、粘度7,300mPa・s(25℃)、比重1.19(25℃)、水酸基価107m当量/gであった。
また、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(東ソー(株)製、型式HCL−8120。以下GPC)、および質量分析計を付帯した液体クロマトグラフィー(島津製作所製、型式LCMS2010EV。以下LC/MS)を用いて、その成分を確認した。
成分としては、ジペンタエリスリトールのテトラアクリレートとペンタアクリレート、ペンタエリスリトールのトリアクリレートなどの本発明の(b)成分;ジペンタエリスリトールのヘキサアクリレートとペンタエリスリトールのテトラアクリレートなどの本発明の(B)成分;ペンタエリスリトールの3以上の多量体のアクリレートなどが確認できた。
その含有比率の結果を表1に示す。
Figure 2008248069
製造例2
製造例1と同様の反応容器に、広栄化学工業(株)製の「ジペンタエリスリトール」300部に代えて、ペンタエリスリトール2.8%、ジペンタエリスリトール96.9%、トリペンタエリスリトール0.3%である混合物[商品名「ジペンタエリスリトール」、セラニーズ(株)製、水酸基価40。]300部、アクリル酸700部、硫酸25部、ハイドロキノン5部、トルエン300部、105℃で10時間加熱還流し反応させた。生成水は119部得られた。次いで、冷却しトルエン1,500部を追加し、15%NaOH水溶液で中和洗浄した。分液後、水層を除去し、さらに15%NaCl水溶液300mlで3回洗浄し、次いでp−メトキシフェノール0.25部をトルエン層に仕込み、トルエンを減圧留去することにより、多官能アクリレート混合物(P−2)550部を得た。
(P−2)は、粘度6,500mPa・s(25℃)、比重1.19(25℃)、水酸基価119m当量/gであった。また、製造例1と同様に、GPCおよびLC/MSを用いてその成分を確認した結果を表1に示す。
比較製造例1
製造例1と同様の反応容器に、「ジペンタエリスリトール」300部に代えて、セラニーズ(株)製の商品名「ジペンタエリスリトール300部、アクリル酸800部、硫酸25部、ハイドロキノン5部、トルエン300部、115℃で15時間加熱還流し反応させた。生成水は134部得られた。次いで、冷却しトルエン1,500部を追加し、15%NaOH水溶液で中和洗浄した。分液後、水層を除去し、さらに15%NaCl水溶液300mlで3回洗浄し、次いでp−メトキシフェノール0.25部をトルエン層に仕込み、トルエンを減圧留去することにより、多官能アクリレート混合物(P’−1)550部を得た。
(P’−1)は、粘度8,800mPa・s(25℃)、比重1.20(25℃)、水酸基価84m当量/gであった。また、製造例1と同様に、GPCおよびLC/MSを用いてその成分を確認した結果を表1に示す。
イソシアヌレートと多官能ウレタンアクリレート有する多官能アクリレートを反応させたウレタン化反応生成物を、以下の製造例3、4、ならびに比較製造例2〜4で製造した。
製造例3
製造例1と同様の反応容器に、製造例1で得られた多官能アクリレート混合物(P−1)100部、ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体[商品名「ディユラネートTLA−100」、旭化成ケミカルズ(株)製、NCO22.5%。]35.6部を仕込み、80℃で2時間加熱し反応させた。次いで、ウレタン化触媒としてジラウリン酸ジブチルすず(IV)[試薬、和光純薬工業(株)製]0.5部仕込み、85℃で6時間反応させた。
反応物のNCO%が0.1%以下になったことを確認後、p−メトキシフェノール0.25部を仕込み、多官能ウレタンアクリレート混合物(Q−1)132部を得た。
(Q−1)は、粘度54,500mPa・s(25℃)、比重1.20(25℃)であった。また、GPCおよびLC/MSを用いてその成分を確認した。
成分としては、ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体とジペンタエリスリトールペンタアクリレートとのウレタン化反応生成物(多官能ウレタンアクリレート)などの本発明の(A)成分;ジペンタエリスリトールのヘキサアクリレートとペンタエリスリトールのテトラアクリレートなどの本発明の(B)成分;ペンタエリスリトールの3以上の多量体のアクリレートなどが確認できた。
その含有比率の結果を表2に示す。
Figure 2008248069
なお、表2中の、「HDIT」はヘキサメチレンジイソシアネートの3量体を、「HDIP」はヘキサメチレンジイソシアネートの3〜9量体の混合物を、「IPDIT」はイソホロンジイソシアネートの3量体を、「HDI」はヘキサメチレンジイソシアネートを表す。
製造例4
製造例1と同様の反応容器に、製造例2で得られた多官能アクリレート混合物(P−2)100部、ヘキサメチレンジイソシアネートのポリイソシアネート体[商品名「ディユラネートTHA−100」、旭化成ケミカルズ(株)製、NCO21.4%。]39.2部を仕込み、80℃で2時間加熱し反応させた。次いで、ウレタン化触媒としてジラウリン酸ジブチルすず(IV)[試薬、和光純薬工業(株)製]0.5部仕込み、85℃で6時
間反応させた。反応物のNCO%が0.1%以下になったことを確認後、p−メトキシフェノール0.25部を仕込み、多官能ウレタンアクリレート混合物(Q−2)136部を得た。
(Q−2)は、粘度62,200mPa・s(25℃)、比重1.20(25℃)であった。また、製造例3と同様に、GPCおよびLC/MSを用いてその成分を確認した結果を表2に示す。
比較製造例2
製造例1と同様の反応容器に、製造例3で得られた多官能アクリレート混合物(P’−1)100部、ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体[商品名「ディユラネートTLA−100」、旭化成ケミカルズ(株)製、NCO22.5%。]28.0部を仕込み、80℃で2時間加熱し反応させた。次いで、ウレタン化触媒としてジラウリン酸ジブチルすず(IV)[試薬、和光純薬工業(株)製]0.5部仕込み、85℃で6時間反応させた
。反応物のNCO%が0.1%以下になったことを確認後、p−メトキシフェノール0.25部を仕込み、多官能ウレタンアクリレート混合物(Q’−1)124部を得た。
(Q’−1)は、粘度62,900mPa・s(25℃)、比重1.05(25℃)であった。また、製造例3と同様に、GPCおよびLC/MSを用いてその成分を確認した結果を表2に示す。
比較製造例3
製造例1と同様の反応容器に、製造例1で得られた多官能アクリレート混合物(P−1)100部、イソホロンジイソシアネートのポリイソシアネート体[商品名「IPDIT」、デグサジャパン(株)製、NCO16.4%]48.8部を仕込み、80℃で2時間加熱し反応させた。次いで、ウレタン化触媒としてジラウリン酸ジブチルすず(IV)[試
薬、和光純薬工業(株)製]0.5部仕込み、85℃で10時間反応させた。反応物のNCO%が0.1%以下になったことを確認後、p−メトキシフェノール0.25部を仕込み、多官能ウレタンアクリレート混合物(Q’−2)143部を得た。
(Q’−2)は、粘度89,900mPa・s(25℃)、比重1.05(25℃)であった。また、製造例3と同様に、GPCおよびLC/MSを用いてその成分を確認した結果を表2に示す。
比較製造例4
製造例1と同様の反応容器に、製造例1で得られた多官能アクリレート混合物(P−1)100部、ヘキサメチレンジイソシアネート[商品名「ディユラネートHDI」、旭化成ケミカルズ(株)製、NCO48.2%]16.6部を仕込み、80℃で2時間加熱し反応させた。次いで、ウレタン化触媒としてジラウリン酸ジブチルすず(IV)[試薬、和
光純薬工業(株)製]0.5部仕込み、85℃で6時間反応させた。反応物のNCO%が0.1%以下になったことを確認後、p−メトキシフェノール0.25部を仕込み、多官能ウレタンアクリレート混合物(Q’−3)112部を得た。
(Q’−3)は、粘度35,700mPa・s(25℃)、比重1.05(25℃)であった。また、製造例3と同様に、GPCおよびLC/MSを用いてその成分を確認した結果を表2に示す。
実施例1〜7、比較例1〜7
多官能ウレタンアクリレート(Q−1)、(Q−2)、(Q’−1)〜(Q’−3)、ならびに多官能アクリレート(P−1)、(P−2)、(P’−1)を用いて、活性エネルギー線硬化性ハードコート用樹脂組成物を作成した。
実施例1
撹拌装置、温度計を備えたガラス製容器に、(Q−1)100部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン[商品名「イルガキュア184」、チバスペシャリティーケミカルズ(株)製。以下同じ。]10.0部、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン[商品名「BYK−333」、BYK Chemie(株)製]0.1部を入れ、ディスパーザーで混合撹拌して(温度50〜60℃、撹拌時間30分)配合組成物(R−1)を得た。(R−1)は、粘度42,000mPa・s(25℃)であった。
実施例2
実施例1において、(Q−1)100部に代えて、(Q−2)100部を用いたこと以外は、実施例1と同様に行い、配合組成物(R−2)を得た。(R−2)は、粘度55,400mPa・s(25℃)であった。
実施例3
実施例1において、(Q−1)100部に代えて、(P−1)10部、(Q−1)90部を用いたこと以外は、実施例1と同様に行い、配合組成物(R−3)を得た。(R−3)は、粘度39,000mPa・s(25℃)であった。
実施例4
実施例1において、(Q−1)100部に代えて、(P−2)15部、(Q−1)85部を用いたこと以外は、実施例1と同様に行い、配合組成物(R−4)を得た。(R−4)は、粘度37,200mPa・s(25℃)であった。
実施例5 ↓
実施例1において、「イルガキュア184」の10.0部を5.0部に変えたこと以外は、実施例1と同様に行い、配合組成物(R−5)を得た。(R−5)は、粘度55,000mPa・s(25℃)であった。
実施例6
実施例1において、「BYK−333」0.1部に代えて、「BYK−333」1.0部を用いたこと以外は実施例1と同様に行い、配合組成物(R−6)を得た。(R−6)は、粘度41,200mPa・s(25℃)であった。
実施例7
実施例1において、「BYK−333」を入れなかったこと以外は実施例1と同様に行い、配合組成物(R−7)を得た。(R−7)は、粘度44,600mPa・s(25℃)であった。
比較例1
実施例1において、(Q−1)100部に代えて、(Q’−1)100部を用いたこと以外は、実施例1と同様に行い、配合組成物(R’−1)を得た。(R’−1)は、粘度52,800mPa・s(25℃)であった。
比較例2
実施例1において、(Q−1)100部に代えて、(Q’−2)100部を用いたこと以外は、実施例1と同様に行い、配合組成物(R’−2)を得た。(R’−2)は、粘度69,500mPa・s(25℃)であった。
比較例3
実施例1において、(Q−1)100部に代えて、(Q’−3)100部を用いたこと以外は、実施例1と同様に行い、配合組成物(R’−3)を得た。(R’−3)は、粘度74,100mPa・s(25℃)であった。
比較例4
実施例1において、(Q−1)100部に代えて、(P−1)30部、(Q−1)70部を用いたこと以外は、実施例1と同様に行い、配合組成物(R’−4)を得た。(R’−4)は、粘度29,400mPa・s(25℃)であった。
比較例5
実施例1において、(Q−1)100部に代えて、(P−2)100部を用いたこと以外は、実施例1と同様に行い、配合組成物(R’−5)を得た。(R’−5)は、粘度4,300mPa・s(25℃)であった。
比較例6
実施例1において、(Q−1)100部に代えて、(P’−1)100部を用いたこと以外は、実施例1と同様に行い、配合組成物(R’−6)を得た。(R’−6)は、粘度4,900mPa・s(25℃)であった。
比較例7
実施例1において、「イルガキュア184」10.0部を用いなかったこと以外は、実施例1と同様に行い、配合組成物(R’−7)を得た。(R’−7)は、粘度54,000mPa・s(25℃)であった。
本発明のハードコート用樹脂組成物(R−1)〜(R−7)と、比較のための樹脂組成物(R’−1)〜(R’−7)の各50部に、希釈有機溶剤として酢酸エチル50部を加え、ディスパーザーで均一撹拌したものを、タテ30cm、ヨコ30cm、厚さ80μmの酢酸セルロースフィルム[商品名「フジタック」、富士写真フィルム(株)製]の片面にバーコーターを用い、乾燥硬化後の厚みが10μmとなるように塗布して被膜層を形成させた。これを、60℃で3分間乾燥した後、該被膜層に紫外線照射装置[フュージョンUVシステムズ(株)製]により、照射強度200mW/cm2、搬送速度15m/sの条件で紫外線を照射し、硬化処理を行ってハードコートフィルムを作成した。
得られたハードコートフィルムについて、下記の方法で性能評価を行った。
評価結果を表3、4に示す。
Figure 2008248069
Figure 2008248069
なお、表3と4中の、「(B)成分/(A)成分の比」とは、本発明におけるウレタン化反応生成物(A)成分100重量部に基づく多官能アクリレート(B)成分の重量比(%)を表す。
また、「イルガキュア184」は1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを、「BYK−333」はポリエーテル変性オルガノポリシロキサンを表す。
<性能評価方法>
(1)付着性
JIS K5400に準じ、碁盤目テストにより、下記の基準で評価した(隙間間隔1mm)。
○ 硬化層が全く剥がれない。
△ 全体の50%未満が剥がれる。
× 全体の50%以上が剥がれる。
(2)耐擦傷性
スチールウール#0000を用い、250g/cm2荷重にて30往復擦傷後、外観を目視により下記の基準で評価した。
○ 全く傷が付かない。
△ 引っかき傷が数本程度認められる。
× 多数の引っかき傷が認められ、表面が白濁する。
(3)鉛筆硬度
JIS K5400に準じ、鉛筆を45度の角度で、上から1kgの荷重を掛けて5mm程度引っかき、傷の付き具合を確認した。
× H以下の鉛筆で傷が付くもの
2H 2Hの鉛筆では傷が付かないが、3Hの鉛筆では傷が付くもの
3H 3Hの鉛筆では傷が付かないが、4Hの鉛筆では傷が付くもの
4H 4Hの鉛筆では傷が付かないが、5Hの鉛筆では傷が付くもの
(4)透明性
JIS−K7105(1981年制定)に準じ、ヘーズメータを用いて測定し、下記の基準で評価した。
○ ヘーズが0.5未満
△ ヘーズが0.5以上
× ヘーズが1.5以上
(5)カール性
作成したハードコートフィルムを10cm×10cmにカットして、80℃の乾燥機中に1時間静置した後、室温で1時間静置した。水平なガラス板上にフィルムを置いて、浮き上がった4辺それぞれの高さを測定し、4つの測定値の合計(単位:mm)をカール性とした。
○ 120mm未満
△ 120mm以上150mm未満
× 150mm以上
(6)外観
作成したハードコートフィルム表面の、クラック、ムラ、欠陥等の状態を目視にて判定した。
○ 良好
△ クラック、ムラ、欠陥がわずかに認められる。
× クラック、ムラ、欠陥、ベタツキが顕著に認められる。
本発明の活性エネルギー線硬化性ハードコート用樹脂組成物を硬化させてなるハードコート膜(塗膜)は、耐擦傷性、低カール性、透明性、外観等に優れるため、特にプラスチック光学部品、フラットパネルディスプレイ、タッチパネル等、ハードコート性が必要とされる分野に好適に使用することができ、極めて有用である。
また本発明の樹脂組成物は、被塗布体がフィルム以外、例えば、家電ハウジング、玩具等のプラスチック成形品、家具、壁紙、床材等の建材用品等々の場合でも、塗布により、同様の効果を奏する。

Claims (7)

  1. 下記のイソシアヌレート化合物(a)と下記の多官能アクリレート化合物(b)とのウレタン化反応生成物(A)と、下記の多官能アクリレート(B)と、光重合開始剤(C)からなり、(B)の割合が、(A)100重量部に基づいて 35〜55重量部であることを特徴とする活性エネルギー線硬化性ハードコート用樹脂組成物。
    (a):ヘキサメチレンジイソシアネートの3〜9量体
    (b):多価アルコール(c)とアクリル酸とのエステル化物であって、分子内に1個または2個の水酸基と3〜11個のアクリロイル基を有する多官能アクリレート
    (B):多価アルコール(d)のすべての水酸基がアクリル酸によりエステル化された4〜12個のアクリロイル基を有する多官能アクリレート
  2. 該多価アルコール(c)が、ペンタエリスリトール、およびペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、グリセリンの脱水エーテル化縮合物からなる群より選ばれる1種以上の多価アルコールである請求項1記載のハードコート用樹脂組成物。
  3. 該多官能アクリレート化合物(b)が、4〜9個のアクリロイル基を有する多官能アクリレートである請求項1または2記載のハードコート用樹脂組成物。
  4. さらに、下記一般式(1)で表されるポリエーテル変性オルガノポリシロキサン(D)を、(A)と(B)の合計重量に基づいて0.01〜2重量%含有する請求項1〜3のいずれか記載のハードコート用樹脂組成物。
    Figure 2008248069
    〔式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基;Xは−(CH2)3−O−[(C24O)p/(C36O)q]−R2で表されるポリエーテル鎖(R2はH、炭素数1〜4のアルキル基もしくはアセチル基、p、qはp+q=2〜100を満たすそれぞれ0以上の整数であり、[(C24O)p/(C36O)q]のエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの結合様式はランダムおよび/またはブロックのいずれでもよい。);Meはメチル基;m、nはm+n=10〜200を満たすそれぞれ正の整数;a、b、cはそれぞれ独立に、0または1を表し、nが0のときはaとcは同時に1になることはない。〕
  5. 請求項1〜4のいずれか記載のハードコート用樹脂組成物を活性エネルギー線を照射して硬化させてなるハードコート膜。
  6. 請求項5記載のハードコート膜を基材フィルムの少なくとも片面の少なくとも一部に有し、該ハードコート膜の表面硬度(鉛筆硬度)が3〜5Hであるハードコートフィルム。
  7. 請求項1〜4のいずれか記載のハードコート用樹脂組成物を基材フィルムの少なくとも片面の少なくとも一部に塗布し、活性エネルギー線を照射して硬化させることを特徴とするハードコートフィルムの製造方法。
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