JP2012073412A - 樹脂積層体および携帯型情報端末 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】樹脂プレートと、該樹脂プレートの表裏両面または片面にコーティングされたハードコート層と、から構成される樹脂積層体であって、前記樹脂プレートは、熱可塑性樹脂よりなり、硬質分散相を含有する熱可塑性樹脂(A)とゴム成分(B)を含み、樹脂プレートを構成する全成分100重量部に対して、硬質分散相を含有する熱可塑性樹脂(A)が75重量部以上であり、前記ハードコート層が、紫外線硬化性樹脂の硬化物よりなり、分子中に少なくとも8個のアクリロイルオキシ基を有する化合物(C)を含む樹脂積層体。
【選択図】なし
Description
一方、樹脂プレートに例えばアクリル樹脂などの高硬度樹脂を用いることで耐スクラッチ性を向上させることが公知である(例えば、特許文献1また2参照。)が、反面、耐衝撃性が低下するという問題があった。
(1) 樹脂プレートと、該樹脂プレートの表裏両面または片面にコーティングされたハードコート層と、から構成される樹脂積層体であって、
前記樹脂プレートは、熱可塑性樹脂よりなり、硬質分散相を含有する熱可塑性樹脂(A)とゴム成分(B)を含み、樹脂プレートを構成する全成分100重量部に対して、硬質分散相を含有する熱可塑性樹脂(A)が75重量部以上であり、前記ハードコート層が、紫外線硬化性樹脂の硬化物よりなり、分子中に少なくとも8個のアクリロイルオキシ基を有する化合物(C)を含む樹脂積層体。
(2) 前記硬質分散相を含有する熱可塑性樹脂(A)の硬質分散相が、熱硬化性樹脂である前記(1)に記載の樹脂積層体。
(3) 硬質分散相を含有する熱可塑性樹脂(A)の含有量が、樹脂プレートを構成する全成分100重量部に対して、75重量部以上98重量部以下である前記(1)または(2)に記載の樹脂積層体。
(4) 前記ゴム成分(B)が、樹脂プレートを構成する全成分100重量部に対して、3重量部以上25重量部以下である前記(1)乃至(3)のいずれか1項に記載の樹脂積層体。
(5) 前記化合物(C)の含有量が、紫外線硬化性樹脂100重量部に対して65重量部以上90重量部以下である前記(1)乃至(4)のいずれか1項に記載の樹脂積層体。(6) さらに、前記紫外線硬化性樹脂が2官能ウレタンアクリレート(D)を含有する前記(1)乃至(5)のいずれか1項に記載の樹脂積層体。
(7) 前記樹脂プレートの厚さが、0.3mm以上、3mm以下である前記(1)乃至(6)のいずれか1項に記載の樹脂積層体。
(8) 前記(1)乃至(7)のいずれか1項に記載の樹脂積層体を携帯型情報端末の表示窓部分に形成した携帯型情報端末。
(9) 前記(8)に記載の携帯型情報端末が、携帯電話である携帯型情報端末。
本発明に用いる樹脂プレートとしては、熱可塑性樹脂よりなり、硬質分散相を含有する熱可塑性樹脂(A)とゴム成分(B)を含み、樹脂プレートを構成する全成分100重量部に対して、硬質分散相を含有する熱可塑性樹脂(A)が75重量部以上である。
上記樹脂プレートに用いられる熱可塑性樹脂は、例えばポリメチルメタクリレートやメチルメタクリレートを主成分とする共重合体などの種々のアクリル樹脂が挙げられる。
メチルメタクリレートと共重合が可能な他の単量体としては、例えばエチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、オクチルメタクリレートなどの、炭素数2〜8のアルキル基を有するアルキルメタクリレート類、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアルキレート、ブチルアルキレート、オクチルアルキレートなどの炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキルアクリレート類、メタクリル酸、アクリル酸、メタクリルアミド、アクリルアミド、スチレン、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、およびこれらの混合物などが挙げられる。
上記硬質分散相を含有する熱可塑性樹脂(A)の硬質分散相は、樹脂プレートに対し耐スクラッチ性および耐熱性を向上させるために樹脂プレートを構成するアクリル樹脂中に含有、分散される。硬質分散相を構成する材料は、アクリル樹脂より耐スクラッチ性および耐熱性の優れたものであれば特に限定されず使用することができるが、好ましくは熱硬化性樹脂が使用される。
熱硬化性樹脂は、フェノール樹脂、アミノ系樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、熱硬化性ポリイミド系樹脂、熱硬化性ポリウレタン系樹脂等の重縮合または付加縮合系樹脂、熱硬化性アクリル系樹脂、ビニルエステル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂等の付加重合系樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いてもよい。また、これらの熱硬化性樹脂と架橋し得る不飽和結合を有する熱可塑性樹脂を組み合わせて使用してもよい。
硬質分散相の粒径は、耐摩耗性樹脂積層体の使用目的、用途等に応じ適宜設定されるが、好ましくは0.1〜1000μmである。
硬質分散相の樹脂プレート中における配合量は、樹脂積層体の使用目的、用途等に応じ適宜設定されるが、好ましくは0.1〜60重量%である。
樹脂プレート中に硬質分散相を含有させる方法は特に限定されないが例えば次の方法が挙げられる。樹脂プレートを構成するアクリル樹脂材料に硬質分散相を構成する熱硬化性樹脂材料を添加する。次に、溶融混練し、所定形状に成型した後、相分離及び架橋を生じさせることにより硬質分散相を構成することができる。また、熱硬化性樹脂を予め粒子状
などに成型し、アクリル樹脂中に添加し、熱硬化性樹脂が溶解しない温度で混練および成型してもよい。
上記樹脂プレートに用いられる熱可塑性樹脂に含有されるゴム成分(B)としては、アクリル酸エステルを主体とする共重合ゴムや、ポリブタジエン、ポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(アクリロニトリル−ブタジエン)などのジエン系ゴムおよび上記ジエンゴムを水素添加した飽和ゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ポリアクリル酸ブチルなどのアクリル系ゴムおよびエチレン−プロピレ共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエンモノマー三元共重合体ゴム(EPDM)、エチレンーオクテン共重合体ゴムなどの架橋ゴムまたは非架橋ゴム、並びに上記ゴム成分を含有する熱可塑性エラストマーなどを挙げることができる。
これらのうち、なかでもアクリル系のものが、得られる樹脂プレートの表面硬度、耐候性、耐衝撃性など諸物性のバランスの面で好ましい。アクリル系ゴム粒子としては、例えば、アクリル酸ブチルのようなアクリル酸アルキルを主成分とする弾性重合体からなる単層構造のものや、メタクリル酸メチルを主成分とする硬質重合体からなる内層の周りに、アクリル酸ブチルのようなアクリル酸アルキルを主成分とする弾性重合体からなる外層を設けた多層構成のものなど、公知のアクリル系ゴム粒子を使用することができる。弾性重合体には、一般に架橋性の多官能単量体が少量共重合されている。
25重量部以下である。
含有量を上記範囲とすることで、特に上記用途の表示窓保護板に必要とされる性能(耐衝撃性、加工性など)を維持しつつ、小型化、薄型化が可能になり、好適に使用することができる。
厚みを上記範囲とすることで、特に上記用途の表示窓保護板に必要とされる性能(耐衝撃性、加工性等)を維持しつつ、小型化、薄型化が可能であるため、好適に使用することができる。
本発明で用いられる分子中に少なくとも8個のアクリロイルオキシ基を有する化合物(C)としては、分子中に8個以上のアクリロイルオキシ基を有する化合物であれば問題なく用いることができる。
分子中に8個以上のアクリロイルオキシ基を有する化合物(C)としては、デンドリックアクリレート、ハイパーブランチアクリレートなどが挙げられる。
そのなかでも、ペンタエリスリトール骨格を有するものが好ましい。
ペンタエリスリトール骨格を有し、分子中に8個から12個のアクリロイルオキシ基を有する化合物が好ましく、下記式(1)で示される多官能モノマーを用いることができる。例えば、トリペンタエリスリトールオクタアクリレート、トリペンタエリスリトールデシルアクリレート、トリペンタエリスリトールドデシルアクリレートなどを含む化合物が挙げられる。この化合物を用いることにより、架橋密度調整や樹脂組成物の粘度調整が容易となると共にハードコート層と樹脂プレートとの密着性を向上させることができる。
R3CCH2(OCH2CR2CH2)nOCOCH=CH2 (式1)
R:−CH2OCOCH=CH2
(式中、nは2〜4の整数を示す。)
ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートジオールが挙げられる。
ポリエステルポリオールの製造方法はとくに限定されず、公知の製造方法により製造される。例えば、ジオールとジカルボン酸またはジカルボン酸クロライドとを重縮合反応させたり、ジオールまたはジカルボン酸をエステル化して、エステル交換反応させたりすることにより得られる。
ジカルボン酸としては、アジピン酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、マレイン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸等。ジオールとしてはエチレングリコール、1、4−ブタンジオール、1、6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどが用いられる。
ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エチレンオキシド−プロピレンオキシドランダム共重合などが用いられる。
ポリカーボネートジオールとしては、1、4−ブタンジオール、1、6−へキサンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1、2−プロピレングリコール、1、3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、2−エチル−1、3−ヘキサンジオール、1、5−ペンタンジオール、3−メチル−1、5−ペンタンジオール、1、4−シクロヘキサンジオール、ポリオキシエチレングリコールなどが用いられ、1種でも2種以上を併用しても良い。
ートが挙げられる。芳香族ジイソシアネートとしてはトリレンジイソシアネート、キリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
本発明で用いられる2官能ウレタンアクリレート(D)の数平均分子量は、800〜5000の範囲であるのが好ましい。
紫外線硬化性モノマーには、ハードコート層の架橋密度を上げて耐スクラッチ性を向上させる多官能モノマーとハードコート層の架橋密度調整や樹脂組成物の粘度調整が容易となると共にハードコート層と樹脂プレートとの密着性を向上させることができる低官能モノマーがある。
上記多官能モノマーとしては、例えばペンタエリスリトールトリアクリレート、ジトリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールトリアクリレート、グリセリントリアクリレート、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタアクリレートなどを用いることができる。
上記ウレタンアクリレートは、例えば、ポリオールとジイソシアネートを反応させて得られるイソシアネート化合物と、水酸基を有するアクリレートモノマーの反応により得られる。
テル類、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸などの芳香族ケトン類、ベンジルなどのアルファージカルボニル類、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタールなどのベンジルケタール類、アセトフェノン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパン−1−オン、1−(4−イソプロピ
ルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル-プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4
−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパノン−1などのアセトフェノン類、2
−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン等のアントラキノン類、2,4−ジメチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサント
ン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン類、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のフォスフィンオキサイド類
、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−[o−エトキシカルボニル]オキシム等の
アルファーアシルオキシム類、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルなどのアミン類などを使用することができる。
光重合開始剤は、表面硬化性に優れるものと内部硬化性に優れるもの、2種以上を併用することが好ましい。
このシリコーン系表面調整剤としては、ポリジメチルシロキサンや、ポリジメチルシロキサンを変性した変性シリコーンなどが挙げられる。上前記変性シリコーンとしては、例えば、ポリエーテル変性体、アルキル変性体、ポリエステル変性体などが挙げられ、これらの中でもポリエーテル変性体が最も好適である。
とができる。
溶剤成分を含有している紫外線硬化性樹脂組成物を用いる場合には、蒸発揮散に際しては樹脂プレートおよび雰囲気の温度を昇温させることでハードコート層を形成する。そして、紫外線照射には、一般の有電極型や無電極型の高圧紫外線灯やメタルハライドランプを使用することできる。
ここで硬化の度合いは、赤外線吸光分析により反応基の残存量を測定することで定量化することができる。紫外線照射には、一般の有電極型や無電極型の高圧水銀灯やメタルハライドランプが使用可能である。また、100keV程度の低電圧の電子線照射装置も使用可能である。電子線を硬化手段とする場合は、先に例示したような重合開始剤は不要となる。
また、デジタルカメラやハンドヘルドパソコン、PDA(Personal Data Assistance:携帯情報端末)、モバイルデジタルビデオディスクプレイヤー、携帯型ゲーム機の表示窓保護板など、耐スクラッチ性と耐衝撃性が要求される分野の各種部材としても使用できる。
[実施例1]
樹脂プレートは、硬質分散相を含有する熱可塑性樹脂(A)として硬質分散相を含む高硬度アクリル樹脂(商品名:Altuglas HT121、アルケマ社製)80重量部とゴム成分(B)としてアクリル系ゴムを含む耐衝撃アクリル樹脂(商品名:スミペックスHT55X、住友化学社製)80重量部とを用いて作製した。
上記原料をヘンシェルミキサーに入れて1分間混合し、押出機(直径65mm一軸押出機、東芝機械社製)にて溶融混練した後、Tダイを介してプレート状物として押出し、そのプレート状物をポリシングロールに両面が完全に接するようにして圧延、冷却し、厚さ0.8mmのアクリル樹脂プレートを作製した。
濃度が全体に対して30重量%となるようプロピレングリコールモノメチルエーテルで希釈した。ここへ、重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを5重量部、表面調整剤(商品名:グラノール450、共栄社化学社製)を紫外線硬化性樹脂比で0.05重量部添加し紫外線硬化性樹脂組成物を調製した。紫外線硬化性樹脂組成物は充分に撹拌した後、密閉容器に保存した。
上記作製したアクリル樹脂プレート上に、金属製のバーコーターを用いて、ウェット膜厚が7μmになるように上記紫外線硬化性樹脂組成物を塗布した。塗布したシートを50℃の熱風循環型オーブンに入れ、10分間乾燥した後、80W/cmメタルハライドランプ(ウシオ電機社製)を用い、照射距離100mm、コンベア搬送速度10m/minの条件で紫外線を照射して塗膜を硬化させ、ドライ膜厚5μmのハードコート層を有する樹脂積層体を作製した。
樹脂プレートの硬質分散相を含有する熱可塑性樹脂(A)として硬質分散相を含む高硬度アクリル樹脂(商品名:Altuglas HT121、アルケマ社製)95重量部とゴム成分(B)としてアクリル系ゴムを含む耐衝撃アクリル樹脂(商品名:スミペックスHT55X、住友化学社製)20重量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂積層体を作製した。
[実施例3]
樹脂プレートの硬質分散相を含有する熱可塑性樹脂(A)として硬質分散相を含む高硬度アクリル樹脂(商品名:Altuglas HT121、アルケマ社製)85重量部とゴム成分(B)としてアクリル系ゴムを含む耐衝撃アクリル樹脂(商品名:スミペックスHT55X、住友化学社製)60重量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂積層体を作製した。
樹脂プレートは、硬質分散相を含有する熱可塑性樹脂(A)として硬質分散相を含む高硬度アクリル樹脂(商品名:Altuglas HT121、アルケマ社製)85重量部とゴム成分(B)としてアクリル系ゴムを含む耐衝撃アクリル樹脂(商品名:スミペックスHT55X、住友化学社製)60重量部として、実施例1と同様にして作製した。
ハードコート層の紫外線硬化性樹脂組成物として、分子中に少なくとも8個のアクリロイルオキシ基を有する化合物(C)は、上記式(1)で示される化合物(n=2〜4)を65重量部、2官能ウレタンアクリレート(商品名:EB8402、ダイセルサイテック社製)25重量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂積層体を作製した。
[実施例5]
樹脂プレートは、硬質分散相を含有する熱可塑性樹脂(A)として硬質分散相を含む高硬度アクリル樹脂(商品名:Altuglas HT121、アルケマ社製)85重量部とゴム成分(B)としてアクリル系ゴムを含む耐衝撃アクリル樹脂(商品名:スミペックスHT55X、住友化学社製)60重量部として、実施例1と同様にして作製した。
ハードコート層の紫外線硬化性樹脂組成物として分子中に少なくとも8個のアクリロイルオキシ基を有する化合物(C)は、上記式(1)で示される化合物(n=2〜4)を90重量部、2官能ウレタンアクリレート(商品名:EB8402、ダイセルサイテック社製)5重量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂積層体を作製した。
樹脂プレートは、硬質分散相を含有する熱可塑性樹脂(A)として硬質分散相を含む高硬度アクリル樹脂(商品名:Altuglas HT121、アルケマ社製)を押出機(直径65mm一軸押出機、東芝機械社製)にて溶融混練した後、Tダイを介してプレート状物として押出し、そのプレート状物をポリシングロールに両面が完全に接するようにして圧延、冷却し、厚さ0.8mmのアクリル樹脂プレートを作製した。
ハードコート層の紫外線硬化性樹脂組成物として分子中に少なくとも8個のアクリロイルオキシ基を有する化合物(C)は、上記式(1)で示される化合物(n=2〜4)を70重量部、2官能ウレタンアクリレート(商品名:EB8402、ダイセルサイテック社製)20重量部、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート10重量部、紫外線硬化性樹脂の濃度が全体に対して30重量%となるようプロピレングリコールモノメチルエーテルで希釈した。ここへ、重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを5重量部、表面調整剤(商品名:グラノール450、共栄社化学社製)を紫外線硬化性樹脂比で0.05重量部添加し紫外線硬化性樹脂組成物を調製した。紫外線硬化性樹脂組成物は充分に撹拌した後、密閉容器に保存した。
上記作製したアクリル樹脂プレート上に、金属製のバーコーターを用いて、ウェット膜厚が7μmになるように上記紫外線硬化性樹脂組成物を塗布した。塗布したシートを50℃の熱風循環型オーブンに入れ、10分間乾燥した後、80W/cmメタルハライドランプ(ウシオ電機社製)を用い、照射距離100mm、コンベア搬送速度10m/minの条件で紫外線を照射して塗膜を硬化させ、ドライ膜厚5μmのハードコート層を有する樹脂積層体を作製した。
樹脂プレートは、硬質分散相を含有する熱可塑性樹脂(A)として硬質分散相を含む高硬度アクリル樹脂(商品名:Altuglas HT121、アルケマ社製)70重量部とゴム成分(B)としてアクリル系ゴムを含む耐衝撃アクリル樹脂(商品名:スミペックスHT55X、住友化学社製)120重量部とをヘンシェルミキサーを用いて1分間混合し、押出機(直径65mm一軸押出機、東芝機械社製)にて溶融混練した後、Tダイを介してプレート状物として押出し、そのプレート状物をポリシングロールに両面が完全に接するようにして圧延、冷却し、厚さ0.8mmのアクリル樹脂プレートを得た以外は比較例1と同様にして樹脂積層体を作製した。
[比較例3]
樹脂プレートとして、硬質分散相を含まないアクリル樹脂(商品名:スミペックスEX、住友化学社製)とした以外は、比較例1と同様にして樹脂積層体を作製した。
樹脂プレートは、硬質分散相を含有する熱可塑性樹脂(A)として硬質分散相を含む高硬度アクリル樹脂(商品名:Altuglas HT121、アルケマ社製)85重量部とゴム成分(B)としてアクリル系ゴムを含む耐衝撃アクリル樹脂(商品名:スミペックスHT55X、住友化学社製)60重量部として、実施例1と同様にして作製した。
ハードコート層の紫外線硬化性樹脂組成物として分子中に3〜6個のアクリロイルオキシ基を有するジペンタヘキサエリスリトールアクリレート70重量部、2官能ウレタンアクリレート(商品名:EB8402、ダイセルサイテック社製)20重量部、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート10重量部とした以外は、比較例1と同様にして樹脂積層体を作製した。
[比較例5]
樹脂プレートは、硬質分散相を含有する熱可塑性樹脂(A)として硬質分散相を含む高硬度アクリル樹脂(商品名:Altuglas HT121、アルケマ社製)85重量部とゴム成分(B)としてアクリル系ゴムを含む耐衝撃アクリル樹脂(商品名:スミペックスHT55X、住友化学社製)60重量部として、実施例1と同様にして作製した。
ハードコート層の紫外線硬化性樹脂組成物として分子中に3〜6個のアクリロイルオキシ基を有するジペンタヘキサエリスリトールアクリレート90重量部、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート10重量部とした以外は、比較例1と同様にして樹脂積層体を作製した。
樹脂プレートとして、硬質分散相を含まないアクリル樹脂(商品名:スミペックスEX、住友化学社製)85重量部と、ゴム成分(B)としてアクリル系ゴムを含む耐衝撃アクリル樹脂(商品名:スミペックスHT55X、住友化学社製)60重量部とをヘンシェルミキサーを用いて1分間混合し、押出機(直径65mm一軸押出機、東芝機械社製)にて溶融混練した後、Tダイを介してプレート状物として押出し、そのプレート状物をポリシングロールに両面が完全に接するようにして圧延、冷却し、厚さ0.8mmのアクリル樹脂プレートを作製した以外は、比較例1と同様にし樹脂積層体を作製した。
[鉛筆硬度]
ASTM D3363に準じて、各種硬度の鉛筆(商品名:ユニ 三菱鉛筆社製)を用い試験を行い、硬度を判定した。
[耐擦傷性]
作製した樹脂積層体を用いて、スチールウール#0000を直径10mmの保持具に取り付け、一定荷重(1000g)、一定速度(6000mm/min)にて10往復した後、試料表面の傷の有無を目視により観察し、耐擦傷性を評価した。判定は、以下のとおりとし、「A」と「B」を合格とした。
「A」:傷が付かない/実用上優れる
「B」:数本の傷が付く/実用上充分
「C」:全体に傷が付く/実用上劣る
[耐スクラッチ性]
作製した樹脂積層体を用いて、ISO1518に準拠した試験方法で、尖端部が直径1.0mmφのタングステンカーバイドであり、内蔵する金属バネの固定位置により押し付け荷重を設定したスクラッチ試験機(ERICHSEN製MODEL318)を試験片に垂直に押し付け、目視により傷が付いた荷重で耐スクラッチ性を評価した。判定は、以下のとおりとし、「A」と「B」を合格とした。
「A」:耐スクラッチ性に非常に優れている(荷重12N以上)
「B」:耐スクラッチ性に優れている(荷重10N以上12N未満)
「C」:耐スクラッチ性が実用上不十分(荷重10N未満)
作製した樹脂積層体を用いて、2インチの窓枠を有する3mm厚の鉄枠に40×50mmサイズにカットした試験片を貼り付け、試験片中央部へ32g×20mmΦのステンレス球を落とし、目視によりクラックの有無と状態で耐衝撃性を評価した。判定は、以下のとおりとし、「A」と「B」を合格とした。
「A」:耐衝撃性に非常に優れている。クラックを生じない。
「B」:耐衝撃性に優れている。微細なクラックを生じるが、実用上使用可能なレベ
ルである。
「C」:耐衝撃性が実用上不十分。クラックを生じ、目立つレベルである。
Claims (9)
- 樹脂プレートと、該樹脂プレートの表裏両面または片面にコーティングされたハードコート層と、から構成される樹脂積層体であって、
前記樹脂プレートは、熱可塑性樹脂よりなり、硬質分散相を含有する熱可塑性樹脂(A)とゴム成分(B)を含み、樹脂プレートを構成する全成分100重量部に対して、硬質分散相を含有する熱可塑性樹脂(A)が75重量部以上であり、
前記ハードコート層が、紫外線硬化性樹脂の硬化物よりなり、分子中に少なくとも8個のアクリロイルオキシ基を有する化合物(C)を含む樹脂積層体。 - 前記硬質分散相を含有する熱可塑性樹脂(A)の硬質分散相が、熱硬化性樹脂である請求項1記載の樹脂積層体。
- 硬質分散相を含有する熱可塑性樹脂(A)の含有量が、樹脂プレートを構成する全成分100重量部に対して、75重量部以上98重量部以下である請求項1または2記載の樹脂積層体。
- 前記ゴム成分(B)が、樹脂プレートを構成する全成分100重量部に対して、3重量部以上25重量部以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の樹脂積層体。
- 前記化合物(C)の含有量が、紫外線硬化性樹脂100重量部に対して65重量部以上90重量部以下である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の樹脂積層体。
- さらに、前記紫外線硬化性樹脂が2官能ウレタンアクリレート(D)を含有する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の樹脂積層体。
- 前記樹脂プレートの厚さが、0.3mm以上、3mm以下である請求項1乃至6のいずれか1項に記載の樹脂積層体。
- 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の樹脂積層体を携帯型情報端末の表示窓部分に形成した携帯型情報端末。
- 請求項8に記載の携帯型情報端末が、携帯電話である携帯型情報端末。
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