JP2000336277A - 硬質分散相を含む熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

硬質分散相を含む熱可塑性樹脂組成物

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 熱可塑性マトリクスの熱/機械特性を改良す
る方法。 【解決手段】 (a)マトリクスを形成する熱可塑性ポリマ
ー(M)、(b)ラジカル重合で得られる硬い節、(c)必要
に応じて添加される耐衝撃性改良剤(S)を含む。硬い
分散相を有する熱可塑性樹脂組成物。第1段階で溶融状
態の熱可塑性樹脂(M)中に節の先駆体の均質な溶液を
形成し、第2段階で開始剤の活性温度以下の温度に維持
しつつ開始剤を導入し、第3段階で混練しながら先駆体
が架橋して硬い節が形成するのに十分な温度まで加熱す
る。耐衝撃性改良剤は第1または第2段階中に導入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は硬質(剛体)分散相
を含む熱可塑性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂、例えばポリアミドやPMMA
は用途に応じてその耐熱性を改良する必要がある。こう
した熱可塑性マトリクスの熱/機械特性を改良する解決
策はいくつか提案されている。
【0003】1つの解決策は熱可塑性マトリクス中にマ
トリクスよりも耐熱性に優れた(ガラス遷移温度が熱可
塑性樹脂よりも高い)別のポリマー(非晶質または結晶
質)を導入することである。この系を基本とする原料は
(i) ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリフェニレン
スルフィド(PPS)、ポリエーテルイミド(PEI)または
ポリケトンと、(ii)熱可塑性ポリマー、例えばポリアミ
ド、ポリスチレンまたはABSやSAN等の共重合体とのアロ
イが主として開発されいる。米国特許第4,681,915号、
米国特許第4,600,741号および欧州特許第244,090号には
PPOを含むポリアミドが開示されている。この方法の欠
点は押出機またはミキサー等の機械で特定の条件下に上
記の2つのポリマーを溶融混合する際にスクリューの断
面形状と各帯域の温度を正確に選択する必要があること
にある。さらに、熱可塑性マトリクスに添加される補強
用ポリマーの溶融温度が高いことが多い。
【0004】1992年5月22日に公開された特開平04-149,
273号には、ポリアミドまたはポリプロピレンの溶融温
度で架橋可能な熱硬化性樹脂とポリアミドまたはポリプ
ロピレンとのアロイが開示されている。この熱硬化性樹
脂はエポキシである。このアロイはエポキシ樹脂を含ま
ないポリアミドまたはポリプロピレンに比較してHDTが
高い。HDT(Heat deflection temperature、加熱撓み温
度)とは荷重下の変形温度(荷重および変形値は定義の
もの)を意味し、NF規格T51-005に準じて測定する。架
橋は重縮合反応によって起こり、押出中に形成される節
(nodules)の直径は極めて広範囲であり、ポリアミド
/エポキシまたはポリプロピレン/エポキシアロイの他
の機械特性、例えば衝撃強度が低下する。さらに、重縮
合反応には10分以上が必要であるため例えば押出機で連
続的に製造することはできない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は熱可塑性マト
リクスの熱/機械特性を改良する別の方法を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、マトリクスを
形成する熱可塑性ポリマー(M)と、ラジカル重合で得
られる硬い節と、必要に応じて用いられる耐衝撃性改良
剤(S)とを含む熱可塑性組成物にある。本発明では、
熱可塑性マトリクス(ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリ
ル樹脂、ポリアミド、ポリオレフィン、エラストマー、
フッ素化ポリマー等)中に、このベースマトリクスの初
期機械特性(剛性および衝撃強度)を維持し(さらには
向上させ)ながら、熱可塑性ポリマーの耐熱性を向上さ
せるのに十分な制御された形態(ビーズ)と直径(約1
ミクロン以下)とを有する硬い節を導入することにあ
る。制御された形態と直径を有する硬い節は不飽和(2
元、3元または多元)モノマーのラジカル重合で得られ
る。本発明組成物は熱可塑性である。
【0007】本発明組成物の利点は極めて簡単に製造で
きる点にある。架橋した節(または硬い節)を熱可塑性
マトリクス中に製造現場で形成する本発明プロセスには
多くの利点がある。第1に、出発混合物(熱可塑性マト
リクス+硬い節の先駆体)が均質で、先駆体を所定温度
範囲で熱可塑性マトリクスと混合させることができる。
これによって、第1段階でマトリクスが可塑化され、柔
い状態で押出でき、加工性が良くなる。第2に、一般に
架橋用先駆体は含有率を高くしても熱可塑性マトリクス
と混合でき、従って最終含有率の高い分散相(硬い節)
を得ることができる。分散相は製造時に形成され、分散
相が架橋性を有し且つ細く、分散が均質であるので安定
性が保証される。本発明組成物の他の利点は硬い節のこ
の形態にある。
【0008】本発明組成物の他の利点は衝撃強度に優れ
ていることにある。多くの熱可塑性樹脂の改質ではTg
(ガラス遷移温度)の低いエラストマーまたはポリマー
を混和しなければならない。例えば、ポリアミド-6また
はポリアミド-12には5〜20重量%のEPR(エチレン−プ
ロピレンゴムまたはEPM)またはエチレン−アルキルア
クリレート−無水マレイン酸共重合体を添加でき、この
導入によって衝撃強度は向上するが、ビカー(VICAT)点
および/またはHDTが低下する。「ビカー点」とは試験
片に断面1mm2の針が1mmまで侵入する温度を意味し、N
F規格T51-021に準じて測定する。本出願人は上記の硬い
節は同一の熱可塑性マトリクス中で耐衝撃性改良剤等の
他のポリマーと共存できるということを見い出した。さ
らに、硬い節と耐衝撃性改良剤とを含む熱可塑性樹脂の
ビカー点および/またはHDTは上記の硬い節も耐衝撃性改
良剤も含まない熱可塑性樹脂のビカー点および/またはH
DTと少なくともほぼ同じであり、衝撃強度は耐衝撃性改
良剤のみを含む熱可塑性樹脂のビカー点および/またはH
DTよりも良いということも見出した。
【0009】
【発明の実施の形態】ポリマー(M)の例としてはポリ
オレフィン、ポリアミド、フッ素化ポリマー、飽和ポリ
エステル、ポリカーボネート、スチレン樹脂、PMMA、熱
可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリアミドブロックを有
する共重合体、ポリエステルブロックとポリエーテルブ
ロックとを有する共重合体、PVC、エチレンとビニルア
ルコールとの共重合体(EVOH)およびポリケトンが挙げ
られる。
【0010】「ポリアミド」とは下記の縮合物を意味す
る: (1) アミノカプロン酸、7-アミノヘプタン酸、11-アミ
ノウンデカン酸および12-アミノドデカン酸のようなア
ミノ酸またはカプロラクタム、エナントラクタム、ラウ
リルラクタムのようなラクタム、(2) ヘキサメチレン
ジアミン、ドデカメチレンジアミン、メタキシレンジア
ミン、ビス-(p-アミノシクロへキシル)メタン、トリ
メチルヘキサメチレンジアミンのようなジアミンと、イ
ソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、アゼライン
酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸の
ような二酸との塩またはその混合物、または(3) コポ
リアミドを生じるこれらモノマーの混合物、例えばカプ
ロラクタムとラウリルラクタムとの縮合によるPA-6/12
などの共重合体。
【0011】ポリアミドブロックとポリエーテルブロッ
クを有するポリマーは下記(1)〜(3)のような反応性
末端基を有するポリアミド単位と反応性末端基を有する
ポリエーテル単位との共重縮合で得られる: (1) ジアミン鎖末端を有するポリアミド単位と、ジカ
ルボン鎖末端を有するポリオキシアルキレン単位、(2)
ジカルボン鎖末端を有するポリアミド単位と、ポリエ
ーテルジオールとよばれる脂肪族ジヒドロキシル化α,
ω−ポリオキシアルキレン単位をシアノエチル化および
水素添加して得られるジアミン鎖末端を有するポリオキ
シアルキレン単位、(3) ジカルボン鎖末端を有するポ
リアミド単位と、ポリエーテルジオール(この場合に得
られる生成物を特にポリエーテルエステルアミドとい
う)。ジカルボン鎖末端を有するポリアミド単位は例え
ば連鎖制限剤のジカルボン酸の存在下でのα,ω−アミ
ノカルボン酸、ラクタムまたはジカルボン酸とジアミン
との縮合で得られる。ポリアミドブロックはポリアミド
-12が有利である。
【0012】ポリアミド単位の数平均分子量は300〜15,
000、好ましくは600〜5000である。ポリエーテル単位の
分子量は100〜6000、好ましくは200〜3000である。ポリ
アミドブロックとポリエーテルブロックとを有するポリ
マーはランダムに分散した単位を含んでいてもよい。こ
のポリマーはポリエーテルとポリアミドブロックの先駆
体とを同時に反応させて製造することができる。
【0013】例えば、ポリエーテルジオール、ラクタム
(またはα,ω-アミノ酸)および連鎖制限剤である二酸
を少量の水の存在下で反応させることができる。主とし
てポリエーテルブロックと、各種長さのポリアミドブロ
ックとを有するポリマーがえられるが、ポリマー鎖に沿
ってランダムに分散したランダムに反応した各種反応物
も得られる。ポリエーテルブロックとポリアミドブロッ
クとを有するポリマーを予め作ったポリアミド単位とポ
リエーテル単位とを共重縮合するか、一段で製造するか
には無関係に、例えばショアー硬度Dが20〜75、好まし
くは30〜70で、25℃のメタクレゾール中で測定される固
有粘度が0.8〜2.5であるポリマーが得られる。
【0014】ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコールまたはポリテトラメチレングリコールから得
られたポリエーテルブロックはその由来とは関係なく、
そのまま用いてカルボキシ末端を有するポリアミドブロ
ックと共重縮合させるか、アミノ化してポリエーテルジ
アミンに変換し、カルボキシ末端を有するポリアミドブ
ロックと縮合させる。ポリエーテルブロックをポリアミ
ド先駆体および連鎖制限剤と混合して、ランダムに分散
した単位を有するポリアミドブロックとポリエーテルブ
ロックとを有するポリマーを作ることもできる。
【0015】ポリアミドブロックとポリエーテルブロッ
クとを有する上記ポリマーは米国特許第4,331,786号、
米国特許第4,115,920号、米国特許第4,195,015号、米国
特許第4,839,441号、米国特許第4,864,014号、米国特許
第4,230,838号および米国特許第4,332,920号に記載され
ている。ポリエーテルは例えばポリエチレングリコール
(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)またはポリ
テトラメチレングリコール(PTMG)にすることができ
る。後者はポリテトラヒドロフラン(PTHF)ともよばれ
る。
【0016】ジオールの形であれ、ジアミンの形であ
れ、ポリアミドブロックとポリエーテルブロックとを有
するポリマー鎖にポリエーテルブロックを導入したもの
は、簡単にPEGブロックまたはPPGブロックまたはPTMGブ
ロックとよばれる。ポリエーテルブロックがエチレング
リコール、プロピレングリコールまたはテトラメチレン
グリコール以外で得られた単位を有しても本発明の範囲
を逸脱するものではない。
【0017】ポリアミドブロックとポリエーテルブロッ
クとを有するポリマーは主成分がポリアミドである(す
なわちポリマー鎖中にランダムに分散したブロック状の
ポリアミドの量がポリアミドブロックとポリエーテルブ
ロックとを有するポリマーの50重量%以上である)のが
有利である。ポリアミドの量とポリエーテルの量は(ポ
リアミド/ポリエーテル)比が50/50〜80/20となるの
が有利である。ポリマー(B)のポリアミドブロックと
ポリエーテルブロックの分子量Mnはそれぞれ1000/100
0、1300/650、2000/1000、2600/650および4000/100
0であるのが好ましい。
【0018】ポリオレフィンは例えばエチレン、プロピ
レンまたは1-ブテンのようなオレフィン単位または他の
α−オレフィンを含むポリマーを意味する。例としては
下記を挙げることができる: (1) LDPE、HDPE、LLDPE またはVLDPE 等のポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、
メタロセンPEまたはエチレン/C3-C10モノマー共重合
体、(2) エチレンと、不飽和カルボン酸の塩またはエ
ステルおよび飽和カルボン酸のビニルエステルの中から
選択される少なくとも一つの化合物との共重合体。ポリ
オレフィンはLLDPE 、VLDPE 、ポリプロピレン、エチレ
ン/酢酸ビニル共重合体またはエチレン/(メタ)アク
リル酸アルキル共重合体から選択するのが有利である。
相対密度は0.86〜0.965、メルトフローインデックス(M
FI)は0.3〜40が有利である。
【0019】フッ素化ポリマーの例としてはポリ弗化ビ
ニリデン(PVDF)、弗化ビニリデン(VF2)を含む共重
合体、エチレンとテトラフルオロエチレンとの共重合
体、ポリトリフルオロエチレン、トリフルオロエチレン
共重合体、ヘキサフルオロプロペンのホモポリマーおよ
びコポリマー、クロロトリフルオロエチレンのホモポリ
マーおよびコポリマーを挙げることができる。PVDFを用
いるのが有利である。「EVOH」とはエチレンとビニルア
ルコールとの共重合体を意味する。この共重合体はエチ
レン/酢酸ビニル共重合体の加水分解で得られる。この
加水分解が不完全であると酢酸ビニル単位が残る。
【0020】ポリエステルの例としてはPET(ポリエチ
レンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレ
ート)またはPEN(ポリエチレンナフタネート)が挙げ
られる。ポリエステルブロックとポリエーテルブロック
とを有する共重合体はポリエーテルジオール、例えばポ
リエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコ
ール(PPG)またはポリテトラメチレングリコール(PTM
G)と、ジカルボン酸単位、例えばテレフタル酸と、グ
リコール(エタンジオール)または1,4-ブタンジオール単
位とを有する共重合体である。ポリエーテルと二酸との
鎖が軟質セグメントを形成し、グリコールまたはブタン
ジオールと二酸との鎖がコポリエーテルエステルの硬質
セグメントを形成する。
【0021】上記のコポリエーテルエステルは欧州特許
第402,883号および欧州特許第405,227号に記載されてお
り、これらの特許明細書の内容は本願明細書の一部を成
す。熱可塑性ポリウレタンの例としてはポリエーテルウ
レタン、例えばジイソシアネート単位、ポリエーテルジ
オール由来の単位およびエタンジオールまたは1,4-ブタ
ンジオール由来の単位を有するものを挙げることができ
る。熱可塑性ポリエステルウレタンの例としてはジイソ
シアネート単位、非晶質ポリエステルジオール由来の単
位およびエタンジオールまたは1,4-ブタンジオール由来
の単位を有するものを挙げることができる。
【0022】ポリケトンは不飽和モノマー1モル当たり
ほぼ1モルの一酸化炭素を含むポリマーである。このモ
ノマーは2〜12個の炭素原子を有するα-オレフィンま
たはその置換誘導体から選択することができる。このモ
ノマーはスチレンまたはアルキル基で置換されたその誘
導体、例えばメチルスチレン、エチルスチレンおよびイ
ソプロピルスチレンから選択することもできる。ポリケ
トンはエチレンと一酸化炭素との共重合体またはエチレ
ンとプロピレンと一酸化炭素との共重合体であるのが好
ましい。ポリケトンがエチレンと、第2モノマーと、一
酸化炭素との共重合体の場合、第2モノマー1単位当たり
エチレン単位は少なくとも2つ、好ましくは10〜100存在
する。ポリケトンは〔化1〕で表すことができる:
【0023】
【化1】
【0024】(ここで、Aは少なくとも3個の炭素原子
を有する不飽和モノマーを表し、x/y比は少なくとも2
である。) ポリケトン鎖中には下記〔化2〕および〔化3〕で表さ
れる単位がランダムに分散している。
【0025】
【化2】
【0026】
【化3】
【0027】数平均分子量は1000〜200,000、好ましく
は20,000〜90,000(ゲル透過クロマトグラフィーで測
定)にすることができる。溶融温度は175〜300℃、一般
に200〜270℃にすることができる。上記ポリケトンの合
成法は米国特許第4,843,144号、米国特許第4,880,903号
および米国特許第3,694,412号に記載されており、これ
らの特許明細書の内容は本願明細書の一部を成す。ポリ
マー(M)として複数の熱可塑性樹脂の混合物を用いて
も本発明の範囲を逸脱するものではない。
【0028】硬い節の直径は基本的に1μm以下であ
る、すなわち数で50%以上が1μm以下である。この節
の形は球形であるのが好ましい。制御された形態と制御
された直径の硬い節は(2元、3元)不飽和モノマーの
ラジカル重合で得られる。モノマーが多官能性であるた
め、重合で硬い材料の特性(不溶、高いTg)を有する架
橋した網状構造が形成される。先駆体の例としては下記
モノマーを挙げることができる:
【0029】(1) トリメチロールプロパントリアクリ
レート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタク
リレート(TMPTMA)、トリメチロールプロパンエトキシ
レート(ジ-、トリ-)アクリレート、トリメチロールプ
ロパンジアリルエーテル、ジ(トリメチロールプロパ
ン)テトラアクリレート、ペンタエリトリトールテトラ
アクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレー
ト、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレ
ートまたはエトキシル化ペンタエリトリトールテトラア
クリレート。
【0030】(2) トリアリルシアヌレート、トリアリ
ルイソシアヌレート、トリアリルアミン、トリアリル1,
3,5-ベンゼントリカルボキシレートまたはトリス[2-
(アクリロイルオキシ)エチル]イソシアヌレート、
(3) ジビニルベンゼン、トリビニルシクロヘキサンま
たはジビニルスルホン、(4) 1,3-ジビニルテトラメチ
ルジシロキサン、(5) ジアリルモノマー:ジアリルカ
ーボネート、ジアリルメチルシラン、ジアリルエーテ
ル、ジアリルマレエート、ジアリルフタレート、ジアリ
ルピロカーボネート、ジアリルスクシネートまたはジア
リルフェニルホスフィン。
【0031】ラジカル重合開始剤を添加するのが有利で
あり、特にペルオキシドが適している。ペルオキシドの
例としてはt-ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロ
ペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキ
シド、ジ-t-ブチルペルオキシド、ジ-t-ブチルクミルペ
ルオキシド、ジクミルペルオキシド、1,3-ビス(t-ブチ
ルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、アセチルペルオ
キシド、ベンゾイルペルオキシド、イソブチリルペルオ
キシド、ビス(3,5,5-トリメチルヘキサノイル)ペルオ
キシドおよびメチルエチルケトンペルオキシドを挙げる
ことができる。開始剤の比率は先駆体の量の0〜0.5重
量%であるのが有利である。
【0032】硬い節の重量比率は99〜40部の熱可塑性樹
脂(M)に対して1〜60部にすることができる。耐衝撃性
改良剤(S)の例としてはポリオレフィン、官能化され
たポリオレフィン、グラフト化脂肪族ポリエステル、ポ
リエーテルブロックとポリアミドブロックとを有する必
要に応じてグラフト化されたポリマーまたはエチレンと
アルキル(メタ)アクリレートおよび/または飽和カル
ボン酸ビニルエステルとの共重合体を挙げることができ
る。ポリオレフィンの例はポリマー(M)の説明で既に
述べたものである。耐衝撃性改良剤(S)はポリマー
(M)と相溶性にある少なくとも1つのブロックを有す
るブロック共重合体にすることもできる。
【0033】官能化されたポリオレフィンはα-オレフ
ィン単位とエポキシドまたはカルボン酸または無水カル
ボン酸単位とを有するポリマーである。耐衝撃性改良剤
(S)の例としてはポリマー(M)で述べたポリオレフィ
ンまたはSBS、SISまたはSEBSブロックポリマー、EPR
(エチレンプロピレンゴム、EPMともよばれる)またはE
PDM、は不飽和エポキシド、例えばグリシジル(メタ)
アクリレートをグラフトしたこれらのポリマー、カルボ
ン酸、例えば(メタ)アクリル酸をグラフトしたこれら
のポリマーまたは不飽和無水カルボン酸、例えば無水マ
レイン酸をグラフトしたこれらのポリマーを挙げること
ができる。
【0034】例としては下記を挙げることができる: (1)エチレンと、不飽和エポキシドと、必要に応じて
添加される不飽和カルボン酸エステルまたはその塩また
は飽和カルボン酸のビニルエステルとの共重合体。この
例はエチレン/酢酸ビニル/グリシジル(メタ)アクリ
レート共重合体またはエチレン/アルキル(メタ)アク
リレート/グリシジル(メタ)アクリレート共重合体で
ある。
【0035】(2)エチレンと、不飽和無水カルボン酸
および/または不飽和カルボン酸(金属(Zn)またはア
ルカリ金属(Li)で部分的に中和されていてもよい)
と、必要に応じて添加される不飽和カルボン酸エステル
または飽和カルボン酸ビニルエステルとの共重合体。こ
の例はエチレン/酢酸ビニル/無水マレイン酸共重合体
またはエチレン/アルキル(メタ)アクリレート/無水
マレイン酸共重合体またはエチレン/ZnまたはLi(メ
タ)アクリレート/無水マレイン酸共重合体である。 (3)不飽和無水カルボン酸をグラフトまたは共重合し
た後にモノアミノ化ポリアミド(またはポリアミドオリ
ゴマー)を縮合したポリエチレン、ポリプロピレンまた
はエチレン−プロピレン共重合体。これらの化合物は欧
州特許第342,066号に開示されている。
【0036】官能化されたポリオレフィンは、無水マレ
イン酸をグラフトした後にモノアミノ化ポリアミド-6ま
たはカプロラクタムのモノアミノ化オリゴマーを縮合し
た、エチレン/アルキル(メタ)アクリレート/無水マ
レイン酸共重合体、エチレン/酢酸ビニル/無水マレイ
ン酸共重合体またはプロピレンを主成分とするエチレン
−プロピレン共重合体から選択するのが有利である。
【0037】官能化されたポリオレフィンは40重量%以
下のアルキル(メタ)アクリレートと10重量%以下の無
水マレイン酸とを有するエチレン/アルキル(メタ)ア
クリレート/無水マレイン酸共重合体であるのが好まし
い。アルキル(メタ)アクリレートはメチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、n -ブチルアクリレート、イ
ソブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレー
ト、シクロヘキシルアクリレート、メチルメタクリレー
トおよびエチルメタクリレートの中から選択することが
できる。
【0038】グラフト化脂肪族ポリエステルの例として
は無水マレイン酸、グリシジルメタクリレート、ビニル
エステルまたはスチレンをグラフトしたポリカプロラク
トンを挙げることができる。これらの化合物は欧州特許
第711,791号に記載されている。ポリアミドブロックと
ポリエーテルブロックとを有するポリマーはポリマー
(M)の説明で既に述べたものである。この化合物には
塩化ビニルまたはアルキルアクリレートをグラフトする
ことができる。これらの化合物は欧州特許第365,398号
に記載されている。
【0039】耐衝撃性改良剤(S)の例としてはエラス
トマー、例えばポリブタジエン、SBR(スチレン-ブタジ
エンゴム)、NBR(ニトリル-ブタジエンゴム)、ポリイ
ソプレン、これらの官能化されたエラストマーまたはエ
ピクロロヒドリンゴムが挙げられる。複数の耐衝撃性改
良剤および/または官能化された耐衝撃性改良剤と官能
化されていない他の耐衝撃性改良剤との混合物を用いて
も本発明の範囲を逸脱するものではない。
【0040】耐衝撃性改良剤の比率は100〜40重量部の
ポリマー(M)に対して0〜60重量部にすることができ
る。 好ましい組成は下記である(合計100重量部) 40〜99部のポリマー(M) 1〜60部の硬い節 0〜60部の耐衝撃性改良剤。
【0041】本発明組成物は下記の中から選択される少
なくとも1種の添加剤をさらに含むことができる: 染料 顔料 蛍光増白剤 酸化防止剤 紫外線安定剤
【0042】本発明はさらに、上記組成物の製造方法に
関するものである。本発明方法では第1段階で溶融状態
の熱可塑性樹脂(M)中に節の先駆体の均質な溶液を形
成し、第2段階で開始剤の活性温度より低い温度を維持
しながら開始剤を導入し、第3段階で先駆体が架橋し、
硬い節が形成されるのに十分な温度まで混練しながら加
熱し、第1または第2段階中に必要に応じて耐衝撃性改良
剤を導入する。本発明方法の第1段階では、予め作成し
ておいた温度を関数とする状態図を用いて、熱可塑性マ
トリクス(または熱可塑性マトリクス混合物)/先駆体
の組合せを選択する。この第1段階では出発混合物が均
質になる温度範囲を規定することができる。事実、熱可
塑性マトリクスは可塑化する。
【0043】上記の相対比率の熱可塑性マトリクス/先
駆体を導入した後の第2段階では、均質な反応混合物に
ラジカル重合開始剤を導入する。開始剤を全て導入した
後、得られた三成分系を所望温度(開始剤の種類に関連
した反応温度)に加熱して先駆体の架橋反応を引き起こ
す。第3および第4段階は架橋反応中に行われ、架橋が進
み、それに応じて相分離が生じ、熱可塑性マトリクス中
に硬い節が形成される。
【0044】上記と同じ操作を熱可塑性樹脂/耐衝撃性
改良剤/先駆体/開始材混合物の系に適用することもで
きる。すなわち、第1段階でエラストマー/先駆体均質
二成分混合物を作り、次いで、この混合物を開始剤の存
在下で熱可塑性マトリクスに混和して最後の架橋段階を
行って相分離を生じさせる。第1段階の温度は先駆体の
存在下での熱可塑性樹脂(M)の溶融温度またはガラス
遷移温度に依存する。圧力は影響しない。開放式混練機
または一軸スクリューまたは二軸スクリュー押出機また
は熱可塑性樹脂の配合で用いられる任意の装置で操作す
ることができる。
【0045】第2および第3段階の温度は先駆体の架橋温
度によって決定され、この架橋段階は開始剤の存在下ま
たは非存在下(単なる先駆体の熱開始反応)で実施でき
る。開始剤の存在下での架橋温度は開始剤がフリーラジ
カルを発生する温度である。第3段階の時間は1秒〜4
時間にすることができる。この時間は1〜5または10分
にすることができ、本発明の主な利点の1つである。こ
の時間は熱可塑性樹脂の加工業者が容易に決められる。
押出機等の機械の吐出量、加熱条件、開始剤がラジカル
を生成する温度または先駆体が熱架橋する温度は公知で
ある。
【0046】
【実施例】下記実施例での比率は重量%である。実施例1 PMMA/三官能価アクリレートモノマーをベースとする硬
い節の二成分混合物の合成(硬い相の含量は種々に変え
た) サンプル1-1 (同じ条件で加工した比較例としての100%
のPMMA) 55gのPMMA(Altuglas(登録商標)GR5)をブラベンダー
混練反応器に導入する。温度を10分間で160℃に上げ
る。次いでPMMAを反応器から取り出し80×10×4の試験
片を作り、ビカー50N温度を測定する。
【0047】サンプル1-2(90%のPMMA、9.95%のTMPTM
Aおよび0.05%のジクミルペルオキシド) 49.5gのPMMA(Altuglas(登録商標)GR5)をブラベンダ
ー混練反応器に導入する。温度を10分間で160℃に上げ
る。次いで9.95%のTMPTMAを少しずつ添加する。混練機
の温度はTMPTMAを添加しながら徐々に100℃に下げる。
最後のTMPTMAを添加するときに0.05%のジクミルペルオ
キシドを一緒に添加する。次いで温度を160℃に上げてT
MPTMA を10分間架橋させる。混合物を反応器から取り出
し、80×10×4の試験片を作り、ビカー50N温度を測定
する。
【0048】サンプル1-3(80%のPMMA、19.8%のTMPTM
Aおよび0.2%のジクミルペルオキシド) 43.56gのPMMA(Altuglas(登録商標)GR5)をブラベン
ダー混練反応器に導入する。温度を10分間で160℃に上
げる。次いで19.8%のTMPTMAを少しずつ添加する。混練
機の温度をTMPTMAを添加しながら徐々に100℃に下げ
る。最後のTMPTMAを添加するときに0.2%のジクミルペ
ルオキシドを一緒に添加する。次いで温度を160℃に上
げてTMPTMA を10分間架橋させる。混合物を反応器から
取り出し、80×10×4の試験片を作り、ビカー50N温度
を測定する。
【0049】サンプル1-4(70%のPMMA、29.55%のTMPT
MAおよび0.45%のジクミルペルオキシド) 37.9gのPMMA(Altuglas(登録商標)GR5)をブラベンダ
ー混練反応器に導入する。温度を10分間で160℃に上げ
る。次いで29.55%のTMPTMAを少しずつ添加する。混練
機の温度をTMPTMAを添加しながら徐々に100℃に下げ
る。最後のTMPTMAを添加するときに0.45%のジクミルペ
ルオキシドを一緒に添加する。次いで温度を160℃に上
げてTMPTMA を10分間架橋させる。混合物を反応器から
取り出し、80×10×4の試験片を作り、ビカー50N温度
を測定する。サンプル1-1〜1-4のビカー温度の結果は
〔表1〕に示してある。
【0050】
【表1】
【0051】実施例2 PVDF/三官能価アクリレートモノマーをベースとする硬
い節の二成分混合物の合成(硬い相の含量は種々に変え
た) サンプル2-1 (比較例として同じ条件で加工した100%の
PVDF) 55gのPVDF(エルフアトケム(Elf Atochem)社製のKyna
r(登録商標)1000LD)をブラベンダー混練反応器に導
入する。温度を10分間で210〜220℃に上げる。次いでPV
DFを反応器から取り出し、80×10×4の試験片を作り、
ビカー50N温度を測定する。
【0052】サンプル2-2(87.5%のPVDF、12.44%のTM
PTAおよび0.06%の2,5-ジメチル-2,5-ビス(tert-ブチ
ルペルオキシ)ヘキサン(DBPH)) 49.5gのPVDF(Kynar(登録商標)1000LD)をブラベンダ
ー混練反応器に導入する。温度を10分間で210℃に上げ
る。次いで12.44%のTMPTAを少しずつ添加する。混練機
の温度をTMPTAを添加しながら徐々に130〜140℃に下げ
る。最後のTMPTAを添加するときに0.06%のDBPHを一緒
に添加する。次いで温度を180℃に上げ、TMPTA を10分
間架橋させる。混合物を反応器から取り出し、80×10×
4の試験片を作り、ビカー50N温度を測定する。
【0053】サンプル2-3(75%のPVDF、24.75%のTMPT
Aおよび0.25%の2,5-ジメチル-2,5-ビス(tert-ブチル
ペルオキシ)ヘキサン(DBPH)) 42gのPVDF(Kynar(登録商標)1000LD)をブラベンダー
混練反応器に導入する。温度を10分間で210℃に上げ
る。次いで24.75%のTMPTAを少しずつ添加する。混練機
の温度をTMPTAを添加しながら徐々に130〜140℃に下げ
る。最後のTMPTAを添加するときに0.25%のDBPHを一緒
に添加する。次いで温度を180℃に上げ、TMPTA を10分
間架橋させる。混合物を反応器から取り出し、80×10×
4の試験片を作り、ビカー50N温度を測定する。サンプ
ル2-1〜2-3のビカー温度の結果は〔表2〕に示してあ
る。
【0054】
【表2】
【0055】実施例3 PA-12/耐衝撃性改良剤/三官能価アクリレートモノマ
ーをベースとする硬い節の混合物の合成(硬い相の含量
は種々に変えた) 耐衝撃性改良剤はLotader 4700(登録商標)(MFI(g/
10分)が7(190℃、2.16kg)のアクリレート30%と、
無水物1.5%とを含むエチレン-ブチルアクリレート-無
水マレイン酸共重合体)である。PA-12は固有粘度が1.6
5のポリアミド-12を意味する。サンプル3-1 (比較例として同じ条件で加工した100%の
PA-12(Aesno(登録商標)TL) 55gのPA-12(Aesno(登録商標)TL)をブラベンダー混練
反応器に導入する。温度を10分間で190℃に上げる。次
いでPA-12を反応器から取り出し、て80×10×4の試験
片を作り、機械的特性(衝撃強度、弾性率およびビカー
50N)を評価する。
【0056】サンプル3-2(Lotader(登録商標)とTMPT
Aとの二成分混合物(60/40質量%)でTMPTAを架橋させ
ない) 40gのLotader (登録商標)4700をブラベンダー混練反
応器に導入する。温度を10分間で110℃に上げる。次い
で40%のTMPTAを少しずつ添加する。TMPTAの添加を終え
るまで混練機の温度を110℃に維持する。
【0057】サンプル3-3(85%のPA-12、14.925%のサ
ンプル3-2および0.075%の2,5-ジメチル-2,5-ビス(ter
t-ブチルペルオキシ)ヘキサン(DBPH)) 47gのPA-12(Aesno(登録商標)TL)をブラベンダー混練
反応器に導入する。温度を10分間で190℃に上げる。次
いで14.925%のサンプル3-2を添加する。サンプル3-2を
全て添加した後で0.075%のDBPHを添加し、混練機の温
度を迅速に220℃に上げて10分間一定に維持する。混合
物を反応器から取り出し、80×10×4の試験片を作り、
機械的特性(衝撃強度、弾性率およびビカー50N)を評
価する。
【0058】サンプル3-4(比較例としての85%のPA-12
と15%のLotader(登録商標)4700) 47gのPA-12(Aesno(登録商標)TL)をブラベンダー混練
反応器に導入する。温度を10分間で190℃に上げる。次
いで15%のLotader (登録商標)4700を添加する。Lota
der (登録商標)を全て添加した後、混練機の温度を迅
速に220℃に上げて10分間一定に維持する。混合物を反
応器から取り出し、80×10×4の試験片を作り、機械的
特性(衝撃強度、弾性率およびビカー50N)を評価す
る。上記各アロイの主な機械的特性は〔表3〕に示して
ある。
【0059】
【表3】
【0060】実施例4 PA-12/耐衝撃性改良剤/三官能性アクリレートモノマ
ーをベースとする硬い節の 混合物の合成(硬い相の含量は種々に変えた) 耐衝撃性改良剤はショアーD硬度が40のポリアミド-12ブ
ロックとポリテトラメチレングリコールブロック(1000
/1000)との共重合体であるPebax(登録商標)MX 1205
にした。サンプル4-1( 比較例としての同じ条件で加工した100%
のPA-12(Aesno(登録商標)TL) 55gのPA-12(Aesno(登録商標)TL)をブラベンダー混練
反応器に導入する。温度を10分間で190℃に上げる。次
いでPA-12を反応器から取り出し、て80×10×4の試験
片を作り、機械的特性(衝撃強度、弾性率およびビカー
50N)を評価する。
【0061】サンプル4-2(Pebax(登録商標)MX 1205
とTMPTA(60/40質量%)との二成分混合物のTMPTAを架
橋させない場合) 40gのPebax(登録商標)をブラベンダー混練反応器に導
入する。温度を10分間で165℃に上げる。次いで40%のT
MPTAを少しずつ添加する。TMPTAの添加を終えるまで混
練機の室の温度を165℃に維持する。
【0062】サンプル4-3(85%のPA-12、14.925%のサ
ンプル4-2および0.075%の2,5-ジメチル-2,5-ビス(ter
t-ブチルペルオキシ)ヘキサン(DBPH)) 47gのPA-12(Aesno(登録商標)TL)をブラベンダー混練
反応器に導入する。温度を10分間で190℃に上げる。次
いで14.925%のサンプル4-2を添加する。サンプル4-2を
全て添加した後で0.075%のDBPHを添加し、混練機の温
度を迅速に220℃に上げて10分間一定に維持する。混合
物を反応器から取り出して80×10×4の試験片を作り、
機械的特性(衝撃強度、弾性率およびビカー50N)を評
価する。
【0063】サンプル4-4(比較例としての85%のPA-12
と15%のPebax(登録商標)) 47gのPA-12(Aesno(登録商標)TL)をブラベンダー混練
反応器に導入する。温度を10分間で190℃に上げる。次
いでPebax(登録商標)を添加する。Pebax(登録商標)
を全て添加した後、混練機の温度を迅速に220℃に上げ
て10分間一定に維持する。混合物を反応器から取り出
し、80×10×4の試験片を作り、機械的特性(衝撃強
度、弾性率およびビカー50N)を評価する。上記各アロ
イの主な機械的特性は〔表4〕に示してある。
【0064】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロラン テツェ フランス国 78700 コンフラン サン− トノリン リュ ユドキシ 3 (72)発明者 ティエリ ヴィヴィエ フランス国 27470 セルキニ リュ デ テリエ 18

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(a)〜(c)から成る熱可塑性組成物: (a) マトリクスを形成する熱可塑性ポリマー(M)、
    (b) ラジカル重合で得られる硬い節、(c) 必要に応じ
    て用いられる耐衝撃性改良剤(S)。
  2. 【請求項2】 熱可塑性ポリマー(M)がポリオレフィ
    ン、ポリアミド、フッ素化ポリマー、飽和ポリエステ
    ル、ポリカーボネート、スチレン樹脂、PMMA、熱可塑性
    ポリウレタン(TPU)、ポリアミドブロックを有する共
    重合体、ポリエステルブロックとポリエーテルブロック
    とを有する共重合体、PVC、エチレンとビニルアルコー
    ルとの共重合体(EVOH)およびポリケトンの中から選択
    される請求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 数で50%の節の直径が1μm以下であ
    り、節の形が球形である請求項1または2に記載の組成
    物。
  4. 【請求項4】 硬い節の重量比率が99〜40部の熱可塑性
    樹脂(M)に対して1〜60部である請求項1〜3のいずれ
    か一項に記載の組成物。
  5. 【請求項5】 硬い節の先駆体がトリメチロールプロパ
    ントリアクリレート(TMPTA)およびトリメチロールプ
    ロパントリメタクリレート(TMPTMA)の中から選択され
    る請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 【請求項6】 耐衝撃性改良剤の比率が100〜40重量部
    のポリマー(M)に対して0〜60重量部である請求項1
    〜5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 【請求項7】 下記重量比率から成る(合計100部)請
    求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物: 40〜99部のポリマー(M) 1〜60部の硬い節 0〜60部の耐衝撃性改良剤。
  8. 【請求項8】 第1段階で溶融状態の熱可塑性樹脂(M)
    中で節の先駆体の均質な溶液を形成し、第2段階で、開
    始剤の活性温度以下の低い温度に維持しながら開始剤を
    導入し、第3段階で、混練しつつ先駆体が架橋し、硬い
    節が形成するのに十分な温度に加熱し、必要に応じて第
    1または第2段階中に耐衝撃性改良剤を導入する請求項1
    〜7のいずれか一項に記載の組成物の製造方法。
  9. 【請求項9】 開始剤がペルオキシドであり、その量が
    先駆体の量の0〜0.5重量%である請求項8に記載の方
    法。
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