JP2606325B2 - ポリエステル系樹脂組成物 - Google Patents

ポリエステル系樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 発明の目的 〔産業上の利用分野〕 本発明は一般消費用、工業用の成型材料、合成繊維、
接着剤等の広範な用途に用いられるポリエステル系樹脂
組成物に関し、さらに詳しくは異種ポリマー配合により
芳香族ポリエステルを改質するに当り、改質方法として
最近注目されているポリマーアロイの手法を利用したポ
リエステル系樹脂組成物に関するものである。
〔従来の技術とその問題点〕
芳香族ポリエステルは合成繊維以外に、最近ではフィ
ルムやポトル、成形材料等としても大量に消費されるに
至っている。代表的な芳香族ポリエステル樹脂であるポ
リブチレンテレフタレート(以下、PBTと略記する)や
ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記する)
は結晶性エンジニアリングプラスチックとしての様々な
望ましい性質例えば耐熱性、耐候性、機械的強度、耐油
性、耐薬品性等を有する。反面、成形収縮率の高さに起
因する寸法安定性の悪さ、耐衝撃性、耐アルカリ性、塗
装性、接着性等に問題が有り、これら問題点の克服に努
力が重られており、例えば耐熱性や強度を改良する為
に、ガラス繊維の配合による複合化等が一般的になされ
ているが、この場合成形機の摩耗や成形品のそり、強度
の異方性が新たな問題となっている。
既存の樹脂を多様化する用途に合わせて改質する方法
として、最近ポリマーブレンドによる方法が注目されて
いる。樹脂の特徴を生かし欠点を補う為に異質の樹脂を
ブレンドする上記方法によれば、樹脂使用者の多様化す
るニーズにフレキシブルに対応でき、また過剰品質によ
る資源の無駄を避けることができる他、新しい樹脂の研
究・開発に不可避の投資負担を軽減できるといった有利
な点を持つ。
ポリマーアロイまたはブレンドの試みは古くから行わ
れてきたが、最近では芳香族ポリエステルによって代表
されるエンジニアリングプラスチックの分野で特に活発
に検討されている。
芳香族ポリエステルと他の樹脂からなる樹脂組成物
は、主に該ポリエステルの短所である寸法安定性や耐熱
性、耐衝撃性を改良することを目的に検討されており、
相手方の熱可塑性樹脂としては、ポリフェニレンエーテ
ル、ポリスチレン、ゴム強化ポリスチレン、ABS樹脂、A
S樹脂、およびアクリル樹脂等が用いられている。PBTや
PET等の芳香族ポリエステルと上記熱可塑性樹脂とは、
溶解性パラメーターの値が大きく異なり相溶性に劣る組
み合わせである為、単純にブレンドしただけでは、物性
の著しく劣った実用不可能な組成物となる。
上記問題を解決するために、近年異種のポリマーセグ
メントを同一分子内に持つブロックポリマーやグラフト
ポリマー等を相溶化剤として少量添加するという提案が
幾つかなされているが、従来提案されている相溶化剤例
えば芳香族ポリエステルとポリスチレンとを構成セグメ
ントとするグラフトポリマー等を使用して得られるポリ
エステル系樹脂組成物においても、その物性特に機械的
強度が今一歩であるのが現状である。
(ロ) 発明の構成 〔課題を解決するための手段〕 本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討した
結果、芳香族ポリエステルと他の熱可塑性樹脂からなる
樹脂組成物に、相溶化剤として、マクロモノマー法によ
るグラフトポリマーであって、該グラフトポリマーの幹
成分が前記芳香族ポリエステルの分子末端に付いたカル
ボキシル基と反応性のエポキシ基を有する単量体単位か
らなり、その枝成分が芳香族ポリエステル以外の前記熱
可塑性樹脂(以下改質用熱可塑性樹脂という)と相溶性
の良いポリマーセグメントであるグラフトポリマーを配
合することにより、機械的強度の著しく優れた成形体に
成形できる樹脂組成物が得られることを見出し、本発明
を完成するに至った。
すなわち、本発明は、芳香族ポリエステル、芳香族ポ
リエステル以外の熱可塑性樹脂およびマクロモノマー法
によるグラフトポリマーからなるポリエステル系樹脂組
成物であって、前記グラフトポリマーの幹成分がエポキ
シ基を有するビニル単量体単位からなり、その枝成分が
芳香族ポリエステル以外の前記熱可塑性樹脂と相溶性の
良いポリマーセグメントであることを特徴とするポリエ
ステル系樹脂組成物である。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
〔マクロモノマー法によるグラフトポリマー〕
本発明においてマクロモノマー法によるグラフトポリ
マーとは、数平均分子量が1000〜30000程度の重合体の
分子片末端にビニル重合性基を有する高分子単量体すな
わちマクロモノマーと、他の共重合性単量体とを共重合
させて得られる、前記マクロモノマーを枝成分とし他の
共重合性単量体からなる単位を幹成分の構成単位とする
グラフトポリマーを意味し、本発明において相溶化剤と
して使用するグラフトポリマーは、枝成分として後記改
質用熱可塑性樹脂と相溶性の良いポリマーセグメントを
有し、幹成分としてエポキシ基を有するビニル単量体か
らなるポリマーセグメントを有する、マクロモノマー法
によるグラフトポリマーである。
本発明におけるマクロモノマーは、たとえばビニル単
量体をリビングアニオン重合し、重合性基とハロゲン原
子を有する停止剤によって重合停止させるという方法
(特開昭51−125186号公報)およびカルボキシル基を分
子中に有するメルカプタン系連鎖移動剤の存在下に、ラ
ジカル重合性単量体を重合させて分子鎖の片末端にカル
ボキシル基を有するプレポリマーを得た後、これにグリ
シジルメタクリレートの如き前記カルボキシル基と反応
性のエポキシ基と重合性基とを併せ有する化合物を付加
反応させるという方法等の公知の方法によって製造する
ことができる。
マクロモノマーの重合体骨格を形成させる単量体は、
改質用熱可塑性樹脂の種類に応じて選定され、例えば次
に列挙したような単量体の中から適宜選択して使用する
ことができる。
すなわち、酢酸ビニルの如き有機酸のビニルエステ
ル、スチレン、スチレン置換体並びにビニルピリジン、
ビニルナフタレンの如きビニル芳香族化合物(メタ)ア
クリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、アクロ
レイン、N−ビニルピロリドン及びN−ビニルカプロラ
クタムの如きN−ビニル化合物、無水マレイン酸の如き
不飽和酸無水物およびN−フェニルマレイミドの如きN
−置換マレイミド等が挙げられる。重合性の高い点でス
チレン、スチレン置換体、(メタ)アクリル酸エステル
および(メタ)アクリロニトリルが好ましく、更に好適
にはスチレン、(メタ)アクリル酸アルキル、アクリロ
ニトリルである。
上記単量体の内から適宜選択してそれらの単独重合あ
るいは共重合によって、下記の如き組合せで各種改質用
熱可塑性樹脂に相溶性の優れた重合体骨格を形成するこ
とができる。
改質用熱可塑性樹脂とそれに対応する相溶性セグメン
トの組合せの例としては、次のような組合せが使用でき
る。
i)ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、ポリ
フェニレンエーテル→ポリスチレン ii)アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、アクリ
ロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂、ポリ
カーボネート→アクリロニトリル−スチレン共重合体又
はポリメタクリル酸メチル iii)メタクリル樹脂、ポリ塩化ビニル→ポリメタクリ
ル酸メチル又はアクリロニトリル−スチレン共重合体 マクロモノマーの分子量は、数平均分子量で1000〜30
000が好ましく、2000〜10000が更に好ましい。数平均分
子量が1000未満では改質用熱可塑性樹脂へのアンカー効
果が不足し、相溶化効果が小さいので好ましくなく、20
000を越えると改質用熱可塑性樹脂への溶解速度が低下
し、混練り条件が制約されるので好ましくない。
一方、グラフトポリマーの幹成分は、エポキシ基を有
するビニル単量体の単独重合体からなるかまたは他のビ
ニル単量体との共重合体からなる。エポキシ基を有する
ビニル単量体としては、メタクリル酸グリシジル、アク
リル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジル、イタコン
酸グリシジル等のグリシジルエステル類や、アリルグリ
シジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル
等のグリシジルエーテル類が使用され、好適にはメタク
リル酸グリシジル、アクリル酸グリシジル、アリルグリ
シジルエーテルが使用され、更に好適にはメタクリル酸
グリシジルが使用される。
また、エポキシ基を有するビニル単量体と共重合させ
る単量体としては、前記マクロモノマーの重合体骨格用
に列挙したビニル単量体を使用することができる。
グラフトポリマー中のエポキシ基を有するビニル単量
体の含有量は、全単量体の合計量を基準にして2〜30重
量%が好ましく、5〜20重量%が更に好ましい。2重量
%未満では、エポキシ基の芳香族ポリエステルへの反応
の程度が低過ぎ相溶化効果が発現し難く、一方30重量%
を越えると改質用熱可塑性樹脂へのアンカー効果が不足
し相溶化効果が小さくなるので好ましくない。
また、グラフトポリマーの枝成分と幹成分との重量割
合は、枝成分が5〜95重量%であるが好ましく、10〜90
重量%が更に好ましい。枝成分が5重量%以下では改質
用熱可塑性樹脂へのアンカー効果が小さく、95重量%を
越えるとエポキシ基の芳香族ポリエステルへの反応の程
度が低過ぎる為好ましくない。
グラフトポリマーの分子量は、数平均分子量で5000〜
300000が好ましい。数平均分子量が5000以下では大きな
相溶化効果が期待出来ないため好ましくなく、300000以
上ではブレンドする樹脂への溶解速度が小さい為好まし
くない。
本発明において使用するグラフトポリマーの一例であ
る、枝成分がポリスチレンセグメントで幹成分がメタク
リル酸グリシジル−スチレン共重合体であるグラフトポ
リマーの製造方法について説明すると、スチレンをカル
ボキシ基を分子内に持つ連鎖移動剤の存在下にラジカル
重合させて、片末端にカルボキシル基を持つポリスチレ
ンを合成し、次に三級アミンや四級アンモニウム塩等の
触媒の存在下でグリシジル基を分子内に持ったビニル重
合性単量体と反応させてポリスチレンマクロモノマーを
製造し、このものをメタクリル酸グリシジル及びスチレ
ンと共重合する方法が挙げられる。
上記製造方法において使用するカルボキシル基を分子
内に持つ連鎖移動剤としては、例えばメルカプト酢酸、
3−メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトプロピオ
ン酸等が好適に用いられる。またグリシジル基を分子内
に持つビニル重合性単量体としては、メタクリル酸グリ
シジル(以下GMAと略記する)、アクリル酸グリシジル
およびアリルグリシジルエーテル等が用いられ、GMAが
とくに好ましい。さらに、マクロモノマーと幹成分形成
用モノマーすなわち上記例であればGMAおよびスチレン
との重合の方法としては、従来公知のラジカル重合開始
剤存在下での溶液重合法、バルク重合法、エマルジョン
重合法、懸濁重合法のいずれかの方法を用いれば良い。
〔芳香族ポリエステル〕
本発明の樹脂組成物の構成成分の一つである芳香族ポ
リエステルの具体例としては、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポ
リシクロヘキシレンジメチレンタレフタレート等が挙げ
られ、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレ
フタレートが好ましく用いられる。上記芳香族ポリエス
テルにおいて、酸成分として用いられているテレフタル
酸等の一部好ましくはその約20モル%以下を、アジピン
酸、セバシン酸、アゼライン酸等の脂肪属ジカルボン酸
や、脂環属ジカルボン酸等で置き換えた芳香族ポリエス
テルを使用しても良い。
さらに、上記芳香族ポリエステルにスチレン、(メ
タ)アクリル酸エステルまたはアクリロニトリル等から
なるビニル重合体セグメントのグラフトされた芳香族ポ
リエステル系グラフトポリマーを使用しても良い。かか
るグラフトポリマーは、それ自体相溶化剤の性質を有す
るので、該グラフトポリマーと改質用熱可塑性樹脂との
混和性は通常比較的良好であって、両者からなる樹脂組
成物の物性もある程度の水準にあるが、該樹脂組成物に
本発明における相溶化剤の前記グラフトポリマーを添加
することによりさらに良好な物性の樹脂組成物を得るこ
とができる。
上記芳香族ポリエステル系グラフトポリマーの好まし
い製造方法としては、分子鎖末端にエステル結合形成性
の官能基を有するビニル重合体と一般的な芳香族ポリエ
ステル製造用原料すなわち芳香族ジカルボン酸またはそ
のジメチルエステルおよびジオールとを重縮合する方法
等が挙げられる。
〔改質用熱可塑性樹脂〕
改質用熱可塑性樹脂としては、通常成型材料として使
用されるスチレン系、アクリル系および塩ビ系の各種の
樹脂が使用でき、具体的にはポリスチレン、高衝撃性ポ
リスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ア
クリロニトリル−ブタジエン−スチレン3元共重合体
(ABC樹脂)、ABC樹脂のゴム成分をアクリルゴム、塩素
化ポリエチレンまたはエチレン−プロピレン−ジエンモ
ノマー共重合体ゴムで各々置換した一般にAAS樹脂、ACS
樹脂、AES樹脂と称される3元共重合体、ポリメタクリ
ル酸メチル、ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンオキシ
ド、ポリカーボネートおよびポリスルホン等が挙げられ
る。
上記改質用樹脂は、単独で或いは2成分以上のブレン
ド体として使用することができる。好適にはポリスチレ
ン、ポリフェニレンオキシド、ABS樹脂が使用される。
〔ポリエステル系樹脂組成物〕
本発明のポリエステル系樹脂組成物は、前記芳香族ポ
リエステル、改質用熱可塑性樹脂およびグラフトポリマ
ーからなる樹脂組成物である。
芳香族ポリエステルと改質用熱可塑性樹脂の好ましい
配合割合は、重量比で5/95〜95/5で範囲であり、さらに
好ましくは20/80〜80/20から選ばれる。少量成分の割合
が5重量%以下では、少量成分の物性がブレンド組成物
に十分反映され難い。
グラフトポリマーの配合量は、芳香族ポリエステルと
改質用熱可塑性樹脂の合計量100重量部に対して、0.3〜
30重量部が好ましく、1〜20重量部がさらに好ましい。
グラフトポリマーの添加量が0.3重量部以下では相溶化
効果が不足し易く、一方30重量部以上では溶融粘度が上
昇して成形性の低下を招き易い。
芳香族ポリエステル、改質用熱可塑性樹脂及びグラフ
トポリマーの混合は、通常のブレンド方法例えば押出し
機、ニーダーまたはオープンロール等を使用して溶融混
練りする方法等によれば良い。溶融混練り時に、グラフ
トポリマー中のエポキシ基が芳香族ポリエステルの分子
末端のカルボキシル機と反応し、グラフトポリマーと芳
香族ポリエステルが化学的に結合するが、上記反応を促
進するため、上記3成分の合計量100重量部当り、触媒
としてトリフェニルアミン等の三級アミン類、四級アン
モニウム塩、トリフェニルフォスファイト等の亜リン酸
エステル、ホスホニウム塩、三級ホスフィン、カルボン
酸金属塩、スルホン酸金属塩および硫酸エステル塩等を
0.001〜5重量部添加することが好ましい。
好ましいブレンド方法としては、ヘンシェルミキサー
等を用いて混合し、これを押出し機を用いて加熱溶融さ
せて押し出し、ペレット状にカットする方法が挙げられ
る。
また本発明のポリエステル系樹脂組成物には、通常使
用されている各種の添加剤すなわち可塑剤、酸化防止
剤、安定剤、無機充填剤、ガラス繊維等の補強剤、顔
料、染料および衝撃強度改良剤例えばブタジエン系エラ
ストマーやオレフィン系エラストマー等の不飽和酸無水
物等による変性物、α−オレフィンとエポキシ基含有ビ
ニル単量体の共重合体、ウレタン系エラストマー、アク
リル系エラストマー、スチレン−ブタジエンブロック共
重合体及びその水添物等を適宜併用することができる。
以下に参考例、実施例及び比較例を挙げて本発明をさ
らに具体的に説明する。なお、各例に記載の%は重量%
を、部は重量部を意味する。
参考例1 撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を取りつ
けたガラスフラスコに、蒸溜水400部、ポリビニルアル
コール(クラレ(株)製ポバール420)の5%水溶液4
部、燐酸カルシウム懸濁液(日本化学工業(株)製スー
パータイト10)10部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム(花王(株)製エマール2F)の5%水溶液0.2部
を仕込んだ。末端にメタクリロイル基を持つポリスチレ
ンマクロモノマー(東亜合成化学工業(株)製マクロモ
ノマーAS−6)30部、スチレン60部、GMA10部、アゾビ
スイソブチロニトリル2.0部を含む溶液を滴下ロートに
入れた。フラスコを加熱昇温して内液の温度を80℃に設
定した後、滴下ロートの溶液を滴下した。80℃で7時間
保ち、重反応を完結させた。反応後濾過、減圧乾燥し
て、固形状のグラフトポリマー93部を得た。GPCによる
ポリスチレン換算平均分子量は、Mn=30,000 Mw=250,0
00であった。
参考例2 撹拌機、還流冷却器、温度計及び窒素ガス吹き込み口
を備えたセパラブルフラスコに、テレフタル酸ジメチル
エステル88.2部、1,4−ブタンジオール90.0部及びテト
ラブチルチタネート0.1部を仕込み、窒素気流下で加熱
昇温して留出するメタノールを除去しながらエステル交
換反応させた。この間反応温度は150℃から220℃まで上
昇した。その後反応系を徐々に減圧して、1,4−ブタン
ジオールを留出させながら約30分かけて内圧を5mmHg以
下且つ反応液を250℃とし、1,4−ブタンジオール留出下
で3時間重縮合反応させた。反応中系内圧力は0.5mmHg
以下に保った、反応後窒素を導入して常圧に戻し、生成
したPBTの高粘度液を取り出した。得られたPBTのメルト
フローインデックス(240℃、2.16kg荷重下)は、18.0
(g/10分)であった。
参考例3 撹拌機、還流冷却器、温度計及び窒素ガス吹き込み口
を備えたセパラブルフラスコに、テレフタル酸ジメチル
エステル86.0部、1,4−ブタンジオール87.8部、末端に
カルボキシル基を2個有するポリスチレン(東亜合成化
学工業(株)製マクロモノマーCS−6)2.5部及びテト
ラブチルチタネート0.1部を仕込み、窒素気流下で加熱
昇温して留出するメタノールを除去しながらエステル交
換反応させた。この間反応温度は150℃から220℃まで上
昇した。その後反応系を徐々に減圧して、1,4−ブタン
ジオールを留出させながら約30分かけて内圧を5mmHg以
下とした。反応液を250℃に昇温し、1,4−ブタンジオー
ル留出下で3時間重縮合反応させた。反応中系内圧力は
0.5mmHg以下に保った。反応後窒素を導入して常圧に戻
し、生成したポリスチレングラフト化PBTの高粘度液を
取り出した。このポリスチレングラフト化PBTのメルト
フローインデックス(240℃、2.16Kg荷重下)は、14.5
(g/10分)であった。
参考例4 アゾビスイソブチロニトリル0.5部およびn−ドデシ
ルメルカプタン0.67部を使用して、参考例1と同様な方
法により、末端にメタクリロイル基を有するポリメタク
リル酸メチルマクロモノマー(東亜合成化学工業(株)
製;マクロモノマーAA−6)30部、メタクリル酸メチル
60部およびGMA10部を重合させ、グラフトポリマー88部
を得た。
上記グラフトポリマーのGPCによるポリスチレン換算
平均分子量は、Mn=25000で、Mw=120000であった。
実施例1〜3 参考例1で製造したグラフトポリマー、参考例2及び
3で製造したPBT及びポリスチレングラフト化PBT、ポリ
フェニレンエーテル系樹脂(エンジニアリングプラスチ
ックス(株)製、商品名ノリル534J)およびテトラ−n
−ブチルアンモニウムブロミドを、各々表−1に示した
割合で配合し、二軸スクリュー押出機(口径29mmL/D=2
5)にて樹脂温度260℃で溶融混合した。得られた樹脂組
成物のメルトフローインデックス(2.16Kg荷重275
℃)、引張り試験(ペレットをプレス成形後、機械加工
して試験片を作成し、引張り速度10mm/分で行った)、
シャルピー衝撃試験(ペレットをプレス成形後、機械加
工して試験片を作成し、ノッチ無で行った)及び押し出
した樹脂ストランドの表面平滑性(目視による)をそれ
ぞれ評価した。結果を表−1に示した。
実施例4および比較例1 参考例2のPBT60部、ABS樹脂(三菱モンサント(株)
製;タフレックス461)40部および参考例4のグラフト
ポリマー3部を用い、二軸スクリュー押出機により温度
240℃で溶融混合して樹脂組成物(実施例4)を得ると
ともに、比較としてグラフトポリマーを使用せずに、上
記PBT60部およびABS樹脂40部を同様な方法により溶融混
合して樹脂組成物(比較例1)を得、それぞれの樹脂組
成物について、実施例1〜3と同様な物性を評価した。
その結果は次のとおりであった。
メルトフローインデックス(g/10分): 5.2(実施例4),11.7(比較例1) 引張強度(Kg/cm2): 498(実施例4),434(比較例1) 破断伸び(%): 17.6(実施例4),5.2(比較例1) 衝撃強度(kg・cm/cm2): 4.9(実施例4),3.0(比較例1) 比較例2 参考例2で製造したPBTと前記ポリフェニレンエーテ
ル系樹脂を、表−1に示した割合で配合し、以下実施例
1〜3と同一の方法により樹脂組成物を得た。得られた
樹脂組成物について物性を測定した結果は、表−1に示
したとおりであった。
(ハ) 発明の効果 本発明のポリエステル系樹脂組成物は、特定な化学構
造を有するグラフトポリマーすなわちエポキシ基を有す
る単量体単位を幹成分中に含有するマクロモノマー法に
よるグラフトポリマーが相溶化剤として有効に作用し、
芳香族ポリエステルとそれと異質の性質を有する改質用
熱可塑性樹脂とが緻密に混和し得るので、機械的に強靭
でしかも芳香族ポリエステルと改質用熱可塑性樹脂との
両者の性質を併せ持つ優れた成形体を提供することがで
きる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ポリエステル、芳香族ポリエステル
    以外の熱可塑性樹脂およびマクロモノマー法によるグラ
    フトポリマーからなるポリエステル系樹脂組成物であっ
    て、前記グラフトポリマーの幹成分がエポキシ基を有す
    るビニル単量体単位からなり、その枝成分が芳香族ポリ
    エステル以外の前記熱可塑性樹脂と相溶性の良いポリマ
    ーセグメントであることを特徴とするポリエステル系樹
    脂組成物。
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