JP2718197B2 - ポリアミド系樹脂組成物 - Google Patents

ポリアミド系樹脂組成物

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JP2718197B2 JP19525589A JP19525589A JP2718197B2 JP 2718197 B2 JP2718197 B2 JP 2718197B2 JP 19525589 A JP19525589 A JP 19525589A JP 19525589 A JP19525589 A JP 19525589A JP 2718197 B2 JP2718197 B2 JP 2718197B2
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (イ)発明の目的 〔産業上の利用分野〕 本発明は一般消費用、工業用の成型材料、合成繊維、
接着剤等広範な用途に用いられるポリアミド系樹脂組成
物に関し、また樹脂の改質方法として最近注目されてい
るポリマーアロイの手法を利用したポリアミド系樹脂組
成物に関するものである。
〔従来の技術とその問題点〕
近年の高分子化学工業の著しい発展に伴い、数多くの
高分子材料が日常生活用品、工業用品、車両、建材など
に大量に使用されている。
ポリアミドはエンジニアリングプラスチックの代表格
であり、優れた強靭性、自己潤滑性、耐摩耗性、耐薬品
性、自己消火性、ガスバリア性等の特徴を生かして、自
動車、電気、機械部品、包装材等広範囲な分野で着実な
伸びを続けている。
反面、吸湿による寸法変化や低温での衝撃強度に問題
点があるため、これらの点を改良すべく、樹脂供給者は
様々な試みを行っている。
中でもポリマーアロイ或いはブレンドによるポリアミ
ド樹脂の改質は古くから検討されており、主に疎水性ポ
リマーとのブレンドによって吸水性を低下させ寸法安定
性の向上を意図したものや、低温衝撃強度の向上を主目
的としたものが、数多く提案されており、ブレンドの相
手としては、アルリロニトリル−ブタジエン−スチレン
三元共重合体(以下ABSと略称する)、アクリロニトリ
ル−スチレン共重合体(以下ASと略称する)、酸変性さ
れたポリオレフィンやポリスチレン、ポリエステル、他
種のポリアミド、ポリフェニレンオキシド、各種のゴム
成分例えばカルボキシル基変性ブタジエンゴム、無水マ
レイン酸変性のオレフィン系ゴム、ニトリルゴム、ポリ
エステルゴム等である。
上記樹脂の内、ポリオレフィンやスチレン系樹脂、更
には近年エンジニアリングプラスチックとして高い成長
性を示しているポリフェニレンオキシド等は盛んにポリ
アミドとブレンドされており、その場合には、本質的に
相溶性を持たないこれら樹脂にポリアミドに対する相溶
性を付与すべく、不飽和カルボン酸又はカルボン酸無水
物を一部共重合させたり或いはグラフト化して、ポリマ
ー分子内に極性基を導入しポリアミドとの相互作用を高
める方法が一般的である。
これらの公知の方法に従って得たブレンド組成物は確
かにある程度の改良された性能を持つ。しかし、ブレン
ド時に化学結合を生じさせることによって相溶性を得る
という方法は必然的に分子量の上昇を招き、成形加工性
のいちじるしい低下をもたらす為、これら酸変性された
樹脂成分を多量に用いることは出来ない。
一方、酸変性樹脂を相溶化剤として少量添加し樹脂ブ
レンドの相溶性を改良しようという試みもなされてい
る。例えば、ポリアミドとポリプロピレンとのブレンド
に第三成分としてエチレン−アクリル酸共重合体金属塩
(アイオノマー樹脂)を添加して耐衝撃性・耐水性・耐
熱性に優れたブレンドを得たという例がある(特開昭56
−167740,167751)。しかしこの場合、ポリプロピレン
とアイオノマー樹脂との相溶性が不充分である為、機械
的強度の改良効果は十分でないという問題がある。
スチレン−メタクリル酸共重合体をポリアミド/ポリ
スチレン系ブレンドの相溶化剤として用いた場合には、
分散性の向上は見られたものの強度は改良されなかった
とする報告がある(J.Appl.Plym.Sci.18 963('74)。
ポリアミドとポリフェニレンオキシドとのブレンドで
も、同様の反応性基含有モノマーを含む共重合体が有効
であると報告されている(特開昭57−36150,59−2794
2、−27943)。これらの特許公報においては、スチレン
−無水マレイン酸共重合体或いはスチレン−マレイミド
共重合体を両樹脂の相用化剤として用い、耐油性・耐熱
性・耐衝撃性に優れたブレンド組成物が得られたと報告
されているが、なお機械的強度が不足し増粘による成形
性低下も問題として残されていた。
すなわち上記相溶化剤を用いると、極性基を導入して
ポリアミドとの親和性が向上される反面、もう一方のブ
レンド樹脂との相溶性に劣り、相溶化剤が異種ポリマー
同志の界面よりもポリアミドの内部に取り込まれ易いと
いう傾向があり、そのため相溶化効果は思いどおりに発
現せず、実用的な材料強度を具備するブレンド組成物は
得られず、さらにポリアミドの増粘による成形性低下が
問題として残るのである。
相溶化剤としては、異種のポリマーセグメントを同一
分子内に持つブロックポリマーやグラフトポリマーが有
効であると言われている。従って、ポリアミドとの親和
性を得る為の極性基含有セグメントと、もう一方のブレ
ンドするポリマー種と相溶するセグメントの両方を同時
に分子内に持つブロックポリマーやグラフトポリマーを
相溶化剤として用いれば、優れた効果を発揮することが
予想される。
ブロックポリマーを工業的に製造することは難しく、
特に極性基を持ったモノマーを導入することは困難であ
る為、工業的製造に有利なグラフトポリマーを利用する
のが好ましいが、従来の連鎖移動法、放射線グラフト
法、ポリマー開始剤法等によるグラフトポリマー製造方
法は一般にグラフト率が低く分子量や組成のコントロー
ルが困難な上、合成可能なポリマー種も限定される。
本発明者らは特開昭62−164760号公報において、マク
ロモノマーを用いて得られるグラフトポリマーとポリア
ミド系ブレンドの相溶化剤とする樹脂組成物を提案し
た。その発明で使用されたグラフトポリマーは、ポリア
ミドと親和性でポリアミドの末端アミノ基と反応しうる
カルボン酸(無水物)基を幹成分に含有し、ポリアミド
とのブレンドの対象となる熱可塑性樹脂と相溶性の良い
セグメントを枝成分とするものであった。
上記のグラフトポリマーを使用したことにより、相溶
性が向上し、優れたブレンド樹脂組成物が得られたが、
次のような点においてなお改良の余地があった。
i)幹部分に極性の大きなカルボン酸(無水物)基を持
つ為ポリアミドとのブレンドの対象となる熱可塑性樹脂
との相溶性が低下し、グラフトポリマーがポリアミド中
に取り込まれやすく、相溶化効果が十分発揮できない。
ii)ブレンド樹脂中にカルボキシル基が残存する為、ポ
リアミド樹脂組成物の耐水・耐湿性が低下し易い。
iii)グラフトポリマーの幹・枝成分の相溶性が悪い
為、グラフトされないホモポリマーが残存し易く、グラ
フトポリマーの純度が低下する。
(ロ)発明の構成 〔問題点を解決する為の手段〕 本発明者らは、上記のような従来技術の問題点を考慮
して優れた性能のポリアミド系樹脂組成物を得るべく鋭
意検討した結果、特定の分子構造を有するグラフトポリ
マーを使用することによって、上記の問題が回避でき、
優れた性能を有するポリアミド系ブレンド組成物が得ら
れることを見いだして本発明を完成した。
すなわち、本発明は、ポリアミド、ポリアミド以外の
熱可塑性樹脂及びマクロモノマー法によるグラフトポリ
マーからなるポリアミド系樹脂組成物であって、前記グ
ラフトポリマーが、エポキシ基を有するビニル単量体単
位および他のビニル単量体単位からなる幹ポリマーと前
記熱可塑性樹脂と相溶性の良い枝ポリマーとによって構
成されていることを特徴とするポリアミド系樹脂組成物
であり、さらには、前記グラフトポリマーが、幹ポリマ
ーがエポキシ基を有するビニル単量体単位およびスチレ
ン単量体単位からなり、また枝ポリマーがメチルメタク
リレート単量体単位またはスチレン単量体単位からなる
重合体であるグラフトポリマーである前記ポリアミド系
樹脂組成物である。
〔グラフトポリマー〕
本発明におけるグラフトポリマーは、マクロモノマー
法によって製造されたものであり、後記するポリアミド
とブレンドする熱可塑性樹脂(以下改質用樹脂という)
と相溶性の良いポリマーセグメントを枝成分に、エポキ
シ基を含むポリマーセグメントを幹成分に持つものであ
る。
本発明で使用する上記マクロモノマーは、ビニル重合
体分子の片末端にビニル付加重合性の二重結合を有する
ものであり、かかるマクロモノマーを後記するビニル単
量体と共重合させることにより、グラフトポリマーを製
造することができる。斯くして得られるグラフトポリマ
ーは、マクロモノマーに由来するポリマーセグメントを
枝ポリマー(以下枝成分という)とし、マクロモノマー
と共重合させる前記ビニル単量体に基づく単位からなる
幹ポリマー(以下幹成分という)とする構造を有し、一
般的にマクロモノマー法グラフトポリマーと称されてい
る。
本発明におけるグラフトポリマーの枝成分は、前述の
とおり、改質用樹脂に相溶性の良いポリマーセグメント
である必要があり、従って枝成分を構成すべき単量体単
位は、ポリアミドとブレンドする改質用樹脂の種類に応
じて選定されるが、酢酸ビニルのごとき有機酸のビニル
エステル、スチレン、スチレン置換体並びにビニルピリ
ジン、ビニルナフタレンのごときビニル芳香族化合物
(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリ
ル、アクロレイン、N−ビニルピロリドン及びN−ビニ
ルカプロラクタムの如きN−ビニル化合物、無水マレイ
ン酸の如き不飽和酸無水物、N−フェニルマレイミドの
如きN−置換マレイミド等が使用でき、好ましくはスチ
レン、スチレン置換体、(メタ)アクリル酸エステル、
(メタ)アクリロニトリルであり、更に好もしくはスチ
レン、(メタ)アクリル酸アルキル、アクリロニトリル
である。これらのモノマーから適宜選択して改質用樹脂
に相溶性の優れた枝成分となるポリマーセグメントを形
成させれば良い。
改質用樹脂とそれに対応する相溶性セグメントの組合
せの例としては、次のような組合せが使用できる。
i)ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、ポリ
フェニレンエーテル→ポリスチレン ii)アクリロニトリル/スチレン共重合体樹脂、アクリ
ロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体樹脂、ポリ
カーボネート→アクリロニトリル−スチレン共重合体又
はポリメタクリル酸メチル iii)メタクリル樹脂、ポリ塩化ビニル→ポリメタクリ
ル酸メチル又はアクリロニトリル/スチレン共重合体 枝となるポリマーグメントの分子量は、数平均分子量
で1000〜200000が好ましく、2000〜100000が更に好まし
い。数平均分子量が1000未満では非晶性熱可塑性樹脂へ
のアンカー効果が不足し、相溶化効果が小さいので好ま
しくなく、200000を越えると熱可塑性樹脂への溶解速度
が低下し、混練り条件が制約されるので好ましくない。
一方、グラフトポリマーの幹成分は、前記のとおり、
エポキシ基を有するビニル単量体単位および他のビニル
単量体単位からなる重合体である。
エポキシ基含有ビニル単量体としては、メタクリル酸
グリシジル、アクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリ
シジル、イタコン酸グリシジル等のグリシジルエステル
類や、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグ
リシジルエーテル等のグリシジルエーテル類が使用さ
れ、好適にはメタクリル酸グリシジル、アクリル酸グリ
シジル、アリルグリシジルエーテルが使用され、更に好
適にはメタクリル酸グリシジルが使用される。
上記エポキシ基含有ビニル単量体と併用する他のビニ
ル単量体は、先に述べた枝成分を構成し得る単量体のう
ちから適宜選択して使用できる。
幹成分の分子量は、数平均分子量で1000〜200000が好
ましく、2000〜100000が更に好ましい。数平均分子量が
1000未満ではポリアミドへの反応性が低下し相溶化効果
が小さいので好ましくなく、200000を越えるとポリアミ
ドの増粘による成形性低下が問題となりやすい為好まし
くない。
上記枝成分および幹成分を構成単位とするグラフトポ
リマーにおける、エポキシ基含有ビニル単量体の含有量
は、グラフトポリマーを構成する全単量体単位の合計量
を基準にして1〜30重量%が好ましく、3〜20重量%が
更に好ましい。1重量%未満ではポリアミドへの相溶化
効果が小さく、一方30重量%を越えると相溶性セグメン
トの改質用樹脂へのアンカー効果が不足し易い。
また、枝成分と幹成分の重量割合は、枝成分5〜80重
量%で幹成分20〜95重量%の割合が好ましく、枝成分10
〜50重量%で幹成分50〜90重量%が更に好ましい。枝成
分が5重量%未満では改質用樹脂へのアンカー効果が小
さく、枝成分が20重量%未満であると、ポリアミドへの
反応性が低すぎる為好ましくない。
グラフトポリマーの分子量は、数平均分子量で2000〜
300000が好ましい。数平均分子量が2000以下ではポリマ
ーセグメントが短過ぎ大きな相溶化効果が期待出来ない
ため好ましくなく、300000以上ではブレンドする樹脂へ
の溶解速度が小さい為好ましくない。
次にグラフトポリマーの製造方法について、更に詳し
く説明する。
例えばポリスチレンセグメントを枝成分とし、メタク
リル酸グリシジル/スチレン共重合体セグメントを幹成
分とするグラフトポリマーであれば、カルボキシル基を
分子内に持つ連鎖移動剤の存在下にスチレンをラジカル
重合させて、片末端にカルボキシル基を持つポリスチレ
ンを合成し、次に三級アミンや四級アンモニウム塩等の
触媒の存在下でグリシジル基を分子内に持ったビニル重
合性単量体と反応させてポリスチレンを重合体骨格とす
るマクロモノマーを得、該マクロモノマーをメタクリル
酸グリシジル及びスチレンと共重合することにより得ら
れる。
カルボキシル基を分子内に持つ連鎖移動剤としては、
例えばメルカプト酢酸、3−メルカプトプロピオン酸、
2−メルカプトプロピオン酸等が好適であり、またグリ
シジル基を持つビニル重合性単量体としては、メククリ
ル酸グリシジル(以下GMAと略記する)、アクリル酸グ
リシジル、アリルグリシジルエーテル等が用いられ、GM
Aが特に好ましい。
マクロモノマーとGMA及びコモノマーとの共重合の方
法としては、従来公知のラジカル重合開始剤存在下での
溶液重合法、バルク重合法、エマルジョン重合法、懸濁
重合法のいずれかの方法を用いれば良い。
〔ポリアミド〕
本発明で用いるポリアミドは、ジアミンと二塩基酸の
縮合反応、アミノ酸の自己縮合反応或いはラクタムの開
環重合反応により形成された重合体であり、総称的に
「ナイロン」として知られているものである。好ましい
ポリアミドは、次式: −CO−NH− の結合を主鎖内に有するポリアミドであり、具体的に
は、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン−6,
6)、ポリカプロラクタム(ナイロン−6)、ポリウン
デカノラクタム(ナイロン−11)、ポリドデカノラクタ
ム(ナイロン−12)、ポリヘキサメチレンセバカミド
(ナイロン−6,10)、ポリピロリドン(ナイロン−
4)、ポリヘプトラクタム(ナイロン−7)、ポリカプ
リラクタム(ナイロン−8)、ポリノナノラクタム(ナ
イロン−9)、ポリヘキサメチレンアゼラインアミド
(ナイロン−6,9)、ポリヘキサメチレンイソフタルア
ミド、ポリメタキシリレンアジパミド、ヘキサメチレン
ジアミンとn−ドデカン二酸のポリアミド(ナイロン−
6,12)、ドデカメチレンジアミンとn−ドデカン二酸の
ポリアミド(ナイロン12,12)及びこれらの共重合体が
挙げられる。
さらに上記ポリアミドとポリエーテル、ホリエステ
ル、ポリビニル等の如き柔軟なポリマーとがブロック的
に結合された共重合体および分子骨格にアミド結合とイ
ミド結合の両方を有するポリアミドイミドも、本発明に
おけるポリアミドとして使用できる。
特に好ましくは、ポリカプロラクタム(ナイロン−
6)およびポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン−
6,6)である。
〔改質用樹脂〕
本発明において、ポリアミドの改質のためにポリアミ
ドに混合する熱可塑性樹脂すなわち改質用樹脂として
は、吸湿による寸法変化或いは低温での衝撃強度等のポ
リアミドの短所を改良できる熱可塑性樹脂が好ましい。
上記熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリスチレン、
高衝撃性ポリスチッレンとして知られるゴム変性ポリス
チレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリ塩化ビニル、ポ
リフェニレンオキシド、ポリカーボネート、ポリスルホ
ン、AS樹脂およびABS樹脂等が挙げられ、更にはABS樹脂
におけるゴム成分をアクリルゴム、塩素化ポリエチレ
ン、エチレン−プロピレン−ジエンモノマー共重合体ゴ
ムで各々置換した、一般にAAS樹脂、ACS樹脂、AES樹脂
と称されるグラフト共重合体等がある。これらの樹脂
は、同時に2成分以上使用することもできる。
より好ましい熱可塑性樹脂は、ポリフェニレンオキシ
ド、ポリスチレンおよびABS樹脂である。
つぎに、前記ポリアミド、グラフトポリマーおよび改
質用樹脂を配合割合について述べる。
ポリアミドと改質用樹脂の好ましい配合割合は、重量
比でポリアミド/改質用樹脂=5/95〜95/5であり、更に
好ましくは20/80〜80/20である。少量配合成分の割合が
5%以下では、該成分の物性が樹脂組成物に十分反映さ
れないので好ましくない。
また、グラフトポリマーの好ましい配合量は、ポリア
ミドと熱可塑性樹脂の合計量100重量部あたり、0.3〜30
重量部であり、更に好ましくは1〜20部である。グラフ
トポリマーの添加量が0.3重量部以下では相溶化効果が
不十分である為好ましくなく、30重量部以上では混練り
溶融粘度が上昇して成型性の低下を招いたり、最終成型
品の物性低下を引き起こしたりする恐れがある。
上記成分を混練りする方法としては、例えば押し出し
機、ニーダー、オープンロール等を用いる方法があり、
ポリアミド、グラフトポリマーおよび改質用樹脂のブレ
ンド順序としては、一括ブレンド法、ポリアミドとグラ
フトポリマーを最初にブレンドしておき、次いで改質用
樹脂をブレンドする方法、改質用樹脂とグラフトポリマ
ーを最初にブレンドしておき、次いでポリアミドをブレ
ンドする方法等が挙げられる。
より好ましくは、上記3成分をヘンシェルミキサー等
により混合し、これを押出機を用いて溶融下で更に混練
り押し出し、ペレット状にカットする方法である。
また本発明の樹脂組成物には、通常使用されている各
種の添加剤、例えば可塑剤、酸化防止剤、安定剤、無機
充填剤、ガラス繊維等の補強剤、顔料、染料、エラスト
マー成分例えばブタジエン系エラストマーやオレフィン
系エラストマー等の不飽和酸無水物等による変成物、エ
ポキシ基とアミノ基の反応を促進する作用のある各種の
触媒等を選択して使用することができる。
〔作用〕
本発明においては、改質用樹脂に相溶性の良い種類の
単量体単位を主成分しながら、エポキシ基を有するグラ
フトポリマーを相溶化剤として使用されていることによ
り、エポキシ基がポリアミドの末端アミノ基と化学結合
を形成するために、該グラフトポリマーがポリアミドに
対しても相溶性を示す結果、グラフトポリマーを仲介と
して、ポリアミドと改質用樹脂とが極めて均質に混和さ
れる。
以下に参考例、比較参考例、実施例及び比較例を挙げ
て本発明をさらに具体的に説明する。なお、各例に記載
の%は重量%を、部は重量部をそれぞれ意味する。
参考例 撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を取りつ
けたガラスフラスコに、蒸溜水400部、ポリビニルアル
コール(クラレ(株)製ポバール420)の5%水溶液4
部、燐酸カルシウム懸濁液(日本化学工業(株)製スー
パータイト10)10部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム(花王(株)製エマール2F)の5%水溶液0.2部
を仕込んだ。末端にメタクリロイル基を持つポリスチレ
ンマクロモノマー(東亜合成化学工業(株)製マクロモ
ノマーAS−6)30部、スチレン60部、GMA10部、AIBN2.0
部を含む溶液を滴下ロートに入れた。フラスコを加熱昇
温して内液の温度を80℃に設定した後、滴下ロートの溶
液を1分かけて滴下した。80℃で7時間保ち、重合反応
を完結させた。反応後濾過、減圧乾燥して、固形状のグ
ラフトポリマー93部を得た。GPCによるポリスチレン換
算平均分子量は、Mn=28,000 Mw=250,000であった。
比較参考例 GMA10部の代わりにメタクリル酸10部を使用すること
以外は参考例と同様にして重合し、幹成分にカルボン酸
を有するグラフトポリマー90部を得た。GPCによるポリ
スチレン換算平均分子量は、Mn=35,000 Mw=290,000
であった。
実施例1及び比較例1〜2 市販のナイロン−6樹脂(宇部興産製ナイロン1013
B)、市販のポリスチレン樹脂(三井東圧(株)製トー
ポレックス525−51)及びグラフトポリマーを下記に示
した組成でドライブレンドし、二軸スクリュー押出機
(口径29mm L/D=25)にて樹脂温度220℃でメルトブレ
ンドした。得られたブレンド組成物のプラス成型品をダ
イアモンドナイフで切削後、四酸化オスミウムで処理
し、表面を走査型電子顕微鏡で観察した。
実施例1:ナイロン6 60部 ポリスチレン 40部 参考例グラフトポリマー 3部 比較例1:ナイロン6 60部 ポリスチレン 40部 比較例2:ナイロン6 60部 ポリスチレン 40部 比較参考例グラフトポリマー 3部 電子顕微鏡の観察結果は、次のとおりである。
実施例2〜3及び比較例3〜5 市販のナイロン−6樹脂(宇部興産製ナイロン1013
B)60部、市販のポリフェニレンオキシド系樹脂40部及
び表1に示したグラフトポリマーをドライブレンドし、
二軸スクリュー押出機(口径29mm L/D=25)にて樹脂温
度260℃でメルトブレンドした。得られたブレンド組成
物のメルトフローインデックス(2.16Kg 荷重275℃)、
引張り試験(ペレットをプレス成形後機械加工して試験
片を作成し、引張り速度は10mm/分で行った)、シャル
ピー衝撃試験(ペレットをプレス成形後機械加工して試
験片を作成し、ノッチ付で行った)で評価した。結果を
表1に示した。
(ハ)発明の効果 実施例と比較例の結果から明らかなように、本発明に
おける特定の構造を有するグラフトポリマーをナイロン
/熱可塑性樹脂系ブレンドに少量添加すると、相溶性
(ミクロ分散性)が大幅に改良され機械的強度等の樹脂
物性が向上し、その改良効果はカルボン酸型グラフトポ
リマーに優っており、特に破断伸びや衝撃強度の強靭性
が改良される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 特許法第30条第1項適用申請有り 化学工業日報(平成 1年7月25日)化学工業日報社発行第1面に発表 特許法第30条第1項適用申請有り 石油化学新聞日刊通 信(平成1年7月25日)株式会社石油化学新聞社発行第 1面に発表 特許法第30条第1項適用申請有り 石油化学新報(平成 1年7月25日)(株)重化学工業通信社編集第7面に発 表 特許法第30条第1項適用申請有り 化学産業新聞(平成 1年7月25日)化学産業新聞社発行第3〜4面に発表 特許法第30条第1項適用申請有り 日刊通信化成品日報 (平成1年7月25日)化成品日報社発行第2面に発表 特許法第30条第1項適用申請有り 日刊ケミカルニュー ス(平成1年7月25日)株式会社科学企画出版社発行第 4面に発表 特許法第30条第1項適用申請有り 日刊化学通信(平成 1年7月25日)株式会社化学通信社発行第3面に発表

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリアミド、ポリアミド以外の熱可塑性樹
    脂及びマクロモノマー法によるグラフトポリマーからな
    るポリアミド系樹脂組成物であって、前記グラフトポリ
    マーが、エポキシ基を有するビニル単量体単位および他
    のビニル単量体単位からなる幹ポリマーと前記熱可塑性
    樹脂と相溶性の良い枝ポリマーとによって構成されてい
    ることを特徴とするポリアミド系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】前記グラフトポリマーの幹ポリマーにおけ
    る他のビニル単量体単位がスチレン単量体単位であり、
    また枝ポリマーがメチルメタクリレート単量体単位また
    はスチレン単量体単位からなる重合体である特許請求の
    範囲第1項記載のポリアミド系樹脂組成物。
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