JP3049753B2 - ポリアミド吹込成形品 - Google Patents

ポリアミド吹込成形品

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【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は溶融粘度特性および耐衝撃特性が改善された
ポリアミド系プラスチック吹込成形品に関するものであ
り、さらに詳しくはポリアミドにα,β−不飽和カルボ
ン酸またはその誘導体がグラフト化された変性ブロック
共重合体を配合し、特にその見掛けの溶融粘度(以下単
に溶融粘度という)特性が改善された緊密混合物を形成
してなる耐衝撃性の優れたポリアミド系吹込成形品に関
するものである。
<従来の技術> 吹込成形を行う際、溶融ポリマからパリソンを形成す
る際には口金から押出されたポリマ溶融体の形態を十分
保持し、成形品の寸法および肉厚の均一性を得るために
は高い溶融粘度を有する事が望ましい。特に大容量容器
の吹込成形品を得るために重要なことである。またポリ
アミドは比較的強靱な材料とされているが、この強靱
さ、耐衝撃性は温度、水分率に大きく依存し、例えば常
温吸水時のポリアミドは相当に高い耐衝撃値を示すにも
かかわらず絶乾時あるいは低温においてはかなり脆い材
料となってしまう。従って、商品として実用価値のたか
いポリアミド吹込成形品を得るには低温低吸湿時の耐衝
撃性の向上も克服せねばならない重要な問題の一つであ
る。
ポリアミドは各種の優れた性質を有しているにもかか
わらず前述のような欠点があるために特に吹込成形品と
して十分に活用されていないのが現状であり、ポリアミ
ドの有用な特性を損なう事なく溶融粘度が高く、しかも
低温、低吸湿時の耐衝撃性に優れた吹込成形品の出現が
当該業界において待望されているのが実状である。
ポリアミドを吹込成形品用途に使用する事はすでに広
く知られているところであり、また本発明者らは大型の
吹込成形品の製造に適した溶融粘度特性を有するポリア
ミドを製造する方法についてすでに2、3の提案を行っ
てきた。すなわちビニルエポキシ基およびビニレンエポ
キシ基を含む多官能性エポキシ化合物をポリアミドに添
加混合し加熱溶融する方法(特公昭第48−7509号公報)
あるいはラクタムなどのポリアミド用単量体の重合時に
トリメシン酸のジアミン塩を添加し重合する方法(特開
昭50−2790号公報、同50−2791号公報、同50−3193号公
報および同50−104297号公報など)によりポリアミド分
子中に分岐鎖を導入することである。
この方法で製造された分岐ポリアミドは粘度安定性が
良好で溶融粘度が高く吹込成形品を得るのに好適な特性
を具備しているが、耐衝撃性の点については改良されて
おらず特に低温、低吸湿時の耐衝撃性に優れた吹込成形
品を得られなかった。
この欠点の解決のために本発明者らはポリアミドとエ
チレン系アイオノマおよび/またはカルボキシ変性ニト
リルゴムとの緊密混合物が有効であることを明らかにし
た(特公昭第55−41659号公報)。
<発明が解決すべき問題点> しかしながら、近年の自動車用部品の軽量化に伴うプ
ラスチック化と吹込成形技術の向上に伴いプラスチック
への要求特性も一段と高いレベルのものとなって来てい
る。すなわち、より高い低温衝撃性の改善と耐熱安定性
のよい材料の出現が望まれている。先行例に示したエチ
レン系アイオノマ樹脂および/またはカルボキシ変性ニ
トリルゴムの様な耐衝撃性改良材はポリアミドとの混合
物とすることで吹込成形品を得るための好適な特性を具
備してはいるが、低温耐衝撃性、熱安定性の点でさらに
改良が望まれている。
低温で耐衝撃性の優れたポリアミド組成物としては、
例えばポリアミドにα,β−不飽和カルボン酸またはそ
の誘導体をグラフト化した変性ブロック共重合体を混合
した緊密混合物は前記したポリアミドとエチレン系アイ
オノマおよび/またはカルボキシ変性ニトリルゴムとの
緊密混合物よりもはるかに低温耐衝撃性に優れた材料で
あることが知られている(特公昭63−44784号公報)。
しかしながら、成形性および低温衝撃強度の優れた吹
込成形品についてなんら開示されていない。
そこで本発明者らはポリアミドとα,β−不飽和カル
ボン酸またはその誘導体がグラフト化された変性ブロッ
ク共重合体との混合物の溶融粘度を特定の範囲にコント
ロールすることにより、良好な吹込成形品を与えること
を見出だし本発明に到達した。
<問題点を解決するための手段> すなわち本発明は、 (a)ポリアミド50〜98重量%と、 (b)ビニル芳香族化合物重合体ブロックと不飽和度が
20%を越えないオレフィン化合物重合体ブロックとから
なり、ビニル芳香族化合物の含有量が10〜90重量%であ
るブロック共重合体100重量部にα,β−不飽和カルボ
ン酸またはその誘導体を0.05〜5重量部グラフト化させ
て得た変性ブロック共重合体50〜2重量%との緊密混合
物であって、その見掛けの溶融粘度がポリアミド樹脂の
融点(Tm)より20℃高い一定の温度(Tm+20℃)で測定
した、せん断速度1、10、100(sec-1)における見掛け
の溶融粘度(ポイズ)をμa1、μa10、μa100としたと
き、次式(I)、(II)を満足する樹脂組成物を吹込み
成形してなることを特徴とするポリアミド吹込成形品を
提供するものである。
2000000≧μa10≧2000 (I) μa1≧μa100≧3.3 (II) 以下、本発明について詳しく述べる。
本発明で用いることのできるポリアミドは特に限定は
なく、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、デ
カメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4
−および2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、
1,3−および1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサ
ン、ビス(4,4′−アミノシクロヘキシル)メタン、メ
タおよびパラキシリレンジアミンなどの脂肪族、脂環
族、芳香族ジアミンとアジピン酸、スベリン酸、セバシ
ン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イ
ソフタル酸などの脂肪族、脂環族、芳香族ジカルボン酸
とから導かれるポリアミド、ε−カプロラクタム、ω−
ドデカラクタムなどのラクタム類の開環重合によって得
られるポリアミド、6−アミノカプロン酸、11−アミノ
ウンデカン酸、12−アミノドデカン酸などから導かれる
ポリアミドおよびこれらの共重合ポリアミド、混合ポリ
アミドである。具体的にはポリカプロアミド(ナイロン
−6)、ポリドデカアミド(ナイロン−12)、ポリヘキ
サメチレンアジパミド(ナイロン−66)、ポリヘキサメ
チレンセバカミド(ナイロン−610)、ポリヘキサメチ
レンテレフタラミド(ナイロン−6T)、ポリヘキサメチ
レンイソフタラミド(ナイロン−6I)、これらの共重合
体たとえばナイロン6/66、ナイロン6/610、ナイロン6/1
2、ナイロン6/66/610、ナイロン66/12、ナイロン6/66/6
10/12、ナイロン6/6T、ナイロン66/6T、ナイロン6/6I、
ナイロン66/6I、ナイロン6/6I/6T、ナイロン66/6I/6Tお
よびこれらの混合体などが有用である。ポリアミドの重
合方法は溶融重合、界面重合、溶液重合、塊状重合、固
相重合およびこれらを組合わせた方法が利用される。
一般的には溶融重合が最も適当である。また特にポリ
アミド原料がラクタム類の場合にはアニオン重合によっ
てポリマを得てもよい。
またここで用いるポリアミドの重合度についての制限
はなく、通常相対粘度(ポリマ1gを98%濃硫酸100mlに
溶解し、25℃で測定。以下同じ)が2.0〜6.0の範囲内に
あるポリアミドを選択できる。
本発明の変性ブロック共重合体は、一例として次のよ
うにして合成される。すなわち、ビニル芳香族化合物共
重合体ブロックと、共役ジエン化合物を主体とする重合
体ブロックとから構成してなるブロック共重合体の共役
ジエン部分の不飽和度が20%を越えない程度にまで選択
的に水添し、ビニル芳香族化合物重合体ブロックと、不
飽和度が20%を越えないオレフィン化合物重合体ブロッ
クとからなるブロック共重合体とし、ついでα,β−不
飽和カルボン酸またはその誘導体との付加反応により変
性ブロック共重合体を得る。
上記の水添するまえのブロック共重合体は、ビニル芳
香族化合物重合体ブロックを少なくとも1個、好ましく
は2個以上、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロ
ックを少なくとも1個含有するものである。ここで、共
役ジエンを主体とする重合体ブロックは、ビニル芳香族
化合物と共役ジエン化合物との重量比が0/100〜50/50、
好ましくは0/100〜40/60の組成範囲からなる重合体ブロ
ックであり、このブロックにおけるビニル芳香族化合物
の分布はランダム、テーパー(分子鎖に沿ってモノマー
成分が増加または減少するもの)、一部ブロック状また
は、これらの任意の組合わせのいずれであってもよい。
なお、本発明における水添する前のブロック共重合体中
には、ビニル芳香族化合物重合体ブロックと共役ジエン
化合物を主体とする重合体ブロックとの遷移部等にビニ
ル芳香族化合物が50重量%を越えるビニル芳香族化合物
と共役ジエン化合物との共重合体部分が存在してもよい
が、かかる重合体部分は前記の共役ジエン化合物を主体
とする重合体ブロックに含めるものとする。
上記ブロック共重合体において、ビニル芳香族化合物
の含有量と共役ジエン化合物の含有量の重量比は、10/9
0〜90/10であり、23超/77未満〜85/15の範囲が望まし
い。
上記水添前のブロック共重合体を構成するビニル芳香
族化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビ
ニルトルエン等のうちから1種または2種以上が選ば
れ、中でもスチレンが特に好ましい。また、共役ジエン
化合物としては、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペン
タジエン等のうちから1種または2種以上が選ばれ、中
でもブタジエンおよび/またはイソプレンが特に好まし
い。上記ブロック共重合体は、数平均分子量が20000〜5
00000の範囲であり、分子量分布(重量平均分子量と数
平均分子量の比)は1.05〜10の範囲が好ましい。またブ
ロック共重合体の分子構造は、直鎖状、分岐状、放射状
またはこれらの組合わせなどいずれでもよい。さらに、
ブロック共重合体において共役ジエン化合物として、ブ
タジエンを使用した場合は、ブタジエン部分のミクロ構
造の1,2結合量が10〜80%の範囲が好ましい。変性ブロ
ック共にゴム弾性を持たせることを必要とする場合には
1,2結合量は35〜55%の範囲が特に好ましい。
上記ブロック共重合体が、ビニル芳香族化合物ブロッ
クまたは共役ジエン化合物を主体とするブロックを2個
以上含有する場合においては各ブロックは同一の構造で
あってもよいし、モノマー成分含有量、それらの分子鎖
における分布、ブロックの分子量、ミクロ構造などの各
構造が異なるものであってもよい。
上記のブロック共重合体は、通常、不活性炭化水素溶
媒中で、有機リチュウム化合物を触媒としてビニル芳香
族化合物と共役ジエン化合物をモノマーとするアニオン
リビング重合によって得られる。本発明においては、い
かなる重合法によって得られたものであっても、上記の
範囲のものであれば使用可能である。更に、ブロック共
重合体は1種のみならず2種以上の混合物として使用す
ることも可能である。
上記ブロック共重合体を、公知の方法、例えば特公昭
42−8704号公報に記載の方法で水添することにより、ビ
ニル芳香族化合物の芳香族二重結合の20%を越えない部
分および共役ジエン化合物ブロックの脂肪族二重結合の
少なくとも80%が水素添加されている部分水添ブロック
共重合体が合成される。
本発明でいう共役ジエン化合物ブロックの不飽和度
は、共役ジエン化合物ブロックに含まれる炭素−炭素二
重結合の割合いのことであって、これは、核磁気共鳴吸
収スペクトル(NMR)、赤外線吸収スペクトル(IR)等
の機器分析、ヨード滴定法等の化学分析により測定され
る。
部分水添ブロック共重合体は、ついでα,β−不飽和
カルボン酸またはその誘導体との付加反応により変性さ
れる。付加させるα,β−不飽和カルボン酸またはその
誘導体の例としては、マレイン酸、無水マレイン酸、フ
マル酸、イタコン酸、アクリル酸、クロトン酸、シス−
4−シクロヘキサン1,2−ジカルボン酸およびその無水
物、マレインイミド等が挙げられる。それらの中では無
水マレイン酸が特に好ましい。
上記の変性ブロック共重合体は、一例として部分水素
添加ブロック共重合体にα,β−不飽和カルボン酸また
はその誘導体を溶液状態または溶融状態において、ラジ
カル開始剤を使用あるいは使用せずして付加せしめるこ
とによって得られる。これら変性ブロック共重合体の好
ましい製造方法としては、例えば押出機中でラジカル開
始剤存在下で、未変性ブロック共重合体とα,β−不飽
和カルボン酸またはその誘導体とを反応させる方法があ
る。
α,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体のブロッ
ク共重合体への付加量は、ブロック共重合体100重量部
あたり0.05〜5重量部であり、0.1〜3重量部がとくに
好ましい。付加量が0.05重量部以下では組成物とした場
合、未変性の共役ジエン系重合体に比較しての改良がわ
ずかであり、付加量が5重量部を越えても、それ以下に
比べて改良の効果は殆ど見られない。本発明で用いる
α,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体は一種のみ
ならず二種以上混合しても使用できる。
このような変性ブロック共重合体として好適なものと
しては、旭化成工業(株)よりタフテックの商標で市販
されている一連の樹脂、例えばタフテックM1911、M191
3、M1943、M1953等のMシリーズが、シェル化学株式会
社よりクレイトンの商標で市販されている一連の樹脂、
例えばクレイトンFG1901X等が挙げられる。これら変性
ブロック共重合体は一種のみならず、二種以上の混合物
としても使用することが可能である。
本発明のポリアミド吹込成形品はポリアミドに対し変
性ブロック共重合体を2〜50重量%、特に好ましくは10
〜40重量%緊密に混合してなる素材より構成される。変
性ブロック共重合体の配合量が2重量%以下では混合物
の溶融粘度の剪断速度依存性を大きくする効果が目立っ
て減少するばかりか、耐衝撃性の優れた吹込成形品を得
ることができなくなる。また一方、変性ブロック共重合
体の配合量が50重量%以上ではポリアミドの特徴が発揮
されず、ポリアミド系プラスチック吹込成形品という本
来の目的とは異なってしまうので好ましくない。
溶融粘度のコントロールは使用するポリアミドの相対
粘度と変性ブロック共重合体の配合量により容易に行う
ことができる。すなわち相対粘度の高いポリアミドに対
しては、変性ブロック共重合体の配合量は少なくてよ
く、逆に相対粘度の低いポリアミドの場合には、変性ブ
ロック共重合体の配合量を多くする必要がある。また溶
融粘度は吹込成形品の形状により、必要なパリソン長が
得られるようにポリアミドと変性ブロック共重合体との
配合量が決められる。
溶融粘度が2000ポイズより小さい場合にはパリソンの
垂れ下がりが生じ、良好な成形品を得ることができず、
また逆に溶融粘度が2,000,000ポイズより大きくても成
形機の負荷が大きくなり成形性を損なうことになるので
よくない。
また式(II)は溶融粘度の剪断速度依存性の大きさを
表す式であり、低剪断速度領域における溶融粘度と高剪
断速度領域における溶融粘度との比で、剪断速度依存性
の大きさを定量化したものである。溶融粘度特性が式
(II)を満足しない場合には剪断速度にたいする溶融粘
度の変化が小さく良好な吹込成形ができないので好まし
くない。式(II)で表された剪断速度1sec-1および100s
ec-1における溶融粘度値の比(μa1a100)の上限は
特に限定はしないが成形機の性能からみて常識的に20程
度の値が上限値となる。
ポリアミドと変性ブロック共重合体との混合方法は限
定されず通常公知の方法を採用することができるが両者
のペレット、粉末または細片などを高速撹拌機で均一混
合した後、十分な混練能力のある押出機で溶融混練する
方法が適している。また均一混合したペレットをあらか
じめ押出機で混練することなく、吹込成形するさいに直
接成形機内で混練し、ついで成形する方法も採ることが
できる。吹込成形法に関しても制限はなく、従来から既
知の方法を利用することができる。すなわち一般的には
通常の吹込成形機を用いパリソンを形成したのち、適当
な温度で吹込成形を実施すればよい。
以上のようにして得られた本発明の吹込成形品が優れ
た衝撃強度を保有するためには構成成分としての両重合
体が互いに緊密に混合していなければならない。本発明
の吹込成形品はポリアミドマトリックス相中に変性ブロ
ック共重合体が粒子状に分散されている。衝撃強度の向
上、とりわけ低温低吸湿時の耐衝撃性に優れた成形品を
取得するためには、分散粒子径が10ミクロン以下である
ことが好ましい。
これらの混合物はさらに次のような特徴を保有してい
る。
(1)混合物の高粘度化のための変性ブロック共重合体
の配合量はアイオノマーおよび/またはカルボキシ変性
ニトリルゴムの配合量より少なくてすむ。
(2)混合物の溶融粘度の剪断速度依存性はもとのポリ
アミド単独の場合より大きく、吹込成形に好適な特性が
発現する。
(3)混合物は構成成分としての両重合体が互いに緊密
に混合しており、これを成形して得た成形品の低温、低
吸湿時の耐衝撃強度は大きい。
などである。
本発明の吹込成形品にはその成形性、物性を損なわな
い限りにおいて他の成分、たとえば顔料、酸化防止剤、
耐侯剤、結晶促進剤、強化材、耐熱剤などを添加導入す
ることも可能である。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する
が、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に限
定されるものではない。
実施例1 ε−カプロラクタムを溶融重合して得た相対粘度:4.3
0、融点225℃のポリカプロアミドに対し“タフテック"M
1913(旭化成社製)を20重量%添加混合し、250℃に設
定した30mm口径の押出機で溶融混練した後ペレット化し
た。なお、“タフテック"M1913は、スチレン重合体ブロ
ックとブタジェン重合体ブロックとのブロック共重合体
のブタジェンブロックを水素添加により飽和させて得ら
れるブロック共重合体(スチレン含有量30重量%)100
重量部に対し、無水マレイン酸1.8重量部をグラフト化
させて得た変形ブロック共重合体である。このペレット
を真空乾燥した後ASTM−D−1238に準じて製作されたメ
ルトインデクサを用いて、温度245℃で剪断速度1sec-1,
10sec-1,および100sec-1におけるこのペレットの溶融粘
度(それぞれμa1、μa10、μa100)を測定した。その
結果はμa1=8×105ポイズ、μa10=3×105ポイズ、
およびμa100=8×104ポイズであり、これらの値は式
(I)および(II)を満足しているものであった。
次にここで得たペレットを直径40mmφの押出機を有す
る吹込成形機を用いて250℃で外径20mm、肉厚2mmのパリ
ソンを形成し、500mlの試薬瓶を成形した際のパリソン
の状態を観察したところパリソンの垂れ下がりはまった
くみられず、極めて良好に吹込成形が実施でき、肉厚の
均一な成形品を得ることができた。
またここで得たペレットを射出成形し、機械的性質を
測定した。その結果を表1に示す。
比較例1 実施例1で“タフテック”の替わりに“サーリンA"17
06(米国デュポン社開発、三井ポリケミカル社製のエチ
レン−メタクリル酸共重合体からなるアイオノマ樹脂)
を20重量%添加混合した以外は実施例1と同様に操作し
てポリカプラミドとアイオノマ樹脂との組成物を得た。
この組成物の温度245℃での剪断速度1sec-1,10sec-1
よび100sec-1における溶融粘度はμa1=2×105、μa10
=7.5×104およびμa100=2.5×104であり、実施例1の
組成物のほうが、より増粘効果が大きかった。また機械
的物性は表2に示すように、特に耐衝撃性において実施
例1の組成物の方が優れていた。
実施例2〜5 ポリアミド、変性ブロック共重合体などの種類および
配合量を表3に示したように変更し、実施例1と同様な
操作を行った。これらの混合物の溶融粘度が式(I)お
よび(II)をともに満足し、いずれも吹込成形時パリソ
ンの形態保持性は、極めて良好で肉厚の均一な吹込成形
品を容易に得ることができた。また、各組成物は耐衝撃
性に関しても、優れたものであった。これらの結果を表
3に示す。なお、“タフテック"M1943は、スチレン重合
体ブロックとブタジェン重合体ブロックとのブロック共
重合体のブタジェンブロックを水素添加により飽和させ
て得られるブロック共重合体(スチレン含有量20重量
%)100重量部に対し、無水マレイン酸1.8重量部をグラ
フト化させて得た変性ブロック共重合体である。
<発明の効果> ここに従来既存の単一素材では達成し得なかった望ま
しい特性を有する吹込成形品の製造が可能となり、エン
ジニアリングプラスチックとして広範囲の用途に使用す
ることができ、工業適価値が大きい。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−128964(JP,A) 特開 昭49−104961(JP,A) 特開 昭60−170664(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 77/00 - 77/12 C08L 53/00 - 53/02 B29C 49/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)ポリアミド50〜98重量%と、 (b)ビニル芳香族化合物重合体ブロックと不飽和度が
    20%を越えないオレフィン化合物重合体ブロックとから
    なり、ビニル芳香族化合物の含有量が10〜90重量%であ
    るブロック共重合体100重量部に、α、β−不飽和カル
    ボン酸またはその誘導体を0.05〜5重量部グラフト化さ
    せて得た変性ブロック共重合体50〜2重量%、との緊密
    混合物であって、 その見掛けの溶融粘度が、ポリアミド樹脂の融点(Tm)
    より20℃高い一定の温度(Tm+20℃)で測定した、せん
    断速度1、10、100(sec-1)における見掛けの溶融粘度
    (ポイズ)をμa1、μa10、μa100としたとき、次式
    (I)、(II)を満足する樹脂組成物を吹込み成形して
    なることを特徴とするポリアミド吹込成形品。 2000000≧μa10≧2000 (I) μa1≧μa100≧3.3 (II)
  2. 【請求項2】ブロック共重合体におけるビニル芳香族化
    合物の含有量が23重量%超、 かつ90重量%以下であることを特徴とする請求項1記載
    のポリアミド吹込成形品。
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