JP2583231B2 - 耐衝撃性ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

耐衝撃性ポリエステル樹脂組成物

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JP2583231B2
JP2583231B2 JP62094101A JP9410187A JP2583231B2 JP 2583231 B2 JP2583231 B2 JP 2583231B2 JP 62094101 A JP62094101 A JP 62094101A JP 9410187 A JP9410187 A JP 9410187A JP 2583231 B2 JP2583231 B2 JP 2583231B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は成形性が良好で,かつ耐衝撃強度および耐熱
性の優れた成形品を与えるポリエステル樹脂組成物に関
するものである。さらに詳しくは結晶化速度が大きく,
射出成形時において約120℃以下の金型温度でも優れた
離型性を示し,かつ優れた耐衝撃強度と高い熱変形温度
を有する成形品を提供する耐衝撃性ポリエステル樹脂組
成物に関するものである。
(従来の技術) ポリエチレンテレフタレートは機械的性質,電気的性
質,耐熱性,耐薬品性等に優れ,繊維,フィルムとして
多くの工業製品に使用されている。このように繊維,フ
ィルムとして使用される場合には,通常延伸処理された
ものが使用されているが,例えば射出成形品としてプラ
スチック用途に使用しようとする場合には,上記のよう
な延伸処理がなされていないため,成形上および物性上
種々の問題点の発生することが知られている。すなわち
低温における結晶化速度が小さいために,通常他のプラ
スチックを射出成形する際に用いられる金型温度約120
℃以下では結晶化速度が不十分であるために,得られた
成形品はその表面と内部に結晶化度の差が生じ,そのた
め機械的性質,寸法安定性,形状安定性が不均一とな
り,実用に耐えるような成形品を得ることは極めて困難
である。
従来このような問題点を解決する方法として,高温金
型を使用する方法や結晶核剤や結晶化促進剤を添加する
方法,低温結晶性の優れたエチレンテレフタレート系共
重合体をブレンドする方法等が多数提案され,かなりの
効果のあることが認められている。このように十分に結
晶化させたポリエチレンテレフタレートないし組成物,
特にガラス繊維等の繊維状強化材を配合したものは優れ
た機械的性質と高い熱変形温度を示し,エンジニアリン
グプラスチックとしての地位を確立し今日に到ってい
る。
しかしながらポリエチレンテレフタレート系組成物な
いしガラス繊維等を配合した強化ポリエチレンテレフタ
レート系組成物の欠点として耐衝撃強度が低い,すなわ
ち靭性に劣るという問題点があり,その改良が強く望ま
れているのが現状である。
そして上記問題点を解決する方法,すなわち耐衝撃強
度を向上させる方法として種々の提案がなされている。
例えば特開昭51−144452号公報,特開昭52−32045号公
報,特開昭58−17148号公報,特公昭58−17151号公報,U
SP4,284,540号公報,USP4,461,871号公報においてはポリ
エステルにグリシジル基を有する共重合体,例えばエチ
レン/酢酸ビニル/グリシジル(メタ)クリレート共重
合体を配合すると耐衝撃強度の向上することが提案され
ている。しかしながらグリシジル(メタ)アクリレート
を共重合したオレフィン系ポリマー,すなわちエポキシ
基を有するポリオレフィンをポリエチレンテレフタレー
ト(以下PETと略称する)に配合すると,耐衝撃強度が
向上する反面,成形時の金型よりの離型性が極度に悪く
なり,低温金型,例えば金型温度120℃以下までは表面
光沢が悪いという問題点がある。さらに大きな問題点と
しては,エポキシ基を有するポリオレフィンをPETに配
合して,押出機等で加熱混練してペレットを製造する際
に,一部ゲル状物が生成し,場合によってはゲル体の多
量発生により操業できないという問題点がある。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明の目的は以上のような従来技術の問題点を踏ま
え,操業安定性のすぐれ,成形品光沢および離型性が良
好でかつ衝撃強度にもすぐれるポリエチレンテレフタレ
ート樹脂組成物を得ることにある。
(問題点を解決するための手段) 上記のような種々の問題点を解決すべく鋭意研究した
結果,PETに対し特定の他の構成成分を配合せしめること
により,かかる問題点がことごとく解決せられることを
見い出し本発明に到達したものである。
すなわち本発明はポリエチレンテレフタレート100重
量部に対して,(イ)平均粒径50μ以下の無機系結晶核
剤,カルボキシル基の金属塩を有する有機化合物,カル
ボキシル基の金属塩を有する高分子化合物のうち少なく
とも一種を0.05〜10重量部,(ロ)エチレンと一種以上
のα,β−不飽和ジカルボン酸無水物と必要によってさ
らにα,β−不飽和カルボン酸エステルを共重合して得
られるエチレン系共重合体において,α,β−不飽和ジ
カルボン酸無水物の共重合比が0.01〜20モル%であるも
のを3〜30重量部,(ハ)α−オレフィン80〜99重量
%,グリシジルメタクリレートもしくはグリシジルアク
リレート1〜20重量%および酢酸ビニル0〜19重量%か
らなる共重合体1〜30重量部,(ニ)エステル系可塑剤
0.3〜10重量部,(ホ)繊維強化材0〜150重量部配合し
てなる耐衝撃性ポリエステル樹脂組成物に関するもので
ある。
本発明において用いられるPETとは,テレフタル酸な
いしそのエステル誘導体とエチレングリコールから溶融
重合したもの,ないしはそれを固相重合して得られるも
ので,その分子量をに限定するものではない。また他の
共重合成分を必要に応じて共重合しても良い。
本発明の(イ)成分として使用される無機化合物は,
その粒径によって結晶核剤としての効果が異なり平均粒
径が約50μを超えるとその効果は小さくなるので,通例
は平均粒径50μ以下の無機化合物が有用である。
そして本発明において使用される平均粒径50μ以下の
無機化合物の具体例としては,たとえばカーボンブラッ
ク,シリカ,炭酸カルシウム,合成ケイ酸およびケイ酸
塩,ハロサイトクレー,カオリン,塩基性炭酸マグネシ
ウム,マイカ,タルク,石英粉,ケイ藻土,ドロマイト
粉,酸化チタン,酸化亜鉛,酸化アンチモン,硫酸バリ
ウム,硫酸カルシウム,アルミナ,ケイ酸カルシウム等
を挙げることができ,これらの無機化合物の一種または
それ以上を使用することができるが,なかでもマイカ,
カオリン,タルク,シリカが本発明において有用であ
る。
また本発明において使用されるカルボキシル基の金属
塩を有する有機化合物としては,カルボキシル基の金属
塩を有する化合物であればどのようなものでも使用する
ことができるが,通常は炭素数が約7〜30の高級脂肪
酸,芳香族酸の金属塩が使用され,たとえばヘプタン
酸,ペラルゴン酸,ラウリン酸,ミリスチン酸,パルミ
チン酸,ステアリン酸,ベヘニン酸,セロチン酸,モン
タン酸,メリシン酸等の高級脂肪酸の金属塩,安息香
酸,テレフタル酸,テレフタル酸モノメチルエステル,
イソフタル酸,イソフタル酸のモノメチルエステル等の
芳香族酸の金属塩を具体例として挙げることができる。
またカルボキシル基の金属塩を有する高分子化合物と
してはポリマーの末端ないし側鎖にカルボキシル基の金
属塩を有するポリマーであれば,特に制限されるもので
はないが,たとえばポリエチレンの酸化によって得られ
るカルボキシル基含有ポリエチレン,ポリプロピレンの
酸化によって得られるカルボキシル基含有ポリプロピレ
ン,エチレン,プロピレン,ブテン−1等のオレフィン
類と(メタ)アクリル酸の共重合体,オレフィン類と無
水マイレン酸の共重合体,スチレンと(メタ)アクリル
酸の共重合体,スチレンと無水マイレン酸の共重合体等
の金属塩を具体例として挙げることができ,通常はオレ
フィンと(メタ)アクリル酸ないしスチレンと(メタ)
アクリル酸の共重合体の金属塩が使用される。そしてカ
ルボキシル基と塩を成形する金属としては,通常はアル
カリ土類金属,アルカリ金属等が使用されるが,結晶核
剤としての効果はアルカリ金属が優れ,なかでもナトリ
ウム,カリウムが有用である。
本発明において(ロ)成分である酸無水物含有エチレ
ン系共重合体の共重合成分であるα,β−不飽和ジカル
ボン酸無水物は次式 (式中R9,R10は水素,アルキル基またはハロゲン基を示
す) で表される化合物であり,その例としては無水マイレン
酸,メチル無水マイレン酸,クロロ無水マレイン酸,等
がある。
本発明において用いられる酸無水物含有エチレン系共
重合体の共重合成分として必要に応じて用いられるα,
β−不飽和カルボン酸エステルの具体例としては,メタ
クリル酸メチル,メタクリル酸エチル,メタクリル酸ブ
チル,メタクリル酸2−エチルヘキシル,メタクリル酸
2−ヒドロキシエチルなどのメタクリル酸エステル,ア
クリル酸エチル,アクリル酸ブチル,アクリル酸2−エ
チルヘキシル,アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどの
アクリル酸エステルなどまたはそれらの混合物がある。
またエチレン,α,β−不飽和カルボン酸エステルおよ
びα,β−不飽和ジカルボン酸無水物と共重合しうる単
量体としては,スチレン,α−メチルスチレン,ビニル
トルエン等のスチレン系化合物,アクリロニトリル,メ
タクリロニトリル等のα,β−不飽和ニトリル,アクリ
ル酸,メタクリル酸等のα,β−不飽和カルボン酸,酢
酸ビニル,ビニルエーテル等があり,これらも必要に応
じて共重合することができる。
本発明において用いられる酸無水物含有エチレン系共
重合体におけるα,β−不飽和ジカルボン酸無水物の共
重合比は0.01〜20モル%,好ましくは0.1〜10モル%で
ある。かかる酸無水物含有エチレン系共重合体を製造す
る方法としては,いわゆる公知のラジカル共重合法が用
いられるほか,エチレンあるいはエチレン系共重合物に
ラジカル発生剤を存在させ,上記基を有する不飽和単量
体の一種以上を溶剤ないしは分散媒の存在下または非存
在下でラジカルグラフト反応をさせる方法を挙げること
ができる。中でも溶融状態でグラフトさせる場合,押出
機,ニーダー,パンパリミキサーなどの溶融混練機を用
いることにより,簡略化された処法で極めて短時間で目
的とするものを得ることができる。
本発明において(ハ)成分として使用するα−オレフ
ィン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体または
α−オレフィン−グリシジル(メタ)アクリレート−酢
酸ビニル共重合体におけるグリシジル(メタ)アクリレ
ート含有量は1〜20重量%好ましくは1〜10重量%であ
り,1重量%以下の場合には前記エチレン系共重合体との
併用において,耐衝撃性の改善に充分な効果がなく,20
重量%以上の場合,本発明の樹脂組成物の製造時にゲル
化などの副反応が生じるので好ましくない。これらの共
重合体におけるα−オレフィン成分はエチレン,プロピ
レン,ブテン−1などである。三元共重合体における酢
酸ビニル成分は0.1〜19重量%含有することができる。
酢酸ビニル含有量が19重量%を超える場合には得られる
樹脂組成物の熱安定性が低下するので好ましくない。
(ニ)成分として用いられるエステル系可塑剤としては
種々のものを使用することができるが,なかでも下記一
般式(I),(II),(III)で示される化合物が特に
有用である。
R1:アルキレン基 R2,R3:アルキル基,ベンジル基,芳香族置換ベンジル基
から選ばれる基で,R2,R3は同一ないし異なる基である。
m,n:1以上の整数 x:直接結合,アルキレン基,アルキリデン基,−SO
2−,−S−,−O−または R4,R5:アルキル基,ベンジル基,フェニル基ないしその
誘導体から選ばれる基でR4,R5は同一ないし異なる基で
ある。
R6,R7:アルキル基またはハロゲンからなる置換基を表す m,n:1以上の整数 p,q:0〜4の整数 (但し,CH2 の水素原子の一部または全部がアル
キル基,フェニル基またはベンジル基で置換されていて
もよいものとする。) R8:フェニル基,ベンジル基ないしこれらの誘導体から
選ばれる基である。
R9:水素,アルキル基ないしR8で定義された基からなる
基である。
r:4以上の整数である。
そして一般式(I)で示されるエステル系可塑剤にお
いてR1はアルキル基を示すが,通常は炭素数1〜20の直
鎖状ないし分子対称性を有する分枝状のアルキレン基を
使用するのが望ましい。R2,R3としてはメチル,エチ
ル,プロピル,ブチル,ペンシル,ヘキシル,ヘプチ
ル,オクチル,ベンジル等を具体例として挙げることが
できる。m,nに関してはm,nが大きくなる程結晶化促進剤
としての効果が大きくなる傾向があるが,逆にPETとの
相溶性が低下したり耐熱性が低下してくるので,通常は
m,nは1〜約20,好ましくは1〜約10である。
一般式(II)においては,Xとしては通常はメチレン,
エチレン,プロピレン等のアルキレン基,イソプロピリ
デン基などのアルキリデン基ないし−0−が有用でR4,R
5としては通常は炭素数5以上のアルキル基,ベンジン
基,フェニル基が有効で,m,nは1〜約10のものが望まし
い。
一般式(III)においてはR8としてはフェニル基,ベ
ンジル基ないしこれらの誘導体から選ばれる基が,R9
しては水素,アルキル基ないしR8で定義された基が有用
である。rは3以下であると加熱時揮散しやすく結晶化
促進剤としての効果が小さいのでrは4以上が有効で,
例えばアジピン酸,アゼライン酸,デカン−1,10−ジカ
ルボン酸,オクタデカン−1,18−ジカルボン酸のジベン
ジルエステルが有用である。
本発明において用いられる繊維状強化材としては,た
とえばガラス繊維,炭素繊維,芳香族ポリアミド繊維,
炭化ケイ素繊維,チタン酸繊維等を具体例として挙げる
ことができるが,通常はガラス繊維がよく使用される。
また各種繊維の直径および長さについては特に制限され
るものではないが,繊維長が長すぎるとポリエステルや
他の配合剤,すなわち(イ)成分ないし(ロ)成分と均
一に混・分散させることが難しく,逆に繊維長が短かす
ぎると強化材としての効果が不十分となるため,通常は
0.1〜10mmの繊維長のものが使用され,特に繊維状強化
材がガラス繊維である場合には繊維長としては0.1〜7mm
が好ましく,さらには0.3〜4mmが望ましい。また繊維状
強化材は,ポリエステルとの界面接着力を向上させて補
強効果を上げる目的で必要に応じて種々の化合物で処理
したもを使用することができるが,繊維状強化材として
ガラス繊維を使用する際には,種々の表面処理剤,たと
えばビニルトリエトキシシラン,γ−メタクリロキシプ
ロピルメトキシシラン,β−(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)−エチルトリメトキシシラン,γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン,γ−アミノプロピルト
リエトキシシラン,γ−クロロプロピルメトキシシラ
ン,γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のシ
ラン系処理剤,メタクリレートクロミッククロリド等の
クロム系処理剤で処理したものが使用される。
本発明の各成分の配合量に関しては,(イ)成分,す
なわち無機系結晶核剤とカルボキシル基の金属塩の配合
量に関してはPET100重量部に対して,0.05重量部より少
ないと結晶核剤としての効果がなく,逆に10重量部より
多く配合しても結晶核剤としての効果は10重量部以下に
比して良くなるわけではなく,逆に耐衝撃強度の低下を
誘起することがあるので好ましくない。
したがって(イ)成分の配合量としては0.05〜10重量
部,好ましくは0.5〜5重量部である。(ロ)成分すな
わちα,β−不飽和ジカルボン酸無水物を含むエチレン
系共重合体の配合量は,ポリエステル100重量部に対し
て3重量部より少ないと,(ハ)成分との併用効果によ
る耐衝撃強度の向上が小さく,逆に30重量部より多く配
合すると組成物としての熱的性質が低下するので好まし
くない。したがって(ハ)成分の配合量は3〜30重量
部,好ましくは5〜25重量部,さらに好ましくは5〜20
重量部である。
(ハ)成分,すなわちグリルシジル(メタ)アクリレ
ート共重合ポリオレフィンの配合量に関しては,1重量部
より少ないと耐衝撃強度の向上効果が小さく,30重量部
より多く配合しても耐衝撃強度は配合量と共に大きくな
るわけではなく,飽和値を示しかえって加熱混練時ゲル
化を促進するので好ましくない。
したがって(ハ)成分の配合量は1〜30重量部,好ま
しくは3〜20重量部,さらに好ましくは3〜10重量部で
ある。そして(ロ)成分と(ハ)成分の配合比率は10:1
ないし1:10,好ましくは10:1ないし1:2,特に好ましくは
5:1ないし1:1の範囲が目的とする耐衝撃強度向上に対し
て有効である。(ニ)成分すなわちエステル系可塑剤の
配合量に関しては0.3重量部より少ないと結晶化促進効
果および離型性改良効果が小さく,10重量部より多く配
合すると耐熱性が低下するので好ましくない。したがっ
て(ハ)成分の配合量は0.3〜10重量部,好ましくは1
〜7重量部である。さらに(ホ)繊維状強化剤の配合量
に関しては,150重量部を越えると樹脂中に均一に分散,
混合させることが困難であるので150重量部以下,通常
は100重量部以下配合される。
さらに本発明の組成物には必要に応じて耐衝撃強度を
著しく低下させることのない範囲で,酸化防止剤,紫外
線吸収剤,着色剤,充填剤等の各種無機系ないし有機系
化合物を配合することができる。そして本発明の組成物
の製造方法は特に限定されるものではなく,種々の形
態,たとえば各種成形品,シート,繊維状物,管状物等
の形態に成形し使用することができる。
(実施例) 次に実施例と比較例を挙げて本発明を具体的に説明す
る。
なお実施例と比較例中に示した「部」は「重量部」を
示す。
実施例1〜5,比較例1〜4 固有粘度(フェノール/テトラクロルエタン=6/4
中,濃度0.5%,温度20℃で測定)0.68のPET100重量部
に対して,結晶核剤,可塑剤,エチレン系共重合体,グ
リシジルメタアクリレート共重合ポリオレフィン(GM共
重合体)を表1に示したように所定量混合し,この混合
物を同方向回転二軸押出機を用いて,シリンダー温度26
0℃,スクリュー回転数200rpmの条件で混練で押出し,
ペレットを作成した。ペレット製造時において実施例1
〜5および比較例1,2は良好な操業安定性を示したのに
対し,比較例3ではゲル状物の発生が認められた。
ペレットを減圧乾燥した後シリンダー温度260℃,金
型温度110℃,冷却時間20秒で1/2インチ×1/2インチ×
2.5インチの試験片を成形し,ASTM,D−638に準じて室温
でのノッチ付アイゾット衝撃強度を測定し,さらに表面
光沢を評価した。そして離型性は金型温度150℃で縦10c
m×横7cm×深さ4cm(壁厚1.5mm)の箱状成形品を成形し
た際に,離型可能となる最低冷却時間より評価した。最
低冷却時間が短い程離型性は良好である。結果をまとめ
て表1に示す。
参考例1 エチレン−無水マイレン酸−アクリル酸共重合体(住
化 CDF社製,ボンダイン AX 8040) 参考例2 エチレン−無水マイレン酸−アクリル酸共重合体(住
化 CDF社製,ボンダイン HX 8140) 参考例3 エチレン−無水マイレン酸−アクリル酸共重合体(住
化 CDF社製,ボンダイン TX 8030) 参考例4 エチレン−無水マイレン酸−アクリル酸共重合体(住
化 CDF社製,ボンダイン LX 4110) 参考例5 エチレン−無水マイレン酸−アクリル酸共重合体(住
化 CDF社製,ボンダイン FX 8000) c:アゼライン酸のジベンジルエステル d:アジピン酸のジベンジルエステル x:エチレン(92重量%)−グリシジルメタクリレート
(8重量%)共重合体 Y:エチレン(91重量%)−グリシジルメタクリレート
(7重量%)−酢酸ビニル(2重量%)共重合体 サーリン1555:エチレン−アクリル酸共重合体ナトリウ
ム塩(デュポン社製) 実施例6,比較例5 実施例1で示した組成に,さらにガラス繊維(旭ファ
イバーグラス(株),3mm長チョップドストランド,品番
No.429)が全組成物中30重量%になるように配合して,
二軸押出機で混練してペレットを作成した(実施例
6)。同様に比較として比較例1で示した組成からなる
ガラス繊維30重量%含用ペレットを作成し(比較例
4),シリンダー温度240−260−260℃,金型温度105
℃,冷却時間10秒で各種試験片を成形し,ASTMに準じて
ノッチ付アイゾット衝撃強度(試験片厚さ:1/2インチ)
と18.56Kg/cm2荷重下における熱変形温度(試験片厚さ:
1/8インチ)と測定した。
さらに前記した方法に従って金型温度90℃における箱
成形時の最低冷却時間より離型性を評価した。
(発明の効果) 実施例で具体的に示したように本発明の耐衝撃性ポリ
エステル樹脂組成物は,PETに対し特定の構成成分を配合
せしめることにより,操業安定性,成形品外観,離型性
ともに良好であり,衝撃強度が著しくすぐれている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 67/02 LPF C08L 67/02 LPF 合議体 審判長 近藤 兼敏 審判官 池田 正人 審判官 川上 美秀 (56)参考文献 特開 昭57−14643(JP,A) 特開 昭61−163958(JP,A) 特開 昭61−275346(JP,A)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエチレンテレフタレート100重量部に
    対して,(イ)平均粒径50μ以下の無機系結晶核剤,カ
    ルボキシル基の金属塩を有する有機化合物,カルボキシ
    ル基の金属塩を有する高分子化合物のうちの少なくとも
    一種を0.05〜10重量部,(ロ)エチレンと一種以上の
    α,β不飽和ジカルボン酸無水物と必要によってはさら
    にα,β−不飽和カルボン酸エステルを共重合して得ら
    れるエチレン系共重合体において,α,β−不飽和ジカ
    ルボン酸無水物の共重合比が0.01〜20モル%であるもの
    を3〜30重量部,(ハ)α−オレフィン80〜99重量%,
    グリシジルメタクリレートもしくはグリシジルアクリレ
    ート1〜20重量%および酢酸ビニル0〜19重量%からな
    る共重合体1〜30重量部,(ニ)エステル系可塑剤0.3
    〜10重量部,(ホ)繊維状強化材0〜150重量部を配合
    してなる耐衝撃性ポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】エステル系可塑剤が下記一般式(I).
    (II)(III)のうちの少なくとも一種のエステル化合
    物である特許請求の範囲第1項記載のポリエステル樹脂
    組成物。 R1:アルキレン基 R2,R3:アルキル基,ベンジル基,芳香族置換ベンジル基
    から選ばれる基で,R2,R3は同一ないし異なる基である。 m,n:1以上の整数 x:直接結合,アルキレン基,アルキリデン基−SO2−,
    −S−,−O−または R4,R5:アルキル基,ベンジル基,フェニル基ないしその
    誘導体から選ばれる基で,R4,R5は同一ないし異なる基で
    ある。 R6,R7:アルキル基またはハロゲンからなる置換基を表
    す。 m,n:1以上の整数 p,q:0〜4の整数 (但し,CH2−の水素原子の一部または全部がア
    ルキル基,フェニル基またはベンジル基で置換されてい
    てもよいとする。) R8:フェニル基,ベンジン基ないしこれらの誘導体から
    選ばれる基である。 R9:水素,アルキル基ないしR8で定義された基からなる
    基である。 r:4以上の整数である。
  3. 【請求項3】平均粒径50μ以下の無機化合物として,タ
    ルク,マイカ,カオリン,シリカの群から選ばれる無機
    物の一種以上を使用することを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載のポリエステル樹脂組成物。
  4. 【請求項4】有機化合物及び高分子化合物のカルボキシ
    ル基の金属塩がナトリウム塩ないしカリウム塩である特
    許請求の範囲第1項記載のポリエステル樹脂組成物。
  5. 【請求項5】カルボキシル基の金属塩を有する化合物
    が,炭素数が約7〜30からなる化合物である特許請求の
    範囲第1項記載のポリエステル樹脂組成物。
  6. 【請求項6】カルボキシル基を有する高分子化合物がオ
    レフィンと(メタ)アクリル酸の共重合体ないしスチレ
    ンと(メタ)アクリル酸の共重合体である特許請求の範
    囲第1項記載のポリエステル樹脂組成物。
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