JP3498079B2 - 繊維強化射出成形品 - Google Patents

繊維強化射出成形品

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JP3498079B2
JP3498079B2 JP2001341840A JP2001341840A JP3498079B2 JP 3498079 B2 JP3498079 B2 JP 3498079B2 JP 2001341840 A JP2001341840 A JP 2001341840A JP 2001341840 A JP2001341840 A JP 2001341840A JP 3498079 B2 JP3498079 B2 JP 3498079B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、無機繊維で強化された
熱可塑性ポリマからなり、優れた物理的性質、特に高い
熱撓み温度を有する成形品に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の繊維強化熱可塑性ポリマ製品を製
造する射出成形では、原料は予備配合プロセスでつくら
れたペレットとして成形機に供給される。予備配合され
たペレットは、熱可塑性ポリマ、強化繊維、および例え
ば安定化剤、顔料、加工助剤、変性剤(改質剤)、フ
ィラーなどの他の成分から構成される。予備配合ステッ
プは、全ての成分を正確な配合割合で便宜性を与える形
態で供給するもので、個々成分の取り扱いは要求しな
い。また、予備配合ステップでは、次の成形ステップで
製造される製品で有効なように成分を分散する。しかし
ながら、予備配合プロセスは、材料の二次的な溶融をす
る必要があり、収量ロスおよび包装のための付加的コス
トを伴うペレット化された中間製品を隔離する必要があ
り、さらに予備配合されたペレットが成形機に供給する
前に通常二次的な乾燥を行う必要があるので、全体的な
成形品に重大なコストを付加する。また、予備配合にお
ける混合は、繊維を予備配合機に供給したときより短い
長さに微粉砕する原因となる。短い繊維は、曲げ弾性率
により測定される剛性、および熱撓み温度により測定さ
れる耐熱性などの物理的性質を、長い繊維のものより劣
化させる。また、予備配合ステップは、溶融相での処理
を要求するので、マトリックスポリマは必然的に高い温
度にさらされ、熱分解を受けやすい。 【0003】成形品の耐衝撃性を向上するための強化剤
など、マトリックスポリマとは不相溶のポリマ変性剤
が、しばしば添加される。変性剤をマトリックスポリマ
内に分散するためには強烈な混合が必要である。また、
残念なことに、強烈な溶融混合は、強化繊維の微粉砕を
引き起こす。 【0004】もし配合物の成分が直接、成形機に供給で
きれば、不利な性能への影響および予備配合ステップの
処理コストの増加を避けることができる。しかしなが
ら、チョップトグラスファイバ束を予備配合されていな
い熱可塑性ポリマ成分とともに運搬されて射出成形機に
供給すると、しばしば問題に直面する。第1の問題は、
バルク密度およびフロー特性のため、繊維束がペレット
樹脂と分離してしまうことである。他の問題は、繊維束
が成形機に運ばれる間にばらばらに壊れてしまい、とき
どき「羽毛ボール(fuzzballs) 」と呼ばれ、材料の流れ
を阻害し、成形品の欠陥を形成する、ふわふわした凝集
物を生成することである。これらの問題の結果、成形工
程がしばしば混乱し、変性剤、強化繊維および他の成分
のマトリックスポリマ中への分散が均一でなくなり、成
形製品の物理的性質が劣化し、不均一となる。 【0005】米国特許第3,644,271 号において、タリー
(Tully) は、供給材料が、30〜200メッシュサイズの熱
可塑性粉末20〜40重量%、熱可塑性ペレット40〜60重量
%およびガラス繊維約20重量%からなる射出成形を開示
する。この方法では、熱可塑性ポリマの一部を微細な粉
末に粉砕する必要がある。 【0006】アモス(Amos)らによる米国特許第3,732,34
5 号に は、フィラメント状の強化剤を熱可塑性樹脂状
材料に組み込む、代わりの方法が開示されている。この
特許の一実施例において、チョップトファイバおよび粒
状樹脂は、コンベア上に異なる層になるように注意深く
置かれた状態で射出成形機のスロートへ供給される。他
の実施例では、強化剤および熱可塑性材料は、射出成形
機のスロートへ別の流れとして供給される。アモスは、
彼の方法が上述した問題を如何に解決したかについては
説明していない。 【0007】「炭素繊維強化ポリカーボネート(Injecti
on Molding of Carbon-Fiber Reinforced Polycarbon
ate)」において、コンパリック(Kompalic)らは、二成分
系でポリカーボネート樹脂中に炭素繊維を用いた射出成
形方法を開示する。この繊維は、ポリカーボネート樹脂
中での付着性のため特別に予め処理される。 【0008】 【発明が解決しょうとする課題】本発明の目的は、予備
配合の助けを借りることなく、コスト的に有利な射出成
形方法により製造され、かつ優れた熱撓み温度を有する
とともに一貫した品質を有する無機繊維強化熱可塑性ポ
リマ製品を提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明によれば、(1)
(A)少なくとも1種の熱可塑性ポリマの粒子、(B)熱可
塑性ポリマの変性剤および(C)繊維長が1.5 〜13mmの無
機繊維束からなる成分を準備するステツプ、(2) 前記熱
可塑性ポリマと変性剤を、熱可塑性ポリマの主フラクシ
ヨンが300℃までの温度にさらされても加水分解しない
ような水分含有量まで、乾燥するステツプ、(3) 前記熱
可塑性ポリマと変性剤をステップ(2)で達成されたと実
質的に同様な乾燥状態に維持するステツプ、(4) 前記無
機繊維束が総量の10〜60重量%となるように、前記熱可
塑性ポリマ、変性剤および無機繊維束のそれぞれの部分
を別々に準備するステツプ、(5) 前記のそれぞれの部分
を一緒にしてドライブレンドとし、前記無機繊維束がそ
の結合状態を保持するような強さで、ドライブレンドを
均一な濃度にさせるのに十分な時間ブレンドするステツ
プ、(6)前記ドライブレンドを成形機に供給するステツ
プ、および(7)前記ドライブレンドを成形して成形品を
製造するステツプからなる直接成形方法によつて製造さ
れ、かつ米国材料試験協会(ASTM)規格D-648 によって決
定される熱撓み温度が射出成形前に予備配合された供給
原料から製造された製品の熱撓み温度より少なくとも5
℃高いことを特徴とする、繊維強化射出成形品が提供さ
れる。 【0010】「ドライブレンド」の語は、個々の成分が
混合プロセスに供給されたときのそれぞれの形状を実質
的に保持するような機械的な撹拌により行われる、粒状
成分の固相混合を意味する。 【0011】「直接成形加工(direct fabrication)」の
語は、ファイバ強化剤および熱可塑性ポリマの実質的に
全ての成分が、成形機に供給される前に別工程で予め溶
融予備配合されることなしに、繊維強化熱可塑性ポリマ
組成物製品を成形する方法を意味する。繊維強化製品の
直接成形加工において典型的には、強化繊維は束の状態
で成形機に供給され、熱可塑性ポリマはペレット形状で
供給される。 【0012】本発明の方法を首尾よく実施すると、熱撓
み温度が従来の方法によって得たものよりかなり高い成
形品が製造される。米国材料試験協会(ASTM)規格D-648
によって決定される熱撓み温度は、高温において剛性を
保持している材料の能力の測定である。これは、自動車
の用途などの高温使用環境における使用に対しての熱可
塑性材料の適性を評価するための限界的性質を考慮して
いる。自動車用途への熱可塑性樹脂の使用は、いつも広
範囲になる。熱撓み温度を数度程度、例えば5℃程度で
も上昇させると、特定の材料がエンジン仕切部およびボ
ディパネルなどの特に大きな自動車材料を製造するのに
適しているかどうかという点においては、違いがある。 【0013】本発明に用いて好適な熱可塑性ポリマは、
ポリエステル類およびポリアミド類である。ポリエステ
ル類としては、ポリエチレンテレフタレート(PET) 、PE
T およびポリエチレンイソフタレートのコポリマ類、シ
クロヘキシルジメタノール/テレフタル酸のコポリマ、
シクロヘキシルジメタノール/エチレングリコール/テ
レフタル酸のコポリマ類、ポリエチレン1,4-ジカルボキ
シナフテネート、ジカルボキシナフテネート、ポリブチ
レンテレフタレート、およびポリカーボネート類が挙げ
られる。これらの材料のブレンドもまた使用できる。好
ましいポリエステルとしては、30℃で、容量比3:1の
塩化メチレンおよびトリフルオロ酢酸中で測定した内部
粘度が0.4 〜1.2 であるPET を挙げることができる。好
ましいポリエステルは、ジエチレングリコールあるいは
グルタル酸などの他のコモノマ類を含有することができ
る。ポリアミド類としては、ナイロン6、ナイロン66、
ナイロン69、ナイロン610 、ナイロン612 、ナイロン1
1、ナイロン12、さらに、6/66、66/6、6/610 、6/612
、および最近紹介されている4/6 および12/12 などの
ナイロンコポリマ類を含む従来の半結晶性ナイロン類を
挙げることができる。ヘキサメチレンジアミンとイソフ
タルおよびテトラフタル酸とのコポリマ類;部分的にテ
トラフタル酸などの芳香族酸と2,4,4-および2,2,4-トリ
メチルヘキサメチレンジアミンなどのジアミン類とp−
アミノシクロヘキシルメタンとアゼライン酸とを含むコ
ポリアミド類;などの非晶質ナイロン類も本発明で使用
できる。 【0014】熱可塑性ポリマは、粒子(パーティクル)
形状で使用される。いかなる使いやすい粒子形状の未使
用(すなわち、製造業者から直接供給され、リサイクル
により回収されていない)熱可塑性ポリマが使用でき
る。典型的には、ポリマ粒子は、球体あるいは直円柱の
ペレットとして供給され、少なくとも一方向の寸法が2
mm以上ある。消費された後のソフトドリンクのPET ボト
ルの回収からのリサイクルボトル樹脂(RBR) などのリサ
イクル熱可塑性ポリマも使用することができる。RBR
は、しばしば小さいフレーク形状で供給される。 【0015】ポリマ変性剤(モディファイア;改質剤)
粒子は、エラストマ強化剤、結晶化速度強化剤、粘度降
下剤および他の添加剤を含む。変性剤は、ペレットの形
態で孤立できるようにするため、典型的には、他の成分
同士を十分に結合させる、10〜95重量%の熱可塑性ポリ
マを含む。ポリマ変性剤ペレットは、例えば、ストラン
ドの急冷およびカットが続いて行われる、一軸スクリュ
ーあるいは二軸スクリュー押出などの従来の溶融処理に
より製造される。成分をペレット化させるために、変性
剤の中に熱可塑性ポリマが初めから存在するので、ペレ
ット化のステップでは特別に強烈な撹拌は必要ない。そ
の代わりに、ポリマ変性剤は、成形作業のレグラインド
になる。 【0016】本発明のポリマ変性剤として好適なエラス
トマ強化剤は、熱可塑性ポリマ中に微細に分散された場
合にその熱可塑性ポリマの靭性(toghness)を有意に向上
するものである。ここで靭性とは規格ASTM D-256に基づ
いて行われるノッチ付きアイゾット衝撃試験により測定
される性質である。エラストマは、圧力の印加によりか
なり変形するが、変形の原因となる圧力を除去すると実
質的に元の形状に迅速に戻るポリマ類である。このエラ
ストマは、約20℃より低いガラス転移温度、Tgを示す。
エラストマ強化剤は、エチレンコポリマ類を含む。この
エチレンコポリマ類は、エチレンが、ビニルアセテー
ト;メチル、エチルもしくはブチル(メタ)アクリレー
トなどのアルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アク
リル酸;(メタ)アクリルアミド;一酸化炭素;あるい
はグリシジル(メタ)アクリレートなどのモノマ類の少
なくとも1つと共重合したものである。かかるエチレン
コポリマ類としては、エチレン/n−ブチルアクリレー
ト/一酸化炭素、エチレン/n−ブチルアクリレート/
グリシジルメタクリレート、およびエチレン/ビニルア
セテート/一酸化炭素を挙げることができる。エチレン
/ビニルアセテートおよびエチレン/(メタ)アクリレ
ートの各コポリマは、グラフト化された酸基、酸無水物
基あるいはグリシジル基が含まれていてもよい。特別の
エチレンコポリマ類は、アイオノマ類、およびエチレン
/プロピレンおよびエチレン/プロピレン/ジエンの各
エラストマ類を含み、これらはグラフト化された酸基あ
るいは酸無水物基を有しても有さなくてもよい。特別の
エラストマ強化剤は、グラフト化された酸基、酸無水物
基あるいはグリシジル基を有すまたは有さないスチレン
−エチレン/ブチレンのブロックコポリマ類、スチレン
−ブタジエンブロックコポリマ、スチレン/アクリル酸
/アクリロニトリルのコポリマなどのスチレンコポリマ
ベースのエラストマ類を含む。特別のエラストマ強化剤
としては、1,4-ブチレンテレフタレートと、ポリ(テト
ラメチレンエーテル)グリコールテレフタレート(これ
らのモノマを25:75 の重量比で生成したコポリマなど)
とを重合して得られるものなどのブ ロックコポリエー
テルエステルエラストマ類を挙げることができる。 【0017】本発明に用いて好適なポリエステルの結晶
化速度向上剤は、所定の炭化水素のナトリウムあるいは
カリウム塩、またはペンダントカルボキシル基を含む所
定の有機ポリマのナトリウムあるいはカリウム塩から選
択される。PET 粘度降下剤は、所定の低分子量のエステ
ル類、ケトン類、スルホン類、スルホキシド類、ニトリ
ル類およびアミド類から選択される。このようなナトリ
ウム塩、カリウム塩、有機エステル類、ケトン類、スル
ホン類、スルホキシド類、ニトリル類およびアミド類は
米国再発行特許第32,334号に開示されている。 【0018】変性剤中に組み込むことができる他の添加
剤は、例えば、着色剤、離型剤、酸化防止剤、紫外線安
定剤および難燃剤などの、通常熱可塑性樹脂に用いられ
るものである。引張強さおよび伸びなどの物理的性質を
向上させる添加剤としては、例えばエポキシ化合物類が
用いられる。このように物理的性質を向上させるエポキ
シ化合物類の実例は、ビスフェノールAおよびエピクロ
ロヒドリンから生成されるエポキシ化合物である。 【0019】本発明の各ステップは、制御された条件で
実施される。1つの条件は、吸湿性の成分は、余分な水
分を除去するように必ず乾燥するということである。ポ
リエステルおよびポリアミドは、水の存在下で加熱され
ると加水分解反応を受けやすい。加水分解反応速度は、
温度および水分濃度とともに上昇する。これは、そのポ
リマの衝撃強さなどの物理的性質を低下させる。本発明
の方法は、300 ℃までの溶融処理中に熱可塑性ポリマの
主フラクション(predominant fraction)の加水分解劣化
の原因となる過剰な量の水分が初めに除去されるなら
ば、物理的性質に不利な影響を与えることなく実施でき
る。好ましくは、ポリエステルは水分含有量0.02重量%
未満に、ポリアミドは水分含有量0.2 重量%未満に乾燥
される必要がある。ポリエステル、ポリアミドあるいは
特別の吸湿性の物質を含むことができるポリマ変性剤も
また、溶融処理前に乾燥する必要がある。 【0020】吸湿性材料は、ポリマ成分と一緒になる前
は、処理の間いつでも、室温より、好ましくは60℃より
高い温度で乾燥することができる。その上、一旦乾燥さ
れた吸湿性成分は、湿分を含んでいる雰囲気から隔離す
る必要がある。それ故、全ての空気コンベアの空気、お
よびこれらの成分が、乾燥に続く搬送、貯蔵および混合
の際に接触する空気は、0℃未満の露点となるまで除湿
される必要がある。乾燥された供給成分は除湿された空
気に接触させてという要求が非常に重要であるから、除
湿された空気コンベアの空気が用いられる。 【0021】「繊維(fiber) 」という語は、ここでは、
例えば、糸(threads) 、ストランド(strands) 、ロービ
ング(roving)およびヤーン(yarns) などの、シングルあ
るいはマルチフィラメントの両者の形状の部材を含む広
い概念であり、個々のフィラメントは一般的には長さ方
向に配向しているが、互いに撚れていてもよく、お互い
に付着していてもよく、さらに成形された構造を完全に
保っていてもよい。「繊維束(fiber bundle)」という語
は、ときどき「束(bundle)」と省略するが、ここでは、
個々の粒子に、切断される連続した繊維を意味する。束
は、チョッピング、例えばハンマーミルなどで実施され
る粉砕で切断でき、また、従来の如何なる方法を用いて
もよい。一般的な場合のように、ガラス繊維束を用いる
場合、通常、束の全部あるいは一部が、射出成形プロセ
スで個々の繊維になり、射出成形品は有意に個々の繊維
を含有することになる。 【0022】適当なガラス繊維は、Pittsburgh Plate G
lass Co.,(PPG) およびOwens-Corning Fiberglass Co.
(OCF) などの多くの製造元から入手できる。ガラス繊維
はポリマへの粘着を向上するサイジング剤を含んでいて
もよい。サイジング剤は、特定のガラスの種類あるいは
製造元によって変わるが、しばしばオルガノチタン酸塩
類およびオルガノシラン類を含んでいる。代表的なオル
ガノチタン酸塩類としては、例えば、テトライソプロピ
ルジ(オクチルフォスフィト)チタネート;チタニウム
ジメタクリレートオキシアセテート;イソプロピルジイ
ソステアリルメタクリルチタネート;イソプロピルトリ
クミルフェニルチタネート;およびイソプロピルトリ
(ジオクチルピロフォスファト)チタネートなどを挙げ
ることができる。代表的なオルガノシラン類としては、
例えば、3−アミノプロピルトリエトキシシラン;ビニ
ルトリエトキシシラン;および3−クロルプロピルトリ
メトキシシランを挙げることができる。 【0023】ガラス繊維束は、約1.5 mm〜約13mmの範囲
の均一な長さを有している。個々のガラスフィラメント
の直径は、0.5 〜20μm の範囲にある。束は、通常、数
百〜約2000、特に、約600 〜1000の個々の繊維を含んで
いる。 【0024】重要な点は、各成分は溶融処理の前に均一
にドライミックスされるが、ミキシングの強さは、繊維
束を壊して羽毛ボールを形成するほど大きくしないとい
う点である。各成分が均一なドライブランドとして射出
成形機に送出されれば、成形機内での溶融処理がガラス
フィラメントを分離・分散し、製品の剛性が改善される
ということが知見された。 【0025】均一な生産物組成を得るために、各成分
は、ドライブレンド組成物のバルクバッチ調製とは異な
り、それぞれ少量ずつ重量が測定される。個々の成分部
の量は、これらの各部を合わせることにより製造される
ドライブレンドバッチが所望の生産物組成を有するよう
になる量を選択する。繊維成分の完全な状態への影響を
最低にして成分の完全な混合を達成するために、熱可塑
性ポリマおよびポリマ変性剤は、繊維成分とは別に取り
扱われる。熱可塑性ポリマおよびポリマ変性剤は、空気
コンベアあるいは振動コンベアなどの従来の方法で搬送
されるので、成形機から遠隔操作で量ることができる。 【0026】繊維束は、射出成形機への供給口の上ある
いは近傍の供給部に、最低限の撹拌を行いながら供給さ
れる。ガラス繊維束の空気コンベア搬送は満足できず、
束を壊し、羽毛ボールを生成することになる。ガラス繊
維束部は量られ、熱可塑性ポリマ部およびポリマ変性剤
部と混合される。ガラス繊維部の搬送には、重力供給あ
るいは振動コンベアが推奨される。輸送中における束の
破壊あるいは羽毛ボールの生成を避けるため、輸送距離
はできるだけ短くすべきである。 【0027】熱可塑性樹脂、ポリマ変性剤および繊維の
各部は、射出成形機の供給ポートの約1m上方の範囲内
の場所で、穏やかに、回分式の機械的混合により、組み
合わせられる。穏やかな撹拌あるいはタンブリングの動
きが可能な従来の機械式のミキサは、全て好適である。
当業者は、限られた回数の試験の完了により、ミキシン
グの速度および持続時間の最大値を決定できる。もしミ
キシング速度が速すぎるかあるいは持続時間が長すぎる
場合には、繊維束が破壊され、羽毛ボールが生成され、
供給ポートが塞がれて生成物組成が変化してしまう。も
しミキシング速度が遅すぎたり、あるいは持続時間が短
すぎても、また生成物組成が変化してしまい、成形品の
物理的性質が劣化する。 【0028】射出成形は商業的に入手できる装置を用い
て従来の方法で達成できる。 【0029】 【実施例】次に本発明を好適な実施例の代表例に基づい
て説明する。ここで、全ての部、割合、およびパーセン
テージは、特に示さない限り重量で表される。全ての重
量およびSI単位以外の測定の単位は、SI単位に変換し
た。 【0030】(試験例1)ポリマ変性剤を、表1に示さ
れた物質および濃度で調製した。 【0031】 【0032】まず、ポリエチレンテレフタレートを水分
含有量 0.02重量%未満まで乾燥し、各成分を、290 ℃
で稼働しているWerner & Pfleiderer 二軸スクリュー押
出機に供給した。混合物をストランドとして押し出し、
冷却し、ペレット形状に切断した。 【0033】回収飲料容器から得られたポリエチレンテ
レフタ レートフレーク(RBR) およびポリマ変性剤のそ
れぞれを別々の乾燥ホッパに充填し、ホッパの中に加熱
された除湿空気を通すことにより、水分含有量0.02重量
%未満まで乾燥した。これらを空気コンベアでそれぞれ
秤量配合ホッパに搬送した。ポリマ変性剤は、振動フィ
ーダーにより秤量容器に供給され、4.54kgまで充填され
た。第2の振動フィーダーは、RBR フレークを秤量容器
に7.04kg充填するのに用いられた。RBR フレークおよび
ポリマ変性剤の部分11.58kg を、トランスファーシステ
ムフィードポッパに供給し、Cincinnati Milacron “46
5 オンス4000トン”射出成形機の供給ポートの上方約2
mの位置に載置された受けポッパまで空気コンベアで搬
送した。RBR フレークおよびポリマ変性剤の搬送、取り
扱いおよび貯蔵は、露点がせいぜい0℃の除湿された空
気雰囲気中で行った。 【0034】長さが3.18mmの強化用ガラス繊維束PPG354
0(Pittsburgh Plate Glass Company)をバルク袋に供給
した。繊維束を重力の力でフィードポッパに落下させ、
そこから振動フィーダーにより2.04kg部を秤量容器充填
した。また、秤量容器を、射出成形機の供給ポートの上
方約2mまで持ち上げた。 【0035】RBR フレークおよびポリマ変性剤の混合物
を、撹拌子が31rev./minで回転しているタービンミキサ
(Model TM-50,Pacific Engineering Company) のサイド
ポートに落下させた。タービンミキサを約1m上昇さ
せ、射出機の供給ポートに直接重なるように置いた。ガ
ラス繊維束は、逆側のポートからタービンミキサ中に投
入した。ガラス繊維を投入してから15秒後、撹拌子を止
めた。成形機のフィードホッパ中に十分な空間をあけて
から、ミキサの放出バルブを開け、RBR フレーク/変性
剤/ガラス繊維束のドライブレンドのバッチ全体をホッ
パ中に投入した。ドライブレンドバッチの調製および供
給の操作サイクルは、射出成形機への供給を続けている
間繰り返した。 【0036】射出成形機は465 オンス(13.2kg)容器およ
び直径152.4mm のスクリューが装着されている。スクリ
ューは、3.1 :1のヘッドを有している。射出成形機
は、表2に示す条件にしたがって操作した。 【0037】 【0038】成形機には、試験片をつくるため改良され
た自動車ヘッドランプユニット型が装着されている。 【0039】プロセスは複数サイクル連続して実施し
た。全てのサイクルのサンプルを集めた中からランダム
に選んだ試験片を分析した。分析結果は表3に示した。
曲げ弾性率、破断点応力および破断点伸びの分析を、AS
TM 規格 D-790に基づいて行った。ノッチ付きアイゾッ
ト値は、ASTM 規格 D-256に基づいて決定した。熱撓み
温度は、140 ℃にアニールしたサンプルについて、1820
kPa(264psi) で、ASTM規格 D-648に基づいて測定した。 【0040】表3種類 試験例1 試験例2 灰分,重量% 33.0 35.1 曲げ弾性率,MPa 7412 7329 破断点応力,MPa 67.3 68.0 破断点伸び,% 1.39 1.38ノッチ 付きアイソ゛ット ,J/m 57.1 62.4 熱撓み温度,℃ 216 208 【0041】(試験例2)(比較) 表示サイズ長さ3.18mm×直径3.18mmの変性剤樹脂RYNITE
(登録商標)935(E.I.du Pont de Nemours & Co.,から
市販されている)を同じ射出成形機の試験例1の型に充
填した。供給する前に、水分含有量0.01重量%未満に乾
燥した。射出成形機は第2表に挙げた条件で複数サイク
ル連続的に操作した。その後、試験片を分析した。結果
は表3に示す。 【0042】データは、本発明に基づく直接製造するプ
ロセスの製品は、商業的市販されている同等の供給材料
から従来のプロセスで製造されたものより、有意に向上
して高い熱撓み温度を有しているということを示してい
る。試験例1の高い熱撓み温度は、灰分が示している
ように、わずかにガラス含有量が小さい試験例2で達成
されている。他の物理的性質は本質的には両方のプロセ
スで同一である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−91253(JP,A) 特開 昭63−142055(JP,A) 特開 昭63−258948(JP,A) 特開 平1−241406(JP,A) 特開 昭51−46357(JP,A) 特開 昭54−110270(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29B 7/00 - 7/94 B29C 45/00 - 45/84 B29C 31/00 - 31/10

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】(1)(A)少なくとも1種の熱可塑性ポ
    リマの粒子、 (B)熱可塑性ポリマの変性剤および (C)繊維長が1.5〜13mmの無機繊維束からなる
    成分を準備するステツプ、 (2) 前記熱可塑性ポリマと変性剤を、熱可塑性ポリ
    マの主フラクシヨンが300 ℃までの温度にさらされ
    ても加水分解しないような水分含有量まで、乾燥するス
    テツプ、 (3) 前記熱可塑性ポリマと変性剤をステップ(2)
    で達成されたと実質的に同様な乾燥状態に維持するステ
    ツプ、 (4) 前記無機繊維束が総量の10〜60重量%とな
    るように、前記熱可塑性ポリマ、変性剤および無機繊維
    束のそれぞれの部分を別々に準備するステツプ、 (5) 前記のそれぞれの部分を一緒にしてドライブレ
    ンドとし、前記無機繊維束がその結合状態を保持するよ
    うな強さで、ドライブレンドを均一な濃度にさせるのに
    十分な時間ブレンドするステツプ、 (6)前記ドライブレンドを射出成形機に供給するステ
    ップ、および (7)前記ドライブレンドを射出成形して射出成形品を
    製造するステツプからなる直接射出成形方法によって製
    造され、かつ、米国材料試験協会(ASTM)規格D−
    64によって決定される熱撓み温度が、供給原料を予備
    配合により作製したペレツトとして射出成形機に供給す
    る従来の射出成形法により製造された射出成形品の熱撓
    み温度より高いことを特徴とする、繊維強化射出成形
    品。
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