JP5630126B2 - 樹脂積層体および携帯型情報端末 - Google Patents
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Description
上記部材の使用時は、最表面のハードコート層と皮膚とが接触するため、皮膚からの分泌成分である皮脂や汗などによって形成された皮脂膜の付着によって、ハードコート層の表面が汚れてしまうという問題があった。
従来、汚れの防止技術として、フッ素系化合物やシリコン系化合物をハードコート層に配合させることにより、撥水性、撥油性を高め、汚れを付着させ難くする手法が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。
しかしながら、汚れの付着を完全に防ぐということは非常に困難であり、特に皮膚膜の付着による汚れを防ぐことは難しく、汚れが付着した場合、汚れの接触角が高くなって反射光が散乱し、更に目立ってしまうという問題があった。
(1) 樹脂プレートと、該樹脂プレートの表裏両面または片面にコーティングされたハードコート層と、から構成される樹脂積層体であって、上記ハードコート層は、2官能ウ
レタンアクリレート(A)と脂肪酸エステルまたは脂肪酸エステル誘導体(B)を含む紫外線硬化性樹脂の硬化物よりなり、2官能ウレタンアクリレート(A)と脂肪酸エステルまたは脂肪酸エステル誘導体(B)の配合比[(A)/(B)]が、0.3以上70以下であり、前記2官能ウレタンアクリレート(A)が、ハードコート層の全成分100重量部に対して、20重量部以上35重量部以下である樹脂積層体。
(2) 上記脂肪酸エステルまたは脂肪酸エステル誘導体(B)が、ハードコート層の全成分100重量部に対して、0.1重量部以上15重量部以下である(1)に記載の樹脂積層体。
(3) 上記樹脂プレートが、ポリカーボネート樹脂またはアクリル樹脂である(1)または(2)に記載の樹脂積層体。
(4) (1)乃至(3)のいずれか1項に記載の樹脂積層体を携帯型情報端末の表示窓部分、キーパッド部分または、表示窓部分およびキーパッド部分の両方に形成した携帯型情報端末。
(5) (4)に記載の携帯型情報端末が、携帯電話である携帯型情報端末。
(6) (4)に記載の携帯型情報端末が、携帯用のゲーム機である携帯型情報端末。
上記ハードコート層は、2官能ウレタンアクリレート(A)と脂肪酸エステルまたは脂肪酸エステル誘導体(B)を含む紫外線硬化性樹脂の硬化物よりなり、2官能ウレタンアクリレート(A)と脂肪酸エステルまたは脂肪酸エステル誘導体(B)の配合比[(A)/(B)]が、0.3以上70以下である。
ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートジオールが挙げられる。
ポリエステルポリオールの製造方法は特に限定されず、公知の製造方法により製造される。例えば、ジオールとジカルボン酸またはジカルボン酸クロライドとを重縮合反応させたり、ジオールまたはジカルボン酸をエステル化して、エステル交換反応させたりすることにより得られる。
ジカルボン酸としては、アジピン酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、マレイン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸などが用いられる。ジオールとしてはエチレングリコール、1、4−ブタンジオール、1、6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどが用いられる。
ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エチレンオキシド−プロピレンオキシドランダム共重合などが用いられる。
ポリカーボネートジオールとしては、1、4−ブタンジオール、1、6−へキサンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1、2−プロピレングリコール、1、3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、2−エチル−1、3−ヘキサンジオール、1、5−ペンタンジオール、3−メチル−1、5−ペンタンジオール、1、4−シクロヘキサンジオール、ポリオキシエチレングリコールなどが用いられ、1種でも2種以上を併用しても良い。
本発明で用いられる2官能ウレタンアクリレート(A)の数平均分子量は、800以上5000以下の範囲であるのが好ましい。
上記脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、リノール酸、アラキジン酸、リグノセリン酸などが挙げられる。
上記脂肪酸エステルとしては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル(モノグリセリド)、有機酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、エトキシ化グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、トリオレイン、レシチン、などが挙げられる。具体的には、酢酸モノグリセリド、乳酸モノグリセリド、クエン酸モノグリセリド、ジアセチル酒石酸モノグリセリド、コハク酸モノグリセリド、ヒマシ油(リシノール酸トリグリセリド)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、ジイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、ラウリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、イソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、テトラステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット、硬化ヒマシ油(水添リシノール酸トリグリセリド)、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンフィトステロール、ポリオキシエチレン水添ダイマージリノール酸エステル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシエチレンデシルテトラデシルエーテルなどである。
有機基としては、ポリエーテル基、ポリアルキル基、アラルキル基、ポリエステル基などが挙げられ、これらは、単独でもまたは2種類以上の組み合わせでもよい。
これらのうち脂肪酸、脂肪酸エステルまたはそれら誘導体(B)としては、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、ジイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、ラウリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、イソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、テトラステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンフィトステロール、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシエチレン水添ダイマージリノール酸エステル、などのように、脂肪酸、脂肪酸エステルおよびまたはそれら誘導体のうち、分子内に炭素数12以上の炭化水素(直鎖または環状)を1つ以上、かつ、繰り返し単位が合計で10以上となるポリエーテル鎖を同じ分子内に有する構造のものが好適であり、さらに、分子内に炭素数16から18の直鎖の炭化水素を2つ以上、かつ、繰り返し単位が合計で20から80のポリエーテル鎖を同じ分子内に2つ以上有する構造のものが、特に好適である。
全成分100重量部に対して重量比で、0.1重量部以上15重量部以下であることが好ましく、0.3重量部以上10重量部以下であり、上記範囲内とすることにより、特に手垢や指紋などの皮脂汚れを容易に除去可能とする防汚性が高まり、指紋の目立ちにくさ、指紋の拭き取りやすさに優れ、表面への析出などの外観不良が発生せず、ハードコート層の耐摩耗性の低下も見られない。
紫外線硬化性オリゴマーは、高硬度を達成するための5官能以上の多官能モノマーが、優れた硬度と基材追従密着性のバランスを達成する上で、より好ましい。
上記5官能以上の多官能モノマーまたはその2量体以上の化合物としては、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタアクリレート、トリペンタエリスリトールオクタアクリレートなどが挙げられる。
なお、本発明において、「5官能」とは、一分子中の紫外線により重合反応する官能基
、例えば、アクリル基、メタクリル基、ビニル基などの基の数が5である。
これらの中でも、特に環状構造を有する2官能アクリレートを用いることが望ましい。こうすることで、特にハードコート層の硬度や耐摩耗性、耐熱性を高くすることができる。
ウレタンアクリレートオリゴマーは、例えば、ポリオールとジイソシアネートを反応させて得られるイソシアネート化合物と、水酸基を有するアクリレートモノマーの反応により得られる。
エポキシアクリレートオリゴマーは、例えば、低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラックエポキシ樹脂のオキシラン環とアクリル酸とのエステル化反応により得られる。
ポリエステルアクリレートオリゴマーは、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーを得、次いで、その両末端の水酸基をアクリル酸でエステル化することにより得られる。
紫外線硬化性オリゴマーは、特にウレタンアクリレートオリゴマーが好ましく、更には高硬度を達成するための5官能以上の紫外線硬化性オリゴマーが、優れた硬度と基材追従密着性のバランスを達成する上で、より好ましい。
上記紫外線硬化性オリゴマーは、ハードコート層に必要な諸物性(耐擦傷性、耐摩耗性、耐衝撃性、加工性、柔軟性など)を満たすために使用されるものであり、例えば、ウレタンアクリレートが使用可能である。
上記ウレタンアクリレートは、例えば、ポリオールとジイソシアネートを反応させて得られるイソシアネート化合物と、水酸基を有するアクリレートモノマーの反応により得られる。
光重合開始剤は、紫外線照射によって紫外線硬化性樹脂の反応(重合)を開始させるために樹脂組成物に添加されるものであり、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテルベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾインまたはベンゾインアルキルエーテル類、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸などの芳香族ケトン類、ベンジルなどのアルファージカルボニル類、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタールなどのベンジルケタール類、アセトフェノン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフ
ェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル-プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパノン−1などのアセトフェノン類、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノンなどのアントラキノン類、2,4−ジメチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、
2,4−ジイソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン類、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドなどのフォスフィンオキサイド類、
1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−[o−エトキシカルボニル]オキシムなどの
アルファーアシルオキシム類、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルなどのアミン類などを使用することができる。
光重合開始剤は、表面硬化性に優れるものと内部硬化性に優れるもの、2種以上を併用することが好ましい。
このシリコーン系表面調整剤としては、ポリジメチルシロキサンや、ポリジメチルシロキサンを変性した変性シリコーンなどが挙げられる。上前記変性シリコーンとしては、例えば、ポリエーテル変性体、アルキル変性体、ポリエステル変性体などが挙げられ、これらの中でもポリエーテル変性体が最も好適である。
、ロールコーター、グラビアコーター、フローコーター、スプレーコーター、カーテンフローコーター、ディップコーター、スリットダイコーターなどの種々の塗布手段を用いることにより、樹脂プレートに塗布し、その後硬化することでハードコート層を形成することができる。
溶剤成分を配合している紫外線硬化性樹脂組成物を用いる場合には、蒸発揮散に際しては樹脂プレートおよび雰囲気の温度を昇温させることでハードコート層を形成する。そして、紫外線照射には、一般の有電極型や無電極型の高圧紫外線灯やメタルハライドランプを使用することできる。
ここで硬化の度合いは、赤外線吸光分析により反応基の残存量を測定することで定量化することができる。紫外線照射には、一般の有電極型や無電極型の高圧水銀灯やメタルハライドランプが使用可能である。また、100keV程度の低電圧の電子線照射装置も使用可能である。電子線を硬化手段とする場合は、先に例示したような重合開始剤は不要となる。
メチルメタクリレートと共重合が可能な他の単量体としては、例えばエチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、オクチルメタクリレートなどの、炭素数2〜8のアルキル基を有するアルキルメタクリレート類、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアルキレート、ブチルアルキレート、オクチルアルキレートなどの炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキルアクリレート類、メタクリル酸、アクリル酸、メタクリルアミド、アクリルアミド、スチレン、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、およびこれらの混合物などが挙げられる。
上記樹脂プレートに用いられる樹脂に含有されるゴム成分としては、アクリル酸エステルを主体とする共重合ゴムや、ポリブタジエン、ポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(アクリロニトリル−ブタジエン)などのジエン系ゴムおよび上記ジエンゴムを水素添加した飽和ゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ポリアクリル酸ブチルなどのアクリル系ゴムおよびエチレン−プロピレ共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエンモノマー三元共重合体ゴム(EPDM)、エチレンーオクテン共重合体ゴムなどの架橋ゴムまたは
非架橋ゴム、並びに上記ゴム成分を含有する熱可塑性エラストマーなどを挙げることができる。
これらの中でもアクリル系のものが、得られる樹脂プレートの表面硬度、耐候性、耐衝撃性など諸物性のバランスの面で好ましい。アクリル系ゴム粒子としては、例えば、アクリル酸ブチルのようなアクリル酸アルキルを主成分とする弾性重合体からなる単層構造のものや、メタクリル酸メチルを主成分とする硬質重合体からなる内層の周りに、アクリル酸ブチルのようなアクリル酸アルキルを主成分とする弾性重合体からなる外層を設けた多層構成のものなど、公知のアクリル系ゴム粒子を使用することができる。弾性重合体には、一般に架橋性の多官能単量体が少量共重合されている。
厚みを上記範囲とすることで、特に上記用途の表示窓保護板に必要とされる性能(耐衝撃性、加工性など)を維持しつつ、小型化、薄型化が可能であるため、好適に使用することができる。
また、デジタルカメラやハンドヘルドパソコン、PDA(Personal Date
Assistance:携帯情報端末)、モバイルデジタルビデオディスクプレイヤー、携帯型ゲーム機の表示窓保護板やキーパッドなど、耐摩耗性と意匠性が要求される分野の各種部材としても使用できる。
[実施例1]
2官能ウレタンアクリレート(A)として、2官能ウレタンアクリレート(商品名:EB8402、ダイセルサイテック社製)20重量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名:A−DPH、新中村化学工業社製、6官能アクリレートオリゴマー)70重量部、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(商品名:A−BPE−4、新中村化学工業社製、2官能アクリルモノマー)10重量部、紫外線硬化性樹脂の濃度が全体に対して30重量%となるようプロピレングリコールモノメチルエーテルで希釈した。ここへ、脂肪酸エステルまたは脂肪酸エステル誘導体(B)として、ポリオキシエチレンヒマシ油(商品名:C−40日本エマルジョン社製)0.5重量部、重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを5重量部、表面調整剤(商品名:グラノール450、共栄社化学社製)を紫外線硬化性樹脂比で0.05重量部添加し紫外線硬化性樹脂組成物を調製した。紫外線硬化性樹脂組成物は充分に撹拌した後、密閉容器に保存した。
樹脂プレートとして、厚さ0.8mmの透明ポリカーボネート樹脂プレート(住友ベークライト社製「ポリカエースEC105」)を準備し、バーコーターを用いて、ウェット膜厚が約33μmになるように前記作製した紫外線硬化性組成物を樹脂プレート上に塗布した。紫外線硬化性組成物を塗布した樹脂プレートを60℃の熱風循環型オーブンに入れ、10分間乾燥した後、80W/cmメタルハライドランプ(ウシオ電機社製)を用い、照射距離100mm、コンベア搬送速度10m/minの条件で紫外線を照射して塗膜を硬化させ、ドライ膜厚10μmのハードコート層を有するポリカーボネート樹脂積層体を得た。
脂肪酸エステルまたは脂肪酸エステル誘導体(B)を5重量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂積層体を得た。
[ 実施例3]
脂肪酸エステルまたは脂肪酸エステル誘導体(B)を3重量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂積層体を得た。
[ 参考例4]
2官能ウレタンアクリレート(商品名:EB8402、ダイセルサイテック社製)5重量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名:A−DPH、新中村化学工業社製、6官能アクリレートオリゴマー)85重量部とした以外は、実施例3と同様にして樹脂積層体を得た。
2官能ウレタンアクリレート(商品名:EB8402、ダイセルサイテック社製)35重量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名:A−DPH、新中村化学工業社製、6官能アクリレートオリゴマー)55重量部とした以外は、実施例3と同様にして樹脂積層体を得た。
[実施例6]
樹脂プレートとしては、耐衝撃アクリル樹脂(商品名:スミペックスHT55X、住友化学社製)60重量部とアクリル樹脂(商品名:スミペックスEX、住友化学社製)40重量部をヘンシェルミキサーにて1分間混合し、押出機(直径65mm一軸押出機、東芝機械社製)にて溶融混練した後、Tダイを介してプレート状物として押出し、そのプレート状物をポリシングロールに両面が完全に接するようにして圧延、冷却し、厚さ0.8mmのアクリル樹脂プレートを得た。樹脂プレートをアクリル樹脂プレートとした以外は、実施例3と同様にして樹脂積層体を得た。
2官能ウレタンアクリレート(商品名:EB8402、ダイセルサイテック社製)20重量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名:A−DPH、新中村化学工業社製、6官能アクリレートオリゴマー)70重量部、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(商品名:A−BPE−4、新中村化学工業社製、2官能アクリレートモノマー)10重量部、紫外線硬化性樹脂の濃度が全体に対して30重量%となるようプロピレングリコールモノメチルエーテルで希釈した。ここへ、重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを5重量部、表面調整剤(商品名:グラノール450、共栄社化学社製)を紫外線硬化性樹脂比で0.05重量部添加し紫外線硬化性樹脂組成物を調製した。紫外線硬化性樹脂組成物は充分に撹拌した後、密閉容器に保存した。
樹脂プレートとして、厚さ0.8mmの透明ポリカーボネート樹脂プレート(住友ベークライト社製「ポリカエースEC105」)を準備し、バーコーターを用いて、ウェット膜厚が約33μmになるように前記作製した紫外線硬化性組成物を樹脂プレート上に塗布した。紫外線硬化性組成物を塗布した樹脂プレートを60℃の熱風循環型オーブンに入れ、10分間乾燥した後、80W/cmメタルハライドランプ(ウシオ電機社製)を用い、照射距離100mm、コンベア搬送速度10m/minの条件で紫外線を照射して塗膜を硬化させ、ドライ膜厚10μmのハードコート層を有するポリカーボネート樹脂積層体を得た。
2官能ウレタンアクリレート(商品名:EB8402、ダイセルサイテック社製)0重量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名:A−DPH、新中村化学工業社製、6官能アクリレートオリゴマー)90重量部とし、紫外線硬化性樹脂組成物に脂肪酸エステルまたは脂肪酸エステル誘導体(B)を3重量部添加した以外は、比較例1と同様にして樹脂積層体を得た。
[比較例3]
2官能ウレタンアクリレート(商品名:EB8402、ダイセルサイテック社製)40重量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名:A−DPH、新中村化学工業社製、6官能アクリレートオリゴマー)50重量部とし、紫外線硬化性樹脂組成物に脂肪酸エステルまたは脂肪酸エステル誘導体(B)を0.5重量部添加した以外は、比較例1と同様にして樹脂積層体を得た。
[評価項目]
(1)鉛筆硬度
ASTM D3363に準じて、各種硬度の鉛筆(商品名:ユニ三菱鉛筆社製)を用いて、評価を行い、鉛筆硬度を測定し評価した。
(2)耐摩耗性
作製した樹脂積層体を用いて、スチールウール#0000を直径10mmの保持具に取り付け、一定荷重(1kg)、一定速度(10cm/秒)にて10往復した後、樹脂積層体表面の傷を目視により観察し、耐摩耗性を評価した。
評価基準は、以下のとおりとした。
「A」:傷が付かない/実用上優れる。
「B」:数本の傷が付く/実用上充分に使用可能である。
「C」:全体に傷が付く/実用上問題あり。使用不可である。
皮脂成分としてトリオレインを人差し指に付着させ、その指を作製した樹脂積層体のハードコート層表面に一定荷重(1kg)で押し当てて再転写させた。トリオレインを転写
させたハードコート層表面を顕微鏡(キーエンス社製VK9700)より倍率200倍にて観察した。トリオレインの付着状態により以下の基準により評価した。
「A」:指紋状に付着したトリオレインが、面積で70%以上、直径100μm以下の液滴ではなく濡れ拡がっている状態。(指紋が非常に見えにくい)
「B」:指紋状に付着したトリオレインが、面積で50%以上、直径100μm以下の液滴ではなく濡れ拡がっている状態。(指紋が見えにくい)
「C」:指紋状に付着したトリオレインが、面積で51%以上、直径100μm以下の液滴の状態になっており、濡れ拡がっていない状態。(指紋が見えやすい)
(4)指紋の拭き取りやすさ《I》
上記の指紋の目立ちにくさの評価と同様にトリオレインをハードコート層表面に転写させた後、ワイパー(商品名:ハンディワイパー、クラレ社製)を直径30mmの保持具に取り付け、一定荷重(1kg)、一定速度(10cm/秒)にて50往復させ、その試験体の表面を暗室内で、20Wの3 波長型蛍光灯の直下10cmの距離で目視観察し、ト
リオレインの付着状態を確認した。また、ヘイズメーター(商品名:NDH2000、日本電飾工業社製)を用いて、JIS K 7105に準拠して、試験前と比較したヘイズの増加(ΔH)を測定した。評価基準は、以下のとおりとした。
「A」:皮脂膜がほぼ完全に拭き取られており、ΔHが0.05%未満
「B」:皮脂膜がほぼ拭き取られており、ΔHが0.05%以上0.2%未満
「C」:皮脂膜がほとんど拭き取られておらず、白く曇っており、ΔHが0.2%以上
上記の指紋の目立ちにくさの評価と同様にトリオレインをハードコート層表面に転写させた後、人差し指で一定荷重(1kg)、一定速度(10cm/秒)にて10往復させ、その試験体の表面を暗室内で、20Wの3波長型蛍光灯の直下10cmの距離で目視観察し、トリオレインの付着状態を確認した。また、ヘイズメーター(商品名:NDH2000、日本電飾工業社製)を用いて、JIS K 7105に準拠して、試験前と比較したヘイズの増加(ΔH)を測定した。評価基準は、以下のとおりとした。
「A」:皮脂膜がほぼ完全に拭き取られており、ΔHが0.3%未満
「B」:皮脂膜がほぼ拭き取られており、ΔHが0.3%以上1.0%未満
「C」:皮脂膜がほとんど拭き取られておらず、白く曇っており、ΔHが1.0%以上
Claims (6)
- 樹脂プレートと、該樹脂プレートの表裏両面または片面にコーティングされたハードコート層と、から構成される樹脂積層体であって、前記ハードコート層は、2官能ウレタンアクリレート(A)と脂肪酸エステルまたは脂肪酸エステル誘導体(B)を含む紫外線硬化性樹脂の硬化物よりなり、2官能ウレタンアクリレート(A)と脂肪酸エステルまたは脂肪酸エステル誘導体(B)の配合比[(A)/(B)]が、0.3以上70以下であり、前記2官能ウレタンアクリレート(A)が、ハードコート層の全成分100重量部に対して、18.2重量部以上32.4重量部以下である樹脂積層体。
- 前記脂肪酸エステルまたは脂肪酸エステル誘導体(B)が、ハードコート層の全成分100重量部に対して、0.1重量部以上15重量部以下である請求項1に記載の樹脂積層体。
- 前記樹脂プレートが、ポリカーボネート樹脂またはアクリル樹脂である請求項1または2に記載の樹脂積層体。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の樹脂積層体を携帯型情報端末の表示窓部分、キーパッド部分、または、表示窓部分およびキーパッド部分の両方に形成した携帯型情報端末。
- 請求項4に記載の携帯型情報端末が、携帯電話である携帯型情報端末。
- 請求項4に記載の携帯型情報端末が、携帯用のゲーム機である携帯型情報端末。
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