JP5630126B2 - 樹脂積層体および携帯型情報端末 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂積層体および携帯型情報端末に関するものである。
携帯電話、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、テレビ、パソコン、携帯用ゲーム機、GPS(全地球測位システム:GlobalPositioningSystem)、タッチパネルなどの液晶表示部、ゴーグル、CD(コンパクトディスク)やDVD(デジタルビデオディスク)などの表面を保護するために樹脂積層体が使用されており、通常、樹脂積層体の表面は傷付きや摩耗を防ぐ目的で、ハードコート処理が成されている。
上記部材の使用時は、最表面のハードコート層と皮膚とが接触するため、皮膚からの分泌成分である皮脂や汗などによって形成された皮脂膜の付着によって、ハードコート層の表面が汚れてしまうという問題があった。
従来、汚れの防止技術として、フッ素系化合物やシリコン系化合物をハードコート層に配合させることにより、撥水性、撥油性を高め、汚れを付着させ難くする手法が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。
しかしながら、汚れの付着を完全に防ぐということは非常に困難であり、特に皮膚膜の付着による汚れを防ぐことは難しく、汚れが付着した場合、汚れの接触角が高くなって反射光が散乱し、更に目立ってしまうという問題があった。
特許3344199号 特開2007−160764号公報
本発明の目的とするところは、耐摩耗性に優れた樹脂積層体を与えることが可能で、かつ使用時の手垢や指紋などの皮脂汚れを目立たせずに意匠性を維持し、また、使用時に付着した手垢や指紋などの皮脂汚れを容易に除去可能な樹脂積層体を提供することにある。
本発明によれば、耐擦傷性に優れた樹脂積層体を与えることが可能で、かつ使用時の手垢や指紋などの皮脂汚れを目立たせずに意匠性を維持し、また、使用時に付着した手垢や指紋などの皮脂汚れを容易に除去可能な、樹脂積層体を提供することができる。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
(1) 樹脂プレートと、該樹脂プレートの表裏両面または片面にコーティングされたハードコート層と、から構成される樹脂積層体であって、上記ハードコート層は、2官能ウ
レタンアクリレート(A)と脂肪酸エステルまたは脂肪酸エステル誘導体(B)を含む紫外線硬化性樹脂の硬化物よりなり、2官能ウレタンアクリレート(A)と脂肪酸エステルまたは脂肪酸エステル誘導体(B)の配合比[(A)/(B)]が、0.3以上70以下であり、前記2官能ウレタンアクリレート(A)が、ハードコート層の全成分100重量部に対して、20重量部以上35重量部以下である樹脂積層体。
) 上記脂肪酸エステルまたは脂肪酸エステル誘導体(B)が、ハードコート層の全成分100重量部に対して、0.1重量部以上15重量部以下である(1)に記載の樹脂積層体。
) 上記樹脂プレートが、ポリカーボネート樹脂またはアクリル樹脂である(1)または(2)に記載の樹脂積層体。
) (1)乃至()のいずれか1項に記載の樹脂積層体を携帯型情報端末の表示窓部分、キーパッド部分または、表示窓部分およびキーパッド部分の両方に形成した携帯型情報端末。
) ()に記載の携帯型情報端末が、携帯電話である携帯型情報端末。
) ()に記載の携帯型情報端末が、携帯用のゲーム機である携帯型情報端末。

本発明の樹脂積層体は、樹脂プレートと該樹脂プレートの表裏両面または片面にコーティングされたハードコート層と、から構成される樹脂積層体のことである。
上記ハードコート層は、2官能ウレタンアクリレート(A)と脂肪酸エステルまたは脂肪酸エステル誘導体(B)を含む紫外線硬化性樹脂の硬化物よりなり、2官能ウレタンアクリレート(A)と脂肪酸エステルまたは脂肪酸エステル誘導体(B)の配合比[(A)/(B)]が、0.3以上70以下である。
本発明で用いられる2官能ウレタンアクリレート(A)としては、以下のポリオールとジイソシアネートを反応させて得られるイソシアネート化合物と、水酸基を有するアクリレートモノマーの反応による化合物を用いることができるが、その組み合わせは限定されない。
ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートジオールが挙げられる。
ポリエステルポリオールの製造方法は特に限定されず、公知の製造方法により製造される。例えば、ジオールとジカルボン酸またはジカルボン酸クロライドとを重縮合反応させたり、ジオールまたはジカルボン酸をエステル化して、エステル交換反応させたりすることにより得られる。
ジカルボン酸としては、アジピン酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、マレイン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸などが用いられる。ジオールとしてはエチレングリコール、1、4−ブタンジオール、1、6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどが用いられる。
ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エチレンオキシド−プロピレンオキシドランダム共重合などが用いられる。
ポリカーボネートジオールとしては、1、4−ブタンジオール、1、6−へキサンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1、2−プロピレングリコール、1、3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、2−エチル−1、3−ヘキサンジオール、1、5−ペンタンジオール、3−メチル−1、5−ペンタンジオール、1、4−シクロヘキサンジオール、ポリオキシエチレングリコールなどが用いられ、1種でも2種以上を併用しても良い。
ジイソシアネートとしては、直鎖式あるいは環式の脂肪族ジイソシアネートまたは芳香族ジイソシアネートが用いられる。直鎖式または環式の脂肪族ジイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネートが挙げられる。芳香族ジイソシアネートとしてはトリレンジイソシアネート、キリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
水酸基を有するアクリレートモノマーとしては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、3−ヒドロキシブチルアクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレートが挙げられる。
本発明で用いられる2官能ウレタンアクリレート(A)の数平均分子量は、800以上5000以下の範囲であるのが好ましい。
上記2官能ウレタンアクリレート(A)の配合量は、紫外線硬化性樹脂100重量部に対して1重量部以上50重量部以下が好ましく、より好ましくは、3重量部以上38重量部以下である。この範囲とすることにより、表面硬度、耐摩耗性に優れる。
本発明で用いられる脂肪酸エステルまたは脂肪酸エステル誘導体(B)としては、以下のものが挙げられ、これらは、1種単独であっても2種以上であってもよい。
上記脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、リノール酸、アラキジン酸、リグノセリン酸などが挙げられる。
上記脂肪酸エステルとしては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル(モノグリセリド)、有機酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、エトキシ化グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、トリオレイン、レシチン、などが挙げられる。具体的には、酢酸モノグリセリド、乳酸モノグリセリド、クエン酸モノグリセリド、ジアセチル酒石酸モノグリセリド、コハク酸モノグリセリド、ヒマシ油(リシノール酸トリグリセリド)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、ジイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、ラウリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、イソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、テトラステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット、硬化ヒマシ油(水添リシノール酸トリグリセリド)、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンフィトステロール、ポリオキシエチレン水添ダイマージリノール酸エステル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシエチレンデシルテトラデシルエーテルなどである。
脂肪酸の誘導体および脂肪酸エステルの誘導体としては、脂肪酸の誘導体または脂肪酸エステルの誘導体における側鎖の一部または全部をメチル基から他の有機基に置き換えた構造のものである。
有機基としては、ポリエーテル基、ポリアルキル基、アラルキル基、ポリエステル基などが挙げられ、これらは、単独でもまたは2種類以上の組み合わせでもよい。
これらのうち脂肪酸、脂肪酸エステルまたはそれら誘導体(B)としては、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、ジイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、ラウリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、イソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、テトラステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンフィトステロール、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシエチレン水添ダイマージリノール酸エステル、などのように、脂肪酸、脂肪酸エステルおよびまたはそれら誘導体のうち、分子内に炭素数12以上の炭化水素(直鎖または環状)を1つ以上、かつ、繰り返し単位が合計で10以上となるポリエーテル鎖を同じ分子内に有する構造のものが好適であり、さらに、分子内に炭素数16から18の直鎖の炭化水素を2つ以上、かつ、繰り返し単位が合計で20から80のポリエーテル鎖を同じ分子内に2つ以上有する構造のものが、特に好適である。
脂肪酸エステルまたは脂肪酸エステル誘導体(B)の配合量は、前記ハードコート層の
全成分100重量部に対して重量比で、0.1重量部以上15重量部以下であることが好ましく、0.3重量部以上10重量部以下であり、上記範囲内とすることにより、特に手垢や指紋などの皮脂汚れを容易に除去可能とする防汚性が高まり、指紋の目立ちにくさ、指紋の拭き取りやすさに優れ、表面への析出などの外観不良が発生せず、ハードコート層の耐摩耗性の低下も見られない。
ここで、皮脂とは、皮脂腺から分泌される脂質と汗腺から分泌される汗が混合して皮膚の表面に形成される膜である。皮脂膜の成分は、例えば脂肪酸7.9〜39.0%、トリグリセリド9.5〜49.4%、ジグリセリド・モノグリセリド2.3〜4.3%、ワックスエステル22.6〜29.5%、コレステロールエステル1.5〜2.6%、コレステロール1.2〜2.3%、スクアレン10.1〜13.9%という比率で構成されているが、85%以上(スクアレンとコレステロール以外のものは全て)は脂肪酸、もしくは脂肪酸エステル誘導体で構成されている。トリグリセリドは、グリセリンと3つの脂肪酸がエステル結合したもので、ジグリセリドはグリセリンと2つの脂肪酸がエステル結合したもの、モノグリセリドはグリセリンと1つの脂肪酸が結合したものである。ワックスエステルは脂肪酸と高級アルコールがエステル結合したものである。また、コレステロールエステルは、コレステロールと脂肪酸がエステル結合したものである。
本発明では、ハードコート層を形成する紫外線硬化性樹脂の硬化物が、皮脂膜と親和性のある化合物として、脂肪酸エステルまたは脂肪酸エステル誘導体(B)を配合することによりハードコート層の表面に付着する手垢や指紋などの皮脂汚れを目立たなくさせ、かつ皮脂汚れを容易に除去する拭き取り性が得られる。さらには、2官能ウレタンアクリレート(A)を含むことにより、紫外線硬化性樹脂の硬化物と皮脂膜との親和性が向上し、ハードコート層の表面に付着する手垢や指紋などの皮脂汚れを目立たなくさせることや、皮脂汚れを容易に除去する拭き取り性の効果が高まる。
2官能ウレタンアクリレート(A)以外の紫外線硬化性樹脂としては、紫外線硬化性モノマーや紫外線硬化性オリゴマーなどが紫外線の光エネルギーに反応して液体から固体に化学的に変化する合成樹脂が挙げられる。
上記紫外線硬化性モノマーには、ハードコート層の架橋密度を上げて耐摩耗性を向上させる多官能モノマーとハードコート層の架橋密度調整や樹脂組成物の粘度調整が容易となると共にハードコート層と樹脂プレートとの密着性を向上させることができる低官能モノマーがある。
上記多官能モノマーとしては、例えばペンタエリスリトールトリアクリレート、ジトリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールトリアクリレート、グリセリントリアクリレート、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタアクリレートなどを用いることができる。
紫外線硬化性オリゴマーは、高硬度を達成するための5官能以上の多官能モノマーが、優れた硬度と基材追従密着性のバランスを達成する上で、より好ましい。
上記5官能以上の多官能モノマーまたはその2量体以上の化合物としては、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタアクリレート、トリペンタエリスリトールオクタアクリレートなどが挙げられる。
なお、本発明において、「5官能」とは、一分子中の紫外線により重合反応する官能基
、例えば、アクリル基、メタクリル基、ビニル基などの基の数が5である。
上記低官能モノマーとしては、例えば、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ぺンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールトリアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、エトキシ化水添ビスフェノールAジアクリレート、エトキシ化シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、3−ヒドロキシブチルアクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、アクリロイルモルフォリン、Nビニルピロリドン、Nビニルホルムアミド、イソボロニルアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、エトキシ化水添ビスフェノールAジアクリレート、エトキシ化シクロヘサンジメタノールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレートなどを挙げることができる。
これらの中でも、特に環状構造を有する2官能アクリレートを用いることが望ましい。こうすることで、特にハードコート層の硬度や耐摩耗性、耐熱性を高くすることができる。
上記紫外線硬化性オリゴマーとしては、例えば、ウレタンアクリレートオリゴマー、エポキシアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマーなどが挙げられる。
ウレタンアクリレートオリゴマーは、例えば、ポリオールとジイソシアネートを反応させて得られるイソシアネート化合物と、水酸基を有するアクリレートモノマーの反応により得られる。
エポキシアクリレートオリゴマーは、例えば、低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラックエポキシ樹脂のオキシラン環とアクリル酸とのエステル化反応により得られる。
ポリエステルアクリレートオリゴマーは、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーを得、次いで、その両末端の水酸基をアクリル酸でエステル化することにより得られる。
紫外線硬化性オリゴマーは、特にウレタンアクリレートオリゴマーが好ましく、更には高硬度を達成するための5官能以上の紫外線硬化性オリゴマーが、優れた硬度と基材追従密着性のバランスを達成する上で、より好ましい。
上記紫外線硬化性オリゴマーは、ハードコート層に必要な諸物性(耐擦傷性、耐摩耗性、耐衝撃性、加工性、柔軟性など)を満たすために使用されるものであり、例えば、ウレタンアクリレートが使用可能である。
上記ウレタンアクリレートは、例えば、ポリオールとジイソシアネートを反応させて得られるイソシアネート化合物と、水酸基を有するアクリレートモノマーの反応により得られる。
上記2官能ウレタンアクリレート(A)と脂肪酸エステルまたは脂肪酸エステル誘導体(B)の配合比[(A)/(B)]は、0.3以上70以下が好ましく、より好ましくは、0.8以上50以下である。この範囲とすることにより、指紋の目立ちにくさ、指紋の拭き取りやすさに優れる。
さらに、ハードコート層に用いられる紫外線硬化性樹脂組成物には、重合開始剤を配合する。
光重合開始剤は、紫外線照射によって紫外線硬化性樹脂の反応(重合)を開始させるために樹脂組成物に添加されるものであり、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテルベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾインまたはベンゾインアルキルエーテル類、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸などの芳香族ケトン類、ベンジルなどのアルファージカルボニル類、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタールなどのベンジルケタール類、アセトフェノン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフ
ェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル-プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパノン−1などのアセトフェノン類、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノンなどのアントラキノン類、2,4−ジメチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、
2,4−ジイソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン類、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドなどのフォスフィンオキサイド類、
1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−[o−エトキシカルボニル]オキシムなどの
アルファーアシルオキシム類、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルなどのアミン類などを使用することができる。
光重合開始剤は、表面硬化性に優れるものと内部硬化性に優れるもの、2種以上を併用することが好ましい。
上記ハードコート層には、表面調整剤、希釈溶剤、紫外線吸収剤、光安定剤など必要に応じて適宜配合することができる。
上記表面調整剤は、塗膜の基材に対する濡れ性や均一性、塗膜表面の平滑性や滑り性などを付与するものであり、シリコーン系やアクリル共重合物系のものが挙げられ、特にシリコーン系のものが好ましい。
このシリコーン系表面調整剤としては、ポリジメチルシロキサンや、ポリジメチルシロキサンを変性した変性シリコーンなどが挙げられる。上前記変性シリコーンとしては、例えば、ポリエーテル変性体、アルキル変性体、ポリエステル変性体などが挙げられ、これらの中でもポリエーテル変性体が最も好適である。
上記希釈溶剤は、紫外線硬化性樹脂組成物を透明樹脂基板に塗工しやすくするために必要に応じて紫外線硬化性樹脂組成物に添加されるものである。このような希釈溶剤としては例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、イソホロンなどのケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシプロピルなどのエステル、エチルセロソルブなどのセロソルブ系溶剤、メトキシプロパノール、エトキシプロパノール、メトキシブタノールなどのグリコール系溶剤を単独または混合して使用できる。
上記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系やヒドロキシフェニルトリアジン系の化合物などが挙げられる。その配合量は、紫外線硬化性樹脂組成物100重量部に対して10重量部以下が好ましく、さらに好ましくは2重量部以上、4重量部以下である。
上記光安定剤としては、ヒンダードアミン系化合物などが挙げられる。その配合量は、紫外線硬化性樹脂組成物100重量部に対して2重量部以下が好ましく、さらに好ましくは1重量部以下である。
本発明のハードコート層の形成については、上記の紫外線硬化性樹脂組成物を、例えば
、ロールコーター、グラビアコーター、フローコーター、スプレーコーター、カーテンフローコーター、ディップコーター、スリットダイコーターなどの種々の塗布手段を用いることにより、樹脂プレートに塗布し、その後硬化することでハードコート層を形成することができる。
溶剤成分を配合している紫外線硬化性樹脂組成物を用いる場合には、蒸発揮散に際しては樹脂プレートおよび雰囲気の温度を昇温させることでハードコート層を形成する。そして、紫外線照射には、一般の有電極型や無電極型の高圧紫外線灯やメタルハライドランプを使用することできる。
上記樹脂プレートに形成されるハードコート層の厚さは、2μm以上20μm以下の範囲になるのが好ましい。厚さが2μm未満では、十分な表面硬度が得られず、厚さが20μmを超える場合は、耐衝撃性が低下するからである。
溶剤により希釈した紫外線硬化性樹脂組成物は、樹脂プレートへ塗布された後、雰囲気温度を40℃以上に、望ましくは50℃以上に上げ、充分に希釈溶剤を蒸発させるとともに、加熱させた状態にて紫外線を照射し塗膜を硬化させる。
ここで硬化の度合いは、赤外線吸光分析により反応基の残存量を測定することで定量化することができる。紫外線照射には、一般の有電極型や無電極型の高圧水銀灯やメタルハライドランプが使用可能である。また、100keV程度の低電圧の電子線照射装置も使用可能である。電子線を硬化手段とする場合は、先に例示したような重合開始剤は不要となる。
本発明に用いる樹脂プレートとしては、アクリル樹脂またはポリカーボネート樹脂であることが好ましい。これは携帯型情報端末の表示窓保護板として用いられるためには、透明性の高い透明樹脂基板が必要となる。
上記樹脂プレートに用いられるアクリル樹脂は、例えばポリメチルメタクリレートやメチルメタクリレートを主成分とする共重合体などの種々のアクリル樹脂が挙げられる。
メチルメタクリレートと共重合が可能な他の単量体としては、例えばエチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、オクチルメタクリレートなどの、炭素数2〜8のアルキル基を有するアルキルメタクリレート類、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアルキレート、ブチルアルキレート、オクチルアルキレートなどの炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキルアクリレート類、メタクリル酸、アクリル酸、メタクリルアミド、アクリルアミド、スチレン、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、およびこれらの混合物などが挙げられる。
上記樹脂プレートに用いられるポリカーボネート樹脂は、例えば2価フェノールとホスゲンの反応によるホスゲン法や2価フェノールと炭酸ジエステルとの反応による溶融重合法によって製造される。2価フェノールとしてはビスフェノール類、特に2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを使用するのが好ましい。また炭酸ジエステルとしてはジフェニルカーボネートを使用するのが好ましい。
上記樹脂プレートに用いられる樹脂には、ゴム成分含有樹脂を適宜用いることができる。
上記樹脂プレートに用いられる樹脂に含有されるゴム成分としては、アクリル酸エステルを主体とする共重合ゴムや、ポリブタジエン、ポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(アクリロニトリル−ブタジエン)などのジエン系ゴムおよび上記ジエンゴムを水素添加した飽和ゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ポリアクリル酸ブチルなどのアクリル系ゴムおよびエチレン−プロピレ共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエンモノマー三元共重合体ゴム(EPDM)、エチレンーオクテン共重合体ゴムなどの架橋ゴムまたは
非架橋ゴム、並びに上記ゴム成分を含有する熱可塑性エラストマーなどを挙げることができる。
これらの中でもアクリル系のものが、得られる樹脂プレートの表面硬度、耐候性、耐衝撃性など諸物性のバランスの面で好ましい。アクリル系ゴム粒子としては、例えば、アクリル酸ブチルのようなアクリル酸アルキルを主成分とする弾性重合体からなる単層構造のものや、メタクリル酸メチルを主成分とする硬質重合体からなる内層の周りに、アクリル酸ブチルのようなアクリル酸アルキルを主成分とする弾性重合体からなる外層を設けた多層構成のものなど、公知のアクリル系ゴム粒子を使用することができる。弾性重合体には、一般に架橋性の多官能単量体が少量共重合されている。
また、弾性重合体の周りにメタクリル酸メチルを主成分とする硬質重合体からなる最外層を設けた構造のものも、有利に使用することができる。例えば、アクリル酸ブチルのようなアクリル酸アルキルを主成分とする弾性共重合体からなる内層の周りに、メタクリル酸メチルを主成分とする硬質重合体からなる外層を設けた二層構造のものや、メタクリル酸メチルを主成分とする硬質重合体からなる内層の周りに、アクリル酸ブチルのようなアクリル酸アルキルを主成分とする弾性重合体からなる中間層を設け、さらにその周りに、メタクリル酸メチルを主成分とする硬質重合体からなる最外層を設けた三層構造のものなどが挙げられる。
ゴム粒子の平均粒子径は、その種類によって適宜選択することができるが、なかでも、その平均粒子径が0.1μm以上、0.4μm以下の範囲にあるものが、特に好ましく使用される。ゴム粒子の平均粒子径がこの範囲にあると、耐衝撃性が高く、表面硬度に優れ、表面平滑な樹脂プレートを得ることができる。ゴム粒子の平均粒子径が0.1μmより小さいと、表面硬度が低下するほか、樹脂プレートが脆くなりやすい。一方、その平均粒子径が0.4μmより大きいと、樹脂プレートの表面平滑性を損なう傾向にある。このようなゴム粒子は、一般的には乳化重合により製造することができる。ゴム粒子の平均粒子径は、乳化重合における乳化剤の添加量や単量体の仕込み量などを調節することによって得ることができる。
樹脂プレートの厚さは、0.1mm以上、3.0mm以下であることが好ましい。さらに好ましくは0.3mm以上、1.5mm以下である。
厚みを上記範囲とすることで、特に上記用途の表示窓保護板に必要とされる性能(耐衝撃性、加工性など)を維持しつつ、小型化、薄型化が可能であるため、好適に使用することができる。
このようにして得られる樹脂積層体は、樹脂プレートと該樹脂プレートの表裏両面または片面にコーティングされたハードコート層と、から構成されており、耐摩耗性を有し、使用時の手垢や指紋などの皮脂汚れを目立たせずに意匠性を維持することができるため、携帯電話に代表される携帯型情報端末の表示窓保護板やキーパッドとして用いることにより、その表示窓やキーを効果的に保護することができる。
また、デジタルカメラやハンドヘルドパソコン、PDA(Personal Date
Assistance:携帯情報端末)、モバイルデジタルビデオディスクプレイヤー、携帯型ゲーム機の表示窓保護板やキーパッドなど、耐摩耗性と意匠性が要求される分野の各種部材としても使用できる。
本発明の樹脂積層体を用いて携帯型情報端末の表示窓保護板やキーパッドを作製するには、まず必要に応じて、樹脂積層体に印刷、穴あけなどの加工を行い、必要な大きさに切断処理すればよい。その後で、携帯型情報端末に貼り付けることにより、耐摩耗性と意匠性の両方に優れた表示窓およびキーパッドとすることができる。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
2官能ウレタンアクリレート(A)として、2官能ウレタンアクリレート(商品名:EB8402、ダイセルサイテック社製)20重量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名:A−DPH、新中村化学工業社製、6官能アクリレートオリゴマー)70重量部、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(商品名:A−BPE−4、新中村化学工業社製、2官能アクリルモノマー)10重量部、紫外線硬化性樹脂の濃度が全体に対して30重量%となるようプロピレングリコールモノメチルエーテルで希釈した。ここへ、脂肪酸エステルまたは脂肪酸エステル誘導体(B)として、ポリオキシエチレンヒマシ油(商品名:C−40日本エマルジョン社製)0.5重量部、重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを5重量部、表面調整剤(商品名:グラノール450、共栄社化学社製)を紫外線硬化性樹脂比で0.05重量部添加し紫外線硬化性樹脂組成物を調製した。紫外線硬化性樹脂組成物は充分に撹拌した後、密閉容器に保存した。
樹脂プレートとして、厚さ0.8mmの透明ポリカーボネート樹脂プレート(住友ベークライト社製「ポリカエースEC105」)を準備し、バーコーターを用いて、ウェット膜厚が約33μmになるように前記作製した紫外線硬化性組成物を樹脂プレート上に塗布した。紫外線硬化性組成物を塗布した樹脂プレートを60℃の熱風循環型オーブンに入れ、10分間乾燥した後、80W/cmメタルハライドランプ(ウシオ電機社製)を用い、照射距離100mm、コンベア搬送速度10m/minの条件で紫外線を照射して塗膜を硬化させ、ドライ膜厚10μmのハードコート層を有するポリカーボネート樹脂積層体を得た。
[ 実施例2]
脂肪酸エステルまたは脂肪酸エステル誘導体(B)を5重量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂積層体を得た。
[ 実施例3]
脂肪酸エステルまたは脂肪酸エステル誘導体(B)を3重量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂積層体を得た。
参考例4]
2官能ウレタンアクリレート(商品名:EB8402、ダイセルサイテック社製)5重量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名:A−DPH、新中村化学工業社製、6官能アクリレートオリゴマー)85重量部とした以外は、実施例3と同様にして樹脂積層体を得た。

[実施例5]
2官能ウレタンアクリレート(商品名:EB8402、ダイセルサイテック社製)35重量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名:A−DPH、新中村化学工業社製、6官能アクリレートオリゴマー)55重量部とした以外は、実施例3と同様にして樹脂積層体を得た。
[実施例6]
樹脂プレートとしては、耐衝撃アクリル樹脂(商品名:スミペックスHT55X、住友化学社製)60重量部とアクリル樹脂(商品名:スミペックスEX、住友化学社製)40重量部をヘンシェルミキサーにて1分間混合し、押出機(直径65mm一軸押出機、東芝機械社製)にて溶融混練した後、Tダイを介してプレート状物として押出し、そのプレート状物をポリシングロールに両面が完全に接するようにして圧延、冷却し、厚さ0.8mmのアクリル樹脂プレートを得た。樹脂プレートをアクリル樹脂プレートとした以外は、実施例3と同様にして樹脂積層体を得た。
[比較例1]
2官能ウレタンアクリレート(商品名:EB8402、ダイセルサイテック社製)20重量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名:A−DPH、新中村化学工業社製、6官能アクリレートオリゴマー)70重量部、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(商品名:A−BPE−4、新中村化学工業社製、2官能アクリレートモノマー)10重量部、紫外線硬化性樹脂の濃度が全体に対して30重量%となるようプロピレングリコールモノメチルエーテルで希釈した。ここへ、重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを5重量部、表面調整剤(商品名:グラノール450、共栄社化学社製)を紫外線硬化性樹脂比で0.05重量部添加し紫外線硬化性樹脂組成物を調製した。紫外線硬化性樹脂組成物は充分に撹拌した後、密閉容器に保存した。
樹脂プレートとして、厚さ0.8mmの透明ポリカーボネート樹脂プレート(住友ベークライト社製「ポリカエースEC105」)を準備し、バーコーターを用いて、ウェット膜厚が約33μmになるように前記作製した紫外線硬化性組成物を樹脂プレート上に塗布した。紫外線硬化性組成物を塗布した樹脂プレートを60℃の熱風循環型オーブンに入れ、10分間乾燥した後、80W/cmメタルハライドランプ(ウシオ電機社製)を用い、照射距離100mm、コンベア搬送速度10m/minの条件で紫外線を照射して塗膜を硬化させ、ドライ膜厚10μmのハードコート層を有するポリカーボネート樹脂積層体を得た。
[比較例2]
2官能ウレタンアクリレート(商品名:EB8402、ダイセルサイテック社製)0重量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名:A−DPH、新中村化学工業社製、6官能アクリレートオリゴマー)90重量部とし、紫外線硬化性樹脂組成物に脂肪酸エステルまたは脂肪酸エステル誘導体(B)を3重量部添加した以外は、比較例1と同様にして樹脂積層体を得た。
[比較例3]
2官能ウレタンアクリレート(商品名:EB8402、ダイセルサイテック社製)40重量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名:A−DPH、新中村化学工業社製、6官能アクリレートオリゴマー)50重量部とし、紫外線硬化性樹脂組成物に脂肪酸エステルまたは脂肪酸エステル誘導体(B)を0.5重量部添加した以外は、比較例1と同様にして樹脂積層体を得た。
上記作製した樹脂積層体について、以下の方法により評価し、結果を表1に示した。
[評価項目]
(1)鉛筆硬度
ASTM D3363に準じて、各種硬度の鉛筆(商品名:ユニ三菱鉛筆社製)を用いて、評価を行い、鉛筆硬度を測定し評価した。
(2)耐摩耗性
作製した樹脂積層体を用いて、スチールウール#0000を直径10mmの保持具に取り付け、一定荷重(1kg)、一定速度(10cm/秒)にて10往復した後、樹脂積層体表面の傷を目視により観察し、耐摩耗性を評価した。
評価基準は、以下のとおりとした。
「A」:傷が付かない/実用上優れる。
「B」:数本の傷が付く/実用上充分に使用可能である。
「C」:全体に傷が付く/実用上問題あり。使用不可である。
(3)指紋の目立ちにくさ
皮脂成分としてトリオレインを人差し指に付着させ、その指を作製した樹脂積層体のハードコート層表面に一定荷重(1kg)で押し当てて再転写させた。トリオレインを転写
させたハードコート層表面を顕微鏡(キーエンス社製VK9700)より倍率200倍にて観察した。トリオレインの付着状態により以下の基準により評価した。
「A」:指紋状に付着したトリオレインが、面積で70%以上、直径100μm以下の液滴ではなく濡れ拡がっている状態。(指紋が非常に見えにくい)
「B」:指紋状に付着したトリオレインが、面積で50%以上、直径100μm以下の液滴ではなく濡れ拡がっている状態。(指紋が見えにくい)
「C」:指紋状に付着したトリオレインが、面積で51%以上、直径100μm以下の液滴の状態になっており、濡れ拡がっていない状態。(指紋が見えやすい)
(4)指紋の拭き取りやすさ《I》
上記の指紋の目立ちにくさの評価と同様にトリオレインをハードコート層表面に転写させた後、ワイパー(商品名:ハンディワイパー、クラレ社製)を直径30mmの保持具に取り付け、一定荷重(1kg)、一定速度(10cm/秒)にて50往復させ、その試験体の表面を暗室内で、20Wの3 波長型蛍光灯の直下10cmの距離で目視観察し、ト
リオレインの付着状態を確認した。また、ヘイズメーター(商品名:NDH2000、日本電飾工業社製)を用いて、JIS K 7105に準拠して、試験前と比較したヘイズの増加(ΔH)を測定した。評価基準は、以下のとおりとした。
「A」:皮脂膜がほぼ完全に拭き取られており、ΔHが0.05%未満
「B」:皮脂膜がほぼ拭き取られており、ΔHが0.05%以上0.2%未満
「C」:皮脂膜がほとんど拭き取られておらず、白く曇っており、ΔHが0.2%以上
(5)指紋の拭き取りやすさ《II》
上記の指紋の目立ちにくさの評価と同様にトリオレインをハードコート層表面に転写させた後、人差し指で一定荷重(1kg)、一定速度(10cm/秒)にて10往復させ、その試験体の表面を暗室内で、20Wの3波長型蛍光灯の直下10cmの距離で目視観察し、トリオレインの付着状態を確認した。また、ヘイズメーター(商品名:NDH2000、日本電飾工業社製)を用いて、JIS K 7105に準拠して、試験前と比較したヘイズの増加(ΔH)を測定した。評価基準は、以下のとおりとした。
「A」:皮脂膜がほぼ完全に拭き取られており、ΔHが0.3%未満
「B」:皮脂膜がほぼ拭き取られており、ΔHが0.3%以上1.0%未満
「C」:皮脂膜がほとんど拭き取られておらず、白く曇っており、ΔHが1.0%以上
Figure 0005630126

Claims (6)

  1. 樹脂プレートと、該樹脂プレートの表裏両面または片面にコーティングされたハードコート層と、から構成される樹脂積層体であって、前記ハードコート層は、2官能ウレタンアクリレート(A)と脂肪酸エステルまたは脂肪酸エステル誘導体(B)を含む紫外線硬化性樹脂の硬化物よりなり、2官能ウレタンアクリレート(A)と脂肪酸エステルまたは脂肪酸エステル誘導体(B)の配合比[(A)/(B)]が、0.3以上70以下であり、前記2官能ウレタンアクリレート(A)が、ハードコート層の全成分100重量部に対して、18.2重量部以上32.4重量部以下である樹脂積層体。
  2. 前記脂肪酸エステルまたは脂肪酸エステル誘導体(B)が、ハードコート層の全成分100重量部に対して、0.1重量部以上15重量部以下である請求項1に記載の樹脂積層体。
  3. 前記樹脂プレートが、ポリカーボネート樹脂またはアクリル樹脂である請求項1または2に記載の樹脂積層体。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の樹脂積層体を携帯型情報端末の表示窓部分、キーパッド部分、または、表示窓部分およびキーパッド部分の両方に形成した携帯型情報端末。
  5. 請求項4に記載の携帯型情報端末が、携帯電話である携帯型情報端末。
  6. 請求項4に記載の携帯型情報端末が、携帯用のゲーム機である携帯型情報端末。


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