JP4840074B2 - 表示体カバー用樹脂積層体 - Google Patents

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Description

本発明は、携帯電話など産業用電子機器の表示体保護カバーとして好適なハードコート層を有する表示体カバー用樹脂積層体に関し、詳しくは、優れた鉛筆硬度、耐衝撃性、および打ち抜き加工性を有する表示体カバー用樹脂積層体に関する。
携帯電話など表示体を有する産業用電子機器では、デザインの多様化、薄型化、大面積化の進展に伴い、その表示体カバーにも薄型化の要求が高まっており、現在、ハードコートを施したアクリル樹脂シートやポリカーボネート樹脂シートが一般的に使用されている。ハードコートを施したアクリル樹脂シートの場合、優れた鉛筆硬度を有するものの、打ち抜き加工する際、衝撃によりクラックが入りやすく、とくに高速かつ連続といった経済効率を考慮した打抜き加工ではなおさらであり、そのため実用的な最小厚さは0.8mm程度に制限されていた。これに対し、ハードコートを施したポリカーボネート樹脂シートの場合、耐衝撃性が高く簡単には割れず、また打ち抜き加工も容易であるため、実用的な最小厚さは0.4mm程度となるが、鉛筆硬度が低く、傷がつきやすいという欠点があった。
これらの問題を解決するため、樹脂成分中にゴム粒子を分散させたアクリル樹脂層を含むアクリル樹脂系シートにハードコート処理を施したものが提案(特許文献1)されている。しかし、このようなシートであっても、実際には基材厚0.8mm未満で耐衝撃性が低下してしまい、薄型化への対応上には実用上の問題があった。また打ち抜き加工性についても考慮されたものではなかった。
他方、ポリカーボネート樹脂層の片側にアクリル樹脂層を積層し、そのアクリル樹脂層面にハードコート処理をして得られる積層体(特許文献2)が提案されている。この積層体は一定の耐衝撃性と鉛筆硬度、および打ち抜き性を有したものであるが、表面のアクリル樹脂層と基材であるポリカーボネート樹脂層が相互に積層されていることから表裏非対称の樹脂層構成となり、次工程での表示体カバーとしての印刷加工や金属蒸着加工がなされた際に、温度や湿度など環境変化を受け、反りや塗膜剥離による外観不良などが発生しやすく、実用上の問題があった。
以上のような現状から、携帯電話など産業用電子機器の表示体カバーに用いられるものとして、厚さ0.8mm未満で、優れた鉛筆硬度、耐衝撃性および打ち抜き加工性を有し、加工時に反りや外観不良などの問題が改善された表示体カバー用樹脂材料が求められている。
特開2004−143365 特開2006−103169
本発明は、前記の問題に鑑みてなされたものであって、厚さ0.8mm未満であっても、優れた鉛筆硬度、耐衝撃性および打ち抜き加工性を有し、また印刷や蒸着加工時にも反りや外観不良など発生の少ない表示体カバー用樹脂材料を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために鋭意研究をした結果、発明者は、耐衝撃アクリル樹脂シートを基材として用い、そのシート面に特定のウレタンアクリレートを含む紫外線硬化型樹脂からなる塗膜層を特定厚さで積層することにより上記問題が解決されることを見出した。
すなわち、請求項1に係る発明は、厚さ0.35mm〜0.75mmの耐衝撃アクリル樹脂シートの少なくとも片面に、少なくとも2官能ウレタンアクリレートを3重量%以上含有する紫外線硬化型樹脂からなる塗膜層を2〜12μmの厚さにて積層した表示体カバー用樹脂積層体を要旨とする。
また、請求項2に係る発明は、前記耐衝撃アクリル樹脂シートが溶融押出法によって製造されたものである請求項1に記載の表示体カバー用樹脂積層体を要旨とする。
また、請求項3に係る発明は、前記耐衝撃アクリル樹脂シートが、ガラス転移温度90℃以上である請求項1または請求項2のいずれかに記載の表示体カバー用樹脂積層体を要旨とする。
また、請求項4に係る発明は、前記紫外線硬化型樹脂が、少なくとも1種類の2官能ウレタンアクリレートを3〜50重量%、少なくとも1種類の4〜6官能アクリレートを20〜50重量%、および少なくとも1種類の1〜2官能アクリレートモノマーを3〜30重量%含有する請求項1〜3のいずれかに記載の表示体カバー用樹脂積層体を要旨とする。
また、請求項5に係る発明は、前記2官能ウレタンアクリレートが、ガラス転移温度10℃以下である請求項1〜4のいずれかに記載の表示体カバー用樹脂積層体を要旨としている。
また、請求項6に係る発明は、前記塗膜層が、表示体側となる耐衝撃アクリル樹脂シート面に2〜5μmの厚さで、表示体の反対側となる耐衝撃アクリル樹脂シート面に5〜12μmの厚さで各々積層された請求項1〜5のいずれかに記載の表示体カバー用樹脂積層体を要旨としている。
上記の通り、本発明の表示体カバー用樹脂積層体は、厚さ0.35mm〜0.75mmの耐衝撃アクリル樹脂シートの少なくとも片面に、少なくとも2官能ウレタンアクリレートを3重量%以上含有する紫外線硬化型樹脂からなる塗膜層を2〜12μmの厚さにて積層することにより、シート厚さが0.8mm未満であっても、優れた鉛筆硬度、耐衝撃性および打ち抜き加工性を有し、また印刷や蒸着加工時にも反りや外観不良などの問題が発生しにくいという効果を奏する。これは、携帯機器など産業用電子機器の表示体を保護するカバー材として好適に用いられるものである。
また、前記耐衝撃アクリル樹脂シートを溶融押出法によって製造されたものとすることにより、得られた表示体カバー用樹脂積層体は表面の平滑性がよく、経済性に優れたものとなる。
また、前記耐衝撃アクリル樹脂シートがガラス転移温度90℃以上であるものとすることにより、紫外線線硬化型樹脂からなる塗膜層を乾燥硬化する際に、高温で加熱処理することができるため、より生産効率がよく、得られた表示体カバー用樹脂積層体はさらに経済性に優れたものとなる。
また、前記紫外線硬化型樹脂が、少なくとも1種類の2官能ウレタンアクリレートを3〜50重量%、少なくとも1種類の4〜6官能アクリレートを20〜50重量%、および少なくとも1種類の1〜2官能アクリレートモノマーを3〜30重量%含有することにより、とくに鉛筆硬度、耐衝撃性および打ち抜き加工性などのバランスがよいものとなる。
また、前記2官能ウレタンアクリレートが、ガラス転移温度10℃以下であるものとすることにより、温度などの環境変化に左右されることなく、耐衝撃性を安定的に確保することができるものとなる。
また、前記塗膜層が、表示体側となる耐衝撃アクリル樹脂シート面に2〜5μmの厚さで、表示体の反対側となる耐衝撃アクリル樹脂シート面に5〜12μmの厚さで各々積層されたものとすることにより、優れた鉛筆硬度と、耐衝撃性および打ち抜き加工性などのバランスを得ることができるとともに、温度や湿度などの環境変化による反りの発生を確実に防止することができる。
本発明を説明するために、まず本発明にかかる紫外線硬化型樹脂を組成する各成分について述べる。
<2官能ウレタンアクリレート>
本発明で用いられる2官能ウレタンアクリレートは、ポリオールとジイソシアネートとを反応させて得られるイソシアネート化合物と、水酸基を有するアクリレートモノマーとの反応生成物である。
ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートジオールがあげられる。ポリエステルポリオールの製造方法はとくに限定されず、公知の製造方法を採用し得る。例えば、ジオールとジカルボン酸もしくはジカルボン酸クロライドとを重縮合反応させても、ジオールまたはジカルボン酸をエステル化して、エステル交換反応させてもよい。ジカルボン酸としては、アジピン酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、マレイン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸等。ジオールとしてはエチレングリコール、1、4−ブタンジオール、1、6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等が用いられる。ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エチレンオキシド−プロピレンオキシドランダム共重合等がある。ポリカーボネートジオールとしては、1、4−ブタンジオール、1、6−へキサンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1、2−プロピレングリコール、1、3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、2−エチル−1、3−ヘキサンジオール、1、5−ペンタンジオール、3−メチル−1、5−ペンタンジオール、1、4−シクロヘキサンジオール、ポリオキシエチレングリコール等が用いられ、1種でも2種以上を併用しても良い。
ジイソシアネートとしては、直鎖式あるいは環式の脂肪族ジイソシアネートまたは芳香族ジイソシアネートが用いられる。直鎖式あるいは環式の脂肪族ジイソシアネートの代表的なものとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネートがあげられる。芳香族ジイソシアネートとしてはトリレンジイソシアネート、キリレンジイソシアネートなどがあげられる。
水酸基を有するアクリレートモノマーの例として、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、3−ヒドロキシブチルアクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレートがあげられる。
<4〜6官能アクリレート>
本発明で用いられる4〜6官能アクリレートとしては、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレートなどが使用可能である。
エポキシアクリレートとしては、例えば、低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラックエポキシ樹脂のオキシラン環とアクリル酸とのエステル化反応により得ることができる。また、ポリエステルアクリレートとしては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる、両末端に水酸基を有するポリエステルの水酸基をアクリル酸でエステル化することにより得られる。または、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基をアクリル酸でエステル化することにより得られる。
なかでも、ウレタンアクリレートであるのが最も好ましい。これは、ハードコートとして必要な硬度とともに、より優れた耐摩耗性や耐擦傷性を得ることができるからである。また、硬度や耐摩耗性といったハードコート塗膜層として性能を実現しながら、硬化収縮が他の多官能アクリレートと比較的して少ないからである。
ウレタンアクリレートは、ポリオールとジイソシアネートとを反応させて得られるイソシアネート化合物と、水酸基を有するアクリレートモノマーとの反応生成物であり、ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートジオールがあげられる。
上記ポリエステルポリオールの製造方法はとくに限定されず、公知の製造方法を採用し得る。例えば、ジオールとジカルボン酸もしくはジカルボン酸クロライドとを重縮合反応させても、ジオールまたはジカルボン酸をエステル化して、エステル交換反応させてもよい。ジカルボン酸としては、アジピン酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、マレイン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸等。ジオールとしてはエチレングリコール、1、4−ブタンジオール、1、6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール等が用いられる。
ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エチレンオキシド−プロピレンオキシドランダム共重合で、数平均分子量が600未満のものが望ましい。600以上では、硬化物の柔軟すぎてハードコート性能が得られない可能性があるからである。
ポリカーボネートジオールとしては、1、4−ブタンジオール、1、6−へキサンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1、2−プロピレングリコール、1、3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、2−エチル−1、3−ヘキサンジオール、1、5−ペンタンジオール、3−メチル−1、5−ペンタンジオール、1、4−シクロヘキサンジオール、ポリオキシエチレングリコール等が用いられ、1種でも2種以上を併用しても良い。
ジイソシアネートとしては、直鎖式あるいは環式の脂肪族ジイソシアネートが用いられる。芳香族ジイソシアネートももちろん使用可能であり、より容易に硬さや耐擦傷性といった優れたハードコート性を得ることができる半面、ハードコートの骨格を形成する主成分で多官能オリゴマーにこれら芳香族系の成分を用いた場合、耐光性が低下し、光への暴露により黄変しやすいため、実用面において透明ハードコートとしての機能を損なうからである。直鎖式あるいは環式の脂肪族ジイソシアネートの代表的なものとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネートがあげられる。
水酸基を有するアクリレートモノマーの例として、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、3−ヒドロキシブチルアクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレートがあげられる。
その他、本発明に使用できる4〜6官能アクリレートとしては、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、などをあげることができる。
<1〜2官能アクリレートモノマー>
本発明で用いられる1〜2官能アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、3−ヒドロキシブチルアクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、アクリロイルモルフォリン、Nビニルピロリドン、Nビニルホルムアミド、イソボロニルアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、エトキシ化水添ビスフェノールAジアクリレート、エトキシ化シクロヘサンジメタノールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレートをあげることができる。
上記に述べた各成分の1つないしは全部を用いて、本発明にかかる紫外線硬化型樹脂は構成されるが、本発明では、そのうち2官能ウレタンアクリレートを紫外線硬化型樹脂に対して3重量%以上含有して構成される必要がある。こうすることで、この紫外線硬化型樹脂からなる塗膜層は、表面硬度を保ったまま適度な柔軟性を与えられるものとなり、得られた表示体カバー用樹脂積層体は、鉛筆硬度と耐衝撃性の両立を可能とするものとなる。一方、2官能ウレタンアクリレートの含有率が紫外線硬化型樹脂組成物の3重量%未満の場合はその効果が得られない。
さらに、本発明においては、紫外線硬化型樹脂は、少なくとも1種類の2官能ウレタンアクリレートを3〜50重量%、少なくとも1種類の6官能アクリレートを70重量%以上77重量%以下、および少なくとも1種類の1〜2官能アクリレートモノマーを3〜30重量%含有して構成されることが好ましい。このような組成配分とすることで、鉛筆硬
度、耐衝撃性および打ち抜き加工性などのバランスが良く、携帯電話など産業用電子機器の表示体保護カバーとして一層好ましいものとなる。このとき、2官能のウレタンアクリレートが3重量%未満では、含有量が少なすぎるため、耐衝撃性および打ち抜き加工性を向上させる効果が得られず、また50重量%を超える比率では鉛筆硬度が低下しすぎるものとなる。また、6官能アクリレートの含有量が20重量%未満であると所望する鉛筆硬度が得られず、77重量%を超過すると今度は耐衝撃性および打ち抜き加工性などが低下する。1〜2官能アクリレートモノマーの含有量が3重量%未満では、塗膜層と基材との密着性が得にくくなり、30重量%を超過すると、塗膜外観の悪化や、鉛筆硬度の低下がみら
れる。

さらにまた、本発明で用いられる2官能ウレタンアクリレートのガラス転移温度は10℃以下であるものが好ましい。こうすることにより、得られた積層体は温度などの環境変化に左右されにくく、耐衝撃性をより安定的に確保することができる。それに反して、ガラス転移温度が10℃以上の場合は、耐衝撃性を安定して十分に確保することができない。
なお、2官能ウレタンアクリレートのガラス転移温度は、使用するポリオールの種類、分子量およびその組み合わせにより主たる調整が可能であり、また、組み合わせるジイソシアネートの種類、水酸基を有するアクリレートモノマーの種類によっても補助的な調整が可能である。
本発明における、紫外線硬化型樹脂を構成する成分としては、上記本発明における成分の他に、3官能もしくは6官能を超える多官能アクリレート、または反応性を有しないオリゴマーやポリマーを含んでも良いが必須ではない。
本発明における紫外線硬化型樹脂は、耐衝撃アクリル樹脂シートの少なくとも片面に塗布され、紫外線照射により硬化されて、ハードコート塗膜層として形成される。その際には、その組成物中には光重合開始剤、有機溶剤の希釈液などが添加される。
光重合開始剤は、光重合性化合物が紫外線によって硬化する際の重合開始剤としての機能を有しており、公知のものを単独でもしくは組み合わせで使用することができ、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン又はベンゾインアルキルエーテル類、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸等の芳香族ケトン類、ベンジル等のアルファ−ジカルボニル類、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール等のベンジルケタール類、アセトフェノン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパノン−1等のアセトフェノン類、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン等のアントラキノン類、2、4−ジメチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2、4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類、ビス(2、4、6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のフォスヒンオキサイド類、1−フェニル−1、2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム等のアルファ−アシルオキシム類、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル等のアミン類等を使用することができる。
また、優れた塗膜外観を得るために、フッ素系や変性シリコーン系などの表面調整剤が塗料中に添加されることが好ましい。フッ素系や変性シリコーン系の表面調整剤としてはポリエーテル系、アルキル系、ポリエステル系のものが使用可能だが、とくにポリエーテル系が好ましい。またアクリル系共重合物も表面調整剤として用いることができる。これらの表面調整剤は組み合わせて使用することも可能である。
また、帯電防止性能の付与、塗膜の硬化収縮による内部応力の緩和、表面への特定凹凸形状の付与、紫外線や赤外線などの特定の波長の吸収や反射、意匠性の付与などの目的で、本発明の紫外線硬化樹脂に対し、必要に応じ、無機およびまたは有機フィラーを混入することができる。
樹脂成分は、必要に応じて有機溶剤によって希釈、溶解して塗料液としたうえで基材である耐衝撃アクリル樹脂シートに塗布される。有機溶剤は市販のものを使用することができ、例えばヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール、メチルエチルケトン、2−ぺンタノン、イソホロンなどのケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシプロピルなどのエステル、エチルセロソルブなどのセロソルブ系溶剤、メトキシプロパノール、エトキシプロパノール、メトキシブタノールなどのグリコール系溶剤を単独又は混合して使用できる。塗料液は、その粘度、樹脂分濃度などを状況、目的、塗布方法に応じて適宜選択することができる。
本発明の耐衝撃アクリル樹脂シートは、耐衝撃アクリル樹脂をシート状に成形して得られるものであるが、その耐衝撃アクリル樹脂としては、メタクリル樹脂に耐衝撃性を付与したもの、または公知の方法で製造された市販品を使用することができる。メタクリル樹脂は、メタクリル酸メチルの単独重合体や、メタクリル酸メチルと他の共重合可能なコモノマーとの共重合体が適用される。共重合可能なコモノマーとしては、例えば、アクリル酸メチルやアクリル酸ブチルのようなアクリル酸エステルや、スチレンのような芳香族ビニル化合物、アクリロニトリルのようなビニルシアン化合物などを例示することができる。
メタクリル樹脂に耐衝撃性を付与するための方法としては、メタクリル樹脂にゴム粒子を分散させるのが、一般的である。ゴム粒子の種類としては、アクリル系、ブタジエン系、スチレン− ブタジエン系などのゴムを使用することができるが、本発明の目的となる用途に対しては、アクリル系のものが、透明性、硬度、耐衝撃性等の諸物性のバランスの面で好ましい。アクリル系ゴム粒子としては、例えば、アクリル酸ブチルのようなアクリル酸アルキルを主成分とする弾性重合体からなる単層構造のものや、メタクリル酸メチルを主成分とする硬質重合体からなる内層の周りに、アクリル酸ブチルのようなアクリル酸アルキルを主成分とする弾性重合体からなる外層を設けた多層構成のものなど、公知のアクリル系ゴム粒子を使用することができる。弾性重合体に架橋性の多官能単量体が少量共重合されているものも使用することができる。
共重合体化合物の種類と比率および、ゴム粒子の成分と平均粒子径およびその添加量は、適宜選択することができ、とくに限定されないが、発明の目的となる用途に対しては、透明性として、全光線透過率が90%以上(JIS K7361−1)、曇価が0.7%以下(JIS K7136)のもの、硬度としては、ロックウェル硬さで60以上(JIS K7202/Mスケール)、耐衝撃性としてシャルピー衝撃値で2.5kJ/m以上(JIS K7111/ノッチ付)のものを選定することが望ましい。さらに、耐熱性として、ガラス転移温度に関しては、90℃以上のものがとくに望ましい。ガラス転移温度が90℃以上の場合、紫外線硬化型樹脂を塗料として塗布し、乾燥硬化する際、基材を80℃程度まで加熱できるため、紫外線硬化型樹脂の塗膜特性を極端に向上させることができるためである。
メタクリル樹脂にゴム粒子を分散させるにあたっては、必要に応じて、各種の添加剤、例えば、紫外線吸収剤、有機系染料、顔料、無機系色素、酸化防止剤、帯電防止剤、界面活性剤などを配合してもよい。
本発明で用いられる耐衝撃アクリル樹脂シートの製造法としては、溶融流延法、Tダイ法やインフレーション法のような溶融押出法、カレンダー法など、公知の各種方法を用いることができるが、なかでも溶融押出法によって製造されたものであるのが好ましい。溶融押出法としては、押出機を用いて耐衝撃アクリル樹脂の溶融混練を行い、Tダイを通して押し出し、溶融したシート状物を冷却ロールによって圧延、冷却し、表面温度を均一なものとしつつ、引取りロールで引き取ることにより製造する方法があげられる。押出機の仕様はとくに限定されるものではないが、一軸押出機、あるいは異方向二軸押出機がとくに適している。圧延方法としては、上記耐衝撃アクリル樹脂をTダイから溶融押出し、得られるシート状物の少なくとも両面をロール又はベルトに接触させる方法が、表面性状の良好なシートが得られる点で好ましい。
本発明の表示体カバー用樹脂積層体は、前記紫外線硬化型樹脂を溶剤により希釈し硬化性塗料とし、それを耐衝撃アクリル樹脂シートへの塗布、乾燥、硬化の工程を経て得ることができる。
耐衝撃アクリル樹脂シートへの硬化性塗料の塗布は、ロールーコーター、フローコーター、スプレーコーター、カーテンフローコーター、ディップコーター、スリットダイコーターなど公知の方法を用いることができ、片面または両面に塗布することができる。両面の塗布方法としては同時または逐次の手法を用いることができる。
耐衝撃アクリル樹脂シートに塗布される硬化性塗料の塗膜層厚さは、乾燥されたときの塗膜層の厚さが2〜12μmの範囲になるように設定される。厚さが2μm未満では、十分な鉛筆硬度が得られず、厚さが12μmを超える場合は、耐衝撃性および打ち抜き加工性などが低下する。
本発明においては、硬化性塗料は耐衝撃アクリル樹脂シートへの両面に塗布されることが好ましく、その際、表示体側となる面は乾燥されたときの塗膜層厚さが2〜5μmの厚さとし、表示体の反対側となる面は乾燥されたときの塗膜層厚さが5〜12μmの厚さとすることが一層好ましい。そうすることで、得られた表示体カバー用樹脂積層体は、より優れた鉛筆硬度と、耐衝撃性および打ち抜き加工性などのバランスを得ることが可能となる。また、湿度や温度などの環境変化によっても、反りの発生を確実に防止することができるものとなる。
紫外線硬化型樹脂を溶剤により希釈した硬化性塗料は、耐衝撃アクリル樹脂シートへ塗布された後、雰囲気温度を50℃以上に、望ましくは80℃以上に上げ、充分に希釈溶剤を蒸発させるとともに、加熱させた状態にて紫外線を照射し塗膜を硬化させる。ここで硬化の度合いは、広く一般に知られているように赤外線吸光分析により反応基の残存量を測定することで定量化することができる。紫外線照射には、一般の有電極型や無電極型の高圧水銀灯やメタルハライドランプが使用可能である。また、100keV程度の低電圧の電子線照射装置も当然ながら使用可能である。電子線を硬化手段とする場合は、先に例示したような重合開始剤は不要となる。
このようにして得られた表示体カバー用樹脂積層体は、例えば携帯機器、家庭用電気製品、産業用電子機器、自動車用電子機器などのモニターなど情報表示部の保護カバーとして好適に用いられ、保護カバーとして求められる(1)鉛筆硬度(JIS K5600)で2H以上、好ましくは3H以上であること、(2)耐衝撃性として、30gの鋼球を1mの高さから落下させて割れないこと、(3)加工性として、打ち抜き加工が可能なこと、(4)印刷や蒸着加工時の安定性として高温加熱(80℃×15分)後に反りなどの外観不具合が起こらないこと、といった要件を満足し得るものとなる。
以下に、本発明の実施例によってさらに後述するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
<実施例1、2>
耐衝撃アクリル樹脂として、耐衝撃メタクリル樹脂〔住友化学社製、商品名:スミペックス HT55X〕を用い、押出機〔東芝機械社製、直径65mm一軸押出機〕にて溶融混練した後、Tダイを介してシート状物として押出し、そのシート状物をポリシングロールに両面が完全に接するようにして圧延、冷却し、厚さ0.5mmの耐衝撃アクリル樹脂シートを得た。
一方、紫外線硬化型樹脂を構成する成分として、2官能ウレタンアクリレート〔商品名:Ebecryl 8411、ダイセルサイテック社製〕、6官能アクリレート〔脂肪族イソシアネート系6官能アクリレート、商品名:Ebecryl 1290、ダイセルサイテック社製〕、6官能アクリレート〔ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート〕、および2官能アクリレートモノマー〔1,6−ヘキサンジオールジアクリレート〕を用意し、これら各成分を表1に示す通りに配合して紫外線硬化型樹脂を得た。
この紫外線硬化型樹脂を溶液中20重量%となるように、極性希釈溶剤1−メトキシ−2−プロパノールで希釈し、この希釈液にさらに光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、商品名:イルガキュア184、チバ・スペシャルティケミカルズ社製)を希釈液全量に対して固形分比4重量%となるように添加して硬化性塗料を調整した。
硬化性塗料は充分に攪拌混合した後、上記耐衝撃アクリル樹脂シートの片面に、金属製バーコーターを用いて、乾燥したときの塗膜層の厚さが5μmとなるように塗布した。
つぎに、この硬化性塗料が塗布された耐衝撃アクリル系樹脂シートを80℃の熱風循環型オーブンに入れ、10分間乾燥した後、引き続き160W/cmメタルハライドランプ〔ウシオ電機(株)製〕を用いて紫外線照射し、硬化性塗料を十分に硬化させて、表示体カバー用樹脂積層体を作製した。なお、このときの照射方法は、メタルハライドランプと塗膜層との距離を9cmに保ちながら、6.0m/分の速度でコンベア上を移動させて行った。
得られた表示体カバー用樹脂積層体については、以下の評価方法にて、各種物性の測定及び評価を行った。その結果を表1に示す。
<各種物性の測定及び評価>
<外観>
表示体カバー用樹脂積層体における塗膜を目視で観察し、次の評価を行った。
塗膜表面が平滑で、どの角度から見ても透明な場合は良好(○)、塗膜表面が荒れているか、または平面を正面から見て曇りがある場合は不良(×)とした。
<鉛筆硬度>
JIS K 5600に準拠し、750g荷重で測定を行った。
<耐衝撃性>
表示体カバー用樹脂積層体を60mm×60mmの大きさにカットしたサンプルシートを、45mm×35mmの窓が開いている台上に固定し、その窓部におけるサンプルシートに向けて重量30gの鋼球を高さ100cmから落下させ、シートの割れの発生有無を確認した。
<打抜き加工性>
表示体カバー用樹脂積層体を、縦横91mm×54mm、コーナーR3.0mmとしたトムソン刃を備えた打ち抜き型を用い、プレス機にて打ち抜いた後、表面のクラック状態及び打ち抜き断面のバリやヒゲの発生状態を観察した。表面にクラックやバリの発生がなかった場合を良好とした。
<カール・反り>
表示体カバー用樹脂積層体を100mm×100mmの大きさにカットしたサンプルシートを平板上に置き、平板とサンプルの距離の最大値を目視により測定し、次のように評価した。
平板とサンプルシートの距離が1.0mm未満のものをとくに良好(○)、平板とサンプルの距離が 1.0mm以上2.0mm未満のものを良好(△)、:平板とサンプルの距離が2.0mm以上のものを不良(×)とした。
<耐熱変形性>
表示体カバー用樹脂積層体を100mm×100mmの大きさにカットしたサンプルシートを、オーブンに入れ、80℃の環境下にて15分間放置した後、平板上にサンプルを置き、平板とサンプルの距離の最大値を目視により測定し、次のように評価した。
平板とサンプルシートの距離が1.0mm未満のものをとくに良好(○)、平板とサンプルの距離が 1.0mm以上2.0mm未満のものを良好(△)、:平板とサンプルの距離が2.0mm以上のものを不良(×)とした。
<塗膜密着性>
表示体カバー用樹脂積層体を沸騰水中に試料を60分浸した後、水分をふき取り、室温中で2時間以上乾燥させた後、碁盤目テープ剥離試験(JIS K5600に準拠)を行い次のように評価した。
25マス中25マスともに剥離がみられなかった場合を、非常に強い密着性を有するもとみなし良好(○)、いずれかのマスに剥離が生じた場合を、実用上問題となるものとみなし不良(×)とした。
<実施例3>
実施例1と同様の紫外線硬化型樹脂を用い、金属製バーコーターを用いて、乾燥したときの塗膜層の厚さが3μmとなるように塗布した以外は、実施例1と同様にして、表示体カバー用樹脂積層体を作成した。得られた表示体カバー用樹脂積層体については、実施例1と同様の評価方法にて、各種物性の測定及び評価を行った。その結果をあわせて表1に示す。
<実施例4>
実施例1と同様の紫外線硬化型樹脂を用い、金属製バーコーターを用いて、乾燥したときの塗膜層の厚さが10μmとなるように塗布した以外は、実施例1と同様にして、表示体カバー用樹脂積層体を作成した。得られた表示体カバー用樹脂積層体については、実施例1と同様の評価方法にて、各種物性の測定及び評価を行った。その結果をあわせて表1に示す。
参考例5〜7>
紫外線硬化型樹脂を構成する成分として、実施例1における6官能アクリレートおよび2官能アクリレートモノマーに代えて、多官能ウレタンアクリレート〔商品名: ユニデ
ィック17−806、大日本インキ化学工業社製〕を用い、表1に示す通りに配合した以外は実施例1と同様にして、表示体カバー用樹脂積層体を作製した。得られた表示体カバー用樹脂積層体については、実施例1と同様の評価方法にて、各種物性の測定及び評価を行った。その結果をあわせて表1に示す。

参考例8〜10>
紫外線硬化型樹脂を構成する成分として、実施例1における6官能アクリレートおよび2官能アクリレートモノマーに代えて、多官能ウレタンアクリレート〔商品名:SN−5X3623、サンノプコ社製〕を用い、表1に示す通りに配合した以外は実施例1と同様にして、表示体カバー用樹脂積層体を作製した。得られた表示体カバー用樹脂積層体については、実施例1と同様の評価方法にて、各種物性の測定及び評価を行った。その結果をあわせて表1に示す。

<比較例1>
紫外線硬化型樹脂を構成する各成分として、実施例1における6官能アクリレートおよび2官能アクリレートモノマーを表2に示す通りに配合した以外は実施例1と同様にして、表示体カバー用樹脂積層体を作製した。得られた表示体カバー用樹脂積層体については、実施例1と同様の評価方法にて、各種物性の測定及び評価を行った。その結果を表2に示す。
<比較例2>
紫外線硬化型樹脂を構成する成分として、実施例1における2官能ウレタンアクリレート、6官能アクリレート、および2官能アクリレートモノマーに代えて、多官能ウレタンアクリレート〔商品名:ユニディック17−806、大日本インキ化学工業社製〕のみを用い、この多官能ウレタンアクリレート50部に対し、溶媒である1−メトキシ−2−プロパノール150部を混合して硬化性塗料を調整した以外は、実施例1と同様にして、表示体カバー用樹脂積層体を作製した。得られた表示体カバー用樹脂積層体については、実施例1と同様の評価方法にて、各種物性の測定及び評価を行った。その結果をあわせて表2に示す。
<比較例3>
紫外線硬化型樹脂を構成する成分として、実施例1における2官能ウレタンアクリレート、6官能アクリレート、および2官能アクリレートモノマーに代えて、多官能ウレタンアクリレート〔商品名:SN−5X 3623、サンノプコ社製〕のみを用い、この多官能ウレタンアクリレート50部に対し、溶媒である1−メトキシ−2−プロパノール150部を混合して硬化性塗料を調整した以外は、実施例1と同様にして、表示体カバー用樹脂積層体を作製した。得られた表示体カバー用樹脂積層体については、実施例1と同様の評価方法にて、各種物性の測定及び評価を行った。その結果をあわせて表2に示す。
<比較例4>
実施例1と同様の紫外線硬化型樹脂を用い、金属製バーコーターを用いて、乾燥したときの塗膜層の厚さが15μmとなるように塗布した以外は、実施例1と同様にして、表示体カバー用樹脂積層体を作成した。得られた表示体カバー用樹脂積層体については、実施例1と同様の評価方法にて、各種物性の測定及び評価を行った。その結果をあわせて表2に示す。
Figure 0004840074


Figure 0004840074
表1より明らかなように、本発明にかかる実施例1〜4においては、シート厚さが0.8mm未満であっても、外観、鉛筆硬度、耐衝撃性、打ち抜き加工性、カール・反り、耐熱変形性、および塗膜密着性の全ての評価項目において優れていることがわかる。一方、表2における本発明を逸脱する比較例1〜4においては、上記評価項目のいずれかに劣るものであった。これより、本発明の実施例に示した表示体カバー用樹脂積層体は、携帯機器など産業用電子機器の表示体を保護するカバー材として好適に用いられるものであることがわかる。

Claims (6)

  1. 厚さ0.35mm〜0.75mmの耐衝撃アクリル樹脂シートの少なくとも片面に、少なくとも2官能ウレタンアクリレートを3重量%以上、少なくとも1種類の6官能アクリレートを70重量%以上77重量%以下含有する紫外線硬化型樹脂からなる塗膜層を2〜12μmの厚さにて積層した表示体カバー用樹脂積層体。
  2. 前記耐衝撃アクリル樹脂シートが、溶融押出法によって製造されたものである請求項1に記載の表示体カバー用樹脂積層体。
  3. 前記耐衝撃アクリル樹脂シートが、ガラス転移温度90℃以上である請求項1または請求項2のいずれかに記載の表示体カバー用樹脂積層体。
  4. 前記紫外線硬化型樹脂が、少なくとも1種類の2官能ウレタンアクリレートを3〜50重量%、および少なくとも1種類の1〜2官能アクリレートモノマーを3〜30重量%含有する請求項1〜3のいずれかに記載の表示体カバー用樹脂積層体。
  5. 前記2官能ウレタンアクリレートが、ガラス転移温度10℃以下である請求項1〜4のいずれかに記載の表示体カバー用樹脂積層体。
  6. 前記塗膜層が、耐衝撃アクリル樹脂シートの表示体側となる面に2〜5μmの厚さで、表示体の反対側となる面に5〜12μmの厚さで各々積層された請求項1〜5のいずれかに記載の表示体カバー用樹脂積層体。
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