JP2007314769A - 活性エネルギー線硬化型塗料組成物および該組成物の硬化被膜を有する成形品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記成分(A)〜(D)、好ましくは成分(A)〜(F)を含む活性エネルギー線硬化型塗料組成物。(A)カプロラクトンにより変性されたモノ又はポリペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート10〜70質量%(B)2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を含有するポリエーテル系ウレタンジ(メタ)アクリレート化合物5〜50質量%、(C)ポリ〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕(イソ)シアヌレート5〜70質量%、(D)光重合開始剤0.1〜10質量%、(E)紫外線吸収剤1〜30質量%、(F)ヒンダードアミン系光安定化剤0.1〜5質量%。
【選択図】なし
Description
(A) 下記式(1)に示される、カプロラクトンにより変性されたモノ又はポリペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート10〜70質量%
(B) 1分子内に2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を含有するポリエーテル系ウレタンジ(メタ)アクリレート化合物5〜50質量%、
(C) 式(2)又は(3)で示されるポリ〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕(イソ)シアヌレート5〜70質量%
(D) 光重合開始剤0.1〜10質量%。
第1の態様における(A)成分が前記式(1)に示す化合物のうち、1分子中のカプロラクトン変性量の総和の平均が1〜6個の範囲内である活性エネルギー線硬化型塗料組成物に関する。
前記第1、第2の態様における組成物であって、さらに下記(E)、(F)成分を含んでなる活性エネルギー線硬化型塗料組成物に関する。
(E) 紫外線吸収剤1〜30質量%、
(F) ヒンダードアミン系光安定化剤0.1〜5質量%。
前記第3の態様において、厚さ3mmのポリカーボネート樹脂板に厚さ8μmの硬化被膜を設けた成形品の、JIS K7204に準拠し、摩耗輪CS−10Fを用いた4.9N荷重での100回転摩耗試験前後の増加ヘイズ値が15未満であって、サンシャインウェザーメーターを用いた促進耐候性試験における4000時間暴露前後の増加ヘイズ値が10未満、暴露後のイエローインデックス値(黄変度)が5未満である成形品の硬化被膜となる活性エネルギー線硬化型塗料組成物に関する。
第1乃至第4の態様における活性エネルギー線硬化型塗料組成物を合成樹脂成形品の表面に塗布し、活性エネルギー線を照射することにより、硬化被膜を形成した樹脂成形品に関する。
(A)成分である前記一般式(1)で示されるカプロラクトンにより変性されたモノ又はポリペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレートは、活性エネルギー線の照射により良好な重合活性を示し、また高度な架橋密度を有する耐摩耗性に優れたポリマ−を形成する。したがって、基材表面に耐摩耗性に優れた硬化被膜を形成することができる。なお、得られた硬化被膜における耐候性及び耐摩耗性の観点から一般式(1)におけるyは6以下であることが好ましく、3以下であることがより好ましく、2以下であることが更に好ましい。
(B)成分である、1分子内に2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を含有するポリエーテル系ウレタンジ(メタ)アクリレート化合物は、硬化被膜の強靭性、可とう性、耐熱性及び耐侯性を向上させる成分であり、1分子内に2個のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物に1分子内に2個のヒドロキシル基を含有するポリエーテルジオール化合物を反応させて付加体を合成した後、残ったイソシアネート基にヒドロキシル基を含有する(メタ)アクリレートを付加させたウレタン化反応生成物が挙げられる。硬化被膜の強靭性や可とう性をより向上することができる成分である。また、硬化被膜の基材への密着性を向上させるという点で、これらポリエーテル系ウレタンジ(メタ)アクリレート化合物の分子量は1000〜5000のものがより好ましい。
(C)成分である前記式(2)もしくは(3)で示されるポリ〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕(イソ)シアヌレートは、活性エネルギー線により良好な重合活性を示し、また得られた硬化被膜の耐摩耗性を損なうことなく、強靭性、耐熱性を向上させることができる。
(D)成分である光重合開始剤としては、活性エネルギー線照射によりアクリル系モノマー又はオリゴマーの重合を開始させうるものであれば、いずれのものも使用できる。具体的には、ベンゾイン、ベンゾインモノメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アセトイン、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のカルボニル化合物、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィドなどの硫黄化合物、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドなどのアシルフォスフィンオキサイド等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上の混合系で使用される。これらの中でも、ベンゾフェノン、ベンゾインイソプロピルエーテル、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジルジメチルケタールがより好ましい。
(E)成分である紫外線吸収剤は特に限定されず、組成物に均一に溶解し、かつその耐候性が良好なものであれば使用可能であるが、組成物に対する良好な溶解性及び耐候性改善効果という点から、トリアジン系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニル系、安息香酸フェニル系化合物などから誘導された化合物で、それらの最大吸収波長が240〜380nmの範囲である紫外線吸収剤が好ましく、特に組成物に多量に含有させることが可能という点から、ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤が、またポリポリカーボネート等の基材の黄変を防ぐことができるという点から、トリアジン系およびベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤が好ましい。
(F)成分であるヒンダードアミン系光安定剤としては、公知のヒンダードアミン系光安定剤が使用でき、具体的には、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−エトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−プロポキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ブトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ペンチロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ヘキシロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ヘプチロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ノニロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−デカニロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ドデシロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−(4−メトキシ−ベンジリデン)マロネート、テトラキス(2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β,β−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5])ウンデカン)ジエタノールとの縮合物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β,β−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5])ウンデカン)ジエタノールとの縮合物等が挙げられるが、これらのうちビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)が特に好ましい。
塗料組成物の塗布、硬化後の外観を目視評価した。表面が平滑で、透明であるものを○とし、白化やクモリが観察されるものを×とした。
JIS K7204「摩耗輪によるプラスチック摩耗試験」に準拠し、ROTARY ABRASION TESTER((株)東洋精機製)を使用し、摩耗輪CS−10F、4.9N(500gf)荷重にて100回転摩耗した後、ヘイズメーター(HM−65W、(株)村上色彩技術研究所製)にて拡散透過率(ヘイズ値)を測定し、耐摩耗性の判定を行った。耐摩耗性の判定基準は次の通りである。
◎ 増加ヘイズ値=0以上10未満
○ 増加ヘイズ値=10以上15未満
× 増加ヘイズ値=15以上
硬化被膜に1mm間隔で基材まで達するクロスカットを入れ、1mm2の碁板目を100個作り、その上にセロハンテ−プ(ニチバン(株)製、商品名「セロテープ」)を貼り付け急激にはがし、剥離した碁盤目を数えた。剥離が全く無いものを○とし、剥離を生じたものを×とした。
硬化塗膜付き樹脂板を120℃の熱風乾燥機に24時間入れ、硬化被膜の外観変化を目視により観察した。変化がないものを○とし、クラックが発生したものを×とした。なお、実施例6と比較例9とは80℃で評価した。
サンシャインカーボンウエザオメーター(スガ試験機(株)製、WEL−SUN−HC−B型)耐候試験機を用いて、ブラックパネル温度63±3℃、降雨12分間、照射48分間のサイクルで試験した。3000時間、4000時間曝露後の硬化被膜の変化を観察し、密着性を試験した。
(a)外観
クラックの発生及び硬化被膜の剥離については、発生しなかったものを○とし、発生したものを×とした。
(b)透明度
ヘイズメーター(HM−65W、(株)村上色彩技術研究所製)を用いてヘイズ値を測定した。
◎ 増加ヘイズ値=0以上5未満
○ 増加ヘイズ値=5以上10未満
× 増加ヘイズ値=10以上
(c)黄変度
瞬間マルチ測光システム(MCPD−3000、大塚電子(株)製)を用いてイエローインデックス値を測定した。
◎ イエローインデックス(YI)値=0以上5未満
○ イエローインデックス(YI)値=5以上10未満
× イエローインデックス(YI)値=10以上
(d)密着性
上述の密着性試験を行った。
表1に示す配合比で塗料組成物を調製し、厚さ3mmのポリカーボネート樹脂板(GE社製、商品名:「レキサンLS−2」)に、硬化後の被膜が8μmになるようにスプレー塗装した。オーブン中で80℃、3分間加熱処理することにより有機溶剤分を揮発させた後、空気中で高圧水銀ランプを用い、波長340nm〜380nmの積算光量が3000mJ/cm2{(株)オーク製作所製紫外線光量計UV−351(SN型)での測定値}のエネルギーを照射し、硬化被膜を得た。得られた硬化被膜の評価結果を表1に示した。
表1及び2に示す配合比で塗料組成物を調製し、実施例1と同様の条件で硬化被膜を得た。得られた硬化被膜の評価結果を表1および表2に示した。
表1に示す配合比で塗料組成物を調製し、厚さ3mmのポリメチルメタクリレート樹脂板(三菱レイヨン社製、商品名:「アクリペットVH」)に、硬化後の被膜が8μmになるようにスプレー塗装した。オーブン中で80℃、3分間加熱処理することにより有機溶剤分を揮発させた後、空気中で高圧水銀ランプを用い、波長340nm〜380nmの積算光量が3000mJ/cm2{(株)オーク製作所製紫外線光量計UV−351(SN型)での測定値}のエネルギーを照射し、硬化被膜を得た。得られた硬化被膜の評価結果を表1に示した。
表2に示す配合比で塗料組成物を調製し、実施例6と同様の条件で硬化被膜を得た。得られた硬化被膜の評価結果を表2に示した。
Claims (6)
- 下記(A)〜(D)成分を含んでなる活性エネルギー線硬化型塗料組成物。
(A) 下記式(1)に示される、カプロラクトンにより変性されたモノ又はポリペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート10〜70質量%
(B) 1分子内に2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を含有するポリエーテル系ウレタンジ(メタ)アクリレート化合物5〜50質量%、
(C) 式(2)又は(3)で示されるポリ〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕(イソ)シアヌレート5〜70質量%
(D) 光重合開始剤0.1〜10質量%。 - (A)成分が前記式(1)に示す化合物のうち、1分子中のカプロラクトン変性量の総和の平均が1〜6個の範囲内である請求項1記載の活性エネルギー線硬化型塗料組成物。
- さらに下記(E)、(F)成分を含んでなる請求項1または2に記載の活性エネルギー線硬化型塗料組成物。
(E) 紫外線吸収剤1〜30質量%、
(F) ヒンダードアミン系光安定化剤0.1〜5質量%。 - 厚さ3mmのポリカーボネート樹脂板に厚さ8μmの硬化被膜を設けた成形品の、JIS K7204に準拠し、摩耗輪CS−10Fを用いた4.9N荷重での100回転摩耗試験前後の増加ヘイズ値が15未満であって、サンシャインウェザーメーターを用いた促進耐候性試験における4000時間暴露前後の増加ヘイズ値が10未満、暴露後のイエローインデックス値(黄変度)が5未満である成形品の硬化被膜となる請求項3に記載の活性エネルギー線硬化型塗料組成物。
- 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型塗料組成物を合成樹脂成形品の表面に塗布し、活性エネルギー線を照射することにより、硬化被膜を形成した樹脂成形品。
- 合成樹脂成形品が自動車ヘッドランプレンズ用ポリカーボネート樹脂成形品である請求項5記載の樹脂成形品。
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