JP2006274194A - 活性エネルギー線硬化型ウレタン(メタ)アクリレート組成物 - Google Patents

活性エネルギー線硬化型ウレタン(メタ)アクリレート組成物 Download PDF

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史和 荒木
Tsutomu Yamashita
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Abstract

【課題】 従来のウレタン(メタ)アクリレート組成物は、樹脂密着性が不十分であったり、その硬化物は金型からの離型性に難がある、屈折率が比較的低い等の問題があったため、樹脂密着性に優れ、高屈折率で金型からの離型性に優れる硬化物を与えるウレタン(メタ)アクリレート組成物を提供する。
【解決手段】 15〜50重量%のベンゼン骨格含量を有するウレタン(メタ)アクリレート(A)と、ベンゼン骨格を有する(メタ)アクリレート(B)からなり、(A)が分子中に2〜6個またはそれ以上の水酸基および2〜10個またはそれ以上の(メタ)アクリロイル基を有する水酸基含有(メタ)アクリレート(a)とポリイソシアネート(b)から形成されることを特徴とする活性エネルギー線硬化型ウレタン(メタ)アクリレート組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ウレタン(メタ)アクリレート組成物に関する。さらに詳しくは、金型からの離型性および樹脂密着性に優れ、高屈折率の硬化物を与える活性エネルギー線硬化型ウレタン(メタ)アクリレート組成物に関する。
従来、ウレタン(メタ)アクリレート組成物は、放射線により硬化させ、得られる硬化物は優れた弾性を有するため、光学部材(プラスチックレンズ、プリズム、光ファイバー等)、電気・電子部材(フレキシブルプリント配線板用ソルダーレジスト 、メッキレジスト 、多層プリント配線板用層間絶縁膜、感光性光導波路等)、シーリング材、接着剤、および紙、プラスチック等のコーティング剤として広く使用されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開平07−330858号公報 特開平11− 12340号公報
しかしながら、上記のウレタン(メタ)アクリレート組成物は、樹脂密着性が不十分であったり、その硬化物は金型からの離型性に難がある、屈折率が比較的低い等の問題がある。本発明の目的は、樹脂密着性に優れ、高屈折率で金型からの離型性に優れる硬化物を与える活性エネルギー線硬化型ウレタン(メタ)アクリレート組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち本発明は、15〜50重量%のベンゼン骨格含量を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)と、フェニル基を有する(メタ)アクリレートモノマー(B)
からなり、(A)が分子中に2〜6個またはそれ以上の水酸基および2〜10個またはそれ以上の(メタ)アクリロイル基を有する水酸基含有(メタ)アクリレート(a)とポリイソシアネート(b)から形成されることを特徴とする活性エネルギー線硬化型ウレタン(メタ)アクリレート組成物;該組成物からなるコーティング剤、接着剤またはシーリング材;該組成物を硬化させてなる硬化物;該硬化物からなる光学部材または電気・電子部材;並びに、該組成物を基材の少なくとも片面の少なくとも一部に塗布し、活性エネルギー線を照射して硬化させることを特徴とする被覆物の製造方法である。
本発明の活性エネルギー線硬化型ウレタン(メタ)アクリレート組成物は、下記の効果を奏する。
(1)樹脂密着性に優れる。
(2)該組成物を硬化させてなる硬化物は、金型からの離型性に優れる。
(3)該組成物を硬化させてなる硬化物は、高屈折率を有する。
本発明におけるウレタン(メタ)アクリレート(A)は、2〜6個またはそれ以上の水酸基および2〜10個またはそれ以上の(メタ)アクリロイル基を有する水酸基含有(メタ)アクリレート(a)とポリイソシアネート(以下、PIと略記することがある。)(b)から形成され、(a)と(b)の反応におけるNCO/OH当量比が0.45〜0.80であるものである。
(a)には、ポリグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物(a1)および(メタ)アクリル酸と4官能〜8官能またはそれ以上のポリオール〔分子量136〜数平均分子量[以下、Mと略記。測定はゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法による]5,000〕との反応生成物(a2)が含まれる。
(a1)には、多価(2価〜6価またはそれ以上)フェノールもしくはそのアルキレンオキシド(以下、AOと略記)付加物のポリグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物が含まれる。
多価(2価〜6価またはそれ以上)フェノールもしくはそのAO付加物のポリグリシジルエーテルには、以下のものが含まれる。
(1)2価フェノールのジグリシジルエーテル
炭素数(以下、Cと略記)6〜30の2価フェノール、例えば単環フェノール(カテコール、レゾルシノール等)および多環フェノール[縮合多環フェノール(ジヒドロキシナフタレン等)、ビスフェノール(ビスフェノールA、−F等)、ハロゲン化ビスフェノール(ジクロロビスフェノールA、テトラクロロビスフェノールA等)、ビフェニル(テトラメチルビフェニル等)等]のジグリシジルエーテル、ビスフェノールA2モルとエピクロルヒドリン3モルの反応から得られるジグリシジルエーテル等
(2)3価〜6価またはそれ以上の多価フェノールのポリグリシジルエーテル
C6〜Mn5,000の3価〜6価またはそれ以上の多価フェノールのポリグリシジルエーテル、例えば3価フェノール[ピロガロール、ジヒドロキシナフチルクレゾール、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン等]のトリグリシジルエーテル、4価フェノール[テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等]のテトラグリシジルエーテル、6価またはそれ以上の多価フェノール[フェノールもしくはクレゾールノボラック樹脂(Mn200〜5,000)、レゾルシンとアセトンの縮合反応で得られる多価フェノール(Mn400〜5,000)等]のポリグリシジルエーテル等
(3)多価(2価〜6価またはそれ以上)フェノールのAO付加物のポリグリシジルエーテル
上記(1)、(2)で例示した多価フェノールおよびこれらの混合物にC2〜4のAOを付加した化合物のポリグリシジルエーテル等。
該C2〜4のAOとしては、エチレンオキシド(以下、EOと略記)、1,2−プロピレンオキシド(以下、POと略記)、1,3−プロピレンオキシド、1,2−、2,3−、1,3−およびイソブチレンオキシド、テトラヒドロフラン、およびこれらの混合物等が挙げられ、これらのうち硬化物の樹脂密着性の観点から好ましいのはEOである。
多価フェノールに対するAOの付加モル数は、後述する硬化物の樹脂密着性の観点から好ましくは1〜20モル、さらに好ましくは2〜15モル、とくに好ましくは2〜10モルである。
(a2)には、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ−、トリ−およびテトラ−(メタ)アクリレートおよびそれらのAO(1〜100モル)付加物等が含まれる。
上記(a)のうち、後述する本発明の硬化物の高屈折率の観点から好ましいのは(a1)である。
(a)中の水酸基の数は、2〜6個またはそれ以上、好ましくは2〜6個、さらに好ましくは2〜4個、とくに好ましくは2〜3個である。水酸基の数が2個未満では樹脂密着性が悪くなる。
(a)中の(メタ)アクリロイル基の数は、2〜10個またはそれ以上、好ましくは2〜10個、さらに好ましくは2〜8個、とくに好ましくは2〜6個である。(メタ)アクリロイル基の数が2個未満では樹脂硬化性が悪くなる。
本発明におけるポリイソシアネート(PI)(b)には、下記のもの、およびこれらの2種以上の混合物が含まれる。
(b1)C(NCO基中のCを除く、以下同じ)6〜20の芳香族PI
ジイソシアネート(以下、DIと略記)、例えば1,3−および/または1,4−フェニレンDI、2,4−および/または2,6−トリレンDI(TDI)、4, 4’−および/または2,4’−ジフェニルメタンDI(MDI)、m−およびp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニ ル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンDI、およびm−およびp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート;および3官能以上のPI(トリイソシアネート等)、例えば粗製TDI、粗製MDI(ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート)および4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート
(b2)C2〜18の脂肪族PI
DI、例えばエチレンDI、テトラメチレンDI、ヘキサメチレンDI(HDI)、ヘプタメチレンDI、オクタメチレンDI、ノナメチレンDI、デカメチレンDI、ドデカメチレンDI、2,2,4−および/または2,4,4 −トリメチルヘキサメチレンDI、リジンDI、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、2,6−ジイソシアナトエチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネートおよびトリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI);および3官能以上のPI(トリイソシアネート等)、例えば1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネートおよびリジンエステルトリイソシアネート(リジンとアルカノールアミンの反応生成物のホスゲン化物、例えば2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート、2−および/または3−イソシアナトプロピル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート)
(b3)C4〜45の脂環式PI
DI、例えばイソホロンDI(IPDI)、2,4−および/または2,6−メチルシクロヘキサンDI(水添TDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−DI(水添MDI)、シクロヘキシレンDI、メチルシクロヘキシレンDI、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキシレン−1,2−ジカルボキシレートおよび2,5−および/または2,6−ノルボルナンDI、ダイマー酸DI(DDI);および3官能以上のPI(トリイソシアネート等)、例えばビシクロヘプタントリイソシアネート
(b4)C8〜15の芳香脂肪族PI
m−および/またはp−キシリレンDI(XDI)、ジエチルベンゼンDIおよびα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンDI(TMXDI)
(b5)上記(b1)〜(b4)のヌレート化物
これらのうち後述する本発明の硬化物の高屈折率の観点から好ましいのは(b1)、(b3)および(b5)、および経時的な変色が少ないとの観点からさらに好ましいのは(b3)である。
(a)と(b)の反応におけるNCO/OH当量比は、下限は後述する硬化物の金型離型性の観点から、上限は硬化物の高屈折率の観点から、好ましくは0.45〜0.80、さらに好ましくは0.50〜0.77、とくに好ましくは0.55〜0.70である。
(A)中のベンゼン骨格含量(重量%)は、15〜50%、好ましくは18〜45%、さらに好ましくは20〜40%である。ベンゼン骨格含量が20%未満では硬化物の屈折率を高めることが困難となり、50%を超えると硬化物の耐光性が悪くなる。ここにおいて、ベンゼン骨格とはベンゼン環またはその縮合環(ナフタレン環等)を構成する炭素のみを意味するものとする。該ベンゼン骨格は、(a)に由来するものでも、また(b)に由来するものでもよい。該ベンゼン骨格含量は、1Hおよび13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)またはIR(赤外線吸収スペクトル)分析により測定することができる。
例えば、1H−NMRで、ベンゼン骨格含量を求める場合には、内部標準物質を添加し、内部標準物質由来の1Hのピークの積分値と、(A)中のベンゼン環上の1Hのピーク(7ppm〜8ppm付近)の積分値との比率から(A)中のベンゼン骨格のモル数が求められ、分子量を乗じることでベンゼン骨格含量を求めることができる。
(A)の製造においては、ウレタン化触媒を用いてもよい。ウレタン化触媒には、金属化合物(有機ビスマス化合物、有機スズ化合物、有機チタン化合物等)、3級アミンおよび4級アンモニウム塩が含まれる。
金属化合物のうち、有機ビスマス化合物には、有機ビスマスカルボキシレート、有機ビスマスアルコキシドおよびジカルボニル基を有する化合物とビスマスのキレート化合物が含まれる。
有機ビスマスカルボキシレートは、一般式Bi(OCOR)3 で表され、Rとしては1価の、脂肪族基[C1〜20、例えばアルキル(メチル、エチル、n−およびi−プロピル、n−、i−、sec−およびt−ブチル、オクチル、2−エチルヘキシル、デシルおよびドデシル)基およびアルケニル(1−、2−およびi−プロペニル、1−、2−および3−ブテニル)基]、芳香(脂肪)族(C6〜20、例えばフェニル、トルイル、キシレニル、ベンジル、フェネチルおよびヘキシルフェニル)基および脂環式(C3〜10、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロオクチル)炭化水素基等が挙げられる。これらのRのうち耐加水分解性の観点から好ましいのはC2〜12の脂肪族基、およびC5〜10の脂環基である。
有機ビスマスカルボキシレートの具体例としては、ビスマストリ(2−エチルヘキサノエート)、ビスマストリ(デカノエート)等が挙げられる。
有機ビスマスアルコキシドは、一般式Bi(OR)3 で表され、Rは上記と同じで、耐加水分解性の観点から好ましいRも上記と同じである。
有機ビスマスアルコキシドの具体例としては、トリ−2−エチルへキシロキシビスマス等が挙げられる。
ジカルボニル基を有する化合物とビスマスのキレート化合物において、ジカルボニル基を有する化合物には、C4〜15、例えばアセチルアセトン、アセチル酢酸、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレートが含まれ、該キレート化合物にはこれらとBiのキレート化合物が含まれる。ジカルボニル基を有する化合物とビスマスのキレート化合物の具体例としては、ビス(アセチルアセトン)ビスマス等が挙げられる。
有機スズ化合物には、2価のスズ化合物(スタナスオクトエート等)および4価のスズ化合物(トリメチルチンラウレート、トリメチルチンヒドロキサイド、ジメチルチンジラウレート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンマレエート等)が含まれる。
有機チタン化合物には、テトラアルキル(C2〜12)チタネート、アルキレンジカルボン酸(C2〜12)チタンが含まれる。
3級アミンには、トリエチレンジアミン、テトラアルキル(C1〜3)アルキレン(C2〜6)ジアミン(テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチルヘキシレンジアミン等)およびジアザビシクロアルケン化合物{例えば1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7〔DBU[登録商標、サンアプロ(株)製]〕}が含まれる。
4級アンモニウム塩には、テトラアルキル(C1〜4)アンモニウムブロマイド、テトラアルキル(C1〜4)アンモニウムパークロレートが挙げられる。
ウレタン化触媒の使用量は、(A)の重量に基づいて通常1%以下、反応性、透明性の観点から好ましくは0.001〜0.5%、さらに好ましくは、0.05〜0.2%である。
(a)と(b)のウレタン化反応の条件は、特に限定されず、例えば、(a)と(b)を混合し、通常40〜100℃、反応性および該混合物の安定性の観点から好ましくは60〜95℃で、2〜20時間反応させて(A)を製造することができる。また、必要により溶剤(酢酸エチル、メチルエチルケトン、トルエン等)で希釈して反応させてもよい。 溶剤の使用量は、(a)と(b)の合計重量に基づいて通常5,000%以下、下限は混合物の取り扱い性の観点から、上限は反応速度の観点から、好ましくは10〜1,000%である。
ウレタン化反応は、常圧、減圧または加圧のいずれでも行うことができる。ウレタン化反応の進行状況は、例えば反応系のNCO%および水酸基価を測定することにより判断することができる。
本発明におけるベンゼン骨格を有する(メタ)アクリレートモノマー(B)には、下記の(B1)、(B2)、(B3)およびこれらの混合物が含まれる。
(B1)[アルキル(C1〜20)]フェノール(C6〜30)のAO1〜30モル付加物の(メタ)アクリレート
フェノールのPO3モル付加物の(メタ)アクリレート、ノニルフェノールのEO1モル付加物の(メタ)アクリレート等
(B2)ビスフェノール(C13〜Mn1,000)のAO2〜30モル付加物のジ(メタ)アクリレート
ビスフェノールA、−Fおよび−Sの、EO2モルおよびPO4モル付加物の各ジ(メタ)アクリレート等
(B3)ポリエステル(メタ)アクリレート(分子量150〜Mn4,000)
多価(2価〜4価)カルボン酸、多価(2価〜8価またはそれ以上)アルコールおよび(メタ)アクリロイル基含有化合物のエステル化により得られる複数のエステル結合と複数の(メタ)アクリロイル基を有する分子量150〜Mn4,000のポリエステル(メタ)アクリレート等
上記多価(2価〜4価)カルボン酸としては、芳香(脂肪)族多価カルボン酸[C8〜30、例えばイソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸(無水物)およびトリメリット酸(無水物)、キシリレンジカルボン酸]が挙げられる。
上記多価(2価〜8価またはそれ以上)アルコールとしては、以下のものが挙げられる。
(1)2価アルコール(C2〜20またはそれ以上)、例えばC2〜12の脂肪族2価アルコール[アルキレングリコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−、2,3−、1,3−および1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールおよび3−メチルペンタンジオール(以下それぞれEG、PG、BD、HD、NPGおよびMPDと略記)、ドデカンジオール等)等]、C6〜10の脂環式骨格を有する2価アルコール[1,3−および1,4−シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等]、C8〜20の芳香脂肪族2価アルコール[キシリレングリコール、ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン等]
(2)3価〜8価またはそれ以上の多価アルコール、例えば(シクロ)アルカンポリオールおよびそれらの分子内もしくは分子間脱水物[グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールおよびジペンタエリスリトール(以下それぞれGR、TMP、PE、SOおよびDPEと略記)、1,2 ,6−ヘキサントリオール、エリスリトール、シクロヘキサントリオール、マンニトール、キシリトール、ソルビタン、ジグリセリンその他のポリグリセリン等]、糖類およびその誘導体[ショ糖、グルコース、フラクトース、マンノース、ラクトース、グルコシド(メチルグルコシド等)等]
(3)その他の多価アルコール、例えばポリエーテルポリオール[上記多価(2価〜8価またはそれ以上)アルコールまたは前記多価(2価〜6価またはそれ以上)フェノールのAO付加物(分子量106〜Mn20,000)、ポリテトラメチレングリコール(Mn400〜10,000)等]、ポリエステルポリオール(Mn200〜20,000)、Mn200〜10,000の、ポリカプロラクトン、ポリカーボネート、ポリブタジエン、水添ポリブタジエン、ポリイソプレンポリオールおよび水添ポリイソプレンポリオール、並びにこれらのポリエステルポリオール、ポリカプロラクトン、ポリカーボネート、ポリブタジエン、水添ポリブタジエン、ポリイソプレンポリオールおよび水添ポリイソプレンポリオールのAO1〜300モル付加物が含まれる。
上記(メタ)アクリロイル基含有化合物としては、C2〜30、例えば(メタ)アクリル酸およびヒドロキシエチル(メタ)アクリレート挙げられる。
上記(B1)〜(B3)のうち、樹脂への密着性および硬化物の屈折率の観点から好ましいのは、(B1)および/または(B2)である。
(B)の使用量は、(A)の重量に基づいて硬化物の最適な弾性の観点から好ましくは2,000%以下、さらに好ましくは10〜1,000%、とくに好ましくは20〜300%である。
(B)のうち、活性水素原子を有するものはウレタン化反応終了後に加え、活性水素原子を有しないものはウレタン化反応時および/または反応終了後のいずれの段階で加えてもよい。
本発明の組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で必要によりさらに塗料、インキに使用される種々の添加剤(D)を含有させてもよい。(D)には、無機微粒子(D1)、有機顔料(D2)、分散剤(D3)、消泡剤(D4)、レベリング剤(D5)、シランカップリング剤(D6)、チクソトロピー性付与剤(増粘剤)(D7)、スリップ剤(D8)、酸化防止剤(D9)および紫外線吸収剤(D10)が含まれる。
(D)の合計の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、通常60%以下、好ましくは0.005〜50%である。
(D1)としては、アルミナ[酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、アルミナホワイト(アルミナ水和物)、シリカアルミナ(アルミナとシリカの融着物、アルミナの表面にシリカをコーティングしたもの等)]、ジルコニア、炭化タングステン、炭化チタン、炭化ケイ素、炭化ホウ素、ダイヤモンド、カーボンブラック(チャンネルブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック等)、シリカ(微粉ケイ酸、含水ケイ酸、ケイ藻、コロイダルシリカ等)、ケイ酸塩(微粉ケイ酸マグネシウム、タルク、ソープストーン、ステアライト、ケイ酸カルシウム、アルミノケイ酸マグネシウム、アルミノケイ酸ソーダ等)、炭酸塩[沈降性(活性、乾式、重質または軽質)炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等]、クレー(カオリン質クレー、セリサイト質クレー、バイロフィライト質クレー、モンモリロナイト質クレー、ベントナイト、酸性白土等)、硫酸塩[硫酸アルミニウム(硫酸バンド、サチンホワイト等)、硫酸バリウム(バライト粉、沈降性硫酸バリウム、リトポン等)、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム(石コウ)(無水石コウ、半水石コウ等)等]、鉛白、雲母粉、亜鉛華、酸化チタン、活性フッ化カルシウム、セメント、石灰、亜硫酸カルシウム、二硫化モリブデン、アスベスト、ガラスファイバー、ロックファイバーおよびマイクロバルーン等が挙げられる。
これらのうち硬化物の耐擦傷性および組成物、硬化物の着色抑制の観点から好ましいのはアルミナ、シリカ、ケイ酸塩、炭酸塩、硫酸塩および酸化チタン、さらに好ましいのはシリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウムおよび酸化チタンである。
(D1)は、2種以上併用してもよく、また2種以上が複合化(例えばシリカに酸化チタンが融着)されたものでもよい。(D1)の形状は、特に限定されず、例えば不定形状、球状、中空状、多孔質状、花弁状、凝集状および粒状のいずれでもよい。(D1)の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、通常50%以下、硬化物の可撓性の観点から好ましくは30%以下、さらに好ましくは3〜25%である。
(D2)としては、下記のものが挙げられる。
(1)アゾ系顔料
不溶性モノアゾ顔料(トルイジンレッド、パーマネントカーミンFB、ファストエローG等)、不溶性ジスアゾ顔料(ジスアゾイエローAAA、ジスアゾオレンジPMP等)、アゾレーキ(溶性アゾ顔料)(レーキレッドC、ブリリアントカーミン6B等)、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等
(2)多環式顔料
フタロシアニンブルー、インダントロンブルー、キナクリドンレッド、ジオキサジンバイオレット等
(3)染つけレーキ
塩基性染料(ビクトリアピュアブルーBOレーキ等)、酸性染料(アルカリブルートーナー等)等
(4)その他
アジン系顔料(アニリンブラック等)、昼光けい光顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料等
(D2)の使用量は、組成物の全重量に基づいて、通常50%以下、硬化物の可撓性の観点から好ましくは40%以下、さらに好ましく30%以下である。
(D3)としては、有機分散剤[高分子分散剤(Mn2,000〜500,000)および低分子分散剤(分子量100〜Mn2,000未満)]および無機分散剤が挙げられる。
高分子分散剤としては、ナフタレンスルホン酸塩[アルカリ金属(NaおよびK等)塩、アンモニウム塩等]のホルマリン縮合物、ポリスチレンスルホン酸塩(上記に同じ)、ポリアクリル酸塩(上記に同じ)、ポリ(2〜4)カルボン酸(マレイン酸/グリセリン/モノアリルエーテル共重合体等)塩(上記に同じ)、カルボキシメチルセルロース(Mn1,000〜10,000)およびポリビニルアルコール(Mn1,000〜100,000)等が挙げられる。
低分子分散剤としては、下記のものが挙げられる。
(1)ポリオキシアルキレン型
脂肪族アルコール(C4〜30)、[アルキル(C1〜30)]フェノール、脂肪族(C4〜30)アミンおよび脂肪族(C4〜30)アミドのAO(C2〜4)1〜30モル付加物
脂肪族アルコールとしては、n−、i−、sec−およびt−ブタノール、オクタノール、ドデカノール等;(アルキル)フェノールとしては、フェノール、メチルフェノールおよびノニルフェノール等;脂肪族アミンとしては、ラウリルアミンおよびメチルステアリルアミン等;および脂肪族アミドとしては、ステアリン酸アミド等が挙げられる。
(2)多価アルコール型
C4〜30の脂肪酸(ラウリン酸、ステアリン酸等)と多価(2〜6またはそれ以上)アルコール(例えばGR、PE、SOおよびソルビタン)のモノエステル化合物
(3)カルボン酸塩型
C4〜30の脂肪酸(前記に同じ)のアルカリ金属(上記に同じ)塩
(4)硫酸エステル型
C4〜30の脂肪族アルコール(前記に同じ)および脂肪族アルコールのAO(C2〜4)1〜30モル付加物の硫酸エステルアルカリ金属(前記に同じ)塩等
(5)スルホン酸塩型
[アルキル(C1〜30)]フェノール(前記に同じ)のスルホン酸アルカリ金属(前記に同じ)塩
(6)リン酸エステル型
C4〜30の脂肪族アルコール(前記に同じ)および脂肪族アルコールのAO(C2〜4)1〜30モル付加物のモノまたはジリン酸エステルの塩[アルカリ金属(前記に同じ)塩、4級アンモニウム塩等]
(7)1〜3級アミン塩型
C4〜30の脂肪族アミン[1級(ラウリルアミン等)、2級(ジブチルアミン等)および3級アミン(ジメチルステアリルアミン等)]塩酸塩、トリエタノールアミンとC4〜30の脂肪酸(前記に同じ)のモノエステルの無機酸(塩酸、硫酸、硝酸およびリン酸等)塩
(8)4級アンモニウム塩型
C4〜30の4級アンモニウム(ブチルトリメチルアンモニウム、ジエチルラウリルメチルアンモニウム、ジメチルジステアリルアンモニウム等)の無機酸(上記に同じ)塩等
が挙げられる。
無機分散剤としては、ポリリン酸のアルカリ金属(前記に同じ)塩およびリン酸系分散剤(リン酸、モノアルキルリン酸エステル、ジアルキルリン酸エステル等)等が挙げられる。
(D3)の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、通常10%以下、好ましくは0.05〜5%である。
(D4)としては、低級アルコール(C1〜6)(メタノール、ブタノール等)、高級アルコール(C8〜18)(オクチルアルコール、ヘキサデシルアルコール等)、高級脂肪酸(C10〜20)(オレイン酸、ステアリン酸等)、高級脂肪酸エステル(C11〜30)(グリセリンモノラウリレート)、リン酸エステル(トリブチルホスフェート、テトラデカノールEO2モル付加物リン酸エステル等)、金属石けん(ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム等)、ポリエーテル[ポリエチレングリコール(以下、PEGと略記)(Mn200〜10,000)、ポリプロピレングリコール(以下、PPGと略記)(Mn200〜10,000)等]、シリコーン(ジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フルオロシリコーンオイル等)および鉱物油系(シリカ粉末を鉱物油に分散させたもの)等が挙げられる。
(D4)の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、通常3%以下、好ましくは0.01〜2%である。
(D5)としては、PEG型非イオン界面活性剤(ノニルフェノールEO1〜40モル付加物、ステアリン酸EO1〜40モル付加物等)、多価アルコール型非イオン界面活性剤(ソルビタンパルミチン酸モノエステル、ソルビタンステアリン酸モノエステル、ソルビタンステアリン酸トリエステル等)、フッ素系界面活性剤(パーフルオロアルキルEO1〜50モル付加物、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルベタイン等)、変性シリコーンオイル[ポリエーテル変性シリコーンオイル、(メタ)アクリレート変性シリコーンオイル等]等が挙げられる。
(D5)の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、通常3%以下、好ましくは0.1〜2%である。
(D6)としては、アミノ基含有シランカップリング剤(γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−フェニルアミノフロピルトリメトキシシラン等)、ウレイド基含有シランカップリング剤(ウレイドプロピルトリエトキシシラン等)、ビニル基含有シランカップリング剤[ビニルエトキシシラン、ビニルメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン等]、メタクリレート基含有シランカップリング剤(γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等)、エポキシ基含有シランカップリング剤(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等)、イソシアネート基含有シランカップリング剤(γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等)、ポリマー型シランカップリング剤(ポリエトキシジメチルシロキサン、ポリエトキシジメチルシロキサン等)、カチオン型シランカップリング剤[N−(N−ベンジル−β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩等]等が挙げられる。
(D6)の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、通常10%以下、好ましくは0.5〜7%である。
(D7)としては、無機チクソトロピー性付与剤[ベントナイト、有機処理ベントナイト(表面ワックスコーティング処理ベントナイト等)および極微細表面処理炭酸カルシウム(コロイダル炭酸カルシウム等)等]および有機チクソトロピー性付与剤(水添ヒマシ油ワックス、ステアリン酸カルシウム、オレイン酸アルミニウム、重合アマニ油等)が挙げられる。
(D7)の使用量は本発明の組成物の全重量に基づいて、通常20%以下、好ましくは0.5〜10%である。
(D8)としては、高級脂肪酸エステル(ステアリン酸ブチル等)、高級脂肪酸アミド(エチレンビスステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等)、金属石けん(ステアリン酸カルシウム、オレイン酸アルミニウム等)、ワックス[パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、カルボキシル基含有ポリエチレンワックス等)等]およびシリコーン(例えばジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイルおよびフルオロシリコーンオイル)等が挙げられる。
(D8)の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、通常5%以下、好ましくは0.01〜2%である。
(D9)としては、ヒンダードフェノール化合物〔トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネートジエチルエステル〕およびアミン化合物(n−ブチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミノメチルメタクリレート等)が挙げられる。
(D9)の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、通常3%以下、好ましくは0.005〜2%である。
(D10)としては、ベンゾトリアゾール化合物[2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等]、トリアジン化合物〔2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール〕、ベンゾフェノン(2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノン等)、シュウ酸アニリド化合物(2−エトキシ−2’−エチルオキサリック酸ビスアニリド等)が挙げられる。
(D10)の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、通常3%以下、好ましくは0.005〜2%である。
上記(D1)〜(D10)の間で添加剤が同一で重複する場合は、それぞれの添加剤が該当する添加効果を奏する量を他の添加剤としての効果に関わりなく使用するのではなく、他の添加剤としての効果も同時に得られることをも考慮し、使用目的に応じて使用量を調整するものとする。
本発明の組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で必要により、さらに熱硬化触媒(E)および/または光重合開始剤(F)を含有させることができる。(E)および/または(F)を加えたものは、電子線以外に熱および/または紫外線でも硬化させることができ、耐薬品性および耐擦傷性に優れた硬化物を得ることができる。熱により硬化させる場合は、通常50〜200℃、好ましくは80〜180℃のオーブンで1分〜20時間加熱処理することが望ましい。紫外線により硬化する場合の紫外線の照射量は、通常10〜10,000mJ/cm2である。
(E)としては、過酸化物(t−ブチルパーオキシベンゾエート、ベンゾイルパーオキシド、メチルエチルケトンパーオキシド等)およびアゾ化合物(アゾビスイソブチロニトリルおよびアゾビスイソバレロニトリル等)等が挙げられる。これらのうち組成物の安定性、反応性の観点から好ましいのはt−ブチルパーオキシベンゾエートおよびメチルエチルケトンパーオキシドである。
(F)としては、ヒドロキシベンゾイル化合物(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインアルキルエーテル等)、ベンゾイルホルメート化合物(メチルベンゾイルホルメート等)、チオキサントン化合物(イソプロピルチオキサントン等)、ベンゾフェノン(ベンゾフェノン等)、リン酸エステル化合物(1,3,5−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド等)、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。これらのうち硬化物の着色防止の観点から好ましいのは2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンおよび1,3,5−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドである。
(E)および(F)の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、それぞれ通常20%以下、好ましくは0.1〜10%である。
本発明の組成物は、塗工の際に、塗工に適した粘度に調整するために、必要に応じて溶剤で希釈した塗料とすることができる。溶剤の使用量は、該組成物の重量に基づいて通常2,000%以下、好ましくは10〜500%である。また、塗料の粘度は、使用時の温度(通常5〜60℃)で、通常5〜500,000mPa・s、安定塗工の観点から好ましくは50〜10,000mPa・sである。
該溶剤としては、本発明の組成物中の樹脂分を溶解するものであれば特に限定されない。具体的には、芳香族炭化水素(C7〜10、例えばトルエン、キシレンおよびエチルベンゼン)、エステルまたはエーテルエステル(C4〜10、例えば酢酸エチル、酢酸ブチルおよびメトキシブチルアセテート)、エーテル(C4〜10、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、EGのモノエチルエーテル、EGのモノブチルエーテル、PGのモノメチルエーテルおよびDEGのモノエチルエーテル)、ケトン(C3〜10、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−ブチルケトンおよびシクロヘキサノン)、アルコール(C1〜10、例えばメタノール、エタノール、n−およびi−プロパノール、n−、i−、sec−およびt−ブタノール、2−エチルヘキシルアルコールおよびベンジルアルコール)、アミド(C3〜6、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等)、スルホキシド(C2〜4、例えばジメチルスルホキシド)、水、およびこれらの2種以上の混合溶剤が挙げられる。
これらの溶剤のうち好ましいのは沸点が70〜100℃のエステル、ケトンおよびアルコール、さらに好ましいのは酢酸エチル、メチルエチルケトン、i−プロパノールおよびこれらの混合物である。
本発明の組成物は、必要により溶剤で希釈して、基材の少なくとも片面の少なくとも一部に塗布し、必要により乾燥させた後、後述する活性エネルギー線を照射して硬化させることにより基材の表面および/または裏面の少なくとも一部に硬化物を有する被覆物を得ることができる。
該塗工に際しては、通常用いられる装置、例えば塗工機[バーコーター、グラビアコーター、ロールコーター(サイズプレスロールコーター、ゲートロールコーター等)、エアナイフコーター、スピンコーター、ブレードコーター等]が使用できる。塗工膜厚は、硬化乾燥後の膜厚として、通常0.5〜300μm、乾燥性、硬化性の観点から好ましい上限は250μm、耐擦傷性、耐溶剤性、耐汚染性の観点から好ましい下限は1μmである。
本発明の組成物を溶剤で希釈して使用する場合は、塗工後に乾燥するのが好ましい。乾燥方法としては、例えば熱風乾燥(ドライヤー等)が挙げられる。乾燥温度は、通常10〜200℃、塗膜の平滑性および外観の観点から好ましい上限は150℃、乾燥速度の観点から好ましい下限は30℃である。
本発明における活性エネルギー線には、紫外線、電子線、X線、赤外線および可視光線が含まれる。これらの活性エネルギー線のうち硬化性と樹脂劣化の観点から好ましいのは紫外線と電子線である。
本発明の組成物を紫外線照射で硬化させるに際しては、種々の紫外線照射装置〔アイグランデージ[商品名、アイグラフィック(株)製]、メタルハライドランプ等〕を使用することができる。紫外線の照射量は、通常10〜10,000mJ/cm2、組成物の硬化性の観点から好ましい下限は、100mJ/cm2、硬化物の可撓性の観点から好ましい上限は5,000J/cm2である。
本発明の組成物を電子線照射で硬化させるに際しては、種々の電子線照射装置[例えばエレクトロンビーム、岩崎電気(株)製]を使用することができる。電子線の照射量は、通常0.5〜20Mrad、組成物の硬化性の観点から好ましい下限は1Mrad、硬化物の可撓性、並びに硬化物(コーティング膜)または基材の損傷を避けるとの観点から、好ましい上限は15Mradである。
本発明の組成物は、通常、活性エネルギー線(紫外線、電子線、X線等)により硬化させるが、必要により熱硬化触媒を含有させた場合は熱で硬化させることができる。
本発明の硬化物の屈折率は、光学部材への適用および合成のしやすさの観点から好ましくは1.540〜1.580、さらに好ましくは1.550〜1.570である。屈折率は、硬化物中のベンゼン骨格含量を増すことにより高めることができる。
本発明の組成物は、基材のコーティング剤、接着剤、シーリング材などとして使用することができる。適用される基材としては、特に限定はされないが、例えば紙、プラスチック、ガラスおよび金属が挙げられる。具体的には、紙(例えば薄葉紙、紙間強化紙、チタン紙、ラテックス含浸紙および石膏ボード用原紙)、プラスチック[プラスチックフィルム(塩化ビニル、ポリエステル、ポリプロピレンおよびポリメチルメタクリレート等のフィルム)、プラスチック板(ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネートおよびメチルメタクリレート/スチレン共重合物等の板)等]、ガラス板、銅板、鉄板等が挙げられる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
製造例1
撹拌機、冷却管および温度計を備えた反応容器に、ビスフェノールAジグリシジルエーテルのアクリル酸2モル付加物[商品名:リポキシVR−77、昭和高分子(株)製、以下同じ。]100部、IPDI 35部を仕込み(ベンゼン骨格含量23%、NCO/OH当量比0.76)、さらにフェノキシエチルアクリレート128部を仕込んで85℃で2時間反応させ、触媒としてビスマストリ(2−エチルヘキサノエート)(2−エチルヘキサン酸50%溶液)0.05部を仕込み、85℃で2時間反応させて組成物(S1)を得た。
製造例2
製造例1において、リポキシVR−77 100部およびIPDI 35部に代えて、ビスフェノールAジグリシジルエーテルのアクリル酸付加物[商品名:リポキシSP−1529X、昭和高分子(株)製、以下同じ。]100部およびIPDI28部を用いた(ベンゼン骨格含量25%、NCO/OH当量比0.61)こと以外は製造例1と同様に行い、組成物(S2)を得た。
製造例3
製造例1において、リポキシVR−77 100部およびIPDI 35部に代えて、リポキシSP−1529X 100部およびIPDI 21部を用いた(ベンゼン骨格含量26%、NCO/OH当量比0.46)こと以外は製造例1と同様に行い、組成物(S3)を得た。
比較製造例1
製造例1において、リポキシVR−77 100部に代えて、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテルのアクリル酸2モル付加物100部を用いた(ベンゼン骨格含量0%、NCO/OH当量比0.76)こと以外は製造例1と同様に行い、組成物(S’1)を得た。
比較製造例2
製造例1において、リポキシVR−77 100部およびIPDI 35部に代えて、リポキシSP−1529X 100部およびIPDI 7部を用いた(ベンゼン骨格含量29%、NCO/OH当量比0.15)こと以外は製造例1と同様に行い、組成物(S’2)を得た。
実施例1〜3、比較例1、2
上記(S1)〜(S3)および(S’1)、(S’2)を表1に示す配合比(重量比)に従って配合し、ウレタンアクリレート組成物(実施例1〜3、比較例1、2)を得た。
Figure 2006274194
アクリレート(B1):フェノキシエチルアクリレート
アクリレート(B2):ビスフェノールAのEO4モル付加物のジアクリレート
光重合開始剤(F1):イルガ184[商品名、チバ・スペシャリティケミカルズ(株)
製]
消泡剤(D4−1) :テトラデカノールEO2モル付加物リン酸エステル
上記ウレタンアクリレート組成物を用い、下記項目について評価した。結果を表2に示す。
1.粘度
該組成物を、高さ7cm、口径30mmのガラス容器(50ml)に入れ、25℃での粘度をBL型粘度計[東京計器(株)製]を用いて測定した。
2.屈折率
厚さ50μのスペーサーを用いて設けた2枚のガラス板の隙間に該組成物の膜を形成させた後、ガラスの片面からUV照射機(メタルハライドランプ、以下同じ。)を用い1,000mJ/cm2 の紫外線を照射して硬化物(膜)を得た。アッベ屈折率計4T[商品名、(株)アタゴ製]を用いて該膜の25℃での屈折率を測定した。
3.金型離型性および樹脂密着性
該組成物を35℃に温度調節し、予めクロムメッキを内面に施した金型(タテ50cm、ヨコ50cm、金型温度35℃)にディスペンサーを用いて厚さ50〜150μmとなるように塗工した。次にメチルメタクリレート系共重合物からなる厚さ2mm(タテ50cm×ヨコ50cm)の透明基板[商品名:スミペックスHT、住友化学(株)製]を、上記金型に塗工した樹脂の上から空気が入らないように加圧積層した。さらに、該基板上の方向からUV照射機を用いて1,000mJ/cm2 紫外線を照射して該組成物を硬化させた。基板付き硬化物(膜)の金型からの離型性と、樹脂密着性を次の方法で評価した。
(1)金型離型性(金型からの離型の難易度)
基板つき硬化物(膜)を、金型からゆっくり引き剥がした際の離型性を下記の観点で評価した。
評価基準
○ 離型が容易
× 離型が困難で、離型時にシートが変形
(2)樹脂密着性(硬化物と基板樹脂との密着性)
硬化物(膜)側の面にナイフで1mm幅に切れ目を入れて碁盤目(10×10個)をつくった。該碁盤目上にセロハン粘着テープを貼り付け90度剥離を行い、基板からの硬化物(膜)の剥離状態を観察し評価した。
評価基準
○ すべての碁盤目が剥離しない
× 碁盤目1個以上が剥離する
Figure 2006274194
本発明の組成物を硬化させてなる硬化物は、金型からの離型性に優れ、高屈折率かつ樹脂密着性に優れることから、光学部材(プラスチックレンズ、プリズム、光ファイバー等)、電気・電子部材(フレキシブルプリント配線板用ソルダーレジスト 、メッキレジスト 、多層プリント配線板用層間絶縁膜、感光性光導波路等)、シーリング材、接着剤、紙、プラスチック等のコーティング剤として幅広く用いられる。

Claims (6)

  1. 15〜50重量%のベンゼン骨格含量を有するウレタン(メタ)アクリレート(A)と、ベンゼン骨格を有する(メタ)アクリレート(B)からなり、(A)が分子中に2〜6個またはそれ以上の水酸基および2〜10個またはそれ以上の(メタ)アクリロイル基を有する水酸基含有(メタ)アクリレート(a)とポリイソシアネート(b)から形成されることを特徴とする活性エネルギー線硬化型ウレタン(メタ)アクリレート組成物。
  2. さらに、熱硬化触媒および/または光重合開始剤を含有させてなる請求項1記載の組成物。
  3. 請求項1または2記載の組成物からなるコーティング剤、接着剤またはシーリング材。
  4. 請求項1または2記載の組成物を硬化させてなる硬化物。
  5. 請求項4記載の硬化物からなる光学部材または電気・電子部材。
  6. 請求項1または2記載の組成物を基材の少なくとも片面の少なくとも一部に塗布し、活性エネルギー線を照射して硬化させることを特徴とする被覆物の製造方法。
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