JP5183371B2 - プラスチック基材被覆金属膜用ハードコート組成物 - Google Patents
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Description
ハードコート材としては、二液硬化型のポリウレタン樹脂やメラミン樹脂等の熱硬化型ハードコート材、または多官能(メタ)アクリレート等の活性エネルギー線硬化型ハードコート材が使用されている。このうち活性エネルギー線硬化型は硬化が数秒で完了するという特徴があり、熱硬化型に比べ生産性の観点から有利である。
このため近年は活性エネルギー線硬化型が主流になりつつあり、とくに多官能(メタ)アクリレートを使用したハードコート材が用いられている(例えば、特許文献1参照)
本発明の目的は、種々のプラスチック基材を被覆する金属膜の表面に容易に塗布でき、該金属膜との密着性に優れ、耐擦傷性優れたハードコート膜を与える活性エネルギー線硬化型ハードコート組成物を提供することにある。
(A)水酸基含有(メタ)アクリレート(a2)、ホモポリマーのガラス転移点が80〜200℃で(a2)と反応性の官能基を有しないエチレン性不飽和モノマー(a1)、および(a2)と反応性の官能基を有する、(a1)以外のエチレン性不飽和モノマー(a3)を構成単位とし、少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有する数平均分子量2,000〜100,000の共重合体
(B)該(A)と異なりリン酸基を有し、少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有するモノマー
(C)リン酸基およびウレタン基を有さず、(メタ)アクリロイル基を2〜6個有する数平均分子量1,500以下の多官能(メタ)アクリレートモノマー
(D)光重合開始剤
(1)活性エネルギー線で短時間硬化しハードコート膜の生産性に優れる。
(2)該ハードコート膜は、金属膜との密着性および該密着性の耐湿熱性、並びに耐擦傷性に優れる。
(a1)のホモポリマーのTgが80℃未満では後述するハードコート膜(以下において硬化膜または硬化物ということがある)の耐擦傷性が低下し、200℃を超えると該ハードコート膜の可撓性が低くなり基材への密着性が低下する。また、(A)のMnが2,000未満では硬化収縮が大となって基材への密着性が低下し、100,000を超えると高粘度となって取り扱いが困難となる。
なお、本発明においてTgは示差走査熱量測定(以下DSCと略記)法による熱分析から得られる値であり、測定方法は下記のとおりである。
(1)測定機器
示差走査熱量計、例えば「RDC−220」、セイコー電子工業(株)製
(2)測定手順およびTgの求め方
JIS C6481 DSC法に準拠した。
これらのうち後述する硬化物の光透過性の観点から好ましいのは、スチレン、α−およびβ−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、o−、m−およびp−クロルスチレンである。
R1のうち硬化物の硬度の観点から好ましいのはH、メチル基およびエチル基である。
これらのうち耐熱性の観点から好ましいのは、R2および/またはR3がH、メチル基、エチル基、R2とR3から環が形成される場合はエチリデン基およびビニリデン基である。また、hは、硬化物の硬度の観点から好ましくは0または1である。
これらのうち、硬化物の光透過性の観点から好ましいのは、2−エチリデン−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン。およびさらに好ましいのは2−ノルボルネン、1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレンおよび5−エチリデン−2−ノルボルネンである。
これらのうち、硬化物の光透過性および表面硬度の観点から好ましいのは脂環式(メタ)アクリレートである。
(C)としては、以下のものが挙げられる。
(1)ジ(メタ)アクリレート
(1−1)ポリオキシアルキレン(アルキレン基がC2〜4)(分子量106以上かつMn1,000以下)のジ(メタ)アクリレート
ポリエチレングリコール(以下PEGと略記)(Mn400)、ポリプロピレングリコール(以下PPGと略記)(Mn200)およびポリテトラメチレングリコール(以下PTMGと略記)(Mn650)の各ジ(メタ)アクリレート等;
2価フェノール化合物[C6〜18、例えば単環フェノール(カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン等)、縮合多環フェノール(ジヒドロキシナフタレン等)、ビスフェノール化合物(ビスフェノールA、−F、−S等)]のAO付加物[レゾルシノールのエチレンオキシド(以下EOと略記)4モル付加物のジ(メタ)アクリレート、ジヒドロキシナフタレンのプロピレンオキシド(以下POと略記)4モル付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA、−Fおよび−Sの、EO2モル、およびPO4モル各付加物等]の各ジ(メタ)アクリレート等;
エチレングリコール(以下EGと略記)、ネオペンチルグリコール(以下NPGと略記)および1,6−ヘキサンジオール(以下1,6−HDと略記)の各ジ(メタ)アクリレート等;
(1−4)脂環含有2価アルコール(C6〜30)のジ(メタ)アクリレート
ジメチロールトリシクロデカンのジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールのジ(メタ)アクリレートおよび水素化ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレート等
C14以上かつMn1,000以下、例えばトリメチロールプロパン(以下TMPと略記)トリ(メタ)アクリレート、TMPのEO3モルおよびPO3モル付加物の各トリ(メタ)アクリレート、グリセリン(以下、GRと略記)のトリ(メタ)アクリレート、GRのEO3モルおよびPO3モル付加物の各トリ(メタ)アクリレート、PEトリ(メタ)アクリレート、PEテトラ(メタ)アクリレート、PEのEO4モル付加物のテトラ(メタ)アクリレート、DPEペンタ(メタ)アクリレート、DPEヘキサ(メタ)アクリレート、およびこれらの混合物等が挙げられる。
該ウレタン(メタ)アクリレートとしては、ポリ(2官能〜3官能またはそれ以上)イソシアネート、ポリオール(2価〜6価またはそれ以上)および水酸基含有(メタ)アクリレートのウレタン化反応により得られる、少なくとも2個の(メタ)アクリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレートが挙げられる。
該水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、C5〜30、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、PEトリ(メタ)アクリレート、DPEペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(E1)の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、通常3%以下、添加効果および塗工安定性の観点から好ましくは0.1〜2%である。
(E2)の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、通常5%以下、添加効果および塗工安定性の観点から好ましくは0.01〜2%である。
(E3)の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、通常3%以下、添加効果および硬化性の観点から好ましくは0.005〜2%である。
(E4)の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、通常3%以下、添加効果および塗工安定性の観点から好ましくは0.01〜2%である。
(1)ポリオキシアルキレン型
脂肪族アルコール(C4〜30)、[アルキル(C1〜30)]フェノール、脂肪族(C4〜30)アミンおよび脂肪族(C4〜30)アミドの、AO1〜30モル付加物
脂肪族アルコールとしては、n−、i−、sec−およびt−ブタノール、オクタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ドデカノール、オレイルアルコール等;(アルキル)フェノールとしては、フェノール、メチルフェノールおよびノニルフェノール等;脂肪族アミンとしては、ラウリルアミンおよびメチルステアリルアミン等;および脂肪族アミドとしては、ステアリン酸アミド等が挙げられる。
(2)多価アルコール型
C4〜30の脂肪酸(オクチル酸、2−エチルヘキサン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸等)と多価(2価〜6価またはそれ以上)アルコール(例えばGR、PE、ソルビトールおよびソルビタン)のモノエステル化合物。
(3)カルボン酸塩型
C4〜30の脂肪酸(前記に同じ)のアルカリ金属(前記に同じ)塩。
(4)硫酸エステル型
C4〜30の脂肪族アルコール(前記に同じ)および脂肪族アルコールのAO(C2〜4)1〜30モル付加物の硫酸エステルアルカリ金属(前記に同じ)塩等。
[アルキル(C1〜30)]フェノール(前記に同じ)のスルホン酸アルカリ金属(前記に同じ)塩
(6)リン酸エステル型
C4〜30の脂肪族アルコール(前記に同じ)および脂肪族アルコールのAO(C2〜4)1〜30モル付加物のリン酸モノ−およびジエステルの塩[アルカリ金属(前記に同じ)塩、4級アンモニウム塩等]
(7)1〜3級アミン塩型
C4〜30の脂肪族アミン[1級アミン(ラウリルアミン等)、2級アミン(ジブチルアミン等)および3級アミン(ジメチルステアリルアミン等)]塩酸塩、トリエタノールアミンとC4〜30の脂肪酸(前記に同じ)のモノエステルの無機酸(塩酸、硫酸、硝酸およびリン酸等)塩
(8)4級アンモニウム塩型
C4〜30の4級アンモニウム(ブチルトリメチルアンモニウム、ジエチルラウリルメチルアンモニウム、ジメチルジステアリルアンモニウム等)の無機酸(前記に同じ)塩等が挙げられる。
(E5)の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、通常5%以下、添加効果および塗工安定性の観点から好ましくは0.05〜3%である。
(E6)の使用量は本発明の組成物の全重量に基づいて、通常5%以下、添加効果および塗膜の透明性の観点から好ましくは0.5〜3%である。
(E7)の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、通常3%以下、添加効果および塗工安定性の観点から好ましくは0.005〜2%である。
メトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等)、エポキシド(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等)、イソシアネート化合物(γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等)、ポリマー型(ポリメトキシジメチルシロキサン、ポリエトキシジメチルシロキサン等)、カチオン型[N−(N−ベンジル−β−ア
ミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩等]等が挙げられる。
(E8)の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、通常5%以下、添加効果および硬化性の観点から好ましくは0.5〜3%である。
(E9)は、2種以上併用してもよく、また2種以上が複合化(例えばシリカに酸化チタンが融着)されたものでもよい。(E9)の形状は、特に限定されず、例えば不定形状、球状、中空状、多孔質状、花弁状、凝集状および粒状のいずれでもよい。
(E9)の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、通常50%以下、硬化物の耐熱性および可撓性の観点から好ましくは5〜30%、さらに好ましくは10〜25%である。
また、(E10)の数平均粒径(μm)は、硬化物の光透過性および塗工性の観点から、好ましくは0.01〜30、さらに好ましくは0.05〜10である。
(E10)の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、通常50%以下、耐熱性および塗工性の観点から好ましくは5〜40%、さらに好ましくは10〜35%である。
(1)アゾ顔料
不溶性モノアゾ顔料(トルイジンレッド、パーマネントカーミンFB、ファストイエローG等)、不溶性ジスアゾ顔料(ジスアゾイエローAAA、ジスアゾオレンジPMP等)、アゾレーキ(溶性アゾ顔料)(レーキレッドC、ブリリアントカーミン6B等)、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等
(2)多環式顔料
フタロシアニンブルー、インダントロンブルー、キナクリドンレッド、ジオキサジンバイオレット等
(3)染つけレーキ
塩基性染料(ビクトリアピュアブルーBOレーキ等)、酸性染料(アルカリブルートーナー等)等
(4)その他
アジン顔料(アニリンブラック等)、昼光蛍光顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料等
(E11)の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、通常5%以下、硬化物の着色性および可撓性の観点から好ましくは0.5〜4%、さらに好ましくは1〜3%である。
有機溶剤の使用量は、有機溶剤を加える前の本発明の組成物の全重量に基づいて、通常400%以下、取り扱いの容易さおよび塗工安定性の観点から好ましくは25〜250、さらに好ましくは40〜150%である。
該塗工に際しては、種々の装置、例えば塗工機[バーコーター、グラビアコーター、ロールコーター(サイズプレスロールコーター、ゲートロールコーター等)、エアナイフコーター、スピンコーター、ブレードコーター、スプレーコーター等]が使用できる。塗工膜厚は、乾燥後の膜厚として、通常0.5〜100μm、耐摩耗性、耐溶剤性、耐汚染性および乾燥性、硬化性の観点から好ましくは1〜50μmである。
また、プラスチック基材はその形状、寸法等は特に限定されない。プラスチック基材を被覆する金属膜の金属としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、金、銀、銅、すず、クロム、ニッケル、セレン、フッ化マグネシウム、硫化亜鉛、一酸化ケイ素が挙げられる。
金属膜の被覆方法は、特に限定されるものではなく、例えばプラスチック基材表面に金属を真空蒸着させる方法が挙げられる。金属膜の厚みは通常200nm以下、好ましくは50〜100nmである。
本発明の組成物を紫外線照射で硬化させる場合は、種々の紫外線照射装置[例えば型番「VPS/I600」、フュージョンUVシステムズ(株)製]、光源としてはキセノンランプ、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等を使用することができる。紫外線の照射量は、通常10〜10,000mJ/cm2、組成物の硬化性および硬化物(硬化膜)の可撓性の観点から好ましくは100〜5,000mJ/cm2である。
冷却管、撹拌装置、温度計を取り付けた反応容器にスチレン−無水マレイン酸共重合樹脂[商品名「SMA1000」、サートマー(株)製、スチレン/無水マレイン酸共重合比(モル比)1/1。スチレンのホモポリマーのTgは109℃。]50部とメチルエチルケトン(以下MEKと略記)40部を仕込み、80℃で加熱撹拌して均一に溶解させた。この溶液に2−ヒドロキシエチルアクリレート[商品名「ライトエステルHOA」、共栄社化学(株)製、以下同じ。]24.3部、ハイドロキノン0.1部を加え、30時間加熱撹拌して還流させた。放冷して固形分65%の共重合体(A−1)の溶液を得た。該溶液の酸価は130mgKOH/gであった。(A−1)のMnは2,000であった。
製造例1と同様の反応容器にスチレン−無水マレイン酸共重合樹脂[商品名「SMA−EF40」、サートマー(株)製、スチレン/無水マレイン酸共重合比(モル比)4/1。]50部とMEK40部を仕込み、80℃で加熱撹拌して均一に溶解させた。この溶液に2−ヒドロキシエチルアクリレート9.9部、ハイドロキノン0.1部を加え、30時間加熱撹拌して還流させた。放冷して固形分60%の共重合体(A−2)の溶液を得た。該溶液の酸価は58mgKOH/gであった。(A−2)のMnは7,000であった。
冷却管、撹拌装置、滴下装置および温度計を取り付けた反応容器に、MEK200部を仕込み80℃に加熱した後、イソボルニルアクリレート[商品名「ライトアクリレートIB−XA」、共栄社化学(株)製、ホモポリマーのTgは88℃。]210部、2−ヒドロキシエチルアクリレート115.7部、および2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)[商品名「V−65」、和光純薬工業(株)製、以下同じ。]のMEK溶液(V−65/MEK重量比=1/9、以下同じ。)19.3部を、6時間かけてそれぞれを同時滴下し、その後5時間加熱撹拌し還流させた。60℃まで放冷した後、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート[商品名「カレンズAOI」、昭和電工(株)製、以下同じ。]140.6部、ビスマストリ(2−エチルヘキサノエート)(2−エチルヘキサン酸50%溶液)[以下ビスマス触媒溶液と略記]0.2部、ハイドロキノン0.1部を加え、70℃で8時間加熱撹拌し反応させた。放冷して固形分68.3%%の共重合体(A−3)の溶液を得た。(A−3)のMnは30,000であった。
製造例3において、MEK200部を300部に、イソボルニルアクリレート210部をイソボルニルメタアクリレート[商品名「ライトエステルIB−X」、共栄社化学(株)製、ホモポリマーのTgは180℃。]224部に、2−ヒドロキシエチルアクリレート115.7部を2−ヒドロキシエチルメタクリレート[商品名「ライトエステルHO−250」、共栄社化学(株)製]123.5部に、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)のMEK溶液13.4部を5.9部に、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート140.6部を133.3部に代えたこと以外は、製造例3と同様に行い、固形分61.2%の共重合体(A−4)の溶液を得た。(A−4)のMnは100,000であった。
製造例3において、イソボルニルアクリレート210部をN−アクリルモルホリド[商品名「ACMO」、興人(株)製、ホモポリマーのTgは145℃。]180部に、2−ヒドロキシエチルアクリレート115.7部を100部に、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)のMEK溶液13.4部を88.4部に、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート140.6部を121.5部に代えたこと以外は、製造例3と同様に行い、固形分59.5%の共重合体(A−5)の溶液を得た。(A−5)のMnは5,000であった。
製造例1と同様の反応容器に、PTMG[商品名「PTMG1000」三菱化学(株)製、以下同じ。]200部、EG26.7部を仕込み、50℃で加熱撹拌して均一に溶解させた。この溶液にIPDI 153.3部、ビスマス触媒溶液0.1部を仕込み、80℃で2時間反応させた。さらに2−ヒドロキシエチルアクリレート18.6部、ビスマス触媒溶液0.1部、MEK100部を仕込み80℃で10時間撹拌して還流させた。放冷して固形分79.9%のウレタンアクリレート(UA−1)の溶液を得た。
製造例6において、2−ヒドロキシエチルアクリレート18.6部を2−ヒドロキシエチルメタクリレート20.8部に代えたこと以外は製造例6と同様に行い、固形分80.0%のウレタンアクリレート(UA−2)の溶液を得た。
表1の配合組成に従ってディスパーザーで混合撹拌して、実施例1〜15、比較例1〜5のハードコート組成物を得た。なお、表1では配合成分中の溶液成分[(A−1)〜(A−5)、(UA−1)〜(UA−2)の各溶液]の配合量は固形分量で表記した。
下記の被覆物作成方法に従い、プラスチック基材面、またはプラスチック基材を被覆した金属膜上に該組成物を塗布して、該金属膜の表面にハードコート膜を有する被覆物を作成した。表中の配合成分は下記のとおりである。なお、該組成物はいずれも各配合成分を一括配合し均一混合して作成した。
エステルP−1M」、共栄社化学(株)製]
DA600:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート[商品名「ネオマーDA−60
0」、三洋化成工業(株)製、Mn400]
PE3A :ペンタエリスリトールトリアクリレート[商品名「ライトアクリレートPE
3A」、共栄社化学(株)製、Mn200]
BA641:ビスフェノールAのEO2モル付加物のジアクリレート[商品名「ネオマー
BA−641」、三洋化成工業(株)製、Mn400]
I184 :1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン[商品名「イルガキュア18
4」、チバスペシャルティケミカルズ(株)製]
164B :メタクリル変性シリコーンオイル[商品名「X−22−164B」、信越化
学(株)製]
MEK :メチルエチルケトン
上記ハードコート組成物を厚さ100μmのPETフィルム[商品名「コスモシャインA4300」、東洋紡績(株)製]基材の片面にバーコーターを用い、乾燥硬化後の膜厚が10μmになるように塗布し、60℃で3分間乾燥させた後、紫外線照射装置[型番「VPS/I600」、フュージョンUVシステムズ(株)製]により、紫外線を500mJ/cm2照射し、PETフィルム表面に硬化膜(ハードコート膜)を有する被覆物試験片を作成した。該試験片について下記の(1)の方法で透明性の評価を行った。
また、基材表面にアルミを蒸着(厚みは50nm)させたABS板に変更して、上記と同様の方法でアルミ蒸着面上に硬化膜(ハードコート膜)を有する被覆物試験片を作成し、下記(2)、(3)の方法で耐擦傷性と密着性の評価を行った。結果を表2に示す。
(1)透明性
(1−1)光線透過率
JIS−K7361−1に準拠し、全光線透過率測定装置[商品名「haze−gard dual」BYK gardner(株)製]を用いて光線透過率を測定した。単位は%。
(1−2)ヘーズ
JIS−K7105(1981年制定)に準拠し、ヘーズメータ[型番「haze−gard dual」、BYK gardner(株)製]を用いてヘーズ(%)を測定し、下記の基準で評価した。
◎ ヘーズが1.5未満
○ ヘーズが1.5〜3.0未満
△ ヘーズが3.0〜5.0未満
× ヘーズが5.0以上
テープ[商品名「シンワファスナーマジクロス」、伸和(株)製、型1K2L、面A(オス)]を用い、300g/cm2荷重にて、被覆物の塗膜表面を50往復擦傷後、目視による外観を下記の基準で評価した。
◎ 全く擦り傷が付かない
○ 擦り傷が数本程度認められる
△ 擦り傷が10数本程度認められる
× 多数の擦り傷が認められ、表面が白化する
(3−1)初期密着性
被覆物試験片を作成後直ちに、JIS K5400に準じ、碁盤目試験により下記の基準で評価した(隙間間隔1mm)。
◎ 残ったマス目数が100
○ 残ったマス目数が90〜99
△ 残ったマス目数が50〜89
× 残ったマス目数が0〜49
被覆物試験片を、65℃、95%RHの条件で72時間静置後、さらに23℃、湿度50%RHの条件で24時間静置した後、JIS K5400に準じ、碁盤目試験により下記の基準で評価した(隙間間隔1mm)。
◎ 残ったマス目数が100
○ 残ったマス目数が90〜99
△ 残ったマス目数が50〜89
× 残ったマス目数が0〜49
Claims (8)
- 下記の(A)、(B)、(C)および(D)を含有してなることを特徴とする、プラスチック基材被覆金属膜用ハードコート組成物。
(A)水酸基含有(メタ)アクリレート(a2)、ホモポリマーのガラス転移点が80〜200℃で(a2)と反応性の官能基を有しないエチレン性不飽和モノマー(a1)、および(a2)と反応性の官能基を有する、(a1)以外のエチレン性不飽和モノマー(a3)を構成単位とし、少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有する数平均分子量2,000〜100,000の共重合体
(B)該(A)と異なりリン酸基を有し、少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有するモノマー
(C)リン酸基およびウレタン基を有さず、(メタ)アクリロイル基を2〜6個有する数平均分子量1,500以下の多官能(メタ)アクリレートモノマー
(D)光重合開始剤 - (A)〜(D)の合計重量に基づく割合が、(A)が35〜50%、(B)が4〜10%、(C)が43〜55%、(D)が1〜15%である請求項1記載の組成物。
- さらに、ポリイソシアネート、ポリオールおよび水酸基含有(メタ)アクリレートから形成されるウレタン(メタ)アクリレートを含有させてなる請求項1または2記載の組成物。
- ウレタン(メタ)アクリレートの含有量が、(A)〜(D)の合計重量に基づいて1〜10%である請求項3記載の組成物。
- さらに、有機溶剤を含有させてなる請求項1〜4のいずれか記載の組成物。
- 請求項1〜5のいずれか記載の組成物を、プラスチック基材を被覆する金属膜の表面の少なくとも一部に塗布し活性エネルギー線を照射して硬化させてなるハードコート膜。
- 請求項6記載のハードコート膜を、プラスチック基材を被覆する金属膜の表面の少なくとも一部に有するプラスチック基材被覆物。
- 請求項1〜5のいずれか記載の組成物を、プラスチック基材を被覆する金属膜の表面の少なくとも一部に塗布し活性エネルギー線を照射して硬化させることを特徴とするプラスチック基材被覆物の製造方法。
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