JP4611134B2 - 感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
すなわち本発明は、数平均分子量が500〜3,000であり、アクリロイル基およびカルボキシル基を有する親水性ポリマー(A)、数平均分子量が3,000を超え100,000以下であり、カルボキシル基を有する親水性ポリマー(E)、多官能アクリレートモノマー(B)並びに光重合開始剤(C)を含有するアルカリ現像可能な感光性樹脂組成物であって、全てのアクリロイル基の濃度が感光性樹脂組成物の固形分の重量に基づいて6.0mmol/g以上、かつ該親水性ポリマー(A)中のアクリロイル基の濃度が該(A)の重量に基づき1.0mmol/g以上であり、さらに、酸価が該(A)の重量に基づき10〜500mgKOH/gである感光性樹脂組成物;及び該感光性樹脂組成物からなるフォトソルダーレジストである。
・現像性に優れる。
・硬化性に優れる。
・タック性に優れる。
アクリロイル基に類似の二重結合を有する官能基としては、ビニル基、メタアクリロイル基、ビニルオキシ基、ビニルオキシカルボニル基、(メタ)アリルオキシ基、および(メタ)アリルオキシカルボニル基等が例示されるが、これらの二重結合の場合は光照射時の反応性が乏しく、得られる硬化物の硬度が不十分であり、本発明の目的とする物性が発現できない。
(A)のHLB値は、(A)の樹脂骨格によって好ましい範囲が異なるが、好ましくは4〜19、さらに好ましくは5〜18、特に好ましくは6〜17である。4以上であればフォトソルダーレジストの現像を行う際に、現像性がさらに良好であり、19以下であれば硬化物の耐水性がさらに良好である。なお、本発明におけるHLBは、小田法によるHLB値であり、親水性−疎水性バランス値のことであり、有機化合物の有機性の値と無機性の値との比率から計算することができる。
HLB≒10×無機性/有機性
また、無機性の値及び有機性の値は、文献「界面活性剤の合成とその応用」(槇書店発行、小田、寺村著)の501頁;または、「新・界面活性剤入門」(藤本武彦著、三洋化成工業株式会社発行)の198頁に詳しく記載されている。
また、(A)の溶解度パラメーター(以下、SP値という。)は、好ましくは7〜14、さら好ましくは8〜13、特に好ましくは11〜13である。7以上であるとさらに現像性が良好に発揮でき、14以下であると硬化物の耐水性がさらに良好である。
「POLYMER ENGINEERING AND FEBRUARY,1974,Vol.14,No.2,ROBERT F.FEDORS.(151〜153頁)」
SP値が近いもの同士はお互いに混ざりやすく(分散性が高い)、この数値が離れているものは混ざりにくいことを表す指標である。
アクリロイル基濃度が1.0mmol/g以上であると硬度向上の効果がさらに良好に発現し、また、10.0mmol/g以下であれば現像性がさらに良好に発揮できる。
(A)の酸価は、10mgKOH/g以上であると、現像性がさらに良好に発揮されやすく、500mgKOH/g以下であれば硬化物の耐水性がさらに良好に発揮できる。
(i)試料約1gを精秤して三角フラスコに入れ、続いてアセトン約10mlを加え溶解する。
(ii)モルホリン標準液[モルホリンとメタノールを1:4(容量比)で混合したもの]10mlを加え、さらに50%酢酸標準液[酢酸とイオン交換水を1:1(容量比)で混合したもの]1.5mlを加えてよく振とうした後、室温で15分間放置する。
(iii)アセトニトリル15ml及び無水酢酸10mlを上記三角フラスコに加えよく振とうする。
(iv)記録式自動滴定装置を用いて、0.5mol/Lの塩酸・メタノール滴定用溶液を用いて滴定する。(v)同時に空試験を実施し、下式にて決定する。
二重結合濃度(mmol/g) = f × (A−B) / 2S
ただし、A:試料の滴定に要した0.5mol/L塩酸・メタノール滴定用溶液のm L数。
B:空試験に要した0.5mol/L塩酸・メタノール滴定用溶液のmL数。
f:0.5mol/L塩酸・メタノール滴定用溶液の力価。
S:試料採取量(g)
方法は以下の通りである。
(i)試料約1gを精秤して三角フラスコに入れ、続いて中性メタノール・アセトン溶液[アセトンとメタノールを1:1(容量比)で混合したもの]を加え溶解する。
(ii)フェノールフタレイン指示薬数滴を加え、0.1mol/L水酸化カリウム滴定用溶液で滴定する。指示薬の微紅色が30sec続いたときを中和の終点とする。
(iii)次式を用いて決定する。
酸価(KOHmg/g)=(A×f×5.61)/S
ただし、A:0.1mol/L水酸化カリウム滴定用溶液のmL数。
f:0.1mol/L水酸化カリウム滴定用溶液の力価
S:試料採取(g)
これらのうち、得られる硬化物の硬度の観点と、製造のし易さの観点から、好ましいのは(A1)および(A2)である。
(a)のうち好ましいのは親水性の観点から不飽和モノカルボン酸、さらに好ましいのは(メタ)アクリル酸である。
(b1)水酸基含有ビニルモノマー;
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート[2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなど]、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート[ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなど]、アルキロール(メタ)アクリルアミド[N−メチロール(メタ)アクリルアミドなど]、ヒドロキシスチレンおよび2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテルなどが挙げられる。
(b2)1級もしくは2級アミノ基含有ビニルモノマー;
1級アミノ基含有ビニルモノマー[アミノエチル(メタ)アクリレートおよびアリルアミンなど]および2級アミノ基含有ビニルモノマー[モノメチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよびモノエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなど]が挙げられる。
(b)のうち好ましいのは親水性の観点から(b1)、さらに好ましいのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、特に2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートである。
その他のビニルモノマー(c)としては、以下の非イオン性のモノマー(c1)〜(c6)、アニオン性のモノマー(c7)およびカチオン性のモノマー(c8)が挙げられる。
(c1)(メタ)アクリル酸エステル;
アルキル基の炭素数1〜20のアルキル(メタ)アクリレート[例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレートおよび2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなど];脂環基含有(メタ)アクリレート[ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、シジクロペンテニル(メタ)アクリレートおよびイソボルニル(メタ)アクリレートなど];アルコキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート[メトキシポリエチレングリコール(重合度2〜40)モノ(メタ)アクリレートおよびメトキシポリプロピレングリコール(重合度2〜30)モノ(メタ)アクリレートなど];および
3級アミノ基含有(メタ)アクリレート[ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよびジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート];などが挙げられる。
スチレン骨格を有する炭化水素系モノマー[例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレンおよびベンジルスチレン]およびビニルナフタレンなどが挙げられる。
(c3)カルボン酸ビニルエステル;
炭素数4〜50のもの、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルおよび酪酸ビニルなどが挙げられる。
(c4)ビニルエーテル系モノマー;
炭素数3〜50(好ましくは6〜20)のもの、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルブチルエーテルなどが挙げられる。
(c5)ビニルケトン系モノマー;
炭素数4〜50のもの、例えば、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトンおよびビニルフェニルケトンなどが挙げられる。
(c6)ハロゲン原子含有モノマー;
炭素数2〜50(好ましくは2〜20)のもの、例えば、塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、クロルスチレンおよびブロムスチレンなどが挙げられる。
(c7)スルホン酸基含有ビニルモノマー;
例えば、ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、α−メチルスチレンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびこれらの塩が挙げられる。塩としてはアルカリ金属(ナトリウムおよびカリウム等)塩、アルカリ土類金属(カルシウムおよびマグネシウム等)塩、第1〜3級アミン塩、アンモニウム塩および第4級アンモニウム塩などが挙げられる。
(c8)第4級アンモニウム塩基含有ビニルモノマー;
炭素数6〜50(好ましくは8〜20)の第3級アミノ基含有ビニルモノマーの4級化物[例えば、メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライドおよびジメチルカーボネート等の4級化剤を用いて4級化したもの、例えば、トリメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの4級物、トリエチルアミノエチル(メタ)アクリレートの4級化物などが挙げられる。
(a)/(b)/(c)の仕込みモル比は上記の観点から、好ましくは10〜80/20〜90/0〜70、さらに好ましくは15〜75/25〜85/0〜60である。
(A10)の数平均分子量(以下、Mnと略記。ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーによる測定値)は、硬化物となったときの硬度と現像性の観点から、通常500〜3,000、好ましくは1,000〜2,800、特に好ましくは1,500〜2,500である。Mwが500以上であると樹脂硬度が充分に発揮でき、また、Mwが3,000以下であれば現像性がさらに良好に発揮できる。
(D4)を使用する場合、その使用量は特に限定されないが、モノマーの合計重量に基づいて通常、1〜400重量%、好ましくは5〜300%(以下において、%は特に限定しない限り重量%を表す)、特に好ましくは10〜200%である。
重合開始剤としては、過酸化物及びアゾ化合物が挙げられる。
過酸化物としては、無機過酸化物(例えば、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムなど)、および有機過酸化物(例えば、過酸化ベンゾイル、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、ラウリルパーオキシドなど)などが挙げられる。アゾ化合物としては、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、アゾビスシアノ吉草酸およびその塩(例えば塩酸塩など)、およびアゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライドなどが挙げられる。好ましいものとしては、アゾ化合物である。重合開始剤の使用量としては、モノマーの合計重量に基づいて、通常、0.0001〜20%が好ましく、さらに好ましくは0.001〜15%、特に好ましくは0.005〜10%である。反応温度および反応時間は、ラジカル重合開始剤の種類により適宜決定される。
なお、(A10)に存在するカルボキシル基を反応性官能基とし、それと反応可能な官能基としての水酸基およびアクリロイル基を有する化合物、例えば、前述の(b1)なども(d)として使用できる。
(d)のうち好ましいのは、(A10)との反応速度の速さの観点から(d1)および(d2)、特に(d1)である。
(d1)としては、2−イソシアナートアルキルアクリレート(例えば、2−イソシアナートエチルアクリレートおよび3−イソシアナートプロピルアクリレートなど)が挙げられる。
(d2)としては、グリシジルアクリレートなどが挙げられる。
また、アクリロイル基1個あたりのMnは、硬化性の観点から好ましくは100〜1,000、さらに好ましくは200〜900である。
前述のように(A)の親水性の指標はHLBにより規定されるが、このうちの(A1)のHLB値は、好ましくは9〜19、さらに好ましくは10〜18、特に好ましくは11〜17である。(A1)のHLBが9以上であれば、現像性がさらに良好に発揮できる。
(A20)のうち好ましいのは硬化性の観点から芳香族エポキシ樹脂である。
アクリロイル基含有モノカルボン酸としては、アクリル酸が挙げられる。
多価カルボン酸および多価カルボン酸無水物(e)としては、前述の(a)のうちの不飽和多価カルボン酸およびそれらの無水物、並びに飽和多価(2〜6価)カルボン酸(例えばシュウ酸、コハク酸、フタル酸、アジピン酸、ドデカン二酸、ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸およびオクタデセニルコハク酸などの脂肪族飽和多価カルボン酸;テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸およびナフタレンテトラカルボン酸などの芳香族多価カルボン酸)およびそれらの無水物(例えば、無水コハク酸、ドデセニル無水コハク酸、ペンタデセニル無水コハク酸およびオクタデセニル無水コハク酸などの脂肪族飽和多価カルボン酸無水物;無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸無水物およびナフタレンテトラカルボン 酸 無水物などの芳香族多価カルボン酸無水物)が挙げられる。好ましいのは、反応性及び現像性の観点から飽和多価カルボン酸無水物である。
(A20)とアクリル酸の反応における反応温度は、特に限定されないが、好ましくは70〜110℃である。また、反応時間は、特に限定されないが、好ましくは5〜30時間である。また、必要により触媒(例えば、トリフェニルホスフィンなど)およびラジカル重合禁止剤(ヒドロキノン、p−メトキシフェノールなど)を用いてもよい。
また、(A20)のアクリル酸付加物の重量に対する、(e)の仕込み当量は、(A2)の酸価が、好ましくは10〜500mgKOH/gとなるような(e)の仕込み当量であり、例えば、(e)が2価カルボン酸もしくはその無水物である場合、(e)の仕込み当量/(A20)のアクリル酸付加物の重量は、上記の観点から、好ましくは0.18〜8.9ミリ当量/g、さらに好ましくは0.53〜7.1ミリ当量/gである。
(A20)のアクリル酸付加物と(e)との反応における反応温度は、特に限定されないが、好ましくは70〜110℃である。また、反応時間は、特に限定されないが、好ましくは3〜10時間である。
また、アクリロイル基1個あたりのMnは、硬化性の観点から好ましくは100〜1,000、さらに好ましくは200〜900である。
(A2)のHLB値は、好ましくは4〜14、さらに好ましくは5〜13、特に好ましくは6〜12である。(A2)のHLBが4以上であれば、現像性がさらに良好に発揮できる。
10%以上であればさらに良好に現像性を発揮でき、50%以下であれば硬化物の硬度がさらに良好になる。
なお、本明細書において「固形分」とは当該組成物から溶剤を除いた成分を意味する。
また、(E)のSP値は、好ましくは7〜14、さら好ましくは8〜13、特に好ましくは11〜13である。7以上であるとさらに現像性が良好に発揮できる傾向があり、14以下であると硬化物の吸水による樹脂硬度の低下が起こりにくい。
これらのうち、得られる硬化物の硬度の観点と、製造のし易さの観点から、好ましいのは(E1)である。
(E1)のMnは、硬化物となったときの硬度と現像性の観点から、通常3,000を超え100,000以下、好ましくは3,500〜80,000、さらに好ましくは4,000〜50,000である。Mnが3,000を超えると樹脂硬度が充分に発揮でき、また、Mnが100,000以下であれば現像性が良好に発揮できる。
(D4)を使用する場合、その使用量は特に限定されないが、モノマーの合計重量に基づいて通常、1〜400重量%、好ましくは5〜300%(以下において、%は特に限定しない限り重量%を表す)、特に好ましくは10〜200%である。
重合開始剤としては、前述と同様の過酸化物及びアゾ化合物が挙げられ、好ましいものとしては、アゾ化合物である。重合開始剤の使用量としては、モノマーの合計重量に基づいて、通常、0.0001〜20%が好ましく、さらに好ましくは0.001〜15%、特に好ましくは0.005〜10%である。反応温度および反応時間は、ラジカル重合開始剤の種類により適宜決定される。
(E)の含有量は、(Q)の固形分の重量に基づいて現像速度の観点から、好ましくは0.1〜20%、さらに好ましくは3〜10%である。
(B)中の(B4)の含有量は好ましくは50%以下、さらに好ましくは30%以下である。
(D)としては、無機微粒子(D1)、増感剤(D2)、重合禁止剤(D3)、溶剤(D4)、顔料(D5)並びにその他の添加剤(D6)(例えば、化学めっき抑制剤、シランカップリング剤、レベリング剤、染料、蛍光増白剤、黄変防止剤、酸化防止剤、消泡剤、消臭剤、芳香剤、殺菌剤、防菌剤及び防かび剤等)が挙げられる。
(D11)としては、公知のもの、例えば、酸化チタン、酸化ケイ素および酸化アルミニウム等が挙げられる。
(D12)としては、公知のもの、例えば、炭酸カルシウムおよび硫酸バリウム等が挙げられる。
これらのうちで、耐熱性および耐薬品性の観点から、(D11)が好ましく、さらに好ましくは、酸化ケイ素および酸化チタン、特に酸化ケイ素が好ましい。
(D1)は、体積平均粒子径が好ましくは1〜5,000nm、さらに好ましくは10〜30,000nm、特に好ましくは100〜2,000nmのものである。
体積平均粒子径の測定は、例えばトルエンを溶媒にしてレーザー散乱式粒度分布測定装置LA−920(堀場製作所(株)製)で行うことができる。
上記のようにして得られる本発明の感光性樹脂組成物(Q)は、(Q)の固形分の重量に基づくアクリロイル基濃度が、硬度の観点から6.0mmol/g以上であることが好ましく、さらに好ましくは6.0〜10.0mmol/g、特に好ましくは7.3〜9.0mmol/gである。
また(Q)は、通常、室温で液状であり、その粘度は、25℃で0.1mPa・s〜10,000mPa・s、好ましくは1mPa・s〜8,000mPa・sである。なお、当該粘度は、BL型粘度計で測定することができる。
本発明のフォトソルダーレジストは、種々のプリント配線板用銅張り積層板、アルミ板等の金属板及び銅箔のないプラスティック板、(紙基材フェノール樹脂積層板、ガラス布基材ポリエステル樹脂積層板、ガラス布基材エポキシ樹脂積層板、ポリサルフォン樹脂積層板、ポリエーテルサルフォン樹脂積層板、ポリエーテルイミド樹脂積層板、ガラス布基材テフロン樹脂積層板、ポリイミド樹脂積層板等)に適用可能である。
界面活性剤は通常0.01〜2%、好ましくは0.05〜1%の濃度で使用される。
無機酸としてはほう酸、燐酸、塩酸、硫酸等、有機酸としては酢酸、蟻酸、酒石酸、ヒドロキシ酢酸等が挙げられる。
無機酸、有機酸は通常0.1〜10%、好ましくは0.5〜5%の濃度で使用される。
アルコール系有機溶剤は通常10〜100%、好ましくは20〜50%の濃度で使用される。
本発明の感光性樹脂組成物は、フォトソルダーレジスト以外に、液晶ディスプレイ基板用フォトレジスト、プリント配線基板用エッチングレジスト、プリント配線基板用メッキレジストなどの用途にも使用できる。
以下、実施例を以て本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。以下、部は重量部を意味する。
[親水性ポリマーの調製]
<製造例1>
加熱冷却・撹拌装置、環流冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えたガラス製コルベンに、イソボルニルメタクリレート30部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート50部、メタクリル酸20部、およびシクロヘキサノン150部を仕込み、80℃まで加熱した。系内の気相部分を窒素で置換したのち、あらかじめ作成しておいたアゾビスイソブチロニトリル(V−60:和光純薬製、以下AIBNと称す)30部をシクロヘキサノン50部に溶解した溶液55部を、80℃のコルベン中に10分間で滴下し、さらに同温度で3時間反応させた。その後、シクロヘキサノンで樹脂濃度が25重量%となるように希釈し、60℃に温調した。このポリマー溶液に、イソシアナトエチルアクリレート(昭和電工■製、以下AOIと称す)22.5部、シクロヘキサノン70部、ジブチルスズジラウレ
ート1.1部、およびヒドロキノン1.1部を仕込み、60℃で2時間反応させ、アクリロイル基とカルボキシル基を有する親水性ポリマー(A−1:Mn:2,300、SP値:11.86、HLB値:11.98、酸価:102mgKOH/g、アクリロイル基濃度:1.25mmol/g)のシクロヘキサノン溶液を得た(固形分含量は25%)。
なお、MnはGPC測定機器(HLC−8120GPC、東ソー(株)製)、カラム(TSKgel GMHXL2本+TSKgel Multipore HXL−M、東ソー(株)製)を用い、GPC法により測定されるポリスチレン換算の値として求めた。また、SP値、HLB値、酸価、アクリロイル基濃度は、前述のようにして求めた。以下の製造例および比較例についても同様の測定法である。
製造例1と同様のコルベンに、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂EOCN―1020(日本化薬製 エポキシ当量200)200部とプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート245部を仕込み、110℃まで加熱して均一に溶解させた。続いて、アクリル酸76部、トリフェニルホスフィン2部、およびp−メトキシフェノール 0.2部を仕込み、110℃にて10時間反応させた。反応物にさらにテトラヒドロ無水フタル酸91部を仕込み、さらに90℃5時間反応させ、アクリロイル基とカルボキシル基を有する親水性ポリマー(A−2:Mn:2,200、SP値:11.26、HLB値:6.42、酸価:91mgKOH/g、アクリロイル基濃度:2.86mmol/g)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た(固形分含量は60%)。
製造例1と同様のコルベンに、フェノールノボラック型エポキシ樹脂EPPN―201(日本化薬製 エポキシ当量190)190部とプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート238部を仕込み、110℃まで加熱して均一溶解させた。続いて、アクリル酸76部、トリフェニルホスフィン2部、およびp−メトキシフェノール0.2部を仕込み、110℃にて10時間反応させた。反応物にさらにテトラヒドロ無水フタル酸91部を仕込み、さらに90℃5時間反応させ、アクリロイル基とカルボキシル基を有する親水性ポリマー(A−3:Mn:2,300、SP値:11.91、HLB値:6.81、酸価:94mgKOH/g、アクリロイル基濃度:2.94mmol/g)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た(固形分含量は60%)。
製造例1と同様のコルベンに、イソボルニルメタクリレート30部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート50部、メタクリル酸20部、およびシクロヘキサノン150部を仕込み、80℃まで加熱した。系内の気相部分を窒素で置換したのち、あらかじめ作成しておいたアゾビスイソブチロニトリル(V−60:和光純薬製、以下AIBNと称す)5部をシクロヘキサノン50部に溶解した溶液55部を、80℃のコルベン中に10分間で滴下し、さらに同温度で3時間反応させた。その後、シクロヘキサノンで樹脂濃度が25重量%となるように希釈し、60℃に温調し、カルボキシル基を有する親水性ポリマー(E−1:Mn:21,000、SP値:12.24、HLB値:12.38、酸価:138mgKOH/g)のシクロヘキサノン溶液を得た(固形分含量は25%)。
製造例1のイソシアナトエチルアクリレートをイソシアナトエチルメタクリレートに置き換えた以外は同様にして、比較のための親水性ポリマー(A’−1:Mn:2,300、SP値:11.82、HLB値:11.87、酸価:102mgKOH/g、アクリロイル基濃度:0mmol/g)のシクロヘキサノン溶液を得た(固形分含量は25%)。
製造例1のイソボルニルメタクリレートの仕込み量を30部から50部へ変更し、2−ヒドロキシエチルメタクリレート50部、メタクリル酸の使用量を0部にした以外は同様にして、比較のための親水性ポリマー(A’−2:Mn:2,100、SP値:11.24、HLB値:8.03、酸価:0mgKOH/g、アクリロイル基濃度:0mmol/g)のシクロヘキサノン溶液を得た(固形分含量は25%)。
[フォトソルダーレジストの調製]
表1に示した配合部数に従い、ガラス製の容器に(A−1)の溶液〜(A−3)の溶液、(A'−1)の溶液および(A'−2)の溶液から選ばれる1種を仕込み、さらに(B−1)と(C−1)、並びに(E−1)の溶液を仕込み、均一になるまで攪拌し、さらに添加剤を添加して三本ロールミルにより混練してフォトソルダーレジストを調製した。
なお、(Q)のアクリロイル基濃度は表1に示す。当該濃度は前述のようにして求めた。また、表1中の各記号は以下のものを示す。
:ネオマーDA-600(ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトー ルヘキサアクリレートの混合物 :三洋化成工業(株)製)
C−1(光重合開始剤)
:イルガキュア907(2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパ ン-1-オン:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
D1−1(無機微粒子)
:硫酸バリウム
D4−1(溶剤)
:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
(1)現像性 ・・・フォトソルダーレジストを、パターン形成された銅箔基板上に全面塗布し、80℃で90分間、塗膜の乾燥を行い、1%炭酸ナトリウム水溶液でのスプレー現像による現像性を評価した。
◎:目視により残留物無し。
○:目視により残留物わずかにあり。
△:目視により残留物が多い。
×:目視によりパターン形成できていない。
◎:塗膜表面にフィルム張り付き痕がない。
○:わずかに塗膜表面にフィルム張り付き痕がある。
△:全面にフィルム張り付き痕がある。
×:フィルムに塗膜が転写している。
(B)はんだ耐熱性・・硬化塗膜を有する評価基板をJIS C 6481の試験方法に従って、260℃の半田漕に30秒浸漬後セロハンテープによるピーリング試験を1サイクルとし、計1〜3サイクルを行った後の塗膜状態を観察し、耐熱性を評価した。
◎:3サイクル後も塗膜に変化がない。
○:3サイクル後に僅かに変化している。
△:2サイクル後に変化している。
×:1サイクル後に剥離を生じている。
◎:全く変化が認められない。
○:ほんの僅かに変化した。
△:顕著に変化した。
×:塗膜が膨潤して剥離した。
◎:全く変化が認められない。
○:ほんの僅かに変化した。
△:顕著に変化した。
×:塗膜が膨潤して剥離した。
Claims (5)
- 数平均分子量が500〜3,000であり、アクリロイル基およびカルボキシル基を有する親水性ポリマー(A)、数平均分子量が3,000を超え100,000以下であり、カルボキシル基を有する親水性ポリマー(E)、多官能アクリレートモノマー(B)並びに光重合開始剤(C)を含有するアルカリ現像可能な感光性樹脂組成物であって、全てのアクリロイル基の濃度が感光性樹脂組成物の固形分の重量に基づいて6.0mmol/g以上、かつ該親水性ポリマー(A)中のアクリロイル基の濃度が該(A)の重量に基づき1.0mmol/g以上であり、さらに、酸価が該(A)の重量に基づき10〜500mgKOH/gである感光性樹脂組成物。
- 親水性ポリマー(A)が、エポキシ樹脂(A20)のエポキシ基をアクリル酸で開環反応
させたのちに、生成した水酸基と多価カルボン酸もしくはその無水物(e)とを反応させて得られるポリマー(A2)である請求項1記載の感光性樹脂組成物。 - 感光性樹脂組成物の固形分の重量に基づき、無機微粒子(D1)を0〜50重量%含んでなる請求項1または2記載の感光性樹脂組成物。
- 無機微粒子(D1)の体積平均粒子径が1〜200nmである請求項3記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれか記載の感光性樹脂組成物からなるプリント配線板用フォトソルダーレジスト。
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