JP4691416B2 - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は感光性樹脂組成物に関する。詳しくはプリント配線基板用のフォトソルダーレジストに関する。
感光性樹脂組成物は各種の用途に幅広く使用されている。プリント配線基板では、回路の永久保護被膜として感光性樹脂組成物がフォトソルダーレジストとして広く用いられている。フォトソルダーレジストとは回路導体のはんだ付けする部分を除いた全面に被膜が形成されるもので、プリント配線基板に電子部品を配線する際、はんだが不必要な部分に付着するのを防ぐとともに、回路が直接空気に暴露されるのを防止する保護被膜として使用されるものである。現在プリント配線基板用のフォトソルダーレジストとしては高精度化、高密度化、及び環境問題対応の点から、液状のフォトソルダーレジストが広く使用されている。
この液状のフォトソルダーレジストとしては、例えば特許文献−1及び特許文献−2に、ノボラック型エポキシ樹脂のアクリル酸との部分反応物を主成分とするソルダーレジストインク組成物が提案されている。しかしながらこれらの組成物は、露光後の硬化塗膜性能が十分でなく、塗膜形成後にべたつき(タック)が残る等の問題があった。
また特許文献−3にはノボラック型エポキシ樹脂と不飽和モノカルボン酸との付加物と多塩基酸無水物との反応生成物を主成分とする感光性樹脂組成物が提案されており、フォトソルダーレジストとしても使用できることが開示されている。しかしながら、この感光性樹脂組成物は、現像性が十分でなく、また長時間インクを放置すると未露光部に現像むらが発生したりする等の問題があった。
上述の通り、硬化性及び現像性を両立したアルカリ現像可能なフォトソルダーレジストは、まだ得られてはいなかった。
特開昭60−208337号公報 特開昭61−59447号公報 特公平1−54390号公報
本発明は、アルカリ現像性及び硬化塗膜性能に優れた感光性樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、親水性ポリマー(A)、多官能アクリレートモノマー(B)、光重合開始剤(C)、及びシクロデキストリン(D)を含有するアルカリ現像可能な感光性樹脂組成物、及び該感光性樹脂組成物からなるプリント配線板用フォトソルダーレジストである。
本発明の感光性樹脂組成物は、以下の効果を奏する。
・アルカリ現像性に優れる。
・硬化塗膜性能に優れる。
本発明の感光性樹脂組成物は、親水性ポリマー(A)、多官能アクリレートモノマー(B)、光重合開始剤(C)、及び包接能を有するホスト分子(D)(以下、単に(D)と記載する場合がある)を含有することを特徴とするものであり、特に(D)を含有することにより、硬化塗膜性能とアルカリ現像性の両方を兼ね備えた感光性樹脂組成物が得られるものである。
(Q)の固形分の重量に基づく(D)の含有量は、アルカリ現像性と硬化性の両立の観点から0.1〜15重量%が好ましく、さらに好ましくは0.5〜10%(以下において、%は特に限定しない限り重量%を表す)、特に好ましくは2〜5%である。0.1%以上であればアルカリ現像性がさらに良好に発揮でき、15%以下であれば硬化塗膜性能がさらに良好に発揮できる。
なお、本明細書において「固形分」とは当該組成物から溶剤を除いた成分を意味する。
本発明における親水性ポリマー(A)(以下、単に(A)と表記する場合がある)における親水性の指標はHLBにより規定され、一般にこの数値が大きいほど親水性が高いことを示す。
(A)のHLB値は、(A)の樹脂骨格(例えば、ビニル系樹脂、エポキシ系系樹脂、ポリエステル系樹脂など)によって好ましい範囲が異なるが、好ましくは4〜19、さらに好ましくは5〜18、特に好ましくは6〜17である。4以上であればフォトソルダーレジストの現像を行う際に、現像性がさらに良好であり、19以下であれば硬化物の耐水性がさらに良好である。なお、本発明におけるHLBは、小田法によるHLB値であり、親水性−疎水性バランス値のことであり、有機化合物の有機性の値と無機性の値との比率から計算することができる。
HLB≒10×無機性/有機性
また、無機性の値及び有機性の値は、文献「界面活性剤の合成とその応用」(槇書店発行、小田、寺村著)の501頁;または、「新・界面活性剤入門」(藤本武彦著、三洋化成工業株式会社発行)の198頁に詳しく記載されている。
また、(A)の溶解度パラメーター(以下、SP値という。)は、好ましくは7〜14、さら好ましくは8〜13、特に好ましくは11〜13である。7以上であるとさらに現像性が良好に発揮でき、14以下であると硬化物の耐水性がさらに良好である。
本発明におけるSP値は、Fedorsらが提案した下記の文献に記載の方法によって計算されるものである。
「POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE, FEBRUARY,1974,Vol.14,No.2,ROBERT F.FEDORS.(147〜154頁)」
SP値が近いもの同士はお互いに混ざりやすく(分散性が高い)、この数値が離れているものは混ざりにくいことを表す指標である。
(A)は、現像性の観点からカルボキシル基を有することが好ましい。カルボキシル基の含有量は酸価で示される。
(A)の酸価は、10mgKOH/g以上であると、現像性がさらに良好に発揮されやすく、500mgKOH/g以下であれば硬化物の耐水性がさらに良好に発揮できる。
本発明における酸価はアルカリ性滴定溶液を用いた指示薬滴定法により測定できる。
方法は以下の通りである。
(i)試料約1gを精秤して三角フラスコに入れ、続いて中性メタノール・アセトン溶液[アセトンとメタノールを1:1(容量比)で混合したもの]を加え溶解する。
(ii)フェノールフタレイン指示薬数滴を加え、0.1mol/L水酸化カリウム滴定用溶液で滴定する。指示薬の微紅色が30秒続いたときを中和の終点とする。
(iii)次式を用いて決定する。
酸価(KOHmg/g)=(A×f×5.61)/S
ただし、A:0.1mol/L水酸化カリウム滴定用溶液のmL数。
f:0.1mol/L水酸化カリウム滴定用溶液の力価
S:試料採取(g)
(A)としては、親水性ビニル系ポリマー(A1)(以下、単に(A1)と表記する場合がある)、親水性エポキシ系ポリマー(A2)(以下、単に(A2)と表記する場合がある)、親水性ポリエステル樹脂、親水性ポリアミド樹脂、親水性ポリカーボネート樹脂および親水性ポリウレタン樹脂などが挙げられる。(A)は1種で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、得られる硬化物の硬度の観点と、製造のし易さの観点から、好ましいのは(A1)および(A2)である。
(A1)としては、親水基をビニル系ポリマー分子の側鎖および/または末端に有するものが挙げられる。
親水基としては、カルボキシル基、水酸基、スルホン酸基、アミノ基、アミド基、ポリエーテル基およびこれらのうちの2種以上の併用などが挙げられる。
充分な現像性を発揮するためには側鎖に親水基、特にカルボキシル基を有するものが好ましい。
(A1)の好ましい製造方法は、親水基を有するビニルモノマー(a)(以下、単に(a)と表記する場合がある)と、必要により疎水基含有ビニルモノマー(b)(以下、単に(b)と表記する場合がある)とをビニル重合して得られる。
親水基を有するビニルモノマー(a)としては、以下の(a1)〜(a7)のビニルモノマーが挙げられる。
(a1)水酸基含有ビニルモノマー:
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート[2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなど]、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート[ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなど]、アルキロール(メタ)アクリルアミド[N−メチロール(メタ)アクリルアミドなど]、ヒドロキシスチレンおよび2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテルなどが挙げられる。
(a1)のうち好ましいのはアルカリ現像性の観点からヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、特に2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートである。
(a2)カルボキシル基含有ビニルモノマー:
不飽和モノカルボン酸[(メタ)アクリル酸、クロトン酸および桂皮酸など]、不飽和多価(2〜4価)カルボン酸[(無水)マレイン酸、イタコン酸、フマル酸およびシトラコン酸など]、不飽和多価カルボン酸アルキル(炭素数1〜10のアルキル基)エステル[マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステルおよびシトラコン酸モノアルキルエステルなど]、並びにこれらの塩[アルカリ金属塩(ナトリウム塩およびカリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩およびマグネシウム塩等)、アミン塩およびアンモニウム塩等]が挙げられる。
(a2)のうち好ましいのは親水性の観点から不飽和モノカルボン酸、さらに好ましいのは(メタ)アクリル酸である。
(a3)スルホン酸基含有ビニルモノマー:
例えば、ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、α−メチルスチレンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびこれらの塩が挙げられる。塩としてはアルカリ金属(ナトリウムおよびカリウム等)塩、アルカリ土類金属(カルシウムおよびマグネシウム等)塩、第1〜3級アミン塩、アンモニウム塩および第4級アンモニウム塩などが挙げられる。
(a4)アミノ基含有ビニルモノマー:
3級アミノ基含有(メタ)アクリレート[ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよびジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート]などが挙げられる。
(a5)アミド基含有ビニルモノマー:
(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(炭素数1〜6)(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N’−メチレン−ビス(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(炭素数1〜6)またはジアラルキル(炭素数7〜15)(メタ)アクリルアミド(例えば、N,N−ジメチルアクリルアミドおよびN,N−ジベンジルアクリルアミドなど)、メタクリルホルムアミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミド、桂皮酸アミドおよび環状アミド(N−ビニルピロリドン、N−アリルピロリドン等)が挙げられる。
(a6)第4級アンモニウム塩基含有ビニルモノマー;
炭素数6〜50(好ましくは8〜20)の第3級アミノ基含有ビニルモノマーの4級化物(4級化剤としては、メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライドおよびジメチルカーボネート等)、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの4級化物、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートの4級化物、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドの4級化物およびジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドの4級化物などが挙げられる。
(a7)ポリエーテル基含有ビニルモノマー:
アルコキシ(アルコキシ基の炭素数1〜8)ポリアルキレン(アルキレン基の炭素数2〜4)グリコールモノ(メタ)アクリレート[メトキシポリエチレングリコール(重合度2〜40)モノ(メタ)アクリレートおよびメトキシポリプロピレングリコール(重合度2〜30)モノ(メタ)アクリレートなど]などが挙げられる。
(a)のうち好ましいのは、充分な現像性を付与するという観点から(a1)および(a2)、特に(a2)である。
疎水基含有ビニルモノマー(b)としては、以下の非イオン性のモノマー(b1)〜(b6)が挙げられる。
(b1)(メタ)アクリル酸エステル;
アルキル基の炭素数1〜20のアルキル(メタ)アクリレート[例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレートおよび2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなど];脂環基含有(メタ)アクリレート[ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、シジクロペンテニル(メタ)アクリレートおよびイソボルニル(メタ)アクリレートなど];
(b2)芳香族炭化水素モノマー;
スチレン骨格を有する炭化水素モノマー[例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレンおよびベンジルスチレン]およびビニルナフタレンなどが挙げられる。
(b3)カルボン酸ビニルエステル;
炭素数4〜50のもの、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルおよび酪酸ビニルなどが挙げられる。
(b4)ビニルエーテル系モノマー;
炭素数3〜50(好ましくは6〜20)のもの、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルブチルエーテルなどが挙げられる。
(b5)ビニルケトン系モノマー;
炭素数4〜50のもの、例えば、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトンおよびビニルフェニルケトンなどが挙げられる。
(b6)ハロゲン原子含有モノマー;
炭素数2〜50(好ましくは2〜20)のもの、例えば、塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、クロルスチレンおよびブロムスチレンなどが挙げられる。
(b)のうち好ましいのは、硬化性の観点から(b1)、さらに好ましいのは脂環基含有(メタ)アクリレートである。
(A1)における、(a)/(b)の仕込みモノマーモル比は、通常10〜100/0〜90、硬化性と現像性の観点から、好ましくは10〜80/20〜90、さらに好ましくは25〜85/15〜75である。
(A1)は、上記の(a)および必要により(b)を構成単量体とする重合体に、さらに
硬化性を向上させる目的で(メタ)アクリロイル基を側鎖に含有させてもよい。
側鎖に(メタ)アクリロイル基を含有させる方法としては、例えば下記の(1)および(2)の方法が挙げられる。
(1);(a)のうちの少なくとも一部にイソシアネート基と反応しうる基(水酸基または1級もしくは2級アミノ基など)を有するモノマーを使用して重合体を製造し、その後(メタ)アクリロイル基とイソシアネート基を有する化合物(アクリロイルエチルイソシアネートなど)を反応させる方法、
(2);(a)のうちの少なくとも一部にエポキシ基と反応しうる基(水酸基、カルボキシル基または1級もしくは2級アミノ基など)を有するモノマーを使用して重合体を製造し、その後(メタ)アクリロイル基とエポキシ基を有する化合物(グリシジルアクリレートなど)を反応させる方法。
(A1)の数平均分子量(以下、Mnと略記。ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーによる測定値)は、硬化物となったときの硬度と現像性の観点から、好ましくは500〜500,000、さらに好ましくは1,000〜100,000、特に好ましくは3,000〜20,000である。
(A1)は、モノマーを必要により溶剤(E4)(以下、単に(E4)と表記する場合がある)で希釈した後、ラジカル重合開始剤によって重合を行う事で得ることが出来る。溶剤(E4)としては、グリコールエーテル類(エチレングリコールモノアルキルエーテルおよびプロピレングリコールモノアルキルエーテルなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソフ゛チルケトンおよびシクロヘキサノンなど)、およびエステル類(ブチルアセテート、エチレングリコールアルキルエーテルアセテートおよびプロピレングリコールアルキルエーテルアセテートなど)が挙げられる。(E4)のうち好ましいのはケトン類およびエステル類である。
(E4)を使用する場合、その使用量は特に限定されないが、モノマーの合計重量に基づいて通常、1〜400%、好ましくは5〜300%、特に好ましくは10〜200%である。
重合開始剤としては、過酸化物及びアゾ化合物が挙げられる。
過酸化物としては、無機過酸化物(例えば、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムなど)、および有機過酸化物(例えば、過酸化ベンゾイル、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、ラウリルパーオキシドなど)などが挙げられる。アゾ化合物としては、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、アゾビスシアノ吉草酸およびその塩(例えば塩酸塩など)、およびアゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライドなどが挙げられる。好ましいものとしては、アゾ化合物である。重合開始剤の使用量としては、モノマーの合計重量に基づいて、通常、0.0001〜20%が好ましく、さらに好ましくは0.001〜15%、特に好ましくは0.005〜10%である。反応温度および反応時間は、ラジカル重合開始剤の種類により適宜決定される。
前述のように(A)の親水性の指標はHLBにより規定されるが、このうちの(A1)のHLB値は、好ましくは9〜19、さらに好ましくは10〜18、特に好ましくは11〜17である。(A1)のHLBが9以上であれば、現像性がさらに良好に発揮できる。
本発明における(A)のうちのエポキシ系ポリマー(A2)(以下、単に(A2)と表記する場合がある)は、水酸基又はカルボキシル基等の親水性を有する官能基を含むエポキシ樹脂骨格を有するポリマーである。
(A2)の好ましい製造法は、エポキシ樹脂(A20)(以下、単に(A20)と表記する場合がある)中のエポキシ基に、アクリロイル基含有モノカルボン酸を反応させてエポキシ基を開環させて水酸基を生成させ、該水酸基の一部に多価カルボン酸もしくはその多価カルボン酸無水物(e)(以下、単に(e)と表記する場合がある)を反応させる方法である。
(A20)としては、脂肪族エポキシ樹脂[例えばエポトートYH−300、PG−202、PG−207(いずれも東都化成社製)など]や脂環式エポキシ樹脂[例えばCY−179、CY−177、CY−175(いずれも旭化成エポキシ社製)など]や芳香族エポキシ樹脂[例えば、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビフェニール型エポキシ樹脂おおびグリシジル変性ポリビニルフェノールなど]が挙げられる。
(A20)のうち好ましいのは硬化性の観点から芳香族エポキシ樹脂である。
アクリロイル基含有モノカルボン酸としては、アクリル酸が挙げられる。
多価カルボン酸および多価カルボン酸無水物(e)としては、前述の(a)のうちの不飽和多価カルボン酸およびそれらの無水物、並びに飽和多価(2〜6価)カルボン酸(例えばシュウ酸、コハク酸、フタル酸、アジピン酸、ドデカン二酸、ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸およびオクタデセニルコハク酸などの脂肪族飽和多価カルボン酸;テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸およびナフタレンテトラカルボン酸などの芳香族多価カルボン酸)およびそれらの無水物(例えば、無水コハク酸、ドデセニル無水コハク酸、ペンタデセニル無水コハク酸およびオクタデセニル無水コハク酸などの脂肪族飽和多価カルボン酸無水物;無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸無水物およびナフタレンテトラカルボン 酸 無水物などの芳香族多価カルボン酸無水物)が挙げられる。好ましいのは、反応性及び現像性の観点から飽和多価カルボン酸無水物である。
(A2)の製造における、アクリル酸/(A20)の仕込み重量比は、好ましいのは(A2)のアクリロイル基の濃度が1.0mmol/g以上となるようなアクリル酸の仕込み重量比である。アクリル酸/(A20)の重量比は上記の観点から、好ましくは0.072以上/1、さらに好ましくは0.079〜0.72/1である。
(A20)とアクリル酸の反応における反応温度は、特に限定されないが、好ましくは70〜110℃である。また、反応時間は、特に限定されないが、好ましくは5〜30時間である。また、必要により触媒(例えば、トリフェニルホスフィンなど)およびラジカル重合禁止剤(ヒドロキノン、p−メトキシフェノールなど)を用いてもよい。
また、(A20)のアクリル酸付加物の重量に対する、(e)の仕込み当量は、(A2)の酸価が、好ましくは10〜500mgKOH/gとなるような(e)の仕込み当量であり、例えば、(e)が2価カルボン酸もしくはその無水物である場合、(e)の仕込み当量/(A20)のアクリル酸付加物の重量は、上記の観点から、好ましくは0.18〜8.9ミリ当量/g、さらに好ましくは0.53〜7.1ミリ当量/gである。
(A20)のアクリル酸付加物と(e)との反応における反応温度は、特に限定されないが、好ましくは70〜110℃である。また、反応時間は、特に限定されないが、好ましくは3〜10時間である。
(A2)のMnは、硬化物となったときの硬度と現像性の観点から、通常500〜3,000、好ましくは1,000〜2,800、特に好ましくは1,500〜2,500である。
(A2)のHLB値は、好ましくは4〜14、さらに好ましくは5〜13、特に好ましくは6〜12である。(A2)のHLBが4以上であれば、現像性がさらに良好に発揮できる。
本発明の感光性樹脂組成物(Q)は、(Q)の固形分に基づいて、(A)を好ましくは10〜50%、さらに好ましくは15〜45%、特に好ましくは20〜40%含有する。
10%以上であればさらに良好に現像性を発揮でき、50%以下であれば硬化物の硬度がさらに良好になる。
本発明において、(Q)中の1つの成分として用いられる多官能アクリレートモノマー(B)(以下、単に(B)と表記する場合がある)としては、通常の多官能アクリレートモノマーであれば、とくに限定されずに用いられ、2官能アクリレート(B1)、3官能アクリレート(B2)および4〜6官能アクリレート(B3)が挙げられる。(B)は1種で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
2官能アクリレート(B1)としては、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、グリセリンジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物のジアクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物のジアクリレート、トリメチロールプロパンアクリル酸安息香酸エステル、ビスフェノールAジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、2−アクリロイロキシエチルアシッドホスフェート等が例示される。
3官能アクリレート(B2)としては、グリセリントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパンのエチレンオキサイド付加物のトリアクリレート等が例示される。
4〜6官能アクリレート(B3)としては、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が例示される。
これらのうち好ましいものは、(B2)及び(B3)、最も好ましいものは硬化性の観点からジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートおよびこれらの併用である。市場から容易に入手できる(B)としては、例えば、アロニックスM−101、M−208、M−240、M−305、M−400(以上、東亞合成製)等が挙げられる。
また、本発明における(B)には、その一部に感光性アクリルオリゴマー(B4)を含んでいてもよい。(B4)としては、Mnが1,000以下であって、カルボキシル基を含有せず、1分子中に2個以上のアクリロイル基を有するウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレートおよびポリエーテルアクリレートなどが挙げられる。
(B)中の(B4)の含有量は好ましくは50%以下、さらに好ましくは30%以下である。
(Q)の固形分の重量に基づく(B)の含有量は、10〜60%が好ましく、さらに好ましくは20〜55%、特に好ましくは25〜50%である。10%以上であれば、硬化物の硬度がさらに好ましくなり、60%以下であれば、さらに現像性が良好になる。
(Q)中の1つの成分として用いられる光重合開始剤(C)(以下、単に(C)と表記する場合がある)としては、光ラジカル重合開始剤が用いられる。例えば、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンゾフェノン、メチルベンゾイルフォーメート、イソプロピルチオキサントン、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、3,3−ジメチル−4−メトキシ−ベンゾフェノン、アントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、tert−ブチルアントラキノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、4−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−クロロチオキサントン、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、ジイソプロピルチオキサントン、ミヒラーズケトン、ベンジル−2,4,6−(トリハロメチル)トリアジン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9ーアクリジニル)ヘプタン、1,5−ビス(9−アクリジニル)ペンタン、1,3−ビス(9−アクリジニル)プロパン、ジメチルベンジルケタール、トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、トリブロモメチルフェニルスルホン及び2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等が挙げられる。(C)は1種で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(C)は、市販のものが容易に入手することができ、例えばイルガキュア907、イルガキュア369(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)等が挙げられる。
(Q)の固形分の重量に基づく(C)の含有量は、0.0001〜20%が好ましく、さらに好ましくは0.001〜15%、特に好ましくは0.005〜10%である。0.0001%以上であれば硬化物の硬度がさらに良好に発揮でき、20%以下であれば現像性がさらに良好に発揮できる。
(Q)は、必要によりさらにその他の成分(E)を含有していてもよい。
(E)としては、無機微粒子(E1)、増感剤(E2)、重合禁止剤(E3)、溶剤(E4)、有機顔料(E5)並びにその他の添加剤(E6)(例えば、化学めっき抑制剤、シランカップリング剤、レベリング剤、染料、蛍光増白剤、黄変防止剤、酸化防止剤、消泡剤、消臭剤、芳香剤、殺菌剤、防菌剤及び防かび剤等)が挙げられる。
無機微粒子(E1)としては、無機質からなる微粒子であれば特に限定せずに使用できる。(E1)の好ましい体積平均粒子径は1〜5,000nmである。
体積平均粒子径は、その添加目的に依って、さらに好ましい範囲が異なり、硬化物の硬度を向上させる目的の場合は、さらに好ましい範囲は1〜300nm、特に好ましい範囲は1〜100nmであり、顔料として添加する場合は、さらに好ましい範囲は100〜5,000nm、特に好ましい範囲は200〜5,000nmである。
体積平均粒子径の測定は、例えばトルエンを溶媒にしてレーザー散乱式粒度分布測定装置LA−920(堀場製作所(株)製)で行うことができる。
(E1)としては、金属酸化物(E11)、金属塩(E12)、その他の無機物(E13)およびこれらの併用が挙げられる。
(E11)としては、例えば、酸化チタン、酸化ケイ素および酸化アルミニウム等が挙げられる。
(E12)としては、例えば、アルカリ土類金属炭酸塩(炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウムなど)およびアルカリ土類金属硫酸塩(硫酸カルシウム、硫酸バリウムなど)等が挙げられる。
(E13)としては、マイカ、カオリン、タルク、ケイ酸アルミ、クレーなどが挙げられる。
(E1)のうち好ましいのは、硬化物の硬度向上の場合は(E11)、特に耐熱性および耐薬品性の観点から微粒子状(例えば、体積平均粒子径が1〜100nm)の酸化ケイ素であり、顔料として使用する場合は(E12)のうちのアルカリ土類金属硫酸塩(特に硫酸バリウム)および(E13)のうちのタルクである。
(Q)の固形分の重量に基づく(E1)の含有量は、通常50%以下、好ましくは0.5〜50%である。、さらに好ましくは1〜45%、特に好ましくは2〜40%である。
(E1)の含有量は、その添加目的に依って、さらに好ましい範囲が異なり、硬化物の硬度を向上させる目的の場合のさらに好ましい範囲は0.5〜20%、特に好ましい範囲は0.5〜10%であり、顔料として添加する場合のさらに好ましい範囲は1〜45%、特に好ましい範囲は2〜40%である。
増感剤(E2)としては、ニトロ化合物(例えば、アントラキノン、1,2−ナフトキノン、1,4−ナフトキノン,ベンズアントロン、p,p’−テトラメチルジアミノベンゾフェノン、クロラニル等のカルボニル化合物、ニトロベンゼン、p−ジニトロベンゼン及び2−ニトロフルオレン等)、芳香族炭化水素(例えば、アントラセン及びクリセン等)、硫黄化合物(例えば、ジフェニルジスルフィド等)及び窒素化合物(例えば、ニトロアニリン、2−クロロ−4−ニトロアニリン、5−ニトロ−2−アミノトルエン及びテトラシアノエチレン等)等が用いられる。
光重合開始剤(C)の重量に対する増感剤(E2)の使用量は、通常100%以下、好ましくは0.5〜80%、特に好ましくは1〜70%である。
重合禁止剤(E3)としては、特に限定はなく、通常の反応に使用するものが用いられる。具体的には、ジフェニルヒドラジル、トリ−p−ニトルフェニルメチル、N−(3−N−オキシアニリノ−1,3−ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、p−ベンゾキノン、p−tert−ブチルカテコール、ニトロベンゼン、ピクリン酸、ジチオベンゾイルジスルフィド及び塩化銅(II)等が挙げられる。
(Q)の固形分の重量に基づく重合禁止剤(E3)の含有量は、1.0%以下が好ましく、さらに好ましくは0.01〜0.5%、特に好ましくは0.02〜0.1%である。
溶剤(E4)としては、上述の(A1)の製造に使用される溶剤(D4)と同様のものを使用できる。溶剤(E4)を使用する場合、その使用量は、特に限定されないが、(Q)の固形分の重量に対して、5〜500%が好ましく、さらに好ましくは7.5〜100%、特に好ましくは10〜50%である。
有機顔料(E5)としては通常のものが使用可能であり、例えば、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、カーボンブラックなどが挙げられ、これらを単独または混合して用いることができる。
(Q)の固形分の重量に対する(E5)の使用量は、通常5%以下、好ましくは0.5〜3%である。
化学めっき抑制剤としては通常のものが使用可能であり、例えば、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、アジミドトルエン、チオ尿素、メルカプトベンゾチアゾールなどが挙げられる。レベリング剤としては通常のものが使用可能であり、例えば、モンサント社製モダフロー等が使用できる。消泡剤としては通常のものが使用可能であり、例えば、シリコーンオイル系消泡剤が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物(Q)は、例えば、プラネタリーミキサーなどの公知の混合装置により、上記の各成分を混合等することにより得ることができる。
上記のようにして得られる本発明の感光性樹脂組成物(Q)は、通常、室温で液状であり、その粘度は、25℃で0.1mPa・s〜10,000mPa・s、好ましくは1mPa・s〜8,000mPa・sである。なお、当該粘度は、BL型粘度計で測定することができる。
本発明における他の実施態様は、上記の感光性樹脂組成物(Q)からなるプリント配線板用フォトソルダーレジストである。
本発明のフォトソルダーレジストは、種々のプリント配線板用銅張り積層板、アルミ板等の金属板及び銅箔のないプラスティック板、(紙基材フェノール樹脂積層板、ガラス布基材ポリエステル樹脂積層板、ガラス布基材エポキシ樹脂積層板、ポリサルフォン樹脂積層板、ポリエーテルサルフォン樹脂積層板、ポリエーテルイミド樹脂積層板、ガラス布基材テフロン樹脂積層板、ポリイミド樹脂積層板等)に適用可能である。
フォトソルダーレジストの膜厚としては、通常0.5〜500μm、好ましくは5〜100μmである。
フォトソルダーレジストの適用方法としては、スクリーン印刷機、ロールコーター、カーテンコーターなどで塗布 する方法、スプレー、刷毛、ヘラ等で塗る方法、及び浸漬する方法が挙げられる。
現像液としては、通常はアルカリ性溶液を使用する。
アルカリ性溶液に含まれるアルカリ性成分としては、アルカリ金属(ナトリウム、カリウムおよびリチウムなど)水酸化物および炭酸塩、アルカリ土類金属(カルシウムおよびマグネシウムなど)水酸化物、並びにアミン類(1級アミン、2級アミン、3級アミンおよび4級アンモニウム塩など)などが挙げられる。 アルカリ性溶液のpHは通常7.1〜12である。
アルカリ性溶液におけるアルカリ性成分の濃度は、通常0.001〜30%である。
アルカリ性溶液における溶剤としては、水、親水性アルコール系有機溶剤、およびこれらの混合溶剤が挙げられる。
水としては、通常の工業用水、上水またはイオン交換水が使用できる。
親水性アルコール系有機溶剤としては、脂肪族アルコールとしてメタノール、エタノール、n−プロパノール、i-プロパノール、n−ブタノール等)、セロソルブとしてメチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等、カービトールとしてメチルカービトール、エチルカービトール等が使用できる。
混合溶剤の場合の、水/親水性アルコール系有機溶剤の比率は、特に限定されないが、好ましくは10〜100%/0〜90%、さらに好ましくは50〜80%/20〜50%である。
現像液には、さらに、界面活性剤および少量の酸成分(有機酸又は無機酸)などが含まれていてもよい。
界面活性剤としては通常のカチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤が使用可能である。界面活性剤は、現像液中の濃度が通常0.01〜2%、好ましくは0.05〜1%の濃度で使用される。
無機酸としてはほう酸、燐酸、塩酸、硫酸等、有機酸としては酢酸、蟻酸、酒石酸、ヒドロキシ酢酸等が挙げられる。
無機酸、有機酸は、現像液中の濃度が、アルカリ性成分の当量よりも少ない当量であって、かつ、0〜10%、好ましくは0.5〜5%の濃度で使用される。
現像方法としてはシャワー、スプレー、浸漬等の方法が挙げられる。これらのうち好ましくは、スプレーである。
硬化方法は、通常、光または電子線照射による方法が挙げられるが、さらに熱硬化を併用してもよい。好ましくは光照射により硬化したのちに熱硬化するという二つの方法の併用がよい。
光による硬化には、次のような照射光源が適当である。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハロゲンランプ、電子線照射装置、X線照射装置、レーザー(アルゴンレーザー、色素レーザー、窒素レーザー、ヘリウムカドミウムレーザー等)等がある。これらのうち、好ましくは高圧水銀灯及び超高圧水銀灯である。
加熱装置としては、通常の循風乾燥器、電気炉、ガス炉、遠赤外炉等が使用できる。
加熱硬化温度は通常150℃以上、好ましくは180℃〜250℃である。硬化時間は、10分〜120分、好ましくは45分〜90分である。
本発明の感光性樹脂組成物は、フォトソルダーレジスト以外に、液晶ディスプレイ基板用フォトレジスト、プリント配線基板用エッチングレジスト、プリント配線基板用メッキレジストなどの用途にも使用できる。
[実施例]
以下、実施例を以て本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。以下、部は重量部を意味する。
[親水性ポリマーの調製]
<製造例1>
加熱冷却・撹拌装置、環流冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えたガラス製コルベンに、イソボニルメタクリレート50部(0.22モル部)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート30部(0.23モル部)、メタクリル酸20部(0.23モル部)、およびシクロヘキサノン150部を仕込み、80℃まで加熱した。系内の気相部分を窒素で置換したのち、あらかじめ作成しておいたアゾビスイソブチロニトリル(V−60:和光純薬製、以下AIBNと称す)30部をシクロヘキサノン120部に溶解した溶液150部を、80℃のコルベン中に10分間で滴下し、さらに同温度で3時間反応させ、水酸基とカルボキシル基を有する親水性ポリマー(A−1:Mn:12,000、SP値:11.86、HLB値:11.98、酸価:102mgKOH/g)のシクロヘキサノン溶液を得た(樹脂分含量は25%)。
なお、MnはGPC測定機器(HLC−8120GPC、東ソー(株)製)、カラム(TSKgel GMHXL2本+TSKgel Multipore HXL−M、東ソー(株)製)を用い、GPC法により測定されるポリスチレン換算の値として求めた。また、SP値、HLB値、酸価は、前述のようにして求めた。以下の製造例についても同様の測定法である。
<製造例2>
製造例1と同様のコルベンに、イソボニルメタクリレート60部(0.27モル部)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート20部(0.15モル部)、メタクリル酸20部(0.23モル部)、およびシクロヘキサノン150部を仕込み、80℃まで加熱した。系内の気相部分を窒素で置換したのち、あらかじめ作成しておいたAIBN5部をシクロヘキサノン50部に溶解した溶液55部を、80℃のコルベン中に10分間で滴下し、さらに同温度で3時間反応させた。その後、シクロヘキサノンで樹脂分含量が25%となるように希釈し、60℃に温調し、水酸基とカルボキシル基を有する親水性ポリマー(A−2:Mn:21,000、SP値:12.24、HLB値:12.38、酸価:138mgKOH/g)のシクロヘキサノン溶液を得た(樹脂分含量は25%)。
<製造例3>
製造例1と同様のコルベンに、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂「EOCN―1020」(日本化薬製、エポキシ当量200g/eq)200部とプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート245部を仕込み、110℃まで加熱して均一に溶解させた。続いて、アクリル酸76部(1.07モル部)、トリフェニルホスフィン2部、およびp−メトキシフェノール0.2部を仕込み、110℃にて10時間反応させた。反応物にさらにテトラヒドロ無水フタル酸91部(0.60モル部)を仕込み、90℃5時間反応させ、水酸基とカルボキシル基を有する親水性ポリマー(A−3:Mn:2,200、SP値:11.26、HLB値:6.42、酸価:91mgKOH/g)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た(樹脂分含量は60%)。
<実施例1〜4および比較例1〜3>
[フォトソルダーレジストの調製]
ガラス製の容器に表1に示した材料を配合部数仕込み、均一になるまで攪拌し、さらに添加剤を添加して三本ロールミルにより混練してフォトソルダーレジストを調製した。
なお、表1中の各記号は以下のものを示す。
A−1溶液:親水性ポリマー(製造例1のもの)
A−2溶液:親水性ポリマー(製造例2のもの)
A−3溶液:親水性ポリマー(製造例3のもの)
B−1:(多官能アクリレートモノマー)
「ネオマーDA−600」(ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペン タエリスリトールヘキサアクリレートの混合物:三洋化成工業(株)製)
C−1:(光重合開始剤)
「イルガキュア907」(2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
D−1(包接能を有するホスト分子)
:β−シクロデキストリン (シクロケム社製)
D−2(包接能を有するホスト分子)
:γ−シクロデキストリン (シクロケム社製)
E1−1(無機微粒子)
:硫酸バリウム(体積平均粒子径=500nm)
E4−1(溶剤)
:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
実施例1〜3および比較例1〜2で得られたフォトソルダーレジストを以下の評価方法で評価した。結果を表1に示す。
(1)現像性 ・・・フォトソルダーレジストを、パターン形成された銅箔基板上に全面塗布し、80℃で90分間、塗膜の乾燥を行い、1%炭酸ナトリウム水溶液でのスプレー現像による現像性を評価した。
◎:目視により残留物無し。
○:目視により残留物わずかにあり。
△:目視により残留物が多い。
×:目視によりパターン形成できていない。
(2)塗膜性能・・・フォトソルダーレジストをパターン形成された銅箔基板上に全面塗布し、80℃で20分間乾燥した。次いで、この基板にネガフィルムを密着させ、露光後、1%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理してパターンを形成した。次に、この基板を150℃で60分間熱硬化 して、硬化塗膜を有する評価基板を作製し、塗膜性能を評価した。
(A)硬度・・JIS K−5400 6.14に準拠して測定した。
(B)はんだ耐熱性・・硬化塗膜を有する評価基板をJIS C 6481の試験方法に従って、260℃の半田漕に30秒浸漬後セロハンテープによるピーリング試験を1サイクルとし、計1〜3サイクルを行った後の塗膜状態を観察し、耐熱性を評価した。
◎:3サイクル後も塗膜に変化がない。
○:3サイクル後に僅かに変化している。
△:2サイクル後に変化している。
×:1サイクル後に剥離を生じている。
(C)耐酸性・・硬化塗膜を有する評価基板を10%の硫酸水溶液に常温で30分間浸漬したのち、水洗後、セロハン粘着テープによるピーリング試験を行い、レジスト層の剥がれ、変色について観察し、耐酸性を評価した。
◎:全く変化が認められない。
○:ほんの僅かに変化した。
△:顕著に変化した。
×:塗膜が膨潤して剥離した。
(D)耐溶剤性・・硬化塗膜を有する評価基板を常温の塩化メチレンに30分間浸漬したのち、水洗後、セロハン粘着テープによるピーリング試験を行い、レジスト層の剥がれ、変色について観察し、耐溶剤性を評価した。
◎:全く変化が認められない。
○:ほんの僅かに変化した。
△:顕著に変化した。
×:塗膜が膨潤して剥離した。
Figure 0004691416
表1から判るように、本発明のフォトソルダーレジストを用いることにより、現像性が良好でありかつ硬化塗膜性能(硬度、耐熱性等)に優れたソルダーレジスト皮膜を形成することができる。
本発明によれば、紫外線露光及び希アルカリ水溶液による現像で画像形成可能であって、現像性に優れ、かつ硬度および耐熱性等の硬化塗膜性能が優れたパターンを与えることができる感光性樹脂組成物を提供できるので、プリント配線板製造用ソルダーレジスト、液晶ディスプレイ基板用フォトレジスト、プリント配線基板用エッチングレジスト、プリント配線基板用メッキレジストとして利用することができる。

Claims (5)

  1. 親水性ポリマー(A)、多官能アクリレートモノマー(B)、光重合開始剤(C)及びシクロデキストリン(D)を含有するアルカリ現像可能な感光性樹脂組成物。
  2. シクロデキストリン(D)の含有量が、感光性樹脂組成物の固形分に基づいて0.1〜15重量%である請求項1記載の感光性樹脂組成物。
  3. さらに無機微粒子(E1)を含有し、(E1)の含有量が感光性樹脂組成物の固形分の重量に基づいて0.5〜50重量%請求項1又は2記載の感光性樹脂組成物。
  4. 無機微粒子(E1)の体積平均粒子径が1〜5,000nmである請求項記載の感光性樹脂組成物。
  5. 請求項1〜のいずれか記載の感光性樹脂組成物からなるプリント配線板用フォトソルダーレジスト。
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