JP4699257B2 - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明はアルカリ現像可能な感光性樹脂組成物に関する。
感光性樹脂組成物は各種の用途に幅広く使用されている。例えば、プリント配線基板では、回路の永久保護被膜として感光性樹脂組成物がフォトソルダーレジストとして広く用いられている。フォトソルダーレジストとは回路導体のはんだ付けする部分を除いた全面に被膜が形成されるもので、プリント配線基板に電子部品を配線する際、はんだが不必要な部分に付着するのを防ぐとともに、回路が直接空気に暴露されるのを防止する保護被膜として使用されるものである。現在プリント配線基板用のフォトソルダーレジストとしては高精度化、高密度化、及び環境問題対応の点から、液状のフォトソルダーレジストが広く使用されている。
この液状のフォトソルダーレジストインクとしては、特許文献−1及び特許文献−2に、ノボラック型エポキシ樹脂のアクリル酸との部分反応物を主成分とするソルダーレジストインク組成物が提案されている。しかしながらこれらのインク組成物は、はんだ耐熱性、冷熱サイクル耐性が不十分であった。
これに対し、特許文献−3にエポキシ樹脂にシリコーン化合物を反応させたシラン変性エポキシ樹脂と、硬化剤であるフェノールノボラック樹脂とを組み合わせた組成物が提案されている。しかしながら、シラン変性エポキシ樹脂は、変性に使用するシリコーン化合物やメトキシ基含有シリコーン中間体の主構成単位がジオルガノポリシロキサン単位であり、しかもアルコキシ基の残存量が少ないため、はんだ耐熱性、冷熱サイクル耐性が不十分であった。
上述の通り、はんだ耐熱性、及び冷熱サイクル耐性が良好なフォトソルダーレジストは、まだ得られてはいなかった。
また、感光性樹脂組成物のその他の用途、例えば、TFT基板用保護膜においても、同様に基板の高温処理により劣化するという問題点があった。
以上のように、従来の感光性樹脂組成物は耐熱性、冷熱サイクル耐性などの熱的特性が十分ではないことが問題であった。
特開昭60−208337号公報 特開昭61−59447号公報 特開平3−201466号公報
本発明は、アルカリ現像性に優れ、かつ耐熱性や冷熱サイクル耐性などの熱的特性に優れた感光性樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、
親水性樹脂( A ) 、水酸基を有する多官能( メタ) アクリレートモノマー( B ) 、2 個以上の加水分解性アルコキシ基を有する化合物( C ) 、光ラジカル重合開始剤( D ) 及び光酸発生剤( E )を含有し、水酸基を有する多官能( メタ) アクリレートモノマー( B ) と2 個以上の加水分解性アルコキシ基を有する化合物( C ) との溶解度パラメーターの差が− 2 . 0 〜 2 . 0 であり、(C)が下記一般式( 1 ) で表されるシラン化合物( C 1 )、または2 個以上の加水分解性アルコキシ基を有するポリシロキサン( C 2 ) であるアルカリ現像可能な感光性樹脂組成物( Q )、並びに該感光性樹脂組成物からなるプリント配線板用フォトソルダーレジストである。
1 m S i ( O R 2 4 - m ( 1 )
[ 式中、R 1 は炭素数1 〜 1 2 の脂肪族飽和炭化水素基または炭素数6 〜 1 4 の芳香族炭化水素基であり、R 2 は炭素数1 〜 4 のアルキル基であり、m は0 〜 2 の整数である。]
本発明の感光性樹脂組成物は、以下の効果を奏する。
・感光性樹脂組成物はアルカリ現像性に優れている。
・耐熱性および冷熱サイクル耐性に優れる。
本発明の感光性樹脂組成物は、親水性樹脂(A)[以下において、単に(A)と表記する場合がある]、水酸基を有する多官能(メタ)アクリレートモノマー(B)[以下において、単に(B)と表記する場合がある]、2個以上の加水分解性アルコキシ基を有する化合物(C)[以下において、単に化合物(C)、もしくは単に(C)と表記する場合がある]、光ラジカル重合開始剤(D)[以下において、単に(D)と表記する場合がある]及び光酸発生剤(E)[以下において、単に(E)と表記する場合がある]を含有し、(B)と(C)との溶解度パラメーターの差が−2.0〜2.0であることにより、(B)と(C)の相溶性が良好になり、アルカリ現像性だけでなく、特に耐熱性および冷熱サイクル耐性(以下において、単に耐熱特性と略記する場合がある)に優れた感光性樹脂組成物を提供するものである。
なお、上記及び以下において、例えば「(メタ)アクリレート」などの(メタ)を付した表現は「アクリレートおよび/またはメタクリレート」などを意味する。
以下において、本発明の感光性樹脂組成物の必須構成成分である(A)〜(E)について、順に説明する。
本発明における親水性樹脂(A)における親水性の指標はHLBにより規定され、一般にこの数値が大きいほど親水性が高いことを示す。
(A)のHLB値は、(A)の樹脂骨格(例えば、ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂など)によって好ましい範囲が異なるが、好ましくは4〜19、さらに好ましくは5〜18、特に好ましくは6〜17である。4以上であればフォトスペーサの現像を行う際に、現像性がさらに良好であり、19以下であれば硬化物の耐水性がさらに良好である。なお、本発明におけるHLBは、小田法によるHLB値であり、親水性−疎水性バランス値のことであり、有機化合物の有機性の値と無機性の値との比率から計算することができる。
HLB≒10×無機性/有機性
また、無機性の値及び有機性の値は、文献「界面活性剤の合成とその応用」(槇書店発行、小田、寺村著)の501頁;または、「新・界面活性剤入門」(藤本武彦著、三洋化成工業株式会社発行)の198頁に詳しく記載されている。
(A)としては、親水性ビニル樹脂(A1)(以下、単に(A1)と表記する場合がある)、親水性エポキシ樹脂(A2)(以下、単に(A2)と表記する場合がある)、親水性ポリエステル樹脂、親水性ポリアミド樹脂、親水性ポリカーボネート樹脂および親水性ポリウレタン樹脂などが挙げられる。(A)は1種で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、感光性樹脂組成物の光硬化反応性の観点と、製造のし易さの観点から、好ましいのは(A1)および(A2)である。
(A1)としては、親水基をポリマー分子の側鎖および/または末端に有するものが挙げられる。親水基としては、カルボキシル基、水酸基、スルホン酸基、アミノ基、アミド基、ポリエーテル基およびこれらのうちの2種以上の併用などが挙げられる。
(A1)として好ましいのは、アルカリ現像性および耐熱特性の観点から、カルボキシル基および水酸基から選ばれる1種以上の親水基を有する親水性ビニル樹脂である。
充分な現像性を発揮するためには側鎖に親水基、特にカルボキシル基を有するものが特に好ましい。
(A1)の好ましい製造方法は、親水基を有するビニルモノマー(a)(以下、単に(a)と表記する場合がある)と、必要により疎水基含有ビニルモノマー(b)(以下、単に(b)と表記する場合がある)とをビニル重合する方法である。
親水基を有するビニルモノマー(a)としては、以下の(a1)〜(a7)のビニルモノマーが挙げられる。
(a1)水酸基含有ビニルモノマー:
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート[2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなど]、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート[ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなど]、アルキロール(メタ)アクリルアミド[N−メチロール(メタ)アクリルアミドなど]、ヒドロキシスチレンおよび2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテルなどが挙げられる。
(a1)のうち好ましいのはアルカリ現像性および耐熱特性の観点からヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、特に2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートである。
(a2)カルボキシル基含有ビニルモノマー:
不飽和モノカルボン酸[(メタ)アクリル酸、クロトン酸および桂皮酸など]、不飽和多価(2〜4価)カルボン酸[(無水)マレイン酸、イタコン酸、フマル酸およびシトラコン酸など]、不飽和多価カルボン酸アルキル(炭素数1〜10のアルキル基)エステル[マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステルおよびシトラコン酸モノアルキルエステルなど]、並びにこれらの塩[アルカリ金属塩(ナトリウム塩およびカリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩およびマグネシウム塩等)、アミン塩およびアンモニウム塩等]が挙げられる。
(a2)のうち好ましいのはアルカリ現像性の観点から不飽和モノカルボン酸、さらに好ましいのは(メタ)アクリル酸である。
(a3)スルホン酸基含有ビニルモノマー:
例えば、ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、α−メチルスチレンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびこれらの塩が挙げられる。塩としてはアルカリ金属(ナトリウムおよびカリウム等)塩、アルカリ土類金属(カルシウムおよびマグネシウム等)塩、第1〜3級アミン塩、アンモニウム塩および第4級アンモニウム塩などが挙げられる。
(a4)アミノ基含有ビニルモノマー:
3級アミノ基含有(メタ)アクリレート[ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよびジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート]などが挙げられる。
(a5)アミド基含有ビニルモノマー:
(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(炭素数1〜6)(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N’−メチレン−ビス(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(炭素数1〜6)またはジアラルキル(炭素数7〜15)(メタ)アクリルアミド(例えば、N,N−ジメチルアクリルアミドおよびN,N−ジベンジルアクリルアミドなど)、メタクリルホルムアミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミド、桂皮酸アミドおよび環状アミド(N−ビニルピロリドン、N−アリルピロリドン等)が挙げられる。
(a6)第4級アンモニウム塩基含有ビニルモノマー;
炭素数6〜50(好ましくは8〜20)の第3級アミノ基含有ビニルモノマーの4級化物(4級化剤としては、メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライドおよびジメチルカーボネート等)、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの4級化物、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートの4級化物、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドの4級化物およびジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドの4級化物などが挙げられる。
(a7)ポリエーテル基含有ビニルモノマー:
アルコキシ(アルコキシ基の炭素数1〜8)ポリアルキレン(アルキレン基の炭素数2〜4)グリコールモノ(メタ)アクリレート[メトキシポリエチレングリコール(重合度2〜40)モノ(メタ)アクリレートおよびメトキシポリプロピレングリコール(重合度2〜30)モノ(メタ)アクリレートなど]などが挙げられる。
(a)のうち好ましいのは、充分な現像性を付与するという観点から(a1)および(a2)、特に(a2)である。
疎水基含有ビニルモノマー(b)としては、以下の非イオン性のモノマー(b1)〜(b6)が挙げられる。
(b1)(メタ)アクリル酸エステル;
アルキル基の炭素数1〜20のアルキル(メタ)アクリレート[例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレートおよび2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなど];脂環基含有(メタ)アクリレート[ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、シジクロペンテニル(メタ)アクリレートおよびイソボルニル(メタ)アクリレートなど];
(b2)芳香族炭化水素モノマー;
スチレン骨格を有する炭化水素モノマー[例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレンおよびベンジルスチレン]およびビニルナフタレンなどが挙げられる。
(b3)カルボン酸ビニルエステル;
炭素数4〜50のもの、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルおよび酪酸ビニルなどが挙げられる。
(b4)ビニルエーテル系モノマー;
炭素数3〜50(好ましくは6〜20)のもの、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルブチルエーテルなどが挙げられる。
(b5)ビニルケトン系モノマー;
炭素数4〜50のもの、例えば、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトンおよびビニルフェニルケトンなどが挙げられる。
(b6)ハロゲン原子含有モノマー;
炭素数2〜50(好ましくは2〜20)のもの、例えば、塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、クロルスチレンおよびブロムスチレンなどが挙げられる。
(b)のうち好ましいのは、光硬化反応性の観点から(b1)、さらに好ましいのは脂環基含有(メタ)アクリレートである。
(A1)における、(a)/(b)の仕込みモノマーモル比は、通常10〜100/0〜90、光硬化反応性と現像性の観点から、好ましくは10〜80/20〜90、さらに好ましくは25〜85/15〜75である。
(A1)は、上記の(a)および必要により(b)を構成単量体とする重合体に、さらに
光硬化反応性を向上させる目的で(メタ)アクリロイル基を側鎖に含有させてもよい。
側鎖に(メタ)アクリロイル基を含有させる方法としては、例えば下記の(1)および(2)の方法が挙げられる。
(1);(a)のうちの少なくとも一部にイソシアネート基と反応しうる基(水酸基または1級もしくは2級アミノ基など)を有するモノマーを使用して重合体を製造し、その後(メタ)アクリロイル基とイソシアネート基を有する化合物(アクリロイルエチルイソシアネートなど)を反応させる方法、
(2);(a)のうちの少なくとも一部にエポキシ基と反応しうる基(水酸基、カルボキシル基または1級もしくは2級アミノ基など)を有するモノマーを使用して重合体を製造し、その後(メタ)アクリロイル基とエポキシ基を有する化合物(グリシジルアクリレートなど)を反応させる方法。
(A1)の数平均分子量(以下、Mnと略記。ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーによる測定値)は、感光性樹脂組成物としての光硬化反応性と現像性の観点から、好ましくは500〜500,000、さらに好ましくは1,000〜100,000、特に好ましくは3,000〜20,000である。
(A1)は、モノマーを必要により溶剤(F4)(以下、単に(F4)と表記する場合がある)で希釈した後、ラジカル重合開始剤によって重合を行う事で得ることが出来る。溶剤(F4)としては、グリコールエーテル類(エチレングリコールモノアルキルエーテルおよびプロピレングリコールモノアルキルエーテルなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソフ゛チルケトンおよびシクロヘキサノンなど)、およびエステル類(ブチルアセテート、エチレングリコールアルキルエーテルアセテートおよびプロピレングリコールアルキルエーテルアセテートなど)が挙げられる。(F4)のうち好ましいのはケトン類およびエステル類である。
(F4)を使用する場合、その使用量は特に限定されないが、モノマーの合計重量に基づいて通常、1〜400%(以下において、特に限定しない限り%は重量%を表す)、好ましくは5〜300%、特に好ましくは10〜200%である。
重合開始剤としては、過酸化物及びアゾ化合物が挙げられる。
過酸化物としては、無機過酸化物(例えば、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムなど)、および有機過酸化物(例えば、過酸化ベンゾイル、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、ラウリルパーオキシドなど)などが挙げられる。アゾ化合物としては、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、アゾビスシアノ吉草酸およびその塩(例えば塩酸塩など)、およびアゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライドなどが挙げられる。好ましいものとしては、アゾ化合物である。重合開始剤の使用量としては、モノマーの合計重量に基づいて、通常、0.0001〜20%が好ましく、さらに好ましくは0.001〜15%、特に好ましくは0.005〜10%である。反応温度および反応時間は、ラジカル重合開始剤の種類により適宜決定される。
前述のように(A)の親水性の指標はHLBにより規定されるが、このうちの(A1)のHLB値は、好ましくは9〜19、さらに好ましくは10〜18、特に好ましくは11〜17である。(A1)のHLBが9以上であれば、現像性がさらに良好に発揮できる。
本発明における(A)のうちの親水性エポキシ樹脂(A2)(以下、単に(A2)と表記する場合がある)は、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、アミノ基、アミド基またはポリエーテル基等の親水基の1種以上を含むエポキシ樹脂骨格を有するポリマーである。
(A2)のうち好ましいのは、アルカリ現像性と耐熱特性の観点からカルボキシル基および水酸基から選ばれる1種以上の親水基を有する親水性エポキシ樹脂である。
(A2)は、光硬化反応性の観点から、さらに、分子中に(メタ)アクリロイル基を有する方が好ましい。
(A2)の好ましい製造法は、エポキシ樹脂(A20)(以下、単に(A20)と表記する場合がある)中のエポキシ基に、(メタ)アクリロイル基含有モノカルボン酸を反応させてエポキシ基を開環させて水酸基を生成させ、該水酸基の一部に多価カルボン酸もしくは多価カルボン酸無水物(e)(以下、単に(e)と表記する場合がある)を反応させる方法である。
(A20)としては、脂肪族エポキシ樹脂[例えばエポトートYH−300、PG−202、PG−207(いずれも東都化成社製)など]や脂環式エポキシ樹脂[例えばCY−179、CY−177、CY−175(いずれも旭化成エポキシ社製)など]や芳香族エポキシ樹脂[例えば、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビフェニール型エポキシ樹脂おおびグリシジル変性ポリビニルフェノールなど]が挙げられる。
(A20)のうち好ましいのは硬化性の観点から芳香族エポキシ樹脂である。
(A2)の製造に使用される(メタ)アクリロイル基含有モノカルボン酸としては、アクリル酸およびメタクリル酸が挙げられる。
(A2)の製造に使用される多価カルボン酸および多価カルボン酸無水物(e)としては、前述の(a)のうちの不飽和多価カルボン酸およびそれらの無水物、並びに飽和多価(2〜6価)カルボン酸(例えばシュウ酸、コハク酸、フタル酸、アジピン酸、ドデカン二酸、ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸およびオクタデセニルコハク酸などの脂肪族飽和多価カルボン酸;テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸およびナフタレンテトラカルボン酸などの芳香族多価カルボン酸)およびそれらの無水物(例えば、無水コハク酸、ドデセニル無水コハク酸、ペンタデセニル無水コハク酸およびオクタデセニル無水コハク酸などの脂肪族飽和多価カルボン酸無水物;無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸無水物およびナフタレンテトラカルボン 酸 無水物などの芳香族多価カルボン酸無水物)が挙げられる。好ましいのは、反応性及び現像性の観点から飽和多価カルボン酸無水物である。
(A2)の製造における、(メタ)アクリル酸/(A20)の仕込み重量比は、好ましいのは(A2)の(メタ)アクリロイル基の濃度が1.0mmol/g以上となるような(メタ)アクリル酸の仕込み重量比である。アクリル酸/(A20)の重量比は上記の観点から、好ましくは0.072以上/1、さらに好ましくは0.079〜0.72/1である。また、メタクリル酸の重量比は上記の観点から、好ましくは0.092以上/1、さらに好ましくは0.10〜0.92/1である。
(A20)と(メタ)アクリル酸の反応における反応温度は、特に限定されないが、好ましくは70〜110℃である。また、反応時間は、特に限定されないが、好ましくは5〜30時間である。また、必要により触媒(例えば、トリフェニルホスフィンなど)およびラジカル重合禁止剤(ヒドロキノン、p−メトキシフェノールなど)を用いてもよい。
また、(A20)の(メタ)アクリル酸付加物の重量に対する、多価カルボン酸もしくは多価カルボン酸無水物(e)の仕込み当量は、(A2)の酸価(酸価の測定法は後述)が、好ましくは10〜500mgKOH/gとなるような(e)の仕込み当量であり、例えば、(e)が2価カルボン酸もしくはその無水物である場合、(e)の仕込み当量/(A20)の(メタ)アクリル酸付加物の重量は、上記の観点から、好ましくは0.18〜8.9ミリ当量/g、さらに好ましくは0.53〜7.1ミリ当量/gである。
(A20)の(メタ)アクリル酸付加物と(e)との反応における反応温度は、特に限定されないが、好ましくは70〜110℃である。また、反応時間は、特に限定されないが、好ましくは3〜10時間である。
(A2)のMnは、感光性樹脂組成物としての光硬化反応性と現像性の観点から、通常500〜3,000、好ましくは1,000〜2,800、特に好ましくは1,500〜2,500である。
(A2)のHLB値は、好ましくは4〜14、さらに好ましくは5〜13、特に好ましくは6〜12である。(A2)のHLBが4以上であれば、現像性が良好に発揮できる。
本発明における親水性樹脂(A)の溶解度パラメーター(以下、SP値という。)は、好ましくは7〜14、さら好ましくは8〜13、特に好ましくは11〜13である。7以上であるとさらに現像性が良好に発揮でき、14以下であると硬化物の耐水性がさらに良好である。
本発明におけるSP値は、Fedorsらが提案した下記の文献に記載の方法によって計算されるものである。
「POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE, FEBRUARY,1974,Vol.14,No.2,ROBERT F.FEDORS.(147〜154頁)」
SP値が近いもの同士はお互いに混ざりやすく(分散性が高い)、この数値が離れているものは混ざりにくいことを表す指標である。
(A)は、前述のように、現像性の観点からカルボキシル基を有することが好ましく、カルボキシル基の含有量は酸価で示される。
(A)の酸価は、10mgKOH/g以上であると、現像性がさらに良好に発揮されやすく、500mgKOH/g以下であれば硬化物の耐水性がさらに良好に発揮できる。
本発明における酸価はアルカリ性滴定溶液を用いた指示薬滴定法により測定できる。
方法は以下の通りである。
(i)試料約1gを精秤して三角フラスコに入れ、続いて中性メタノール・アセトン溶液[アセトンとメタノールを1:1(容量比)で混合したもの]を加え溶解する。
(ii)フェノールフタレイン指示薬数滴を加え、0.1mol/L水酸化カリウム滴定用溶液で滴定する。指示薬の微紅色が30秒続いたときを中和の終点とする。
(iii)次式を用いて決定する。
酸価(KOHmg/g)=(A×f×5.61)/S
ただし、A:0.1mol/L水酸化カリウム滴定用溶液のmL数。
f:0.1mol/L水酸化カリウム滴定用溶液の力価
S:試料採取量(g)
本発明の感光性樹脂組成物(Q)は、(Q)の固形分重量に基づいて、(A)を好ましくは10〜50%、さらに好ましくは15〜40%、特に好ましくは20〜30%含有する。
10%以上であればさらに良好に現像性を発揮でき、50%以下であれば硬化物の弾性回復特性がさらに良好になる。なお、本発明における「固形分」とは、溶剤以外の成分をいう。
本発明において、感光性樹脂組成物中の1つの成分として用いられる水酸基を有する多官能(メタ)アクリレートモノマー(B)(以下、単に(B)と表記する場合がある)としては、公知の多官能(メタ)アクリレートモノマーであれば、とくに限定されずに用いられ、2官能(メタ)アクリレート(B1)、3官能(メタ)アクリレート(B2)および4〜6官能(メタ)アクリレート(B3)が挙げられる。
2官能(メタ)アクリレート(B1)としては、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等が例示される。
3官能(メタ)アクリレート(B2)としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート(メタクリレートのSP値=12.5、アクリレートのSP値=10.3)等が例示される。
4〜6官能(メタ)アクリレート(B3)としては、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(メタクリレートのSP値=12.5、アクリレートのSP値=10.3)、等が例示される。
(B)のSP値は、後述の(C)のSP値との差を−2.0〜2.0に設定し易いという観点から、好ましくは8〜13、さらに好ましくは9〜13、特に9〜12、とりわけ9.5〜11である。
(B)のうち好ましいものは、(B2)及び(B3)、さらに好ましいものは後述する(C)との相溶性の観点から水酸基を含有するポリマーであり、特に好ましくはジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートおよびこれらの併用である。市場から容易に入手できる(B)としては、例えば、アロニックスM−403(東亞合成(株)製)、ライトアクリレートPE−3A(共栄社化学(株)製)、ネオマーDA−600(三洋化成工業(株)製)等が挙げられる。
また、本発明における(B)には、その一部に感光性アクリルオリゴマー(B4)を含んでいてもよい。(B4)としては、Mnが1,000以下であって、カルボキシル基を含有せず、1分子中に2個以上のアクリロイル基を有するウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレートおよびポリエーテルアクリレートなどが挙げられる。
(B)中の(B4)の含有量は好ましくは50%以下、さらに好ましくは30%以下である。
(Q)の固形分の重量に基づく(B)の含有量は、10〜60%が好ましく、さらに好ましくは20〜55%、特に好ましくは25〜50%である。10%以上であれば、硬化物の耐熱特性がさらに好ましくなり、60%以下であれば、さらに現像性が良好になる。
本発明において感光性樹脂組成物(Q)中の成分として含まれる2個以上の加水分解性アルコキシ基を有する化合物(C)としては、一般式(1)で表されるシラン化合物(C1)(以下において、単に(C1)と表記する場合がある)および2個以上の加水分解性アルコキシ基を有するポリシロキサン(C2)(以下において、単に(C2)と表記する場合がある)が挙げられる。
1 mSi(OR24-m (1)
式中、R1は炭素数1〜12の脂肪族飽和炭化水素基または炭素数6〜14の芳香族炭化水素基であり、R2は炭素数1〜4のアルキル基であり、mは0〜2の整数である。
1のうち、脂肪族飽和炭化水素基としては、直鎖アルキル基、分岐アルキル基および脂環式飽和炭化水素基が挙げられる。
直鎖アルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−オクチルおよびn−ドデシル基およびこれらの重水素置換体、分岐アルキル基としてはイソプロピル、イソブチル、sec−ブチルおよび2−エチルヘキシル基など、並びに環式飽和炭化水素基としてはシクロヘキシル基、シクロオクチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基およびメチルシクロヘキシル基などが挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、アリール基、アラルキル基およびアルキルアリール基が挙げられる。
アリール基としてはフェニル、ビフェニル、ナフチル基およびこれらの重水素、フッ素もしくは塩素の各置換体;アラルキル基としてはトリル、キシリル、メシチルおよびこれらの重水素、フッ素もしくは塩化物;並びに、アルキルアリール基としてはメチルフェニルおよびエチルフェニル基などが挙げられる。
1のうち好ましいのは直鎖アルキル基、分岐アルキル基およびアリール基、さらに好ましいのは直鎖アルキル基およびアリール基、特に好ましいのはメチル基、エチル基、フェニル基およびこれらの併用である。
(C1)のうち、特に好ましいのは、その他の成分との相溶性の観点から、一般式(1)におけるR1がフェニル基であるシラン化合物の縮合物、またはR1がフェニル基であるシラン化合物とR1が直鎖アルキル基であるシラン化合物を含む2種以上のシラン化合物の縮合物である。
2としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基およびsec−ブチル基などが挙げられ、好ましいのはメチル基およびエチル基である。
一般式(1)において、mが0、すなわちアルコキシ基を4個有する4官能シラン化合物としては、テトラメトキシシランおよびテトラエトキシシラン等が挙げられる。
mが1、すなわちアルコキシ基を3個有する3官能シラン化合物としては、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシランおよびメチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
mが2、すなわちアルコキシ基を2個有する2官能シラン化合物としては、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシランおよびフェニルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
オルガノポリシロキサンの均一なネットワークの形成の観点から、これらのうち好ましくは、mが1、すなわち3官能シラン化合物である。
2個以上の加水分解性アルコキシ基を有するポリシロキサン(C2)としては、一般式(2)で示される加水分解性アルコキシ基を、1分子中に2個以上有するポリシロキサンが挙げられる。
式中、Rは一般式(1)におけるR2と同様の炭素数1〜4のアルキル基であり、好ましいものも同様である。
一般式(2)で示される加水分解性アルコキシ基は、ポリシロキサンのいずれの部分に存在してもよく、例えば、分子末端にのみ、または分子中の繰り返し単位に存在していてもよい。
(C2)は、低分子シラン化合物の縮合、およびポリシロキサンへのアルコキシ基の導入などによって得られる。
(C2)のうち、低分子シラン化合物の縮合によって得られるものとしては、上記の(C1)の1種以上の縮合物(C2A)が挙げられる。
(C2A)のうち、特に好ましいのは、その他の成分との相溶性の観点から、一般式(1)におけるR1がフェニル基であるシラン化合物の縮合物、またはR1がフェニル基であるシラン化合物とR1が直鎖アルキル基であるシラン化合物を含む2種以上のシラン化合物の縮合物である。
シラン化合物(C1)の縮合物(C2A)は、例えば、乾燥雰囲気下で、シラン化合物(C1)中に所定量の水および必要により触媒を攪拌しながら約10分〜60分かけて滴下し、その後副生するアルコールの沸点以下の温度(例えば0〜150℃)で1〜12時間かけて熟成することにより得ることができる。
反応において添加する水の量をXモル、シラン化合物(C1)中のアルコキシ基のモル数をYとした場合、X/Yが小さすぎると縮合物の収量と分子量が低下する。一方、X/Yが大きすぎる場合は分子量が大きくなりすぎて保存安定性が低下する傾向にある。このことから、0.1<X/Y<5の範囲、好ましくは0.3<X/Y<3の範囲で行うことが好ましい。添加する水は通常イオン交換水または蒸留水を用いる。また、分子量調整の目的で1個の加水分解性アルコキシ基を有するシラン化合物を添加することもできる。1個の加水分解性アルコキシ基を有するシラン化合物としては、例えばフェニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
触媒としては蟻酸、酢酸、蓚酸、乳酸、マロン酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、フタル酸、ピロメリット酸、p―トルエンスルフォン酸、メタンスルフォン酸、トリフルオロ酢酸およびトリフルオロメタンスルフォン酸などの1価、2価もしくは3価の有機酸;塩酸、リン酸、硝酸、フッ酸、臭素酸、塩素酸および過塩素酸などの無機酸;アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類水酸化物、第4級アルキルアンモニウムの水酸化物や炭酸塩および1〜3級アミン類などのアルカリ塩;第4級アルキルアンモニウムハロゲン化物;次亜塩素酸ナトリウム;スズ、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウムおよび硼素などのケイ素以外の金属のアルコキシドおよびそれらのキレート錯体;などをあげることができ、この中で有機酸、無機酸、金属アルコキシド、金属アルコキシドのキレート化合物など酸性触媒が好ましく、有機酸が特に好ましい。
触媒の添加量は(C1)100重量部に対して、0.0001〜10重量部、好ましくは、0.001〜1重量部である。触媒の添加方法は特に規定されないが好ましくは水溶液として加える。また、好ましい反応温度は20℃〜100℃である。
2個以上の加水分解性アルコキシ基を有するポリシロキサン(C2)のうち、ポリシロキサンへのアルコキシ基の導入によって得られるものとしては、1分子中に加水分解性アルコキシ基および他の反応性官能基を有するシラン化合物(c2)と、該反応性官能基と反応しうる官能基を1分子中に2個以上有するポリシロキサン(C20)との反応物(C2B)が挙げられる。
(c2)における他の反応性官能基としては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基及びグリシジル基などが挙げられる。
(c2)としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
(C20)中の官能基としては、カルボキシル基、アミノ基、水酸基およびメルカプト基等が挙げられ、例えば、(c2)中の他の反応性官能基がグリシジル基の場合は、(C20)中の官能基はカルボキシル基またはアミノ基であることが好ましく、(c2)中の他の反応性官能基がメルカプト基の場合は、(C20)中の官能基はグリシジル基またはカルボキシル基であることが好ましい。
(C20)としては、例えば、カルボキシル基を両末端に有するポリシロキサン、アミノ基を両末端に有するポリシロキサン、およびグリシジル基を両末端に有するポリシロキサンなどが挙げられる。
(C2B)の製造方法としては、例えば、カルボキシル基を両末端に有するポリシロキサンに、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを反応させて得る方法が挙げられる。
この場合の反応温度は、特に限定されないが、好ましくは70〜110℃である。また、反応時間は、特に限定されないが、好ましくは5〜30時間である。また、必要により触媒(例えば、トリフェニルホスフィンなど)を用いることもできる。
得られた(C2B)は、必要に応じ、所定の溶剤を加え希釈することができる。感光性樹脂組成物としての適切な溶剤による希釈をこの段階で行うことが好ましい。溶剤としては先に例示した(F4)が挙げられる。(F4)はシラン化合物100重量部に対して、0〜1,000重量部、好ましくは40〜250重量部用いられる。
(C2)のMnは、耐熱特性の観点から、好ましくは500〜100,000、さらに好ましくは1,000〜50,000、特に好ましくは2,000〜20,000である。
(C)は、相溶性及び硬化物の耐熱性と冷熱サイクル耐性の観点から、多官能(メタ)アクリレートモノマー(B)とのSP値の差が通常−2.0〜2.0、好ましくは−1.0〜1.8、さらに好ましくは−0.5〜1.6、特に好ましくは0〜1.4である。
−2.0〜2.0の範囲を外れると、感光性樹脂組成物としての均一性に欠けて白濁しやすくなり、微細なパターン形成に不都合であり、さらには硬化物の耐熱特性が不十分である。
(C)のSP値は、前述の(B)のSP値との差を−2.0〜2.0に設定し易いという観点から、好ましくは7〜13、さらに好ましくは8〜12、特に8〜11、とりわけ8〜10.5である。
本発明の感光性樹脂組成物の硬化物が優れた耐熱性と冷熱サイクル耐性を発揮できるのは、(B)と(C)のSP値の差が−2.0〜2.0の範囲にあること関連しており、以下のような理由によるものと推定している。
即ち、本発明の感光性樹脂組成物は、(1):光照射によって光酸発生剤(E)が酸を発生し、その酸が化合物(C)の加水分解性アルコキシ基の加水分解反応の触媒となって、化合物(C)が架橋および/または鎖伸長し、同時に、光ラジカル重合開始剤(D)から発生するラジカルによって多官能(メタ)アクリレートモノマー(B)がラジカル重合するものと推定され、その場合に(B)と(C)の溶解度パラメーターの差が−2.0〜2であって相溶性が良好であることにより、化合物(B)の光ラジカル重合による3次元構造と化合物(C)のイオン反応での架橋・鎖伸長反応とが、相互に貫通した網目構造となりやすくなるものと推定され、耐熱特性が向上するものと推定している。
感光性樹脂組成物(Q)の固形分の重量に基づく(C)の含有量は、5〜40%が好ましく、さらに好ましくは6〜30%、特に好ましくは8〜20%である。5%以上であれば耐熱性がさらに良好に発揮でき、40%以下であれば現像性がさらに良好に発揮できる。
感光性樹脂組成物(Q)中の1つの成分として用いられる光ラジカル重合開始剤(D)としては例えば、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンゾフェノン、メチルベンゾイルフォーメート、イソプロピルチオキサントン、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、3,3−ジメチル−4−メトキシ−ベンゾフェノン、アントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、tert−ブチルアントラキノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、4−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−クロロチオキサントン、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、ジイソプロピルチオキサントン、ミヒラーズケトン、ベンジル−2,4,6−(トリハロメチル)トリアジン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9ーアクリジニル)ヘプタン、1,5−ビス(9−アクリジニル)ペンタン、1,3−ビス(9−アクリジニル)プロパン、ジメチルベンジルケタール、トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、トリブロモメチルフェニルスルホン及び2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等が挙げられる。(D)は1種で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(D)は、市販のものが容易に入手することができ、例えば2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノ−1−プロパノンとしては、イルガキュア907、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オンとしては、イルガキュア369(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)等が挙げられる。
感光性樹脂組成物(Q)の固形分の重量に基づく(D)の含有量は、0.01〜10%が好ましく、さらに好ましくは0.05〜7%、特に好ましくは0.1〜5%である。0.01%以上であれば光硬化反応性がさらに良好に発揮でき、10%以下であれば解像度がさらに良好に発揮できる。
感光性樹脂組成物(Q)において、(B)および(メタ)アクリロイル基を有する場合の(A)の合計重量に対する(D)の含有量は、硬化性の観点から、0.02〜20%であることが好ましく、さらに0.05〜10%であることが好ましい。
感光性樹脂組成物(Q)中の1つの成分として用いられる光酸発生剤(E)は、光照射によって酸を発生する化合物であり、発生した酸は(C)中のアルコキシ基の加水分解及びそれによる(C)の縮合の触媒となる。
(E)としては、非水溶性光酸発生剤(E1)および水溶性光酸発生剤(E2)が挙げられる。
(E1)としては、下記の(i)スルホン化合物、(ii)スルホン酸エステル化合物、(iii)スルホンイミド化合物、(iv)ジスルホニルジアゾメタンおよび(v)ジスルホニルメタンが挙げられる。
(i)スルホン化合物
フェナシルフェニルスルホン、4−トリスフェナシルスルホン−ケトスルホン、β−スルホニルスルホンおよびこれらのα−ジアゾ化合物等
(ii)スルホン酸エステル化合物
ベンゾイントシレート、ピロガロールトリストリフルオロメタンスルホネート、ピロガロールメタンスルホン酸トリエステル、α−メチロールベンゾイントシレートおよびα−メチロールベンゾインドデシルスルホネート等
(iii)スルホンイミド化合物
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(パーフルオロオクタンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(ベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミドおよびN−(ベンゼンスルホニルオキシ)ナフチルイミド等
(iv)ジスルホニルジアゾメタン化合物
ビス(トリフルオロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1−メチルエチルスルホニル)ジアゾメタンおよびビス(1、4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−7−スルホニル)ジアゾメタン等
(E2)としては下記のものが挙げられる。
(i)オニウム塩
スルホニウム塩〔ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロホスフェート、アリルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート塩等〕、
ヨードニウム塩(ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート等)、ホスホニウム塩(エチルトリフェニルホスホニウムテトラフルオロボレート等)、ジアゾニウム塩(フェニルジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート等)、アンモニウム塩(1−ベンジル−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロホスフェート等)、およびフェロセン〔(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)ヘキサフルオロホスフェート等〕等
これらののうち、好ましいのは非水溶性光酸発生剤(E1)であり、さらに好ましくはスルホンイミド化合物(iii)およびジスルホニルジアゾメタン化合物(iv)である。
感光性樹脂組成物(Q)の固形分の重量に基づく(E)の含有量は、0.001〜10%が好ましく、さらに好ましくは0.01〜7%、特に好ましくは0.05〜5%である。0.001%以上であれば光硬化反応性がさらに良好に発揮でき、10%以下であれば解像度がさらに良好に発揮できる。
感光性樹脂組成物(Q)において、(C)の固形分の重量に基づく(E)の含有量は、0.002〜20%が好ましく、さらに好ましくは0.02〜10%、特に好ましくは0.1〜5%である。0.002%以上であれば光硬化反応性がさらに良好に発揮でき、20%以下であれば解像度がさらに良好に発揮できる。
感光性樹脂組成物(Q)は、必要によりさらにその他の成分(F)を含有していてもよい。
(F)としては、無機微粒子(F1)、増感剤(F2)、重合禁止剤(F3)、溶剤(F4)、並びにその他の添加剤(F5)(例えば、無機顔料、シランカップリング剤、染料、蛍光増白剤、黄変防止剤、酸化防止剤、消泡剤、消臭剤、芳香剤、殺菌剤、防菌剤及び防かび剤等)が挙げられる。
無機微粒子(F1)としては、金属酸化物および金属塩が使用できる。
金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸化ケイ素および酸化アルミニウム等が挙げられる。
金属塩としては、例えば、炭酸カルシウムおよび硫酸バリウム等が挙げられる。
これらのうちで、耐熱性および耐薬品性の観点から、金属酸化物が好ましく、さらに好ましくは、酸化ケイ素および酸化チタン、特に酸化ケイ素が好ましい。
無機微粒子は、体積平均一次粒子径が1〜200nm、透明性の観点から、好ましくは1〜150nm、さらに好ましくは1〜120nm、特に好ましくは5〜20nmのものである。
感光性樹脂組成物(Q)の固形分の重量に基づく(F1)の含有量は、通常0〜50%、好ましくは1〜45%、特に好ましくは2〜40%である。50%以下であれば現像性がさらに良好に発揮でき、2〜40%であれば、特に耐熱特性が優れる。
増感剤(F2)としては、ニトロ化合物(例えば、アントラキノン、1,2−ナフトキノン、1,4−ナフトキノン,ベンズアントロン、p,p’−テトラメチルジアミノベンゾフェノン、クロラニル等のカルボニル化合物、ニトロベンゼン、p−ジニトロベンゼン及び2−ニトロフルオレン等)、芳香族炭化水素(例えば、アントラセン及びクリセン等)、硫黄化合物(例えば、ジフェニルジスルフィド等)及び窒素化合物(例えば、ニトロアニリン、2−クロロ−4−ニトロアニリン、5−ニトロ−2−アミノトルエン及びテトラシアノエチレン等)等が用いられる。
光重合開始剤(D)の重量に基づく増感剤(F2)の含有量は、通常0.1〜100%、好ましくは0.5〜80%、特に好ましくは1〜70%である。
重合禁止剤(F3)としては、特に限定はなく、通常の反応に使用するものが用いられる。具体的には、ジフェニルヒドラジル、トリ−p−ニトルフェニルメチル、N−(3−N−オキシアニリノ−1,3−ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、p−ベンゾキノン、p−tert−ブチルカテコール、ニトロベンゼン、ピクリン酸、ジチオベンゾイルジスルフィド及び塩化銅(II)等が挙げられる。
感光性樹脂組成物(Q)の固形分の重量に基づく重合禁止剤(F3)の含有量は、0〜1.0%が好ましく、さらに好ましくは0.01〜0.5%、特に好ましくは0.02〜0.1%である。
溶剤としては、前述の(A)の製造に使用される溶剤(F4)と同様のものが使用できる。溶剤を使用する場合、溶剤の配合量は、特に限定されないが、感光性樹脂組成物(Q)の固形分の重量に基づいて、通常50〜1,000%が好ましく、さらに好ましくは70〜900%、特に好ましくは80〜800%である。なお、溶剤の配合量には前述の(A)および(C)の製造に使用される溶剤も含まれる。
(F)の含有量の合計は、感光性樹脂組成物(Q)の重量に基づいて、通常1,000%以下、好ましくは80〜800%である。
本発明の感光性樹脂組成物(Q)は、例えば、プラネタリーミキサーなどの公知の混合装置により、上記の各成分を混合等することにより得ることができる。
また感光性樹脂組成物は、通常、室温で液状であり、その粘度は、25℃で0.1〜10,000mPa・s、好ましくは1〜8,000mPa・sである。
本発明の感光性樹脂組成物(Q)は、その硬化物の耐熱性と冷熱サイクル耐性に優れているので、特にプリント配線板用フォトソルダーレジストの感光性樹脂組成物として適している。
本発明のプリント配線板用フォトソルダーレジストは、上記の感光性樹脂組成物からなる。
プリント配線板として使用される積層板としては、種々のプリント配線板用銅張り積層板、アルミ板等の金属板及び銅箔のないプラスティック板(例えば、紙基材フェノール樹脂積層板、ガラス布基材ポリエステル樹脂積層板、ガラス布基材エポキシ樹脂積層板、ポリサルフォン樹脂積層板、ポリエーテルサルフォン樹脂積層板、ポリエーテルイミド樹脂積層板、ガラス布基材テフロン(登録商標)樹脂積層板、ポリイミド樹脂積層板等)などが挙げられる。
フォトソルダーレジストの膜厚としては、通常0.5〜500μm、好ましくは5〜100μmである。
フォトソルダーレジストの適用方法としては、スクリーン印刷機、ロールコーター、カーテンコーターなどで塗布する方法、スプレー、刷毛、ヘラ等で塗る方法、及び浸漬する方法が挙げられる。
現像液としては通常の工業用水、上水、イオン交換水、通常の界面活性剤の水溶液、無機酸、有機酸の水溶液、アルコール系有機溶剤及びその水溶液が挙げられ、これらは単独または併用してもよい。
界面活性剤としては通常のカチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤が使用可能である。
界面活性剤は通常0.01〜2%、好ましくは0.05〜1%の濃度で使用される。
無機酸としてはほう酸、燐酸、塩酸、硫酸等、有機酸としては酢酸、蟻酸、酒石酸、ヒドロキシ酢酸等が挙げられる。
無機酸、有機酸は通常0.1〜10%、好ましくは0.5〜5%の濃度で使用される。
アルコール系有機溶剤としては、脂肪族アルコールとしてメタノール、エタノール、n−プロパノール、i-プロパノール、n−ブタノール等)、セロソルブとしてメチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等、カービトールとしてメチルカービトール、エチルカービトール等が挙げられる。
アルコール系有機溶剤は通常10〜100%、好ましくは20〜50%の濃度で使用される。
現像方法としてはシャワー、スプレー、浸漬等の方法が挙げられる。これらのうち好ましくは、スプレーである。
硬化方法は、通常、光照射による方法及び熱硬化による方法が使用できるが、それぞれ単独の硬化方法でもよいし、両者を併用してもよい。好ましくは光照射により硬化したのちに熱硬化するという二つの方法の併用がよい。
光による硬化には、次のような照射光源が適当である。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハロゲンランプ、電子線照射装置、X線照射装置、レーザー(アルゴンレーザー、色素レーザー、窒素レーザー、ヘリウムカドミウムレーザー等)等がある。これらのうち、好ましくは高圧水銀灯及び超高圧水銀灯である。
加熱装置としては、通常の循風乾燥器、電気炉、ガス炉、遠赤外炉等が使用できる。
加熱硬化温度は通常150℃以上、好ましくは180℃〜250℃である。硬化時間は、10分〜120分、好ましくは45分〜90分である。
本発明の感光性樹脂組成物は、フォトソルダーレジスト以外に、TFT基板用保護膜、プリント配線基板用エッチングレジスト、プリント配線基板用メッキレジストなどの用途にも使用できる。
[実施例]
以下、実施例および製造例を以て本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。以下、部は重量部を意味する。
[親水性樹脂(A)の製造]
<製造例A−1>
加熱冷却・攪拌措置、環流冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えたガラス製コルベンに、イソボルニルメタクリレート50部(33モル%)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート30部(33モル%)、メタクリル酸20部(34モル%)、およびシクロヘキサンノン150部を仕込み、80℃まで加熱した。系内の気相部分を窒素で置換したのち、あらかじめ作成しておいたアゾビスイソブチロニトリル(V-60:和光純薬製、以下AIBNと称す)5部をシクロヘキサノン50部に溶解した溶液55部を80℃のコルベン中に10分間で滴下し、さらに同温度で3時間反応させ、水酸基とカルボキシル基を有する親水性樹脂(A−1)(Mn:8,800、SP値:11.86、HLB値:11.98、酸価:102mgKOH/g)のシクロヘキサノン溶液を得た(固形分含有量は25%)。なお、MnはGPC測定機器(HLC−8120GPC、東ソー(株)製)、カラム(TSKgel GMHXL2本+TSKgel Multipore HXL−M、東ソ(株)製)を用いて、GPC法により測定されるポリスチレン換算の値として求めた。また、SP値、HLB値、酸価は、前述のようにして求めた。以下の製造例についても同様の測定法である。
<製造例A−2>
製造例A−1と同様のコルベンに、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂「EOCN−1020」(日本化薬製、エポキシ当量200)200部とプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート245部を仕込み、110℃まで加熱して均一に溶解させた。続いて、アクリル酸76部(1.07モル部)、トリフェニルホスフィン2部、およびp−メトキシフェノール0.2部を仕込み、110℃にて10時間反応させた。反応物にさらにテトラヒドロ無水フタル酸91部(0.60モル部)を仕込み、さらに90℃5時間反応させ、冷却後にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて固形分含有量を調整し、カルボキシル基およびアクリロイル基を有する親水性樹脂(A−2)(Mn:2,200、SP値:11.26、HLB値:6.42、酸価:91mgKOH/g)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た(固形分含有量は25%)。
[2個以上の加水分解性アルコキシ基を有する化合物(C)の製造]
<製造例C−1>
加熱冷却・攪拌措置、環流冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えたガラス製コルベンに、メチルトリメトキシシラン46部(0.34モル部)、フェニルトリメトキシシラン160部(0.80モル部)とイオン交換水45g(2.5モル部)と、シュウ酸0.1部(0.001モル部)を仕込み、60℃、6時間の条件で加熱撹拌し、さらにエバポレーターを用いて、加水分解により副生したメタノールを50mmHgの減圧下で2時間かけて除去した。その後、シクロヘキサノンで固形分含有量が25%となるように希釈し、2個以上の加水分解性アルコキシ基を有する化合物(C−1)(Mn:2,400、SP値:8.40)のシクロヘキサノン溶液を得た(固形分含有量は25%)。
<製造例C−2>
製造例C−1と同様のコルベンに、ジフェニルジメトキシシラン170部(0.74モル部)、フェニルトリメトキシシラン40部(0.20モル部)、テトラメトキシシラン30部(0.20モル部)とイオン交換水40g(2.2モル部)と、シュウ酸0.1部(0.001モル部)を仕込み、60℃、6時間の条件で加熱撹拌し、さらにエバポレーターを用いて、加水分解により副生したメタノールを50mmHgの減圧下で2時間かけて除去した。その後、シクロヘキサノンで固形分含有量が25%となるように希釈し、2個以上の加水分解性アルコキシ基を有する化合物(C−2)(Mn:6,000、SP値:9.08)のシクロヘキサノン溶液を得た(固形分含有量は25%)。
<製造例C−3>
製造例C−1と同様のコルベンに、メチルトリメトキシシラン140部(1.04モル部)、フェニルトリメトキシシラン20部(0.10モル部)とイオン交換水45g(2.5モル部)と、シュウ酸0.1部(0.001モル部)を仕込み、60℃、6時間の条件で加熱撹拌し、さらにエバポレーターを用いて、加水分解により副生したメタノールを50mmHgの減圧下で2時間かけて除去した。その後、シクロヘキサノンで固形分含有量が25%となるように希釈し、2個以上の加水分解性アルコキシ基を有する化合物(C−3)(Mn:2,600、SP値:7.49)のシクロヘキサノン溶液を得た(固形分含有量は25%)。
<製造例C−4>
製造例C−1と同様のコルベンに、両末端カルボキシ基変性ポリシロキサン(「X−22−162C」:信越化学工業社製)50部、3−アミノプロピルトリメトキシシラン2部、トリフェニルホスフィン1部、およびp−メトキシフェノール0.2部を仕込み、70℃にて10時間反応させた。その後、シクロヘキサノンで固形分含有量が25%となるように希釈し、2個以上の加水分解性アルコキシ基を有する化合物(C−4)(Mn:1,600、SP値:7.86)のシクロヘキサノン溶液を得た(固形分含有量は25%)。
<実施例1〜6および比較例1〜4>
[感光性樹脂組成物の製造]
表1の配合部数[それぞれの成分の見かけの重量部、なお( )内は、感光性樹脂組成物(Q)の固形分の重量に基づく各成分の固形分の重量%(小数点以下1桁を四捨五入)]に従い、ガラス製の容器に各親水性樹脂の溶液、2個以上の加水分解性アルコキシ基を有する化合物の溶液を仕込み、さらに下記の(B−1)、(D−1)、及び(E−1)を仕込み、均一になるまで攪拌し、さらに追加の溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を添加して実施例の感光性樹脂組成物(Q1)〜(Q6)、および比較例の感光性樹脂組成物(Y1)〜(Y4)を製造した。
B−1(多官能(メタ)アクリレート):「ライトアクリレートPE−3A」(SP値:10.30、ペンタエリスリトールトリアクリレート:共栄社化学(株)製)、
C−5:メチルトリメトキシシラン(SP値:7.28)
D−1(光ラジカル重合開始剤):「イルガキュア907」(2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、
E−1(光酸発生剤):N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド
評価方法および評価結果
(1)現像性・・・感光性樹脂組成物(Q1)〜(Q6)、および(Y1)〜(Y4)を、それぞれガラス基板上に仕上り膜厚が5μmになるようにスピンコートし、25℃で5分間乾燥し、その後1%炭酸ナトリウム水溶液を用いて30秒間現像を行い、現像性を評価した。結果を表1に示す。評価基準は以下の通りである。
◎:目視により残留物無し。
○:目視により残留物わずかにあり。
△:目視により残留物が多い。
(2)塗膜性能・・・感光性樹脂組成物をパターン形成されたガラス基板上に全面塗布し、80℃で20分間乾燥した。次いで、この基板にネガフィルムを密着させ、露光後、1%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理してパターンを形成した。次に、この基板を150℃で60分間熱硬化して、硬化塗膜を有する評価基板を作製し、塗膜性能を評価した。
(A)はんだ耐熱性・・・硬化塗膜を有する評価基板をJIS C 6481の試験方法に従って、260℃の半田漕に30秒浸漬後セロハンテープによるピーリング試験を1サイクルとし、計1〜3サイクルを行った後の塗膜状態を観察し、はんだ耐熱性を評価した。
◎:3サイクル後も塗膜に変化がない。
○:3サイクル後に僅かに変化している。
△:2サイクル後に変化している。
×:1サイクル後に剥離を生じている。
(B)冷熱サイクル耐性・・・硬化塗膜を有する評価基板を−55℃で15分、常温で10分、125℃で15分のヒートサイクル試験を1,000回実施し、光学顕微鏡によりソルダーレジスト層におけるクラック発生の有無を確認した。
○:硬化塗膜にふくれ、剥がれ、変色がないもの
△:硬化塗膜に若干ふくれ、剥がれ、変色があるもの
×:硬化塗膜にふくれ、剥がれ、変色があるもの
表2から判るように、本発明の感光性樹脂組成物を用いることにより、現像性が良好でありかつ耐熱性と冷熱サイクル耐性に優れたソルダーレジスト皮膜を形成することができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、プリント配線板用フォトソルダーレジストに好適に使用できる。
さらに、その他にも各種のレジスト材料、例えば、TFT基板用保護膜、感光性レジストフィルム、感光性樹脂凸版、スクリーン版、光接着剤またはハードコート剤などの用途の感光性樹脂組成物として好適である。
さらに、金属(例えば、鉄、アルミニウム、チタン、銅等)、プラスチック(例えば、ポリカーボネート、ポリエチレンテルフタラート、ポリ(メタ)アクリレート)、紙、ガラス、ゴム及び木材等の各種材料に対するコーティング剤、塗料、印刷インキ及び接着剤としても使用でき、成型材料等としても応用できる。

Claims (5)

  1. 親水性樹脂( A ) 、水酸基を有する多官能( メタ) アクリレートモノマー( B ) 、2 個以上の加水分解性アルコキシ基を有する化合物( C ) 、光ラジカル重合開始剤( D ) 及び光酸発生剤( E )を含有し、水酸基を有する多官能( メタ) アクリレートモノマー( B ) と2 個以上の加水分解性アルコキシ基を有する化合物( C ) との溶解度パラメーターの差が− 2 . 0 〜 2 . 0 であり、(C)が下記一般式( 1 ) で表されるシラン化合物( C 1 )、または2 個以上の加水分解性アルコキシ基を有するポリシロキサン( C 2 ) であるアルカリ現像可能な感光性樹脂組成物( Q ) 。
    1 m S i ( O R 2 4 - m ( 1 )
    [ 式中、R 1 は炭素数1 〜 1 2 の脂肪族飽和炭化水素基または炭素数6 〜 1 4 の芳香族炭化水素基であり、R 2 は炭素数1 〜 4 のアルキル基であり、m は0 〜 2 の整数である。]
  2. 親水性樹脂( A ) が、カルボキシル基および水酸基から選ばれる1 種以上の親水基を有する親水性ビニル樹脂もしくは親水性エポキシ樹脂である請求項記載の感光性樹脂組成物。
  3. 2個以上の加水分解性アルコキシ基を有する化合物(C)の含有量が、感光性樹脂組成物(Q)の固形分の重量に基づいて5〜40重量%である請求項1または2記載の感光性樹脂組成物。
  4. プリント配線板に使用されるフォトソルダーレジスト用である請求項1〜のいずれか記載の感光性樹脂組成物。
  5. 請求項記載の感光性樹脂組成物からなるプリント配線板用フォトソルダーレジスト
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