JP4231076B2 - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、光照射を含む工程により硬化し、アルカリ現像可能なフォトスペーサ用感光性樹脂組成物と、該組成物を用いて形成した液晶セル内のギャップ保持のために設けられるフォトスペーサに関するものである。
近年、液晶表示装置が脚光をあびており、その製造プロセスにおいて感光性樹脂が多用されている。例えば、カラーフィルタ上の画素に相当する部分は、着色顔料分散レジストであり、ブラックマトリックスにもレジストが使用されている。そのような部分に使用されるレジストとしては、マスクを通して感光すると、光が照射された部分のみが固まり、現像により未露光部が剥離されるいわゆるネガ型レジストが多用されている。
さて、液晶表示装置技術においては、カラーフィルタ側基板と薄膜トランジスタ(TFT)側基板の両基板間に液晶層の厚みを保つために、スペーサと呼ばれるガラス又は樹脂製の透明球状体粒子(ビーズ)をセル内部に散布している。このスペーサは透明な粒子であることから、画素内に液晶と一諸にスペーサが入っていると、黒色表示時にスペーサ粒子を介して光が漏れてしまい、また、液晶が封入されている両基板間にスペーサ粒子が存在することによって、スペーサ粒子近傍の液晶分子の配向が乱され、この部分で光漏れを生じ、液晶表示装置のコントラストが低下し表示品質に悪影響を及ぼすといった問題を有している。また、例えば、強誘電性液晶のように、両基板間の間隔(液晶層の厚み)が狭い液晶表示装置においては、このスペーサ粒子を用いて両基板間の間隔を均一に精度よく保ことは困難なことである。
これに対しては、例えば、感光性樹脂を用い、部分的なパターン露光、現像というフォトリソグラフィー法により、所望の位置、例えば、画素間に位置する格子パターン状のブラックマトリクス上に、柱状の樹脂製スペーサを形成する方法が提案されている。このようなスペーサを以下フォトスペーサという。このフォトスペーサは、画素を避けた位置に形成できるので、上記のような表示品質に悪影響を及ぼすことがなくなり、表示品質の向上が望める。
一方、近年、LCD(Liquid Crystal Display)製造のためのマザーガラスが大きくなるに従い、従来の液晶流入方法(真空吸引方式)に代わって滴下方式(ODF方式)(ODF:One Drop Fill)が提案されている。ODF方式では、所定量の液晶を滴下した後、基板で挟持することによって液晶を注入するため、従来の真空吸引方式に比べ、工程数および工程時間の短縮が可能である。しかしながら、ODF方式においては、セルギャップから計算して見積もった所定量の液晶を滴下し、狭持するため、高さのばらつきを補正する柔軟性と、その際に掛かる面内での微妙な圧力差に影響しないような弾性特性を有することがフォトスペーサに対して望まれる。
すなわち、総変形量と弾性回復率が高いフォトスペーサが要求される。このような特性を持たないフォトスペーサではパネル作製持に液晶中に気泡が生じることがあり、セルギャップが均一にならずに液晶表示装置としては表示品質が劣化し、例えば、色むらが顕著なものとなってしまう等の不具合が生じる。これらの問題点を解決するための提案として、例えば、アルカリ現像性を有するフォトスペーサ用感光性樹脂組成物(特許文献−1)が提案されている。この提案では光重合性を有するモノマー、光重合開始剤とアルカリ現像性及び反応性を有するエポキシ樹脂を併用することで、機械的強度に優れたフォトスペーサを提案している。しかし、このようなエポキシ樹脂とアルカリ現像に必要なカルボン酸成分が共存しているような組成物では、エポキシ基とカルボン酸の間で架橋反応が進行する。その結果、脆くなり弾性回復特性は悪化する課題があった。
このような不具合を解決する特性を有するフォトスペーサを形成する材料として、近年、さらに新たな提案(特許文献−2)がされている。この提案では、全固形分中の多官能モノマー量を50〜70%にすることによって改良を図っている。しかしながら、多官能モノマーを大量に使用した場合アルカリ現像性が悪化するという問題があった。
特開2001−226449号公報 特開2002−174812号公報
本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、アルカリ現像性が良好な感光性樹脂組成物であってその硬化物が優れた柔軟性と優れた弾性回復特性を有する感光性樹脂組成物を提供し、さらに、優れた柔軟性と優れた弾性回復特性を有するフォトスペーサの提供を課題とする。
本発明者らは、上記問題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、親水性ポリマーエポキシ系ポリマー(A)、多官能(メタ)アクリレートモノマー(B)、2個以上の加水分解性アルコキシ基を有するポリシロキサン(C)、及び光ラジカル重合開始剤(D)を含有し、該ポリシロキサン(C)が下記一般式(1)で表されるシラン化合物(c1)を必須構成単量体とする縮合物である、アルカリ現像可能なフォトスペーサ用感光性樹脂組成物(Q);及びこれを、光照射を含む工程により硬化させて形成された液晶セル内のギャップ保持のために設けられたフォトスペーサである。
Figure 0004231076
式中、R1は、アルキル基の炭素数が1〜6の、(メタ)アクリロイロキシアルキル基、グリシドキシアルキル基、メルカプトアルキル基、及びアミノアルキル基からなる群から選ばれる1種以上の有機基、R2は炭素数1〜12の脂肪族飽和炭化水素基または炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、R3は炭素数1〜4のアルキル基、mは0または1である。
本発明の感光性樹脂組成物及びそれから得られたフォトスペーサは、以下の効果を奏する。
・感光性樹脂組成物はアルカリ現像性に優れている。
・フォトスペーサは柔軟性に優れ、かつ弾性回復特性に優れている。
本発明の感光性樹脂組成物は、親水性エポキシ系ポリマー(A)[以下において、単に(A)と表記する場合がある]、多官能(メタ)アクリレートモノマー(B)[以下において、単に(B)と表記する場合がある]、2個以上の加水分解性アルコキシ基を有するポリシロキサン(C)[以下において、単にポリシロキサン(C)、もしくは単に(C)と表記する場合がある]および、光ラジカル重合開始剤(D)[以下において、単に(D)と表記する場合がある]を含有し、(C)が特定のポリシロキサンであることにより、アルカリ現像性に優れ、かつ柔軟性および弾性回復特性に優れるフォトスペーサを提供するものである。
なお、上記及び以下において、例えば「(メタ)アクリレート」などの(メタ)を付した表現は「アクリレートおよび/またはメタクリレート」などを意味する。
以下において、本発明の感光性樹脂組成物の必須構成成分である(A)〜(D)について、順に説明する。
本発明における親水性エポキシ系ポリマー(A)における親水性の指標はHLBにより規定され、一般にこの数値が大きいほど親水性が高いことを示す。
(A)のHLB値は、(A)の樹脂骨格(例えば、ビニル系樹脂、エポキシ系系樹脂、ポリエステル系樹脂など)によって好ましい範囲が異なるが、好ましくは4〜19、さらに好ましくは5〜18、特に好ましくは6〜17である。4以上であればフォトスペーサの現像を行う際に、現像性がさらに良好であり、19以下であれば硬化物の耐水性がさらに良好である。なお、本発明におけるHLBは、小田法によるHLB値であり、親水性−疎水性バランス値のことであり、有機化合物の有機性の値と無機性の値との比率から計算することができる。
HLB≒10×無機性/有機性
また、無機性の値及び有機性の値は、文献「界面活性剤の合成とその応用」(槇書店発行、小田、寺村著)の501頁;または、「新・界面活性剤入門」(藤本武彦著、三洋化成工業株式会社発行)の198頁に詳しく記載されている。
また、(A)の溶解度パラメーター(以下、SP値という。)は、好ましくは7〜14、さら好ましくは8〜13、特に好ましくは11〜13である。7以上であるとさらに現像性が良好に発揮でき、14以下であると硬化物の耐水性がさらに良好である。
本発明におけるSP値は、Fedorsらが提案した下記の文献に記載の方法によって計算されるものである。
「POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE, FEBRUARY,1974,Vol.14,No.2,ROBERT F.FEDORS.(147〜154頁)」
SP値が近いもの同士はお互いに混ざりやすく(分散性が高い)、この数値が離れているものは混ざりにくいことを表す指標である。
(A)は、現像性の観点からカルボキシル基を有することが好ましい。カルボキシル基の含有量は酸価で示される。
(A)の酸価は、好ましくは10〜500mgKOH/gである。10mgKOH/g以上であると、現像性がさらに良好に発揮されやすく、500mgKOH/g以下であれば硬化物の耐水性がさらに良好に発揮できる。
本発明における酸価はアルカリ性滴定溶液を用いた指示薬滴定法により測定できる。
方法は以下の通りである。
(i)試料約1gを精秤して三角フラスコに入れ、続いて中性メタノール・アセトン溶液[アセトンとメタノールを1:1(容量比)で混合したもの]を加え溶解する。
(ii)フェノールフタレイン指示薬数滴を加え、0.1mol/L水酸化カリウム滴定用溶液で滴定する。指示薬の微紅色が30秒続いたときを中和の終点とする。
(iii)次式を用いて決定する。
酸価(KOHmg/g)=(A×f×5.61)/S
ただし、A:0.1mol/L水酸化カリウム滴定用溶液のmL数。
f:0.1mol/L水酸化カリウム滴定用溶液の力価
S:試料採取量(g)
本発明 の親水性エポキシ系ポリマー(A2)(以下、単に(A2)と表記する場合がある)は、水酸基又はカルボキシル基等の親水性を有する官能基を含むエポキシ樹脂骨格を有するポリマーである。
(A2)は、光硬化反応性の観点から、分子中に(メタ)アクリロイル基を有する方が好ましい。
(A2)の好ましい製造法は、エポキシ樹脂(A20)(以下、単に(A20)と表記する場合がある)中のエポキシ基に、(メタ)アクリロイル基含有モノカルボン酸を反応させてエポキシ基を開環させて水酸基を生成させ、該水酸基の一部に多価カルボン酸もしくは多価カルボン酸無水物(e)(以下、単に(e)と表記する場合がある)を反応させる方法である。
(A20)としては、脂肪族エポキシ樹脂[例えばエポトートYH−300、PG−202、PG−207(いずれも東都化成社製)など]や脂環式エポキシ樹脂[例えばCY−179、CY−177、CY−175(いずれも旭化成エポキシ社製)など]や芳香族エポキシ樹脂[例えば、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビフェニール型エポキシ樹脂おおびグリシジル変性ポリビニルフェノールなど]が挙げられる。
(A20)のうち好ましいのは硬化性の観点から芳香族エポキシ樹脂である。
(A2)の製造に使用される(メタ)アクリロイル基含有モノカルボン酸としては、アクリル酸およびメタクリル酸が挙げられる。
(A2)の製造に使用される多価カルボン酸および多価カルボン酸無水物(e)としては、前述の(a)のうちの不飽和多価カルボン酸およびそれらの無水物、並びに飽和多価(2〜6価)カルボン酸(例えばシュウ酸、コハク酸、フタル酸、アジピン酸、ドデカン二酸、ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸およびオクタデセニルコハク酸などの脂肪族飽和多価カルボン酸;テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸およびナフタレンテトラカルボン酸などの芳香族多価カルボン酸)およびそれらの無水物(例えば、無水コハク酸、ドデセニル無水コハク酸、ペンタデセニル無水コハク酸およびオクタデセニル無水コハク酸などの脂肪族飽和多価カルボン酸無水物;無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸無水物およびナフタレンテトラカルボン 酸 無水物などの芳香族多価カルボン酸無水物)が挙げられる。 好ましいのは、反応性及び現像性の観点から飽和多価カルボン酸無水物である。
(A2)の製造における、(メタ)アクリル酸/(A20)の仕込み重量比は、好ましいのは(A2)の(メタ)アクリロイル基の濃度が1.0mmol/g以上となるような(メタ)アクリル酸の仕込み重量比である。アクリル酸/(A20)の重量比は上記の観点から、好ましくは0.072以上/1、さらに好ましくは0.079〜0.72/1である。また、メタクリル酸の重量比は上記の観点から、好ましくは0.092以上/1、さらに好ましくは0.10〜0.92/1である。
(A20)と(メタ)アクリル酸の反応における反応温度は、特に限定されないが、好ましくは70〜110℃である。また、反応時間は、特に限定されないが、好ましくは5〜30時間である。また、必要により触媒(例えば、トリフェニルホスフィンなど)およびラジカル重合禁止剤(ヒドロキノン、p−メトキシフェノールなど)を用いてもよい。
また、(A20)の(メタ)アクリル酸付加物の重量に対する、多価カルボン酸もしくは多価カルボン酸無水物(e)の仕込み当量は、(A2)の酸価が、好ましくは10〜500mgKOH/gとなるような(e)の仕込み当量であり、例えば、(e)が2価カルボン酸もしくはその無水物である場合、(e)の仕込み当量/(A200)の(メタ)アク
リル酸付加物の重量は、上記の観点から、好ましくは0.18〜8.9ミリ当量/g、さらに好ましくは0.53〜7.1ミリ当量/gである。
(A20)の(メタ)アクリル酸付加物と(e)との反応における反応温度は、特に限定されないが、好ましくは70〜110℃である。また、反応時間は、特に限定されないが、好ましくは3〜10時間である。
(A2)のMnは、感光性樹脂組成物としての光硬化反応性と現像性の観点から、通常500〜3,000、好ましくは1,000〜2,800、特に好ましくは1,500〜2,500である。
(A2)のHLB値は、好ましくは4〜14、さらに好ましくは5〜13、特に好ましくは6〜12である。(A2)のHLBが4以上であれば、現像性が良好に発揮でき、14以下であれば後述の多官能(メタ)アクリレートモノマー(B)との相溶性が確保できる。
本発明の感光性樹脂組成物(Q)は、(Q)の固形分重量に基づいて、(A)を好ましくは10〜70%、さらに好ましくは15〜60%、特に好ましくは20〜50%含有する。10%以上であればさらに良好に現像性を発揮でき、70%以下であれば硬化物の弾性回復特性がさらに良好になる。なお、本発明における「固形分」とは、溶剤以外の成分をいう。
本発明において、感光性樹脂組成物中の1つの成分として用いられる多官能(メタ)アクリレートモノマー(B)(以下、単に(B)と表記する場合がある)としては、公知の多官能(メタ)アクリレートモノマーであれば、とくに限定されずに用いられ、2官能(メタ)アクリレート(B1)、3官能(メタ)アクリレート(B2)および4〜6官能(メタ)アクリレート(B3)が挙げられる。
2官能(メタ)アクリレート(B1)としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート(メタクリレートのSP値=12.5、アクリレートのSP値=10.3)、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物
のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等が例示される。
3官能(メタ)アクリレート(B2)としては、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(メタクリレートのSP値=12.5、アクリレートのSP値=10.3)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート(メタクリレートのSP値=12.5、アクリレートのSP値=10.3)、トリメチロールプロパンのエチレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート等が例示される。
4〜6官能(メタ)アクリレート(B3)としては、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(メタクリレートのSP値=12.5、アクリレートのSP値=10.3)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(メタクリレートのSP値=12.5、アクリレートのSP値=10.3)等が例示される。
(B)のSP値は、後述の(C)のSP値との差を−2.0〜2.0に設定し易いという観点から、好ましくは8〜13、さらに好ましくは9〜13、特に9〜12、とりわけ9.5〜11である。
(B)のうち好ましいものは、(B2)及び(B3)、さらに好ましいものは後述する(C)との相溶性の観点から水酸基を含有するポリマーであり、特に好ましくはジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートおよびこれらの併用である。市場から容易に入手できる(B)としては、例えば、アロニックスM−403(東亞合成(株)製)、ライトアクリレートPE−3A(共栄社化学(株)製)、ネオマーDA−600(三洋化成工業(株)製)等が挙げられる。
また、本発明における(B)には、その一部に感光性アクリルオリゴマー(B4)を含んでいてもよい。(B4)としては、Mnが1,000以下であって、カルボキシル基を含有せず、1分子中に2個以上のアクリロイル基を有するウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレートおよびポリエーテルアクリレートなどが挙げられる。
(B)中の(B4)の含有量は好ましくは50%以下、さらに好ましくは30%以下である。
(Q)の固形分の重量に基づく(B)の含有量は、10〜70%が好ましく、さらに好ましくは20〜65%、特に好ましくは25〜60%である。10%以上であれば、硬化物の弾性回復特性がさらに好ましくなり、70%以下であれば、さらに現像性が良好になる。
本発明において感光性樹脂組成物(Q)中の成分として含まれる2個以上の加水分解性アルコキシ基を有するポリシロキサン(C)は、一般式(1)で表されるシラン化合物(c1)を必須構成単量体とし、そのアルコキシ基[一般式(1)中のOR3]の一部が縮合反応して高分子化した縮合物である。
Figure 0004231076
式中、R1、アルキル基の炭素数が1〜6の、は(メタ)アクリロイロキシアルキル基、グリシドキシアルキル基、メルカプトアルキル基、及びアミノアルキル基からなる群から選ばれる1種以上の有機基、R2は炭素数1〜12の脂肪族飽和炭化水素基または炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、R3は炭素数1〜4のアルキル基、mは0または1である。
1は(c1)の縮合反応工程では反応せずに、縮合反応後もポリシロキサン(C)中に残存し、本発明の感光性樹脂組成物が熱硬化する際の熱硬化反応に寄与する官能基である。
1として好ましいものは硬化性の観点から(メタ)アクリロイロキシアルキル基およびグリシドキシアルキル基である。
2のうち、脂肪族飽和炭化水素基としては、直鎖アルキル基、分岐アルキル基および脂環式飽和炭化水素基が挙げられる。
直鎖アルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−オクチルおよびn−ドデシル基およびこれらの重水素置換体、分岐アルキル基としてはイソプロピル、イソブチル、sec−ブチルおよび2−エチルヘキシル基など、並びに環式飽和炭化水素基としてはシクロヘキシル基、シクロオクチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基およびメチルシクロヘキシル基などが挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、アリール基、アラルキル基およびアルキルアリール基が挙げられる。
アリール基としてはフェニル、ビフェニル、ナフチル基およびこれらの重水素、フッ素もしくは塩素の各置換体;アラルキル基としてはトリル、キシリル、メシチルおよびこれらの重水素、フッ素もしくは塩化物;並びに、アルキルアリール基としてはメチルフェニルおよびエチルフェニル基などが挙げられる。
2のうち好ましいのは硬化反応性の観点から直鎖アルキル基、分岐アルキル基および アリール基、さらに好ましいのは直鎖アルキル基およびアリール基、特に好ましいのはメチル基、エチル基、フェニル基およびこれらの併用である。
3としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基およびsec−ブチル基などが挙げられ、好ましいのは熱硬化反応性の観点からメチル基およびエチル基である。
一般式(1)において、R1として(メタ)アクリロイロキシアルキル基を有するシラン化合物としては、以下の化合物等が挙げられる。
mが0、すなわちアルコキシ基を3個有する3官能シラン化合物・・・3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイロキシプロピルトリエトキシシラン等
mが1、すなわちアルコキシ基を2個有する3官能シラン化合物・・・3−メタクリロイロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロイロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロイロキシプロピルメチルジエトキシシラン等
1としてグリシドキシアルキル基を有するシラン化合物としては、以下の化合物等が挙げられる。
mが0、すなわちアルコキシ基を3個有する3官能シラン化合物・・・3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等
mが1、すなわちアルコキシ基を2個有する3官能シラン化合物・・・3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等
1としてメルカプトアルキル基を有するシラン化合物としては、以下の化合物等が挙げられる。
mが0、すなわちアルコキシ基を3個有する3官能シラン化合物・・・3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等
mが1、すなわちアルコキシ基を2個有する3官能シラン化合物・・・3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等
1としてアミノアルキル基を有するシラン化合物としては、以下の化合物等が挙げられる。
mが0、すなわちアルコキシ基を3個有する3官能シラン化合物・・・N−2アミノエチルγーアミノプロピルトリメトキシシラン、N−2アミノエチルγーアミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等
mが1、すなわちアルコキシ基を2個有する3官能シラン化合物・・・N−2アミノエチルγーアミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2アミノエチルγーアミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン等
(c1)のうち、硬化反応性の観点から好ましいのは、一般式(1)におけるR1が(メタ)アクリロイロキシアルキル基又はグリシドキシアルキル基を有するシラン化合物であり、
さらに好ましいのは、アルコキシ基を3個有する(メタ)アクリロイロキシアルキル基含有3官能シラン化合物、およびアルコキシ基を3個有するグリシドキシアルキル基含有3官能シラン化合物であり、特に好ましいのは、3−アクリロイロキシプロピルトリメトキシシランおよび3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランである。
(C)としては、シラン化合物(c1)のみからなる単独縮合重合体、並びに(c1)および(c1)と共縮合可能な1種類以上の他のシラン化合物(c2)の共縮合体が挙げられる。
他のシラン化合物(c2)としては、一般式(2)で表されるシラン化合物が挙げられる。
2nSi(OR34−n (2)
式中、R2は炭素数1〜12の脂肪族飽和炭化水素基または炭素数6〜12の芳香族炭化水素基であり、R3は炭素数1〜4のアルキル基であり、nは0〜2の整数である。
R2およびR3は上記で例示したものが挙げられる。
R2のうち好ましいのは直鎖アルキル基、分岐アルキル基およびアリール基、さらに好ま
しいのは直鎖アルキル基およびアリール基、特に好ましいのはメチル基、エチル基、フェニル基およびこれらの併用である。
R3として好ましいのはメチル基およびエチル基である。
一般式(2)において、nが0、すなわちアルコキシ基を4個有する4官能シラン化合物としては、テトラメトキシシランおよびテトラエトキシシラン等が挙げられる。
nが1、すなわちアルコキシ基を3個有する3官能シラン化合物としては、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシランおよびメチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
nが2、すなわちアルコキシ基を2個有する2官能シラン化合物としては、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシランおよびフェニルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
ポリシロキサン(C)の均一なネットワークの形成の観点から、これらのうち好ましくは、nが1、すなわち3官能シラン化合物である。
他のシラン化合物(c2)の仕込み割合は、硬化反応性の観点から好ましくは(c1)1モルに対し、他のシラン化合物(c2)の合計が0.1〜6.0モル、さらに好ましくは、0.2〜4.0モルが良好である。
ポリシロキサン(C)は、例えば、乾燥雰囲気下で、シラン化合物(c1)および必要により使用される他のシラン化合物(c2)中に所定量の水および必要により触媒を攪拌しながら20〜100℃で約10分〜60分かけて滴下し、その後副生するアルコールの沸点以下の温度(例えば0〜150℃)で1〜12時間かけて熟成することにより縮合反応して得ることができる。
縮合反応において添加する水の量をXモル、シラン化合物(c1)および他のシラン化合物(c2)中のアルコキシ基のモル数をYとした場合、X/Yが小さすぎると縮合物の収量と分子量が低下する。一方、X/Yが大きすぎる場合は分子量が大きくなりすぎて保存安定性が低下する傾向にある。このことから、0.1<X/Y<5の範囲、好ましくは0.3<X/Y<3の範囲で行うことが好ましい。添加する水は通常イオン交換水または蒸留水を用いる。また、分子量調整の目的で1個のアルコキシ基を有するシラン化合物を添加することもできる。1個のアルコキシ基を有するシラン化合物としては、例えばフェニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
縮合反応の触媒としては蟻酸、酢酸、蓚酸、乳酸、マロン酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、フタル酸、ピロメリット酸、p―トルエンスルフォン酸、メタンスルフォン酸、トリフルオロ酢酸およびトリフルオロメタンスルフォン酸などの1価、2価もしくは3価の有機酸;塩酸、リン酸、硝酸、フッ酸、臭素酸、塩素酸および過塩素酸などの無機酸;アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類水酸化物、第4級アルキルアンモニウムの水酸化物や炭酸塩および1〜3級アミン類などのアルカリ塩;第4級アルキルアンモニウムハロゲン化物;次亜塩素酸ナトリウム;スズ、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウムおよび硼素などのケイ素以外の金属のアルコキシドおよびそれらのキレート錯体;などをあげることができ、この中で有機酸、無機酸、金属アルコキシド、金属アルコキシドのキレート化合物など酸性触媒が好ましく、有機酸が特に好ましい。
触媒の添加量は(c1)および(c2)の合計100重量部に対して、0.0001〜10重量部、好ましくは、0.001〜1重量部である。触媒の添加方法は特に規定されないが好ましくは水溶液として加える。また、好ましい反応温度は20℃〜100℃である。
(C)は、相溶性及び硬化物の弾性回復特性の観点から、多官能(メタ)アクリレートモノマー(B)とのSP値の差が好ましくは−2.0〜2.0、さらに好ましくは0〜1.9、特に好ましくは0.5〜1.9、とりわけ好ましくは1〜1.85である。
(C)のSP値は、前述の(B)のSP値との差を−2.0〜2.0に設定し易いという観点から、好ましくは7〜13、さらに好ましくは8〜12、特に8〜11、とりわけ8〜10.5である。
感光性樹脂組成物(Q)の固形分の重量に基づく(C)の含有量は、1〜50%が好ましく、さらに好ましくは3〜40%、特に好ましくは5〜30%である。5%以上であれば柔軟性および弾性回復特性性がさらに良好に発揮でき、40%以下であれば相溶性がさらに良好に発揮できる。
(C)のMnは、フォトスペーサとなったときの柔軟性と弾性回復特性の観点から、好ましくは500〜100,000、さらに好ましくは1,000〜50,000、特に好ましくは2,000〜20,000である。
感光性樹脂組成物(Q)中の1つの成分として用いられる光ラジカル重合開始剤(D)としては例えば、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンゾフェノン、メチルベンゾイルフォーメート、イソプロピルチオキサントン、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、3,3−ジメチル−4−メトキシ−ベンゾフェノン、アントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、tert−ブチルアントラキノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、4−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−クロロチオキサントン、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、ジイソプロピルチオキサントン、ミヒラーズケトン、ベンジル−2,4,6−(トリハロメチル)トリアジン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9ーアクリジニル)ヘプタン、1,5−ビス(9−アクリジニル)ペンタン、1,3−ビス(9−アクリジニル)プロパン、ジメチルベンジルケタール、トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、トリブロモメチルフェニルスルホン及び2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等が挙げられる。(D)は1種で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(D)は、市販のものが容易に入手することができ、例えば2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノ−1−プロパノンとしては、イルガキュア907、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オンとしては、イルガキュア369(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)等が挙げられる。
感光性樹脂組成物(Q)の固形分の重量に基づく(D)の含有量は、0.01〜10%が好ましく、さらに好ましくは0.05〜8%、である。0.01%以上であれば光硬化反応性がさらに良好に発揮でき、8%以下であれば解像度がさらに良好に発揮できる。
感光性樹脂組成物(Q)において、(B)および(メタ)アクリロイル基を有する場合の(A)の合計重量に対する(D)の含有量は、硬化性の観点から、0.02〜15%であることが好ましく、さらに0.05〜10%であることが好ましい。
感光性樹脂組成物(Q)は、必要によりさらにその他の成分(E)を含有していてもよい。(E)としては、無機微粒子(E1)、増感剤(E2)、重合禁止剤(E3)、溶剤(E4)、酸発生剤(E5)、並びにその他の添加剤(E6)(例えば、無機顔料、シランカップリング剤、染料、蛍光増白剤、黄変防止剤、酸化防止剤、消泡剤、消臭剤、芳香剤、殺菌剤、防菌剤及び防かび剤等)が挙げられる。
無機微粒子(E1)としては、金属酸化物および金属塩が使用できる。
金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸化ケイ素および酸化アルミニウム等が挙げられる。
金属塩としては、例えば、炭酸カルシウムおよび硫酸バリウム等が挙げられる。
これらのうちで、耐熱透明性および耐薬品性の観点から、金属酸化物が好ましく、さらに好ましくは、酸化ケイ素および酸化チタン、特に酸化ケイ素が好ましい。
無機微粒子は、体積平均一次粒子径が1〜200nm、透明性の観点から、好ましくは1〜150nm、さらに好ましくは1〜120nm、特に好ましくは5〜20nmのものである。
感光性樹脂組成物(Q)の固形分の重量に基づく(E1)の含有量は、通常0〜50%、好ましくは1〜45%、特に好ましくは2〜40%である。50%以下であれば現像性がさらに良好に発揮でき、2〜40%であれば、特に弾性回復特性が優れる。
増感剤(E2)としては、ニトロ化合物(例えば、アントラキノン、1,2−ナフトキノン、1,4−ナフトキノン,ベンズアントロン、p,p’−テトラメチルジアミノベンゾフェノン、クロラニル等のカルボニル化合物、ニトロベンゼン、p−ジニトロベンゼン及び2−ニトロフルオレン等)、芳香族炭化水素(例えば、アントラセン及びクリセン等)、硫黄化合物(例えば、ジフェニルジスルフィド等)及び窒素化合物(例えば、ニトロアニリン、2−クロロ−4−ニトロアニリン、5−ニトロ−2−アミノトルエン及びテトラシアノエチレン等)等が用いられる。
光重合開始剤(D)の重量に基づく増感剤(E2)の含有量は、通常0.1〜100%、好ましくは0.5〜80%、特に好ましくは1〜70%である。
重合禁止剤(E3)としては、特に限定はなく、通常の反応に使用するものが用いられる。具体的には、ジフェニルヒドラジル、トリ−p−ニトルフェニルメチル、N−(3−N−オキシアニリノ−1,3−ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、p−ベンゾキノン、p−tert−ブチルカテコール、ニトロベンゼン、ピクリン酸、ジチオベンゾイルジスルフィド及び塩化銅(II)等が挙げられる。
感光性樹脂組成物(Q)の固形分の重量に基づく重合禁止剤(E3)の含有量は、0〜1.0%が好ましく、さらに好ましくは0.01〜0.5%、特に好ましくは0.02〜0.1%である。
溶剤としては、前述の(A)の製造に使用される溶剤と同様のものが使用できる。溶剤を使用する場合、溶剤の配合量は、特に限定されないが、感光性樹脂組成物(Q)の固形分の重量に基づいて、通常50〜1,000%が好ましく、さらに好ましくは70〜900%、特に好ましくは80〜800%である。なお、溶剤の配合量には前述の(A)および(C)の製造に使用される溶剤も含まれる。
酸発生剤(E5)は光又は熱で酸を発生する化合物であり、縮合反応の促進のために添加されるものである。
(E5)としては、下記の(i)スルホン化合物、(ii)スルホン酸エステル化合物、(iii)スルホンイミド化合物、(iv)ジスルホニルジアゾメタン(v)ジスルホニルメタンおよび(vi)オニウム塩が挙げられる。
(i)スルホン化合物
フェナシルフェニルスルホン、4−トリスフェナシルスルホン−ケトスルホン、β−スルホニルスルホンおよびこれらのα−ジアゾ化合物等
(ii)スルホン酸エステル化合物
ベンゾイントシレート、ピロガロールトリストリフルオロメタンスルホネート、ピロガロールメタンスルホン酸トリエステル、α−メチロールベンゾイントシレートおよびα−メチロールベンゾインドデシルスルホネート等
(iii)スルホンイミド化合物
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(パーフルオロオクタンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(ベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミドおよびN−(ベンゼンスルホニルオキシ)ナフチルイミド等
(iv)ジスルホニルジアゾメタン化合物
ビス(トリフルオロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1−メチルエチルスルホニル)ジアゾメタンおよびビス(1、4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−7−スルホニル)ジアゾメタン等(v)オニウム塩
スルホニウム塩〔ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロホスフェート、アリルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート塩等〕、ヨードニウム塩(ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート等)、ホスホニウム塩(エチルトリフェニルホスホニウムテトラフルオロボレート等)、ジアゾニウム塩(フェニルジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート等)、アンモニウム塩(1−ベンジル−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロホスフェート等)、およびフェロセン〔(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)ヘキサフルオロホスフェート等〕等
(E5)のうち、好ましいのは好ましくはスルホンイミド化合物およびジスルホニルジアゾメタン化合物であり、さらに好ましくは、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタンである。
感光性樹脂組成物(Q)の固形分の重量に基づく(E5)の含有量は、10%以下が好ましく、さらに好ましくは0.01〜7%、特に好ましくは0.05〜5%である。0.001%以上であれば弾性回復特性がさらに良好に発揮でき、10%以下であれば現像性がさらに良好に発揮できる。
(E)の含有量の合計は、感光性樹脂組成物(Q)の重量に基づいて、通常1,000%以下、好ましくは80〜800%である。
本発明の感光性樹脂組成物(Q)は、例えば、プラネタリーミキサーなどの公知の混合装置により、上記の各成分を混合等することにより得ることができる。
また感光性樹脂組成物は、通常、室温で液状であり、その粘度は、25℃で0.1〜10,000mPa・s、好ましくは1〜8,000mPa・sである。
本発明の感光性樹脂組成物(Q)はアルカリ現像性が良好であり、その硬化物の弾性回復特性に優れているので、特に液晶セル内のギャップ保持のために設けられるフォトスペーサ用の感光性樹脂組成物として適している。
以下において本発明のフォトスペーサについて説明する。
本発明のフォトスペーサは、上記の感光性樹脂組成物(Q)を光照射を含む工程により硬化させて形成された液晶セル内のギャップ保持のために設けられるフォトスペーサである。
フォトスペーサは、カラーフィルタ基板とTFT基板とを貼り合わせた時に液晶セルのギャップを決めるものであり、表示品質にとって重要な役割を果たす。フォトスペーサの高さは、通常2〜5μm程度の範囲で一定の高さを持つものであり、その均一性が要求される。また、高さの他、フォトスペーサに要求される形状、大きさ、密度等は液晶表示装置の設計によって適宜決定される。
本発明のフォトスペーサの好ましい形成工程は、光照射の後、アルカリ現像してパターン形成し、さらにポストベークを行う工程である。
フォトスペーサの形成は、通常、以下(1)〜(5)の工程で行われる。
(1)基板の着色層上に設けられた透明共通電極上に本発明の感光性樹脂組成物を塗布する工程。
塗布方法としては、ロールコート、スピンコート、スプレーコートおよびスリットコート等が挙げられ、塗布装置としては、スピンコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、カーテンコーター、グラビアコーター及びコンマコーター等が挙げられる。
膜厚は、通常0.5〜10μm、好ましくは1〜5μmである。
(2)塗布された感光性樹脂組成物層を、必要に応じて熱を加えて乾燥させる(プリベーク)工程。
乾燥温度としては、好ましくは10〜100℃、さらに好ましくは12〜90℃、特に15〜60℃、とりわけ20〜50℃である。乾燥時間は、好ましくは0.5〜10分、さらに好ましくは1〜8分、特に好ましくは2〜5分である。乾燥は、減圧、常圧どちらでもよいが、減圧の方が好ましい。また、空気中、不活性ガス中どちらで行ってもよいが、不活性ガス中が好ましい。
(3)所定のフォトマスクを介して、活性光線により感光性樹脂組成物層の露光を行う工程。
本発明の感光性樹脂組成物であれば、直径5〜10μm程度(面積20〜100μm2程度)のマスク開口部であっても、精度良く、すなわち直径6〜12μm(面積30〜120μm2)の範囲でパターンを形成することができる。
活性光線としては、可視光線、紫外線、レーザー光線等が挙げられる。光線源としては、太陽光、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライドランプ、半導体レーザー等が挙げられる。
露光量としては、特に限定されないが、好ましくは20〜300mJ/cm2である。露光を行う工程においては、感光性樹脂組成物中の(メタ)アクリロイル基を有する成分が反応して光硬化反応する。
(4)続いて未露光部を現像液で除去し、現像を行う工程。
現像液は、通常、アルカリ水溶液を用いる。アルカリ水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の水溶液;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムおよび炭酸水素ナトリウム等の炭酸塩の水溶液;ヒドロキシテトラメチルアンモニウムおよびヒドロキシテトラエチルアンモニウム等の有機アルカリの水溶液が挙げられる。これらを単独又は2種以上組み合わせて用いることもでき、また、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等の界面活性剤を添加して用いることもできる。
現像方法としては、ディップ方式とシャワー方式があるが、シャワー方式の方が好ましい。現像液の温度は、好ましくは25〜40℃である。現像時間は、膜厚や感光性樹脂組成物の溶解性に応じて適宜決定される。
(5)後加熱(ポストベーク)工程
ポストベークの温度としては、好ましくは100〜250℃、さらに好ましくは150〜240℃、特に好ましくは180〜230℃である。ポストベークの時間は5分〜6時間、好ましくは15分〜4時間、特に好ましくは30分〜3時間である。
ベークは、減圧、常圧どちらでもよいが、減圧の方が好ましい。また、空気中、不活性ガス中どちらで行ってもよいが、不活性ガス中が好ましい。
ポストベークを行うことにより、フォトスペーサの弾性回復特性がさらに良好になる。
後加熱工程においては、感光性樹脂組成物中の熱硬化性官能基を有する成分が反応して熱硬化するものと推定される。
熱硬化性官能基としては、例えば、(B)のうちの加水分解性アルコキシ基、グリシジル基、メルカプト基またはアミノ基、並びに(A)または(B)のうちの(メタ)アクリロイル基のうちで上記の露光工程で残存した微量の(メタ)アクリロイル基などが挙げられる。
上記のようにして得られた本発明のフォトスペーサは、柔軟性及び弾性回復特性に優れたフォトスペーサである。
フォトスペーサの柔軟性は、圧力がかかった時の「総変形量」によって評価することができる。総変形量の大きい方が柔軟性に優れる。
フォトスペーサの弾性回復特性は、圧力がかかった時の「弾性回復率」によって評価することができる。弾性回復率の高い方が弾性回復率に優れる。
本発明において、柔軟性及び弾性回復特性は下記の「0.2〜0.8mN/μm2の圧力範囲における総変形量、弾性回復率」を測定して評価することができる。
「総変形量(μm)」および「弾性回復率(%)」の測定方法;
25℃において、一定の速度で所定の圧力をかけ、1秒間保持した後、一定の速度で圧力を除荷した時の荷重と変形量とのヒステリシス曲線(図1)から総変形量T0(μm)を求め、さらに塑性変形量T1(μm)を求めて、所定の圧力における弾性回復率(%)を下式で算出する。
弾性回復率(%)=[(T0−T1)/T0]×100
圧力としては、0.2mN/μm2、0.4mN/μm2、0.6mN/μm2および0.8mN/μm2の異なる4種の圧力でヒステリシス曲線を測定し、それぞれにおいて上記弾性回復率を求める。
本発明のフォトスペーサの総変形量は、0.2mN/μm2の圧力条件で、好ましくは0.2〜2.0μm、さらに好ましくは0.3〜1.8μm、特に好ましくは0.4〜1.5μmである。総変形量が0.2μm以上であれば液晶セルギャップを保持するスペーサとして実用上問題なく使用できる可能性が高い。
本発明のフォトスペーサの弾性回復率は、0.2〜0.8mN/μm2のいずれの圧力条件下であっても、好ましくは70%以上、さらに好ましくは75%以上、特に好ましくは80%以上である。弾性回復率が70%以上、特に75%以上であれば液晶セルギャップを保持するスペーサとして実用上問題なく使用できる可能性が高い。
[実施例]
以下、実施例および製造例を以て本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。以下、部は重量部を意味する。
[親水性エポキシ系ポリマー(A)の製造]
<製造例 A−1
加熱冷却・攪拌措置、環流冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えたガラス製コルベンに、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂「EOCN−1020」(日本化薬製、エポキシ当量200)200部とプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート245部を仕込み、110℃まで加熱して均一に溶解させた。続いて、アクリル酸76部(1.07モル部)、トリフェニルホスフィン2部、およびp−メトキシフェノール0.2部を仕込み、110℃にて10時間反応させた。反応物にさらにテトラヒドロ無水フタル酸91部(0.60モル部)を仕込み、さらに90℃5時間反応させ、冷却後にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて固形分含有量を調整し、カルボキシル基およびアクリロイル基を有する親水性エポキシ系ポリマー(A−)(Mn:2,200、SP値:11.26、HLB値:6.42、酸価:91mgKOH/g)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た(固形分含有量は25%)。
なお、MnはGPC測定機器(HLC−8120GPC、東ソー(株)製)、カラム(TSKgel GMHXL2本+TSKgel Multipore HXL−M、東ソ(株)製)を用いて、GPC法により測定されるポリスチレン換算の値として求めた。また、SP値、HLB値、弱酸価は、前述のようにして求めた。以下の製造例および比較例についても同様の測定法である。
[2個以上の加水分解性アルコキシ基を有するポリシロキサン(C)の製造]
<製造例C−1>
加熱冷却・攪拌措置、環流冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えたガラス製コルベンに、3−アクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン46部(0.2モル部)、ジフェニルジメトキシシラン160部(0.65モル部)とイオン交換水45g(2.5モル部)と、シュウ酸0.1部(0.001モル部)を仕込み、60℃、6時間の条件で加熱撹拌し、さらにエバポレーターを用いて、加水分解により副生したメタノールを50mmHgの減圧下で2時間かけて除去した。その後、シクロヘキサノンで固形分含有量が25%となるように希釈し、ポリシロキサン(C−1)(Mn:2,100、粘度:20mPa・s、SP値:9.36)のシクロヘキサノン溶液を得た(固形分含有量は25%)。また、粘度は25℃の定温下にてBL型粘度計(東機産業株式会社製)を用いて測定した。以下の製造例および比較例についても同様の測定法である。
<製造例C−2>
製造例C−1と同様のコルベンに、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン170部(0.82モル部)、フェニルトリメトキシシラン40部(0.20モル部)、ジフェニルジメトキシシラン30部(0.12モル部)とイオン交換水40g(2.2モル部)と、シュウ酸0.1部(0.001モル部)を仕込み、60℃、6時間の条件で加熱撹拌し、さらにエバポレーターを用いて、加水分解により副生したメタノールを50mmHgの減圧下で2時間かけて除去した。その後、シクロヘキサノンで固形分含有量が25%となるように希釈し、ポリシロキサン(C−2)(Mn:7,800、粘度:70mPa・s、SP値:8.69)のシクロヘキサノン溶液を得た(固形分含有量は25%)。
<比較製造例C−1’>
製造例C−1と同様のコルベンに、メチルトリメトキシシラン46部(0.34モル部)、フェニルトリメトキシシラン160部(0.80モル部)とイオン交換水45g(2.5モル部)と、シュウ酸0.1部(0.001モル部)を仕込み、60℃、6時間の条件で加熱撹拌し、さらにエバポレーターを用いて、加水分解により副生したメタノールを50mmHgの減圧下で2時間かけて除去した。その後、シクロヘキサノンで固形分含有量が25%となるように希釈し、比較のポリシロキサン(C−1’)(Mn:9,400、粘度:250mPa・s、SP値:8.49)のシクロヘキサノン溶液を得た(固形分含有量は25%)。
<比較製造例C−2’>
製造例C−1と同様のコルベンに、トリメチルモノメトキシシラン119部(1.14モル部)とイオン交換水45g(2.5モル部)と、シュウ酸0.1部(0.001モル部)を仕込み、60℃、6時間の条件で加熱撹拌し、さらにエバポレーターを用いて、加水分解により副生したメタノールを50mmHgの減圧下で2時間かけて除去した。その後、シクロヘキサノンで固形分含有量が25%となるように希釈し、比較のポリシロキサン(C−2’)(Mn:350、粘度:4mPa・s、SP値:6.75)のシクロヘキサノン溶液を得た(固形分含有量は25%)。
<実施例1、2および比較例1〜4>
[感光性樹脂組成物の製造]
表1の配合例に従い、ガラス製の容器に各親水性ポリマーの溶液、ポリシロキサンの溶液を仕込み、さらに下記の(B−1)、(D−1)、及び(E−1)を仕込み、均一になるまで攪拌し、さらに追加の溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を添加して実施例の感光性樹脂組成物(Q1)、(Q2)および比較例の感光性樹脂組成物(Y1)〜(Y4)を製造した。なお、表1中の( )内は、それぞれの成分の感光性樹脂組成物中における固形分換算での含有量を表す。
B−1(多官能(メタ)アクリレート):「ネオマーDA−600」(ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物:三洋化成工業(株)製)(SP値:10.55)、
C−3’:片末端グリシジル基変性ポリシロキサン(「X−22−173DX」:信越化学工業社製)(粘度:65mPa・s、SP値:6.66)
D−1(光ラジカル重合開始剤):「イルガキュア907」(2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、
E−1(酸発生剤):N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド
Figure 0004231076
[現像性の評価]
感光性樹脂組成物(Q1)、(Q2)、および(Y1)〜(Y4)を、それぞれガラス基板上に仕上り膜厚が5μmになるようにスピンコートし、25℃で5分間乾燥し、その後1%炭酸ナトリウム水溶液を用いて30秒間現像を行い、現像性を評価した。結果を表1に示す。評価基準は以下の通りである。
◎:目視により残留物無し。
○:目視により残留物わずかにあり。
△:目視により残留物が多い。
実施例3、4、比較例5〜8
[フォトスペーサの作製]
感光性樹脂組成物(Q1)、(Q2)、および(Y1)〜(Y4)を、それぞれガラス基板上に、仕上り膜厚が5μmになるようにスピンコートし、25℃で5分間乾燥した。フォトスペーサ形成用のフォトマスクを通して高圧水銀灯の光を100mJ/cm2照射した。尚、フォトマスクと基板との間隔(露光ギャップ)は100μmで露光した。その後1%炭酸ナトリウム水溶液を用いて現像をした。水洗を施したのち、230℃で60分間ポストベークしてフォトスペーサをカラーフィルタ上に形成した。フォトスペーサの上底面積は150μm2、下底面積は400μm2であった。
[総変形量、弾性回復率の測定]
上記のようにして得られたフォトスペーサの総変形量、弾性回復率をフィッシャースコープH−100(フィッシャーインストルメンツ社製)装置を用いて測定した。
なお、断面が正方形の平面圧子(50μm×50μm)の平坦圧子を用いた。結果を表2および3に示す。
Figure 0004231076
Figure 0004231076
表1、表2および表3から判るように、本発明の感光性樹脂組成物を用いることにより、現像性が良好でありかつ柔軟性および弾性回復特性に優れたフォトスペーサを形成することができる。
比較例1〜3では、使用された感光性樹脂組成物(Y1)〜(Y3)中のポリシロキサンが官能基または2個以上のアルコキシ基を有していないため必要とされる架橋反応が十分に進行しない。このような場合、分子間での「ずり」が大きくなるため、弾性回復率が小さくなる。このようなフォトスペーサを用いて液晶パネルを作成すると、セルギャップが均一とならずに表示品質が悪化する。
比較例4では、使用された感光性樹脂組成物(Y4)にポリシロキサンが含まれず、総変形量が小さく、柔軟性に劣る。このようなフォトスペーサを用いて液晶パネルを作成すると、セルギャップが均一とならずに表示品質が悪化する。
本発明の感光性樹脂組成物は、フォトスペーサ用に好適に使用できる。
さらに、その他にも各種のレジスト材料、例えば、フォトソルダーレジスト、感光性レジストフィルム、感光性樹脂凸版、スクリーン版、光接着剤またはハードコート剤などの用途の感光性樹脂組成物として好適である。
さらに、金属(例えば、鉄、アルミニウム、チタン、銅等)、プラスチック(例えば、ポリカーボネート、ポリエチレンテルフタラート、ポリ(メタ)アクリレート)、紙、ガラス、ゴム及び木材等の各種材料に対するコーティング剤、塗料、印刷インキ及び接着剤としても使用でき、成型材料等としても応用できる。
荷重と変形量のヒステリシス曲線
符号の説明
T0: 総変形量
T1: 塑性変形量
T2: 弾性変形量

Claims (6)

  1. 親水性エポキシ系ポリマー(A)、多官能(メタ)アクリレートモノマー(B)、2個以上の加水分解性アルコキシ基を有するポリシロキサン(C)、及び光ラジカル重合開始剤(D)を含有し、該ポリシロキサン(C)が下記一般式(1)で表されるシラン化合物(c1)を必須構成単量体とする縮合物である、アルカリ現像可能なフォトスペーサ用感光性樹脂組成物(Q)。
    Figure 0004231076
    [式中、R1は、アルキル基の炭素数が1〜6の、(メタ)アクリロイロキシアルキル基、グリシドキシアルキル基、メルカプトアルキル基、及びアミノアルキル基からなる群から選ばれる1種以上の有機基、R2は炭素数1〜12の脂肪族飽和炭化水素基または炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、R3は炭素数1〜4のアルキル基、mは0または1である。]
  2. (c1)が、一般式(1)におけるR1が(メタ)アクリロイロキシアルキル基であるシラン化合物である請求項1記載の感光性樹脂組成物(Q)。
  3. 多官能(メタ)アクリレートモノマー(B)と2個以上の加水分解性アルコキシ基を有する化合物(C)との溶解度パラメーターの差が−2.0〜2.0であるである請求項1または2記載の感光性樹脂組成物(Q)。
  4. 2個以上の加水分解性アルコキシ基を有するポリシロキサン(C)の含有量が、感光性樹脂組成物(Q)の固形分の重量に基づいて5〜30重量%である請求項1〜3のいずれか記載の感光性樹脂組成物(Q)。
  5. 請求項1〜4のいずれか記載の感光性樹脂組成物を光照射を含む工程により硬化させて形成されたフォトスペーサ。
  6. 光照射を含む工程が、光照射の後、アルカリ現像してパターン形成し、さらにポストベークを行うことを特徴とする工程である請求項5記載のフォトスペーサ。
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