JP5653173B2 - 感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
一般に多階調マスクは、光の透過を遮る遮光部と、光を完全に透過させる開口部と、光透過率が制御された半透過部の3種類の部分を有することにより、階調を出すマスクのことである。
すなわち、高さの異なる硬化物を一括して同時に形成する場合において、従来知られている感光性樹脂組成物ではフォトスペーサの高さ均一性は確保できるが、多階調マスクの半透過部での感度が高すぎるため、半透過部でも開口部と同じ高さになってしまい、フォトスペーサとサブスペーサの高さ差[図1中の(I)(b)の14H]やフォトスペーサとオーバーコートの膜厚差[図2中の(II)(b)の16H]のような高さの差を得ることができない。
いずれの場合においても従来の感光性樹脂組成物では高さ均一性と所望の高さの差を得ることが困難である。
すなわち本発明は、
高さの異なる硬化物を同一の材料で一括形成するために用いられるフォトスペーサ用感光性樹脂組成物であって、親水性エポキシ樹脂(A)、多官能(メタ)アクリレートモノマー(B)、アシルフォスフィンオキサイド系光ラジカル重合開始剤(C1)およびアセトフェノン系光ラジカル重合開始剤(C2)、並びに2個以上の加水分解性アルコキシ基を有するポリシロキサン(D)を必須成分として含有することを特徴とするアルカリ現像可能なフォトスペーサ用感光性樹脂組成;
並びにこのフォトスペーサ用感光性樹脂組成物を光照射の後、アルカリ現像してパターン形成をし、さらにポストベークを行い形成されたフォトスペーサ及びサブスペーサを含むカラーフィルターである。
(1)高さの異なるフォトスペーサーとサブスペーサーを一括形成することができる。
(2)フォトスペーサは優れた高さ均一性を有する。
(3)サブスペーサも優れた高さ均一性を有する。
(4)フォトスペーサは柔軟性に優れる一方、弾性回復特性にも優れている。
(A)のHLB値は、好ましくは4〜19、さらに好ましくは5〜18、特に好ましくは6〜17である。4以上であればフォトスペーサの現像を行う際に、現像性がさらに良好であり、19以下であれば硬化物の耐水性がさらに良好である。
HLB値は有機化合物の有機性の値と無機性の値との比率から計算することができる。
HLB≒10×無機性/有機性
HLBを導き出すための有機性の値及び無機性の値については「界面活性剤入門」〔2007年、藤本武彦著〕213頁に記載の表の値を用いて算出できる。
「POLYMER ENFINEERING AND SCIENCE,February,1974,Vol.14,No.2,Robert F. Fedors(147〜154頁)」
SP値が近いもの同士はお互いに混ざりやすく(分散性が高い)、この数値が離れているものは混ざりにくい。
カルボキシル基の含有量は酸価で示される。
(A)の酸価は、好ましくは10〜500mgKOH/gである。10mgKOH/g以上であると、現像性がさらに良好に発揮されやすく、500mgKOH/g以下であれば硬化物の耐水性がさらに良好に発揮できる。
(i)試料約0.1〜10gを精秤して三角フラスコに入れ、続いて中性メタノール・アセトン溶液[アセトンとメタノールを1:1(容量比)で混合したもの]を加え溶解する。
(ii)フェノールフタレイン指示薬数滴を加え、0.1mol/L水酸化カリウム滴定用溶液で滴定する。指示薬の微紅色が30秒続いたときを中和の終点とする。
(iii)次式を用いて決定する。
酸価(mgKOH/g)=(A×f×5.61)/S
ただし、A:0.1mol/L水酸化カリウム滴定用溶液のmL数
f:0.1mol/L水酸化カリウム滴定用溶液の力価
S:試料採取量(g)
(A0)のうち好ましいのは硬度の観点から芳香族エポキシ樹脂である。
さらに好ましいものは(A)との相溶性の観点から水酸基を含有するもの及びそれと水酸基を含有しないものとの混合物である。
特に好ましくはジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートとの混合物、並びにこれらの併用である。
そのような(B4)としては、Mnが1,000以下であって、カルボキシル基を含有せず、1分子中に2個以上のアクリロイル基を有するウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート及びポリエーテルアクリレートなどが含まれる。
すなわち、このような特定の種類の光ラジカル開始剤(C)としては、アシルフォスフィンオキサイド系光ラジカル開始剤(C1)とアセトフェノン系光ラジカル開始剤(C2)の併用が必要である。
これらのうち好ましくは、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドである。
これらは、Ph−(C=O)−の化学構造を有する。
これらのうち好ましくは、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン及び2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オンである。
1重量%以上であれば硬化反応性がさらに良好に発揮でき、15重量%以下であれば光露光時のマスク汚れの低減および相溶性がさらに良好に発揮できる。
重合開始剤等をさらに併用することができる。
このような光重合開始剤としては、例えば、ビイミダゾール系光ラジカル開始剤、オキシム系光ラジカル開始剤、トリアジン系光ラジカル開始剤、ベンゾイン系光ラジカル開始剤、ベンゾフェノン系光ラジカル開始剤、チオキサントン系光ラジカル開始剤等が挙げられる。
紫外線吸収剤(E)としては、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ−C7〜9アルキルエステル、オクチル−3−[3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル]プロピオネート、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−t−ペンチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、α−[3−[3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]−1−オキソプロピル]−ω−ヒドロキシポリ(オキソ−1,2−エタンジイル)、2−[5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(t−ブチルフェノール)、2,4−ジ−t−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール及び2−[2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミド−メチル)−5−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−iso−オクチルオキシフェニル)−s−トリアジン、オクタベンフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
R2は炭素数が1〜12のアルキル基、炭素数5〜12の脂環式炭化水素基、または炭素数6〜12の芳香族炭化水素基である。
R3は炭素数が1〜4のアルキル基である。mは0または1である。
R1として好ましいのは硬化性の観点から(メタ)アクリロイロキシアルキル基及びグリシドキシアルキル基である。
直鎖アルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−オクチルおよびn−ドデシル基が挙げられ、分岐アルキル基としてはイソプロピル、イソブチル、sec−ブチルおよび2−エチルヘキシル基などが挙げられる。
アリール基としてはフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基;アラルキル基としてはトリル基、キシリル基、メシチル基;並びに、アルキルアリール基としてはメチルフェニル基およびエチルフェニル基などが挙げられる。
好ましいのはメチル基、エチル基、フェニル基、およびこれらの併用である。
mが0、すなわちアルコキシ基を3個有する3官能シラン化合物としては、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
mが0、すなわちアルコキシ基を3個有する3官能シラン化合物としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
mが0、すなわちアルコキシ基を3個有する3官能シラン化合物としては、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
mが0、すなわちアルコキシ基を3個有する3官能シラン化合物としては、N−2アミノエチルγーアミノプロピルトリメトキシシラン、N−2アミノエチルγーアミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
さらに好ましいのは、アルコキシ基を3個有する(メタ)アクリロイロキシアルキル基含有3官能シラン化合物、およびアルコキシ基を3個有するグリシドキシアルキル基含有3官能シラン化合物である。特に好ましいのは、3−アクリロイロキシプロピルトリメトキシシランおよび3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランである。
(d1)と共縮合可能なシラン化合物(d2)としては、下記一般式(2)で表されるシラン化合物が挙げられる。
R4のうち好ましいのは直鎖アルキル基、分岐アルキル基およびアリール基であり、さらに好ましいのは直鎖アルキル基およびアリール基である。特に好ましいのはメチル基、エチル基、フェニル基およびこれらの併用である。
R5として好ましいのはメチル基およびエチル基である。
nが1、すなわちアルコキシ基を3個有する3官能シラン化合物としては、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシランおよびメチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
nが2、すなわちアルコキシ基を2個有する2官能シラン化合物としては、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシランおよびフェニルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
ポリシロキサン(D)の均一なネットワークの形成の観点から、nが1、すなわち3官能シラン化合物が好ましい。
このことから、0.1<X/Y<5の範囲、好ましくは0.3<X/Y<3の範囲で行うことが好ましい。
添加する水は通常イオン交換水または蒸留水を用いる。
触媒の添加量は(d1)および(d2)の合計100重量部に対して、0.0001〜10重量部、好ましくは、0.001〜1重量部である。
本発明で用いられる溶剤(F)としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル系溶剤;メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテートなどのエステル系溶剤などが挙げられる。
これらの溶剤は、1種を単独で使用しても、2種以上を混合して使用しても良い。
酸発生剤としては、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、スルホンイミド化合物、ジスルホニルジアゾメタン、ジスルホニルメタン、オニウム塩が挙げられる。
フォトスペーサ及びサブスペーサの形成は、通常、以下(1)〜(5)の工程で行われる。
塗布方法としては、ロールコート、スピンコート、スプレーコートおよびスリットコート等が挙げられ、塗布装置としては、スピンコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、カーテンコーター、グラビアコーター及びコンマコーター等が挙げられる。
膜厚は、通常0.5〜10μm、好ましくは1〜5μmである。
乾燥温度としては、好ましくは10〜120℃、さらに好ましくは12〜90℃、特に15〜60℃、とりわけ20〜50℃である。乾燥時間は、好ましくは0.5〜10分、さらに好ましくは1〜8分、特に好ましくは1〜5分である。
活性光線としては、例えば、可視光線、紫外線、およびレーザー光線が挙げられる。光線源としては、例えば、太陽光、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライドランプ、および半導体レーザーが挙げられる。
露光量としては、特に限定されないが、好ましくは20〜300mJ/cm2、生産コストの観点から20〜100mJ/cm2がさらに好ましい。
露光光を行う工程においては、感光性樹脂組成物中の(メタ)アクリロイル基を有する成分が反応して光硬化反応する。
現像液は、通常、アルカリ水溶液を用いる。アルカリ水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の水溶液;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムおよび炭酸水素ナトリウム等の炭酸塩の水溶液;ヒドロキシテトラメチルアンモニウム、およびヒドロキシテトラエチルアンモニウム等の有機アルカリの水溶液が挙げられる。
これらを単独又は2種以上組み合わせて用いることもでき、また、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等の界面活性剤を添加して用いることもできる。
現像方法としては、ディップ方式とシャワー方式があるが、シャワー方式の方が好ましい。現像液の温度は、好ましくは25〜40℃である。現像時間は、膜厚や感光性樹脂組成物の溶解性に応じて適宜決定される。
ポストベークの温度としては50〜280℃、好ましくは100〜250℃、さらに好ましくは120〜240℃、特に好ましくは140〜230℃である。
ポストベークの時間は通常5分〜2時間である。
加熱冷却・撹拌装置、還流冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えたガラス製コルベンに、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂「EOCN−102S」(日本化薬(株)製エポキシ当量200)200部とプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート145部を仕込み、110℃まで加熱して均一に溶解させた。続いて、アクリル酸76部、トリフェニルホスフィン2部及びp−メトキシフェノール0.2部を仕込み、110℃にて10時間反応させた。
この反応物にさらにテトラヒドロ無水フタル酸91部を仕込み、さらに90℃にて5時間反応させ、その後プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで固形分含有量が60%になるように希釈し、アクリロイル基とカルボキシル基を有する本発明の親水性エポキシ樹脂の60%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(A−1)を得た。
なおGPC測定機器(HLC−8120GPC、東ソー(株)製)、カラム(TSKgel GMHXL 2本+TSKgel Multipore HXL−M、東ソー(株)製)を用いて、GPC法により測定されるポリスチレン換算の値として求めた。
加熱冷却・撹拌装置、還流冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えたガラス製コルベンに、3−アクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン46部(0.2モル部)、ジフェニルジメトキシシラン160部(0.65モル部)とイオン交換水45部(2.5モル部)と、シュウ酸0.1部(0.001モル部)を仕込み、60℃、6時間の条件で加熱撹拌し、さらにエバポレーターを用いて、加水分解により副生したメタノールを50mmHgの減圧下で2時間かけて除去し、本発明のアクリル変性ポリシロキサン(D−1)を得た。このMnは2100であった。
加熱冷却、撹拌装置、還流冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えたガラス製コルベンに、イソボニルメタクリレート50部(33モル%)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート30部(33モル%)、メタクリル酸20部(34モル%)及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート150部を仕込み、80℃まで加熱した。
系内の気相部分を窒素で置換したのち、予め作成しておいたアゾビスイソブチロニトリル5部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート50部に溶解した溶液を80℃のコルベン中に10分間で滴下し、さらに同温度で3時間反応させた。反応物をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで固形分含量が30%になるように希釈し、比較のための親水性アクリル樹脂溶液(A’−1)を得た。
[感光性樹脂組成物の製造]
表1の配合例に従い、均一になるまで撹拌して実施例及び比較例の感光性樹脂組成物を配合した。
ネオマーDA−600(B−1):ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物、三洋化成工業(株)製
イルガキュア819(C−1):ビス(2、4、6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)
イルガキュア907(C−2):2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製
カヤキュアDETX−S(C’−1):2、4−ジメチルチオキサントン、日本化薬(株)製
チヌビンP(E−1):2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製
ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート(E−2):チオール基を含む連鎖移動剤
[フォトスペーサの作製]
10cm×10cmのガラス基板上にスピンコーターにより塗布し、乾燥し、乾燥膜厚5μmの塗膜を形成した。この塗膜をホットプレート上で80℃、3分間加熱した。
得られた塗膜に対し、フォトスペーサ形成用の多階調マスクを通して超高圧水銀灯の光を60mJ/cm2照射した(i線換算で照度22mW/cm2)。
なお、マスクと基板の間隔(露光ギャップ)は100μmで露光した。
その後0.05%KOH水溶液を用いてアルカリ現像した。水洗したのち、230℃で30分間ポストベークを行い、フォトスペーサ及びサブスペーサを形成した。
上記のようにして得られたテストピ−スのうちの完全透過開口部のフォトスペーサ及び半透過部のサブスペーサの高さについて、それぞれ5点の高さをカラー3Dレーザー顕微鏡VK−8700(キーエンス社製)を用いて測定し、その平均を算出した。
また全透過部のフォトスペーサの平均高さ(H1)と半透過部のサブスペーサの平均高さ(H2)の差異(μm)を算出した。
平均高さの差異(H1−H2)が0.3μm以上を○、0.3μm未満を×と判定した。
上記のようにして得られたテストピ−スのうちの半透過部のサブスペーサ25点の高さについて、カラー3Dレーザー顕微鏡を用いて測定した。この25点でのサブスペーサの高さの測定値から、最大値と最小値との差(μm)を「高さ均一性」と定義して算出した。
高さ均一性は、値が小さいほど均一性に優れることを示す。
高さ均一性が0.15μm未満を○、0.15μm以上を×と判定した。
上記のようにして得られたテストピ−スの完全透過開口部のフォトスペーサの弾性回復率をフィッシャースコープH−100(フィッシャーインストルメンツ社製)を用いて測定した。
なお、断面が正方形の平面圧子(100μm×100μm)の平坦圧子を用いた。
回復弾性率が80%以上を○、80%未満を×と判定した。
一方、アセトフェノン系光ラジカル開始剤(C2)ではなくチオキサントン系光ラジカル開始剤を使用した比較例1では、全透過部と半透過部の高さの差異がつかない。アシルフォスフィンオキサイド系光ラジカル開始剤(C1)を含有しない比較例2では全透過部と半透過部の高さの差異がつかない。ポリシロキサンを含有していない比較例3では、弾性回復率が悪い。
アシルフォスフィンオキサイド系光ラジカル開始剤(C1)を使用せずさらにチオール基を含有する連鎖移動剤を使用する比較例4および親水性エポキシ樹脂を含有しない比較例5は、半透過部の高さ均一性と弾性回復率が悪い。
2:基板
3:ブラックマトリクス
4:着色層
4R:赤色パターン
4G:緑色パターン
4B:青色パターン
5:透明基板
6:遮光膜
7:半透過膜
8:多階調マスク
9:開口部
10:遮光部
11:半透過部
12:フォトスペーサ
13:サブスペーサ
14H:フォトスペーサとサブスペーサの高さ差
15:オーバーコート
16H:フォトスペーサとオーバーコートの高さ差
Claims (7)
- 高さの異なる硬化物を同一の材料で一括形成するために用いられるフォトスペーサ用感光性樹脂組成物であって、親水性エポキシ樹脂(A)、多官能(メタ)アクリレートモノマー(B)、アシルフォスフィンオキサイド系光ラジカル重合開始剤(C1)およびアセトフェノン系光ラジカル重合開始剤(C2)、並びに2個以上の加水分解性アルコキシ基を有するポリシロキサン(D)を必須成分として含有してなり、該(A)が、(メタ)アクリロイル基およびカルボキシル基を有する樹脂であるアルカリ現像可能なフォトスペーサ用感光性樹脂組成物。
- 該アシルフォスフィンオキサイド系光ラジカル重合開始剤(C1)のアセトフェノン系光ラジカル重合開始剤(C2)に対する重量比 率 (C1)/(C2)が1.0〜20である請求項1記載のフォトスペーサ用感光性樹脂組成物。
- 該アシルフォスフィンオキサイド系光ラジカル重合開始剤(C1)のアセトフェノン系光ラジカル重合開始剤(C2)に対する重量比(C1)/(C2)が1.0未満であり、さらに紫外線吸収剤(E)を0.1〜5重量%を含有する請求項1記載のフォトスペーサ用感光性樹脂組成物。
- 感光性樹脂組成物の(A)、(B)、(C1)、(C2)、(D)の合計に基づいて、該親水性エポキシ樹脂(A)を10〜60重量%、該多官能(メタ)アクリレートモノマー(B)を10〜80重量%、該アシルフォスフィンオキサイド系光ラジカル重合開始剤(C1)と該アセトフェノン系光ラジカル重合開始剤(C2)の合計量を1〜15重量%、および該ポリシロキサン(D)を2〜30重量%含有してなる請求項1〜3いずれか記載のフォトスペーサ用感光性樹脂組成物。
- 該親水性エポキシ樹脂(A)が、エポキシ基の全部もしくは一部と(メタ)アクリル酸のカルボキシル基との開環反応させ、さらに前記の開環反応で生成した水酸基と酸無水物(f)を反応させた反応物である請求項1〜4いずれか記載のフォトスペーサ用感光性樹脂組成物)。
- 請求項1〜6のいずれか記載のフォトスペーサ用感光性樹脂組成物を光照射の後、アルカリ現像してパターン形成をし、さらにポストベークを行い形成されたフォトスペーサ及びサブスペーサを含むカラーフィルター。
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