JP5423004B2 - ネガ型感光性樹脂組成物およびそれを用いたタッチパネル用材料 - Google Patents

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本発明は、ネガ型感光性樹脂組成物とそれを用いたタッチパネル用材料、タッチパネル保護膜およびタッチパネル絶縁膜に関する。
現在、ハードコート材料の用途は多岐にわたり、例えば、自動車部品、化粧品等の容器、シート、フィルム、光学ディスク、薄型ディスプレイ等の表面硬度向上に用いられている。ハードコート材料に求められる特性としては、硬度、耐擦傷性の他に耐熱性、耐候性、接着性等が挙げられる。ハードコート材料の代表例としては、ラジカル重合型のUV硬化型ハードコートがあり(例えば、非特許文献1参照)、その構成は、重合性基含有オリゴマー、モノマー、光重合開始剤およびその他添加剤である。UV照射によりオリゴマーおよびモノマーがラジカル重合することで架橋し、高硬度な膜を得る。このハードコート材料は硬化の所要時間が短く生産性が向上するうえに、一般的なラジカル重合機構によるネガ型感光性材料を用いることができ、製造コストが安価になるという利点を持つ。
タッチパネルはハードコート材料の主な用途の一つである。現在主流の抵抗膜式のタッチパネルは、フィルム上にセンサーを取り付けるため高温処理ができない。このため、熱硬化を必要としないかあるいは低温硬化で硬化膜を得られる上述のUV硬化型ハードコートが好んで用いられてきた(例えば、特許文献1参照)。一方、近年注目を浴びている静電容量式タッチパネルは、高温処理可能なガラス上にITO(Indium Tin Oxide)膜を形成するため、結晶化が十分進行した透明なITO膜を形成することができる。しかしながら、抵抗膜式タッチパネルのような外部の衝撃を緩和する働きを有する層がないため、表面保護膜にはより高い硬度が求められる。また、回路接続を目的とした加工を行うために、感光性が求められる。さらに、接続時の熱処理に耐えるために、耐熱性が求められる。これに対して、静電容量式タッチパネルとして、例えば、ITO膜付きガラスを基板に用い、高硬度な無機系のSiO、SiNxや透明樹脂等で形成された保護膜を有するものが開示されている。しかし、無機系ハードコートは、SiOやSiNxをCVD(Chmial Vapor Deposition)により形成するか、SOG(Spin On Glass)をコーティング後に300℃近い高温処理を長時間行うことにより形成するために、エネルギー消費量が増加する。さらに、前記無機系ハードコートは感光性を有しないため、回路接続を目的とした保護膜加工を別途行う必要があり、これによりプロセス数が増加する等、製造コストが高くなる課題があった。
一方、有機系ハードコート材料として、重合性基含有オリゴマー、モノマー、光重合開始剤およびその他添加剤を含有するUV硬化型コーティング組成物が知られている(例えば、特許文献2参照)。かかる組成物は、下地がガラス基板等のSi原子を有する場合、現像時接着性に優れ、良好なパターン加工性を有し、高い硬度と透明性を有する硬化膜を得ることができる。しかしながら、Si原子を有しない無機物で構成される基板表面や素子表面に対して、十分な接着性が得られないという課題を有していた。特に、下地がITOやモリブデン等の基板である場合、現像時にパターンがはがれる等現像時接着性が不十分であった。また、水酸基を有する不飽和カルボン酸エステル残基を有する(メタ)アクリレート化合物、窒素原子と重合性ビニル基を有する有機化合物、光重合開始剤を含有する光硬化性樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、かかる組成物も下地がITOやモリブデン等の基板である場合、現像時にパターンがはがれる等現像時接着性が不十分であった。
特開2001−330707号公報(請求項1) 特開平7−11165号公報(請求項1) 特開2000−63450号公報(請求項1)
大原 昇ら著、「プラスチック基材を中心としたハードコート膜における材料設計・塗工技術と硬度の向上」、技術情報協会、2005年4月28日、301ページ
本発明は、パターン加工時において、Si原子を有しない無機物で構成される基板表面や素子表面との現像時接着性に優れたネガ型感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明は、(A)カルボキシル基および/またはフェノール性水酸基と、エチレン性不飽和二重結合基を有する重合体、
(B)光ラジカル重合開始剤、および
(C)水酸基を有する不飽和カルボン酸エステル残基を1分子中に3個以上有する化合物
を含有することを特徴とするネガ型感光性樹脂組成物である。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、Si原子を有しない無機物で構成される基板表面や素子表面との現像時接着性に優れる。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、(A)カルボキシル基および/またはフェノール性水酸基と、エチレン性不飽和二重結合基を有する重合体、
(B)光ラジカル重合開始剤、および
(C)水酸基を有する不飽和カルボン酸エステル残基を1分子中に3個以上有する化合物
を含有することを特徴とする。本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、(C)水酸基を有する不飽和カルボン酸エステル残基を1分子中に3個以上有する化合物を含有することにより、Si原子を有しないITOやモリブデン等の無機物で構成される基板表面や素子表面に対しても、現像時接着性を向上させることができる。
以下、本発明のネガ型感光性樹脂組成物の各構成成分について説明する。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、(A)カルボキシル基および/またはフェノール性水酸基と、エチレン性不飽和二重結合基を有する重合体を含有する。カルボキシル基および/またはフェノール性水酸基を有することにより、ネガ型感光性樹脂組成物のアルカリ溶解性(現像性)に優れ、現像後の残さを抑制して良好なパターンを形成することできる。また、エチレン性不飽和二重結合基を有することにより、後述する(C)水酸基を有する不飽和カルボン酸エステル残基を1分子中に3個以上有する化合物との間でラジカル重合反応を生じるため、得られる硬化膜の架橋密度を向上させ、硬化膜の硬度を向上させることができる。さらに、エチレン性不飽和二重結合基を有することにより、パターン下部への現像液の染み込みを抑制して現像時接着性を向上させることができる。
(A)カルボキシル基および/またはフェノール性水酸基とエチレン性不飽和二重結合基を有する重合体としては、これらの基を有するアクリル樹脂、ポリシロキサン、ビニルエーテル樹脂、ポリヒドロキシスチレン、ノボラック樹脂、ポリイミド、ポリアミド等が挙げられる。カルボキシル基および/またはフェノール性水酸基を有する重合体を形成し、その後にエチレン性不飽和二重結合基を導入したものでもよいし、エチレン性不飽和二重結合基を重合体形成と同時導入したものでもよい。これら重合体のうち、エチレン性不飽和二重結合基の導入の容易さから、アクリル樹脂、ポリシロキサン、ビニルエーテル樹脂、ポリヒドロキシスチレンが好ましい。また、これら重合体を2種以上含有してもよい。(A)の重合体として好ましい例を下に挙げるが、これに限定されない。
カルボキシル基および/またはフェノール性水酸基を有するアクリル樹脂として、(a)カルボキシル基および/またはフェノール性水酸基を有するラジカル重合性化合物を、必要により他のラジカル重合性化合物と、ラジカル重合開始剤を用いて公知の方法によりラジカル重合した後、例えば特開平05−170517号公報に記載の方法にて、(d)エチレン性不飽和二重結合基を有するエポキシ化合物を付加反応することによって得られるものが挙げられる。他のラジカル重合性化合物としては、(b)フェニル基を有するラジカル重合性化合物や(c)脂環式炭化水素基を有するラジカル重合性化合物が挙げられる。フェニル基を有することにより、硬化膜の耐熱性が向上し、脂環式炭化水素基を有することにより、硬化膜の透明性が向上する。このため、カルボキシル基および/またはフェノール性水酸基を有するアクリル樹脂は、さらにフェニル基および脂環式炭化水素基を有することが好ましい。
上記(a)のラジカル重合性化合物としては、エチレン性不飽和二重結合を有する不飽和カルボン酸、フェノール性水酸基または、酸やアルカリにより分解してフェノール性水酸基を生じる基を有するエチレン性不飽和二重結合化合物等が挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
エチレン性不飽和二重結合を有する不飽和カルボン酸としては、例えば(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、フマル酸、クロトン酸、1,4−シクロヘキセンジカルボン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸、(メタ)アクリロイルオキシ酢酸、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピオン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピオン酸、4−(メタ)アクリロイルオキシブタン酸、4−(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、3−(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、2−(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、4−(メタ)アクリロイルオキシフタル酸、3−(メタ)アクリロイルオキシフタル酸、4−(メタ)アクリロイルオキシイソフタル酸、5−(メタ)アクリロイルオキシイソフタル酸等を挙げることができる。なお、「(メタ)アクリル酸」とはアクリル酸とメタクリル酸の総称を、「(メタ)アクリロイル」とはアクリロイルとメタクリロイルの総称を示し、以下同様とする。
フェノール性水酸基または、酸やアルカリにより分解してフェノール性水酸基を生じる基を有するエチレン性不飽和二重結合化合物としては、例えばo−、m−、p−ヒドロキシスチレン、o−、m−、p−t−ブトキシスチレン、イソプロペニルフェノール、o−、m−、p−アセトキシスチレン等を挙げることができる。
これらのうち、アルカリ現像液に対する溶解性、Si原子を有しない無機物との現像時接着性をより向上させる観点から、(メタ)アクリル酸、p−ヒドロキシスチレン、イソプロペニルフェノールが好ましい。
上記(b)フェニル基を有するラジカル重合性化合物としては、例えばスチレン、α−、o−、m−、p−メチルスチレン、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのうち、硬化膜の耐熱性とアルカリ現像液に対する溶解性の観点から、スチレン、α−メチルスチレン、ベンジル(メタ)アクリレートが好ましい。これらを2種以上用いてもよい。
上記(c)脂環式炭化水素基を有するラジカル重合性化合物としては、例えば(メタ)アクリル酸シクロプロピル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキセニル、(メタ)アクリル酸4−メトキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−シクロプロピルオキシカルボニルエチル、(メタ)アクリル酸2−シクロペンチルオキシカルボニルエチル、(メタ)アクリル酸2−シクロヘキシルオキシカルボニルエチル、(メタ)アクリル酸2−シクロヘキセニルオキシカルボニルエチル、(メタ)アクリル酸2−(4−メトキシシクロヘキシル)オキシカルボニルエチル、(メタ)アクリル酸ノルボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸テトラシクロデカニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸アダマンチルメチル、(メタ)アクリル酸1−メチルアダマンチル等を挙げることができる。これらのうち、(メタ)アクリル酸シクロプロピル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ノルボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸テトラシクロデカニル、(メタ)アクリル酸アダマンチルが好ましい。硬化膜の吸水性と、Si原子を有しない無機物との現像時接着性をより向上させる観点から、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸テトラシクロデカニルがより好ましい。これらを2種以上用いてもよい。
さらに、その他のラジカル重合性化合物を上記(a)と共重合することができる。例えば、ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジプロピルアクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、アクロレイン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、N−ビニルピロリドン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸t−ブチル等を挙げることができる。分子量調整の観点から、ブタジエン、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルが好ましい。これらを2種以上用いてもよい。
上記(d)エチレン性不飽和二重結合基を有するエポキシ化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸α−エチルグリシジル、(メタ)アクリル酸α−n−プロピルグリシジル、(メタ)アクリル酸α−n−ブチルグリシジル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシブチル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシヘプチル、(メタ)アクリル酸α−エチル−6,7−エポキシヘプチル、アリルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、2,3−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,4−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,5−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,6−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,3,4−トリグリシジルオキシメチルスチレン、2,3,5−トリグリシジルオキシメチルスチレン、2,3,6−トリグリシジルオキシメチルスチレン、3,4,5−トリグリシジルオキシメチルスチレン、2,4,6−トリグリシジルオキシメチルスチレン等を挙げることができる。パターン加工性、硬化膜の硬度向上の観点から、(メタ)アクリル酸グリシジル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテルが好ましい。これらを2種以上用いてもよい。
上記カルボキシル基および/またはフェノール性水酸基を有するアクリル樹脂において、重合に用いられる(a)〜(d)の化合物およびその他のラジカル重合性化合物の割合は、全ラジカル重合性化合物中、好ましくは(a)は10〜45モル%、(b)は10〜40モル%、(c)は10〜40モル%、(d)は10〜35モル%、その他のラジカル重合性化合物は10モル%未満である。(a)が10モル%以上であればアルカリ現像性に対する溶解性が向上し、45モル%以下であれば、Si原子を有しない無機物との現像時接着性がより向上する。(b)が10モル%以上であれば耐熱性が向上し、40モル%以下であればアルカリ現像性に対する溶解性が向上する。(c)が10モル%以上であれば吸湿性を低減することができ、40モル%以下であればSi原子を有しない無機との現像時接着性がより向上する。(d)が10モル%以上であれば硬度がより向上し、35モル%以下であればSi原子を有しない無機物との現像時接着性がより向上する。
また、上記カルボキシル基および/またはフェノール性水酸基を有するアクリル樹脂分子量は、ポリスチレン換算重量平均分子量5,000以上が好ましく、パターン形状、残膜率、現像性、耐熱性が良好となる。一方、40,000以下が好ましく、18,000以下がより好ましく、パターン形状、感度、現像性が良好となる。
また、上記カルボキシル基および/またはフェノール性水酸基を有するアクリル樹脂の酸価は、感度の観点から、50mgKOH/g以上が好ましく、70mgKOH/g以上がより好ましい。一方、残膜率の観点から、150mgKOH/g以下が好ましく、130mgKOH/g以下がより好ましい。
上記カルボキシル基および/またはフェノール性水酸基を有するアクリル樹脂を製造する際に用いられる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP)等の非プロトン性極性溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル類;メチルセロソルブアセテート等のセロソルブエステル類等が挙げられる。これらの反応溶媒の使用量は、反応原料100重量部あたり、好ましくは20〜1,000重量部である。
上記カルボキシル基および/またはフェノール性水酸基を有するアクリル樹脂を製造する際に用いられる重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1−ビス−(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン等の有機過酸化物、過酸化水素等を挙げることができる。過酸化物を開始剤として使用する場合は、還元剤と組み合わせてレドックス系開始剤としてもよい。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物に用いられる(A)の重合体のうち、カルボキシル基とエチレン性不飽和二重結合基を有するポリシロキサンとして、(e)カルボキシル基および/またはジカルボン酸無水物基を有するオルガノシラン化合物と(f)エチレン性不飽和二重結合基を有するオルガノシラン化合物、必要により他のオルガノシラン化合物を、特開2006−178436号公報に記載の方法等の公知の方法にて加水分解し、該加水分解物を縮合して得られるポリシロキサンが挙げられる。他のオルガノシラン化合物としては、フッ素を有するオルガノシラン化合物、フェニル基を有するオルガノシラン化合物、脂環式炭化水素基を有するオルガノシラン化合物が挙げられる。フッ素を有することにより、硬化膜の耐擦傷性が向上する。また、フェニル基を有することにより、硬化膜の耐熱性が向上し、脂環式炭化水素基を有することにより、硬化膜の透明性が向上する。本発明において、カルボキシル基とエチレン性不飽和二重結合基を有するポリシロキサンは、フェニル基を有することが好ましい。
上記(e)カルボキシル基および/またはジカルボン酸無水物基を有するオルガノシラン化合物のうち、カルボキシル基を有するオルガノシラン化合物としては、例えば、下記一般式(2)で表されるウレタン基含有オルガノシラン化合物、下記一般式(3)で表されるウレア基含有オルガノシラン化合物が挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
Figure 0005423004
上記一般式(2)〜(3)中、RおよびRは炭素数1〜20の2価の有機基を表す。Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表す。Rは同じでも異なってもよく、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル基、フェニル基、フェノキシ基、炭素数2〜6のアルキルカルボニルオキシ基またはそれらの置換体を表す。
上記一般式(2)〜(3)におけるRの具体例としては、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基、フェニレン基、−CH−C−CH−、−CH−C−等の炭化水素基が挙げられる。これらの中でも、耐熱性の観点から、芳香族環を有する炭化水素基が好ましい。
上記一般式(3)におけるRは、反応性の観点から、水素またはメチル基が好ましい。
上記一般式(2)〜(3)におけるRの具体例としては、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基、n−ペンチレン基等の炭化水素基や、オキシメチレン基、オキシエチレン基、オキシn−プロピレン基、オキシn−ブチレン基、オキシn−ペンチレン基等が挙げられる。これらの中でも、合成の容易性の観点から、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基、オキシメチレン基、オキシエチレン基、オキシn−プロピレン基、オキシn−ブチレン基が好ましい。
上記一般式(2)〜(3)におけるRのうち、アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。合成の容易性の観点から、メチル基またはエチル基が好ましい。また、アルコキシル基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基等が挙げられる。合成の容易性の観点から、メトキシ基またはエトキシ基が好ましい。また、アルキルカルボニルオキシ基の具体例としては、アセトキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基等が挙げられる。合成の容易性の観点から、アセトキシ基、エチルカルボニルオキシ基が好ましい。また、置換体の置換基としては、メトキシ基やエトキシ基等が挙げられ、置換体の具体例としては、1−メトキシプロピル基、メトキシエトキシ基等が挙げられる。
上記一般式(2)で表されるウレタン基含有オルガノシラン化合物は、下記一般式(4)で表されるヒドロキシカルボン酸化合物と、下記一般式(6)で表されるイソシアネート基を有するオルガノシラン化合物から、公知のウレタン化反応により得ることができる。また、上記一般式(3)で表されるウレア基含有オルガノシラン化合物は、下記一般式(5)で表されるアミノカルボン酸化合物と、下記一般式(6)で表されるイソシアネート基を有するオルガノシラン化合物から、公知のウレア化反応により得ることができる。
Figure 0005423004
上記一般式(4)〜(6)中、RおよびRは炭素数1〜20の2価の有機基を表す。Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表す。Rは同じでも異なってもよく、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル基、フェニル基、フェノキシ基、炭素数2〜6のアルキルカルボニルオキシ基またはそれらの置換体を表す。それぞれの基の好ましい具体例は、一般式(2)〜(3)における例と同じである。
カルボキシル基を有するオルガノシラン化合物のその他の例としては、下記一般式(7)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005423004
上記一般式(7)中、Rは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル基、フェニル基、フェノキシ基、炭素数2〜6のアルキルカルボニルオキシ基またはそれらの置換体を表す。pは1〜3の整数、qは2〜20の整数を表す。
上記(e)カルボキシル基および/またはジカルボン酸無水物基を有するオルガノシラン化合物のうち、ジカルボン酸無水物基を有するオルガノシラン化合物としては、例えば、下記一般式(8)〜(10)のいずれかで表されるオルガノシラン化合物が挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
Figure 0005423004
上記一般式(8)〜(10)中、R10は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル基、フェニル基、フェノキシ基、炭素数2〜6のアルキルカルボニルオキシ基またはそれらの置換体を表す。R11〜R13は、単結合、鎖状または環状の脂肪族炭化水素基、カルボニル基、エーテル基、エステル基、アミド基、芳香族基、またはこれらの置換体、もしくはこれらのいずれかを有する2価の基を表す。hおよびlは0〜3の整数を表す。
11〜R13の具体例としては、−C−、−C−、−C−、−O−、−COCHCH(OH)CHC−、−CO−、−CO−、−CONH−、以下に示す有機基等が挙げられる。
Figure 0005423004
上記一般式(8)で表されるオルガノシラン化合物の具体例としては、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物、3−トリエトキシシシリルプロピルコハク酸無水物、3−トリフェノキシシリルプロピルコハク酸無水物等が挙げられる。上記一般式(9)で表されるオルガノシラン化合物の具体例としては、3−トリメトキシシシリルプロピルシクロヘキシルジカルボン酸無水物等が挙げられる。上記一般式(10)で表されるオルガノシラン化合物の具体例としては、3−トリメトキシシシリルプロピルフタル酸無水物等が挙げられる。
上記(f)エチレン性不飽和二重結合基を有するオルガノシラン化合物の具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジエトキシシラン、スチリルトリメトキシシラン、スチリルトリエトキシシラン、スチリルトリアセトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルプロピルメチルジエトキシシランγ−アクリロイルプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。これらのうち、硬化膜の硬度やパターン加工時の感度をより向上させる観点から、γ−(メタ)アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルプロピルトリエトキシシランが好ましい。
上記フッ素を有するオルガノシランの好ましい例としては、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン等が挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
上記フェニル基を有するオルガノシラン化合物の具体例としては、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリ(メトキシエトキシ)シラン等が挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
上記脂環式炭化水素基を有するオルガノシラン化合物の具体例としては、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリプロポキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリブトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、4−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリメトキシシラン、4−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキシシラン等が挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
その他のオルガノシラン化合物として、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ(メトキシエトキシ)シラン等が挙げられる。
カルボキシル基とエチレン性不飽和二重結合基を有するポリシロキサンが、カルボキシル基および/またはジカルボン酸無水物基を有するオルガノシラン化合物とエチレン性不飽和二重結合基を有するオルガノシラン化合物を含むオルガノシラン化合物を後述する金属化合物粒子存在下で加水分解し、該加水分解物を縮合して得られるものであると、硬化膜の硬度、耐擦傷性、耐クラック性がより向上する。金属化合物粒子存在下でポリシロキサンの重合を行うことで、ポリシロキサンの少なくとも一部に金属化合物粒子との化学的結合(共有結合)が生じ、金属化合物粒子が均一に分散して塗液の保存安定性や硬化膜の均質性が向上するためと考えられる。また、金属化合物粒子の種類により、得られる硬化膜の屈折率を調整することができる。
金属化合物粒子の例としては、シリコン化合物粒子、アルミニウム化合物粒子、スズ化合物粒子、チタン化合物粒子、ジルコニウム化合物粒子、バリウム化合物粒子等が挙げられ、用途により適当なものを選ぶことができる。例えば、高屈折率の硬化膜を得るには酸化チタン粒子等のチタン化合物粒子や、酸化ジルコニウム粒子等のジルコニウム化合物粒子が好ましく用いられる。また、低屈折率の硬化膜を得るには、中空シリカ粒子等を含有することが好ましい。
市販されている金属化合物粒子の例としては、酸化ケイ素−酸化チタン複合粒子の“オプトレイク(登録商標)”TR−502、“オプトレイク”TR−503、“オプトレイク”TR−504、“オプトレイク”TR−513、“オプトレイク”TR−520、“オプトレイク”TR−527、“オプトレイク”TR−528、“オプトレイク”TR−529、酸化チタン粒子の“オプトレイク”TR−505(以上、商品名、触媒化成工業(株)製)、酸化ジルコニウム粒子((株)高純度化学研究所製)、酸化スズ−酸化ジルコニウム複合粒子(触媒化成工業(株)製)、酸化スズ粒子((株)高純度化学研究所製)シリカ粒子のIPA−ST、MIBK−ST、IPA−ST−L、IPA−ST−ZL、PGM−ST(以上商品名、日産化学工業(株)製)、“オスカル(登録商標)”101、“オスカル”105、“オスカル”106、“カタロイド(登録商標)”−S(以上商品名、触媒化成工業(株)製)、“クォートロン(登録商標)”PL−2L−PGME、“クォートロン”PL−2L−BL、“クォートロン”PL−2L−DAA、“クォートロン”PL−2L、GP−2L(以上商品名、扶桑化学工業(株)製)、(SiO)SG−SO100(商品名、共立マテリアル(株)製)、“レオロシール(登録商標)”(商品名、(株)トクヤマ製)、中空シリカ粒子の“オプトレイク”TR−113等が挙げられる。
金属化合物粒子の数平均粒子径は1nm〜200nmが好ましい。透過率の高い硬化膜を得るためには、数平均粒子径1nm〜70nmであることがより好ましい。ここで、金属化合物粒子の数平均粒子径は、ガス吸着法や動的光散乱法、X線小角散乱法、透過型電子顕微鏡や走査型電子顕微鏡により測定することができる。
金属化合物粒子の含有量に特に制限はなく、用途によって適当な量とすることができるが、ネガ型感光性樹脂組成物の固形分中1〜70重量%程度とするのが一般的である。
上記カルボキシル基とエチレン性不飽和二重結合基を有するポリシロキサンは、オルガノシラン化合物を必要に応じて金属化合物粒子存在下で加水分解した後、該加水分解物を溶媒の存在下、あるいは無溶媒で縮合反応させることによって得ることができる。加水分解反応の各種条件、例えば酸濃度、反応温度、反応時間等は、反応スケール、反応容器の大きさ、形状等を考慮して適宜設定することができるが、例えば、溶媒中、オルガノシラン化合物に酸触媒および水を1〜180分かけて添加した後、室温〜110℃で1〜180分反応させることが好ましい。このような条件で加水分解反応を行うことにより、急激な反応を抑制することができる。反応温度は、より好ましくは30〜105℃である。
加水分解反応は、酸触媒の存在下で行うことが好ましい。酸触媒としては、蟻酸、酢酸またはリン酸を含む酸性水溶液が好ましい。これら酸触媒の好ましい含有量は、加水分解反応時に使用される全オルガノシラン化合物100重量部に対して、好ましくは0.1重量部〜5重量部である。酸触媒の量を上記範囲とすることで、加水分解反応が必要かつ十分に進行するよう容易に制御できる。
オルガノシラン化合物の加水分解反応によりシラノール化合物を得た後、反応液をそのまま50℃以上、溶媒の沸点以下で1〜100時間加熱し、縮合反応を行うことが好ましい。また、ポリシロキサンの重合度を上げるために、再加熱もしくは塩基触媒を添加してもよい。
オルガノシラン化合物の加水分解反応および該加水分解物の縮合反応に用いられる溶媒は特に限定されず、樹脂組成物の安定性、塗れ性、揮発性等を考慮して適宜選択できる。また、溶媒を2種以上組み合わせてもよいし、無溶媒で反応を行ってもよい。溶媒の好ましい例としては、ジアセトンアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノt−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
加水分解反応によって溶媒が生成する場合には、無溶媒で加水分解させることも可能である。反応終了後に、さらに溶媒を添加することにより、樹脂組成物として適切な濃度に調整することも好ましい。また、目的に応じて加水分解後に、生成アルコール等を加熱および/または減圧下にて適量を留出、除去し、その後好適な溶媒を添加してもよい。
加水分解反応時に使用する溶媒の量は、全オルガノシラン化合物100重量部に対して80重量部以上、500重量部以下が好ましい。溶媒の量を上記範囲とすることで、加水分解反応が必要かつ十分に進行するよう容易に制御できる。
また、加水分解反応に用いる水は、イオン交換水が好ましい。水の量は任意に選択可能であるが、シラン原子1モルに対して、1.0〜4.0モルの範囲で用いることが好ましい。
カルボキシル基とエチレン性不飽和二重結合基を有するポリシロキサン中のカルボキシル基の含有量は、Si原子1モルに対して0.1モル以上が好ましく、硬化膜の耐クラック性を向上させることができる。より好ましくは0.15モル以上、さらに好ましくは0.20モル以上である。また、0.8モル以下が好ましく、硬化膜の硬度をより向上させることができる。より好ましくは0.6モル以下である。
ポリシロキサン中のカルボキシル基の含有量は、例えば、ポリシロキサンの29Si−核磁気共鳴スペクトルを測定し、カルボキシル基が結合したSiのピーク面積とカルボキシル基が結合していないSiのピーク面積の比から求めることができる。また、Siとカルボキシル基が直接結合していない場合、H−核磁気共鳴スペクトルよりカルボキシル基由来のピークとシラノールを除くその他のピークとの積分比からポリシロキサン全体のカルボキシル基含有量を算出し、前述の29Si−核磁気共鳴スペクトルの結果と合わせて間接的に結合しているカルボキシル基の含有量を算出する。
カルボキシル基とエチレン性不飽和二重結合基を有するポリシロキサン中のエチレン性不飽和二重結合基の含有量は、Si原子1モルに対して0.01モル以上が好ましく、0.1モル以上がより好ましい。また、0.6モル以下が好ましく、0.4モル以下がより好ましい。上記範囲であれば硬度と耐クラック性をより高いレベルで両立する硬化膜が得られる。
ポリシロキサン中のエチレン性不飽和二重結合基の含有量は、例えば、得られたポリマーの熱重量分析(TGA)を、大気下で900℃まで行い、灰分がSiOであることを赤外線吸光分析にて確認してから、その重量減少率からポリシロキサン1gあたりのSi原子のモル数を算出したのち、ヨウ素価を測定することで算出することができる。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物に用いられるカルボキシル基とエチレン性不飽和二重結合基を有するポリシロキサンの重量平均分子量(Mw)は特に制限されないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算で、好ましくは1,000以上、より好ましくは2,000以上である。また、好ましくは100,000以下、さらに好ましくは50,000以下である。Mwを上記範囲とすることで、良好な塗布特性が得られ、パターン形成をする際の際の現像液への溶解性も良好となる。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物において、(A)の重合体の含有量に特に制限はなく、所望の膜厚や用途により任意に選ぶことができるが、ネガ型感光性樹脂組成物の固形分中0.1〜60重量%が一般的である。固形分中10重量%以上がより好ましい。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、(B)光ラジカル重合開始剤を含有する。(B)光ラジカル重合開始剤は、光(紫外線、電子線を含む)により分解および/または反応し、ラジカルを発生させるものであればどのようなものでもよいが、硬化膜の硬度をより高くするためには、α−アミノアルキルフェノン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物、オキシムエステル化合物、アミノ基を有するベンゾフェノン化合物またはアミノ基を有する安息香酸エステル化合物が好ましい。これらを2種以上含有してもよい。
α−アミノアルキルフェノン化合物の具体例としては、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1等が挙げられる。アシルホスフィンオキサイド化合物の具体例としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(2,4,4−トリメチルペンチル)−フォスフィンオキサイド等が挙げられる。オキシムエステル化合物の具体例としては、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、1−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニルプロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)等が挙げられる。アミノ基を有するベンゾフェノン化合物の具体例としては、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられる。アミノ基を有する安息香酸エステル化合物の具体例としては、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、2−エチルヘキシル−p−ジメチルアミノベンゾエート、p−ジエチルアミノ安息香酸エチル等が挙げられる。
(B)光ラジカル重合開始剤の含有量は、ネガ型感光性樹脂組成物の固形分中0.01重量%以上が好ましく、0.1重量%以上がより好ましい。また、20重量%以下が好ましく、10重量%以下がより好ましい。上記範囲とすることで、ラジカル硬化を十分に進めることができ、かつ残留したラジカル重合開始剤の溶出等を防ぎ耐溶剤性を確保することができる。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、(C)水酸基を有する不飽和カルボン酸エステル残基を1分子中に3個以上有する化合物を含有する。かかる化合物を2種以上含有してもよい。ここで、不飽和カルボン酸エステル残基とは、RCOOR’(ただし、Rはエチレン性不飽和二重結合を有する1価の有機基、R’は1価の有機基を示す)で表される不飽和カルボン酸のエステル化物のR’から1つの水素原子を除いた基(RCOOR’−)をいう。不飽和カルボン酸エステル残基として、具体的には、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルエチル基、アリルカルボニルオキシ基が挙げられる。
不飽和カルボン酸エステル残基を有することにより、不飽和二重結合部位は、前述の(A)の重合体中のエチレン性不飽和二重結合基とラジカル重合反応を生じるため、得られる硬化膜の架橋密度が向上し、硬化後の硬度を向上させることができる。また、少ない光照射量で硬化させることができるため、ネガ型感光性樹脂組成物の感度を向上させることができる。さらに、水酸基部位がモリブデンやITOと効率よく相互作用するため、パターン加工時において、Si原子を有さない無機物で構成される基板、特にモリブデンやITO基板の表面や素子表面との現像時接着性が向上する。かかる効果を奏するために、(C)の化合物は水酸基を有する不飽和カルボン酸エステル残基を1分子中に3個以上有することが重要である。水酸基を有する不飽和カルボン酸エステル残基が1分子中に2個以下である場合には、Si原子を有しない無機物との現像時接着性の向上効果は見られない。
さらに、耐熱性の観点から、(C)の化合物が下記一般式(1)で表されることが好ましい。これらを2種以上含有してもよい。
Figure 0005423004
上記一般式(1)中、RおよびRは水酸基またはアルケニルカルボニルオキシ基を表し、いずれか一方は水酸基である。Rは炭素数1〜5の2価の有機基を表す。Rは炭素数6〜40のn価の有機基を表す。nは3〜8の整数を表す。
上記一般式(1)におけるR〜Rの好ましい例として、水酸基、(メタ)アクリロイル基が挙げられる。(メタ)アクリロイル基を有することにより、前述の(A)の重合体中のエチレン性不飽和二重結合との共重合性が高く、硬化膜の硬度が向上する。硬化膜の硬度向上の観点からメタクリロイル基を有することが特に好ましい。
上記一般式(1)におけるRの好ましい例として、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基が挙げられる。これらの中でも、合成の容易さから、メチレン基、エチレン基、プロピレン基が特に好ましい。
上記一般式(1)におけるRは、耐熱性の観点から、アリール基またはイソシアヌレート基を有することが好ましい。Rの好ましい例として、次に示す基が挙げられる。
Figure 0005423004
これらの中でも、硬化膜の耐熱性、現像時接着性の観点から、以下の基が特に好ましい。
Figure 0005423004
前記(C)の化合物の含有量は、Si原子を有しない無機物から構成されるITO基板やモリブデン基板との現像時接着性をより向上させ、さらに耐熱性を向上させる観点から、ネガ型感光性樹脂組成物の固形分中5重量%以上が好ましい。一方、パターン加工性の観点から、20重量%以下が好ましい。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、前記(C)の化合物以外にさらに(D)前述の(A)の重合体中のエチレン性不飽和二重結合とラジカル重合反応しうる化合物を含有してもよい。エチレン性不飽和結合を有する化合物が好ましい。具体例としては、単官能の具体例として、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、ジメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリロイルモロフォリン、1−ヒドロキシエチルα−クロロアクリレート、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチルα−クロロアクリレート、(メタ)アクリル酸1−ヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシプロピルα−クロロアクリレート、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピルα−クロロアクリレート、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピルα−クロロアクリレート、(メタ)アクリル酸1−ヒドロキシ−1−メチルエチル、1−ヒドロキシ−1−メチルエチルα−クロロアクリレート、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−1−メチルエチル、2−ヒドロキシ−1−メチルエチルα−クロロアクリレート、(メタ)アクリル酸1−ヒドロキシブチル、1−ヒドロキシブチルα−クロロアクリレート、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチルα−クロロアクリレート、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチルα−クロロアクリレート、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチルα−クロロアクリレート、(メタ)アクリル酸1−ヒドロキシ−1−メチルプロピル、1−ヒドロキシ−1−メチルプロピルα−クロロアクリレート、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−1−メチルプロピル、2−ヒドロキシ−1−メチルプロピルα−クロロアクリレート、(メタ)アクリル酸1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、1−ヒドロキシ−2−メチルプロピルα−クロロアクリレート、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルα−クロロアクリレート、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル、2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチルα−クロロアクリレート、(メタ)アクリル酸1,2−ジヒドロキシプロピル、1,2−ジヒドロキシプロピルα−クロロアクリレート、(メタ)アクリル酸2,3−ジヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルα−クロロアクリレート、(メタ)アクリル酸2,3−ジヒドロキシブチル、2,3−ジヒドロキシブチルα−クロロアクリレート、p−ヒドロキシスチレン、p−イソプロペニルフェノール、フェネチルメタクリレート、フェネチルアクリレート、フェネチルα−クロロアクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、α−クロロアクリル酸、クロトン酸、4−ペンテン酸、5−ヘキセン酸、6−ヘプテン酸、7−オクテン酸、8−ノナン酸、9−デカン酸、10−ウンデシレン酸、ブラシジン酸、リシノール酸、2−(メタクリロイロキシ)エチルイソシアネート、2−(アクリロイロキシ)エチルイソシアネート、2−(α−クロロアクリロイロキシ)エチルイソシアネート、イソボルニルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等を挙げることができる。
多官能の具体例として、2,2−[9H−フルオレン−9,9−ジイルビス(1,4−フェニレン)ビスオキシ]ジエタノールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールノナ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート、ペンタペンタエリスリトールウンデカ(メタ)アクリレート、ペンタペンタエリスリトールドデカ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中でも、硬度をより向上させる観点から、1分子中に6個以上の(メタ)アクリロイル基を有するものが好ましい。具体的には、トリペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、ペンタペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが好ましい。
前記(D)の化合物の含有量は、パターン加工性、硬度向上の観点から、ネガ型感光性樹脂組成物の固形分中5重量%以上が好ましく、20重量%以上がより好ましい。80重量%以下が好ましく、70重量%以下がより好ましい。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、さらに下記一般式(11)で表されるイソシアヌレート化合物を含有してもよい。これらを2種以上含有してもよい。イソシアヌレート骨格部位が、Si原子、(A)の重合体や(C)の化合物と効率よく相互作用するため、Si原子を有する基板であるガラス基板や、窒化ケイ素基板との熱処理後および薬品処理後の接着性が向上する。また、イソシアヌレート化合物を含有することにより、イソシアヌレート骨格由来の耐熱性に加えて、1分子中に適度な鎖長、個数の重合性基を有することから、より硬度の高い硬化膜を得ることができる。
Figure 0005423004
上記一般式(11)中、R14〜R16は同じでも異なってもよく、エチレン性不飽和二重結合基または下記一般式(12)で表される基を表す。
Figure 0005423004
上記一般式(12)中、各R17は同じでも異なってもよく、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル基、フェニル基、フェノキシ基、炭素数2〜6のアルキルカルボニルオキシ基またはそれらの置換体を表す。メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基またはアセトキシ基が好ましい。αは1〜5の整数を表す。
上記一般式(11)におけるR14〜R16の好ましい例としては、アリル基、(メタ)アクリロイルエチル基、−[(CHOCO−(CH−OCO−CH=CH]基、上記一般式(12)で表される基等が挙げられる。これらの中でも、硬度、耐熱性、ガラス基板や窒化ケイ素基板との熱処理後および薬品処理後の接着性の観点から、アリル基、(メタ)アクリロイルエチル基、上記一般式(12)で表される基が特に好ましい。特に、上記一般式(12)で表される基はシラン部位を有し、選択的にSi原子と相互作用するため、Si原子を有する基板であるガラス基板や窒化ケイ素基板との熱処理後および薬品処理後の接着性が向上するため好ましい。また、上記一般式(12)で表される基を有するイソシアヌレート化合物は、後述するイミドシラン化合物成分と併用することにより、Si原子を有さないモリブデンやITO基板に対しても、熱処理後および薬品処理後の接着性をより向上させるため好ましい。
前記イソシアヌレート化合物の含有量は、Si原子を有する基板であるガラス基板や窒化ケイ素基板との熱処理後および薬品処理後の接着性の観点から、ネガ型感光性樹脂組成物の固形分中0.1重量%以上が好ましく、0.5重量%以上がより好ましい。一方、パターン加工性の観点から、20重量%以下が好ましく、15重量%以下がより好ましい。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、下記一般式(13)〜(15)のいずれかで表されるイミドシラン化合物を含有することが好ましい。これらを2種以上含有してもよい。イミド骨格部位が、Si原子、(A)の重合体や(C)の化合物と効率よく相互作用し、シラン部位が選択的にSi原子を含むものと相互作用するため、Si原子を有する基板であるガラス基板や、窒化ケイ素基板との熱処理後および薬品処理後の接着性が向上する。
Figure 0005423004
上記一般式(13)中、各R18およびR19はそれぞれ同じでも異なってもよく、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル基、フェニル基、フェノキシ基、炭素数2〜6のアルキルカルボニルオキシ基またはそれらの置換体を表す。R20およびR21は炭素数1〜10の2価の有機基を表す。R22はケイ素原子を含まない、炭素数2〜30の4価の有機基を表す。
上記一般式(14)中、R23はケイ素原子およびエチレン性不飽和二重結合を含まない、炭素数2〜20の2価の有機基を表す。R24は炭素数1〜10の2価の有機基を表す。各R25は同じでも異なってもよく、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル基、フェニル基、フェノキシ基、炭素数2〜6のアルキルカルボニルオキシ基またはそれらの置換体を表す。
上記一般式(15)中、R26は水素原子、またはケイ素原子を含まない炭素数1〜20の1価の有機基を表す。R27は炭素数2〜20の3価の有機基を表す。各R28は同じでも異なってもよく、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル基、フェニル基、フェノキシ基、炭素数2〜6のアルキルカルボニルオキシ基またはそれらの置換体を表す。
上記一般式(13)〜(15)のR18、R19、R25、R28において、炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等が挙げられ、なかでもメチル基、エチル基が好ましい。炭素数1〜6のアルコキシル基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基等が挙げられ、なかでも、メトキシ基、エトキシ基が好ましい。炭素数2〜6のアルキルカルボニルオキシ基としては、アセトキシ基等が挙げられる。また、これらの置換体としては、1−メトキシプロピル基等が挙げられる。
上記一般式(13)〜(14)のR20、R21、R24において、炭素数1〜10の2価の有機基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基、n−ペンチレン基、オキシメチレン基、オキシエチレン基、オキシn−プロピレン基、オキシn−ブチレン基、オキシn−ペンチレン基等が挙げられる。なかでも、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基が好ましい。
上記一般式(13)のR22は、酸二無水物の構造成分を表しており、芳香族環または脂肪族環を含有することが好ましく、炭素原子数は5〜30が好ましい。酸二無水物としては具体的には、3,3’、4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン酸二無水物、9,9−ビス{4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル}フルオレン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物や、水添ピロメリット酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、“リカシッド(登録商標)”TDA−100(商品名、新日本理化(株)製)、“リカシッド”BT−100(商品名、新日本理化(株)製)、“EPICLON(登録商標)”B−4400(商品名、大日本インキ化学工業(株)製)、下記の構造の脂肪族テトラカルボン酸二無水物等を挙げることができる。
Figure 0005423004
22がトリル基、ナフチル基等の芳香族基である場合、ネガ型感光性樹脂組成物から得られる硬化膜は、着色源の上記の芳香族イミドオリゴマーと類似構造の化合物を含むため、膜の透明性が低下する可能性がある。また上記の芳香族基が含まれると(A)成分の重合体との相溶性が低下し、膜の光線透過率が低下する場合がある。従って、R22が芳香族基の場合は、含有量を低くすることが好ましい。これに対して、R22が脂肪族有機基である場合、高い光線透過率を有するため好ましい。一般式(13)で表される化合物の好ましい具体例を以下に挙げる。
Figure 0005423004
上記一般式(14)のR23および一般式(15)のR27は、酸無水物含有シランの酸無水物の構造成分を表しており、芳香族環または脂肪族環を含有することが好ましく、炭素原子数は4〜20が好ましい。酸無水物としては具体的には、無水マレイン酸、無水フタル酸、メチル無水フタル酸、コハク酸、グルタル酸、4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物、シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、シス−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、1,8−ナフタル酸無水物、メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物(和光純薬工業(株)製)、“リカシッド”HNA(商品名、新日本理化(株)製)、“リカシッド”HNA−100(商品名、新日本理化(株)製)等を挙げることができる。これらのうち、無水フタル酸、コハク酸、グルタル酸、4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物、1,8−ナフタル酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチル無水フタル酸が好ましい。なかでも、無水コハク酸、グルタル酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物が、耐熱透明性、Si原子を有する基板であるガラス基板や窒化ケイ素基板との熱処理後および薬品処理後の接着性の観点から特に好ましい。
上記一般式(15)のR26は、水素原子、またはケイ素原子を含まない炭素数1〜20の有機基を表す。有機基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基、2−ヒドロキシエチル基、フェニル基、メトキシフェニル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基等が挙げられ、メトキシ基、エトキシ基が好ましい。また、これらの置換体としては、1−メトキシプロピル基等が挙げられる。なかでも、水素原子、メチル基、エチル基、t−ブチル基、2−ヒドロキシエチル基、フェニル基が、Si原子を有する基板であるガラス基板や窒化ケイ素基板との熱処理後および薬品処理後の接着性を向上させるため好ましい。また、上記一般式(15)のR26が水素原子、メチル基、t−ブチル基、2−ヒドロキシエチル基の場合、前述のイソシアヌレート化合物成分と併用することにより、Si原子を有さないモリブデンやITO基板に対しても、熱処理後および薬品処理後の接着性をより向上させるため好ましい。
上記一般式(13)または(14)で表されるイミドシラン化合物は、例えば、下記のイソシアネートシラン化合物と酸二無水物から、公知の直接イミド化法により、容易に得ることができる。
OCN−R20−Si−(R18
OCN−R21−Si−(R19
OCN−R24−Si−(R25
18〜R21、R24〜R25の定義は、一般式(13)〜(14)における定義と同じである。
上記一般式(14)または(15)で表されるイミドシラン化合物は、例えば、アミン化合物と酸無水物含有化合物から、公知のアミド酸を経由したイミド化法により、容易に得ることができる。なお、副生成物による着色を低減する観点からは、一般式(14)で表されるイミドシラン化合物の合成法としては、一般式(13)で表されるイミドシラン化合物同様、イソシアネートシラン化合物と酸無水物からなる直接イミド化法が好ましい。
一般式(14)で表されるイミドシラン化合物に用いられるアミン化合物と酸無水物含有化合物を下に示す。R23〜R25の定義は一般式(4)における定義と同じである。
Figure 0005423004
一般式(15)で表されるイミドシラン化合物に用いられるアミン化合物と酸無水物含有化合物を下に示す。R26〜R28の定義は一般式(15)における定義と同じである。
Figure 0005423004
これら一般式(13)〜(15)で表されるイミドシラン化合物のうち、一般式(15)で表されるものが、Si原子を有する基板であるガラス基板や窒化ケイ素基板との熱処理後および薬品処理後の接着性からより好ましい。これは、イミド基の窒素原子が、シラン部位と、イミド基のC=Oを介して結合する方向を向いているため、シラン部位が、Si原子を含むものと相互作用し、イミド部位が(A)の重合体や(C)の化合物と効率よく相互作用することに加え、選択的にSi原子を含むものと相互作用するためと考えられる。また、一般式(13)または一般式(15)で表されるものが、前述のイソシアヌレート化合物成分と併用することにより、Si原子を有さないモリブデンやITO基板に対しても、熱処理後および薬品処理後の接着性をより向上させるため好ましい。これは、一般式(13)で表されるものの場合、1分子中に2つのイミド基が存在するため、イソシアヌレート化合物成分と併用下、Si原子を有さない基板と強い相互作用をするためと推定される。一般式(15)で表されるものの場合、イソシアヌレート化合物成分と併用下、イミド基の方向が、Si原子を有さない基板との強い相互作用をするために適するためと推定される。これらのうち、特に一般式(15)で表されるものが、Si原子を有さないモリブデンやITO基板に対しても、熱処理後および薬品処理後の接着性をより向上させるため好ましい。
イミドシラン化合物の含有量は、ガラス基板や窒化ケイ素基板との熱処理後および薬品処理後の接着性の観点から、ネガ型感光性樹脂組成物の固形分中0.1重量%以上が好ましく、0.5重量%以上がより好ましい。一方、パターン加工性の観点から、20重量%以下が好ましく、10重量%以下がより好ましい。
また、イソシアヌレート化合物と前記イミドシラン化合物を併用することによって、Si原子を有しないモリブデン基板およびITO基板に対しても熱処理後および薬品処理後の接着性を発現する。接着性を発現するための好ましいイソシアヌレート化合物とイミドシラン化合物の含有量は、ネガ型感光性樹脂組成物の固形分中、合計含有量が5重量%〜20重量%でありかつ、イソシアヌレート化合物とイミドシラン化合物中の合計含有量に対するイソシアヌレート化合物の割合が、20重量%〜80重量%であることが好ましい。合計含有量が5重量%以上であれば、モリブデンやITOとの接着性がより向上し、20重量%以下であれば、パターン加工性が良好となる。また、イソシアヌレート化合物とイミドシラン化合物中の合計含有量に対するイソシアヌレート化合物の割合が20重量%以上であれば、モリブデンやITOとの接着性より向上し、80重量%以下であれば、パターン加工性が良好となる。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、エチレン性不飽和二重結合基を有し、カルボキシル基を含まないポリシロキサンを含有することができる。このようなポリシロキサンを含有することにより、ネガ型感光性樹脂組成物から得られる硬化膜の耐擦傷性が向上する。これらを2種以上含有してもよい。ポリシロキサンは、(f)エチレン性不飽和二重結合基を有するオルガノシラン化合物を、必要により他のオルガノシラン化合物とともに加水分解し、該加水分解物を縮合することにより得ることができる。加水分解反応条件、使用する溶媒等は、(A)の重合体について記載したものと同じである。
ポリシロキサンに使用される(f)エチレン性不飽和二重結合基を有するオルガノシラン化合物としては、(A)の重合体で例示したものが挙げられる。これらのうち、硬化膜の耐擦傷性やパターン加工時の感度をより向上させる観点から、γ−(メタ)アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルプロピルトリエトキシシランが好ましい。
また、ポリシロキサンに使用される他のオルガノシラン化合物としては、(A)の重合体で例示したものが挙げられる。滑り性を向上し、耐擦傷性を向上させる観点から、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシランが好ましい。特に、入手の容易性、撥水性による滑り性向上の観点から、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ジエチルジメトキシシランがより好ましい。
エチレン性不飽和二重結合基を有し、カルボキシル基を含まないポリシロキサン中のエチレン性不飽和二重結合基の含有量は、Si原子1モルに対して0.01モル以上が好ましく、0.1モル以上がより好ましい。また、0.6モル以下が好ましく、0.4モル以下がより好ましい。上記範囲であれば、感光性と硬化膜の耐擦傷性をより高いレベルで両立することができる。ポリシロキサン中のエチレン性不飽和二重結合基の含有量は、(A)の重合体について説明した方法により算出することができる。
エチレン性不飽和二重結合基を有し、カルボキシル基を含まないポリシロキサンの重量平均分子量(Mw)は特に制限されないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算で、好ましくは1,000以上、より好ましくは2,000以上である。また、好ましくは100,000以下、さらに好ましくは50,000以下である。Mwを上記範囲とすることで、良好な塗布特性が得られ、パターン形成をする際の際の現像液への溶解性も良好となる。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物において、エチレン性不飽和二重結合基を有し、カルボキシル基を含まないポリシロキサンの含有量は、滑り性と硬度向上の観点から、固形分中0.03重量%以上が好ましく、0.05重量%以上がより好ましい。一方、組成物における相溶性と透明性の観点から、5重量%以下が好ましく、3重量%以下がより好ましい。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、熱酸発生剤を含有してもよい。熱酸発生剤により架橋を促進し、硬化膜の硬度をより向上させることができる。好ましく用いられる熱酸発生剤の具体例としては、SI−60、SI−80、SI−100、SI−110、SI−145、SI−150、SI−60L、SI−80L、SI−100L、SI−110L、SI−145L、SI−150L、SI−160L、SI−180L(いずれも三新化学工業(株)製)、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウム、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム、2−メチルベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム、2−メチルベンジル−4−アセチルフェニルメチルスルホニウム、2−メチルベンジル−4−ベンゾイルオキシフェニルメチルスルホニウム、これらのメタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等が挙げられる。好ましくは、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウム、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム、2−メチルベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム、2−メチルベンジル−4−アセチルフェニルメチルスルホニウム、2−メチルベンジル−4−ベンゾイルオキシフェニルメチルスルホニウム、これらのメタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩である。これらを2種以上含有してもよい。
熱酸発生剤の含有量は、ネガ型感光性樹脂組成物の固形分中0.01重量%以上が好ましく、硬化膜の硬度がより向上する。一方、感度や耐クラック性、透明性の観点からは10重量%以下が好ましく、0.5重量%以下がより好ましい。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、重合禁止剤を含有してもよい。重合禁止剤を含有することで、組成物の保存安定性が向上し、パターン加工を必要とする用途では現像後の解像度が向上する。重合禁止剤の具体例としては、フェノール、カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン、4−t−ブチルカテコール、2,6−ジ(t−ブチル)−p−クレゾール、フェノチアジン、4−メトキシフェノール等が挙げられる。
重合禁止剤の含有量は、ネガ型感光性樹脂組成物の固形分中0.01重量%以上が好ましく、0.1重量%以上がより好ましい。一方、硬化膜の硬度を高く保つ観点からは5重量%以下が好ましく、1重量%以下がより好ましい。
本発明のシロキサン樹脂組成物は、紫外線吸収剤を含有してもよい。紫外線吸収剤を含有することで、得られる硬化膜の耐光性が向上し、パターン加工を必要とする用途では現像後の解像度が向上する。紫外線吸収剤としては特に限定はなく公知のものが使用できるが、透明性、非着色性の面から、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、トリアジン系化合物が好ましく用いられる。
ベンゾトリアゾール系化合物の紫外線吸収剤としては、2−(2Hベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−t−ペンチルフェノール、2−(2Hベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール等が挙げられる。ベンゾフェノン系化合物の紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等が挙げられる。トリアジン系化合物の紫外線吸収剤としては、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール等が挙げられる。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、溶媒を含有してもよい。各成分を均一に溶解し、得られる塗布膜の透明性を向上させることができる点で、アルコール性水酸基を有する化合物またはカルボニル基を有する環状化合物が好ましく用いられる。これらを2種以上含有してもよい。また、大気圧下の沸点が110〜250℃である化合物がより好ましい。沸点を110℃以上とすることで、塗膜時に適度に乾燥が進み、塗布ムラのない良好な塗膜が得られる。一方、沸点を250℃以下とした場合、膜中の残存溶剤量を少なく抑えることができ、熱硬化時の膜収縮をより低減できるため、より良好な平坦性が得られる。
アルコール性水酸基を有し、大気圧下の沸点が110〜250℃である化合物の具体例としては、アセトール、3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン、4−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン、5−ヒドロキシ−2−ペンタノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン(ジアセトンアルコール)、乳酸エチル、乳酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノt−ブチルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール等が挙げられる。これらの中でも、保存安定性の観点からはジアセトンアルコールが好ましく、段差被覆性の点からはプロピレングリコールモノt−ブチルエーテルが好ましい。
カルボニル基を有し、大気圧下の沸点が110〜250℃である環状化合物の具体例としては、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、炭酸プロピレン、N−メチルピロリドン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン等が挙げられる。これらの中でも、γ−ブチロラクトンが好ましい。
また、本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、上記以外のアセテート類、ケトン類、エーテル類等の各種溶媒を含有してもよい。
溶媒の含有量に特に制限はなく、塗布方法等に応じて任意の量用いることができる。例えば、スピンコーティングにより膜形成を行う場合には、溶媒量をネガ型感光性樹脂組成物全体の50〜95重量%とすることが一般的である。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、樹脂組成物の硬化を促進させる、あるいは硬化を容易ならしめる各種の硬化剤を含有してもよい。硬化剤としては特に限定はなく公知のものが使用できるが、具体例としては、窒素含有有機物、シリコーン樹脂硬化剤、各種金属アルコレート、各種金属キレート化合物、イソシアネート化合物およびその重合体、メチロール化メラミン誘導体、メチロール化尿素誘導体等があり、これらを2種以上含有してもよい。なかでも、硬化剤の安定性、得られた塗布膜の加工性等から金属キレート化合物、メチロール化メラミン誘導体、メチロール化尿素誘導体が好ましく用いられる。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、塗布時のフロー性向上のために、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等の各種界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤の種類に特に制限はなく、例えば、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ポリアルキレンオキシド系界面活性剤、ポリ(メタ)アクリレート系界面活性剤等を用いることができる。これらを2種以上用いてもよい。
フッ素系界面活性剤の市販品としては、“メガファック(登録商標)”F142D、同F172、同F173、同F183、同F445、同F470、同F475、同F477(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、NBX−15、FTX−218((株)ネオス製)が好ましく用いられる。シリコーン系界面活性剤の市販品としては、BYK−333、BYK−301、BYK−331、BYK−345、BYK−307(ビックケミー・ジャパン(株)製)が好ましく用いられる。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物には、必要に応じて、溶解抑止剤、安定剤、消泡剤等の添加剤を含有することもできる。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物の代表的な製造方法について説明する。例えば、(B)光重合開始剤と(C)の化合物、および必要によりその他の添加剤を任意の溶媒に加え、撹拌して溶解させた後、さらに20分〜3時間、室温にて撹拌する。得られた溶液を濾過し、ネガ型感光性樹脂組成物が得られる。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物を用いた硬化膜の形成方法について、例を挙げて説明する。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物を、マイクログラビアコーティング、スピンコーティング、ディップコーティング、カーテンフローコーティング、ロールコーティング、スプレーコーティング、スリットコーティング等の公知の方法によって下地基板上に塗布し、ホットプレート、オーブン等の加熱装置でプリベークする。プリベークは、50〜150℃の範囲で30秒〜30分間行い、プリベーク後の膜厚は、0.1〜15μmとすることが好ましい。プリベーク後、ステッパー、ミラープロジェクションマスクアライナー(MPA)、パラレルライトマスクアライナー(PLA)等の露光機を用いて、10〜4000J/m程度(波長365nm露光量換算)の光を所望のマスクを介してあるいは介さずに照射する。露光光源に制限はなく、i線、g線、h線等の紫外線や、KrF(波長248nm)レーザー、ArF(波長193nm)レーザー等を用いることができる。その後、この膜をホットプレート、オーブン等の加熱装置で150〜450℃の範囲で20分〜1時間程度加熱する。
マスクを介し、パターン加工を必要とする用途では、本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、PLAによる露光での感度が100〜4000J/mであることが好ましい。このプロセスにおいて、露光後に必要に応じて露光後ベークを行ってもよい。
前記のPLAによるパターニング露光での感度は、例えば以下の方法により求められる。組成物をシリコンウエハにスピンコーターを用いて任意の回転数でスピンコートし、ホットプレートを用いて120℃で2分間プリベークし、膜厚2μmの膜を作製する。作製した膜をPLA(キヤノン(株)製PLA−501F)を用いて、超高圧水銀灯を感度測定用のグレースケールマスクを介して露光した後、自動現像装置(滝沢産業(株)製AD−2000)を用いて0.4重量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液で任意の時間パドル現像し、次いで水で30秒間リンスする。形成されたパターンにおいて、30μmのラインアンドスペースパターンを1対1の幅で解像する露光量を感度として求める。
パターニング露光後、現像により露光部が溶解し、ネガ型のパターンを得ることができる。現像方法としては、シャワー、ディッピング、パドル等の方法で現像液に5秒〜10分間浸漬することが好ましい。現像液としては、公知のアルカリ現像液を用いることができる。具体例としては、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩等の無機アルカリ、2−ジエチルアミノエタノール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、コリン等の4級アンモニウム塩を1種あるいは2種以上含む水溶液等が挙げられる。現像後、水でリンスすることが好ましく、つづいて50〜150℃の範囲で乾燥ベークを行うこともできる。
その後、この膜をホットプレート、オーブン等の加熱装置で120〜280℃の範囲で1時間程度熱硬化することにより、硬化膜を得る。解像度は、好ましくは20μm以下である。硬化膜の膜厚に特に制限はないが、0.1〜15μmとすることが好ましい。
本発明の硬化膜は、膜厚1.5μmの際に硬度が5H以上、透過率が95%以上であることが好ましい。なお、透過率は波長400nmにおける透過率を指す。硬度や透過率は、露光量、熱硬化温度の選択によって調整することができる。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物を硬化して得られる硬化膜は、タッチパネル保護膜、タッチパネル絶縁膜、各種ハードコート材、反射防止フィルム、光学フィルターとして用いられる。また、ネガ型感光性を有することから、液晶や有機ELディスプレイのTFT用平坦化膜、絶縁膜、反射防止膜、カラーフィルター用オーバーコート、柱材等に好適に用いられる。これらの中でも、特に、ITOやモリブデン等、Siを有しない無機物で構成される基板表面や素子表面との現像時接着性が求められるタッチパネル保護膜やタッチパネル絶縁膜として好適に用いることができる。タッチパネルの方式としては、抵抗膜式、光学式、電磁誘導式、静電容量式等が挙げられる。静電容量式タッチパネルは特に高い硬度が求められることから、本発明の硬化膜を好適に用いることができる。
以下に本発明をその実施例を用いて説明するが、本発明の様態はこれらの実施例に限定されるものではない。
合成例1 アクリル樹脂溶液(A−1)の合成
500mLのフラスコに2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)を3g、PGMEA(プロピレングリコールメチルエーテルアセテート)を50.0g仕込んだ。その後、メタクリル酸を30.0g(0.349mol)、スチレンを22.48g(0.216mol)、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレートを35.0g(0.149mol)仕込み、室温でしばらく撹拌し、フラスコ内を窒素置換した後、70℃で5時間加熱撹拌した。次に、得られた溶液にメタクリル酸グリシジルを15.00g(0.106mol)、ジメチルベンジルアミンを1.00g、p−メトキシフェノールを0.200g、PGMEAを100g添加し、90℃で4時間加熱撹拌し、アクリル樹脂溶液を得た。得られたアクリル樹脂溶液に固形分濃度が40重量%になるようにPGMEAを加え、アクリル樹脂溶液(A−1)とした。アクリル樹脂の重量平均分子量は16000、酸価は118mgKOH/gであった。
合成例2 アクリル樹脂溶液(A−2)の合成
500mLのフラスコに2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)を3.00g、PGMEAを50.0g仕込んだ。その後、メタクリル酸を15.0g(0.174mol)、スチレンを22.48g(0.216mol)、イソボルニルメタクリレートを33.21g(0.149mol)仕込み、室温でしばらく撹拌し、フラスコ内を窒素置換した後、70℃で5時間加熱撹拌した。次に、得られた溶液にメタクリル酸グリシジルを15.0g(0.106mol)、ジメチルベンジルアミンを1g、p−メトキシフェノールを0.200g、PGMEAを100g添加し、90℃で4時間加熱撹拌し、アクリル樹脂溶液を得た。得られたアクリル樹脂溶液に固形分濃度が40重量%になるようにPGMEAを加え、アクリル樹脂溶液(A−2)とした。アクリル樹脂の重量平均分子量は12000、酸価は104mgKOH/gであった。
合成例3 アクリル樹脂溶液(A−3)の合成
500mLのフラスコに2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)を3.00g、PGMEAを50g仕込んだ。その後、メタクリル酸を15.0g(0.174mol)、スチレンを11.24g(0.108mol)、イソボルニルメタクリレートを66.42g(0.299mol)仕込み、室温でしばらく撹拌し、フラスコ内を窒素置換した後、70℃で5時間加熱撹拌した。次に、得られた溶液にp−ビニルベンジルグリシジルエーテルを40.14g(0.211mol)、ジメチルベンジルアミンを1.00g、p−メトキシフェノールを0.200g、PGMEAを100g添加し、90℃で4時間加熱撹拌し、アクリル樹脂溶液を得た。得られたアクリル樹脂溶液に固形分濃度が40重量%になるようにPGMEAを加え、アクリル樹脂溶液(A−3)とした。アクリル樹脂の重量平均分子量は14000、酸価は125mgKOH/gであった。
合成例4 アクリル樹脂溶液(A−4)の合成
メタクリル酸30.0g(0.349mol)にかえて、メタクリル酸メチル34.94g(0.349mol)を用いた以外は合成例1と同様にして、アクリル樹脂溶液を得た。得られたアクリル樹脂溶液に固形分濃度が40重量%になるようにPGMEAを加え、アクリル樹脂溶液(A−4)とした。アクリル樹脂の重量平均分子量は16000、酸価は0mgKOH/gであった。
合成例5 アクリル樹脂溶液(A−5)の合成
メタクリル酸グリシジル15.00g(0.106mol)にかえて、グリシジルエチルエーテル10.62g(0.106mol)を用いた以外は合成例1と同様にして、アクリル樹脂溶液を得た。得られたアクリル樹脂溶液に固形分濃度が40重量%になるようにPGMEAを加え、アクリル樹脂溶液(A−5)とした。アクリル樹脂の重量平均分子量は16000、酸価は118mgKOH/gであった。
合成例6 アクリル樹脂溶液(A−6)の合成
スチレンを用いない以外は合成例1と同様にして、アクリル樹脂溶液を得た。得られたアクリル樹脂溶液に固形分濃度が40重量%になるようにPGMEAを加え、アクリル樹脂溶液(A−6)とした。アクリル樹脂の重量平均分子量は18000、酸価は118mgKOH/gであった。
合成例7 アクリル樹脂溶液(A−7)の合成
トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレートを用いない以外は合成例1と同様にして、アクリル樹脂溶液を得た。得られたアクリル樹脂溶液に固形分濃度が40重量%になるようにPGMEAを加え、アクリル樹脂溶液(A−7)とした。アクリル樹脂の重量平均分子量は19000、酸価は140mgKOH/gであった。
合成例8 アクリル樹脂溶液(A−8)の合成
スチレンとトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレートを用いない以外は合成例1と同様にして、アクリル樹脂溶液を得た。得られたアクリル樹脂溶液に固形分濃度が40重量%になるようにPGMEAを加え、アクリル樹脂溶液(A−8)とした。アクリル樹脂の重量平均分子量は20000、酸価は200mgKOH/gであった。
合成例9 カルボキシル基含有シラン化合物(α)の合成
300mLのナスフラスコにp−アミノ安息香酸を23.23g、PGMEAを209.05g仕込み、室温にて30分間撹拌してp−アミノ安息香酸を溶解させた。得られた溶液に、イソシアネートプロピルトリエトキシシランを46.53g、ジラウリン酸ジブチルスズを1.19g仕込み、70℃のオイルバスで1時間撹拌した。その後室温まで放冷し、析出した固体をガラスフィルターにて濾取、乾燥させ、カルボキシル基含有シラン化合物(α)を得た。収量は46.7gであった。
合成例10 ポリシロキサン溶液(P−1)の合成
500mLの三口フラスコにメチルトリメトキシシランを17.03g(0.125mol)、フェニルトリメトキシシランを19.83g(0.100mol)、カルボキシル基含有シラン化合物(α)を38.42g(0.100mol)、ビニルトリメトキシシランを25.91g(0.175mol)、ジアセトンアルコール(DAA)を109.61g仕込み、40℃のオイルバスに漬けて撹拌しながら水27.0gにリン酸0.237g(仕込みモノマーに対して0.200重量%)を溶かしたリン酸水溶液を滴下ロートで10分かけて添加した。40℃で1時間撹拌した後、オイルバス温度を70℃に設定して1時間撹拌し、さらにオイルバスを30分かけて115℃まで昇温した。昇温開始1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから2時間加熱撹拌した(内温は100〜110℃)。反応中に副生成物であるメタノール、エタノール、水が合計55g留出した。得られたポリシロキサンのDAA溶液に、ポリシロキサン濃度が40重量%となるようにDAAを加えてポリシロキサン溶液(P−1)を得た。Si原子に対するカルボキシル基含有率、ビニル基含有率をポリシロキサンの29Si−NMRにより測定したところ、それぞれ20モル%、35モル%であった。なお、得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)をGPCにより測定したところ、8000(ポリスチレン換算)であった。
合成例11 ポリシロキサン溶液(P−2)の合成
500mLの三口フラスコにメチルトリメトキシシランを47.67g(0.350mol)、フェニルトリメトキシシランを39.66g(0.200mol)、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸26.23g(0.100mol)、γ−アクリロイルプロピルトリメトキシシランを86.94g(0.350mol)、DAAを185.08g仕込み、40℃のオイルバスに漬けて撹拌しながら水55.8gにリン酸0.401g(仕込みモノマーに対して0.200重量%)を溶かしたリン酸水溶液を滴下ロートで10分かけて添加した。次いで合成例10と同条件で加熱撹拌したところ、反応中に副生成物であるメタノール、水が合計110g留出した。得られたポリシロキサンのDAA溶液に、ポリシロキサン濃度が40重量%となるようにDAAを加えてポリシロキサン溶液(P−2)を得た。Si原子に対するカルボキシル基含有率、アクリロイル基含有率をポリシロキサンの29Si−NMRにより測定したところ、それぞれ20モル%、35モル%であった。なお、得られたポリマーの重量平均分子量をGPCにより測定したところ、5500(ポリスチレン換算)であった。
合成例1〜8および10〜11の重合体の組成を表1に示す。
Figure 0005423004
合成例12 エポキシアクリレート化合物(E−1)の合成
(1)2Lの三口フラスコに、TekP−4HBPA(商品名、本州化学工業(株)製)576.8g(1.00mol)、エピクロロヒドリン925.0g(10.0mol)、水5.00mlを仕込み、オイルバスに漬けて撹拌しながら、固体の水酸化ナトリウムを少量ずつ、フラスコ内温度100℃に調節しながら、全体で82g(2.05mol)加えた。発熱終了後、100℃で2時間撹拌し、その後、フラスコ内温度が150℃以上にならないように、過剰のエピクロロヒドリンを約0.064atmで留去した。残留物を約70℃に冷却し、50mlのトルエンを加えると塩化ナトリウムが析出したので、これを吸引炉別した。炉液からトルエンを蒸留除去し、内温が125℃に到達した時点で、約0.032atmにして170℃に上昇させ、蒸留物として透明、粘ちょうな液状物である下記構造で表されるグリシジルエーテル(e−1)750gを得た。
Figure 0005423004
(2)2Lの三口フラスコに、グリシジルエーテル(e−1)400.5g(0.50mol)、アクリル酸172.9g(2.40mol)、PGMEA349.0gを仕込み、40℃のオイルバスで加温し30分間撹拌溶解した。これに、ジメチルベンジルアミン2.7g(40.0mmol)、4−メトキシフェノール1.49g(24.0mmol)をPGMEA7.3gに溶解した溶液を、滴下ロートを用いて15分かけて滴下した。滴下終了後、バス温を90℃に上げて2時間撹拌し、続いて、100℃に昇温して30分間撹拌し反応を終了した。反応液を室温になるまで放冷した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で分液し、過剰量のアクリル酸を除去した。続いて、エバポレーターでPGMEAを除去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、下記構造で表されるエポキシアクリレート化合物(E−1)530gを得た。得られた化合物のIRスペクトルで分析したところ、アクリル酸由来のカルボキシル基のカルボニル(1702cm−1)の吸収が消失し、アクリル酸エステル由来のカルボニル(1741cm−1)の吸収および水酸基(3450cm−1)の吸収が確認され、目的のエポキシアクリレート化合物(E−1)であることが同定された。
Figure 0005423004
合成例13 エポキシアクリレート化合物(E−2)の合成
(1)TekP−4HBPA 576.8g(1.00mol)にかえて、TekP−4HBP(商品名、本州化学工業(株)製)534.7g(1.00mol)を用いた以外は合成例12(1)と同様にして、透明、粘ちょうな液状物である下記構造で表されるグリシジルエーテル(e−2)730gを得た。
Figure 0005423004
(2)グリシジルエーテル(e−1)400.5g(0.50mol)にかえて、グリシジルエーテル(e−2)379.5g(0.50mol)を用いた以外は合成例12(2)と同様にして、下記構造で表されるエポキシアクリレート化合物(E−2)510gを得た。得られた化合物のIRスペクトルで分析したところ、アクリル酸由来のカルボキシル基のカルボニル(1702cm−1)の吸収が消失し、アクリル酸エステル由来のカルボニル(1741cm−1)の吸収および水酸基(3450cm−1)の吸収が確認され、目的のエポキシアクリレート化合物(E−2)であることが同定された。
Figure 0005423004
合成例14 エポキシアクリレート化合物(E−3)の合成
(1)TekP−4HBPA 576.8g(1.00mol)にかえて、TrisP−PA(商品名、本州化学工業(株)製)424.5g(1.00mol)を用いた以外は合成例12(1)と同様にして、透明、粘ちょうな液状物である下記構造で表されるグリシジルエーテル(e−3)580gを得た。
Figure 0005423004
(2)グリシジルエーテル(e−1)400.5g(0.50mol)にかえて、グリシジルエーテル(e−3)296.4g(0.50mol)を用い、アクリル酸の添加量を129.6g(1.80mol)に変更した以外は合成例12(2)記載の方法と同様にして、下記構造で表されるエポキシアクリレート化合物(E−3)398gを得た。得られた化合物のIRスペクトルで分析したところ、アクリル酸由来のカルボキシル基のカルボニル(1702cm−1)の吸収が消失し、アクリル酸エステル由来のカルボニル(1741cm−1)の吸収および水酸基(3450cm−1)の吸収が確認され、目的のエポキシアクリレート化合物(E−3)であることが同定された。
Figure 0005423004
合成例15 エポキシアクリレート化合物(E−4)の合成
(1)TrisP−PA424.5g(1.00mol)にかえて、TrisP−HAP(商品名、本州化学工業(株)製)306.4g(1.00mol)を用いた以外は合成例14(1)と同様にして、透明、粘ちょうな液状物である下記構造で表されるグリシジルエーテル(e−4)450gを得た。
Figure 0005423004
(2)グリシジルエーテル(e−3)296.4g(0.50mol)にかえて、グリシジルエーテル(e−4)237.3g(0.50mol)を用いた以外は合成例14(2)と同様にして、下記構造で表されるエポキシアクリレート化合物(E−4)330gを得た。得られた化合物のIRスペクトルで分析したところ、アクリル酸由来のカルボキシル基のカルボニル(1702cm−1)の吸収が消失し、アクリル酸エステル由来のカルボニル(1741cm−1)の吸収および水酸基(3450cm−1)の吸収が確認され、目的のエポキシアクリレート化合物(E−4)であることが同定された。
Figure 0005423004
合成例16 エポキシアクリレート化合物(E−5)の合成
(1)TrisP−PA424.5g(1.00mol)にかえて、TrisP−TC(商品名、本州化学工業(株)製)を用いた以外は合成例14(1)と同様にして、透明、粘ちょうな液状物である下記構造で表されるグリシジルエーテル(e−5)630gを得た。
Figure 0005423004
(2)グリシジルエーテル(e−3)296.4g(0.50mol)にかえて、グリシジルエーテル(e−5)324.4g(0.50mol)を用いた以外は合成例14(2)と同様にして、下記構造で表されるエポキシアクリレート化合物(E−5)410gを得た。得られた化合物のIRスペクトルで分析したところ、アクリル酸由来のカルボキシル基のカルボニル(1702cm−1)の吸収が消失し、アクリル酸エステル由来のカルボニル(1741cm−1)の吸収および水酸基(3450cm−1)の吸収が確認され、目的のエポキシアクリレート化合物(E−5)であることが同定された。
Figure 0005423004
合成例17 エポキシメタクリレート化合物(E−6)の合成
アクリル酸129.6g(1.80mol)にかえて、メタクリル酸155.0g(1.80mol)を用いた以外は合成例16(2)と同様にして、下記構造で表されるエポキシメタクリレート化合物(E−6)440gを得た。得られた化合物のIRスペクトルで分析したところ、メタクリル酸由来のカルボキシル基のカルボニル(1697cm−1)の吸収が消失し、メタクリル酸エステル由来のカルボニル(1738cm−1)の吸収および水酸基(3450cm−1)の吸収が確認され、目的のエポキシメタクリレート化合物(E−6)であることが同定された。
Figure 0005423004
合成例18 エポキシアクリレート化合物(E−7)の合成
(1)2Lの三口フラスコに、ビスフェノールA228.3g(1.00mol)、エピクロロヒドリン925.0g(10.0mol)、水5.00mlを仕込み、オイルバスに漬けて撹拌しながら、固体の水酸化ナトリウムを少量ずつ、フラスコ内温度100℃に調節しながら、全体で82g(2.05mol)加えた。発熱終了後、100℃で、2時間撹拌し、その後、フラスコ内温度が150℃以上にならないように、過剰のエピクロロヒドリンを約0.064atmで留去した。残留物を約70℃に冷却し、50mlのトルエンを加えると塩化ナトリウムが析出したので、これを吸引炉別した。炉液からトルエンを蒸留除去し、内温が125℃に到達した時点で、約0.032atmにして170℃に上昇させ、蒸留物として透明、粘ちょうな液状物である下記構造で表されるグリシジルエーテル(e−7)330gを得た。
Figure 0005423004
(2)グリシジルエーテル(e−1)400.5g(0.50mol)にかえて、グリシジルエーテル(e−7)170.2g(0.50mol)を用いた以外は合成例12(2)と同様にして、下記構造で表されるエポキシアクリレート化合物(E−7)220gを得た。得られた化合物のIRスペクトルで分析したところ、アクリル酸由来のカルボキシル基のカルボニル(1702cm−1)の吸収が消失し、アクリル酸エステル由来のカルボニル(1741cm−1)の吸収および水酸基(3450cm−1)の吸収が確認され、目的のエポキシアクリレート化合物(E−7)であることが同定された。
Figure 0005423004
合成例19 3官能アクリレート化合物(S−1)の合成
2Lの三口フラスコに、TrisP−PA(商品名、本州化学工業(株)製)424.5g(1.00mol)トリエチルアミン306.6g(3.03mol)、PGMEA1000mlを仕込み、氷冷バスで冷却し30分間撹拌溶解した。これに、アクリル酸クロリド274.2g(3.03mol)をPGMEA20.0gに溶解した溶液を、滴下ロートを用いて15分かけて滴下した。滴下終了後、バス温を40℃に上げて2時間撹拌し、反応を終了した。反応液を室温になるまで2時間放冷した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で分液し、アクリル酸クロリドの分解物であるアクリル酸を除去した。続いて、エバポレーターでPGMEAを除去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、下記構造で表される3官能アクリレート化合物(S−1)580gを得た。得られた化合物のIRスペクトルで分析したところ、水酸基(3450cm−1)の吸収が消失し、アクリル酸エステル由来のカルボニル(1741cm−1)の吸収が確認され、目的の3官能アクリレート化合物(S−1)であることが同定された。
Figure 0005423004
合成例20 3官能アクリレート化合物(S−2)の合成
TrisP−PA424.5g(1.00mol)にかえて、TrisP−HAP(商品名、本州化学工業(株)製)306.4g(1.00mol)を用いた以外は合成例19と同様にして、下記構造で表される3官能アクリレート化合物(S−2)460gを得た。得られた化合物のIRスペクトルで分析したところ、水酸基(3450cm−1)の吸収が消失し、アクリル酸エステル由来のカルボニル(1741cm−1)の吸収が確認され、目的の3官能アクリレート化合物(S−2)であることが同定された。
Figure 0005423004
合成例21 イミドシラン化合物(I−1)の合成
PGMEA400gに3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物41.97g(160mmol)とt−ブチルアミン11.70g(160mmol)を加えてしばらく室温にて撹拌した後、60℃にて2時間撹拌した。その後、140℃まで昇温し、プロピレングリコールモノメチルエーテルと水を共沸させながら、6時間反応させた。得られた溶液を固形分濃度が20%になるようにジアセトンアルコールで希釈して、下記構造で表されるイミドシラン化合物(I−1)溶液を得た。
Figure 0005423004
合成例22 イミドシラン化合物(I−2)の合成
γ−ブチロラクトン(GBL)40gにイソシアネートプロピルジエチルエトキシシラン34.46g(160mmol)を加えて撹拌し溶解させた。4,4’−オキシジフタル酸二無水物24.82g(80.0mmol)を加えてしばらく室温にて撹拌した後、140℃にて2時間撹拌した。得られた溶液を固形分濃度が20%になるようにGBLで希釈して、下記構造で表されるイミドシラン化合物(I−2)溶液を得た。
Figure 0005423004
合成例23 イミドシラン化合物(I−3)の合成
DAA400gにアミノプロピルトリメトキシシラン28.69g(160mmol)とフタル酸無水物23.70g(160mmol)を加えてしばらく室温にて撹拌した後、60℃にて2時間撹拌した。その後、160℃まで昇温し、ジアセトンアルコールと水を共沸させながら、6時間反応させた。得られた溶液を固形分濃度が20%になるようにジアセトンアルコールで希釈して、下記構造で表されるイミドシラン化合物(I−3)溶液を得た。
Figure 0005423004
各実施例・比較例における評価方法を以下に示す。
(1)透過率の測定
ネガ型感光性樹脂組成物を5cm角のテンパックスガラス基板(旭テクノガラス板(株)製)に、スピンコーター(ミカサ(株)製1H−360S)を用いて500rpmで10秒回転した後、1000rpmで4秒回転してスピンコートした後、ホットプレート(大日本スクリーン製造(株)製SCW−636)を用いて90℃で2分間プリベークし、膜厚2μmの膜を作製した。作製した膜をパラレルライトマスクアライナー(以下PLAという)(キヤノン(株)製PLA−501F)を用いて超高圧水銀灯を光源として露光し、オーブン(エスペック(株)製IHPS−222)を用いて空気中220℃で1時間キュアして硬化膜を作製した。得られた硬化膜について、紫外−可視分光光度計UV−260(島津製作所(株)製)を用いて、400nmの透過率を測定し、1.5μm厚あたりの透過率に換算した。なお、膜厚は大日本スクリーン製造(株)製ラムダエースSTM−602を用いて屈折率1.50で測定した。以下に記載する膜厚も同様である。
(2)硬度の測定
前記(1)に記載の方法で得られた硬化膜について、「JIS K5600−5−4(1999)」に準拠して鉛筆硬度を測定した。ただし、負荷加重を4.903325Nとした。
(3)耐熱性の評価
前記(1)に記載の方法で得られた硬化膜を、さらに250℃×3時間加熱処理した後、紫外−可視分光光度計UV−260(島津製作所(株)製)を用いて、400nmの透過率を測定した。下記に示す250℃×3時間加熱処理前後の透過率の変化率を評価した。変化率が15%未満の場合は良好、15%以上の場合は不良とした。
透過率の変化率(%)=(H−H250)÷H×100
=キュア後の400nmの透過率
250=250℃×3時間加熱処理後の透過率 。
(4)パターン加工性の評価
ネガ型感光性樹脂組成物をシリコンウエハ上に、スピンコーター(ミカサ(株)製1H−360S)を用いて500rpmで10秒回転した後、1000rpmで4秒回転してスピンコートした後、ホットプレート(大日本スクリーン製造(株)製SCW−636)を用いて90℃で2分間プリベークし、膜厚2μmの膜を作製した。得られたプリベーク膜に、PLAを用いて超高圧水銀灯を光源として、感度測定用のグレースケールマスクを介して100μmのギャップで露光した。その後、自動現像装置(AD−2000、滝沢産業(株)製)を用いて、0.4重量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液ELM−D(三菱ガス化学(株)製)で90秒間シャワー現像し、次いで水で30秒間リンスした。露光、現像後、50μmのラインアンドスペース残しパターンを1対1の幅に形成する露光量(以下、これを最適露光量という)を感度とした。露光量はI線照度計で測定した。また、最適露光量における現像後の最小パターン寸法を測定し、解像度とした。
(5)現像時接着性の評価
テンパックスガラス基板(旭テクノガラス板(株)製)、ITO基板およびモリブデン基板に、前記(4)記載の方法と同様にしてプリベーク膜を作製した。さらに、前記(4)記載の方法と同様にして露光、現像、リンスを行った。ただし、露光量は、前記(4)記載のシリコンウエハ上にて見出した最適露光量とした。各基板について、はがれの生じない最小パターン寸法を測定した。パターン寸法が小さい程、現像時接着性が良好と言え、パターン寸法10μm以下を合格とした。
(6)硬化膜接着性の評価
テンパックスガラス基板(旭テクノガラス板(株)製)、ITO基板およびモリブデン基板に、前記(1)記載の方法と同様にして硬化膜を作製した。硬化膜を下記(6−1)または(6−2)の条件で処理した後、JIS「K5400」8.5.2(1990)碁盤目テープ法に準じてガラス、ITOまたはモリブデンと硬化膜の接着性を評価した。ガラス基板上のITOまたはモリブデン表面に、カッターナイフでガラス基板の素地に到達するように、直交する縦横11本ずつの平行な直線を1mm間隔で引いて、1mm×1mmのマス目を100個作製した。切られたITO表面にセロハン粘着テープ(幅=18mm、粘着力=3.7N/10mm)を張り付け、消しゴム(JIS S6050合格品)で擦って密着させ、テープの一端を持ち、板に直角に保ち瞬間的に剥離した際のマス目の残存数を目視によって評価した。マス目の剥離個数により以下のように判定し、3以上を合格とした。
5:剥離個数=0%
4:剥離個数=<5%
3:剥離個数=5〜15%
2:剥離個数=15〜35%
1:剥離個数=35%〜65%
0:剥離個数=65%〜100%
<0:マス目以外のエリアも含め全て剥離した。
(6−1)アルカリ液に対する接着性
ガラス、ITO、モリブデン基板に作製した硬化膜をモノエタノールアミン/ジメチルスルホキシド=70/30(重量比)混合液中に80℃で3分間浸漬した後、5分間純水リンスを行い、水を窒素ブローで除去し、前記の方法により接着性を評価した。
(6−2)酸水溶液に対する接着性
ガラス、ITO、モリブデン基板に作製した硬化膜を塩酸/硝酸/水=18/4/78(重量比)混合液中に40℃で80秒間浸漬した後、5分間純水リンスを行い、水を窒素ブローで除去し、前記の方法により接着性を評価した。
実施例1
黄色灯下にて2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(商品名「イルガキュア907」チバスペシャリティケミカル(株)製)0.5166g、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(EKと以下略す)0.0272gをDAA2.9216g、PGMEA2.4680gに溶解させ、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名「“カヤラッド(登録商標)”DPHA」、新日本化薬(株)製)のPGMEA50重量%溶液4.35034g、上記合成例12記載の方法で合成したエポキシアクリレート化合物(E−1)0.81569g、4−t−ブチルカテコールのPGMEA1重量%溶液1.6314g、上記合成例1記載の方法で合成したアクリル樹脂溶液(A−1)6.7974g、シリコーン系界面活性剤であるBYK−333(ビックケミージャパン(株)製)のPGMEA1重量%溶液0.2000g(濃度100ppmに相当)を加え、撹拌した。次いで0.45μmのフィルターでろ過を行い、ネガ型感光性樹脂組成物(A)を得た。得られたネガ型感光性樹脂組成物(A)について上記(1)〜(6)の評価を行った。
実施例2
エポキシアクリレート化合物(E−1)の代わりに上記合成例13記載の方法で合成したエポキシアクリレート化合物(E−2)を用いる以外は実施例1と同様にして、ネガ型感光性樹脂組成物(B)を得た。得られたネガ型感光性樹脂組成物(B)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例3
アクリル樹脂溶液(A−1)の代わりに上記合成例2記載の方法で合成したアクリル樹脂溶液(A−2)を、エポキシアクリレート化合物(E−1)の代わりに上記合成例14記載の方法で合成したエポキシアクリレート化合物(E−3)を用いる以外は実施例1と同様にして、ネガ型感光性樹脂組成物(C)を得た。得られたネガ型感光性樹脂組成物(C)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例4
エポキシアクリレート化合物(E−3)の代わりに上記合成例15記載の方法で合成したエポキシアクリレート化合物(E−4)を用いる以外は実施例3と同様にして、ネガ型感光性樹脂組成物(D)を得た。得られたネガ型感光性樹脂組成物(D)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例5
アクリル樹脂溶液(A−2)の代わりに上記合成例3記載の方法で合成したアクリル樹脂溶液(A−3)を、「DPHA」の代わりにテトラペンタエリスリトールデカアクリレート2.7189gと、2,2−[9H−フルオレン−9,9−ジイルビス(1,4−フェニレン)ビスオキシ]ジエタノールジアクリレート(商品名「BPEFA」大阪ガスケミカル(株)製)のPGMEA50重量%溶液2.7189gを加え、エポキシアクリレート化合物(E−3)の代わりに上記合成例16記載の方法で合成したエポキシアクリレート化合物(E−5)を用いる以外は実施例3と同様にして、ネガ型感光性樹脂組成物(E)を得た。得られたネガ型感光性樹脂組成物(E)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例6
エポキシアクリレート化合物(E−5)の代わりに上記合成例17記載の方法で合成したエポキシメタクリレート化合物(E−6)を用いる以外は実施例5と同様にして、ネガ型感光性樹脂組成物(F)を得た。得られたネガ型感光性樹脂組成物(F)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例7
アクリル樹脂溶液(A−1)の代わりに上記合成例10記載の方法で合成したポリシロキサン溶液(P−1)を用いる以外は実施例1と同様にして、ネガ型感光性樹脂組成物(G)を得た。得られたネガ型感光性樹脂組成物(G)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例8
エポキシアクリレート化合物(E−1)の代わりにエポキシアクリレート化合物(E−2)を用いる以外は実施例7と同様にして、ネガ型感光性樹脂組成物(H)を得た。得られたネガ型感光性樹脂組成物(H)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例9
ポリシロキサン溶液(P−1)の代わりに上記合成例11記載の方法で合成したポリシロキサン溶液(P−2)を用いる以外は実施例8と同様にして、ネガ型感光性樹脂組成物(I)を得た。得られたネガ型感光性樹脂組成物(I)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例10
「DPHA」の添加量を2.7189gに減量し、代わりに、2,2−[9H−フルオレン−9,9−ジイルビス(1,4−フェニレン)ビスオキシ]ジエタノールジアクリレート(商品名「BPEFA」大阪ガスケミカル(株)製)のPGMEA50重量%溶液2.7189gを加える以外は実施例9と同様にして、ネガ型感光性樹脂組成物(J)を得た。得られたネガ型感光性樹脂組成物(J)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例11
ネガ型感光性樹脂組成物(A)に、トリス−(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート(商品名「X−12−965」信越化学工業(株)製)0.1568gと上記合成例21記載の方法で合成したイミドシラン化合物(I−1)1.8813gを添加する以外は実施例1と同様に行い、ネガ型感光性樹脂組成物(K)を得た。得られたネガ型感光性樹脂組成物(K)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例12
ネガ型感光性樹脂組成物(A−1)に、トリス−(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート(商品名「X−12−965」信越化学工業(株)製)0.2508gと上記合成例22記載の方法で合成したイミドシラン化合物(I−2)3.1355gを添加する以外は実施例1と同様に行い、ネガ型感光性樹脂組成物(L)を得た。得られたネガ型感光性樹脂組成物(L)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例13
ネガ型感光性樹脂組成物(A−1)に、トリス−(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート(商品名「X−12−965」信越化学工業(株)製)0.3763gと上記合成例23記載の方法で合成したイミドシラン化合物(I−3)3.7626gを添加する以外は実施例1と同様に行い、ネガ型感光性樹脂組成物(M)を得た。得られたネガ型感光性樹脂組成物(M)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例14
トリス−(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート(商品名「X−12−965」信越化学工業(株)製)0.1568g使用しない以外は実施例11と同様に行い、ネガ型感光性樹脂組成物(N)を得た。得られたネガ型感光性樹脂組成物(N)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例15
イミドシラン化合物(I−1)1.8813gを使用しない以外は実施例11と同様に行い、ネガ型感光性樹脂組成物(P)を得た。得られたネガ型感光性樹脂組成物(P)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例16
トリス−(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート(商品名「X−12−965」信越化学工業(株)製)0.2508gを使用しない以外は実施例12と同様に行い、ネガ型感光性樹脂組成物(Q)を得た。得られたネガ型感光性樹脂組成物(Q)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例17
トリス−(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート(商品名「X−12−965」信越化学工業(株)製)0.3763gを使用しない以外は実施例13と同様に行い、ネガ型感光性樹脂組成物(R)を得た。得られたネガ型感光性樹脂組成物(R)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例18
アクリル樹脂溶液(A−1)の代わりに上記合成例6記載の方法で合成したアクリル樹脂溶液(A−6)を用いる以外は実施例1と同様にして、ネガ型感光性樹脂組成物(S)を得た。得られたネガ型感光性樹脂組成物(S)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例19
アクリル樹脂溶液(A−1)の代わりに上記合成例7記載の方法で合成したアクリル樹脂溶液(A−7)を用いる以外は実施例1と同様にして、ネガ型感光性樹脂組成物(T)を得た。得られたネガ型感光性樹脂組成物(T)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例20
アクリル樹脂溶液(A−1)の代わりに上記合成例8記載の方法で合成したアクリル樹脂溶液(A−8)を用いる以外は実施例1と同様にして、ネガ型感光性樹脂組成物(U)を得た。得られたネガ型感光性樹脂組成物(U)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
比較例1
エポキシアクリレート化合物(E−1)を用いない以外は実施例1と同様にして、ネガ型感光性樹脂組成物(A1)を得た。得られたネガ型感光性樹脂組成物(A1)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
比較例2
エポキシアクリレート化合物(E−1)の代わりに、上記合成例18記載の方法で合成したエポキシアクリレート化合物(E−7)を用いる以外は実施例1と同様に行い、ネガ型感光性樹脂組成物(B1)を得た。得られたネガ型感光性樹脂組成物(B1)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
比較例3
エポキシアクリレート化合物(E−2)の代わりに、エポキシアクリレート化合物(E−7)を用いる以外は実施例10と同様に行い、ネガ型感光性樹脂組成物(C1)を得た。得られたネガ型感光性樹脂組成物(C1)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
比較例4
エポキシアクリレート化合物(E−3)の代わりに、下記式で表されるエポキシメタクリレート化合物VR77(商品名、昭和高分子(株)製)を用いる以外は実施例3と同様にして、ネガ型感光性樹脂組成物(D1)を得た。得られたネガ型感光性樹脂組成物(D1)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
Figure 0005423004
比較例5
エポキシアクリレート化合物(E−3)の代わりに上記合成例19記載の方法で合成した3官能アクリレート化合物(S−1)を用いる以外は実施例3と同様にして、ネガ型感光性樹脂組成物(E1)を得た。得られたネガ型感光性樹脂組成物(E1)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
比較例6
エポキシアクリレート化合物(E−4)の代わりに上記合成例20記載の方法で合成した3官能アクリレート化合物(S−2)を用いる以外は実施例4と同様にして、ネガ型感光性樹脂組成物(F1)を得た。得られたネガ型感光性樹脂組成物(F1)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
比較例7
アクリル樹脂溶液(A−1)の代わりに上記合成例4記載の方法で合成したアクリル樹脂溶液(A−4)を用いる以外は実施例1と同様にして、ネガ型感光性樹脂組成物(G1)を得た。得られたネガ型感光性樹脂組成物(G1)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
比較例8
アクリル樹脂溶液(A−1)の代わりに上記合成例5記載の方法で合成したアクリル樹脂溶液(A−5)を用いる以外は実施例1と同様にして、ネガ型感光性樹脂組成物(H1)を得た。得られたネガ型感光性樹脂組成物(H1)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例1〜20および比較例1〜8の組成を表2〜4に、評価結果を表5〜6に示す。
Figure 0005423004
Figure 0005423004
Figure 0005423004
Figure 0005423004
Figure 0005423004
本発明のネガ型感光性樹脂組成物を硬化して得られる硬化膜は、タッチパネルの保護膜、絶縁膜等の各種ハードコート膜の他、液晶や有機ELディスプレイのTFT用平坦化膜、絶縁膜、反射防止膜、反射防止フィルム、光学フィルター、カラーフィルター用オーバーコート、柱材等に好適に用いられる。

Claims (4)

  1. (A)カルボキシル基および/またはフェノール性水酸基と、エチレン性不飽和二重結合基を有する重合体、
    (B)光ラジカル重合開始剤、および
    (C)水酸基を有する不飽和カルボン酸エステル残基を1分子中に3個以上有する化合物を含有するネガ型感光性樹脂組成物を硬化させてなる、タッチパネル用部材であり、
    前記(C)の化合物が、下記一般式(1)で表される、タッチパネル用部材
    Figure 0005423004
    (上記一般式(1)中、RおよびRは水酸基またはアルケニルカルボニルオキシ基を表し、いずれか一方は水酸基である。Rは炭素数1〜5の2価の有機基を表す。Rは炭素数6〜40のn価の有機基を表す。nは3〜8の整数を表す。)
  2. 前記一般式(1)中のRおよびRにおけるアルケニルカルボニルオキシ基がメタクリロイルオキシ基またはアクリロイルオキシ基である請求項記載のタッチパネル用部材
  3. 前記(A)の重合体がフェニル基および/または脂環式炭化水素基を有する請求項1または2記載のタッチパネル用部材
  4. 保護膜または絶縁膜である、請求項1〜3いずれか記載のタッチパネル用部材。
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