JP5407210B2 - シロキサン樹脂組成物およびそれを用いた硬化膜 - Google Patents

シロキサン樹脂組成物およびそれを用いた硬化膜 Download PDF

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Description

本発明は、シロキサン樹脂組成物とそれを用いた硬化膜に関する。
現在、ハードコート材料の用途は多岐にわたり、例えば、自動車部品、化粧品等の容器、シート、フィルム、光学ディスク、薄型ディスプレイなどの表面硬度向上に用いられている。ハードコートに求められる特性としては、硬度、耐擦傷性の他に耐熱性、耐候性、接着性などが挙げられる。ハードコート材料の代表例としては、ラジカル重合型のUV硬化型ハードコートがあり(例えば、非特許文献1参照)、その構成は、重合性基含有オリゴマー、モノマー、光重合開始剤およびその他添加剤である。UV照射によりオリゴマーおよびモノマーがラジカル重合することで架橋し、高硬度な膜を得る。このハードコートは硬化の所要時間が短く生産性が向上するうえに、一般的なラジカル重合機構によるネガ型感光性材料を用いることができ、製造コストが安価になるという利点を持つ。しかし、有機成分が多いため他のハードコートに比べ硬度、耐擦傷性が低く、UV硬化による体積収縮が原因となるクラックが発生するという課題があった。
タッチパネルはハードコートの主な用途の一つである。現在主流である抵抗膜式のタッチパネルは、フィルム上にセンサーを取り付けるため高温処理ができない。このため、熱硬化を必要としないかあるいは低温硬化で硬化膜を得られる上述のUV硬化型ハードコートが好んで用いられてきた(例えば、特許文献1参照)。一方、近年注目を浴びている静電容量式タッチパネルの場合、表面の傷に弱いことから保護膜には抵抗膜式よりも高い硬度が求められる。静電容量式タッチパネルとして、例えば、高温処理可能なガラスを基板に用い、高硬度な無機系のSiO、SiNxや透明樹脂などで形成された保護膜を有するものが開示されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、無機系ハードコートは、SiOやSiNxをCVD(Chmial Vapor Deposition)により形成するか、SOG(Spin On Glass)をコーティング後に300℃近い高温処理を長時間行うことにより形成するため、製造コストが高くなる課題があった。そこで、高硬度なUV硬化型ハードコートが求められている。
一方、UV硬化型コーティング組成物としては、(A)金属酸化物コロイドゾル、(B)少なくとも一部に特定の有機官能基を含み、分子量分布が制御されたアルコキシシラン加水分解縮合物、(C)光重合開始剤を含有する組成物が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
大原 昇ら著、「プラスチック基材を中心としたハードコート膜における材料設計・塗工技術と硬度の向上」、技術情報協会、2005年4月28日、301ページ 特開2001−330707号公報 特開2007−279819号公報 特開2007−277332号公報
本発明は、UV硬化および熱硬化により高硬度で耐擦傷性に優れるとともに、高い耐クラック性を有する硬化膜を与えるシロキサン樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明は、(A)フェニル基を有するポリシロキサン、(B)光ラジカル重合開始剤および(C)トリペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートおよびペンタペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種のラジカル重合性モノマーを含有することを特徴とするシロキサン樹脂組成物である。
本発明のシロキサン樹脂組成物によれば、硬度が高く、耐擦傷性、耐クラック性に優れる硬化膜を得ることができる。
以下に本発明について具体的に説明する。
本発明のシロキサン樹脂組成物は、(A)フェニル基を有するポリシロキサン、(B)光ラジカル重合開始剤および(C)トリペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートおよびペンタペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種のラジカル重合性モノマーを含有する。
本発明のシロキサン樹脂組成物は、(A)フェニル基を有するポリシロキサンを含有する。フェニル基を含有することで硬化膜のクラックの発生を抑制できる。また、アルカリ溶解性が向上することから、パターン加工が必要な用途に於いて現像性(パターン加工性)が向上し、現像後の残さの無い良好なパターンを形成することが可能になる。
発明のシロキサン樹脂組成物に用いられる(A)フェニル基を有するポリシロキサンは、フェニル基を有するオルガノシラン化合物を含むオルガノシラン化合物を加水分解し、該加水分解物を縮合することにより得られる。フェニル基を有するオルガノシラン化合物の具体例としては、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリ(メトキシエトキシ)シラン、フェニルトリアセトキシシラン、フェニルシラントリオール、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジ(メトキシエトキシ)シラン、ジフェニルジアセトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジフェニルシランジオール、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン、トリフェニルシラノールなどが挙げられる。これらを2種以上組み合わせて用いてもよいし、他のオルガノシラン化合物と組み合わせて用いてもよい。
(A)フェニル基を有するポリシロキサン中のフェニル基の含有率は、Si原子1モルに対して0.1モル以上が好ましく、硬化膜の耐クラック性をより向上させることができる。より好ましくは0.2モル以上、さらに好ましくは0.3モル以上である。また、0.8モル以下が好ましく、より好ましくは0.6モル以下である。上記範囲であれば硬度と耐クラック性をより高いレベルで両立する硬化膜が得られる。フェニル基の含有率は、例えば、ポリシロキサンの29Si−核磁気共鳴スペクトルを測定し、そのフェニル基が結合したSiのピーク面積とフェニル基が結合していないSiのピーク面積の比から求めることができる。また、Siとフェニル基が直接結合していない場合、H−核磁気共鳴スペクトルよりフェニル基由来のピークとシラノールを除くその他のピークとの積分比からポリシロキサン全体のフェニル基含有量を算出し、前述の29Si−核磁気共鳴スペクトルの結果と合わせて間接的に結合しているフェニル基の含有量を算出する。
本発明のシロキサン樹脂組成物に用いられる(A)フェニル基を有するポリシロキサンは、ラジカル重合性基を有することが好ましい。ラジカル重合性基を有することにより、後述するラジカル重合性モノマーとの架橋反応が起こり、得られる硬化膜の架橋密度が向上し、硬化膜の硬度をより向上させることができる。また、少ない光照射量で硬化させることができるため、パターン加工を必要とする用途では感度が向上する効果が得られる。ラジカル重合性基の具体例としては、ビニル基、α−メチルビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基などの不飽和基が挙げられる。これらのうち、膜中での硬化反応が円滑に進み、感度をより向上させることができることから、アクリロイル基またはメタクリロイル基が好ましい。
ラジカル重合性基を有するポリシロキサンは、ラジカル重合性基を有するオルガノシラン化合物を含むオルガノシラン化合物を加水分解し、該加水分解物を縮合することにより得られる。本発明における(A)成分のポリシロキサンはフェニル基を有するものであるから、フェニル基を有するオルガノシラン化合物、ラジカル重合性基を有するオルガノシラン化合物と、必要により他のオルガノシラン化合物を加水分解し、該加水分解物を縮合することが好ましい。ラジカル重合性基を有するオルガノシラン化合物の具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジエトキシシラン、スチリルトリメトキシシラン、スチリルトリエトキシシラン、スチリルトリアセトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルメチルジエトキシシランなどが挙げられる。これらを2種以上組み合わせて用いてもよい。これらのうち、硬化膜の硬度や、パターン加工時の感度の点で、γ−アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルトリエトキシシランが特に好ましく用いられる。
(A)フェニル基を有するポリシロキサン中のラジカル重合性基の含有量は、Si原子1モルに対して0.01モル以上が好ましく、0.1モル以上がより好ましい。また、0.6モル以下が好ましく、0.4モル以下がより好ましい。上記範囲であれば硬度と耐クラック性をより高いレベルで両立する硬化膜が得られる。
本発明のシロキサン樹脂組成物に用いられる(A)フェニル基を有するポリシロキサンが、下記一般式(1)で表されるオルガノシラン化合物を含むオルガノシラン化合物を加水分解し、該加水分解物を縮合して得られるものであると、シロキサンの架橋密度が向上することから、硬化膜の硬度がより向上するため好ましい。例えば、フェニル基を有するオルガノシラン化合物と下記一般式(1)で表されるオルガノシラン化合物を加水分解してもよいし、下記一般式(1)で表されるオルガノシラン化合物がフェニル基を有する場合には、それのみを加水分解してもかまわない。
Figure 0005407210
一般式(1)中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアシル基、炭素数6〜15のアリール基またはそれらの置換体を表す。nは2〜8の整数を表すが、分布を有してもよい。複数のRおよびRはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基が挙げられる。アシル基の具体例としては、アセチル基が挙げられる。アリール基の具体例としては、フェニル基が挙げられる。
(A)フェニル基を有するポリシロキサンにおける一般式(1)で表されるオルガノシラン残基の含有比は、ポリシロキサン全体のSi原子モル数に対するSi原子モル比で1モル%以上が好ましく、より好ましくは5モル%以上である。また、40モル%以下が好ましい。上記範囲であれば硬度と耐クラック性をより高いレベルで両立する硬化膜が得られる。
一般式(1)で表されるオルガノシランの具体例としては、メチルシリケート51(扶桑化学工業株式会社製)、Mシリケート51、シリケート40、シリケート45(以上、多摩化学工業株式会社製)、メチルシリケート51、メチルシリケート53A、エチルシリケート40、エチルシリケート48(以上、コルコート株式会社製)などが挙げられる。
本発明のシロキサン樹脂組成物に用いられる(A)フェニル基を有するポリシロキサンが、フェニル基を有するオルガノシラン化合物を含むオルガノシラン化合物を後述する金属化合物粒子存在下で加水分解し、該加水分解物を縮合して得られるものであると、硬化膜の硬度、耐擦傷性、耐クラック性がより向上する。金属化合物粒子存在下でポリシロキサンの重合を行うことで、ポリシロキサンの少なくとも一部に金属化合物粒子との化学的結合(共有結合)が生じ、金属化合物粒子が均一に分散して塗液の保存安定性や硬化膜の均質性が向上するためと考えられる。また、金属化合物粒子の種類により、得られる硬化膜の屈折率を調整することができる。なお、金属化合物粒子としては、後述の(E)金属化合物粒子として例示するものを用いることができる。
本発明のシロキサン樹脂組成物に用いられる(A)フェニル基を有するポリシロキサンは、フッ素を有することが好ましい。フッ素を有することにより、硬化膜の耐擦傷性がより向上する。フッ素を有するポリシロキサンは、フッ素を有するオルガノシラン化合物を含むオルガノシラン化合物を加水分解し、該加水分解物を縮合することにより得られる。本発明における(A)成分のポリシロキサンはフェニル基を有するものであるから、フェニル基を有するオルガノシラン化合物、フッ素を有するオルガノシラン化合物と、必要により他のオルガノシラン化合物を加水分解し、該加水分解物を縮合することが好ましい。フッ素を有するオルガノシランの具体例としては、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、パーフルオロプロピルトリメトキシシラン、パーフルオロプロピルトリエトキシシラン、パーフルオロペンチルトリメトキシシラン、パーフルオロペンチルトリエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリプロポキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリイソプロポキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン、ビス(トリフルオロメチル)ジメトキシシラン、ビス(トリフルオロプロピル)ジメトキシシラン、ビス(トリフルオロプロピル)ジエトキシシラン、トリフルオロプロピルメチルジメトキシシラン、トリフルオロプロピルメチルジエトキシシラン、トリフルオロプロピルエチルジメトキシシラン、トリフルオロプロピルエチルジエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルメチルジメトキシシランなどが挙げられる。これらを2種以上組み合わせて用いてもよい。これらのうち、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシランが特に好ましく用いられる。
本発明のシロキサン樹脂組成物に用いられる(A)フェニル基を有するポリシロキサンは上記以外のオルガノシラン化合物を用いて合成してもよい。用いられるオルガノシラン化合物の具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ(メトキシエトキシ)シラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−(N,N−ジグリシジル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、β−シアノエチルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリイソプロポキシシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリ(メトキシエトキシ)シラン、α−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリプロポキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリブトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリフェノキシシラン、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、4−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリメトキシシラン、4−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、グリシドキシメチルジメトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、オクタデシルメチルジメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどが挙げられる。これら2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明のシロキサン樹脂組成物において、(A)フェニル基を有するポリシロキサンの含有量に特に制限はなく、所望の膜厚や用途により任意に選ぶことができるが、シロキサン樹脂組成物全量に対して0.1〜80重量%が一般的である。また、固形分中10重量%以上が好ましい。
本発明のシロキサン樹脂組成物に用いられる(A)フェニル基を有するポリシロキサンの重量平均分子量(Mw)は特に制限されないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算で、好ましくは1,000以上、より好ましくは2,000以上である。また、好ましくは100,000以下、さらに好ましくは50,000以下である。Mwを上記範囲とすることで、良好な塗布特性が得られ、パターン形成をする際の際の現像液への溶解性も良好となる。
本発明のシロキサン樹脂組成物に用いられる(A)フェニル基をポリシロキサンはオルガノシラン化合物を加水分解した後、該加水分解物を溶媒の存在下、あるいは無溶媒で縮合反応させることによって得ることができる。
加水分解反応の各種条件、例えば酸濃度、反応温度、反応時間などは、反応スケール、反応容器の大きさ、形状などを考慮して適宜設定することができるが、例えば、溶媒中、オルガノシラン化合物に酸触媒および水を1〜180分かけて添加した後、室温〜110℃で1〜180分反応させることが好ましい。このような条件で加水分解反応を行うことにより、急激な反応を抑制することができる。反応温度は、より好ましくは30〜105℃である。
加水分解反応は、酸触媒の存在下で行うことが好ましい。酸触媒としては、蟻酸、酢酸またはリン酸を含む酸性水溶液が好ましい。これら酸触媒の好ましい含有量は、加水分解反応時に使用される全オルガノシラン化合物100重量部に対して、好ましくは0.1重量部〜5重量部である。酸触媒の量を上記範囲とすることで、加水分解反応が必要かつ十分に進行するよう容易に制御できる。
オルガノシラン化合物の加水分解反応によりシラノール化合物を得た後、反応液をそのまま50℃以上、溶媒の沸点以下で1〜100時間加熱し、縮合反応を行うことが好ましい。また、ポリシロキサンの重合度を上げるために、再加熱もしくは塩基触媒を添加してもよい。
オルガノシラン化合物の加水分解反応および該加水分解物の縮合反応に用いられる溶媒は特に限定されず、樹脂組成物の安定性、塗れ性、揮発性などを考慮して適宜選択できる。また、溶媒を2種以上組み合わせてもよいし、無溶媒で反応を行ってもよい。溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−2−ブタノール、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール、1−t−ブトキシ−2−プロパノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチルエーテルなどのエーテル類;メチルエチルケトン、アセチルアセトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、2−ヘプタノンなどのケトン類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類;エチルアセテート、プロピルアセテート、ブチルアセテート、イソブチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチルなどのアセテート類;トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサンなどの芳香族あるいは脂肪族炭化水素、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどを挙げることができる。硬化膜の透過率、耐クラック性などの点で、ジアセトンアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノt−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、γ−ブチロラクトンなども好ましく用いられる。
加水分解反応によって溶媒が生成する場合には、無溶媒で加水分解させることも可能である。反応終了後に、さらに溶媒を添加することにより、樹脂組成物として適切な濃度に調整することも好ましい。また、目的に応じて加水分解後に、生成アルコールなどを加熱および/または減圧下にて適量を留出、除去し、その後好適な溶媒を添加してもよい。
加水分解反応時に使用する溶媒の量は、全オルガノシラン化合物100重量部に対して80重量部以上、500重量部以下が好ましい。溶媒の量を上記範囲とすることで、加水分解反応が必要かつ十分に進行するよう容易に制御できる。
また、加水分解反応に用いる水は、イオン交換水が好ましい。水の量は任意に選択可能であるが、シラン原子1モルに対して、1.0〜4.0モルの範囲で用いることが好ましい。
本発明のシロキサン樹脂組成物は、(B)光ラジカル重合開始剤を含有する。(B)光ラジカル重合開始剤は、光(紫外線、電子線を含む)により分解および/または反応し、ラジカルを発生させるものであればどのようなものでもよい。具体例としては、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(2,4,4−トリメチルペンチル)−フォスフィンオキサイド、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、1−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニルプロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、2−エチルヘキシル−p−ジメチルアミノベンゾエート、p−ジエチルアミノ安息香酸エチル、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、アルキル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド、2−ヒドロキシ−3−(4−ベンゾイルフェノキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロペンアミニウムクロリド一水塩、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イロキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパナミニウムクロリド、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2−ビイミダゾール、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、メチルフェニルグリオキシエステル、η5−シクロペンタジエニル−η6−クメニル−アイアン(1+)−ヘキサフルオロフォスフェイト(1−)、ジフェニルスルフィド誘導体、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、4−ベンゾイル−4−メチルフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,3−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニル−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−t−ブチルジクロロアセトフェノン、ベンジルメトキシエチルアセタール、アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、β−クロルアントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンズスベロン、メチレンアントロン、4−アジドベンザルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、ナフタレンスルフォニルクロライド、キノリンスルホニルクロライド、N−フェニルチオアクリドン、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホスフィン、四臭素化炭素、トリブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾイルおよびエオシン、メチレンブルーなどの光還元性の色素とアスコルビン酸、トリエタノールアミンなどの還元剤の組み合わせなどが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
これらのうち、硬化膜の硬度をより高くするためには、α−アミノアルキルフェノン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物、オキシムエステル化合物、アミノ基を有するベンゾフェノン化合物またはアミノ基を有する安息香酸エステル化合物が好ましい。これらの化合物は、ラジカル重合性基の架橋反応のみならず、光照射および熱硬化の際に塩基または酸としてシロキサンの架橋にも関与し、硬化膜硬度がより向上する。
α−アミノアルキルフェノン化合物の具体例としては、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1などが挙げられる。アシルホスフィンオキサイド化合物の具体例としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(2,4,4−トリメチルペンチル)−フォスフィンオキサイドなどが挙げられる。オキシムエステル化合物の具体例としては、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、1−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニルプロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)などが挙げられる。アミノ基を有するベンゾフェノン化合物の具体例としては、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどが挙げられる。アミノ基を有する安息香酸エステル化合物の具体例としては、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、2−エチルヘキシル−p−ジメチルアミノベンゾエート、p−ジエチルアミノ安息香酸エチルなどが挙げられる。
(B)光ラジカル重合開始剤の含有量は、シロキサン樹脂組成物の固形分中0.01重量%以上が好ましく、0.1重量%以上がより好ましい。また、20重量%以下が好ましく、10重量%以下がより好ましい。上記範囲とすることで、ラジカル硬化を十分に進めることができ、かつ残留したラジカル重合開始剤の溶出等を防ぎ耐溶剤性を確保することができる。
本発明のシロキサン樹脂組成物は、(C)トリペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートおよびペンタペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種のラジカル重合性モノマーを含有する。ここで、(メタ)アクリレートとは、アクリレートまたはメタクリレートの総称を示す。また、「ポリ(メタ)アクリレート」とは、アクリレート基またはメタクリレート基を合計で7個以上有するものを指し、好ましくは14個以下である。
前記(C)ラジカル重合性モノマーおよび(A)フェニル基を有するポリシロキサンが、(B)光ラジカル重合開始剤の作用により重合することで、硬度、耐擦傷性の高い硬化膜が得られる。前記(C)ラジカル重合性モノマーは、従来の多官能の(メタ)アクリレートよりも官能基数および分子量が大きいため、一部架橋が進行した化合物と言える。そのため、硬化膜の架橋密度を向上させることができ、得られる硬化膜の硬度、耐擦傷性が向上すると考えられる。また、すでに架橋が進行していることから光照射時の架橋による体積収縮を抑えられ、耐クラック性が向上すると考えられる。さらに、(A)フェニル基を有するポリシロキサンは、熱硬化時の体積収縮が小さく、耐クラック性が向上すると考えられる。よって、(A)、(B)、(C)を組み合わせることにより硬度が高く、耐擦傷性、耐クラック性の良好な硬化膜を得ることができる。
前記(C)ラジカル重合性モノマーの含有量は、シロキサン樹脂組成物の固形分中5重量%〜85重量%が好ましく、20重量%〜70重量%がより好ましい。
前記(C)ラジカル重合性モノマーの具体例としては、トリペンタエリスリトールヘプタアクリレート、トリペンタエリスリトールオクタアクリレート、テトラペンタエリスリトールノナアクリレート、テトラペンタエリスリトールデカアクリレート、ペンタペンタエリスリトールウンデカアクリレート、ペンタペンタエリスリトールドデカアクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタメタクリレート、トリペンタエリスリトールオクタメタクリレート、テトラペンタエリスリトールノナメタクリレート、テトラペンタエリスリトールデカメタクリレート、ペンタペンタエリスリトールウンデカメタクリレート、ペンタペンタエリスリトールドデカメタクリレートなどが挙げられる。
本発明のシロキサン樹脂組成物は、さらにその他のラジカル重合性モノマーを含有してもよい。その他のラジカル重合性モノマーを含有することにより、特にパターン加工を必要とする用途において、現像時の剥がれ、解像度、現像膜減りなど、目的に応じて加工性を向上させることができる。
その他のラジカル重合性モノマーの具体例として、アクリルモノマー類を挙げることができる。ラジカル重合性モノマーは単官能でも多官能でもよく、これらを2種以上含有してもよい。
単官能のラジカル重合性モノマーの具体例として、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、p−ヒドロキシスチレン、フェネチルアクリレート、N−メチロールアクリルアミド、9−デカン酸、2−(メタクリロイロキシ)エチルイソシアネート、2−(α−クロロアクリロイロキシ)エチルイソシアネート、イソボルニルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸などを挙げることができる。
多官能ラジカル重合性モノマーの具体例として、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレートグリセリントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシ化イソシアヌール酸トリアクリレートなどの化合物を挙げることができる。
本発明のシロキサン樹脂組成物は、さらに(D)ラジカル重合性基を有するオルガノシラン化合物を含有することが好ましい。ここで言うオルガノシラン化合物は、加水分解縮合物を含まない。(D)ラジカル重合性基を有するオルガノシラン化合物を含有することで架橋点が増加し、硬化膜の硬度がより向上する。また、ラジカル重合性基とシラン原子の間に炭素数3以上の有機基を有する場合、(メタ)アクリル部位とシロキサン部位の間に入りスペーサー的役割を担うため、耐クラック性がより向上する。
(D)ラジカル重合性基を有するオルガノシラン化合物の含有量に特に制限はないが、シロキサン樹脂組成物の固形分中0.1重量%以上が好ましく、硬化膜の硬度をより向上させることができる。より好ましくは1重量%以上である。一方、硬化膜の耐クラック性の観点からは30重量%以下が好ましく、15重量%以下がより好ましい。
(D)ラジカル重合性基を有するオルガノシラン化合物の具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、スチリルトリメトキシシラン、スチリルトリエトキシシラン、スチリルトリアセトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルメチルジエトキシシランなどが挙げられる。これらを2種以上組み合わせて使用してもよい。これらのうち、硬化膜の硬度の点からはビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランが、耐クラック性の点からはγ−アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルトリエトキシシランが特に好ましく用いられる。
本発明のシロキサン樹脂組成物は、さらに(E)金属化合物粒子を含有してもよい。(E)金属化合物粒子を含有することによって屈折率を所望の範囲に調整することができる。また、硬化膜の硬度、耐擦傷性、耐クラック性をより向上させることができる。(E)金属化合物粒子の数平均粒子径は1nm〜200nmが好ましい。透過率の高い硬化膜を得るためには、数平均粒子径1nm〜70nmであることがより好ましい。ここで、金属化合物粒子の数平均粒子径は、ガス吸着法や動的光散乱法、X線小角散乱法、透過型電子顕微鏡や走査型電子顕微鏡により測定することができる。
(E)金属化合物粒子の例としては、シリコン化合物粒子、アルミニウム化合物粒子、スズ化合物粒子、チタン化合物粒子、ジルコニウム化合物粒子、バリウム化合物粒子などが挙げられ、用途により適当なものを選ぶことができる。例えば、高屈折率の硬化膜を得るには酸化チタン粒子などのチタン化合物粒子や、酸化ジルコニウム粒子などのジルコニウム化合物粒子が好ましく用いられる。また、低屈折率の硬化膜を得るには、中空シリカ粒子などを含有することが好ましい。
市販されている金属化合物粒子の例としては、酸化ケイ素−酸化チタン複合粒子の“オプトレイク(登録商標)”TR−502、“オプトレイク”TR−503、“オプトレイク”TR−504、“オプトレイク”TR−513、“オプトレイク”TR−520、“オプトレイク”TR−527、“オプトレイク”TR−528、“オプトレイク”TR−529、酸化チタン粒子の“オプトレイク”TR−505((以上、商品名、触媒化成工業(株)製)、酸化ジルコニウム粒子((株)高純度化学研究所製)、酸化スズ−酸化ジルコニウム複合粒子(触媒化成工業(株)製)、酸化スズ粒子((株)高純度化学研究所製)などが挙げられる。
また、シリカ粒子として、数平均粒子径12nmのIPA−ST、MIBK−ST、数平均粒子径45nmのIPA−ST−L、数平均粒子径100nmのIPA−ST−ZL、数平均粒子径15nmのPGM−ST(以上商品名、日産化学工業(株)製)、数平均粒子径12nmの“オスカル(登録商標)”101、数平均粒子径60nmの“オスカル”105、数平均粒子径120nmの“オスカル”106、数平均粒子径5〜80nmの“カタロイド(登録商標)”−S(以上商品名、触媒化成工業(株)製)、数平均粒子径16nmの“クォートロン(登録商標)”PL−2L−PGME、数平均粒子径17nmの“クォートロン”PL−2L−BL、“クォートロン”PL−2L−DAA、数平均粒子径18〜20nmの“クォートロン”PL−2L、GP−2L(以上商品名、扶桑化学工業(株)製)、数平均粒子径100nmのシリカ(SiO)SG−SO100(商品名、共立マテリアル(株)製)、数平均粒子径5〜50nmの“レオロシール(登録商標)”(商品名、(株)トクヤマ製)などが挙げられる。また、中空シリカ粒子としては“オプトレイク”TR−113が挙げられる。
金属化合物粒子の含有量に特に制限はなく、用途によって適当な量とすることができるが、シロキサン樹脂組成物の固形分中1〜70重量%程度とするのが一般的である。
本発明のシロキサン樹脂組成物は、重合禁止剤を含有してもよい。重合禁止剤を含有することで、組成物の保存安定性が向上し、パターン加工を必要とする用途では現像後の解像度が向上する。重合禁止剤の含有量は、シロキサン樹脂組成物の固形分中0.01重量%以上が好ましく、0.1重量%以上がより好ましい。一方、硬化膜の硬度を高く保つ観点からは5重量%以下が好ましく、1重量%以下がより好ましい。
重合禁止剤の具体例としては、フェノール、カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン、4−t−ブチルカテコール、2,6−ジ(t−ブチル)−p−クレゾール、フェノチアジン、4−メトキシフェノールなどが挙げられる。
本発明のシロキサン樹脂組成物は、紫外線吸収剤を含有してもよい。紫外線吸収剤を含有することで、得られる硬化膜の耐光性が向上し、パターン加工を必要とする用途では現像後の解像度が向上する。紫外線吸収剤としては特に限定はなく公知のものが使用できるが、透明性、非着色性の面から、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、トリアジン系化合物が好ましく用いられる。
ベンゾトリアゾール系化合物の紫外線吸収剤としては、2−(2Hベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−tert−ペンチルフェノール、2−(2Hベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール、2−(2‘ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールが挙げられる。
ベンゾフェノン系化合物の紫外線吸収剤としては2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、が挙げられる。
トリアジン系化合物の紫外線吸収剤としては2−(4,6−ジフェニル−1,3,5トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノールが挙げられる。
本発明のシロキサン樹脂組成物は、溶媒を含有してもよい。各成分を均一に溶解し、得られる塗布膜の透明性を向上させることができる点で、アルコール性水酸基を有する化合物またはカルボニル基を有する環状化合物が好ましく用いられる。これらを2種以上組み合わせてもよい。また、大気圧下の沸点が110〜250℃である化合物がより好ましい。沸点を110℃以上とすることで、塗膜時に適度に乾燥が進み、塗布ムラのない良好な塗膜が得られる。一方、沸点を250℃以下とした場合、膜中の残存溶剤量を少なく抑えることができ、熱硬化時の膜収縮をより低減できるため、より良好な平坦性が得られる。
アルコール性水酸基を有し、大気圧下の沸点が110〜250℃である化合物の具体例としては、アセトール、3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン、4−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン、5−ヒドロキシ−2−ペンタノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン(ジアセトンアルコール)、乳酸エチル、乳酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノt−ブチルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール等が挙げられる。これらの中でも、保存安定性の観点からはジアセトンアルコールが好ましく、段差被覆性の点からはプロピレングリコールモノt−ブチルエーテルが特に好ましく用いられる。
カルボニル基を有し、大気圧下の沸点が110〜250℃である環状化合物の具体例としては、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、炭酸プロピレン、N−メチルピロリドン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノンが挙げられる。これらの中でも、γ−ブチロラクトンが特に好ましく用いられる。
また、本発明のシロキサン樹脂組成物は、上記以外の溶媒を含有してもよい。例えば、(A)フェニル基を有するポリシロキサンの加水分解および縮合反応に用いられる溶媒として例示したアセテート類、ケトン類、エーテル類などの各種溶媒が挙げられる。
溶媒の含有量に特に制限はなく、塗布方法などに応じて任意の量用いることができる。例えば、スピンコーティングにより膜形成を行う場合には、溶媒量をシロキサン樹脂組成物全体の50〜95重量%とするのが一般的である。
本発明のシロキサン樹脂組成物は、樹脂組成物の硬化を促進させる、あるいは硬化を容易ならしめる各種の硬化剤を含有してもよい。硬化剤としては特に限定はなく公知のものが使用できるが、具体例としては、窒素含有有機物、シリコーン樹脂硬化剤、各種金属アルコレート、各種金属キレート化合物、イソシアネート化合物およびその重合体、メチロール化メラミン誘導体、メチロール化尿素誘導体などがあり、これらを一種類、ないし2種類以上含有してもよい。なかでも、硬化剤の安定性、得られた塗布膜の加工性などから金属キレート化合物、メチロール化メラミン誘導体、メチロール化尿素誘導体が好ましく用いられる。
ポリシロキサンは酸により硬化が促進されるので、本発明のシロキサン樹脂組成物中に熱酸発生剤等の硬化触媒を含有してもよい。熱酸発生剤としては特に限定はなく公知のものが使用できるが、芳香族ジアゾニウム塩、スルフォニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルフォニウム塩、トリアリールセレニウム塩等の各種オニウム塩系化合物、スルホン酸エステル、ハロゲン化合物等が挙げられる。
本発明のシロキサン樹脂組成物は、塗布時のフロー性向上のために、各種のフッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤の種類に特に制限はなく、例えば、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ポリアルキレンオキシド系界面活性剤、ポリ(メタ)アクリレート系界面活性剤などを用いることができる。これらを2種以上用いてもよい。
フッ素系界面活性剤の市販品の中でも特に“メガファック(登録商標)”F142D、同F172、同F173、同F183、同F445、同F470、同F475、同F477(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、NBX−15、FTX−218((株)ネオス製)が好ましく用いられる。
シリコーン系界面活性剤の市販品の中でも特に、BYK−333、BYK−301、BYK−331、BYK−345、BYK−307(ビックケミー・ジャパン(株)製)が好ましく用いられる。
本発明のシロキサン樹脂組成物には、必要に応じて、溶解抑止剤、安定剤、消泡剤などの添加剤を含有することもできる。
本発明のシロキサン樹脂組成物の固形分濃度に特に制限はなく、塗布方法などに応じて任意の量の溶媒や溶質を用いることができる。例えば、後述のようにスピンコーティングにより膜形成を行う場合には、固形分濃度を5〜50重量%とすることが一般的である。
本発明のシロキサン樹脂組成物を用いた硬化膜の形成方法について例を挙げて説明する。
本発明のシロキサン樹脂組成物を、マイクログラビアコーティング、スピンコーティング、ディップコーティング、カーテンフローコーティング、ロールコーティング、スプレーコーティング、スリットコーティングなどの公知の方法によって下地基板上に塗布し、ホットプレート、オーブンなどの加熱装置でプリベークする。プリベークは、50〜150℃の範囲で30秒〜30分間行い、プリベーク後の膜厚は、0.1〜15μmとすることが好ましい。プリベーク後、ステッパー、ミラープロジェクションマスクアライナー(MPA)、パラレルライトマスクアライナー(PLA)などの露光機を用いて、10〜4000J/m程度(波長365nm露光量換算)の光を所望のマスクを介してあるいは介さずに照射する。露光光源に制限はなく、i線、g線、h線等の紫外線や、KrF(波長248nm)レーザー、ArF(波長193nm)レーザー等を用いることができる。その後、この膜をホットプレート、オーブンなどの加熱装置で150〜450℃の範囲で1時間程度加熱する。
マスクを介し、パターン加工を必要とする用途では、本発明のシロキサン樹脂組成物は、PLAによる露光での感度が100〜4000J/mであることが好ましい。感度が4000J/mより低いと、パターン形成時の放射線露光時間が長くなるために生産性が低下したり、放射線露光量が多くなるために下地基板からの反射量が多くなりパターン形状が悪化する。このプロセスに於いて、露光後に必要に応じて露光後ベークを行ってもよい。
前記のPLAによるパターニング露光での感度は、例えば以下の方法により求められる。組成物をシリコンウエハにスピンコーターを用いて任意の回転数でスピンコートし、ホットプレートを用いて120℃で2分間プリベークし、膜厚2μmの膜を作製する。作製した膜をPLA(キヤノン(株)製PLA−501F)を用いて、超高圧水銀灯を感度測定用のグレースケールマスクを介して露光した後、自動現像装置(滝沢産業(株)製AD−2000)を用いて2.38重量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液で任意の時間パドル現像し、次いで水で30秒間リンスする。形成されたパターンにおいて、30μmのラインアンドスペースパターンを1対1の幅で解像する露光量を感度として求める。
パターニング露光後、現像により露光部が溶解し、ネガ型のパターンを得ることができる。現像方法としては、シャワー、ディッピング、パドルなどの方法で現像液に5秒〜10分間浸漬することが好ましい。現像液としては、公知のアルカリ現像液を用いることができる。具体的例としてはアルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩などの無機アルカリ、2−ジエチルアミノエタノール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、コリン等の4級アンモニウム塩を1種あるいは2種以上含む水溶液等が挙げられる。現像後、水でリンスすることが好ましく、つづいて50〜150℃の範囲で乾燥ベークを行うこともできる。
その後、この膜をホットプレート、オーブンなどの加熱装置で120〜280℃の範囲で1時間程度熱硬化することにより、硬化膜を得る。解像度は、好ましくは20μm以下である。硬化膜の膜厚に特に制限はないが、0.1〜15μmとすることが好ましい。
本発明の硬化膜は、膜厚1.5μmの際に硬度が4H以上、透過率が90%以上であることが好ましい。なお、透過率は波長400nmにおける透過率を指す。硬度や透過率は、露光量、熱硬化温度の選択によって調整することができる。
本発明のシロキサン樹脂組成物を硬化して得られる硬化膜は、タッチパネル保護膜、各種ハードコート材、反射防止フィルム、光学フィルターとして用いられる。また、ネガ型感光性を有することから、液晶や有機ELディスプレイのTFT用平坦化膜、絶縁膜、反射防止膜、カラーフィルター用オーバーコート、柱材などに好適に用いられる。これらの中でも、高い硬度と擦傷性を有することから、タッチパネル保護膜として好適に用いることができる。タッチパネルの方式としては、抵抗膜式、光学式、電磁誘導式、静電容量式などが挙げられる。静電容量式タッチパネルは特に高い硬度が求められることから、本発明の硬化膜を好適に用いることができる。
以下に本発明をその実施例を用いて説明するが、本発明の様態はこれらの実施例に限定されるものではない。
合成例1 ポリシロキサン溶液(i)の合成
500mLの三口フラスコにメチルトリメトキシシランを108.96g(0.80mol)、フェニルトリメトキシシランを39.66g(0.20mol)、ジアセトンアルコール(DAA)を127.88g仕込み、40℃のオイルバスに漬けて攪拌しながら水54.0gにリン酸0.297g(仕込みモノマーに対して0.2重量%)を溶かしたリン酸水溶液を滴下ロートで10分かけて添加した。40℃で1時間攪拌した後、オイルバス温度を70℃に設定して1時間攪拌し、さらにオイルバスを30分かけて115℃まで昇温した。昇温開始1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから2時間加熱攪拌した(内温は100〜110℃)。反応中に副生成物であるメタノール、水が合計110g留出した。得られたポリシロキサンのDAA溶液に、ポリマー濃度が40重量%となるようにDAAを加えてポリシロキサン溶液(i)を得た。Si原子に対するフェニル基含有率をポリシロキサンの29Si−核磁気共鳴スペクトル(NMR)により測定したところ20モル%であった。なお、得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)をGPCにより測定したところ8000(ポリスチレン換算)であった。
合成例2 ポリシロキサン溶液(ii)の合成
500mLの三口フラスコにメチルトリメトキシシランを81.72g(0.60mol)、フェニルトリメトキシシランを79.32g(0.40mol)、DAAを138.57g仕込み、40℃のオイルバスに漬けて攪拌しながら水54.0gにリン酸0.322g(仕込みモノマーに対して0.2重量%)を溶かしたリン酸水溶液を滴下ロートで10分かけて添加した。次いで合成例1と同条件で加熱攪拌したところ、反応中に副生成物であるメタノール、水が合計110g留出した。得られたポリシロキサンのDAA溶液に、ポリマー濃度が40重量%となるようにDAAを加えてポリシロキサン溶液(ii)を得た。Si原子に対するフェニル基含有率をポリシロキサンの29Si−NMRにより測定したところ40モル%であった。なお、得られたポリマーの重量平均分子量をGPCにより測定したところ6000(ポリスチレン換算)であった。
合成例3 ポリシロキサン溶液(iii)の合成
500mLの三口フラスコにメチルトリメトキシシランを54.48g(0.40mol)、フェニルトリメトキシシランを118.98g(0.60mol)、DAAを149.26g仕込み、40℃のオイルバスに漬けて攪拌しながら水54.0gにリン酸0.347g(仕込みモノマーに対して0.2重量%)を溶かしたリン酸水溶液を滴下ロートで10分かけて添加した。次いで合成例1と同条件で加熱攪拌したところ、反応中に副生成物であるメタノール、水が合計110g留出した。得られたポリシロキサンのDAA溶液に、ポリマー濃度が40重量%となるようにDAAを加えてポリシロキサン溶液(iii)を得た。Si原子に対するフェニル基含有率をポリシロキサンの29Si−NMRにより測定したところ60モル%であった。なお、得られたポリマーの重量平均分子量をGPCにより測定したところ5500(ポリスチレン換算)であった。
合成例4 ポリシロキサン溶液(iv)の合成
500mLの三口フラスコにメチルトリメトキシシランを54.48g(0.40mol)、フェニルトリメトキシシランを79.32g(0.40mol)、ビニルトリメトキシシランを29.61g(0.20mol)、DAAを140.61g仕込み、40℃のオイルバスに漬けて攪拌しながら水54.0gにリン酸0.327g(仕込みモノマーに対して0.2重量%)を溶かしたリン酸水溶液を滴下ロートで10分かけて添加した。次いで合成例1と同条件で加熱攪拌したところ、反応中に副生成物であるメタノール、水が合計110g留出した。得られたポリシロキサンのDAA溶液に、ポリマー濃度が40重量%となるようにDAAを加えてポリシロキサン溶液(iv)を得た。Si原子に対するフェニル基含有率をポリシロキサンの29Si−NMRにより測定したところ40モル%であった。なお、得られたポリマーの重量平均分子量をGPCにより測定したところ7500(ポリスチレン換算)であった。
合成例5 ポリシロキサン溶液(v)の合成
500mLの三口フラスコにメチルトリメトキシシランを54.48g(0.40mol)、フェニルトリメトキシシランを79.32g(0.40mol)、γ−アクリロイルプロピルトリメトキシシランを46.88g(0.20mol)、DAAを155.47g仕込み、40℃のオイルバスに漬けて攪拌しながら水54.0gにリン酸0.3617g(仕込みモノマーに対して0.2重量%)を溶かしたリン酸水溶液を滴下ロートで10分かけて添加した。次いで合成例1と同条件で加熱攪拌したところ、反応中に副生成物であるメタノール、水が合計110g留出した。得られたポリシロキサンのDAA溶液に、ポリマー濃度が40重量%となるようにDAAを加えてポリシロキサン溶液(v)を得た。Si原子に対するフェニル基含有率をポリシロキサンの29Si−NMRにより測定したところ40モル%であった。なお、得られたポリマーの重量平均分子量をGPCにより測定したところ7500(ポリスチレン換算)であった。
合成例6 ポリシロキサン溶液(vi)の合成
500mLの三口フラスコにメチルトリメトキシシランを54.48g(0.40mol)、フェニルトリメトキシシランを79.32g(0.40mol)、Mシリケート51(多摩化学工業株式会社製)を23.50g(Si原子換算で0.20mol)、DAAを135.50g仕込み、40℃のオイルバスに漬けて攪拌しながら水52.2gにリン酸0.315g(仕込みモノマーに対して0.2重量%)を溶かしたリン酸水溶液を滴下ロートで10分かけて添加した。次いで合成例1と同条件で加熱攪拌したところ、反応中に副生成物であるメタノール、水が合計100g留出した。得られたポリシロキサンのDAA溶液に、ポリマー濃度が40重量%となるようにDAAを加えてポリシロキサン溶液(vi)を得た。Si原子に対するフェニル基含有率をポリシロキサンの29Si−NMRにより測定したところ40モル%であった。なお、得られたポリマーの重量平均分子量をGPCにより測定したところ8000(ポリスチレン換算)であった。
合成例7 ポリシロキサン溶液(vii)の合成
500mLの三口フラスコにメチルトリメトキシシランを54.48g(0.40mol)、フェニルトリメトキシシランを79.32g(0.40mol)、シリカ粒子PL−2L−DAA(固形分濃度21.9重量%、扶桑化学工業(株)製)を54.87g(Si原子換算で0.20mol)、DAAを92.42g仕込み、40℃のオイルバスに漬けて攪拌しながら水43.20gにリン酸0.292g(仕込みモノマーに対して0.2重量%)を溶かしたリン酸水溶液を滴下ロートで10分かけて添加した。次いで合成例1と同条件で加熱攪拌したところ、反応中に副生成物であるメタノール、水が合計95g留出した。得られたポリシロキサンのDAA溶液に、ポリマー濃度が40重量%となるようにDAAを加えてポリシロキサン溶液(vii)を得た。Si原子に対するフェニル基含有率をポリシロキサンの29Si−NMRにより測定したところ40モル%であった。なお、得られたポリマーの重量平均分子量をGPCにより測定したところ6000(ポリスチレン換算)であった。
合成例8 ポリシロキサン溶液(viii)の合成
500mLの三口フラスコにメチルトリメトキシシランを27.24g(0.20mol)、フェニルトリメトキシシランを79.32g(0.40mol)、ビニルトリメトキシシラン29.61g(0.2mol)、シリカ粒子PL−2L−DAA(固形分濃度21.9重量%、扶桑化学工業(株)製)を54.87g(Si原子換算で0.20mol)、DAAを94.06g仕込み、40℃のオイルバスに漬けて攪拌しながら水43.20gにリン酸0.296g(仕込みモノマーに対して0.2重量%)を溶かしたリン酸水溶液を滴下ロートで10分かけて添加した。次いで、合成例1と同条件で加熱攪拌したところ、反応中に副生成物であるメタノール、水が合計95g留出した。得られたポリシロキサンのDAA溶液に、ポリマー濃度が40重量%となるようにDAAを加えてポリシロキサン溶液(viii)を得た。Si原子に対するフェニル基含有率をポリシロキサンの29Si−NMRにより測定したところ40モル%であった。なお、得られたポリマーの重量平均分子量をGPCにより測定したところ6000(ポリスチレン換算)であった。
合成例9 ポリシロキサン溶液(ix)の合成
500mLの三口フラスコにメチルトリメトキシシランを54.48g(0.40mol)、フェニルトリメトキシシランを79.32g(0.40mol)、トリフルオロプロピルトリメトキシシランを43.64g(0.20mol)、DAAを152.68g仕込み、40℃のオイルバスに漬けて攪拌しながら水54.0gにリン酸0.327g(仕込みモノマーに対して0.2重量%)を溶かしたリン酸水溶液を滴下ロートで10分かけて添加した。次いで合成例1と同条件で加熱攪拌したところ、反応中に副生成物であるメタノール、水が合計110g留出した。得られたポリシロキサンのDAA溶液に、ポリマー濃度が40重量%となるようにDAAを加えてポリシロキサン溶液(ix)を得た。Si原子に対するフェニル基含有率をポリシロキサンの29Si−NMRにより測定したところ40モル%であった。なお、得られたポリマーの重量平均分子量をGPCにより測定したところ7500(ポリスチレン換算)であった。
合成例10 ポリシロキサン溶液(x)の合成
500mLの三口フラスコにフェニルトリメトキシシランを198.3g(1.0mol)、DAAを170.63g仕込み、40℃のオイルバスに漬けて攪拌しながら水54.00gにリン酸0.394g(仕込みモノマーに対して0.2重量%)を溶かしたリン酸水溶液を滴下ロートで10分かけて添加した。次いで合成例1と同条件で加熱攪拌したところ、反応中に副生成物であるメタノール、水が合計120g留出した。得られたポリシロキサンのDAA溶液に、ポリマー濃度が40重量%となるようにDAAを加えてポリシロキサン溶液(x)を得た。なお、得られたポリマーの重量平均分子量をGPCにより測定したところ6000(ポリスチレン換算)であった。
合成例11 ポリシロキサン溶液(xi)の合成
500mLの三口フラスコにメチルトリメトキシシランを40.86g(0.30mol)、フェニルトリメトキシシランを79.32g(0.40mol)、Mシリケート51(多摩化学工業株式会社製)を35.25g(Si原子換算で0.30mol)、DAAを168.32g仕込み、40℃のオイルバスに漬けて攪拌しながら水51.3gにリン酸0.311g(仕込みモノマーに対して0.2重量%)を溶かしたリン酸水溶液を滴下ロートで10分かけて添加した。次いで合成例1と同条件で加熱攪拌したところ、反応中に副生成物であるメタノール、水が合計110g留出した。得られたポリシロキサンのDAA溶液に、ポリマー濃度が40重量%となるようにDAAを加えてポリシロキサン溶液(xi)を得た。なお、得られたポリマーの重量平均分子量をGPCにより測定したところ7000(ポリスチレン換算)であった。
合成例12 ポリシロキサン溶液(xii)の合成
500mLの三口フラスコにメチルトリメトキシシランを108.96g(0.80mol)、γ−アクリロイルプロピルトリメトキシシランを46.88g(0.20mol)、DAAを134.10g仕込み、40℃のオイルバスに漬けて攪拌しながら水54.00gにリン酸0.312g(仕込みモノマーに対して0.2重量%)を溶かしたリン酸水溶液を滴下ロートで10分かけて添加した。次いで合成例1と同条件で加熱攪拌したところ、反応中に副生成物であるメタノール、水が合計120g留出した。得られたポリシロキサンのDAA溶液に、ポリマー濃度が40重量%となるようにDAAを加えてポリシロキサン溶液(xii)を得た。なお、得られたポリマーの重量平均分子量をGPCにより測定したところ9000(ポリスチレン換算)であった。
合成例13 アクリル樹脂溶液(a)の合成
500mlのフラスコに2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)を3g、PGMEA(プロピレングリコールメチルエーテルアセテート)を50g仕込んだ。その後、メタクリル酸を30g、ベンジルメタクリレートを35g、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレートを35g仕込み、室温でしばらく攪拌し、フラスコ内を窒素置換した後、70℃で5時間加熱攪拌した。次に、得られた溶液にメタクリル酸グリシジルを15g、ジメチルベンジルアミンを1g、p−メトキシフェノールを0.2g、PGMEAを100g添加し、90℃で4時間加熱攪拌し、アクリル樹脂溶液(a)を得た。得られたアクリル樹脂溶液(a)に固形分濃度が40重量%になるようにPGMEAを加えた。アクリル樹脂の重量平均分子量は10000、酸価は118mgKOH/gであった。
Figure 0005407210
各実施例・比較例における評価方法を以下に示す。
(1)透過率の測定
5cm角のガラス基板上に作製した膜厚1.5μmの硬化膜について、紫外−可視分光光度計UV−260(島津製作所(株)製)を用いて、400nmの透過率を測定した。なお、膜厚は大日本スクリーン製造(株)製ラムダエースSTM−602を用いて屈折率1.50で測定した。以下に記載する膜厚も同様である。
(2)耐クラック性の評価
5cm角のガラス基板上に作製した膜厚1.5μmの硬化膜を、さらに空気中250℃で3時間加熱した後、光学顕微鏡で表面を観察し、クラックの有無を観察した。評価を以下の5段階で判定し、4以上を合格とした。
5:膜に全くクラックが発生していない。
4:基板四隅のうち1カ所にクラックが発生している。
3:基板四隅中のうち2カ所以上4カ所以下の範囲でクラックが発生している。
2:基板周辺部にクラックが発生している。
1:基板全面にクラックが発生している。
(3)硬度の測定
5cm角のガラス基板上に作製した膜厚1.5μmの硬化膜について、「JIS K5600−5−4(1999)」に準拠して鉛筆硬度を測定した。ただし、負荷加重を500gとした。
(4)耐擦傷性の評価
5cm×7cmのガラス基板上に作製した膜厚1.5μmの硬化膜について、#0000のスチールウールを硬化膜上で200gの荷重をかけ長辺方向に10往復させたときの傷の入り具合を観察した。評価を以下の5段階で判定し、4以上を合格とした。
5:膜に全く傷が入っていない。
4:膜に1〜10本の傷が入っている。
3:膜に11〜30本の傷が入っている。
2:膜に31〜50本の傷が入っている。
1:膜に51本以上の傷が入っている。
(5)感度
露光、現像後、30μmのラインアンドスペースパターンを1対1の幅に形成する露光量(以下、これを最適露光量という)を感度とした。露光量はI線照度計で測定した。
(6)解像度
最適露光量における現像後の最小パターン寸法を測定した。
(7)パターン加工性
シリコンウエハ上にパターン加工した後、未露光部に溶け残りが発生しているかどうかを観察した。溶け残りの無いものを「○」、溶け残りのあるものを「×」とした。
実施例1
黄色灯下にて2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(商品名「イルガキュア907」チバスペシャリティケミカル製)0.5166g、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン0.0272gをDAA2.9216g、PGMEA2.4680gに溶解させ、トリペンタエリスリトールポリアクリレートおよびテトラペンタエリスリトールポリアクリレートおよびペンタペンタエリスリトールポリアクリレートの混合物(商品名「T−PE−A」、広栄化学工業製)のPGMEA50重量%溶液5.4379g、4−t−ブチルカテコールのPGMEA1重量%溶液1.4958g、ポリシロキサン溶液(i)6.7974g、シリコーン系界面活性剤であるBYK−333(ビックケミージャパン(株)製)のPGMEA1重量%溶液を0.2000g(濃度100ppmに相当)加え、撹拌した。次いで0.45μmのフィルターでろ過を行い、シロキサン樹脂組成物Aを得た。
作製したシロキサン樹脂組成物Aをテンパックスガラス板(旭テクノガラス板(株)製)にスピンコーター(ミカサ(株)製1H−360S)を用いて任意の回転数(ここでは500rpmで10秒回転した後、1000rpmで4秒回転した)でスピンコートした後、ホットプレート(大日本スクリーン製造(株)製SCW−636)を用いて110℃で2分間プリベークし、膜厚2μmの膜を作製した。作製した膜をパラレルライトマスクアライナー(以下PLAという)(キヤノン(株)製PLA−501F)を用いて超高圧水銀灯を光源として露光し、オーブン(エスペック(株)製IHPS−222)を用いて空気中220℃で1時間キュアして硬化膜を作製した。得られた硬化膜について、前記方法で透過率、耐クラック性、硬度、耐擦傷性を評価した。
また、同様にしてシリコンウエハ上に膜厚2μmのプリベーク膜を作製した。得られたプリベーク膜に、PLAを用いて超高圧水銀灯を光源として、感度測定用のグレースケールマスクを介して100μmのギャップで露光した。その後、自動現像装置(AD−2000、滝沢産業(株)製)を用いて、2.38重量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液ELM−D(三菱ガス化学(株)製)で90秒間シャワー現像し、次いで水で30秒間リンスした。現像後、パターン加工性、感度および解像度を評価した。
実施例2
ポリシロキサン溶液(i)の代わりにポリシロキサン溶液(ii)を用いる以外は実施例1と同様に行い、シロキサン樹脂組成物Bを得た。得られたシロキサン樹脂組成物Bを用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例3
ポリシロキサン溶液(i)の代わりにポリシロキサン溶液(iii)を用いる以外は実施例1と同様に行い、シロキサン樹脂組成物Cを得た。得られたシロキサン樹脂組成物Cを用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例4
「T−PE−A」の代わりにトリペンタエリスリトールオクタアクリレートを用いる以外は実施例2と同様に行い、シロキサン樹脂組成物Dを得た。得られた組成物を実施例1と同様にして評価を行った。
実施例5
「T−PE−A」の代わりにテトラペンタエリスリトールデカアクリレートを用いる以外は実施例2と同様に行い、シロキサン樹脂組成物Eを得た。得られたシロキサン樹脂組成物Eを用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例6
ポリシロキサン溶液(i)の代わりにポリシロキサン溶液(iv)を用いる以外は実施例1と同様に行い、シロキサン樹脂組成物Fを得た。得られたシロキサン樹脂組成物Fを用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例7
ポリシロキサン溶液(i)の代わりにポリシロキサン溶液(v)を用いる以外は実施例1と同様に行い、シロキサン樹脂組成物Gを得た。得られたシロキサン樹脂組成物Gを用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例8
ポリシロキサン溶液(i)の代わりにポリシロキサン溶液(vi)を用いる以外は実施例1と同様に行い、シロキサン樹脂組成物Hを得た。得られたシロキサン樹脂組成物Hを、用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例9
ポリシロキサン溶液(i)の代わりにポリシロキサン溶液(vii)を用いる以外は実施例1と同様に行い、シロキサン樹脂組成物Iを得た。得られたシロキサン樹脂組成物Iを用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例10
ポリシロキサン溶液(i)の代わりにポリシロキサン溶液(viii)を用いる以外は実施例1と同様に行い、シロキサン樹脂組成物Jを得た。得られたシロキサン樹脂組成物Jを用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例11
ポリシロキサン溶液(i)の代わりにポリシロキサン溶液(ix)を用いる以外は実施例1と同様に行い、シロキサン樹脂組成物Kを得た。得られたシロキサン樹脂組成物Kを用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例12
黄色灯下にて「イルガキュア907」0.4737g、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン0.0249gをDAA3.2606g、PGMEA2.8283gに溶解させ、「T−PE−A」のPGMEA50重量%溶液4.9859g、4−t−ブチルカテコールのPGMEA1重量%溶液1.3810g、ビニルトリエトキシシラン0.4986g、ポリシロキサン溶液(ii)6.2323g、シリコーン系界面活性剤であるBYK−333(ビックケミージャパン(株)製)のPGMEA1重量%溶液を0.2000g(濃度100ppmに相当)加え、撹拌した。次いで0.45μmのフィルターでろ過を行い、シロキサン樹脂組成物Lを得た。得られたシロキサン樹脂組成物Lを用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例13
黄色灯下にて「イルガキュア907」0.4373g、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン0.0230gをDAA0.2644g、PGMEA3.1332gに溶解させ、「T−PE−A」のPGMEA50重量%溶液4.6032g、4−t−ブチルカテコールのPGMEA1重量%溶液1.3810g、シリカ粒子PL−2L−DAA(固形分濃度21.9重量%、扶桑化学工業(株)製)を4.2039g、ポリシロキサン溶液(ii)5.7540g、シリコーン系界面活性剤であるBYK−333(ビックケミージャパン(株)製)のPGMEA1重量%溶液を0.2000g(濃度100ppmに相当)加え、撹拌した。次いで0.45μmのフィルターでろ過を行い、シロキサン樹脂組成物Mを得た。得られたシロキサン樹脂組成物Mを用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例14
ポリシロキサン溶液(i)の代わりにポリシロキサン溶液(x)を用いる以外は実施例1と同様に行い、シロキサン樹脂組成物Nを得た。得られたシロキサン樹脂組成物Nを用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例15
ポリシロキサン溶液(ii)の代わりにポリシロキサン溶液(iv)を用い、ビニルトリエトキシシランの代わりにγ−メタクリロイルプロピルトリメトキシシランを用いる以外は実施例12と同様に行い、シロキサン樹脂組成物Oを得た。得られたシロキサン樹脂組成物Oを用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例16
ポリシロキサン溶液(ii)の代わりにポリシロキサン溶液(iv)を用いる以外は実施例13と同様に行い、シロキサン樹脂組成物Pを得た。得られたシロキサン樹脂組成物Pを用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例17
ポリシロキサン溶液(i)の代わりにポリシロキサン溶液(xi)を用いる以外は実施例1と同様に行い、シロキサン樹脂組成物Qを得た。得られたシロキサン樹脂組成物Qを用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
比較例1
ポリシロキサン溶液(i)の代わりにポリシロキサン溶液(xii)を用いる以外は実施例1と同様に行い、シロキサン樹脂組成物Rを得た。得られたシロキサン樹脂組成物Rを用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
比較例2
DAA2.5150g、PGMEA2.0259g、「T−PE−A」のPGMEA50重量%溶液5.9801g、4−t−ブチルカテコールのPGMEA1重量%溶液1.7940g、ポリシロキサン溶液(ii)7.4751g、シリコーン系界面活性剤であるBYK−333(ビックケミージャパン(株)製)のPGMEA1重量%溶液を0.2000g(濃度100ppmに相当)加え、撹拌した。次いで0.45μmのフィルターでろ過を行い、シロキサン樹脂組成物Sを得た。得られたシロキサン樹脂組成物Sを用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
比較例3
「T−PE−A」の代わりにジメチロールトリシクロデカンジアクリレートを用いる以外は実施例2と同様に行い、シロキサン樹脂組成物Tを得た。得られたシロキサン樹脂組成物Tを用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
比較例4
「T−PE−A」の代わりにジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名「DPHA」、日本化薬製)を用いる以外は実施例2と同様に行い、シロキサン樹脂組成物Uを得た。得られたシロキサン樹脂組成物Uを用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
比較例5
ポリシロキサン溶液(i)の代わりにアクリル樹脂溶液(a)を用い、DAAの代わりにPGMEAを用いる(トータルでPGMEAが5.3896g)以外は実施例1と同様に行い、アクリル樹脂組成物Xを得た。得られたアクリル樹脂組成物Xを用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例1〜17および比較例1〜5の組成を表2〜3に、評価結果を表4および5に示す。
Figure 0005407210
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本発明のシロキサン樹脂組成物を硬化して得られる硬化膜は、タッチパネルの保護膜などの各種ハードコート膜の他、液晶や有機ELディスプレイのTFT用平坦化膜、絶縁膜、反射防止膜、反射防止フィルム、光学フィルター、カラーフィルター用オーバーコート、柱材などに好適に用いられる。

Claims (9)

  1. (A)Si原子1モルに対して0.1〜0.8モルのフェニル基及びSi原子1モルに対して0.01〜0.6モルのラジカル性重合基を有する、アルカリ溶解性のポリシロキサン、(B)光ラジカル重合開始剤および(C)トリペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートおよびペンタペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種のラジカル重合性モノマーを含有することを特徴とするシロキサン樹脂組成物。
  2. さらに(D)ラジカル重合性基を有するオルガノシラン化合物を含有することを特徴とする請求項1記載のシロキサン樹脂組成物。
  3. 前記ラジカル重合性基が、(メタ)アクリロイル基であることを特徴とする請求項1または2記載のシロキサン樹脂組成物。
  4. 前記(A)ポリシロキサンが、下記一般式(1)で表されるオルガノシラン化合物を含むオルガノシラン化合物を加水分解し、該加水分解物を縮合して得られることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のシロキサン樹脂組成物。
    Figure 0005407210
    (式中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアシル基、炭素数6〜15のアリール基またはそれらの置換体を表す。nは2〜8の整数を表す。複数のRおよびRはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。)
  5. 前記(A)ポリシロキサンが、フェニル基を有するオルガノシラン化合物を含むオルガノシラン化合物を金属化合物粒子存在下で加水分解し、該加水分解物を縮合して得られるポリシロキサンであることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載のシロキサン樹脂組成物。
  6. さらに(E)金属化合物粒子を含有することを特徴とする請求項1〜5いずれか記載のシロキサン樹脂組成物。
  7. 前記(A)ポリシロキサンがフッ素を有することを特徴とする請求項1〜6いずれか記載のシロキサン樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7いずれか記載のシロキサン樹脂組成物を硬化して得られる硬化膜。
  9. 請求項1〜いずれか記載のシロキサン樹脂組成物を120〜280℃で熱硬化して硬化膜を得る、熱硬化工程を備える、硬化膜の製造方法。
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