JP4750777B2 - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、光照射を含む工程により硬化し、アルカリ現像可能な垂直配向型液晶表示素子用の突起形成に用いられる感光性樹脂組成物と、該組成物を用いて形成した垂直配向型液晶表示素子用の突起およびフォトスペーサに関するものである。
近年、液晶ディスプレイにおけるコントラストおよび視野角の改良の観点からMVA(Multi−domain Vertically Aligned)型LCD(垂直配向型液晶ディスプレイ)が開発されている。このMVA型LCDは、負の誘電率異方性を有するネガ型液晶と垂直方向の配向膜を組み合わせた複屈折モードを利用したものであり、電圧を印加していない状態でも、配向膜に近い位置にある液晶の配向方向がほぼ垂直に維持されるため、コントラスト、視野角などに優れている。
このMVA型液晶ディスプレイにおいては、1つの画素領域で液晶が複数の配向方向をとりうるようにするための手段として、光の入射側電極基板上の同一画素領域内に、電極のスリットとは異なる位置に斜面を有する突起(半凸レンズ形状等)(以下、突起、または垂直配向型液晶表示素子用の突起、と言う)を形成している。
この突起形成に用いられる感光性樹脂組成物としては、非常に高い液晶配向性および電圧保持特性とアルカリ液に対する現像特性が求められる。これに対し、フェノール性水酸基を含有する親水性ポリマーを用いたものが検討されている(特許文献−1、2)。しかしながら、本感光性樹脂組成物は、親水性官能基がフェノール性水酸基であるため、アルカリ液に対する現像特性が非常に悪い問題があった。
特開2004−333964号公報 特開2005−221974号公報
さて、液晶表示装置技術においては、上記の突起とは別に、カラーフィルタ側基板と薄膜トランジスタ(TFT)側基板の両基板間の液晶層の厚みを保つために、フォトスペーサと呼ばれる樹脂層を形成することが提案されている。即ち、感光性樹脂を用い、部分的なパターン露光、現像というフォトリソグラフィー法により、所望の位置、例えば、画素間に位置する格子パターン状のブラックマトリクス上に、柱状の樹脂製フォトスペーサを形成する技術が提案されている。
一方、近年、液晶表示装置製造のためのマザーガラスが大きくなるに従い、従来の液晶流入方法(真空吸引方式)に代わって滴下方式(ODF方式)(ODF:One Drop Fill)が提案されている。ODF方式では、所定量の液晶を滴下した後、基板で挟持することによって液晶を注入するため 、従来の真空吸引方式に比べ、工程数および工程時間の短縮が可能である。しかしながら、ODF方式においては、セルギャップから計算して見積もった所定量の液晶を滴下し、狭持するため、基板間の間隔のばらつきを補正する柔軟性と、その際に掛かる面内での微妙な圧力差に影響しないような弾性回復特性を有することがフォトスペーサに対して望まれる。
上記の垂直配向型液晶表示素子用の突起およびフォトスペーサを、液晶表示装置製造工程において同時に形成することが出来れば、製造工程の大幅な短縮が期待できる。
即ち、上記垂直配向型液晶表示素子用の突起を形成するための感光性樹脂組成物を用いて同時に液晶層のフォトスペーサを形成するためには、アルカリ液に対する現像性に優れ、その硬化物が優れた液晶配向性と電圧保持特性を持ち、かつ基板間の微妙な圧力差に影響しないような弾性回復特性を有することが求められる。これに対し、エチレン性不飽和化合物を有する重合性化合物を使用することが検討されている(特許文献−3)。しかしながら、特許文献−3の感光性樹脂組成物は、垂直配向型液晶表示素子用の突起としての液晶配向性が非常に悪くなる問題があった。
特開2006−301148号公報
本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、アルカリ現像性が良好な感光性樹脂組成物であって、かつ、その硬化物が優れた液晶配向性と電圧保持特性および弾性回復特性を有する垂直配向型液晶表示素子用の突起とフォトスペーサの同時形成に用いられる感光性樹脂組成物を提供することである。
本発明者らは、上記問題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち本発明は、エポキシ樹脂を変性してなる(メタ)アクリロイル基およびカルボキシル基を含有する親水性樹脂(A)、体積平均粒子径が1〜200nmであり、かつ表面に(メタ)アクリロイル基を有する酸化ケイ素からなる無機微粒子(B)並びに光ラジカル重合開始剤(C)を含有する、垂直配向型液晶表示素子用の突起とフォトスペーサを同時に形成するために用いられるアルカリ現像可能な感光性樹脂組成物(Q);およびこれを光照射を含む工程により硬化させて形成された垂直配向型液晶表示素子用の突起およびフォトスペーサである。
本発明の感光性樹脂組成物およびそれから得られた垂直配向型液晶表示素子用の突起もしくはフォトスペーサは、以下の効果を奏する。
・感光性樹脂組成物はアルカリ現像性に優れている。
・垂直配向型液晶表示素子用の突起は液晶配向性に優れている。
・垂直配向型液晶表示素子用の突起は電圧保持特性に優れている。
・フォトスペーサは弾性回復特性に優れている。
本発明の感光性樹脂組成物は、エポキシ樹脂を変性してなる(メタ)アクリロイル基およびカルボキシル基を含有する親水性樹脂(A)[以下において、親水性樹脂(A)または単に(A)と表記する場合がある]、体積平均粒子径が1〜200nmであり、かつ表面に(メタ)アクリロイル基を有する酸化ケイ素からなる無機微粒子(B)[以下において、単に(B)と表記する場合がある]、および光ラジカル重合開始剤(C)[以下において、単に(C)と表記する場合がある]を含有し、アルカリ現像性に優れ、かつ液晶配向性、電圧保持特性、弾性回復特性に優れる垂直配向型液晶表示素子用の突起およびフォトスペーサを提供するものである。
なお、上記及び以下において、例えば「(メタ)アクリレート」などの(メタ)を付した表現は「アクリレートおよび/またはメタクリレート」などを意味する。
以下において、本発明の感光性樹脂組成物の必須構成成分である(A)〜(C)について、順に説明する。
本発明における親水性樹脂(A)における親水性の指標はHLBにより規定され、一般にこの数値が大きいほど親水性が高いことを示す。(A)のHLB値は、通常4〜19、好ましくは5〜18、さらに好ましくは6〜17である。4以上であれば感光性樹脂組成物の現像を行う際に、現像性が良好であり、19以下であれば硬化物の耐水性が良好である。なお、本発明におけるHLBは、小田法によるHLB値であり、親水性−疎水性バランス値のことであり、有機化合物の有機性の値と無機性の値との比率から計算することができる。
HLB≒10×無機性/有機性
また、無機性の値および有機性の値は、文献「界面活性剤の合成とその応用」(槇書店発行、小田、寺村著)の501頁;または、「新・界面活性剤入門」(藤本武彦著、三洋化成工業株式会社発行)の198頁に詳しく記載されている。
また、(A)の溶解度パラメーター(以下、SP値という。)は、好ましくは7〜14、さら好ましくは8〜13、特に好ましくは10〜13である。7以上であるとさらに現像性が良好に発揮でき、14以下であると硬化物の耐水性がさらに良好である。
本発明におけるSP値は、FEDORSらが提案した下記の文献に記載の方法によって計算されるものである。
「POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE, FEBRUARY,1974,Vol.14,No.2,ROBERT F.FEDORS.(147〜154頁)」SP値が近いもの同士はお互いに混ざりやすく(分散性が高い)、この数値が離れているものは混ざりにくいことを表す指標である。
(A)は、通常、1分子中に平均で少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有する。1分子中に平均で少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有することにより光硬化性を良好に発揮することができる。(A)が含有する(メタ)アクリロイル基の量は(メタ)アクリロイル基濃度(mmol/g)で示される。(A)中の好ましい(メタ)アクリロイル基の濃度は、1.0〜5.0mmol/g、さらに好ましくは2.0〜4.0mmol/gである。
本発明における(メタ)アクリロイル基の濃度は、二重結合へのアミンの付加反応(マイケル付加)を利用した滴定法により測定できる。方法は以下の通りである。
(i)試料約1gを精秤して三角フラスコに入れ、続いてアセトン約10mlを加え溶解する。
(ii)モルホリン標準液[モルホリンとメタノールを1:4(容量比)で混合したもの]10mlを加え、さらに50%酢酸標準液[酢酸とイオン交換水を1:1(容量比)で混合したもの]1.5mlを加えてよく振とうした後、室温で15分間放置する。
(iii)アセトニトリル15mlおよび無水酢酸10mlを上記三角フラスコに加えよく振とうする。
(iv)記録式自動滴定装置を用いて、0.5mol/Lの塩酸・メタノール滴定用溶液を用いて滴定する。
(v)同時に空試験を実施し、下式にて決定する。
二重結合濃度(mmol/g) = f × (A−B) / 2S
ただし、A:試料の滴定に要した0.5mol/L塩酸・メタノール滴定用溶液のm
L数。
B:空試験に要した0.5mol/L塩酸・メタノール滴定用溶液のmL数。
f:0.5mol/L塩酸・メタノール滴定用溶液の力価。
S:試料採取量(g)
(A)は、通常、1分子中に少なくとも平均で1個のカルボキシル基を有する。(A)が含有するカルボキシル基の量は酸価で示される。(A)の酸価は、10mgKOH/g以上であると、現像性がさらに良好に発揮されやすく、500mgKOH/g以下であれば硬化物の耐水性がさらに良好に発揮できる。
本発明における酸価はアルカリ性滴定溶液を用いた指示薬滴定法により測定できる。
方法は以下の通りである。
(i)試料約1gを精秤して三角フラスコに入れ、続いて中性メタノール・アセトン溶液[アセトンとメタノールを1:1(容量比)で混合したもの]を加え溶解する。
(ii)フェノールフタレイン指示薬数滴を加え、0.1mol/L水酸化カリウム滴定用溶液で滴定する。指示薬の微紅色が30秒続いたときを中和の終点とする。
(iii)次式を用いて決定する。
酸価(KOHmg/g)=(A×f×5.61)/S
ただし、A:0.1mol/L水酸化カリウム滴定用溶液のmL数。
f:0.1mol/L水酸化カリウム滴定用溶液の力価
S:試料採取量(g)
本発明のエポキシ樹脂を変性してなる親水性樹脂(A)の好ましい製造法は、エポキシ樹脂(A0)(以下、単に(A0)と表記する場合がある)中のエポキシ基に、(メタ)アクリロイル基含有モノカルボン酸を反応させてエポキシ基を開環させて水酸基を生成させ、該水酸基の一部に多価カルボン酸もしくは多価カルボン酸無水物(a)(以下、単に(a)と表記する場合がある)を反応させる方法である。
(A0)としては、脂肪族エポキシ樹脂[例えばエポトートYH−300、PG−202、PG−207(いずれも東都化成社製)など]や脂環式エポキシ樹脂[例えばCY−179、CY−177、CY−175(いずれも旭化成エポキシ社製)など]や芳香族エポキシ樹脂[例えば、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニール型エポキシ樹脂おおびグリシジル変性ポリビニルフェノールなど]が挙げられる。(A0)のうち好ましいのは硬化性の観点から芳香族エポキシ樹脂であり、さらに好ましくはフェノールノボラックエポキシ樹脂およびクレゾールノボラックエポキシ樹脂である。
(A)の製造に使用される(メタ)アクリロイル基含有モノカルボン酸としては、アクリル酸およびメタクリル酸が挙げられる。
(A)の製造に使用される多価カルボン酸および多価カルボン酸無水物(a)としては、不飽和多価カルボン酸(例えば、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸およびシトラコン酸など)およびそれらの無水物(例えば、無水マレイン酸など)、並びに飽和多価(2〜6価)カルボン酸(例えばシュウ酸、コハク酸、フタル酸、アジピン酸、ドデカン二酸、ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸およびオクタデセニルコハク酸などの脂肪族飽和多価カルボン酸;テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸およびナフタレンテトラカルボン酸などの芳香族多価カルボン酸)およびそれらの無水物(例えば、無水コハク酸、ドデセニル無水コハク酸、ペンタデセニル無水コハク酸およびオクタデセニル無水コハク酸などの脂肪族飽和多価カルボン酸無水物;無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸無水物およびナフタレンテトラカルボン 酸無水物などの芳香族多価カルボン酸無水物)が挙げられる。好ましいのは、反応性および現像性の観点から飽和多価カルボン酸無水物である。
(A)の製造における、(メタ)アクリル酸/(A0)の仕込み重量比は、好ましいのは(A)の(メタ)アクリロイル基の濃度が1.0〜5.0mmol/gとなるような(メタ)アクリル酸の仕込み重量比である。アクリル酸/(A0)の重量比は上記の観点から、好ましくは0.072〜0.99/1、さらに好ましくは0.079〜0.72/1である。また、メタクリル酸の重量比は上記の観点から、好ましくは0.092〜0.99/1、さらに好ましくは0.10〜0.92/1である。
(A0)と(メタ)アクリル酸の反応における反応温度は、特に限定されないが、好ましくは70〜110℃である。また、反応時間は、特に限定されないが、好ましくは5〜30時間である。また、必要により触媒(例えば、トリフェニルホスフィンなど)およびラジカル重合禁止剤(ヒドロキノン、p−メトキシフェノールなど)を用いてもよい。また、(A0)の(メタ)アクリル酸付加物の重量に対する、多価カルボン酸もしくは多価カルボン酸無水物(a)の仕込み当量は、(A)の酸価が、好ましくは10〜500mgKOH/gとなるような仕込み当量であり、例えば、(a)が2価カルボン酸もしくはその無水物である場合、[(a)の仕込み当量(ミリ当量)]/[(A0)の(メタ)アクリル酸付加物の重量]は、上記の観点から、好ましくは0.18〜8.9ミリ当量/g、さらに好ましくは0.53〜7.1ミリ当量/gである。(A0)の(メタ)アクリル酸付加物と(a)との反応における反応温度は、特に限定されないが、好ましくは70〜110℃である。また、反応時間は、特に限定されないが、好ましくは3〜10時間である。
(A)の数平均分子量(以下、Mnと略記。ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーによる測定値)は、感光性樹脂組成物としての光硬化反応性と現像性の観点から、通常500〜30,000、好ましくは1,000〜10,000、特に好ましくは1,500〜5,000である。
本発明において感光性樹脂組成物(Q)中の成分として含まれる体積平均粒子径が1〜200nmであり、かつ表面に(メタ)アクリロイル基を有する酸化ケイ素からなる無機微粒子(B)の形状としては、球状、針状または板状が挙げられる。
無機微粒子(B)の体積平均粒子径は、透明性の観点から通常1〜200nm、好ましくは1〜100nm、更に好ましくは1〜50nm、特に好ましくは1〜20nmのものである。体積平均粒子径は、JIS Z8825−1:2001に記載された測定原理{光散乱法(25℃)}を有するレーザー回折式粒度分布測定装置{たとえば、堀場製作所製LA−920、島津製作所製SALD−1100型等)を用いて測定される。
無機微粒子(B)は表面処理が施されたものであり、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を酸化ケイ素の表面で反応させる方法(特開平9−100111号公報等参照)等が挙げられる。
弾性回復特性の観点から、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を酸化ケイ素の表面で反応させる方法が好ましい。
感光性樹脂組成物(Q)中の1つの成分として用いられる光ラジカル重合開始剤(C)としては例えば、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンゾフェノン、メチルベンゾイルフォーメート、イソプロピルチオキサントン、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、3,3−ジメチル−4−メトキシ−ベンゾフェノン、アントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、tert−ブチルアントラキノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、4−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−クロロチオキサントン、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、ジイソプロピルチオキサントン、ミヒラーズケトン、ベンジル−2,4,6−(トリハロメチル)トリアジン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9ーアクリジニル)ヘプタン、1,5−ビス(9−アクリジニル)ペンタン、1,3−ビス(9−アクリジニル)プロパン、ジメチルベンジルケタール、トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビストリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキシド、トリブロモメチルフェニルスルホンおよび2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等が挙げられる。(C)は1種で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(C)は、市販のものが容易に入手することができ、例えばビストリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキシドとしてはイルガキュア819、トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドとしてはダロキュアTPO(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)等が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物(Q)は、(Q)中の(A)、(B)および(C)の固形分の合計重量(100重量%)に基づいて、(A)〜(C)を以下の量含有する。
なお、本発明における「固形分」とは、溶剤以外の成分をいう。
(A)は、通常50〜85重量%(以下において、特に限定しない限り%は重量%を表す)、好ましくは55〜82%、さらに好ましくは60〜80%含有する。(A)が50%以上であれば現像性がさらに良好、85%以下であれば硬化物の電圧保持特性がさらに良好になる。
(B)は、通常5〜49%、好ましくは10〜40%、さらに好ましくは12〜35%、含有する。(B)が5%以上であれば弾性回復特性がさらに良好になり、50%以下であれば現像性がさらに良好になる。
(C)の含有量は、通常0.01〜10%、好ましくは0.1〜8%、さらに好ましくは1〜7.5%である。(C)が0.01%以上であれば光硬化反応性がさらに良好に発揮でき、10%以下であれば解像度がさらに良好に発揮できる。また、(A)と(B)の合計重量100部に対する(C)の割合は、硬化性の観点から、0.02〜10部であることが好ましく、さらに0.05〜5部であることが好ましい。
感光性樹脂組成物(Q)は、必要によりさらにその他の成分(D)を含有していてもよい。(D)としては、増感剤(D1)、重合禁止剤(D2)、溶剤(D3)、多官能(メタ)アクリレートモノマー(D4)並びにその他の添加剤(D5)(例えば、無機顔料、シランカップリング剤、染料、蛍光増白剤、黄変防止剤、酸化防止剤、消泡剤、消臭剤、芳香剤、殺菌剤、防菌剤および防かび剤等)が挙げられる。
増感剤(D1)としては、ニトロ化合物(例えば、アントラキノン、1,2−ナフトキノン、1,4−ナフトキノン,ベンズアントロン、p,p’−テトラメチルジアミノベンゾフェノン、クロラニル等のカルボニル化合物、ニトロベンゼン、p−ジニトロベンゼンおよび2−ニトロフルオレン等)、芳香族炭化水素(例えば、アントラセンおよびクリセン等)、硫黄化合物(例えば、ジフェニルジスルフィド等)および窒素化合物(例えば、ニトロアニリン、2−クロロ−4−ニトロアニリン、5−ニトロ−2−アミノトルエンおよびテトラシアノエチレン等)等が用いられる。
光ラジカル重合開始剤(C)の重量に基づく増感剤(D1)の含有量は、通常0〜100%、好ましくは0〜80%、特に好ましくは0〜70%である。
重合禁止剤(D2)としては、特に限定はなく、通常の反応に使用するものが用いられる。具体的には、ジフェニルヒドラジル、トリ−p−ニトルフェニルメチル、N−(3−N−オキシアニリノ−1,3−ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、p−ベンゾキノン、p−tert−ブチルカテコール、ニトロベンゼン、ピクリン酸、ジチオベンゾイルジスルフィドおよび塩化銅(II)等が挙げられる。
感光性樹脂組成物(Q)の固形分の重量に基づく重合禁止剤(D2)の含有量は、0〜1.0%が好ましく、さらに好ましくは0〜0.5%、特に好ましくは0〜0.1%である。
溶剤(D3)としては、グリコールジエーテル類(エチレングリコールジアルキルエーテルおよびプロピレングリコールジアルキルエーテルなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトンなど)およびハロゲン化炭化水素類(ジクロルエタンなど)が挙げられる。上記溶剤のうち好ましいのはグリコールジエーテル類(特にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)、ケトン類およびエステル類である。
溶剤(D3)を使用する場合、溶剤の配合量は、特に限定されないが、溶剤も含めた感光性樹脂組成物(Q)の重量のうちの30〜90%が好ましく、さらに好ましくは30〜80%である。なお、溶剤の配合量には前述の(A)および(B)の製造に使用される溶剤も含まれる。
多官能(メタ)アクリレートモノマー(D4)としては、公知の多官能(メタ)アクリレートモノマーであれば、とくに限定されずに用いられ、2官能(メタ)アクリレート(D41)、3官能(メタ)アクリレート(D42)および4〜6官能(メタ)アクリレート(D43)が挙げられる。
2官能(メタ)アクリレート(D41)としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等が例示される。
3官能(メタ)アクリレート(D42)としては、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのエチレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート等が例示される。
4〜6官能(メタ)アクリレート(D43)としては、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が例示される。
(D6)のうち好ましいものは、(D42)および(D43)、さらに好ましくはジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートおよびこれらの併用である。市場から容易に入手できる(D4)としては、例えば、アロニックスM−403(東亞合成(株)製)、ライトアクリレートPE−3A(共栄社化学(株)製)、ネオマーDA−600(三洋化成工業(株)製)等が挙げられる。
感光性樹脂組成物(Q)の固形分の重量のうちの(D4)の含有量は、0〜20%が好ましく、さらに好ましくは0〜10%である。20%以下であれば、さらに液晶配向性が良好になる。
(D)のうちの溶剤(D4)以外の成分の含有量の合計は、感光性樹脂組成物(Q)の固形分の重量のうちの、通常80%以下、好ましくは70%以下である。
本発明の感光性樹脂組成物(Q)は、例えば、プラネタリーミキサーなどの公知の混合装置により、上記の各成分を混合等することにより得ることができる。
また感光性樹脂組成物は、通常、室温で液状であり、その粘度は、25℃で0.1〜100mPa・s、好ましくは1〜20mPa・sである。
本発明の感光性樹脂組成物(Q)は、現像性に優れ、かつその硬化物は液晶配向性、電圧保持特性、弾性回復特性に優れているので、特に、垂直配向型液晶表示素子用の突起とフォトスペーサを同時に形成するために用いられる感光性樹脂組成物として適している。
以下において本発明の垂直配向型液晶表示素子用の突起およびフォトスペーサについて説明する。
本発明における垂直配向型液晶表示素子用の突起は、上記の感光性樹脂組成物(Q)を光照射を含む工程により硬化させて形成された、液晶配向制御のために設けられる突起である。
本発明におけるフォトスペーサは、上記の感光性樹脂組成物(Q)を硬化させて形成された液晶セル内のギャップ保持のために設けられるフォトスペーサである。
フォトスペーサは、カラーフィルタ基板とTFT基板とを貼り合わせた時に液晶セルのギャップを決めるものであり、表示品質にとって重要な役割を果たす。フォトスペーサの高さは、通常2〜5μm程度の範囲で一定の高さを持つものであり、その均一性が要求される。また、高さの他、フォトスペーサに要求される形状、大きさ、密度等は液晶表示装置の設計によって適宜決定される。
本発明の突起およびフォトスペーサの好ましい形成工程は、光照射の後、アルカリ現像してパターン形成し、さらに180℃〜260℃で5分〜90分ポストベークを行う工程である。突起およびフォトスペーサの形成は、通常、以下(1)〜(5)の工程で行われる。
(1)垂直配向型液晶表示素子の基板の着色層上に設けられた透明共通電極上に本発明の感光性樹脂組成物を塗布する工程。
塗布方法としては、ロールコート、スピンコート、スプレーコートおよびスリットコート等が挙げられ、塗布装置としては、スピンコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、カーテンコーター、グラビアコーターおよびコンマコーター等が挙げられる。膜厚は、通常0.5〜10μm、好ましくは1〜5μmである。
(2)塗布された感光性樹脂組成物層を、必要に応じて熱を加えて乾燥させる(プリベーク)工程。
乾燥温度としては、好ましくは10〜100℃、さらに好ましくは12〜90℃、特に15〜60℃、とりわけ20〜50℃である。乾燥時間は、好ましくは0.5〜10分、さらに好ましくは1〜8分、特に好ましくは2〜5分である。乾燥は、減圧、常圧どちらでもよいが、減圧の方が好ましい。また、空気中、不活性ガス中どちらで行ってもよいが、不活性ガス中が好ましい。
(3)所定のフォトマスクを介して、活性光線により感光性樹脂組成物層の露光を行う工程。使用されるフォトマスクの開口部の大きさは、好ましくは直径4〜15μm(面積20〜100μm2)以上、さらに好ましくは直径6〜12μmであり、4〜15μmであれば精度良くパターンを形成することができる。例えば、開口部が直径4〜15μmであれば、直径6〜18μm程度のパターンを得ることができる。活性光線としては、可視光線、紫外線、レーザー光線等が挙げられる。光線源としては、太陽光、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライドランプ、半導体レーザー等が挙げられる。露光量としては、特に限定されないが、好ましくは20〜300mJ/cm2である。
露光を行う工程においては、感光性樹脂組成物中の(メタ)アクリロイル基を有する成分が反応して光硬化反応する。
(4)続いて未露光部を現像液で除去し、現像を行う工程。
現像液は、通常、アルカリ水溶液を用いる。アルカリ水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の水溶液;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムおよび炭酸水素ナトリウム等の炭酸塩の水溶液;ヒドロキシテトラメチルアンモニウムおよびヒドロキシテトラエチルアンモニウム等の有機アルカリの水溶液が挙げられる。これらを単独または2種以上組み合わせて用いることもでき、また、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等の界面活性剤を添加して用いることもできる。現像方法としては、ディップ方式とシャワー方式があるが、シャワー方式の方が好ましい。現像液の温度は、好ましくは25〜40℃である。現像時間は、膜厚や感光性樹脂組成物の溶解性に応じて適宜決定される。
(5)後加熱(ポストベーク)工程
ポストベークの温度としては、好ましくは180〜260℃、さらに好ましくは190〜250℃、特に好ましくは200〜240℃である。ポストベークの時間は5分〜90分、好ましくは15分〜75分、特に好ましくは30分〜60分である。ベークは、減圧、常圧どちらでもよいが、常圧の方が好ましい。また、空気中、不活性ガス中どちらで行ってもよいが、空気中が好ましい。
上記の工程により形成された突起およびフォトスペーサの高さは、0.1〜6.0μm、好ましくは0.5〜5.0μm、特に好ましくは1.0〜4.5μmである。
上記の工程は、形状およびサイズ(高さや上底・下底径)の制御が容易であり、パターン形状、耐熱性、耐溶剤性および透明性等に優れた微細な突起およびフォトスペーサを安定して生産性よく形成することができ、かつ液晶配向性および電圧保持率特性等に優れた垂直配向型液晶表示素子用の突起、および弾性回復特性に優れたフォトスペーサをもたらすことができる。
上記のようにして得られた本発明のフォトスペーサは、弾性回復特性に優れたフォトスペーサである。フォトスペーサの弾性回復特性は、圧力がかかった時の「弾性回復率」によって評価することができる。弾性回復率の高い方が弾性回復特性に優れる。
本発明において、弾性回復特性は下記の「0.2〜0.8mN/μm2の圧力範囲における弾性回復率」を測定して評価することができる。
「弾性回復率(%)」の測定方法;
25℃において、一定の速度で所定の圧力をかけ、1秒間保持した後、一定の速度で圧力を除荷した時の荷重と変形量とのヒステリシス曲線(図1)から総変形量T0(μm)を求め、さらに塑性変形量T1(μm)を求めて、所定の圧力における弾性回復率(%)を下式で算出する。
弾性回復率(%)=[(T0−T1)/T0]×100
圧力としては、0.2mN/μm2、0.4mN/μm2、0.6mN/μm2および0.8mN/μm2の異なる4種の圧力でヒステリシス曲線を測定し、それぞれにおいて上記弾性回復率を求める。
本発明のフォトスペーサの弾性回復率は、0.2〜0.8mN/μm2のいずれの圧力条件下であっても、好ましくは50%以上、さらに好ましくは55%以上、特に好ましくは60%以上である。弾性回復率が50%以上、特に60%以上であれば液晶セルギャップを保持するスペーサとして実用上問題なく使用できる可能性が高い。
[実施例]
以下、実施例および製造例を以て本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。以下、部は重量部を意味する。
[親水性樹脂(A)の製造]
<製造例1>
加熱冷却・攪拌措置、環流冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えたガラス製コルベンに、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂「EOCN―102S」(日本化薬(株)製 エポキシ当量200)200部とプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート245部を仕込み、110℃まで加熱して均一に溶解させた。続いて、アクリル酸76部、トリフェニルホスフィン2部、およびp−メトキシフェノール0.2部を仕込み、110℃にて10時間反応させた。反応物にさらにテトラヒドロ無水フタル酸91部を仕込み、さらに90℃5時間反応させ、その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで固形分含有量が25%となるように希釈し、アクリロイル基とカルボキシル基を有する親水性樹脂(A−1:Mn:2,200、SP値:11.26、HLB値:6.42、酸価:91mgKOH/g、アクリロイル基濃度:2.86mmol/g)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た(固形分含量は25%)。
なお、MnはGPC測定機器(HLC−8120GPC、東ソー(株)製)、カラム(TSKgel GMHXL2本+TSKgel Multipore HXL−M、東ソ(株)製)を用いて、GPC法により測定されるポリスチレン換算の値として求めた。また、SP値、HLB値、酸価は、前述のようにして求めた。以下の製造例および比較例についても同様の測定法である。
<製造例2>
製造例1と同様のコルベンに、フェノールノボラック型エポキシ樹脂「EPPN―201」(日本化薬(株)製 エポキシ当量190)190部とプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート238部を仕込み、110℃まで加熱して均一溶解させた。続いて、アクリル酸76部、トリフェニルホスフィン2部、およびp−メトキシフェノール0.2部を仕込み、110℃にて10時間反応させた。反応物にさらにテトラヒドロ無水フタル酸91部を仕込み、さらに90℃5時間反応させ、その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで固形分含有量が25%となるように希釈し、アクリロイル基とカルボキシル基を有する親水性樹脂(A−2:Mn:2,300、SP値:11.91、HLB値:6.81、酸価:94mgKOH/g、アクリロイル基濃度:2.94mmol/g)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た(固形分含量は25%)。
<製造例3>
製造例1と同様のコルベンに、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製「KBM−5103」)30部、「PMA−ST」(酸化ケイ素の30%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液、体積平均粒径:15nm、日産化学工業(株)製)200部、イソプロピルアルコ−ル5部およびイオン交換水3部の混合液を、80℃、4時間攪拌後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで固形分含有量が25%となるように希釈し、アクリロイル基を表面に有する無機微粒子(B−1、体積平均粒径:16nm)を得た。
<比較製造例1>
製造例1と同様のコルベンに、クレゾールノボラック樹脂(旭有機材(株)社製「EP−4020G」)200部とプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート238部を仕込み、110℃まで加熱して均一溶解させた。続いて、ジブチル錫ジラウリレート0.1部、イソシアナトエチルメタクリレート20部を仕込み、60℃にて5時間反応させ、その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで固形分含有量が25%となるように希釈し、アクリロイル基を有する親水性樹脂(A−1’:Mn:2,100、SP値:13.46、HLB値:6.41、酸価:0mgKOH/g、アクリロイル基濃度:1.34mmol/g)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た(固形分含量は25%)。
<比較製造例2>
製造例1と同様のコルベンに、イソボルニルメタクリレート50部(33モル%)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート30部(33モル%)、メタクリル酸20部(34モル%)、およびシクロヘキサンノン150部を仕込み、80℃まで加熱した。系内の気相部分を窒素で置換したのち、あらかじめ作成しておいたアゾビスイソブチロニトリル(V−60:和光純薬(株)製)5部をシクロヘキサノン50部に溶解した溶液55部を80℃のコルベン中に10分間で滴下し、さらに同温度で3時間反応させ、カルボキシル基を有する親水性ポリマー(A−2’:Mn:8,800、SP値:11.86、HLB値:11.98、酸価:102mgKOH/g)のシクロヘキサノン溶液を得た(固形分含有量は25%)。
<実施例1〜および比較例1〜5>
[感光性樹脂組成物の製造]
表1の配合部数[それぞれの成分の見かけの重量部、なお( )内は、感光性樹脂組成物(Q)の固形分のうちの各成分の固形分の重量%(小数点以下1桁を四捨五入)を表す。]に従い、ガラス製の容器に各親水性樹脂の溶液を仕込み、さらに下記の(B−1)、(B−1’)、(C−1)、(C−2)、(D−4)を仕込み、均一になるまで攪拌し、さらに追加の溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を添加して実施例の感光性樹脂組成物(Q1)〜(Q)、および比較例の感光性樹脂組成物(Y1)〜(Y5)を製造した。なお、表1中の略号のうち上記以外のものは以下の通り。
B−1’(無機微粒子):「エスカロン♯2200」(炭酸カルシウム、体積平均粒径:1000nm:三共製粉(株)製)
なお、体積平均粒径はトルエンを溶媒にしてレーザー散乱式粒度分布測定装置LA−920(堀場製作所(株)製)で測定して求めた。
C−1(光ラジカル重合開始剤):「イルガキュア819」(ビストリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキシド、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、
C−2(光ラジカル重合開始剤):「ダロキュアTPO」(トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、
D−4(多官能(メタ)アクリレート):「ネオマーDA−600」(ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物:三洋化成工業(株)製)
Figure 0004750777
[現像性の評価]
感光性樹脂組成物(Q1)〜(Q)、および(Y1)〜(Y5)を、それぞれガラス基板上に仕上り膜厚が5μmになるようにスピンコートし、25℃で5分間乾燥し、その後1%炭酸ナトリウム水溶液を用いて45秒間現像を行い、現像性を評価した。結果を表1に示す。評価基準は以下の通りである。
◎:目視により残留物無し。
○:目視により残留物わずかにあり。
△:目視により残留物が多い。
[垂直配向型液晶表示素子用の突起およびフォトスペーサの作製]
感光性樹脂組成物(Q1)〜(Q)、および(Y1)〜(Y5)を、それぞれITO(錫をドープした酸化インジウム)を製膜したガラス基板に、仕上り膜厚が4μmになるようにスピンコートし、25℃で5分間乾燥した。フォトマスクを通して高圧水銀灯の光を100mJ/cm2照射した。尚、フォトマスクと基板との間隔(露光ギャップ)は100μmで露光した。その後1%炭酸ナトリウム水溶液を用いて現像をした。水洗を施したのち、230℃で30分間ポストベークして垂直配向型液晶表示素子用の突起およびフォトスペーサをITO膜を有するガラス基板上に同時に形成した。
フォトスペーサの上底面積は150μm2、下底面積は400μm2であった。
[液晶配向性および電圧保持特性の測定]
上記の突起を形成したガラス基板に、液晶配向剤としてAL1H659(商品名)[JSR(株)製]を、液晶配向膜塗布用印刷機により塗布した。そののち、160℃で2時間乾燥して、膜厚0.05μmの被膜を形成した。また、感光性樹脂組成物を塗布していないガラス基板に、液晶配向剤としてAL1H659を、上記と同様に塗布し、160℃で2時間乾燥して、膜厚0.05μmの被膜を形成した。
次いで、得られた両基板のそれぞれの液晶配向膜の外面に、エポキシ樹脂接着剤をスクリーン印刷により塗布し、両基板を液晶配向膜面が相対するように重ね合わせて圧着したのち、接着剤を硬化させた。その後、液晶注入口より両基板間に、メルク社製液晶「MLC−6608」(商品名)を充填して、エポキシ系接着剤で液晶注入口を封止したのち、両基板の外面に偏光板を、その偏向方向が直交するように張り合わせて、垂直配向型液晶表示素子を作製した。
液晶配向性の評価は、電圧をオン・オフさせたとき、液晶セル中に異常ドメインが生じるかどうかを、偏光顕微鏡で観察して、異常ドメインが認められない場合を「良好」、異常ドメインが認められる場合を「不良」とした。電圧保持特性の評価は、液晶表示素子に5Vの電圧を印加したのち、回路を開にし、その20ミリ秒後の保持電圧を測定して、その印加電圧(5V)に対する割合を算出した。
Figure 0004750777
[弾性回復率の測定]
上記のようにして得られたフォトスペーサの弾性回復率をフィッシャースコープH−100(フィッシャーインストルメンツ社製)装置を用いて測定した。なお、断面が正方形の平面圧子(50μm×50μm)の平坦圧子を用いた。結果を表3に示す。
Figure 0004750777
表1、および表2から判るように、本発明の感光性樹脂組成物を用いることにより、現像性が良好でありかつ液晶配向性、電圧保持特性、および弾性回復特性に優れた垂直配向型液晶表示素子用の突起およびフォトスペーサを形成することができる。比較例1では、使用された感光性樹脂組成物(Y1)中の親水性樹脂がカルボキシル基を含有していないため、アルカリ溶液に対する現像性が不十分である。比較例2では、使用された感光性樹脂組成物(Y2)中の親水性樹脂がアクリロイル基を含有していないため、液晶配向性および電圧保持特性に劣る。比較例3・4では、使用された感光性樹脂組成物(Y3)・(Y4)中に体積平均粒子径が1〜200nmである無機微粒子を含有していないため、弾性回復特性に劣る。比較例5では、使用された感光性樹脂組成物(Y5)中に多量の多官能(メタ)アクリレートモノマーを含むため液晶配向性および電圧保持特性に劣る。上記比較例1〜5で得られた垂直配向型液晶表示素子用の突起およびフォトスペーサを有する垂直配向型液晶表示素子を用いて液晶パネルを作成すると、コントラスト、視野角などが悪化する。
本発明の感光性樹脂組成物は、垂直配向型液晶表示素子用の突起およびフォトスペーサに好適に使用できる。さらに、その他にも各種のレジスト材料、例えば、フォトソルダーレジスト、感光性レジストフィルム、感光性樹脂凸版、スクリーン版、光接着剤またはハードコート剤などの用途の感光性樹脂組成物として好適である。さらに、金属(例えば、鉄、アルミニウム、チタン、銅等)、プラスチック(例えば、ポリカーボネート、ポリエチレンテルフタラート、ポリ(メタ)アクリレート)、紙、ガラス、ゴムおよび木材等の各種材料に対するコーティング剤、塗料、印刷インキ及び接着剤としても使用でき、成型材料等としても応用できる。
荷重と変形量のヒステリシス曲線
符号の説明
T0: 総変形量
T1: 塑性変形量
T2: 弾性変形量

Claims (5)

  1. エポキシ樹脂を変性してなる(メタ)アクリロイル基およびカルボキシル基を有する親水性樹脂(A)、体積平均粒子径が1〜200nmであり、かつ表面に(メタ)アクリロイル基を有する酸化ケイ素からなる無機微粒子(B)並びに光ラジカル重合開始剤(C)を含有する、垂直配向型液晶表示素子用の突起とフォトスペーサを同時に形成するために用いられるアルカリ現像可能な感光性樹脂組成物(Q)。
  2. 感光性樹脂組成物の固形分の重量に基づいて、前記親水性樹脂(A)を50〜85重量%、前記無機微粒子(B)を5〜49重量%および前記光ラジカル重合開始剤(C)を0.01〜10重量%含有する請求項1記載の感光性樹脂組成物(Q)。
  3. 前記エポキシ樹脂がフェノールノボラックエポキシ樹脂、またはクレゾールノボラックエポキシ樹脂である請求項1または2記載の感光性樹脂組成物(Q)。
  4. 請求項1〜いずれか記載の感光性樹脂組成物を、光照射を含む工程により硬化させて形成された垂直配向型液晶表示素子用の突起およびフォトスペーサ。
  5. 光照射を含む工程が、光照射の後、アルカリ現像してパターン形成し、さらにポストベークを行うことを特徴とする工程である請求項4記載の垂直配向型液晶表示素子用の突起およびフォトスペーサ。
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