JP2003176344A - 光重合性不飽和樹脂、その製造方法及びそれを用いたアルカリ可溶型感放射線性樹脂組成物 - Google Patents
光重合性不飽和樹脂、その製造方法及びそれを用いたアルカリ可溶型感放射線性樹脂組成物Info
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Abstract
含有する組成物を提供する。 【解決手段】一般式(1): 【化1】 (式中、Xは、2官能芳香族型エポキシアクリル酸誘導
体を表し、nは1〜20の整数であり、Yはジカルボン
酸無水物の酸無水物基を除いた残基、Zはテトラカルボ
ン酸二無水物の酸無水物基を除いた残基である)で表さ
れ、数平均分子量が1,000以上である光重合性不飽
和樹脂であって、ジカルボン酸無水物およびテトラカル
ボン酸二無水物をモル比で1:99〜65:35の割合
となるように反応させて得られる光重合性不飽和樹脂、
およびこの樹脂を含有するアルカリ可溶型感放射線性樹
脂組成物が提供される。この組成物から得られる塗膜
は、耐熱性、透明性、露光・現像性、耐薬品性などの優
れた特性を有している。
Description
飽和樹脂、その製造方法及びそれを用いたアルカリ可溶
型感放射線性樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、本
発明は、様々な用途に好適に用いられるアルカリ可溶型
感放射線性樹脂組成物における光重合性成分などとして
有用な光重合性不飽和樹脂、このものを効率よく製造す
る方法、及び該光重合性不飽和樹脂を含み、耐熱性、透
明性、密着性、耐薬品性などに優れる硬化膜を与え、カ
ラーフィルター、液晶表示素子、集積回路素子、固体撮
像素子などの保護膜や層間絶縁膜の形成材料、カラーレ
ジスト用バインダー組成物、あるいはプリント配線板製
造の際に用いられるソルダーレジストなどとして好適な
アルカリ可溶型感放射線性樹脂組成物に関するものであ
る。
子、集積回路素子、固体撮像素子などの保護膜や眉間絶
縁膜の形成、あるいはプリント配線基板のレジストパタ
ーンの形成には、スクリーン印刷法が用いられてきた
が、このスクリーン印刷法では、最近の高密度デバイス
に対して対応できなくなってきている。このためドライ
フィルム型フォトレジストや液状レジストが提案されて
いるが、ドライフィルム型のフォトレジストの場合、熱
圧着の際に気泡が生じやすい上、耐熱性や密着性が十分
でなく、しかもコストが高くつくなどの問題がある。
スティッキングが有り、マスク汚れの原因となるため、
パターン形状のコントラスト向上に有利な密着露光法が
適用できないという問題がある。そして、現在市販され
ているものは、有機溶剤を現像液として使用しているた
め、大気汚染の問題かある上、溶剤が高価である。ま
た、特開昭61−243869号公報には、フェノール
ノボラック樹脂を主成分とする弱アルカリ水溶液で現像
可能な感放射線性樹脂組成物が開示されているが、高
温、酸性及びアルカリの条件に十分耐え得るものでな
く、処理後、基板との密着性が低下するという問題があ
る。
に、特開平5−339356号公報、特開平6−193
8号公報、特開平7−3122号公報には、2官能芳香
族エポキシアクリレート化合物と、酸無水物、および酸
二無水物を同時に反応させ高分子量化させるとともに、
カルボキシル基を導入してなる、一般式(9):
を表し、R4およびR5は、水素原子、炭素数1〜5の
アルキル基、ハロゲン原子またはメチル基であり、Dは
−CO−、−SO2−、−C(CF3)2−、−Si
(CH3)2−、−CH2−、−C(CH3)2−、−
O−または不存在を示す。)、Yは酸無水物の酸無水物
基を除いた残基、Zは酸二無水物の酸無水物基を除いた
残基であり、m及びkは、それそれ重合度を示し、m/
kモル比で1/99〜90/10である)で表される光
重合性不飽和化合物が開示されている。
プリベーク後のスティッキングはなくなるものの、該化
合物においては、酸無水物がエポキシアクリレートの水
酸基と反応するのみではなく縮合反応にも関与するため
に、分子量、及び酸価の制御が困難となり、その結果同
じ固形分濃度ではレジストの溶液粘度が上がるため固形
分溶解、ろ過、若しくは塗布時の作業性が悪くなるだけ
ではなく、コーティング特性悪化により基板面内での膜
厚にばらつきを生じ、結果的に現像特性にばらつきが生
じる問題が懸念される。
は、2官能芳香族エポキシアクリレート化合物と、酸二
無水物のみを反応させカルボキシル基含有交互共重合体
を主成分とする組成物が開示されているが、この組成物
は、未反応エポキシアクリレート化合物が多く残存し、
それが耐水性、耐溶剤性、アルカリ溶解性を低下させる
ことが懸念される。未反応エポキシアクリレート化合物
を低減するためには酸二無水物の使用比率を上げること
が好ましいが、この場合分子量が上がるために溶液粘度
が高くなり、作業性が著しく劣化する可能性が高い。
事情のもとで、上記のような欠点がなく、分子量の制御
が容易な光重合性不飽和樹脂、このものを効率よく製造
する方法、及び該光重合性不飽和樹脂を含み、プリベー
ク後には塗膜がスティッキングフリーとなり、光照射後
における硬化膜が耐熱性(加熱処理後の膜収縮が小さ
い)、透明性、密着性、硬度、耐薬品性(アルカリ溶液
浸漬後の膜収縮が小さい)等に優れ、かつ弱アルカリ水
溶液で現像可能であると共に、適当な溶液粘度になるよ
うに粘度調整が容易な感放射線性樹脂組成物を提供する
ことを目的としてなされたものである。
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、2官能芳香族
エポキシ(メタ)アクリレート化合物をテトラカルボン
酸二無水物と反応させることによりオリゴマーとした後
に、ジカルボン酸無水物で末端水酸基を封鎖する、2段
階反応を用いることにより、前記欠点がなく、分子量の
制御が容易なカルボキシル基を有する新規な光重合性不
飽和樹脂が得られること、そして、この光重合性不飽和
樹脂と、エポキシ基を有する化合物と、光重合開始剤を
含む組成物が、感放射線性樹脂組成物として、その目的
に適合し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明
を完成するに至った。
立して、水素原子またはメチル基を表し、Aは一般式
(3):
原子、炭素原子、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル
基またはハロゲン基を表し、Bは−CO−、−SO
2−、−C(CF3)2−、−Si(CH3)2−、−
CH2−、−C(CH3)2−、−O−または不存在を
示す。)か、あるいは一般式(4):
よびZは前記と同じであり、nは1〜20の整数であ
り、Yはジカルボン酸無水物の酸無水物基を除いた残
基、Zはテトラカルボン酸二無水物の酸無水物基を除い
た残基である)で表され、数平均分子量が1,000以
上である光重合性不飽和樹脂であって、ジカルボン酸無
水物およびテトラカルボン酸二無水物をモル比で1:9
9〜65:35の割合となるように反応させて得られる
光重合性不飽和樹脂を提供する。
リル酸とを反応させて、一般式(6):
導体を得たのち、これを一般式(7):
の酸無水物基を除いた残基である)で表されるテトラカ
ルボン酸二無水物を反応させ、次いで一般式(8):
水物基を除いた残基である)で表されるジカルボン酸無
水物を、ジカルボン酸無水物とテトラカルボン酸二無水
物とがモル比で1:99〜65:35の割合となるよう
に添加して反応させることを特徴とする、一般式
(1):
Zは前記と同じであり、nは1〜20の整数である)で
表され、数平均分子量が1,000以上である光重合性
不飽和樹脂の製造方法を提供する。
和樹脂と、(B)エポキシ基を有する化合物と、(C)
光重合開始剤とを含む、アルカリ可溶型感放射線性樹脂
組成物を提供する。
ルカリ可溶型感放射線性樹脂組成物は、さらに、(D)
光重合性モノマー及びオリゴマーの中から選ばれる少な
くとも1種を、(A)成分100重量部当たり、50重
量部以下の割合で含む。
一般式(1):
である)で表され、数平均分子量が1,000以上であ
る新規な樹脂(以下、本発明の樹脂ということがある)
である。この樹脂は、例えば、詳細には後述するが、
(メタ)アクリル酸エステル誘導体とテトラカルボン酸
二無水物(残基がZ)を反応させ、次いで、ジカルボン
酸無水物(残基がY)を、ジカルボン酸無水物とテトラ
カルボン酸二無水物とがモル比で1:99〜65:35
の割合となるように添加して反応させて得られる。
ボン酸無水物により封鎖された構造を有し、該ジカルボ
ン酸無水物残基を重合鎖内に実質上有していないという
特徴を有する。これに対し、特開平5−339356号
公報に記載された一般式(9)で表される光重合性不飽
和化合物は、ジカルボン酸無水物残基を重合鎖内に有す
る点で本発明の樹脂とは異なり、さらに、末端水酸基が
ジカルボン酸無水物により封鎖されているとは限らない
点でも、本発明の樹脂とは異なる。この一般式(9)で
表される光重合性不飽和化合物の製造方法は、2官能芳
香族エポキシアクリレート化合物と、酸無水物、および
酸二無水物を同時に反応させて得られるものであり、本
発明の方法とは異なる。
合性不飽和樹脂は、以下に示す方法に従って、極めて効
率よく製造することができる。まず、一般式(5):
る。このエポキシ化合物(5)において、Aは、ベンゾ
フェノン型、ジフェニルスルホン型、ヘキサフルオロビ
スフェノール型、ジメチルシリルビフェノール型、ビス
フェノールF型、ビフェノール型、ジヒドロキシナフタ
レン型を表す。ビフェノール型、およびジヒドロキシナ
フタレン型が好ましく用いられる。
物は、例えば、ビフェノール化合物あるいはジヒドロキ
シナフタレン化合物と、エピクロルヒドリンなどのエピ
ハロヒドリンとを反応させることにより、容易に得るこ
とができる。市販品も用いられる。
と(メタ)アクリル酸とを反応させて、一般式(6):
導体が得られる。一般式(5)で表されるエポキシ化合
物は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて
用いてもよい。また、アクリル酸とメタクリル酸を組合
せて用いてもよい。
(メタ)アクリル酸エステル誘導体と、一般式(7):
るテトラカルボン酸二無水物を適切な溶媒中において、
反応させる。
(8):
るジカルボン酸無水物とを、適当な溶媒中で反応させる
ことにより、一般式(1)で表される本発明の光重合性
不飽和樹脂が得られる。
ボン酸無水物とテトラカルボン酸二無水物とがモル比で
1:99〜65:35の割合となるように添加して反応
させることが必要である。好ましくは5:95〜60:
40の割合であり、さらに好ましくは、5:99〜5
0:50である。すなわち、添加する全酸無水物中のジ
カルボン酸は1モル%〜65モル%であることが必要で
ある。ジカルボン酸無水物の割合が全酸無水物の1モル
%未満では、分子量が大きくなり、樹脂粘度が高くなる
傾向にある。樹脂粘度が高いとレジスト溶液の作成時の
作業性が悪くなる、分子量が大きいと、塗膜にした時に
未露光部の樹脂が現像液に溶解せず、現像したときに目
的のパターンが得られないという問題が生じやすくな
る。また、ジカルボン酸無水物の割合が、全酸無水物の
65モル%を超えると、得られる樹脂の分子量が小さく
なり、プリベーク後の塗膜にスティッキングが残るとい
う問題、あるいは、耐熱性または耐溶剤性に問題が生じ
るおそれがある。
ルボン酸無水物あるいはテトラカルボン酸二無水物との
反応に用いる溶媒としては、反応に用いる各成分及び反
応生成物を溶解することができ、かつ反応に悪影響を与
えないものであれば、特に制限なく用いられる。例え
ば、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブア
セテートなどのセロソルブ系溶媒を好ましく用いること
ができる。
カルボン酸無水物と式(4)の(メタ)アクリル酸エス
テル誘導体中の水酸基とが定量的に反応するような温度
で行うことが好ましい。例えば、(メタ)アクリル酸エ
ステル誘導体とテトラカルボン酸二無水物との反応にお
いては、通常100〜130℃、好ましくは115〜1
25℃で行われる。反応温度が130℃を超えると、
(メタ)アクリル酸エステル誘導体の重合が一部起こ
り、分子量が急激に増大する原因となり、また100℃
未満では反応がスムーズに進行せず、未反応のテトラカ
ルボン酸二無水物が残存するおそれがある。
ラカルボン酸二無水物との反応生成物と、ジカルボン酸
無水物との反応は、好ましくは80〜110℃で行わ
れ、より好ましくは80〜90℃で行われる。反応温度
が110℃を超えるとカルボキシル基と水酸基との縮合
が起こり、分子量が増大する原因となり、また、80℃
未満では反応がスムーズに進行せず、未反応のジカルボ
ン酸無水物が残存するおそれがある。
アクリル酸エステル誘導体の水酸基1当量に対して、テ
トラカルボン酸二無水物とジカルボン酸無水物の酸無水
物基の合計で、0.6〜1当量、好ましくは0.75当
量以上1当量未満の割合で反応させるのが好ましい。酸
無水物基の合計量が0.6当量未満では、分子量を十分
に増加させて高感度を達成するために必要な重合性二重
結合基を十分に導入することができにくい。逆に、酸無
水物基が1当量を超える場合も、同様に分子量が増加し
にくくなるだけでなく、未反応のテトラカルボン酸二無
水物あるいはジカルボン酸無水物が残存し、現像性の劣
化を招く原因となる。
ン酸二無水物としては、例えば、無水ピロメリット酸、
ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニル
テトラカルボン酸二無水物、ビフェニルエーテルテトラ
カルボン酸二無水物等の芳香族多価カルボン酸無水物が
挙げられる。
ボン酸無水物としては、例えば無水マレイン酸、無水コ
ハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、無水テトラヒ
ドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチル
エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水クロレンド
酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水グルタル酸
などが挙げられる。
酸価は、(メタ)アクリル酸エステル誘導体とテトラカ
ルボン酸二無水物を反応させる際に、反応条件を制御す
ることにより、一般式(1)におけるnの値を調節する
ことができる。
は、光重合開始剤と配合し、硬化させることにより、透
明性が高く、耐熱性に優れた硬化物を与えることができ
る。
樹脂組成物は、(A)本発明の光重合性不飽和樹脂に、
(B)エポキシ基を有する化合物と、(C)光重合開始
剤を配合することにより得られる。
本発明の樹脂を単独で用いてもよいし、2種以上組み合
わせて用いてもよい。例えば、ビスフェノールフルオレ
ン型の樹脂と、ビスクレゾールフルオレン型の樹脂とを
組み合わせて(A)成分の光重合性不飽和樹脂として用
いてもよい。
しては、エポキシ基を少なくとも1個有する化合物が用
いられる。例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹
脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹
脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エ
ポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂や、
フェニルグリシジルエーテル、p−ブチルフェノールグ
リシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート、
ジグリシジルイソシアヌレート、アリルグリシジルエー
テル、グリシジルメタクリレート等が挙げられる。
(B)成分の化合物として、(B)成分の化合物を単独
で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよ
い。
成分、および必要に応じて含有される光重合性モノマー
あるいはオリゴマ−などの(D)成分(後述)の光重合
開始剤として働く化合物および/または増感効果を有す
る化合物である。(C)成分としては、例えば、アセト
フェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジ
メチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフ
ェノン、ジクロロアセトフェノン、トリクロロアセトフ
ェノン、p−tert−ブチルアセトフェノン等のアセ
トフェノン類や、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフ
ェノン、p,p’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン
等のベンゾフェノン類や、ベンジル、ベンゾイン、ベン
ゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテ
ル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエー
テル類や、ベンジルジメチルケタール、チオキサンテ
ン、2−クロロチオキサンテン、2,4−ジエチルチオ
キサンテン、2−メチルチオキサンテン、2−イソプロ
ピルチオキサンテン等のイオウ化合物や、2−エチルア
ントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−
ベンズアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキ
ノン等のアントラキノン類そ、アゾビスイソブチロニト
リル、ベンゾイルパーオキシド、クメンパーオキシド等
の有機過酸化物や、2−メルカプトベンゾイミダゾー
ル、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプ
トベンゾチアゾール等のチオール化合物等が挙げられ
る。
よいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、
それ自体では、光重合開始剤として作用しないが、上記
の化合物と組み合わせて用いることにより、光重合開始
剤の能力を増大させ得るような化合物を添加することも
できる。そのような化合物としては、例えば、ベンゾフ
ェノンと組み合わせて使用すると効果のあるトリエタノ
ールアミン等の第三級アミンを挙げることができる。
成分100重量部当たり、(B)成分を5〜50重量部
及び(C)成分を0.1〜30重量部の割合で含有する
のが好ましく、特に(B)成分を10〜30重量部及び
(C)成分を1〜20重量部の割合で含有するのが好ま
しい。(A)成分100重量部当たり、(B)成分の含
有量が5重量部未満の場合には、本発明の組成物の硬化
後の特性、特に耐アルカリ性が不十分となり、100重
量部を超える場合には、硬化時に割れが起こり、密着性
も低下しやすくなる。また、(A)成分100重量部当
たり、(C)成分の含有量が0.1重量部未満の場合に
は、光重合の速度が遅くなり、感度が低下する傾向にあ
る。一方、30重量部を超える場合には、光が基板まで
達しにくいため、基板と樹脂との密着性が悪くなる傾向
にある。
じ、(D)成分として、光で重合することのでさるモノ
マーやオリゴマーをその使用目的の物性にあわせて含有
させることができる。このような光で重合し得るモノマ
ーあるいはオリゴマーとしては、以下のモノマーあるい
はオリゴマーが挙げられる。例えば、2−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート等の水酸基を有するモノマー類、ある
いは、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプ
ロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタ
ントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メ
タ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート
等の(メタ)アクリル酸エステル類を挙げることができ
る。これらのモノマーあるいはオリゴマーは1種を単独
で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
リゴマーは、粘度調整剤あるいは光架橋剤として作用す
るものであり、必要に応じて、本発明の樹脂組成物の性
質を損なわない範囲で配合される。通常は、上記モノマ
ー及びオリゴマーの少なくとも一種を、(A)成分の光
重合性不飽和樹脂100重量部に対して50重量部以下
の範囲で配合される。このモノマーあるいはオリゴマー
の使用量が50重量部を超えるとプリベーク後のスティ
ッキング性に問題か出てくる。
明の目的が損なわれない範囲で、必要に応じて、例えば
エポキシ基硬化促進剤、熱重合禁止剤、酸化防止剤、密
着助剤、界面活性剤、消泡剤等の添加剤が配合される。
合物類、イミダゾール化合物、カルボン酸類、フェノー
ル類、第4級アンモニウム塩類又はメチロール基含有化
合物類等が挙げられる。エポキシ基硬化促進剤を少量配
合して塗膜を加熱することにより、得られるレジスト被
膜の耐熱性、耐溶剤性、耐酸性、耐メッキ性、密着性、
電気特性及び硬度等の諸特性が向上する。
ハイドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、t
ert−ブチルカテコール、フェノチアジン等が挙げら
れる。
られる組成物の接着性が向上する。密着助剤としては、
好ましくは、カルボキシル基、メタクリロイル基、イソ
シアネート基、エポキシ基などの反応性置換基を有する
シラン化合物(官能性シランカップリング剤)が挙げら
れる。この官能性シランカップリング剤の具体例として
は、トリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシ
ラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアナート
プロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロ
ヘキシル)エチルトリメトキシシランなどが挙げられ
る。
フッ素系、アクリル系などの化合物が挙げられる。
得られる組成物が塗布しやすくなり、得られる膜の平担
度も向上する。界面活性剤としては、例えばBM−10
00(BMヘミー社製)、メガファックF142D、同
F172、同F173および同F183(大日本インキ
化学工業(株)製)、フロラードFC−135、同FC
−170C、フロラードFC−430および同FC−4
31(住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−11
2、同S−113、同S−131、同S−141および
同S−145(旭硝子(株)製)、SH−28PA、S
H−190、SH−193、SZ−6032、SF−8
428、DC−57およびDC−190(東レシリコー
ン(株)製)などが挙げられる。
(A)成分、(B)成分、(C)成分及び必要に応じて
用いられる(D)成分あるいはその他添加剤を、通常有
機溶剤に溶解し、均一に混合することにより、調製する
ことができる。このような有機液剤としては、組成物中
の各成分とは反応せず、かつ相互に溶解するものであれ
ばよく、特に制限はない。例えば、メタノール、エタノ
ールなどのアルコール類;テトラヒドロフランなどのエ
ーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エ
チレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコー
ルメチルエチルエーテル、エチレングリコールモノエチ
ルエーテルなどのグリコールエーテル類;メチルセロソ
ルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのエ
チレングリコールアルキルエーテルアセテート類;ジエ
チレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリ
コールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノブチルエーテルなとのジエチレング
リコール類;プロピレングリコールメチルエーテルアセ
テート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテー
トなどのプロピレングリコールアルキルエーテルアセテ
ート類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;
メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキ
サノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン
などのケトン類;ならびに2−ヒドロキシプロピオン酸
エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチ
ル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、
エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒド
ロキシ−2−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロ
ピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3
−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオ
ン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳
酸エチルなどのエステル類が挙げられる。
キレングリコールアルキルエーテルアセテート類、ジエ
チレングリコールジアルキルエーテル類、ケトン類及び
エステル類が好ましく、特に好ましくは、3−エトキシ
プロピオン酸エチル、乳酸エチル、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコール
モノエチルエーテルアセテート及びメチルアミルケトン
である。これらの溶剤は1種を単独で用いてもよいし、
2種以上を混合して用いてもよい。
は、通常、例えば、孔径1.0〜0.2μm程度のミリ
ポアフィルターなどでろ過してから使用される。
板に塗布する方法としては、ディッピング法、スプレー
法の他、ローラーコーター、スリットコーター、バーコ
ーター、スピンナーを用いる方法等のいずれの方法をも
採用することができる。これらの方法によって、樹脂組
成物溶液を1〜30μm程度の厚さに塗布した後、溶剤
を除去すれば被膜が形成される。
射線は、波長の長いものから順に、可視光線、紫外線、
電子線、X−線、α−線、β−線、γ−線等を使用する
ことができる。これらの中で、経済性及び効率性の点か
ら、実用的には、紫外線が最も好ましい放射線である。
本発明に用いる紫外線は、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超
高圧水銀灯、あるいはアーク灯、キセノンランプ等のラ
ンプから発振される紫外光を好適に使用することができ
る。紫外線よりも、波長の短い前記放射線は、化学反応
性が高く、理論的には紫外線より優れているが経済性の
観点から紫外線が実用的である。
感光層を、上記放射線を用いて選択露光したのち、現像
液を用いて現像処理し、放射線の未照射部分を除去する
ことにより、薄膜のパターニングが行われる。現像方法
としては、液盛り法、ディッピング法、揺動浸漬法など
が挙げられる。
本発明の組成物を溶解することができる有機溶剤が挙げ
らる。
としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナ
トリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、
アンモニア、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエ
チルアミン、ジエチルアミノエタノール、ジ−n−プロ
ピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミ
ン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエ
チルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピヘリジ
ン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−7−ウン
デセン、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)−5−
ノナンが挙げられ、好ましくは炭酸ナトリウム、テトラ
メチルアンモニウムヒドロキシドである。
溶液にメタノール、エタノール、プロパノール、エチレ
ングリコールなどの水溶性有機溶媒、界面活性剤などを
適量添加した水溶液を現像液として使用することもでき
る。
50℃、好ましくは20〜40℃の温度で、市販の現像
機や超音波洗浄機を用いて行うことができる。
るために、加熱してエポキシ硬化処理を施すことが望ま
しい。本発明の樹脂組成物においては、加熱処理を行う
ことにより、強アルカリ水に対する耐久性が著しく向上
するばかりでなく、ガラス、銅等の金属に対する密着
性、耐熱性、表面硬度等の諸性質も向上する。この加熱
硬化条件における加熱温度と加熱時間については、例え
ば、80〜200℃、10〜120分が挙げられる。
重合による被膜の製造方法について、その1例を説明す
る。
任意の方法で基板上にコーティングする。実施例ではス
ピンコートを用いているが、ディップコートやバーコー
ト、ロールコート、スリットコート等のコーティング方
法も勿論可能である。レジスト液をコーティングした
後、溶媒を蒸発させるためにプリベークを行う。次に、
超高圧水銀灯などを用いて密着露光を行い、未露光部を
1重量%程度の炭酸ナトリウム水溶液で現像し、更に水
洗する。そして、200℃程度の温度でポストベークす
ることにより被膜を完全乾燥し、目的の耐熱性、透明
性、密着性、硬度、耐溶剤性、耐アルカリ性等に優れる
コーティング膜を得ることができる。
膜、絶縁塗料、接着剤、印刷インキやコーティング剤等
として、特に液晶の表示装置あるいは固体撮像素子に使
われるカラーフィルター材料として有用である。また、
硬化物は優れた硬度、はんだ耐熱性、透明性、耐酸性、
耐アルカリ性、耐溶剤性、絶縁抵抗、耐電解腐食性、お
よび耐めっき性、さらには、コーティング剤として用い
たときには膜の平滑性、基板に対する密着性を示す。
は、本発明の樹脂組成物にレベリング剤などを配合する
ことで、カラーフィルター用保護膜として好適に使用す
ることができる。この場合、この保護膜上へ250℃と
いう高温でITO(インジウムチンオキシド)をスパッ
タリングすることが可能であり、かつITOのパターニ
ング時の強酸、強アルカリ処理に十分耐え得るものであ
る。従来の保護膜は、最高でも200℃の温度でしかI
TOをスパッタリングすることができなかったことを考
慮すると、本発明に樹脂組成物は、この点でも優れてい
る。
ボンブラックを混合することで、それそれカラーレジス
トインク、あるいはブラックマトリックス用レジストイ
ンクとして好適に使用することができる。この場合、顔
料には公知の有機顔料や無機顔料を用いることができ
る。
は、耐熱性、透明性、基材との密着性、耐酸性、耐アル
カリ性、耐溶剤性、表面硬度などに優れる。さらにこの
硬化膜は有機性の塗膜であるため、低誘電率である。そ
のため、本発明の組成物は、上記カラーフィルター以外
にも多くの用途に利用することが可能である。例えば、
電子部品の保護膜用材料(例えば、カラーフィルターを
包含する液晶表示素子、集積回路素子、固体撮像素子な
どに用いられる保護膜の形成材料);層間絶縁および/
または平坦化膜の形成材料;プリント配線板の製造に用
いられるソルダーレジスト;あるいは、液晶表示素子に
おけるビーズスペーサーの代替となる柱状スペーサーの
形成に好適なアルカリ可溶型の感光性組成物;として好
適に用いられる。さらに、本発明の組成物は、各種光学
部品(レンズ、LED、プラスチックフィルム、基板、
光ディスクなど)の材料;該光学部品の保護膜形成用の
コーティング剤;光学部品用接着剤(光ファイバー用接
着剤など);偏光板製造用のコーティング剤;ホログラ
ム記録用感光性樹脂組成物などとして好適に利用され
る。
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。
つ口フラスコ中に、テトラメチルビフェノール型エポキ
シ樹脂193g(油化シェル社製、エピコート YX−
4000、エポキシ当量193)とテトラメチルアンモ
ニウムクロライド110mg、2,6−ジ−tertブ
チル4−メチルフェノール100mg及びアクリル酸7
2gを仕込み、これに25mL/分の速度で空気を吹き
込みながら90〜100℃で加熱溶解した。次に、溶液
が白濁した状態のまま徐々に昇温し、120℃に加熱し
て完全溶解させた。ここで溶液は次第に透明粘桐になっ
たがそのまま攪拌を継続した。この間、酸価を測定し、
1.0mgKOH/g未満になるまで加熱攪拌を続け
た。酸価が目標に達するまで12時間を要した。そして
室温まで冷却し、無色透明で固体状の式(4)で表され
るテトラメチルビフェノール型エポキシアクリレートを
得た。
トラメチルビフェノール型エポキシアクリレート265
gにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト600gを加えて溶解した後、ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸二無水物80.5g及び臭化テトラエチルア
ンモニウム1gを混合し、徐々に昇温して110〜11
5℃で4時間反応させた。酸無水物基の消失を確認した
後、1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸38.
0gを混合し、90℃で6時間反応させ、一般式(1)
で表される樹脂1(式中、Y/Zモル比=50.0/5
0.0)を得た。酸無水物の消失はIRスペクトルによ
り確認した。
造したテトラメチルビフェノール型エポキシアクリレー
ト265gを用い、プロピレングリコールモノメチルエ
ーテルアセテート600gを加えて溶液とした後、ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸二無水物104.7g及び
臭化テトラエチルアンモニウム1gを混合し、徐々に昇
温して110〜115℃で4時間反応させた。酸無水物
基の消失を確認した後、1,2,3,6−テトラヒドロ
無水フタル酸15.2gを混合し、90℃で6時間反応
させ、一般式(1)で表される樹脂2(式中、Y/Zモ
ル比=23.5/76.5)を得た。酸無水物の消失は
上記実施例1と同様にIRスペクトルにより確認した。
造したテトラメチルビフェノール型エポキシアクリレー
ト265gを用い、プロピレングリコールモノメチルエ
ーテルアセテート600gを加えて溶液とした後、ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸二無水物67.6g及び臭
化テトラエチルアンモニウム1gを混合し、徐々に昇温
して110〜115℃で4時間反応させた。酸無水物基
の消失を確認した後、1,2,3,6−テトラヒドロ無
水フタル酸48.6gを混合し、90℃で6時間反応さ
せ、一般式(1)で表される樹脂3(式中、Y/Zモル
比=60/40)を得た。酸無水物の消失はIRスペク
トルにより確認した。
造したテトラメチルビフェノール型エポキシアクリレー
ト265gを用い、プロピレングリコールモノメチルエ
ーテルアセテート600gを加えて溶液とした後、ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸二無水物96.6g及び臭
化テトラエチルアンモニウム1gを混合し、徐々に昇温
して110〜115℃で4時間反応させた。酸無水物基
の消失を確認した後、1,2,3,6−テトラヒドロ無
水フタル酸45.6gを混合し、90℃で6時間反応さ
せ、一般式(1)で表される樹脂4(式中、Y/Zモル
比=50.0/50.0)を得た。酸無水物の消失はI
Rスペクトルにより確認した。
つ口フラスコ中に、1,6−ナフタレンジオール型エポ
キシ樹脂141g(大日本インキ工業社製、エピクロン
HP−4032D、エポキシ当量141)、テトラメ
チルアンモニウムクロライド110mg、2,6−ジ−
tertブチル4−メチルフェノール100mg及びア
クリル酸72.0gを仕込んだ。この混合液に25mL
/分の速度で空気を吹き込みながら90〜100℃に加
熱して、白濁溶液を得た。この白濁溶液を徐々に昇温
し、120℃まで加熱した。白濁溶液は、温度が上昇す
るにつれて、次第に透明、粘稠になった。白濁後、一定
時間毎に酸価を測定し、酸価が1.0mgKOH/g未
満になるまで加熱攪拌を続けた。酸価が目標に達するま
で12時間を要した。そして室温まで冷却し、無色透明
で固体状の一般式(4)で表される1,6−ナフタレン
ジオール型エポキシアクリレートを得た。
1,6−ナフタレンジオール型エポキシアクリレート2
13gにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセ
テート600gを加えて溶解した後、ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸二無水物80.5g及び臭化テトラエチ
ルアンモニウム1gを混合し、徐々に昇温して110〜
115℃で4時間反応させた。酸無水物基の消失を確認
した後、1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸3
8.0gを混合し、90℃で6時間反応させ、一般式
(1)で表される樹脂5(式中、Y/Zモル比=50.
0/50.0)を得た。酸無水物の消失はIRスペクト
ルにより確認した。
造したテトラメチルビフェノール型エポキシアクリレー
ト265gを用い、プロピレングリコールモノメチルエ
ーテルアセテート600gを加えて溶液とした後、ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸二無水物102.3g及び
臭化テトラエチルアンモニウム1gを混合し、徐々に昇
温して110〜115℃で4時間反応させた。酸無水物
基の消失を確認した後、1,2,3,6−テトラヒドロ
無水フタル酸0.5gを混合し、90℃で6時間反応さ
せ、一般式(1)で表される樹脂6を得た。しかし、こ
の樹脂6は、式中、Y/Zモル比=0.8/99.2で
あり、本発明の範囲には入らない樹脂である。酸無水物
の消失はIRスペクトルにより確認した。
造したテトラメチルビフェノール型エポキシアクリレー
ト265gを用い、プロピレングリコールモノメチルエ
ーテルアセテート600gを加えて溶液とした後、ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸二無水物48.3g及び臭
化テトラエチルアンモニウム1gを混合し、徐々に昇温
して110〜115℃で4時間反応させた。酸無水物基
の消失を確認した後、1,2,3,6−テトラヒドロ無
水フタル酸68.4gを混合し、90℃で6時間反応さ
せ、一般式(1)で表される樹脂7を得た。酸無水物の
消失はIRスペクトルにより確認した。この樹脂7は、
式中、Y/Zモル比=75/25であり、本発明の範囲
には入らない樹脂である。
造したテトラメチルビフェノール型エポキシアクリレー
ト265gを用い、プロピレングリコールモノメチルエ
ーテルアセテート600gを加えて溶液とした後、ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸二無水物80.5g、1,
2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸38.0g、及
び臭化テトラエチルアンモニウム1gを混合し、徐々に
昇温して110〜115℃で6時間反応させ、一般式
(7)で表される樹脂8(式中、Y/Zモル比=50.
0/50.0)を得た。酸無水物の消失はIRスペクト
ルにより確認した。この樹脂8は、本発明の樹脂の構造
を有していない。
造したテトラメチルビフェノール型エポキシアクリレー
ト265gを用い、プロピレングリコールモノメチルエ
ーテルアセテート300gを加えて溶液とした後、1,
2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸114g、及び
臭化テトラエチルアンモニウム1gを混合し、徐々に昇
温して90〜100℃で4時間反応させ、樹脂9を得
た。酸無水物の消失はIRスペクトルにより確認した。
較例1〜4で得られた樹脂6〜9について製造時の当量
比及び性状を表1に示す。
目は、以下の通りである。 1)当量比は、エポキシアクリレート/ベンゾフェノン
テトラカルボン酸二無水物/1,2,3,6−テトラヒ
ドロ無水フタル酸の当量比を表す。 2)樹脂酸価の測定は、試料1gを100ml三角フラ
スコに精秤し、アセトン30mlを加えて溶解させたの
ち、指示薬としてブロモチモールブルー液を用い、0.
1M NaOH水溶液にて滴定して行った。 3)数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィー法により測定した換算値である。
樹脂1〜5は、樹脂酸価の理論値と実測値がほば同じ値
を示していることから、反応中に縮合反応が起っておら
ず、一般式(1)で示されるような構造の樹脂が得られ
ていると考えられる。さらに、経時で分子量が増大する
ことは確認されず、工業化に際しても安定的な製造方法
であることが証明された。
9より小さいことから、分子量も大きくなり、溶液粘度
も高かった。また、樹脂7は、Y/Zのモル比が65/
35より大きく、分子量が小さく、溶液粘度も低かっ
た。さらに、樹脂8は、その物性値(酸価の低下、粘度
の上昇)が示すように、酸無水物/酸二無水物の配合比
率を同じにしても、縮合反応による分子量増大が起こ
り、溶液粘度が大きくなった。この傾向は反応時間が伸
びるにしたがって大きくなることが確認された。また、
樹脂9は分子量も小さく、溶液粘度も低かった。なお、
溶液粘度は、プロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテートに樹脂を50重量%となるように溶解し、B
型粘度計を用いて25℃で測定した。
例1〜5及び比較例1〜4で得られた光重合性不飽和樹
脂(樹脂1〜9)を用い、表2に示す配合組成のレジス
ト溶液を調製した。なお、実施例13は樹脂1(ビフェ
ノール型樹脂)と樹脂5(ナフタレン型樹脂)との1:
1組成物である。
エポキシ樹脂は、油化シェル社製、商品名「エピコート
YX−4000」、エポキシ当量193である。またイ
ルガキュアー907は、チバスペシャリティケミカルズ
社製である。
いてガラス基板上に塗布した後、90℃のホットプレー
ト上で120秒間プリベークして、膜厚約2μmの塗膜
を形成した。この塗膜上に所定のパターンを有するマス
クを置き、250Wの高圧水銀ランプを用いて、波長4
05nm、光強度9.5mW/cm2の紫外線を100
0mJ/cm2のエネルギー量となるように塗膜に照射
し、露光処理した。照射後、1重量%炭酸ナトリウム水
溶液を用いて25℃で30秒間の現像処理を行ない、塗
膜の未露光部を除去した。その後、超純水でリンス処理
を行なった。この露光処理および現像処理を行った薄膜
を有するガラス基板を200℃のオーブン内に30分間
放置し(ポストベーク処理)、薄膜を加熱硬化させ、加
熱硬化膜を得た。
加熱工程および得られた加熱硬化膜についての、それぞ
れの樹脂の評価は、以下のように行った。
400に準じて評価した。評価の基準は次の通りであ
る。 ○:全くスティッキングが認められない。 △:わずかにスティッキングが認められる。 ×:顕著にスティッキングが認められる。
プリベークした塗膜を1重量%の炭酸ナトリウム水溶液
に30秒間浸漬して現像し、現像後のガラス基板を50
倍に拡大して、残存する樹脂を目視で評価した。評価の
基準は次の通りである。 ○:現像性の良好なもの(ガラス上にレジストが全く残
らないもの) △:現像性の不良なもの(ガラス上にレジストがわずか
に残るもの) ×:現像性の不良なもの(ガラス上にレジストが多く残
るもの)
ット(光学濃度12段差のネガマスク)を塗膜に密着
し、露光・現像を行った。その後、残存するステップタ
ブレットの段数をカウントした。表3の数字は、段差の
数である。この評価法では、高感度であるほど残存する
段数が多くなる。
の試験法に準じて測定した。鉛筆硬度試験機を用いて、
加熱硬化膜に9.8Nの荷重をかけた際に、塗膜にキズ
が付かない最も高い硬度を硬度とした。対照として使用
した鉛筆は「三菱ハイユニ」である。
ング試験で測定した。少なくとも100個の碁磐目を作
るように塗膜にクロスカットを入れ、次いで、セロテー
プ(登録商標)を用いて引き剥がし、碁盤目の剥離の状
態を光学顕微鏡で50倍に拡大して評価した。評価の基
準は次の通りである。 ○:全く剥離が認められない。 ×:剥離が少しでも認められる。
ベークを行い、塗膜の状態を評価した。評価の基準は次
の通りである。 ○:塗膜の外観に異常なし: ×:塗膜の外観にわれ、剥離、着色あり
間浸漬 (ii)アルカリ性溶液 ii-1:5重量%NaOH水溶液中に室温で24時間浸漬 ii-2:4重量%KOH水溶液中に50℃で10分間浸漬 ii-3:1重量%NaOH水溶液中に80℃で5分間浸漬 (iii)溶剤 iii-1:N−メチルピロリドン中に40℃で10分間浸
漬 iii-2:N−メチルピロリドン中に80℃で5分間浸漬 浸漬後の塗膜の状態を評価した。評価の基準は次の通り
である。 ○:塗膜の外観に異常なし △:塗膜の外観にわずかにわれ、剥離、着色あり ×:塗膜の外観に顕著なわれ、剥離、着色あり
せずパターニングができなかったため、以降の評価を中
止した。
〜12の樹脂は目的の物性を達成できた。また、実施例
13の樹脂1(ビフェノール型樹脂)と樹脂5(ナフタ
レン型樹脂)との組成物も、良好な物性を達成できた。
しかし、比較例5のように、Y/Z=0.8/99.2
のモル比では、樹脂の分子量が大きくなりすぎるため
に、未露光部が現像液に対して溶解せず、目的のパター
ンが得られない。また、比較例6のように、Y/Z=7
5/25のモル比では、比較例5とは逆に樹脂の分子量
が小さくなりすぎるために、キュアベーク後と溶剤浸漬
後の塗膜外観に問題があり、耐熱性、耐溶剤性に劣る。
組成物は、耐熱性、透明性、密着性、硬度、耐溶剤性、
耐アルカリ性等に優れた保護膜を提供できることが判明
した。
用途に好適に用いられるアルカリ可溶型感放射線性樹脂
組成物における光重合性成分などとして有用である。
重合性不飽和樹脂を含み、従来の樹脂の比べて耐熱性、
透明性に優れた塗膜を形成できる。また、プリベーク後
の塗膜はスティッキングフリーとなって、密着露光が可
能となり、解像度のアップにつながるという利点もあ
る。しかも、加熱して得られる硬化膜は耐酸性、耐アル
カリ性、耐溶剤性、表面硬度等にも優れているので、ソ
ルダーレジスト等の永久保護マスクの用途等に有用であ
るばかりでなく、プリント配線板関連のエッチングレジ
ストや層間絶縁材料、感放射線性接着剤、塗料、スクリ
ーン印刷用の感光液やレジストインキ等の幅広い分野に
使用することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 一般式(1): 【化1】 (式中、Xは一般式(2): 【化2】 で表される基(式中、R1は、それぞれ独立して、水素
原子またはメチル基を表し、Aは一般式(3): 【化3】 (式中、R2は、それぞれ独立して、水素原子、炭素原
子、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基またはハロ
ゲン基を表し、Bは−CO−、−SO2−、−C(CF
3)2−、−Si(CH3)2−、−CH2−、−C
(CH3)2−、−O−または不存在を示す。)か、あ
るいは一般式(4): 【化4】 で表される基、nは1〜20の整数であり、Yはジカル
ボン酸無水物の酸無水物基を除いた残基、Zはテトラカ
ルボン酸二無水物の酸無水物基を除いた残基である)で
表され、数平均分子量が1,000以上である光重合性
不飽和樹脂であって、ジカルボン酸無水物およびテトラ
カルボン酸二無水物をモル比で1:99〜65:35の
割合となるように反応させて得られる、光重合性不飽和
樹脂。 - 【請求項2】 一般式(5): 【化5】 で表されるエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸とを反
応させて、一般式(6): 【化6】 で表される(メタ)アクリル酸エステル誘導体を得たの
ち、これを一般式(7): 【化7】 (式中、Zはテトラカルボン酸二無水物の酸無水物基を
除いた残基である)で表されるテトラカルボン酸二無水
物を反応させ、次いで一般式(8): 【化8】 (式中、Yはジカルボン酸無水物の酸無水物基を除いた
残基である)で表されるジカルボン酸無水物を、ジカル
ボン酸無水物とテトラカルボン酸二無水物とがモル比で
1:99〜65:35の割合となるように添加して反応
させることを特徴とする、一般式(1): 【化9】 (式中、Xは一般式(2): 【化10】 で表される基(式中、R1はそれぞれ独立して、水素原
子またはメチル基を表し、Aは一般式(3): 【化11】 (式中、R2は、それぞれ独立して、水素原子、炭素原
子、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基またはハロ
ゲン基を表し、Bは−CO−、−SO2−、−C(CF
3)2−、−Si(CH3)2−、−CH2−、−C
(CH3)2−、−O−または不存在を示す。)か、あ
るいは一般式(4): 【化12】 で表される基)であり、R1、R2、YおよびZは前記
と同じであり、nは1〜20の整数である)で表され、
数平均分子量が1,000以上である光重合性不飽和樹
脂の製造方法。 - 【請求項3】 (A)請求項1記載の光重合性不飽和樹
脂と、(B)エポキシ基を有する化合物と、(C)光重
合開始剤とを含む、アルカリ可溶型感放射線性樹脂組成
物。 - 【請求項4】 さらに、(D)光重合性モノマー及びオ
リゴマーの中から選ばれる少なくとも1種を、(A)成
分100重量部当たり、50重量部以下の割合で含む、
請求項3に記載のアルカリ可溶型感放射線性樹脂組成
物。
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Cited By (7)
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