JP5107022B2 - 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物 - Google Patents
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Description
本発明の目的は、鉛筆硬度が2H以上であっても、プラスチック、金属、ガラス等の基材との密着性に優れる硬化物を与える活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を提供することにある。
該リン酸エステル(A)としては、炭素数(以下Cと略記)9〜40、例えばグリセリンジ(メタ)アクリレートと五酸化二リンの反応物、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物と五酸化二リンの反応物、ポリ(メタ)アクリロイルオキシアシッドホスフェート[ペンタエリスリトール(以下PEと略記)トリ(メタ)アクリレートと五酸化二リンの反応物、ジペンタエリスリトール(以下DPEと略記)ペンタ(メタ)アクリレートと五酸化二リンの反応物等] およびこれらの混合物が挙げられる。これらのうち好ましいのはPEトリ(メタ)アクリレートと五酸化二リンの反応物、DPEペンタ(メタ)アクリレートと五酸化二リンの反応物である。
(1)ジ(メタ)アクリレート〔C8以上かつ数平均分子量[以下Mnと略記。測定はゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)による。]1,500以下〕
(1−1)ポリオキシアルキレン(アルキレン基がC2〜4)(分子量106以上かつMn1,000以下)のジ(メタ)アクリレート
ポリエチレングリコール(以下PEGと略記)(Mn400)、ポリプロピレングリコール(以下PPGと略記)(Mn200)およびポリテトラメチレングリコール(以下PTMGと略記)(Mn650)の各ジ(メタ)アクリレート等;
(1−2)2価フェノール化合物のアルキレンオキシド(以下AOと略記)(2〜30モル)付加物のジ(メタ)アクリレート
2価フェノール化合物[C6〜18、例えば単環(カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン等)、縮合多環(ジヒドロキシナフタレン等)、ビスフェノール化合物(ビスフェノールA、−Fおよび−S等)]のAO付加物[レゾルシノールのエチレンオキシド(以下EOと略記)4モル付加物のジ(メタ)アクリレート、ジヒドロキシナフタレンのプロピレンオキシド(以下POと略記)4モル付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA、−Fおよび−Sの、EO2モル、およびPO4モル各付加物等]の各ジ(メタ)アクリレート等;
(1−3)脂肪族2価アルコール(C2〜30)のジ(メタ)アクリレート
エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール(それぞれ以下EG、NPG、1,6−HDと略記)の各ジ(メタ)アクリレート等;
(1−4)脂環含有2価アルコール(C6〜30)のジ(メタ)アクリレート
ジメチロールトリシクロデカンのジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールのジ(メタ)アクリレートおよび水素化ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレート等
C14以上かつMn1,000以下、例えばトリメチロールプロパン(以下TMPと略記)トリ(メタ)アクリレート、TMPのEO3モルおよびPO3モル付加物の各トリ(メタ)アクリレート、グリセリン(以下、GRと略記)のトリ(メタ)アクリレート、GRのEO3モルおよびPO3モル付加物の各トリ(メタ)アクリレート、PEトリ(メタ)アクリレート、PEテトラ(メタ)アクリレート、PEのEO4モル付加物のテトラ(メタ)アクリレート、DPEペンタ(メタ)アクリレート、DPEのヘキサ(メタ)アクリレート、およびこれらの混合物が挙げられる。
無機充填剤としては、アルミナ[酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、アルミナホワイト(アルミナ水和物)、シリカアルミナ(アルミナとシリカの融着物、アルミナの表面にシリカをコーティングしたもの等)]、ジルコニア、炭化タングステン、炭化チタン、炭化ケイ素、炭化ホウ素、ダイヤモンド、カーボンブラック(チャンネルブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック等)、シリカ(微粉ケイ酸、含水ケイ酸、ケイ藻、コロイダルシリカ等)、ケイ酸塩(微粉ケイ酸マグネシウム、タルク、ソープストーン、ステアライト、ケイ酸カルシウム、アルミノケイ酸マグネシウム、アルミノケイ酸ソーダ等)、炭酸塩[沈降性(活性、乾式、重質または軽質)炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等]、クレー(カオリン質クレー、セリサイト質クレー、バイロフィライト質クレー、モンモリロナイト質クレー、ベントナイト、酸性白土等)、硫酸塩[硫酸アルミニウム(硫酸バンド、サチンホワイト等)、硫酸バリウム(バライト粉、沈降性硫酸バリウム、リトポン等)、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム(石コウ)(無水石コウ、半水石コウ等)等]、鉛白、雲母粉、亜鉛華、酸化チタン、活性フッ化カルシウム、セメント、石灰、亜硫酸カルシウム、二硫化モリブデン、アスベスト、ガラスファイバー、ロックファイバーおよびマイクロバルーン(ガラスマイクロバルーン等)等が挙げられる。
無機充填剤は、2種以上併用してもよく、また2種以上が複合化(例えばシリカに酸化チタンが融着)されたものでもよい。
無機充填剤の形状は、特に限定されず、例えば不定形状、球状、中空状、多孔質状、花弁状、凝集状および粒状のいずれでもよい。
また、有機充填剤の数平均粒径(μm)は、硬化物の光透過性および塗工性の観点から、好ましくは0.01〜30、さらに好ましくは0.05〜10である。
(1)アゾ顔料
不溶性モノアゾ顔料(トルイジンレッド、パーマネントカーミンFB、ファストイエローG等)、不溶性ジスアゾ顔料(ジスアゾイエローAAA、ジスアゾオレンジPMP等)、アゾレーキ(溶性アゾ顔料)(レーキレッドC、ブリリアントカーミン6B等)、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等
(2)多環式顔料
フタロシアニンブルー、インダントロンブルー、キナクリドンレッド、ジオキサジンバイオレット等
(3)染つけレーキ
塩基性染料(ビクトリアピュアブルーBOレーキ等)、酸性染料(アルカリブルートーナー等)等
(4)その他
アジン顔料(アニリンブラック等)、昼光蛍光顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料等
(D4)の使用量は、本発明の樹脂組成物の全重量に基づいて、通常5%以下、添加効果および塗工安定性の観点から好ましくは0.01〜2%である。
(1)ポリオキシアルキレン型
脂肪族アルコール(C4〜30)、[アルキル(C1〜30)]フェノール、脂肪族アミン(C4〜30)および脂肪族アミド(C4〜30)の、AO1〜30モル付加物
脂肪族アルコールとしては、n−、i−、sec−およびt−ブタノール、オクタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ドデカノール、オレイルアルコール等;(アルキル)フェノールとしては、フェノール、メチルフェノールおよびノニルフェノール等;脂肪族アミンとしては、ラウリルアミンおよびメチルステアリルアミン等;および脂肪族アミドとしては、ステアリン酸アミド等が挙げられる。
(2)多価アルコール型
C4〜30の脂肪酸(オクチル酸、2−エチルヘキサン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸等)と多価(2価〜6価またはそれ以上)アルコール(例えばGR、PE、ソルビトールおよびソルビタン)のモノエステル化合物
(3)カルボン酸塩型
C4〜30の脂肪酸(上記に同じ)のアルカリ金属(上記に同じ)塩
C4〜30の脂肪族アルコール(上記に同じ)および脂肪族アルコールのAO(C2〜4)1〜30モル付加物の硫酸エステルアルカリ金属(前記に同じ)塩等
(5)スルホン酸塩型
[アルキル(C1〜30)]フェノール(上記に同じ)のスルホン酸アルカリ金属(前記に同じ)塩
(6)リン酸エステル型
C4〜30の脂肪族アルコール(上記に同じ)および脂肪族アルコールのAO(C2〜4)1〜30モル付加物のリン酸モノ−およびジエステルの塩[アルカリ金属(上記に同じ)塩、4級アンモニウム塩等]
(7)1〜3級アミン塩型
C4〜30の脂肪族アミン[1級アミン(ラウリルアミン等)、2級アミン(ジブチルアミン等)および3級アミン(ジメチルステアリルアミン等)]塩酸塩、トリエタノールアミンとC4〜30の脂肪酸(上記に同じ)のモノエステルの無機酸(塩酸、硫酸、硝酸およびリン酸等)塩
(8)4級アンモニウム塩型
C4〜30の4級アンモニウム(ブチルトリメチルアンモニウム、ジエチルラウリルメチルアンモニウム、ジメチルジステアリルアンモニウム等)の無機酸(上記に同じ)塩等が挙げられる。
(D5)の使用量は、本発明の樹脂組成物の全重量に基づいて、通常5%以下、添加効果および塗工安定性の観点から好ましくは0.05〜3%である。
(D6)の使用量は本発明の組成物の全重量に基づいて、通常5%以下、添加効果および塗膜の透明性の観点から好ましくは0.5〜3%である。
(D7)の使用量は、本発明の樹脂組成物の全重量に基づいて、通常5%以下、添加効果および硬化性の観点から好ましくは0.5〜3%である。
(D8)の使用量は、本発明の樹脂組成物の全重量に基づいて、通常3%以下、添加効果および塗工安定性の観点から好ましくは0.1〜2%である。
(D9)の使用量は、本発明の樹脂組成物の全重量に基づいて、通常3%以下、添加効果および塗工安定性の観点から好ましくは0.01〜2%である。
(D10)の使用量は、本発明の樹脂組成物の全重量に基づいて、通常3%以下、添加効果および硬化性の観点から好ましくは0.005〜2%である。
(D11)の使用量は、本発明の樹脂組成物の全重量に基づいて、通常3%以下、添加効果および塗工安定性の観点から好ましくは0.005〜2%である。
有機溶剤の使用量は、有機溶剤を加える前の本発明の樹脂組成物の全重量に基づいて、通常400%以下、取り扱いの容易さおよび塗工安定性の観点から好ましくは25〜250、さらに好ましくは40〜150%である。
金属基材としては、特に限定はないが、例えば、熱延板、冷延板等の鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、ブリキ、ティンフリースチール、その他各種のめっきあるいは合金めっき鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板等の金属板が挙げられる。さらにはリン酸塩処理、クロメート処理、有機リン酸塩処理、有機クロメート処理、ニッケル等の重金属置換処理等、各種の表面処理を施したものであってもよい。
紫外線の照射量(単位はmJ/cm2)は、通常10〜10,000、組成物の硬化性および硬化物(硬化膜)の可撓性の観点から好ましくは100〜5,000、さらに好ましくは300〜3,000である。
撹拌装置、温度計を備えた反応容器に2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート[商品名「ライトエステルG−201P」、共栄社化学(株)製]75.1部を仕込み、撹拌しながら五酸化二リン[商品名「酸化りん(5)」、関東化学(株)製]24.9部を少量ずつ仕込み、40℃に加熱して4時間反応させ、1分子中に1個のアクリロイル基および1個のメタアクリロイル基を有するリン酸エステル(A−1)を得た。
製造例1において、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレートに代えてPEトリアクリレート[商品名「ライトアクリレートPE−3A」、共栄社化学(株)製]67.7部、および五酸化二リン24.9部に代えて同19.2部を用いたこと以外は製造例1と同様にして、1分子中に3個のアクリロイル基を有するリン酸エステル(A−2)を得た。
製造例1において2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレートに代えてDPEペンタアクリレート[商品名「アロニックス M−403」、東亞合成(株)製]88.1部、および五酸化二リン24.9部に代えて同11.9部を用いたこと以外は製造例1と同様にして、1分子中に5個のアクリロイル基を有するリン酸エステル(A−3)を得た。
表1に従って配合し、樹脂組成物(実施例1〜5、比較例1〜2)を得た。 配合成分は下記の通りである。
比A−1:2−メタアクリロイロキシエチルアシッドホスフェート[商品名「ライトエステルP−1M」、共栄社化学(株)製]
B−1:DPEヘキサアクリレート[商品名「ネオマーDA−600」、三
洋化成工業(株)製]
B−2:PEトリアクリレート[商品名「ライトアクリレートPE3A」、
共栄社化学(株)製]
B−3:DPEペンタアクリレート[商品名「アロニックス M‐403」、
東亞合成(株)製]
C−1:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン[商品名「イルガキ
ュア184」、チバスペシャルティケミカルズ(株)製]
(1)密着性
(1−1)初期密着性
下記の各基材に、樹脂組成物を#10のバーコーターを用いて塗布(塗布直後の厚みは25μm)した後、紫外線照射装置[型番「VPS/I600」、フュージョンUVシステムズ(株)製]を用いて1,000mJ/cm2の紫外線を照射して塗膜を硬化させて被覆物試験片を得た。JIS K5400に準じ、碁盤目試験により下記の基準で評価した(隙間間隔1mm)。
○ 残ったマス目数が90〜100
△ 残ったマス目数が50〜89
× 残ったマス目数が0〜49
(基材)
(1)ケイ酸ガラス板[日本テストパネル(株)製、サイズ1.0mm(厚み)
×7cm×15cm]
(2)PETフィルム[商品名「コスモシャインA4300」、東洋紡績(株)
製、サイズ100μm(厚み)×10cm×10cm]
(3)アルミ蒸着ABS板[サイズ50nm(厚み)×10cm×10cm]
上記(1−1)と同様の試験片を、65℃、95%RHの条件で72時間静置後、さらに23℃、湿度50%RHの条件で24時間静置した後、JIS K5600に準じ、碁盤目試験により下記の基準で評価した(隙間間隔1mm)。
○ 残ったマス目数が90〜100。
△ 残ったマス目数が50〜89。
× 残ったマス目数が0〜49。
JIS K5600に準拠して、引っかき硬度(鉛筆法)により測定した。
Claims (5)
- 1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するリン酸エステル(A)、(A)を除く多官能(メタ)アクリレート(B)および光重合開始剤(C)を含有してなり、(A)、(B)、(C)の合計重量に基づく割合が、(A)が20〜80%、(B)が19〜79%、(C)が1〜15%であり、(A)が、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと五酸化二リンの反応物、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートと五酸化二リンの反応物、および2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレートと五酸化二リンの反応物から選ばれ、(B)が、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのエチレンオキシド4モル付加物のテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのヘキサ(メタ)アクリレート、およびペンタエリスリトールトリアクリレートから選ばれる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
- さらに、充填剤、帯電防止剤、有機顔料、スリップ剤、分散剤、チクソトロピー性付与剤(増粘剤)、シランカップリング剤、レベリング剤、消泡剤、紫外線吸収剤および酸化防止剤からなる群から選ばれる添加剤(D)を含有させてなる請求項1記載の組成物。
- 請求項1または2記載の組成物を含有してなるコーティング剤、接着剤またはシーリング剤。
- 請求項1または2記載の組成物を基材表面の少なくとも片面の少なくとも一部に塗布し、活性エネルギー線を照射して硬化させてなる硬化物。
- 請求項4記載の硬化物を基材の少なくとも片面の少なくとも一部に有する被覆物。
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