JP6537934B2 - 活性エネルギー線硬化性組成物の製造方法 - Google Patents

活性エネルギー線硬化性組成物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は活性エネルギー線硬化性組成物の製造方法に関する。詳しくは、硬度と透明性に優れるハードコート膜を与える活性エネルギー線硬化性組成物の製造方法に関する。
従来より、ハードコート塗膜を保護層にしたプラスチックフィルムを表面に設けた液晶ディスプレイ(LCD)やタッチパネルディスプレイ等の表示装置やLCD中の偏光子、光ファイバ、光ディスク等の電子素子が知られており、ハードコート塗膜が表面の傷付き防止や粉塵付着防止等の表面保護目的に使用されている。近年、スマートフォンやタブレット端末など指やペンで画面に直接触れて操作するタッチパネルを備えた電子機器の普及が著しく、このような機器ではタッチパネル表面のさらなる硬度向上が求められている。
一般にハードコート塗膜の表面保護機能を高める方策として、硬度の高い無機フィラーを活性エネルギー線硬化性組成物中へ配合し、ハードコート層とする手法が知られている(例えば特許文献1〜3)。
しかしながら、無機フィラーを添加する場合にはその含有量が低いと十分な表面保護機能が得られず、その反面、含有量が高いと塗膜の透明性が悪化するという問題がある。
特開2012−7028号公報 特開2015−86103号公報 特開2015−36402号公報
本発明は無機酸化物を高濃度で含有しても高い透明性を有し、かつ高い硬度を有する硬化物を与える活性エネルギー線硬化性組成物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、無機酸化物(A)と、活性水素を有する反応性基(α)を少なくとも1個有する多官能(メタ)アクリレート(B)と、光重合開始剤(C)とを含有する活性エネルギー線硬化性組成物(D)の製造方法であって、多官能(メタ)アクリレート(B)中の反応性基(α)と無機酸化物(A)中の水酸基とが反応して化学結合しており、多官能(メタ)アクリレート(B)中、触媒(b)存在下で無機アルコキシド(a1)、金属無機酸塩(a2)および無機塩化物(a3)からなる群より選ばれる1種以上の無機酸化物前駆体(a)と水を反応させて無機酸化物(A)を製造することを特徴とする活性エネルギー線硬化性組成物の製造方法である。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の製造方法により、透明性に優れ、かつ高い硬度を有する硬化物を与えることができるという効果を奏する。
本発明は、無機酸化物(A)と、活性水素を有する反応性基(α)を少なくとも1個有する多官能(メタ)アクリレート(B)と光重合開始剤(C)とを含有する活性エネルギー線硬化性組成物(D)の製造方法である。この無機酸化物(A)は、単に配合するのではなく、多官能(メタ)アクリレート(B)を溶媒とし、触媒(b)存在下で、無機酸化物前駆体(a)と水とを反応させることにより系中で製造することが本発明の特徴である。
そして、無機酸化物前駆体(a)を、無機アルコキシド(a1)、金属無機酸塩(a2)および無機塩化物(a3)からなる群より選ぶことにより、多官能(メタ)アクリレート(B)中の反応性基(α)と無機酸化物(A)中の水酸基とが反応して化学結合が生じる。
本発明の無機酸化物(A)とは、多官能(メタ)アクリレート(B)中で、触媒(b)存在下で無機酸化物前駆体(a)と水を反応させて、加水分解により得られるものである。
そして、本発明の無機酸化物前駆体(a)は、無機アルコキシド(a1)、金属無機酸塩(a2)および無機塩化物(a3)からなる群より選ばれる1種以上の化合物である。
無機アルコキシド(a1)としては、ケイ素アルコキシド、チタンアルコキシド、ジルコニウムアルコキシド、ハフニウムアルコキシド、亜鉛アルコキシド、アルミニウムアルコキシド、ガリウムアルコキシド、インジウムアルコキシド、ゲルマニウムアルコキシド、スズアルコキシドなどが挙げられる。
これらのうち、硬度の観点から好ましいのは、ケイ素、アルコキシド、チタンアルコキシド、ジルコニウムアルコキシドである。
また、アルコキシド部分は特に限定されないが、メトキシド、エトキシド、1−プロポキシド、2−プロポキシド、n−ブトキシド、s−ブトキシド、t−ブトキシドなどが挙げられる。
金属無機酸塩(a2)としては、チタン、ジルコニウムなどの金属と、硝酸、硫酸などの無機酸の組み合わせが挙げられ、具体例としては、4硝酸チタン、オキシ硫酸チタン、オキシ硝酸ジルコニウムおよび硫酸ジルコニウムなどが挙げられる。これらのうち好ましいのは、4硝酸チタン、オキシ硫酸チタン、オキシ硝酸ジルコニウムである。
無機塩化物(a3)としては、金属塩化物と非金属塩化物が挙げられ、例えば、4塩化チタン、4塩化ジルコニウム、4塩化ハフニウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、塩化ガリウム、塩化インジウム、塩化スズなどの金属塩化物と、4塩化ケイ素、4塩化ゲルマニウムなどの非金属塩化物が挙げられる。
これらのうち好ましいのは、ケイ素、チタン、ジルコニウムなどの塩化物が挙げられ、具体的には、4塩化ケイ素、4塩化チタンおよび4塩化ジルコニウムである。
本発明の無機酸化物(A)は、多官能(メタ)アクリレート(B)を溶媒とし、触媒(b)存在下で、無機酸化物前駆体(a)と水とを反応させることにより系中で製造する。
触媒(b)としては、無機酸または有機酸が好ましい。
無機酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸、もしくはフッ化水素酸等が挙げられる。
また、有機酸としては、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、芳香族カルボン酸、ヒドロキシ酸、ジカルボン酸、もしくはスルホン酸等が挙げられる。
飽和脂肪酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸などの炭素数が1〜18の飽和脂肪酸が挙げられる。
不飽和脂肪酸としては、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などの不飽和脂肪酸が挙げられる。
芳香族カルボン酸としては、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ケイ皮酸などの芳香族カルボン酸が挙げられる。
ヒドロキシ酸としては乳酸、リンゴ酸、クエン酸などのヒドロキシ酸が挙げられる。
ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸などのジカルボン酸が挙げられる。
スルホン酸としては、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、10−カンファースルホン酸などのスルホン酸が挙げられる。
上記触媒は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらのうち、反応性の観点で好ましいのは塩酸、酢酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸であり、さらに好ましいのは塩酸および酢酸である。
無機アルコキシドと水とのモル比の(a1)/水は、通常0.25〜10、好ましくは0.5〜5さらに好ましくは1.0〜3.0である。このモル比が小さ過ぎると硬化物の透明性が不十分であり、大き過ぎると硬度が不十分となる。
アルコキシシランの加水分解に用いる水は、一括で添加してもよく、分割して添加してもよい。また、アルコキシシランの加水分解に用いる水は、滴下して添加してもよい。
無機酸化物(A)を製造する際の温度は、40〜80℃であることが好ましく、60〜70℃であることがより好ましい。温度が40℃より高いと反応速度が速くなるため、生産性が向上する。また、80℃より低いと多官能(メタ)アクリレートが反応系中で重合しポリマー化することなく、無機酸化前駆体の重縮合を進行させることができる。
無機酸化物(A)を合成する際の反応時間は、30分〜6時間であることが好ましく、2時間〜4時間であることがより好ましい。
無機酸化物(A)の含有量は、硬度および透明性の観点から、活性エネルギー線硬化性組成物中の(A)および(B)の合計重量に基づいて、25〜80重量%であり、好ましくは30〜70重量%である。
本発明の多官能(メタ)アクリレート(B)は、活性水素を有する反応性基(α)を少なくとも1個有しており、かつ(メタ)アクリロイル基を少なくとも2個、好ましくは3〜6個有する多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
活性水素を有する反応性基(α)としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、チオール基、スルホン酸基、リン酸基、アミド基などが挙げられる。この反応性基(α)は無機酸化物(A)中の水酸基とが反応するために必要である。
これらの反応性基(α)のうち、水酸基、カルボキシル基、リン酸基が好ましく、水酸基がさらに好ましい
具体的には、以下の3価以上の(メタ)アクリレート(B1)、ポリエステル(メタ)アクリレート(B2)、ウレタン(メタ)アクリレート(B3)、エポキシ(メタ)アクリレート(B4)、(メタ)アクリロイル基変性ポリシロキサン重合体(B5)が挙げられる。
3価以上の(メタ)アクリレート(B1)としては、炭素数3〜40の多価アルコールおよびそのAO付加物のポリ(メタ)アクリレートグリセリンのジ(メタ)アクリレート、グリセリンのEO3モルおよびPO3モル付加物の各ジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのEO4モル付加物のトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ポリエステル(メタ)アクリレート(B2)としては、多価カルボン酸と多価アルコールとエステル形成性のアクリロイル基含有化合物のエステル化により得られる複数のエステル結合と2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する分子量150以上かつMn4,000以下のポリエステルアクリレートなどが挙げられる。
上記の多価カルボン酸としては、例えば脂肪族[例えばマロン酸、マレイン酸(無水物)、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、酸無水物の反応物(ジペンタエリスリトールと無水マレイン酸の反応物等)]、脂環式[例えばシクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロ(無水)フタル酸、メチルテトラヒドロ(無水)フタル酸]および芳香族多価カルボン酸[例えばイソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸(無水物)、トリメリット酸(無水物)、ピロメリット酸(無水物)]が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレート(B3)としては、 ポリイソシアネート、ポリオール、水酸基含有(メタ)アクリレートとのウレタン化反応により得られる複数のウレタン結合と2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する分子量400以上かつMn5,000以下のウレタン(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
(B3)の製造に用いられるポリイソシアネートとしては、例えば脂肪族ポリイソシアネート[ヘキサメチレンジイソシアネート等]、芳香(脂肪)族ポリイソシアネート[2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等]、脂環式ポリイソシアネート[イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)等]が挙げられる。
(B3)の製造に用いられるポリオールとしては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
エポキシ(メタ)アクリレート(B4)としては、多価(2〜4価)エポキシドと(メタ)アクリル酸の反応により得られる、少なくともひとつの水酸基と2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する分子量400以上かつMn5,000以下のエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基変性ポリシロキサン重合体(B5)としては、少なくともひとつのシラノール基と主鎖および/または側鎖に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するMn300〜20,000のジメチルポリシロキサンポリ(メタ)アクリレート]などが挙げられる。
上記(B1)〜(B5)は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これら(B1)〜(B5)のうち、硬化物の硬度の観点から好ましいのは(B1)〜(B4)、さらに好ましいのは(B1)および(B3)である。
本発明の(メタ)アクリレート(B)の含有量は、硬度および透明性の観点から、活性エネルギー線硬化性組成物中の(A)および(B)の合計重量に基づいて、20〜75重量%であり、好ましくは30〜60重量%である。
本発明の光重合開始剤(C)としては、フォスフィンオキサイド系化合物(C1)、ベンゾイルホルメート系化合物(C2)、チオキサントン系化合物(C3)、オキシムエステル系化合物(C4)、ヒドロキシベンゾイル系化合物(C5)、ベンゾフェノン系化合物(C6)、ケタール系化合物(C7)、1,3αアミノアルキルフェノン系化合物(C8)などが挙げられる。
フォスフィンオキサイド系化合物(C1)としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
ベンゾイルホルメート系化合物(C2)としては、メチルベンゾイルホルメート等が挙げられる。
チオキサントン系化合物(C3)としては、イソプロピルチオキサントン等が挙げられる。
オキシムエステル系化合物(C4)としては、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1(O−アセチルオキシム))等が挙げられる。
ヒドロキシベンゾイル系化合物(C5)としては、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインアルキルエーテル等が挙げられる。
ベンゾフェノン系化合物(C6)としては、ベンゾフェノン等が挙げられる。
ケタール系化合物(C7)としては、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
1,3αアミノアルキルフェノン系化合物(C8)としては、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン等が挙げられる。
これらの光重合開始剤(C)のうち、硬度および透明性の観点から好ましいのは、(C1)、(C5)、(C8)であり、更に好ましくは、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オンである。
光重合開始剤(C)の含有量は、硬化性および透明性の観点から、活性エネルギー線硬化性組成物中の(A)および(B)の合計重量に基づいて、0.1〜10重量%であり、好ましくは0.2〜7重量%である。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で必要により種々の添加剤を含有させてもよい。
添加剤としては、可塑剤、有機溶剤、分散剤、消泡剤、チクソトロピー性付与剤(増粘剤)、スリップ剤、酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤及び紫外線吸収剤が挙げられる。
本発明の組成物は、塗工の際に、塗工に適した粘度に調整するために、必要に応じて溶剤で希釈した塗料とすることができる。
溶剤の使用量は、該組成物の全重量に基づいて通常2,000%以下、好ましくは10〜500%である。また、塗料の粘度は、使用時の温度(通常5〜60℃)で、通常5〜5,000mPa・s、安定塗工の観点から好ましくは50〜1,000mPa・sである。
溶剤としては、本発明の組成物中の樹脂分を溶解するものであれば特に限定されない。具体的には、芳香族炭化水素(例えばトルエン、キシレンおよびエチルベンゼン)、エステルまたはエーテルエステル(例えば酢酸エチル、酢酸ブチルおよびメトキシブチルアセテート)、エーテル(例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールのモノメチルエーテルおよびジエチレングリコールのモノエチルエーテル)、ケトン(例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−ブチルケトンおよびシクロヘキサノン)、アルコール(例えばメタノール、エタノール、n−およびi−プロパノール、n−、i−、sec−およびt−ブタノール、2−エチルヘキシルアルコールおよびベンジルアルコール)、アミド(例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等)、スルホキシド(例えばジメチルスルホキシド)、水、およびこれらの2種以上の混合溶剤が挙げられる。
これらの溶剤のうちコーティング膜の平滑性および溶剤除去の効率の観点から好ましいのは沸点が70〜100℃のエステル、ケトンおよびアルコール、さらに好ましいのはメチルエチルケトン、酢酸エチル、i−プロパノールおよびこれらの混合物である。
本発明の組成物は、必要により溶剤で希釈して、基材の少なくとも片面の少なくとも一部に塗布し、必要により乾燥させた後、活性エネルギー線(紫外線、電子線、X線等)を照射して硬化させることにより、硬化膜を有するハードコート被覆物を得ることができる。
塗工に際しては、例えば塗工機[バーコーター、グラビアコーター、ロールコーター(サイズプレスロールコーター、ゲートロールコーター等)、エアナイフコーター、スピンコーター、ブレードコーター等]が使用できる。
塗工膜厚は、硬化乾燥後の膜厚として、通常0.5〜300μmである。乾燥性、硬化性の観点から好ましい上限は250μmであり、耐摩耗性、耐溶剤性、耐汚染性の観点から好ましい下限は1μmである。
上記の透明基材としては、メチルメタクリレート(共)重合物、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリトリアセチルセルロース及びポリシクロオレフィン等の樹脂からなるものが挙げられる。
本発明の組成物を溶剤で希釈して使用する場合は、塗工後に乾燥するのが好ましい。乾燥方法としては、例えば熱風乾燥(ドライヤー等)が挙げられる。
乾燥温度は、通常10〜200℃、塗膜の平滑性および外観の観点から好ましい上限は150℃、乾燥速度の観点から好ましい下限は30℃である。
本発明における活性エネルギー線には、紫外線、電子線、X線、赤外線及び可視光線が含まれる。これらの活性エネルギー線のうち硬化性と樹脂劣化の観点から好ましいのは紫外線と電子線である。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を紫外線により硬化させる場合は、種々の紫外線照射装置[例えば、紫外線照射装置[型番「VPS/I600」、フュージョンUVシステムズ(株)製]を使用できる。
使用するランプとしては、例えば高圧水銀灯及びメタルハライドランプ等が挙げられる。紫外線の照射量は、組成物の硬化性及び硬化物の可撓性の観点から好ましくは10〜10,000mJ/cm2、更に好ましくは100〜5,000mJ/cm2である。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
製造例1
撹拌機、冷却管、吹込み管および温度計を備えた反応容器に、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(B−1)[商品名:ネオマーDA−600、三洋化成工業(株)製]65部、水1.51部およびシリケートテトラ−n−エトキシド(a1−1)[商品名:TEOS、東京化成工業(株)製]35部を仕込み30分間攪拌した後、塩酸(b−1)2.36部を仕込み、65℃で2時間反応させた。その後、反応容器を減圧にし、空気を吹き込みながら、70℃で2時間トッピングし、無機酸化物(A−1)の(メタ)アクリレート(B−1)による溶液を得た。
製造例2
ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(B−1)を、ペンタエリスリトールトリアクリレート(B−2)[商品名:ETERMER235、長興化学工業(株)製]65部に変える以外は製造例1と同様にして、無機酸化物(A−2)の(メタ)アクリレート(B−2)による溶液を得た。
製造例3
シリケートテトラ−n−エトキシド(a1−1)をチタニウムテトラ−n−ブトキシド(a1−2)[商品名:B−1、日本曹達(株)製]35部に、(B−1)の部数を60部に、塩酸(b−1)の代わりに酢酸(b−2)1.00部、水の添加量を1.73部に変える以外は製造例1と同様にして、無機酸化物(A−3)の(メタ)アクリレート(B−1)による溶液を得た。
製造例4
(a1−1)の部数を40部に、(B)として(B−1)と(B−2)の部数をそれぞれ30部に変える以外は製造例1と同様にして、無機酸化物(A−4)の(メタ)アクリレート(B−1およびB−2)による溶液を得た。
比較製造例1
(B−1)を、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(B’−1)[商品名:ライトアクリレートDCP−A、共栄社化学(株)製]65部に変える以外は製造例1と同様にして、無機酸化物(A’−1)の(メタ)アクリレート(B’−1)による溶液を得た。
比較製造例2
(B−1)を、フェノキシエチルアクリレート(B’−2)[商品名:ライトアクリレートPO−A、共栄社化学(株)製]65部に変える以外は製造例1と同様にして、無機酸化物(A’−2)の(メタ)アクリレート(B’−2)による溶液を得た。
なお、表1中で使用した原料は以下の通りである。
(a1−1):シリケートテトラ−n−エトキシド[商品名「TEOS」、東京化成工業(株)製]
(a1−2):チタニウムテトラ−n−ブトキシド[商品名:B−1、日本曹達(株)製]
(b−1):塩酸[佐々木化学薬品(株)製]
(b−2):酢酸[ナカライテスク(株)製]
(B−1):ジペンタエリスリトールペンタアクリレート[商品名:ネオマーDA−600、三洋化成工業(株)製、官能基数5個、水酸基1個]
(B−2):ペンタエリスリトールトリアクリレート[商品名:ETERMER235、長興化学(株)製、官能基数3個、水酸基1個]
(B’−1):ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート[商品名:ライトアクリレートDCP−A、共栄社化学(株)製、官能基数2個、活性水素を含む官能基はなし]
(B’−2):フェノキシエチルアクリレート[商品名:ライトアクリレートPO−A、共栄社化学(株)製、官能基数1個]
実施例1
撹拌機、冷却管および温度計を備えた反応容器に、製造例1で得られた無機酸化物(A−1)の(メタ)アクリレート(B−1)溶液を100部、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(C−2)[商品名「イルガキュア907」、BASF社製]2.0部を加え、65℃で均一になるまで混合攪拌し、(D−1)を得た。
実施例2〜4および比較例1〜4
実施例1と同様にして、表2に示す部数(重量部)で均一混合させ、対応する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(D−2)〜(D−4)および(D’−1)〜(D’−4)を得た。
なお、比較例3と4は、本発明のような(B)中で(A)を製造するのではなく、市販の無機酸化物微粒子(A’−3)を、(C)と同時に(B)に配合した。
なお、表2中で使用した原料は以下の通りである。
(A’−3):変性シリカ微粒子[商品名「コロイダルシリカMEK−ST」一次粒径10−15nm MEK40%溶液、日産化学工業(株)製]
(C−1):2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド[商品名「ルシリンTPO」、BASF(株)製]
(C−2):2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン[商品名「イルガキュア907」、BASF(株)製]
(C−3):1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン[商品名「イルガキュア184」、BASF(株)製]
以下に、ヘイズ、全光線透過率、鉛筆硬度の性能評価の方法を説明する。
<硬化フィルム作成法>
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(D−1)〜(D−4)および(D’−1)〜(D’−4)をそれぞれディスパーザーを用いてメチルエチルケトンで希釈し、不揮発分30%に調製する。
厚さ100μmのPETフィルム[商品名「コスモシャインA4300」、東洋紡績(株)製]基材の片面にバーコーターを用い、乾燥硬化後の膜厚が5μmになるように塗布し、60℃で3分間乾燥させた後、紫外線照射装置[型番「VPS/I600」、フュージョンUVシステムズ(株)製。以下同じ。]により、紫外線を300mJ/cm2照射し、基材フィルム表面に硬化膜を有するフィルムを作成した。
得られたフィルムについて下記の方法で性能評価を行った。評価結果を表2に示す。
[ヘイズの測定]
JIS−K7105に準拠し、全光線透過率測定装置[商品名「haze−gard
dual」BYK gardner(株)製]を用いてヘイズを測定した。
[全光線透過率(フィルムの透明性)の測定]
前記テストピースを、JIS−K7105に準拠し、全光線透過率測定装置[商品名「haze−garddual」、BYK gardner(株)製]を用いて全光線透過率(%)を測定した。
[鉛筆硬度の測定]
JIS K−5400に準じ、鉛筆硬度を測定した。
表2の結果から、本発明の実施例1〜4の活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させて得られた硬化膜は、無機酸化物の微粒子を多量に含有しても透明性が損なわれず、かつ無機酸化物中の水酸基と多官能(メタ)アクリレート中の反応性基が化学結合することにより高い硬度を有している。
一方、反応性基を有さない多官能アクリレートを使用している比較例1および単官能アクリレートのみを使用している比較例2は鉛筆硬度が劣る。また、市販の変性シリカ微粒子を(C)と同時に添加する製法であって、30部添加した比較例3は透明性が劣る。そこで、透明性を確保できる20部に減らして添加した比較例4では鉛筆硬度が不十分である。結果的に、本発明の方法で製造していない市販の変性シリカ微粒子では、透明性と鉛筆硬度を両立することができない。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させて得られるハードコート膜を有するハードコートフィルムは、鉛筆硬度および透明性に優れているため、特にプラスチック光学部品、例えばフラットパネルディスプレイ、タッチパネル等表面硬度、透明性が優れる分野に好適である。

Claims (3)

  1. 無機酸化物(A)と、活性水素を有する反応性基(α)を少なくとも1個有する多官能(メタ)アクリレート(B)と、光重合開始剤(C)とを含有する活性エネルギー線硬化性組成物(D)の製造方法であって、無機酸化物(A)と多官能(メタ)アクリレート(B)の合計重量に基づいて、(A)の含有量が25〜80重量%であり、(B)の含有量が20〜75重量%であり、光重合開始剤(C)の含有量が0.1〜10重量%であって、多官能(メタ)アクリレート(B)中の反応性基(α)と無機酸化物(A)中の水酸基とが反応して化学結合しており、多官能(メタ)アクリレート(B)中、無機酸または有機酸である触媒(b)存在下で無機アルコキシド(a1)である無機酸化物前駆体(a)と水を、40〜80℃の温度で、(a1)と水とのモル比[(a1)/水]を0.5〜5で反応させて無機酸化物(A)を製造することを特徴とする活性エネルギー線硬化性組成物(D)の製造方法。
  2. 反応性基(α)が水酸基またはカルボキシル基である請求項1記載の活性エネルギー線硬化性組成物の製造方法。
  3. 無機アルコキシド(a1)が、ケイ素アルコキシド、ジルコニウムアルコキシド、チタンアルコキシド、ハフニウムアルコキシド、亜鉛アルコキシド、アルミニウムアルコキシド、ガリウムアルコキシド、インジウムアルコキシド、ゲルマニウムアルコキシドおよびスズアルコキシドからなる群から選ばれる1種以上である請求項1または2記載の活性エネルギー線硬化性組成物の製造方法。

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