JP6849397B2 - 光硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は光硬化性樹脂組成物に関する。詳しくは、透明性に優れ、高い硬度を有する硬化物を与える光硬化性樹脂組成物に関する。
近年、ハードコート膜を保護層にしたフィルムを表面に設けた液晶ディスプレイ、タッチパネルディスプレイ等の表示装置が、急速に普及している。特にスマートフォンやタブレット端末など指やペンで画面に直接触れて操作するタッチパネルを備えた電子機器の普及が著しく、このような機器ではタッチパネル表面の硬度向上が求められている。タッチパネルの材質としてはガラスよりも安全かつ軽量なPETやアクリルなどの樹脂の使用が望ましいが、これらの樹脂はガラスよりも硬度が劣るのが欠点である。
このため、硬度の高いシリカ微粒子をフィラーとして配合した活性エネルギー線硬化樹脂を主成分とするハードコート層を形成させる方法が知られているが、無機物であるシリカ微粒子は、有機物である活性エネルギー線硬化樹脂のモノマー中では均一に分散し難いため、シリカ微粒子の表面を有機処理することで、分散性を向上させる手法が行われている(特許文献1〜3)。
しかし、本手法で作成した紫外線硬化樹脂組成物は、硬化物の透明性の観点からシリカ粒子の含有量に制限があり、所望するフィルム硬度が得られないという課題がある。
特開2000−264621号公報 特開2015−86103号公報 特開2015−36402号公報
本発明は無機物を多量に含有しても透明性が損なわれず、かつ高い硬度を有する硬化物を与える光硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート及びペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種、ジペンタエリスリトールEO付加物ペンタ(メタ)アクリレート並びに金属アルコキシド(a)の縮合物(A)と多官能アクリレート(B)と光重合開始剤(C)とを含有し、縮合物(A)が下記一般式(1)で表され、(A)〜(C)の合計重量に基づいて(A)の含有量が25〜80重量%であり、
前記多官能アクリレート(B)が、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート及びペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種と、ジペンタエリスリトールEO付加物ヘキサ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールEO付加物ペンタ(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種とを含有し、
厚さが70μmの場合の硬化物のヘイズ値が1%以下であることを特徴とする光硬化性樹脂組成物である。
Figure 0006849397
[一般式(1)中、RとR2はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数が1〜4のアルキル基、または多価アルコールと(メタ)アクリル酸との1個以上の水酸基を有するエステル化合物(d)から1個の水酸基を除いた残基 を表す。R3とR4はそれぞれ独立に水素原子、炭素数が1〜4のアルキル基、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物(d)から水酸基を除いた残基、または下記一般式(2)で表される金属原子含有有機基を表し、複数あるR3とR4は同一であっても異なっていてもよい。Mはシリコン、チタニウムまたはジルコニウム原子を表す。nは2〜15の整数である。]
Figure 0006849397
[一般式(2)中、R5、R6およびR7はそれぞれ独立に水素原子、炭素数が1〜4のアルキル基、または多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物(d)から水酸基を除いた残基を表し、複数あるRとRは同一であっても異なっていてもよい。Mはシリコン、チタニウムまたはジルコニウム原子を表す。kは1〜5の整数である。]
本発明の光硬化性樹脂組成物は無機物を多量に含有しても透明性が損なわれず、かつ高い硬度を有する硬化物を与えることができるという効果を奏する。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、金属アルコキシドの縮合物(A)と多官能(メタ)アクリレート(B)と光重合開始剤(C)を含有し、(A)〜(C)の合計重量に基づいて、金属アルコキシドの縮合物(A)の含有量が25〜80重量%であり、この硬化物のヘイズ値が1%以下であることを特徴とする。この金属アルコキシドの縮合物(A)は下記一般式(1)で表される。
Figure 0006849397
一般式(1)中、RとR2はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数が1〜4のアルキル基、または多価アルコールと(メタ)アクリル酸との1個以上の水酸基を有するエステル化合物(d)から1個の水酸基を除いた残基 を表す。R3とR4はそれぞれ独立に水素原子、炭素数が1〜4のアルキル基、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物(d)から水酸基を除いた残基、または下記一般式(2)で表される金属原子含有有機基を表し、複数あるRとRは同一であっても異なっていてもよい。Mはシリコン、チタニウムまたはジルコニウム原子を表す。nは2〜15の整数である。
Figure 0006849397
一般式(2)中、R5、R6およびR7はそれぞれ独立に水素原子、炭素数が1〜4のアルキル基、または多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物(d)から水酸基を除いた残基を表し、複数あるR5とR6は同一であっても異なっていてもよい。Mはシリコン、チタニウムまたはジルコニウム原子を表す。kは1〜5の整数である。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレートまたはメタクリレート」を、「(メタ)アクリル酸」とは「アクリル酸またはメタクリル酸」を、「(メタ)アクリロイル基」とは「アクリロイル基またはメタクリロイル基」を意味する。
以下に、必須成分の金属アルコキシド(a)の縮合物(A)、多官能(メタ)アクリレート(B)および光重合開始剤(C)を順次説明する。
本発明の金属アルコキシド(a)の縮合物(A)は、下記一般式(1)で表されるものに限定される。
Figure 0006849397
この一般式(1)中、RとR2はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数が1〜4のアルキル基、または多価アルコールと(メタ)アクリル酸との1個以上の水酸基を有するエステル化合物(d)から1個の水酸基を除いた残基 を表す。
ここで、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物とは、多価アルコールとアクリル酸またはメタクリル酸とを反応させたエステル反応物のうち、水酸基が少なくとも1個以上残っているエステル化合物であって、RとRとして使用できる有機基としてはこのエステル化合物から1個の水酸基を除いた残基のことを指す。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの炭化水素が水酸基で置換された通常 のアルコール;その誘導体としてのジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトールなどが挙げられる。
これらの多価アルコールとアクリル酸とのエステル反応物で水酸基が1個以上残っているエステル化合物としては、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中で好ましいエステル化合物としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物から水酸基を除いた残基としては、下記一般式(3)で表される有機基が好ましい。
Figure 0006849397
式(3)中、mは0〜5の整数である。
この一般式(3)で表される有機基は、具体的にはペンタエリスリトールまたはこの誘導体としてのジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトールとアクリル酸とのエステル化合物から水酸基を除いた残基である。
この式(3)中のmは0〜5の整数であり、具体的には、mが0のペンタエリスリトールのトリアクリレートの残基、mが1のジペンタエリスリトールペンタアクリレートの残基、mが2のトリペンタエリスリトールヘプタアクリレートの残基、mが3のテトラペンタエリスリトールノナンアクリレート、mが4のペンタペンタエリスリトールウンデカンアクリレート、mが5のヘキサペンタエリスリトールトリデカンアクリレートの残基が挙げられる。
とRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数が1〜4のアルキル基、上記の一般式(3)で表される不飽和炭化水素基多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物から水酸基を除いた残基、または下記一般式(2)で表される金属原子含有有機基を表す。
Figure 0006849397
式(2)中、kは1〜5の整数であり、好ましくは1である。
、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数が1〜4のアルキル基、または上記一般式(3)で表される多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物から水酸基を除いた残基を表す。
式(1)と(2)中のMはシリコン、チタニウムまたはジルコニウム原子を表し、好ましくは硬度の観点からシリコン、チタニウムである。
また、式(1)中のnは2〜15の整数である。
本発明の金属アルコキシド(a)の縮合物(A)は、テトラアルコシキシランなどの金属アルコキシド(a)と水との加水分解物の縮合と同時に、この縮合物と多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物が縮合して得られる。
金属アルコキシド(a)と多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物を共存させることにより、一般式(1)のR〜Rのうちの少なくとも1個が、一般式(3)で表される多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物から水酸基を除いた残基であるか、または一般式(2)のRとRうちの少なくとも1個が、一般式(3)で表される多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物から水酸基を除いた残基であると、鉛筆硬度が著しく向上する。
本発明では触媒(b)存在下で反応させることが好ましく、触媒(b)としては酸触媒(b1)、塩基触媒(b2)が挙げられる。
酸触媒(b1)としては無機酸と有機酸が挙げられ、無機酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸が挙げられる。
有機酸としては、スルホン酸、カルボン酸、ヒドロキシ酸、シュウ酸が挙げられる。
塩基触媒(b2)としては金属水酸化物、有機アミンなどが挙げられ、金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムが挙げられる。
有機アミンとしては、脂肪族アミン、脂環式アミン、芳香族アミン、複素環アミンが挙げられる。
脂肪族アミンとしては、ヘキシルアミン、オクチルアミン、メチルヘキシルアミン、メチルオクチルアミン、ジメチルヘキシルアミン、ジメチルオクチルアミン、ジメチルラウリルアミンおよびジメチルセチルアミンなどのアルキル基の炭素数が1〜18のモノ−、ジ−およびトリ−アルキルアミンが挙げられる。
脂環族アミンとしては、シクロブチルアミン、シクロヘキシルアミン、シクロペンチルアミン、シクロオクチルアミン、N−メチルシクロヘキシルアミンおよびN−エチルシクロヘキシルアミンなどのシクロアルキル基の炭素数が4〜12のシクロアルキルアミンおよびこれらのアルキル(炭素数1〜6)置換体が挙げられる。
芳香族アミンとしてはアニリン、ジフェニルアミンなどの炭素数が6〜18の芳香族アミンが挙げられる。
複素環アミンとしては、モルホリンなどの炭素数が4〜10の複素環アミンが挙げられる。
これらのうち反応性の観点で好ましいのは塩酸、酢酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸であり、さらに好ましいのは、塩酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸である。
金属アルコキシド(a)としては、アルコキシシラン、アルコキシチタン、アルコキシジルコニウムなどが挙げられる。
これらのうち、硬度の観点から好ましいのは、アルコキシシラン、アルコキシチタンである。
アルコキシシランとして、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシランが挙げられ、これらの市販品として、テトラエトキシシラン(東京化成工業株式会社製)、エチルシリケート28、エチルシリケート28P、N−プロピルシリケート、N−ブチルシリケート(以上、コルコート株式会社製)、正珪酸メチル、正珪酸エチル、高純度正珪酸エチル、高純度正珪酸エチル(EL)(以上、多摩化学工業株式会社製)、Dynasylan SILBOND CONDENSED(エボニックジャパン社製)などが挙げられる。
金属アルコキシド(a)の縮合物(A)を製造する際の温度は、40〜80℃であることが好ましく、60〜70℃であることがより好ましい。温度が40℃より高いと反応速度が速くなるため、生産性が向上する。また、80℃より低いと多官能(メタ)アクリレートが反応系中で重合しポリマー化することなく、金属アルコキシドの加水分解、重縮合を進行させることができる。
金属アルコキシド(a)の縮合物(A)を合成する際の反応時間は、30分〜6時間であることが好ましく、2時間〜4時間であることがより好ましい。
本発明の金属アルコキシドの縮合物(A)のうちの金属アルコキシド(a)の加水分解縮合物と多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物との化学結合は、金属アルコキシドと水とを反応させて金属アルコキシド縮合物を生成させる際の反応条件で十分進行する。温度は、40〜80℃であることが好ましく、60〜70℃であることがより好ましい。
硬度および透明性のバランスの観点から、本発明の光硬化性樹脂組成物中の金属アルコキシド(a)の縮合物(A)の含有量は、(A)〜(C)の合計重量に基づいて、25〜80重量%であり、好ましくは30〜70重量%であり、更に好ましくは30〜60重量%である。25重量%未満であると硬度が不足し、80重量%を越えると、透明性が悪化する。
本発明の光硬化性樹脂組成物に含有する多官能(メタ)アクリレート(B)は、硬度の観点から、少なくとも2個、好ましくは3〜6個の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートが好ましい。
具体的には、以下のジ(メタ)アクリレート(B1)、3価以上の(メタ)アクリレート(B2)、ポリエステル(メタ)アクリレート(B3)、ウレタン(メタ)アクリレート(B4)、エポキシ(メタ)アクリレート(B5)、(メタ)アクリロイル基変性ブタジエン重合体(B6)、(メタ)アクリロイル基変性ジメチルポリシロキサン重合体(B7)が挙げられる。
ジ(メタ)アクリレート(B1)としては、ポリオキシアルキレン(アルキレンの炭素数は2〜4)[分子量106以上かつ数平均分子量(以下、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法による数平均分子量をMnと略記する。)3,000以下]のジ(メタ)アクリレート(B11): ポリエチレングリコール(Mn400)、ポリプロピレングリコール(Mn200)およびポリテトラメチレングリコール(Mn650)の各ジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、ジ(メタ)アクリレート(B1)としては、2価フェノール化合物のアルキレンオキサイド(以下、「アルキレンオキサイド」をAOと略記する。)(2〜30モル)付加物のジ(メタ)アクリレート:2価フェノール化合物[単環フェノール(カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン等)、縮合多環フェノール(ジヒドロキシナフタレン等)、ビスフェノール化合物(ビスフェノールA、−Fおよび−S等)]のAO付加物[レゾルシノールのEO4モル付加物のジ(メタ)アクリレート、ジヒドロキシナフタレンのPO4モル付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA、−Fおよび−Sの、EO2モル、およびPO4モル各付加物等]の各ジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
炭素数2〜30の脂肪族2価アルコールのジ(メタ)アクリレート:ネオペンチルグリコールおよび1,6−ヘキサンジオールの各ジ(メタ)アクリレートが挙げられる炭素数6〜30の脂環含有2価アルコールのジ(メタ)アクリレート:ジメチロールトリシクロデカンのジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールのジ(メタ)アクリレートおよび水素化ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
3価以上の(メタ)アクリレート(B2)としては、炭素数3〜40の多価アルコールおよびそのAO付加物のポリ(メタ)アクリレート、 トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリンのトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのEO3モルおよびPO3モル付加物の各トリ(メタ)アクリレート、グリセリンのEO3モルおよびPO3モル付加物の各トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのEO4モル付加物のテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、後述するように、多官能(メタ)アクリレート(B)は、金属アルコキシド(a)の縮合物(A)中の水酸基と反応して化学結合を生成する反応性基(α)を有することが好ましい。そして、そのような反応性基(α)としての水酸基を分子内に有するし3価以上の(メタ)アクリレート(B21)は、多価アルコールと、アクリル酸またはメタクリル酸とのエステル反応物で水酸基を1個以上有するものが挙げられる。
そのような水酸基を分子内に有するし3価以上の(メタ)アクリレート(B21)としては、ペンタエリスリトールのトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのEO付加物のトリ(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールのペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのテトラ(メタ)アクリレート(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのEO付加物のペンタ(メタ)アクリレート;トリペンタエリスリトールポリアクリレートなどが挙げられる。
さらに、多価アルコールと、アクリル酸またはメタクリル酸とのエステル反応では一般に、化学当量的に均一のものではなく、異なったエステル結合の数(すなわち水酸基の数)の混合物として得られる。例えば、水酸基を6個有するジペンタエリスリトール1モルに 6モルのアクリル酸を反応させてジペンタエリスリトールのヘキサアクリレートを製造する際には、水酸基1個を有するジペンタエリスリトールのペンタアクリレートや水酸基2個を有するジペンタエリスリトールのテトラアクリレートも副生し、これらの混合物となる。
ポリエステル(メタ)アクリレート(B3)としては、多価カルボン酸と多価アルコールとエステル形成性のアクリロイル基含有化合物のエステル化により得られる複数のエステル結合と5個以上のアクリロイル基を有する分子量150以上かつMn4,000以下のポリエステルアクリレートが挙げられる。
上記の多価カルボン酸としては、例えば脂肪族[例えばマロン酸、マレイン酸(無水物)、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、酸無水物の反応物(ジペンタエリスリトールと無水マレイン酸の反応物等)]、脂環式[例えばシクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロ(無水)フタル酸、メチルテトラヒドロ(無水)フタル酸]および芳香族多価カルボン酸[例えばイソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸(無水物)、トリメリット酸(無水物)、ピロメリット酸(無水物)]が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレート(B4)としては、ポリイソシアネート、ポリオール、水酸基含有(メタ)アクリレートとのウレタン化反応により得られる複数のウレタン結合と2個以上のアクリロイル基を有するMn400〜5,000のウレタン(メタ)アクリレートが挙げられる。
対応するポリイソシアネートとしては、例えば脂肪族ポリイソシアネート[ヘキサメチレンジイソシアネート等]、芳香(脂肪)族ポリイソシアネート[2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等]、脂環式ポリイソシアネート[イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)等]が挙げられる。
ポリオールとしては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる
エポキシ(メタ)アクリレート(B5)としては、多価(2〜4価)エポキシドと(メタ)アクリル酸の反応により得られるMnが400〜5,000のエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基変性ブタジエン重合体(B6)としては、主鎖および/または側鎖に(メタ)アクリロイル基を有するポリブタジエンポリ(メタ)アクリレート(Mn500〜500,000)等が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基変性ジメチルポリシロキサン重合体(B7)としては、主鎖および/または側鎖に(メタ)アクリロイル基を有するMn300〜20,000のジメチルポリシロキサンポリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記(B1)〜(B7)は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これら(B1)〜(B7)のうち、硬化物の硬度の観点から好ましいのは(B2)〜(B7)、さらに好ましいのは(B2)および(B4)である。また、密着性、屈曲性の観点から単官能(メタ)アクリレートを併用しても差し支えない。
金属アルコキシド(a)の縮合物(A)の含有量が多くなる場合の透明性を確保するために、同一種類の多官能(メタ)アクリレート(B)または異なる種類の(B)をさらに加えて希釈しても良い。
本発明の多官能(メタ)アクリレート(B)は、金属アルコキシド(a)の縮合物中の水酸基と反応し得る反応性基を有していることが好ましい。
水酸基と反応し得る反応性基としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、チオール基、スルホン酸基、リン酸基、アミド基などが挙げられる。反応性基は金属アルコキシド(a)の縮合物(A)中の水酸基と反応し、有機−無機界面に化学結合が生成するため、高い硬度が発現する。これらの官能基のうち、水酸基、カルボキシル基、リン酸基が好ましく、水酸基とカルボキシル基がさらに好ましく、水酸基が最も好ましい。
硬度および透明性のバランスの観点から、本発明の光硬化性樹脂組成物中の多官能(メタ)アクリレート(B)の含有量は、(A)〜(C)の合計重量に基づいて、20〜75重量%であり、好ましくは30〜60重量%である。
本発明の光硬化性樹脂組成物に添加する光重合開始剤(C)として、可視光線、紫外線、遠赤外線、荷電粒子線及びX線等の放射線の露光により、重合性不飽和化合物の重合を開始しうるラジカルを発生する成分であればどのようなものでもよい。
本発明の光硬化性樹脂組成物に添加する光重合開始剤(C)としては、フォスフィンオキサイド系化合物(C1)、ベンゾイルホルメート系化合物(C2)、チオキサントン系化合物(C3)、オキシムエステル系化合物(C4)、ヒドロキシベンゾイル系化合物(C5)、ベンゾフェノン系化合物(C6)、ケタール系化合物(C7)、1,3αアミノアルキルフェノン系化合物(C8)などが挙げられる。
フォスフィンオキサイド系化合物(C1)としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
ベンゾイルホルメート系化合物(C2)としては、メチルベンゾイルホルメート等が挙げられる。
チオキサントン系化合物(C3)としては、イソプロピルチオキサントン等が挙げられる。
オキシムエステル系化合物(C4)としては、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1(O−アセチルオキシム))等が挙げられる。
ヒドロキシベンゾイル系化合物(C5)としては、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインアルキルエーテル等が挙げられる。
ベンゾフェノン系化合物(C6)としては、ベンゾフェノン等が挙げられる。
ケタール系化合物(C7)としては、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
1,3αアミノアルキルフェノン系化合物(C8)としては、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン等が挙げられる。
これらの光重合開始剤(C)のうち、硬化性の観点から好ましいのは、(C1)、(C5)、(C8)であり、更に好ましくは、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オンである。
光硬化性樹脂組成物中の(A)〜(C)の合計重量に基づいて、光重合開始剤(C)の含有量は硬化性および透明性の観点から、0.1〜10重量%であり、好ましくは0.2〜7重量%である。
本発明の光硬化性樹脂組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で必要により種々の添加剤を含有させてもよい。
添加剤としては、可塑剤、有機溶剤、分散剤、消泡剤、チクソトロピー性付与剤(増粘剤)、スリップ剤、酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤及び紫外線吸収剤が挙げられる。
本発明の組成物は、塗工の際に、塗工に適した粘度に調整するために、必要に応じて溶剤で希釈した塗料とすることができる。
溶剤の使用量は、該組成物の全重量に基づいて2,000%以下、好ましくは10〜500%である。また、塗料の粘度は、使用時の温度(例えば5〜60℃)で、例えば5〜5,000mPa・s、安定塗工の観点から好ましくは50〜1,000mPa・sである。
溶剤としては、本発明の組成物中の樹脂分を溶解するものであれば特に限定されない。具体的には、芳香族炭化水素(例えばトルエン、キシレンおよびエチルベンゼン)、エステルまたはエーテルエステル(例えば酢酸エチル、酢酸ブチルおよびメトキシブチルアセテート)、エーテル(例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールのモノメチルエーテルおよびジエチレングリコールのモノエチルエーテル)、ケトン(例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−ブチルケトンおよびシクロヘキサノン)、アルコール(例えばメタノール、エタノール、n−またはi−プロパノール、n−、i−、sec−またはt−ブタノール、2−エチルヘキシルアルコールおよびベンジルアルコール)、アミド(例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等)、スルホキシド(例えばジメチルスルホキシド)、水、およびこれらの2種以上の混合溶剤が挙げられる。
これらの溶剤のうちコーティング膜の平滑性および溶剤除去の効率の観点から好ましいのは沸点が70〜100℃のエステル、ケトンおよびアルコール、さらに好ましいのは酢酸エチル、メチルエチルケトン、i−プロパノールおよびこれらの混合物である。
本発明の組成物は、必要により溶剤で希釈して、基材の少なくとも片面の少なくとも一部に塗布し、必要により乾燥させた後、活性エネルギー線(紫外線、電子線、X線等)の照射や熱により硬化させることにより、硬化膜を有するハードコート被覆物を得ることができる。
塗工に際しては、例えば塗工機[バーコーター、グラビアコーター、ロールコーター(サイズプレスロールコーター、ゲートロールコーター等)、エアナイフコーター、スピンコーター、ブレードコーター等]が使用できる。
塗工膜厚は、硬化乾燥後の膜厚として、通常 0.5〜300μmである。乾燥性、硬化性の観点から好ましい上限は250μmであり、耐摩耗性、耐溶剤性、耐汚染性の観点から好ましい下限は1μmである。
上記の透明基材としては、メチルメタクリレート(共)重合物、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリトリアセチルセルロース及びポリシクロオレフィン等の樹脂からなるものが挙げられる。
本発明の組成物を溶剤で希釈して使用する場合は、塗工後に乾燥するのが好ましい。乾燥方法としては、例えば熱風乾燥(ドライヤー等)が挙げられる。
乾燥温度は、通常 10〜200℃、塗膜の平滑性および外観の観点から好ましい上限は150℃、乾燥速度の観点から好ましい下限は30℃である。
本発明の光硬化性樹脂組成物を紫外線により硬化させる場合は、種々の紫外線照射装置[例えば、紫外線照射装置[型番「VPS/I600」、フュージョンUVシステムズ(株)製]を使用できる。
使用するランプとしては、例えば高圧水銀灯及びメタルハライドランプ等が挙げられる。紫外線の照射量は、組成物の硬化性及び硬化物の可撓性の観点から好ましくは10〜10,000mJ/cm、更に好ましくは100〜5,000mJ/cmである。
本発明の光硬化性樹脂組成の硬化物のヘイズは1%以下であることが好ましい。1%を超えると硬化物の透明性が悪化する。
なお、硬化物のヘイズは、実施例の測定方法で詳述するように、硬化膜のフィルムをJIS−K7105に準拠し、全光線透過率測定装置で測定する。
本発明の光硬化性樹脂組成物の全光線透過率は90%以上であることが好ましい。
なお、本発明の全光線透過率は、実施例の測定方法で詳述するように、2枚のスライドで組成物を挟んで、JIS−K7105に準拠し、全光線透過率測定装置で測定する。
本発明の光硬化性樹脂組成物は透明性に優れ、かつ高い硬度を有する硬化物を与えることが課題であるが、一般に硬度を上げるために無機物の含有量を増やすと、透明性を損なうという相反する関係にある。
シリカ微粒子のような一般の無機物の微粒子を多官能(メタ)アクリレート(B)に混合して分散させようとした場合に、例えばシリカ微粒子の含有量を25重量%より多くしようとすると透明性が損なわれる傾向がある。
そのため、本発明の光硬化性樹脂組成物を製造する際に、多官能(メタ)アクリレート(B)中で、触媒(b)存在下で、金属アルコキシド(a)と水とを反応させて、本発明の透明性を満足させる金属アルコキシドの縮合物(A)を得る工程を含むことが好ましい。
本発明の光硬化性樹脂組成物に含有される金属アルコキシドの縮合物(A)は、多官能(メタ)アクリレート(B)中で反応させて製造されるため、(B)との相溶性に優れており、このようにして得られた(A)を含有することにより硬化物の硬度が高くなる。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。尚、実施例1〜4は参考例である。
製造例1 [テトラエトキシシランの縮合物(A−1)の溶液の製造]
撹拌機、冷却管、吹込み管および温度計を備えた反応容器に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(B−1)[商品名:ネオマーDA−600、三洋化成工業(株)製]65部、水1.51部およびテトラエトキシシラン(a−1)[商品名:Dynasylan Silbond Condensed、エボニックジャパン(株)製]35部を仕込み30分間攪拌した後、パラトルエンスルホン酸2.36部を仕込み、65℃で2時間反応させた。その後、反応容器を減圧にし、空気を吹き込みながら、70℃で2時間トッピングし、テトラエトキシシランの縮合物(A−1)のジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(B−1)による溶液を得た。
製造例2 [テトラエトキシシランの縮合物(A−2)の溶液の製造]
撹拌機、冷却管、吹込み管および温度計を備えた反応容器に、ペンタエリスリトールトリアクリレート(B−2)[商品名:ETERMER235、長興化学(株)製]65部、水1.51部およびテトラエトキシシラン(a−1)[商品名:Dynasylan Silbond Condensed、エボニックジャパン(株)製]35部を仕込み30分間攪拌した後、パラトルエンスルホン酸2.36部を仕込み、65℃で2時間反応させた。その後、反応容器を減圧にし、空気を吹き込みながら、70℃で2時間トッピングし、テトラエトキシシランの縮合物(A−2)のペンタエリスリトールトリアクリレート(B−2)による溶液を得た。
製造例3 [テトラ−n−ブトキシチタンの縮合物(A−3)の溶液の製造]
撹拌機、冷却管、吹込み管および温度計を備えた反応容器に、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(B−3)[商品名:ネオマーEA−300、三洋化成工業(株)製]65部、水0.01部およびテトラ−n−ブトキシチタン(a−2)[商品名:B−1、日本曹達(株)製]35部を仕込み30分間攪拌した後、パラトルエンスルホン酸0.05部を仕込み、65℃で2時間反応させた。その後、反応容器を減圧にし、空気を吹き込みながら、70℃で2時間トッピングし、テトラ−n−ブトキシチタンの縮合物(A−3)のペンタエリスリトールテトラアクリレート(B−3)による溶液を得た。
製造例4 [テトラエトキシシランの縮合物(A−4)の溶液の製造]
撹拌機、冷却管、吹込み管および温度計を備えた反応容器に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(B−1)[商品名:ネオマーDA−600、三洋化成工業(株)製]40部、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート(B−1)[商品名:ネオマーDA−600、三洋化成工業(株)製]65部、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(B−3)[商品名:ネオマーEA−300、三洋化成工業(株)製]10部、トリメチロールプロパンEO3モル付加物トリアクリレート(B−4)[商品名:ネオマーTA−401、三洋化成工業(株)製]、20部、水1.29部およびテトラエトキシシラン(a−1)[商品名:Dynasylan Silbond Condensed、エボニックジャパン(株)製]30部を仕込み30分間攪拌した後、パラトルエンスルホン酸2.02部を仕込み、65℃で2時間反応させた。その後、反応容器を減圧にし、空気を吹き込みながら、70℃で2時間トッピングし、テトラエトキシシランの縮合物(A−4)のペンタエリスリトールヘキサアクリレート(B−1)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(B−3)、トリメチロールプロパンEO3モル付加物トリアクリレート(B−4)による溶液を得た。
製造例5 [テトラエトキシシランの縮合物(A−5)の溶液の製造]
撹拌機、冷却管、吹込み管および温度計を備えた反応容器に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(B−1)[商品名:ネオマーDA−600、三洋化成工業(株)製]30部、ジペンタエリスリトールEO付加物ヘキサアクリレート(B−5)[商品名:ニューフロンティアMF−001、第一工業製薬(株)製]30部、水1.65部およびテトラエトキシシラン(a−1)[商品名:Dynasylan Silbond Condensed、エボニックジャパン(株)製]40部を仕込み30分間攪拌した後、パラトルエンスルホン酸2.70部を仕込み、65℃で2時間反応させた。その後、反応容器を減圧にし、空気を吹き込みながら、70℃で2時間トッピングし、テトラエトキシシランの縮合物(A−5)のジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(B−1)およびジペンタエリスリトールEO付加物ヘキサアクリレート(B−5)による溶液を得た。
製造例6 [テトラエトキシシランの縮合物(A−6)の溶液の製造]
撹拌機、冷却管、吹込み管および温度計を備えた反応容器に、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(B−3)[商品名:ネオマーEA−300、三洋化成工業(株)製]20部、ジペンタエリスリトールEO付加物ヘキサアクリレート(B−5)[商品名:ニューフロンティアMF−001、第一工業製薬(株)製]40部、水1.60部およびテトラエトキシシラン(a−1)[商品名:Dynasylan Silbond Condensed、エボニックジャパン(株)製]40部を仕込み30分間攪拌した後、パラトルエンスルホン酸2.70部を仕込み、65℃で2時間反応させた。その後、反応容器を減圧にし、空気を吹き込みながら、70℃で2時間トッピングし、テトラエトキシシランの縮合物(A−6)のペンタエリスリトールテトラアクリレート(B−3)およびジペンタエリスリトールEO付加物ヘキサアクリレート(B−5)による溶液を得た。
製造例7 [テトラエトキシシランの縮合物(A−7)の溶液の製造]
撹拌機、冷却管、吹込み管および温度計を備えた反応容器に、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(B−3)[商品名:ネオマーEA−300、三洋化成工業(株)製]45部、ジペンタエリスリトールEO付加物ヘキサアクリレート(B−5)[商品名:ニューフロンティアMF−001、第一工業製薬(株)製]40部、水0.60部およびテトラエトキシシラン(a−1)[商品名:Dynasylan Silbond Condensed、エボニックジャパン(株)製]15部を仕込み30分間攪拌した後、パラトルエンスルホン酸0.05部を仕込み、65℃で2時間反応させた。その後、反応容器を減圧にし、空気を吹き込みながら、70℃で2時間トッピングし、テトラエトキシシランの縮合物(A−7)のペンタエリスリトールテトラアクリレート(B−3)およびジペンタエリスリトールEO付加物ヘキサアクリレート(B−5)による溶液を得た。
比較製造例1 [テトラエトキシシランの縮合物(A’−1)の溶液の製造]
撹拌機、冷却管、吹込み管および温度計を備えた反応容器に、フェノキシエチルアクリレート(B’−1)[商品名:ライトアクリレートPO−A、共栄社化学(株)製]65部、水1.51部およびテトラエトキシシラン(a−1)[商品名:Dynasylan Silbond Condensed、エボニックジャパン(株)製]35部を仕込み30分間攪拌した後、パラトルエンスルホン酸0.05部を仕込み、65℃で2時間反応させた。その後、反応容器を減圧にし、空気を吹き込みながら、70℃で2時間トッピングし、テトラエトキシシランの縮合物(A’−1)のフェノキシエチルアクリレート(B’−1)による溶液を得た。これは、単官能の(B’−1)を使用する点で、比較例1のための金属アルコキシドの縮合物溶液である。
なお、製造例、比較製造例中で使用した原料は以下の通りである。
(a1−1):テトラエトキシシラン[商品名「Dynasylan Silbond Condensed」、エボニックジャパン(株)製]
(a1−2):テトラ−n−ブトキシチタン[商品名「B−1」、日本曹達(株)製]
(b−1):p−トルエンスルホン酸[東京化成工業(株)製]
(B−1):ネオマーDA−600[三洋化成工業(株)製、主成分はジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(水酸基0個)だが、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(水酸基1個)、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート(水酸基2個)も含む]
(B−2):ETERMER235[長興化学(株)製、主成分はペンタエリスリトールトリアクリレート(水酸基1個)だが、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(水酸基0個)、ペンタエリスリトールジアクリレート(水酸基2個)も含む]
(B−3):ネオマーEA−300[三洋化成工業(株)製、主成分はペンタエリスリトールテトラアクリレート(水酸基0個)だが、ペンタエリスリトールトリアクリレート(水酸基1個)も含む。]
(B−4):ネオマーTA−401[三洋化成工業(株)製、主成分はトリメチロールプロパンEO3モル付加物トリアクリレート(水酸基0個)だが、トリメチロールプロパンEO3モル付加物ジアクリレート(水酸基1個)も含む。]
(B−5):ニューフロンティア MF−001[第一工業製薬(株)製、主成分はジペンタエリスリトールEO付加物ヘキサアクリレート(水酸基0個)だが、ジペンタエリスリトールEO付加物ペンタアクリレート(水酸基1個)も含む。]
(B’−1):フェノキシエチルアクリレート[商品名:ライトアクリレートPO−A、共栄社化学(株)製]
実施例1
撹拌機、冷却管および温度計を備えた反応容器に、製造例1で得られたテトラエトキシシランの縮合物(A−1)の(メタ)アクリレート(B−1)溶液を100部、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(C−2)[商品名「イルガキュア907」、BASF社製]3.0部を加え、65℃で均一になるまで混合攪拌し、(D−1)を得た。
実施例2〜6および比較例1〜4
実施例1と同様に表1に示す部数で均一混合させ、対応する光硬化性樹脂組成物(D−2)〜(D−6)および(D’−1)〜(D’−4)を得た。
なお、比較例3と4は、本発明のような(B)中で(A)を合成するのではなく、市販の無機酸化物微粒子(A’−3)を(D)と同時に(B)に、それぞれ30重量%と10重量%となるように配合した。
Figure 0006849397
なお、表1中で使用した原料は以下の通りである。
(A’−3):シリカ微粒子[商品名「コロイダルシリカMEK−ST」粒径10−15nm MEK40%溶液、日産化学工業(株)製]
(C−1):1,3,5−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド[商品名「ルシリンTPO」、BASF(株)製]
(C−2):2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン[商品名「イルガキュア907」、BASF(株)製]
(C−3):1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン[商品名「イルガキュア184」、BASF(株)製]
光硬化性樹脂組成物および硬化させて得られたフィルムについて、下記の方法で性能評価を行った。評価結果を表1に示す。
<硬化フィルム作成法>
光硬化性樹脂組成物(D−1)〜(D−6)および(D’−1)〜(D’−4)をそれぞれディスパーザーを用いてメチルエチルケトンで希釈し、不揮発分40%に調製する。
厚さ40μmのTACフィルム基材の片面にバーコーターを用い、乾燥硬化後の膜厚が7μmになるように塗布し、70℃で1分間乾燥させた後、紫外線照射装置[型番「VPS/I600」、フュージョンUVシステムズ(株)製。以下同じ。]により、窒素雰囲気下で紫外線を300mJ/cm2照射し、基材フィルム表面に硬化膜を有するフィルムを作成した。
[鉛筆硬度の評価]
上記の操作で得られた硬化膜を有するフィルムについて、JIS K−5400に準じ、鉛筆硬度を測定した。
この評価条件で、3H以上が好ましい。
[ヘイズ(フィルムの透明性)の評価]
上記の操作で得られた硬化膜を有するフィルムについて、JIS−K7105に準拠し、全光線透過率測定装置[商品名「haze−gard dual」BYK gardner(株)製]を用いてヘイズを測定した。
[全光線透過率(組成物の透明性)の測定]
厚さ1mmのスライドガラスの上に、2cm四方を刳り抜いた厚さ100μmのシリコンゴムを置き、刳り抜いた部分に組成物を流し込んでもう一枚のスライドガラスで挟み、クリップで両端で固定してJIS−K7105に準拠し、全光線透過率測定装置[商品名「haze−gard dual」、BYK gardner(株)製]を用いて全光線透過率(%)を測定した。
なお、本発明の組成物の全光線透過率は90%以上であることが必要である。
表1の結果から、本発明の実施例1〜6の光硬化性樹脂組成物は、無機物を多量に含有しても組成物の透明性が損なわれず、かつ硬化物は高い硬度を有している。
一方、単官能アクリレートのみを使用している比較例1は鉛筆硬度が劣る。金属アルコキシドの縮合物(A)の含有量が25重量%未満である比較例2も鉛筆硬度が不十分である。市販のシリカ微粒子を(A)と同時に添加する製法であって、30重量%含有している比較例3は透明性が劣る。そこで、透明性を確保できる量(10重量%)までに減らした比較例4では鉛筆硬度が不十分である。
本発明の光硬化性樹脂組成物を硬化させて得られるハードコート膜を有するハードコートフィルムは、鉛筆硬度および透明性に優れているため、特にプラスチック光学部品、例えばフラットパネルディスプレイ、タッチパネル等表面硬度、透明性が優れる分野に好適である。

Claims (2)

  1. ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート及びペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種、ジペンタエリスリトールEO付加物ペンタ(メタ)アクリレート並びに金属アルコキシド(a)の縮合物(A)と多官能アクリレート(B)と光重合開始剤(C)とを含有し、縮合物(A)が下記一般式(1)で表され、(A)〜(C)の合計重量に基づいて(A)の含有量が25〜80重量%であり、
    前記多官能アクリレート(B)が、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート及びペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種と、ジペンタエリスリトールEO付加物ヘキサ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールEO付加物ペンタ(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種とを含有し、
    厚さが70μmの場合の硬化物のヘイズ値が1%以下である光硬化性樹脂組成物。
    Figure 0006849397
    [一般式(1)中、RとRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数が1〜4のアルキル基、または多価アルコールと(メタ)アクリル酸との1個以上の水酸基を有するエステル化合物(d)から1個の水酸基を除いた残基を表す。RとRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数が1〜4のアルキル基、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物(d)から水酸基を除いた残基、または下記一般式(2)で表される金属原子含有有機基を表し、複数あるRとRは同一であっても異なっていてもよい。Mはシリコン、チタニウムまたはジルコニウム原子を表す。nは2〜15の整数である。]
    Figure 0006849397
    [一般式(2)中、R、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数が1〜4のアルキル基、または多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物(d)から水酸基を除いた残基を表し、複数あるRとRは同一であっても異なっていてもよい。Mはシリコン、チタニウムまたはジルコニウム原子を表す。kは1〜5の整数である。]
  2. 厚さが100μmの場合の組成物の全光線透過率が90%以上である請求項1記載の光硬化性樹脂組成物。
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