JP4900852B2 - 放射線硬化型樹脂組成物の硬化皮膜を有するフィルム - Google Patents

放射線硬化型樹脂組成物の硬化皮膜を有するフィルム Download PDF

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Description

本発明は、放射線硬化型樹脂組成物の硬化皮膜を有するフィルムに関する。更に詳しくはポリエステル、アクリル、ポリカ−ボネ−ト、ポリエーテルスルフォン等のプラスチックの表面硬度を向上し、尚且つ硬化収縮によるカールの少ない放射線硬化型樹脂組成物の硬化皮膜を有するフィルムに関する。
現在、プラスチックは自動車業界、家電業界、電気電子業界を始めとして種々の産業界で大量に使われている。このようにプラスチックが大量に使われている理由はその加工性、透明性等に加えて、軽量、安価、光学特性等の理由による。しかしながらガラス等に比較して柔らかく、表面に傷が付き易い等の欠点を有している。これらの欠点を改良するために表面にハードコート剤をコーティングすることが一般的な手段として行われている。このハードコート剤には、シリコン系塗料、アクリル系塗料、メラミン系塗料等の熱硬化型のハードコート剤が用いられている。この中でも特にシリコン系ハードコート剤はハードネスが高く、品質が優れているために多用されてきた。メガネ、レンズなど高付加価値の製品には殆どこの系統のコート剤が使用されている。しかしながら、硬化時間が長く、高価であり連続的に加工するフィルムのハードコートには適しているとは言えない。また、シリコンハードコート剤に反射防止の為のフィラーを添加する試みもなされているが加熱硬化型樹脂であるために加熱時にフィラ−が凝集し、透明性を損なわない範囲の低反射率コ−ト品は得られていないのが現状である。
近年、放射線硬化型のアクリル系ハードコート剤が開発され、利用されるようになった。放射線硬化型ハードコート剤は、紫外線等の放射線を照射することによって直ちに硬化して硬い皮膜を形成するために、加工処理スピードが速く、またハードネス、耐摩耗性等に優れた性能を持ち、トータルコスト的に安価になるので、今やハードコート分野の主流に成っている。特にポリエステル等のフィルムの連続加工には適している。プラスチックのフィルムとしては、ポリエステルフィルム、ポリアクリレートフィルム、アクリルフィルム、ポリカーボネートフィルム、塩化ビニルフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、ポリエーテルスルフォンフィルム等があるが、ポリエステルフィルムは種々の優れた特徴から最も広く使用されているフィルムの一種である。このポリエステルフィルムは、ガラスの飛散防止フィルム、あるいは自動車の遮光フィルム、電子材料的にはタッチパネル、液晶ディスプレイ、CRTフラットテレビあるいは冷蔵庫等家電製品のハウジングの鉄板にラミネートして化粧性を向上するために、更にはホワイトボードの表面のフィルムとして広く用いられている。これらの用途は何れもその表面が傷つかないためにハードコートをする必要がある。
更に近年、ハードコート剤をコーティングしたフィルムを表面に設けたCRT、LCDなどの表示体では、フィルム面が平滑になるため、反射により表示体画面が見難くなり、目が疲れやすいと言う問題が生ずるため、用途によっては、表面反射防止能のあるハードコート処理が必要である。表面反射防止の方法としては、放射線硬化型樹脂中に無機フィラーや有機系微粒子のフィラーを分散させたものをフィルム上にコーティングし、表面に凹凸をつけて反射を防止する方法(AG処理)、フィルム上に高屈折率層、低屈折率層の順に多層構造を設け、屈折率の差で映り込み、反射を防止する方法(AR処理)、又は上記2つの方法を合わせたAG/AR処理の方法などがある。
機能性を付与したハードコートが求められる一方で、ハードコート本来の目的である硬さを更に向上させる検討は現在も数多く行われている。しかしながら、ベースフィルムの厚さが限定される中で、より硬いハードコート剤を開発するために、材料自体硬いものを使用する、架橋度を上げる、膜厚を厚めに設定するといった工夫がなされているが、クラック発生、厚膜での架橋度アップによるカールといった問題がある。本発明は、上記の欠点を改善し、低カールで厚膜塗工が可能で、クラックの発生しないハードコート材に適した放射線硬化型樹脂組成物の硬化皮膜を有するフィルムを提供することを目的とする。
本発明者は、上記問題を解決するために鋭意検討の結果、特定の組成を有する放射線硬化型樹脂組成物が前記課題を解決するものであることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、
(1)−(1)分子中に少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基と水酸基を有する放射線硬化型多官能(メタ)アクリレ−トとポリイソシアネートとを反応させた多官能ウレタンアクリレート(A)を含有することを特徴とする放射線硬化型樹脂組成物の硬化皮膜層を有するフィルム、
(1)−(2)分子中に少なくとも3個以上の(メタ)アクリロイル基と水酸基を有する放射線硬化型多官能(メタ)アクリレ−トとポリイソシアネートとを反応させた多官能ウレタンアクリレート(A)、3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する放射線硬化型多官能(メタ)アクリレート(B)、光重合開始剤(C)として2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、及びレベリング剤を含有することを特徴とする放射線硬化型樹脂組成物の硬化皮膜層を有し、ベースフィルムの材質がポリエステル、又はトリアセチルセルロースであるフィルム、
(2)放射線硬化型樹脂組成物中に分子中に少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する放射線硬化型多官能(メタ)アクリレ−ト(B)を含有する(1)に記載のフィルム、
(3)放射線硬化型樹脂組成物中に光重合開始剤(C)を含有する(1)または(2)に記載のフィルム、
(4)多官能ウレタンアクリレート(A)の含有量が、組成物の固形分全体量を100重量部としたとき、40〜95重量部の範囲にある(1)ないし(3)に記載のいずれか1項に記載のフィルム、
(5)上記(メタ)アクリレ−ト(B)の含有量が、組成物の固形分全体量を100重量部としたとき、5〜60重量部の範囲にある(1)ないし(4)のいずれか1項に記載のフィルム、
(6)光重合開始剤(C)の含有量が、組成物の固形分全重量を100重量部とした時0.5〜10重量部の範囲にある(1)ないし(5)のいずれか1項に記載のフィルム、
(7)ベースフィルムの材質がポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、トリアセチルセルロース、ポリアクリレート、ポリカーボネート又はポリエーテルスルフォンである(1)ないし(6)のいずれか1項に記載のフィルム、
(8)ベースフィルムの厚さが100〜300μmであり、硬化皮膜層の厚さが10〜50である(1)ないし(7)のいずれか1項に記載のフィルム、
(9)−(1)分子中に少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基と水酸基を有する放射線硬化型多官能(メタ)アクリレ−トとポリイソシアネートとを反応させた多官能ウレタンアクリレート(A)を含有するフィルム用ハードコート剤、
(9)−(2)分子中に少なくとも3個以上の(メタ)アクリロイル基と水酸基を有する放射線硬化型多官能(メタ)アクリレ−トとポリイソシアネートとを反応させた多官能ウレタンアクリレート(A)、3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する放射線硬化型多官能(メタ)アクリレート(B)、光重合開始剤(C)として2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、及びレベリング剤を含有するフィルム用ハードコート剤、
に関する。
本発明の放射線硬化型樹脂組成物の硬化皮膜を有するフィルムは、鉛筆硬度、カール、基材への密着性が良好であり、特にプラスチック光学部品、タッチパネル、フラットディスプレイ、フィルム液晶素子等、高硬度を必要とする分野に好適なハードコートフィルムである。
本発明において使用する分子中に少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基と水酸基を有する放射線硬化型多官能(メタ)アクリレ−トとしては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート等を挙げることができる。好ましい具体例としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートが挙げられる。これらの多官能(メタ)アクリレ−トは単独で用いても又は2種以上混合して用いてもよい。
ポリイソシアネートとしては、鎖状飽和炭化水素、環状飽和炭化水素、芳香族炭化水素で構成されるポリイソシアネートを用いることができる。このようなポリイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の鎖状飽和炭化水素イソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、水添トルエンジイソシアネート等の環状飽和炭化水素イソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネートを挙げることができる。好ましい具体例としては、イソフォロンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートが挙げられる。これらポリイソシアネートは単独で用いても又は2種以上混合して用いてもよい。
多官能ウレタンアクリレート(A)は、前記の活性水素を有する放射線硬化型多官能(メタ)アクリレ−トとポリイソシアネートとを反応させることにより得られる。活性水素を有する放射線硬化型多官能(メタ)アクリレ−ト中の活性水素基1当量に対し、ポリイソシアネートは、イソシアネート基当量として通常0.1〜50の範囲であり、好ましくは、0.1〜10の範囲である。反応温度は、通常30〜150℃、好ましくは、50〜100℃の範囲である。反応の終点はイソシアネート量の減少で確認する。
これら反応時間の短縮を目的として触媒を添加しても良い。この触媒としては、塩基性触媒及び酸性触媒のいずれかが用いられる。塩基性触媒の例としては、ピリジン、ピロール、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、アンモニアなどのアミン類、トリブチルフォスフィン、トリフェニルフォスフィン等のフォスフィン類を挙げることができる。また、酸性触媒の例としては、ナフテン酸銅、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、トリブトキシアルミニウム、トリチタニウムテトラブトキシド、ジルコニウムテトラブトキシド等の金属アルコキシド類、塩化アルミニウム等のルイス酸類、2−エチルヘキサンスズ、オクチルスズトリラウレート、ジブチルスズジラウレート、オクチルスズジアセテート等のスズ化合物を挙げることができる。これら触媒の中で、好ましくは、酸性触媒であり、より好ましくは、スズ化合物である。これら触媒の添加量は、ポリイソシアネートを100重量部に対して、通常0.1〜1重量部である。
(A)成分の使用量は、組成物の固形分全体量を100重量部としたとき、通常40〜95重量部の範囲であり、好ましくは、50〜80重量部である。
本発明において使用する、分子中に少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する放射線硬化型多官能(メタ)アクリレ−ト(B)としては、例えば、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルのジアクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルのジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジグリシジルエーテルのジアクリレート等のエポキシアクリレート、多価アルコールと多価カルボン酸及び/又はその無水物とアクリル酸とをエステル化することにより得られるポリエステルアクリレート、多価アルコール、多価イソシアネート及び水酸基含有アクリレートを反応させることにより得られるウレタンアクリレート、ポリシロキサンポリアクリレート等が挙げられる。これらの(B)成分の使用量は、組成物の固形分全体量に対して、通常5〜60重量部の範囲であり、好ましくは20〜50重量部である。
光重合開始剤(C)は、通常、硬化させるための放射線が紫外線の場合に添加される。(C)成分としては特に制限はなく、例えばイルガキュアー184,907,651,1700,1800,819,369(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、ダロキュアー1173(メルク社製)、エザキュアーKIP150、TZT(日本シイベルヘグナー社製)、ルシリンTPO(BASF社製)、カヤキュアBMS(日本化薬(株)製)等が挙げられる。
これらの光重合開始剤(C)を使用する場合、組成物の固形分全体量を100重量部としたとき、通常0.5〜10重量部の範囲であり、好ましくは1〜8重量部であり、より好ましくは2〜6重量部である。(C)成分は単独で用いても又は2種以上混合して用いてもよい。また、分子量が小さく、融点、沸点の低いものは、熱によりガス化し、後工程に悪影響を及ぼす可能性があるため、使用量については充分な注意が必要である。
また、上記の光重合開始剤(C)は硬化促進剤と併用することもできる。併用しうる硬化促進剤としては、例えば、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、EPAなどのアミン類、2−メルカプトベンゾチアゾールなどの水素共与体が挙げられる。これらの硬化促進剤の使用量は組成物の固形分全体量に対して、通常0〜5重量部である。
本発明で使用する放射線硬化型樹脂組成物は、上記の(A)、(B)、(C)成分に加え、溶剤を使用してもよい。溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、シクロヘキサノン、イソプロパノール等の希釈溶剤を使用する。これら溶剤の使用量は、組成物の全重量を100重量部とした時、好ましくは10〜70重量部、より好ましくは20〜60重量部である。
また、上記の成分に加え、必要によりレベリング剤、消泡剤を添加することもできる。
更に、紫外線吸収剤、光安定剤、無機、有機各種フィラー、ポリマー等を添加し、機能性を付与することも可能である。
本発明で使用する放射線硬化型樹脂組成物は上記の(A)成分、(B)成分、(C)成分、溶剤及びその他の成分を任意の順序で混合することにより得ることができる。この本発明で使用する樹脂組成物は経時的に安定である。
本発明のフィルムは、上記の放射線硬化型樹脂組成物をフィルム基材(ベースフイルム)上に、該樹脂組成物の乾燥後の重量が通常10〜50g/m2、好ましくは10〜30g/m2(膜厚にすると通常10〜50μm、好ましくは10〜30μm)になるように塗布し、乾燥後放射線を照射して硬化膜を形成させることにより得ることができる。フィルム基材としては、例えばポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアクリレート、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ポリエーテルスルフォン等があげられる。フィルムはシート状のものであっても良い。フイルム基材の厚さは、100〜300μmが好ましい。
上記の放射線硬化型樹脂組成物の塗布方法としては、例えばバーコーター塗工、メイヤーバー塗工、エアナイフ塗工、グラビア塗工、リバースグラビア塗工、オフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷などが挙げられる。この際、使用するフィルムは柄や易接着層を設けたものであっても良い。
照射する放射線としては、例えば紫外線や電子線があげられる。紫外線により硬化させる場合、光源としてキセノンランプ、高圧水銀灯、メタルハライドランプを有する紫外線照射装置が使用され、必要に応じて光量、光源の配置などが調整されるが、高圧水銀灯を使用する場合、通常80〜120W/cmの光量を有したランプ1灯に対して搬送速度5〜60m/分で硬化させるのが好ましい。一方、電子線により硬化させる場合、通常100〜500eVのエネルギーを有する電子線加速装置の使用が好ましい。
次に、本発明を調合例及び実施例により更に具体的に説明するが、本発明がこれらに限定されるものではない。尚、調合例において、部は重量部を意味する。
合成例1乾燥容器中にペンタエリスリトールトリアクリレート1020部、ジラウリン酸ジ−n−ブチルスズ0.6部、メトキノン0.6部を入れ、80℃まで加熱撹拌した。これにイソフォロンジイソシアネート177.8部を1時間かけて滴下し、1〜2時間撹拌後のイソシアネート値は0.3以下であり、反応がほぼ定量的に終了したことを示した。
試験調合例1
合成例1で得られた多官能ウレタンアクリレートを24部、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(東亞合成(株)製アロニックスM−450)を24部、イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート(東亞合成(株)製アロニックスM−315)を24部、エザキュアーKIP−150(日本シイベルヘグナー社製)を3部、トルエンを37.5部、メチルエチルケトン37.5部を混合し、本発明で使用する放射線硬化型樹脂組成物を得た。
試験調合例2
合成例1で得られた多官能ウレタンアクリレートを24部、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(東亞合成(株)製アロニックスM−450)を24部、ジシクペンタジエニルジアクリレート(日本化薬(株)製KAYARAD R−684)を24部、エザキュアーKIP−150(日本シイベルヘグナー社製)を3部、トルエンを37.5部、メチルエチルケトン37.5部を混合し、本発明で使用する放射線硬化型樹脂組成物を得た。
試験調合例3
合成例1で得られた多官能ウレタンアクリレートを35.8部、ペンタエリスリトールトリアクリレート(日本化薬(株)製KAYARAD PET−30)を35.7部、エザキュアーKIP−150(日本シイベルヘグナー社製)を3部、ルシリンTPO(BASF社製)を1部、トルエンを37.5部、メチルエチルケトン37.5部を混合し、本発明で使用する放射線硬化型樹脂組成物を得た。
調合例1
合成例1で得られた多官能ウレタンアクリレートを36部、ペンタエリスリトールトリアクリレート(日本化薬(株)製KAYARAD PET−30)を36部、イルガキュアー184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)を3部、ルシリンTPO(BASF社製)を0.5部、レベリング剤(共栄社化学(株)製ポリフローNo.77)を0.15部、トルエンを37.5部、メチルエチルケトン37.5部を混合し、本発明で使用する放射線硬化型樹脂組成物を得た。
比較例1
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製KAYARAD DPHA)を72部、イルガキュアー184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)を3部、トルエンを37.5部、メチルエチルケトン37.5部を混合し、比較試験用放射線硬化型樹脂組成物を得た。
比較例2
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製KAYARAD DPHA)を36部、1,6−ヘキサンジオールジエポキシアクリレート(日本化薬(株)製KAYARAD R−167)を36部、イルガキュアー184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)を3部、トルエンを37.5部、メチルエチルケトン37.5部を混合し、比較試験用放射線硬化型樹脂組成物を得た。
実施例
(1)塗膜の作成方法
上記試験調合例、調合例、比較例で得られた放射線硬化型樹脂組成物をバーコーター(No.30)を用いて市販の易接着処理ポリエステルフィルム(膜厚188μm)に塗布し、80℃の乾燥炉中に1分間放置後、空気雰囲気下で120W/cmの高圧水銀灯10cmの距離から5m/分のコンベアースピードで紫外線を照射し、硬化皮膜(20μm)を有するフィルムを得た。
(2)鉛筆硬度測定
JIS K 5400に従い、鉛筆引っかき試験機を用いて、上記塗工フィルムの鉛筆硬度を測定した。詳しくは、測定する硬化皮膜(20μm)を有するフィルム上に、鉛筆を45度の角度で、上から1Kgの荷重を掛け5mm程度引っかき、傷の付き具合を確認した。5回測定を行った。
評価 5/5:5回中5回とも傷なし
0/5:5回中全て傷発生
(3)耐擦傷性試験
スチールウール#0000上に200g/cm2の荷重をかけて10往復させ、傷の状況を目視で判定した。
評価 ○:傷なし
×:傷発生
(4)密着性
JIS K 5400に従い、フィルムの表面に1mm間隔で縦、横11本の切れ目を入れて100個の碁盤目を作る。市販のセロハンテープをその表面に密着させた後、一気の剥がした時の剥離せず残存したマス目個数を表示した。
(5)硬化収縮によるカール測定
測定する硬化皮膜(20μm)を有するフィルムを5cm×5cmにカットし、80℃の乾燥炉中に1時間放置した後、室温まで戻した。水平な台上で、フィルムの2辺を台上に固定し、浮き上がった2辺それぞれの高さを測定し、平均値を測定値(単位;mm)とした。この時基材自身のカールは0mmであった。
(6)外観
表面のクラック、白化、くもり等の状態を目視にて判定した。
評価 ○:良好
△:クラック、くもり等の発生
×:著しい状態
上記評価結果を表1に示した。
鉛筆硬度4H 擦傷性 密着性 カール 外 観
試験調合例1 3/5 ○ 100 20 ○
試験調合例2 3/5 ○ 100 17 ○
試験調合例3 5/5 ○ 100 19 ○
調合例1 5/5 ○ 100 18 ○
比較例1 5/5 ○ 100 40 △
比較例2 0/5 × 100 15 ○
表1からも明らかなように、本発明の放射線硬化型樹脂組成物の硬化皮膜を有するフィルムでは、鉛筆硬度が良好で、カールについても優れるという結果が得られた。
本発明の放射線硬化型樹脂組成物の硬化皮膜を有するフィルムは、鉛筆硬度、カール、基材への密着性が良好であり、特にプラスチック光学部品、タッチパネル、フラットディスプレイ、フィルム液晶素子等、高硬度を必要とする分野に好適に使用される。

Claims (7)

  1. 分子中に少なくとも3個以上の(メタ)アクリロイル基と水酸基を有する放射線硬化型多官能(メタ)アクリレ−トとポリイソシアネートとを反応させた多官能ウレタンアクリレート(A)、3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する放射線硬化型多官能(メタ)アクリレート(B)、光重合開始剤(C)として2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、及びレベリング剤を含有することを特徴とする放射線硬化型樹脂組成物の硬化皮膜層を有し、ベースフィルムの材質がポリエステル、又はトリアセチルセルロースであるフィルム。
  2. さらに光重合開始剤(C)として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを含有することを特徴とする請求項1に記載のフィルム。
  3. 多官能ウレタンアクリレート(A)の含有量が、組成物の固形分全体量を100重量部としたとき、40〜95重量部の範囲にある請求項1又は2に記載のフィルム。
  4. 上記(メタ)アクリレ−ト(B)の含有量が、組成物の固形分全体量を100重量部としたとき、5〜60重量部の範囲にある請求項1ないし3のいずれか1項に記載のフィルム。
  5. 光重合開始剤(C)の含有量が、組成物の固形分全重量を100重量部とした時0.5〜10重量部の範囲にある請求項1ないし4のいずれか1項に記載のフィルム。
  6. ベースフィルムの厚さが100〜300μmであり、硬化皮膜層の厚さが10〜50である請求項1ないし5のいずれか1項に記載のフィルム。
  7. 分子中に少なくとも3個以上の(メタ)アクリロイル基と水酸基を有する放射線硬化型多官能(メタ)アクリレ−トとポリイソシアネートとを反応させた多官能ウレタンアクリレート(A)、3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する放射線硬化型多官能(メタ)アクリレート(B)、光重合開始剤(C)として2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、及びレベリング剤を含有するフィルム用ハードコート剤。
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