JP2010138255A - ポリエーテル変性ポリシロキサン化合物およびこれを含有する放射線硬化性組成物 - Google Patents

ポリエーテル変性ポリシロキサン化合物およびこれを含有する放射線硬化性組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】プラスチック成型品の表面をコートするハードコート性塗料において、帯電防止性、防汚性、耐久性を全て満足できる性質を有するハードコート性塗料を得るため、これに用いられる新規な材料を提供する。
【解決手段】水酸基末端ポリシロキサンの水酸基をエチレンオキシドもしくはプロピレンオキシドを付加させ、各末端基に少なくとも1つのエチレンオキシドを有するポリアルキレンオキシド変性ポリシロキサンとし、前記ポリアルキレンオキシド変性ポリシロキサンの両末端をエステル化して(メタ)アクリロイル基を導入した新規なポリエーテル変性ポリシロキサン化合物を提供し、またこれを含んだ放射線硬化性組成物を提供すること。合成した化合物についての図1のIRチャートには、メタクリロイル基およびウレタン結合に起因する(−CO−)1715cm−1のピークが見られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、フラットパネルディスプレイの液晶部に用いるフィルム基材などのプラスチック成型品のハードコート剤の原料として特に有用な、新規なポリエーテル変性ポリシロキサン化合物およびこれを含有する放射線硬化性組成物に関するものである。
プラスチック成型品やプラスチックフィルムは、軽量性、加工性、高機械強度性から様々な用途・分野で使用されているが、その反面、表面の耐擦傷性に劣るという欠点がある。そこで、これらプラスチック成型品やプラスチックフィルムの表面に、熱硬化型もしくは放射線、特に紫外線硬化型のハードコート剤を塗布し、表面の耐擦傷性の改善を行っている。
しかし、このようなハードコート剤には、シリコーン系モノマーや多官能アクリレートもしくはメタクリレート、ポリエステルオリゴマーの様な疎水性の化合物が含まれるため、帯電しやすく埃等のゴミを付着させてしまうという問題がある。さらに、皮脂や油性ペン等で汚れやすく、美観を損ねやすいという問題もある。
これらの問題を解決するために、特許文献1では、ポリエチレングリコールに基づく構造を有する官能基モノマーを紫外線硬化型樹脂に配合することで帯電防止性を付与する技術が開示されている。しかし、ポリエチレングリコールに基づく構造を有する官能基モノマーを組成中に20〜70重量%と非常に多く必要とする。ポリエチレングリコール基は非常に柔軟であるため、上記の様に多く配合してしまうとハードコート性が損なわれる。
特開平4―218519号公報
特許文献2では、光硬化性フッ素含有樹脂を含む光硬化性樹脂組成物が開示されている。しかし、組成中に30−40重量部配合する必要があり防汚性は発現するものの、塗膜が疎水性になるため帯電性が増大する。
特開2002−37827号公報
特許文献3では撥水撥油剤を含有させた光硬化性樹脂組成が開示されている。撥水撥油剤を少量配合することで防汚性を発現させているが、光硬化性樹脂と化学結合していないため耐久性に劣る。
特開2006−8741号公報
特許文献4ではポリシロキサン、ポリアルキレングリコールおよび(メタ)アクリロイル基を有する新規な変性ポリシロキサン化合物およびそれを含む放射線硬化性組成物が開示されている。しかし、化合物が単官能(1分子中に(メタ)アクリロイル基が1つ)であるため8重量部以上配合した場合極端にハードコート性を低下させる。
特開平5−132557号公報
以上のように、帯電防止性、防汚性、耐久性を全て満足できる性質を有するハードコート性塗料は現状では見当たらない。
上記課題を解決するため本発明は、下記化学式〔化1〕で示される新規なポリエーテル変性ポリシロキサン化合物を提供することを最も主要な特徴とする。
Figure 2010138255
本発明で初めて合成されたポリエーテル変性ポリシロキサン化合物を含有する放射線硬化性組成物は、帯電防止性、防汚性、耐久性を全て満足できるハードコート剤として特に有用である。
特に、フラットパネルディスプレイの液晶面は、その表面の空拭きなどによる圧迫もできるだけ避けた方が好ましいところ、前記ポリエーテル変性ポリシロキサン化合物が0.5〜20重量部配合された放射線硬化性組成物をフィルム基材の表面に塗布し、その後硬化させて得られる表面コート層が設けられた前記フィルム基材を液晶部に具備するフラットパネルディスプレイでは、静電気を溜めにくく液晶面が汚れにくいので、表面を空拭きする回数も減少するため、フラットパネルディスプレイの長寿命を達成することができる。
〔ポリエーテル変性ポリシロキサン化合物〕
(合成方法)
本発明のポリエーテル変性ポリシロキサン化合物は、〔化2〕に示す水酸基末端ポリシロキサンを原料として合成することができる。〔化2〕に示す水酸基末端ポリシロキサンは、例えばチッソ(株)製の「サイラプレーンFM−4411」(〔化2〕中のq=9)、同じく「FM−4421」(〔化2〕中のq=63)、同じく「FM−4425」、信越化学工業(株)製「X−22−4272」、「X−22−4952」などの商品名で入手が可能である。
Figure 2010138255
まず、これらの水酸基末端ポリシロキサンにエチレンオキシド若しくはプロピレンオキシドを付加させ、〔化3〕に示したポリアルキレンオキシド変性ポリシロキサンを合成する。〔化3〕のポリアルキレンオキシド変性ポリシロキサンの合成は、窒素置換を行ったオートクレーブなどの容器中に、原材料となる〔化2〕に示す水酸基末端ポリシロキサンと、水酸化カリウムなどのアルキレンオキシド付加反応触媒とを加えて加熱・加圧状態で、エチレンオキシド及び/またはプロピレンオキシドを送入することにより行うことができる。合成終了後、リン酸などで中和を行い、析出したリン酸カリウムなどを濾別する。
Figure 2010138255
上記で得られたポリアルキレンオキシド変性ポリシロキサンと、メタクリル酸及び/またはアクリル酸とを加えて、窒素を吹き込みながら前記ポリアルキレンオキシド変性ポリシロキサンの両末端をエステル化し、ラジカル重合性を有するアクリロイル基もしくはメタクリロイル基(以下まとめて「(メタ)アクリロイル基」と記載する。)を導入することで、本発明のポリエーテル変性ポリシロキサン化合物〔化1〕を得ることができる。この際、p-トルエンスルホン酸、トルエンなどのエステル化反応触媒や、ハイドロキノンなど(メタ)アクリロイル基の重合禁止剤を加えることが好ましい。
若しくは、上記で得られたポリアルキレンオキシド変性ポリシロキサン〔化3〕の両末端水酸基と、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート製(昭和電工(株)「カレンズMOI」などの商品名で市販)や、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工(株)「カレンズAOI」)のイソシアネート基とを窒素導入管から窒素を吹き込みながら反応させて上記同様に(メタ)アクリロイル基を導入する方法などもある。この際、ジブチル錫ジラウレートなどのイソシアネート反応触媒を加えることが好ましい。
〔放射線硬化性組成物〕
本発明の放射線硬化性組成物は、上記製造方法によって得られる、上記一般式〔化1〕で示される新規なポリエーテル変性ポリシロキサン化合物を含むものであるが、前記化合物以外の放射線硬化性化合物を含んでもよい。ここでいう放射線とは、可視光線、紫外線、電子線をいうが、なかでも電子線或いは紫外線によって硬化が生じる樹脂組成物が一般的である。
本発明の放射線硬化性組成物において用いる、その他の放射線硬化性化合物は、特に制限されるものではなく、従来開示されている、または市販されているラジカル重合性基を有する化合物を用いることができる。
本発明の放射線硬化性組成物を効果的に硬化させるために、更に、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する多官能性モノマー及び光開始剤を含有させることが好ましい。さらには過塩素酸リチウムなどの帯電防止剤を含有させることもできる。
(多官能性モノマー)
1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する具体的な多官能性モノマーとしては、1、4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1、6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールビスβ‐(メタ)アクリロイルオキシプロピネート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ(2−ヒドロキシエチル)イソシアネートジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、2、3‐ビス(メタ)アクリロイルオキシエチルオキシメチル[2.2.1]ヘプタン、ポリ1、2−ブタジエンジ(メタ)アクリレート、1、2−ビス(メタ)アクリロイルオキシメチルヘキサン、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラデカンエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、10−デカンジオール(メタ)アクリレート、3、8−ビス(メタ)アクリロイルオキシメチルトリシクロ[5.2.10]デカン、水素添加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、2、2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、1、4−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)シクロヘキサン、ヒドロキシピバリンサンエステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、エポキシ変成ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。多官能モノマーは、一種類のみを使用しても良いし、二種類以上を併用しても良い。また、必要で有れば単官能モノマーと併用して共重合させることもできる。
(光開始剤)
光開始剤としては、例えばジフェニルケトンベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−オン、4−ヒドロキシシクロフェニルケトン、ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、アントラキノン、フルオレン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クノルロアセトフェノン、4、4−ジメトキシアセトフェノン、4、4−ジアミノベンゾフェノンなどを単独または混合で0.1〜10重量%を使用することができる。具体的に市販されている光開始剤としては、商品名「イルガキュアー184」(チバファインケミカルズ社製)などを挙げることができる。0.1重量%より少ない場合硬化速度が遅く、10重量%より多い場合は非経済的である。そして、光刺激剤は、光開始剤と共に使用するものであり、例えばトリエチルアミン、ジエチルアミン、メチルジエタノールアミン、エタノールアミン、4−ジメチルアミノ−ベンゾ酸、イソアミル−4−ジメチルアミノベンゾエートなどが使用される。
(有機溶剤)
放射線硬化性組成物は、放射線硬化組成物の塗工適性向上(粘度調整)のために、更に有機溶剤を含有させてなることが好ましい。かかる有機溶剤の種類としては、放射線硬化組成物を溶解することができ、前記フィルム基材を侵さないものであれば特段の制限はされないが、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系およびエチルセロソルブ等のセロソルブ系の有機溶剤を用いることができる。
〔フラットパネルディスプレイ〕
上記本発明のポリエーテル変性ポリシロキサン化合物は、フラットパネルディスプレイの液晶部に用いられるフィルム基材表面に塗布し、重合・硬化させて該フィルム基材表面をコートする用途に特に好適に用いることができる。塗布を受けるフィルム基材の材料は、特に制限されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー等の透明ポリマーからなるフィルムが挙げられる。また、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体等のスチレン系ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ないしノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体等のオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー等の透明ポリマーからなるフィルムも挙げられる。更に、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマーや前記ポリマーのブレンド物等の透明ポリマーからなるフィルム等も挙げられる。
以下に合成例、実施例および比較例を用いて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
〈ポリエーテル変性ポリシロキサン化合物の合成〉
〔合成例1〕
1000mlオートクレーブの反応器内を窒素置換した後、サイラプレーンFM−4411(チッソ(株)製、平均分子量1000)500g(0.5mol)および水酸化カリウム0.3g(0.0075mol)を仕込んだ。110℃に昇温した後、この温度を保ちながらエチレンオキシド264g(6mol)を2〜5Kg/cm2 Gの加圧下で3時間かけて送入し(以下、エチレンオキシドを送入するのに要した時間を反応時間と略記する。)反応させ、さらにエチレンオキシド送入終了後、同温度で1時間熟成を行った。得られた反応物に、85重量%リン酸0.8g(0.008mol)を加え中和し、析出したリン酸のカリウム塩を濾過で除き、ポリアルキレンオキシド変性ポリシロキサンである反応物〔化4〕を得た。
Figure 2010138255
ジムロート、温度計、窒素導入管、撹拌装置を備えた300mlのセパラブルフラスコに上記ポリアルキレンオキシド変性ポリシロキサンである反応物〔化4〕 126g(0.1mol)、カレンズMOI 31g(0.2mol昭和電工(株)製)を入れ、窒素導入管から窒素を吹き込みながら80℃で3時間反応させ、合成物1〔化5〕のポリエーテル変性ポリシロキサン化合物が得られた。反応の終点については、FT−IR(ParkinElmer社製)を用いてNCO(2270cm−1)の吸収が消失した時点とした。
Figure 2010138255
得られた合成物1〔化5〕のポリエーテル変性ポリシロキサン化合物の赤外線吸収スペクトル(IR)を図2に示す。比較のために原料である水酸基末端ポリシロキサン(サイラプレーンFM−4411)を図1に示す。反応前後のIRスペクトルを比較すると水酸基(−O−H)に起因する3441cm−1が消失し、メタクリロイル基およびウレタン結合に起因する(−CO−)1715cm−1が発生していることから反応が進行していることがわかる。
〔合成例2〕
上記合成例1記載と同じ方法にて、ポリアルキレンオキシド変性ポリシロキサンである反応物〔化4〕の反応物を得た。ジムロート、温度計、窒素導入管、撹拌装置を備えた300mlのセパラブルフラスコに上記反応物 126g(0.1mol)、メタクリル酸18g(0.21mol)、トルエン50gを入れ、窒素導入管から窒素を吹き込みながら120℃で3時間反応させ生成する水を系外に排出しながら反応を進めた。反応の終点については、生成水の量で規定(3.6g)した。反応終了後、エバポレーターにてトルエンを減圧トッピングして、合成物2〔化6〕のポリエーテル変性ポリシロキサン化合物を得た。
Figure 2010138255
〔合成例3および4〕
原材料を表1記載の化合物および分量に変えた以外は、合成例1または2と同様の方法にてポリエーテル変性ポリシロキサン化合物である合成物3〔化7〕、合成物4〔化8〕を得た。
Figure 2010138255
Figure 2010138255
Figure 2010138255
〔比較化合物1(合成例5)〕
特許文献4記載の実施例1に準拠し、片末端ポリエーテル変性ポリシロキサン化合物を比較合成した。〔化9〕のハイドロジェン変性ポリシロキサン化合物(「XF40−A2346」(東芝シリコーン株式会社製)10重量部、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル(アリルアルコールへのエチレンオキシド10モル付加物) 20.26重量部、トルエン20重量部、テトラヒドロフランTHF30重量部、メチルハイドロキノン 0.018重量部をコルベン中窒素雰囲気下で混合攪拌した。その後、酢酸カリウムの10%エタノール溶液 0.025重量部、更に反応触媒としてヘキサクロロ白金(IV)酸六水和物の10%イソプロピルアルコール溶液を 0.028重量部添加し、60℃まで昇温させた。赤外吸収スペクトルによりヒドロシリル基(2155cm-1付近)の未反応残量の減少経過をモニタリングしながら、10時間で反応を終了させた。その後、この反応溶液を55℃に降温し、アリルメタクリレート5.13重量部を添加混合した。FT−IRスペクトルによりヒドロシリル基のピークが消失する7時間で反応を終了させた。常温まで冷却後、活性炭を添加し、約1時間攪拌し、トルエン30重量部で希釈後、 0.8ミクロンのポリ四フッ化エチレン製メンブランフィルターにて吸引ろ過した。
Figure 2010138255
得られた化合物溶液中のトルエンとテトラヒドロフラン溶媒及び未反応アリルメタクリレートを真空ポンプにて減圧除去して比較化合物1(合成例5)〔化10〕の片末端ポリエーテル変性ポリシロキサン化合物を得た。
Figure 2010138255
〔比較化合物2〕
比較として、ポリアルキレンオキシド変性ポリシロキサン「X22-6266」(信越化学工業(株)製)の比較化合物2を用いた。比較化合物2は〔化11〕の構造を持つものと推察される。
Figure 2010138255
〈評価〉
表2および3に示す原料を配合し放射線硬化組成物を80μmトリアセチルセルロースフィルム(富士フィルム(株)製)の片面に乾燥膜厚が10μmになるようにアプリケーターにて塗工した。塗工後、温風循環式乾燥機(100℃)にて30秒乾燥させた。乾燥後、岩崎電気(株)製コンベア式UV照射装置(120W/cm水銀ランプ、積算照度400mJ/cm)で硬化させた。得られた表面塗布フィルムにつき下記試験1〜4にて塗布面の性能を試験した。
〔試験1:耐擦傷性試験〕
基材表面をスチールウール〔ボンスター#0000:日本スチールウール(株)製〕により1000g/cmで10回擦り、傷の有無を目視判定した(スチールウール試験)。判定基準を以下に示す。
○:傷を確認することが出来ない。
△:数本傷を確認できる。
×:傷が多数確認できる。
〔試験2:密着性試験〕
基材表面を1mm角100点カット後、粘着セロハンテープ〔ニチバン(株)製工業用24mm巾セロテープ(登録商標)〕による剥離の有無を目視判定した(クロスカットテープピール試験)。
〔試験3:表面抵抗値試験〕
JIS K6911に準拠して行った。
〔試験4:汚染除去性試験〕
基材表面に形成された塗膜表面を、黒マジック、赤マジック、赤クレヨン、青インキで汚し、その4時間後、24時間後に、エタノール/水=1/1重量比で拭き取って、その表面を目視観察し、汚染除去性を3段階評価した。
<3段階評価>
3・・・ 汚れ無し。(合格)
2・・・ 僅かな汚れあり。(合格)
1・・・ 汚れあり。(不合格)
Figure 2010138255
Figure 2010138255
比較例1で用いた片末端ポリエーテル変性ポリシロキサン化合物である比較化合物1〔化8〕の場合、単官能のため皮膜強度弱く、耐擦傷性、汚染除去性が低くなる結果となった。本発明のポリエーテル変性ポリシロキサン化合物であっても、これを放射線硬化性組成物として、フラットパネルディスプレイの液晶部に用いるフィルム基材への表面コート層として用いる場合、比較例2のように必要以上にポリエーテル変性ポリシロキサン化合物を多く配合すると、皮膜強度が低下し、耐擦傷性、汚染除去性が低くなる。その反対に、比較例3のように本発明のポリエーテル変性ポリシロキサン化合物の配合量を低下させすぎると、耐擦傷性、密着性、汚染除去性が低くなり、表面抵抗値が上昇する。また、比較例4で用いたポリアルキレンオキシド変性ポリシロキサンの比較化合物2の場合、(メタ)アクリロイル基に基づく二重結合をもたないため、密着性、汚染除去性が低下する結果となった。
本発明のポリエーテル変性ポリシロキサン化合物及びこれを含む放射線硬化性組成物は、上述のとおり、液晶などのフラットパネルディスプレイ材料用のハードコーティング剤の材料として好適に利用できるが、その他にもプラスチック成型品およびフィルムの防汚・帯電防止・ハードコート剤、特にPC等の筐体などの電子機器のハードコーティング剤の材料として好適に利用できる。
合成例1で得られたポリエーテル変性ポリシロキサン化合物の赤外線吸収スペクトル。 合成例1の原材料として用いた水酸基末端ポリシロキサンの赤外線吸収スペクトル。

Claims (5)

  1. 下記一般式〔化1〕で示されるポリエーテル変性ポリシロキサン化合物。
    Figure 2010138255
  2. 下記一般式〔化1〕で示されるポリエーテル変性ポリシロキサン化合物を含有する放射線硬化性組成物。
    Figure 2010138255
  3. 請求項2記載の放射線硬化性組成物に(メタ)アクリロイル基を2つ以上有するモノマーおよび光開始剤を含有させてなることを特徴とする放射線硬化性組成物。
  4. 請求項2または3記載の放射線硬化組成物に、有機溶剤を含有させてなることを特徴とする放射線硬化性組成物。
  5. 請求項1記載のポリエーテル変性ポリシロキサン化合物が0.5〜20重量部配合された放射線硬化性組成物をフィルム基材の表面に塗布し、その後硬化させて得られる表面コート層が設けられた前記フィルム基材を液晶部に具備するフラットパネルディスプレイ。

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