JP2013023547A - 光硬化性樹脂組成物、並びに、それを用いた水周り部材及び機能性パネル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光硬化性樹脂組成物は、(A)(a)数平均分子量が700〜40000であるポリシロキサンジオールと、(b)末端に水酸基と反応可能な官能基を有する(メタ)アクリレートモノマーと、を用いて得られるジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマー、前記(A)ジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマーと共重合可能な、(B)光重合性オリゴマー及び/又は(C)光重合性モノマー、並びに、(D)光重合開始剤を含有することを特徴とする光硬化性樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
さらに、上述したような低表面自由エネルギー化合物は、一般的に、ベース樹脂との相溶性が悪いという問題もある。
(A)少なくとも、(a)下記一般式(1)で表されるシリコーンポリオールと、(b)末端に水酸基と反応可能な官能基を有する(メタ)アクリレートモノマーと、を用いて得られるジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマー、
前記(A)ジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマーと共重合可能な、(B)光重合性オリゴマー及び/又は(C)光重合性モノマー、並びに、(D)光重合開始剤を含有することを特徴とする。
光重合性モノマーのSP値=(19.0×3/4)+(21.0×1/4)=19.5・・・(X)
(CH2=CR1COO)nR2 ・・・一般式(A)
但し、前記一般式(A)中、R1は、水素原子又はメチル基を表し、R2は、炭素数5〜20のn価の炭化水素基を表し、nは、1〜4の範囲内の整数を表す。
また、本発明の機能性パネルは、本発明の光硬化性樹脂組成物を硬化させてなる塗布層と、基材層とを具えることを特徴とする。
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明の光硬化性樹脂組成物は、(A)ジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマーと、(B)光重合性オリゴマー及び/又は(C)光重合性モノマーと、(D)光重合開始剤とを含有し、必要に応じて、(E)その他の成分を含有する。
本発明の光硬化性樹脂組成物に用いる(A)ジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマーは、少なくとも、(a)シリコーンポリオールと、(b)(メタ)アクリレートモノマーと、を用いて得られる。該(A)ジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマーは、例えば、(a)シリコーンポリオールと(c)イソシアネートとを反応させて、末端の一部又は全部に水酸基を有するプレポリマーを合成し、次に、該(a)シリコーンポリオールから得られたプレポリマーにおける水酸基に(b)(メタ)アクリレートモノマーを付加させて得られる。
イソシアネートを用いてジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマーを得ることにより、任意の繰り返し数を持ったプレポリマーを合成することで、分子量、または得られるオリゴマーの物性値(柔軟性、強度、接着性等)の調整が可能であることのほか、分子内に極性の高いウレタン結合を任意の個数含むことができるため、ベース樹脂との相溶性設計が容易であるという利点がある。
前記(A)ジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマーの数平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1000〜40000が好ましい。前記数平均分子量はGPCによりポリスチレンの標準から検量線を作成し、試料の保持時間より求めることができる。GPCの移動層溶剤にはテトラヒドロフランやクロロホルムを使用することができる。また、検出器は屈折率計(RI)、UV検出器などを使用することができる。このような方法を用いて得られた数平均分子量が1000未満であると、(A)ジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマー中のジメチルシロキサン部位の相対量が低下するため、十分な効果を発揮させる為には、添加量を多くする必要がある。一方、数平均分子量が40000を超えると、(A)ジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマーと重合可能な(B)光重合性オリゴマー及び/又は(C)光重合性モノマーとの相溶性が著しく低下して分離してしまうと共に、架橋密度が低下することで膜表面が柔らかくなり、傷つきやすい表面となってしまう。
(A)ジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマーは、(a)一般式(1)で表されるシリコーンポリオール成分、(c)イソシアネート成分、(b)末端に水酸基と反応可能な官能基を有する(メタ)アクリレートモノマー成分以外に、(d)その他のポリオール成分を含んでもよい。その場合、シリコーンポリオールと、(d)その他のポリオールと、(c)イソシアネートと、を共重合させて、末端の一部又は全部に水酸基を有するプレポリマーを合成し、次に、該(a)一般式(1)で表されるシリコーンポリオールから得られたプレポリマーにおける水酸基に(b)末端に水酸基と反応可能な官能基を有する(メタ)アクリレートモノマーを付加させて得られる。
(d)その他のポリオール成分を含有することで、撥水性、ベース樹脂との相溶性、硬化物の硬さ等を任意に調整することができる。
前記含有量が、0.05質量%未満であると、本発明の光硬化性樹脂組成物を塗布した物品の撥水性、滑水性を十分に向上させることができないことがあり、10質量%超であると、(B)光重合性オリゴマー及び/又は(C)光重合性モノマーとの相溶性が悪化して、均一な硬化物が得られないことがある。一方、前記(A)ジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマーの含有量が前記より好ましい範囲内であると、(A)ジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマーの表面偏析がより顕著となり、本発明の光硬化性樹脂組成物を塗布した物品の撥水性・滑水性をより長期に渡って発現させることができる。また、添加効果は5.0%でほぼ飽和するため、(A)ジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマーの含有量を前記のより好ましい範囲内にすることはコスト的な面からも有利である。
前記(A)ジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマーの出発原料の一つとして使用するシリコーンポリオールは、下記一般式(1)で表される。
また、前記一般式(1)中、Rとしては、総炭素数1〜30のアルキレン基、又は、エーテル結合を有する総炭素数1〜30の官能基である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記総炭素数1〜30のアルキレン基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、へプチレン、オクチレン、などのエーテル結合を有しない総炭素数1〜30のアルキレン基が挙げられる。
また、前記エーテル結合を有する総炭素数1〜30の官能基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、−C3H6−O−C2H4−、−C3H6−(OC2H4)m−:mは総炭素数が30を超えないような整数、−C2H4−O−C2H4−、−C3H6−O−C3H6−、などが挙げられる。
Rの総炭素数を30以下としたのは、ジメチルシリコーン濃度、耐熱性等の観点からである。Rとしては、市場での入手のしやすさの観点から、プロピレン基、又は、−C3H6−O−C2H4−が好ましい。
前記(a)シリコーンポリオールの市販品としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、DMS−C16(Gelest社製:数平均分子量≒700:p=0、q=3)、FM−4411(チッソ株式会社製:数平均分子量≒1,000:p=1、q=3)、FM−4421(チッソ株式会社製:数平均分子量≒5,000:p=1、q=3)、FM−4425(チッソ株式会社製:数平均分子量≒10,000:p=1、q=3)、KF−6001(信越化学工業株式会社製:数平均分子量≒1,700:p=1、q=3)、KF−6002(信越化学工業株式会社製:数平均分子量≒3,000:p=1、q=3)、KF−6003(信越化学工業株式会社製:数平均分子量≒5,500:p=1、q=3)、X−22−4952(信越化学工業株式会社製:数平均分子量≒4,000:p≒5、q=3)、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記一般式(2)中、p及びqは、上記の範囲内の整数を表す。これらの長さを変えることでベース樹脂との相溶性を変化させることができる一方、長すぎると構造中のシリコーン濃度が相対的に低下するために、十分な機能を発揮することができない。p及びqが上記範囲内にあれば、本発明の目的である撥水性及び滑り性(表面の水滴を容易に除去することができる滑水性)を長期に渡って向上させるという目的への影響はなく、機能を十分に発現することができる。
前記数平均分子量が500未満であると、構造中のジメチルシロキサン部位の相対量が低下するため、十分な効果を発揮させる為には、添加量を多くする必要があり、20000超であると、(A)ジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマーと重合可能な(B)光重合性オリゴマー及び/又は(C)光重合性モノマーとの相溶性が著しく低下して分離してしまうと共に、架橋密度が低下することで膜表面が柔らかくなり、傷つきやすい表面となってしまう。
前記(A)ジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマーの出発原料の一つとして使用し得る(c)イソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、分子構造中に環状骨格を有するポリイソシアネート化合物が好ましい。
これらの中でも、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)が好ましい。
なお、前記(A)ジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマーの合成に際して、(c)イソシアネートと(a)シリコーンポリオールにおける水酸基とを反応させて、末端の一部又は全部に水酸基を有するウレタンプレポリマーを合成する場合は、(c)イソシアネートにおけるイソシアネート基(−NCO)と(a)シリコーンポリオールにおける水酸基との当量比(−NCO/−OH)を1未満にすればよい。
このように、(c)イソシアネートにおけるイソシアネート基(−NCO)と(a)シリコーンポリオールにおける水酸基(−OH)との当量比(−NCO/−OH)を1未満(0/100以上100/100未満)とすることにより、両末端が水酸基のプレポリマーを合成することができ、この水酸基を利用して、(b)(メタ)アクリレートモノマーにおける官能基(例えば、イソシアネート基)と反応させることができる。
前記ウレタン化反応用触媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズチオカルボキシレート、ジブチルスズジマレエート、ジオクチルスズチオカルボキシレート、オクテン酸スズ、モノブチルスズオキシド等の有機スズ化合物;塩化第一スズ等の無機スズ化合物;オクテン酸鉛等の有機鉛化合物;トリエチレンジアミン等の環状アミン類;p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、フルオロ硫酸等の有機スルホン酸;硫酸、リン酸、過塩素酸等の無機酸;ナトリウムアルコラート、水酸化リチウム、アルミニウムアルコラート、水酸化ナトリウム等の塩基類;テトラブチルチタネート、テトラエチルチタネート、テトライソプロピルチタネート等のチタン化合物;ビスマス化合物;四級アンモニウム塩;などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、有機スズ化合物が好ましい。
前記ウレタン化反応用触媒の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記シリコーンポリオール100質量部に対して、0.001質量部〜2.0質量部が好ましい。
前記(A)ジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマーの出発原料の一つとして使用する(b)(メタ)アクリレートモノマーとしては、末端に水酸基と反応可能な官能基を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工株式会社製、カレンズMOI)、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工株式会社製、カレンズAOI)、1,1−(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート(昭和電工株式会社製、カレンズBEI)、などが挙げられる。これらは、一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、官能基の反応性の高さの観点で、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工株式会社製、カレンズAOI)、1,1−(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート(昭和電工株式会社製、カレンズBEI)が好ましい。
これらの中でも、骨格中にウレタン結合を含むことで塗膜の柔軟性と強度のバランスに優れた塗膜を得ることができる点で、イソシアネート基が好ましい。
前記水酸基との反応としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(メタ)アクリル酸との脱水エステル化、低級(メタ)アクリレートを使用したエステル交換法、(メタ)アクリル酸無水物と反応させる方法、などが挙げられる。
本発明の光硬化性樹脂組成物に用いる(B)光重合性オリゴマー及び/又は(C)光重合性モノマーは、ラジカル重合性の反応基、例えば、(メタ)アクリロイル基[CH2=CHCO−又はCH2=C(CH3)CO−]等を含有する。なお、本発明において、(B)光重合性オリゴマーからは、上述の(A)ジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマーを除くものとする。
前記(B)光重合性オリゴマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、アクリロイルオキシ基[CH2=CHCOO−]またはメタクロイルオキシ基[CH2=C(CH3)COO−]を1つ以上有する(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましく、1,2−ポリブチレンオキサイド単位を有する(メタ)アクリレートオリゴマーが特に好ましい。該1,2−ポリブチレンオキサイド単位を有する(メタ)アクリレートオリゴマーは極性が低いため、(A)ジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマーとの相溶性が良く、広範囲にわたって(A)ジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマーを添加することが可能である。そのため、(A)ジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマーの添加量が多い場合でも白濁、層分離等を抑制でき、硬化後の特性を均一にすることができる上、塗膜の外観が良く、それを用いた水周り部材及び機能性パネルも良好な物性及び外観を形成することができる。また、光硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる樹脂の疎水性が高いため、水及び水周りで使用される洗浄剤やヘアカラーなどの染色剤に対する耐性が強く、汚れがつき難く、滑水性の長期安定性がより良好となる。
また、前記(メタ)アクリレートオリゴマー(A)が低極性であることは、具体的には、n−ヘプタントレランスの値で表すことができ、かかる値は好ましくは0.5g/10g以上、より好ましくは0.7g/10g以上である。なお、n−ヘプタントレランスとは、樹脂10gを25℃に保ちながら、これにn−ヘプタンを滴下し、白濁するまで添加することのできるn−ヘプタンの量(g)の値を意味し、有機溶剤に対する溶解性の指標となるものであり、該値が大きいほど低極性であることを示す。
前記ウレタン系(メタ)アクリレートオリゴマーは、例えば、(i)ポリオールと(ii)ポリイソシアネートとからウレタンプレポリマーを合成し、該ウレタンプレポリマーに(iii)イソシアネートと反応可能な官能基を有する化合物、例えば、水酸基を有する(メタ)アクリレートを付加させることによって製造することができる。
前記ウレタンプレポリマーの合成に用いるポリオールとしては、水酸基(−OH)を複数有する化合物である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリテトラメチレングリコール、ポリブタジエンポリオール、アルキレンオキサイド変性ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリイソシアネートとしては、イソシアネート基(−NCO)を複数有する化合物である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製ジフェニルメタンジイソシアネート(クルードMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)や、これらのイソシアヌレート変性物、カルボジイミド変性物、グリコール変性物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ウレタンプレポリマーの合成においては、ウレタン化反応用の触媒を用いることが好ましい。前記ウレタン化反応用触媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズチオカルボキシレート、ジブチルスズジマレエート、ジオクチルスズチオカルボキシレート、オクテン酸スズ、モノブチルスズオキシド等の有機スズ化合物;塩化第一スズ等の無機スズ化合物;オクテン酸鉛等の有機鉛化合物;トリエチレンジアミン等の環状アミン類;p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、フルオロ硫酸等の有機スルホン酸;硫酸、リン酸、過塩素酸等の無機酸;ナトリウムアルコラート、水酸化リチウム、アルミニウムアルコラート、水酸化ナトリウム等の塩基類;テトラブチルチタネート、テトラエチルチタネート、テトライソプロピルチタネート等のチタン化合物;ビスマス化合物;四級アンモニウム塩;などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、有機スズ化合物が好ましい。
前記ウレタン化反応用触媒の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記(i)ポリオール100質量部に対して、0.001質量部〜2.0質量部が好ましい。
また、ウレタンプレポリマーに付加させる(iii)イソシアネートと反応可能な官能基を有する化合物は、イソシアネートと反応可能な官能基(例えば、水酸基)を1つ以上有し、光重合性を示す官能基((メタ)アクリロイルオキシ基[CH2=CHCOO−またはCH2=C(CH3)COO−])を1つ以上有する化合物である。
前記(iii)イソシアネートと反応可能な官能基を有する化合物は、前記ウレタンプレポリマーにおけるイソシアネート基に付加することができる。
前記(iii)イソシアネートと反応可能な官能基を有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルサクシネート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、側鎖が1−アミノエチル基である(メタ)アクリル酸エステル、側鎖が1−アミノプロピル基である(メタ)アクリル酸エステル、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記(C)光重合性モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、(メタ)アクリロイルオキシ基[CH2=CHCOO−又はCH2=C(CH3)COO−]を1つ以上有する(メタ)アクリレートモノマーが好ましく、(i)単官能性モノマー、(ii)2官能性モノマー及び(iii)多官能性モノマーのいずれであってもよい。
光重合性モノマーのSP値=(19.0×3/4)+(21.0×1/4)=19.5・・・(X)
前記(i)単官能性モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルアクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記(ii)2官能性モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加ジオールのジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加ジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルに(メタ)アクリレートを付加させたエポキシ(メタ)アクリレート、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記(iii)多官能性モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ここで、SP値(δ)とは、一般に液体のモル蒸発エネルギー(ΔEv)およびモル体積(V)より、次式:
SP値(δ)=(ΔEv/V)0.5
によって定義される。さらに、SP値はFedors法によれば化学構造のみから推算することができる(「溶解パラメーター値(Solubility Parameter Values)」、ポリマーハンドブック(Polymer Handbook)、第4版(J. Brandrup他編集)参照)。なお、本明細書においてSP値とは、Fedors法よって算出される値を意味し、該値が低いほど光重合性モノマー(C)が低極性であることを示す。
(CH2=CR1COO)nR2 ・・・一般式(A)
で表されるモノマーが好ましい。一般式(A)中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素数5〜20のn価の炭化水素基であり、ヘテロ原子を含まず、鎖状であっても環状であってもよい。また、基中の−CH2−は、−CH=CH−で置き換えられてもよい。nは1〜4の整数である。
これらの中でも、より好適なSP値を有するために良好な低極性を示す傾向にあり、(A)ジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマーとの相溶性のみならず、耐薬品性や耐染色性をもさらに向上させることが可能となる点で、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレートが好ましく、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレートがより好ましい。
本発明の光硬化性樹脂組成物に用いる(D)光重合開始剤は、紫外線等の光を照射されることによって、上述した(A)ジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマー、(B)光重合性オリゴマー及び/又は(C)光重合性モノマーの重合を開始させる作用を有する。
前記(D)光重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、4-ジメチルアミノ安息香酸、4-ジメチルアミノ安息香酸エステル、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、アセトフェノンジエチルケタール、アルコキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン及び3,3-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン、4,4-ジメトキシベンゾフェノン、4,4-ジアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、ベンゾイル安息香酸アルキル、ビス(4-ジアルキルアミノフェニル)ケトン、ベンジル及びベンジルメチルケタール等のベンジル誘導体、ベンゾイン及びベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン誘導体、ベンゾインイソプロピルエーテル、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、キサントン、チオキサントン及びチオキサントン誘導体、フルオレン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルホリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4−モルホリノフェニル)-ブタノン-1、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−光増感剤−
本発明の光硬化性樹脂組成物には、求められる硬化反応性や安定性等を考慮し、必要に応じてさらに光増感剤を含有させてもよい。該光増感剤は、光を照射させることによって、エネルギーを吸収し、該エネルギーまたは電子が重合開始剤に移動して、重合を開始させる作用を有する。該光増感剤としては、p-ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル等が挙げられる。これら光増感剤の配合量は、(A)光重合性シリコーンオリゴマーと(B)光重合性オリゴマー及び/又は(C)光重合性モノマーとの合計100質量部に対して、0.1質量部〜10質量部の範囲が好ましい。
さらに、本発明の光硬化性樹脂組成物には、求められる硬化反応性や安定性等を考慮し、必要に応じて重合禁止剤を含有させてもよい。該重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエ−テル、p-メトキシフェノール、2,4-ジメチル-6-t-ブチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール、ブチルヒドロキシアニソール、3-ヒドロキシチオフェノール、α-ニトロソ-β-ナフトール、p-ベンゾキノン、2,5-ジヒドロキシ-p-キノン等が挙げられる。これら重合禁止剤の配合量は、(A)ジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマーと(B)光重合性オリゴマー及び/又は(C)光重合性モノマーとの合計100質量部に対して、0.1質量部〜10質量部の範囲が好ましい。
また、本発明の光硬化性樹脂組成物は、希釈溶媒としてエーテル、ケトン、エステル等の有機溶媒を含有していてもよく、該有機溶媒としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、アセトン、乳酸ブチル、などが挙げられる。これらの希釈溶媒は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記水周り部材は、本発明の光硬化性樹脂組成物を硬化させてなる塗布層と、基材層とを具えることを特徴とする。前記水周り部材は、表面での水切れ性が要求される部材である。前記水周り部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、キッチンシンク、キッチン用壁材、洗面台、浴室用壁材、浴槽、浴室用天井材、浴室用床材、浴室用カウンター、便器、貯水用タンク、などが挙げられる。
本発明の機能性パネルは、本発明の光硬化性樹脂組成物を硬化させてなる塗布層と、基材層とを具え、例えば、該塗布層が該基材層上に形成されていることが好ましい。
本発明の機能性パネル全体の厚さとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、通常、2.5mm以上が好ましい。なお、本発明の機能性パネル全体の厚さの上限としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記塗布層を基材層上の表面及び裏面の双方に形成してもよく、必要に応じてこれら基材層及び塗布層に加え、これらの層間に種々の材質からなる中間層を形成した多層構造としてもよい。この際、前記塗布層は上述のとおり優れた撥水性及び滑り性を有するため、前記塗布層を機能性パネルの最表面層として形成するのが望ましい。前記中間層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、基材層と塗布層との接着性を向上させるためのアンダーコート層、機能性パネルの意匠性を向上させるための模様や色彩を付与した化粧層、などが挙げられる。
本発明の光硬化性樹脂組成物を基材上に塗布し、次いで光硬化させることによって、基材層上に塗布層を形成することができる。光硬化させる方法としては、紫外線等の光を照射する方法が一般的である。塗布層を形成する基材層上の面は、表面及び裏面のうち、一方の面だけであっても双方の面であってもよく、必要に応じて適宜選択すればよい。なお、本発明の光硬化性樹脂組成物を硬化させる際の光の照射量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、紫外線を採用する場合、通常、照射強度20mW/cm2〜2000mW/cm2、照射量100mJ/cm2〜5000mJ/cm2であり、これによって、本発明の光硬化性樹脂組成物は、通常数秒〜数十秒で硬化する。このように短時間で硬化させることが可能であるので、得られる機能性パネルの生産性の向上を図ることができる。
本発明の機能性パネルに用いられる基材層の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スレート、コンクリート、金属、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、ガラス等の無機質材;木質材;ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、不飽和ポリエステル樹脂等の有機質材;これらの複合材;などが挙げられる。
これらの中でも、有機質剤にガラス繊維や炭素繊維等の繊維を加えた材質、いわゆるFRP(繊維強化プラスチック)が好ましい。前記FRPとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、充填剤及びガラス繊維若しくは炭素繊維を含むシート状のシートモールディングコンパウンド(SMC)、SMCと同様の複合材であって短繊維を含む塊状のバルクモールディングコンパウンド(BMC)、などが挙げられる。前記FRPは、一般に、熱硬化性樹脂、有機過酸化物(硬化剤)、充填剤、低収縮剤、内部離型剤、強化材、架橋剤、及び増粘剤等を配合したものであって、所定の温度に設定した金型内に入れて加圧し、建材として配置する場所に応じた形状に成形して用いられるものである。これらの中でも、熱硬化性樹脂として不飽和ポリエステル、充填剤、及び強化材としてガラス繊維若しくは炭素繊維を含むFRPであると、得られる機能性パネル全体の強度および耐久性等をより向上させることができる。
数平均分子量1,000のシリコーンポリオール(サイラプレーンFM−4411、一般式(2)、p=1、q=3、チッソ株式会社製)0.3molと、ジブチルスズジラウレート0.06gを反応容器に加え攪拌した。次いで、イソホロンジイソシアネート(VESTANAT IPDI、エボニックデグサ社製)0.2molを室温で加えた。これを70℃に加温し、300rpmで2時間半反応させウレタンプレポリマー溶液を得た。得られたプレポリマー溶液全量に2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工株式会社製、カレンズAOI)0.2molを加えて更に4時間攪拌し反応を完結させ、数平均分子量約3000のジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマーを得た。
製造例1において、数平均分子量1,000のシリコーンポリオール(サイラプレーンFM−4411、一般式(2)、p=1、q=3、チッソ株式会社製)を用いる代わりに、数平均分子量約700のシリコーンポリオール(DMS−C16、一般式(2)、p=0、q=3、Gelest社製)を用いたこと以外は、製造例1と同様にして、数平均分子量約3000のジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマーを得た。
製造例1において、数平均分子量1,000のシリコーンポリオール(サイラプレーンFM−4411、一般式(2)、p=1、q=3、チッソ株式会社製)を用いる代わりに、数平均分子量約5000のシリコーンポリオール(FM−4421、一般式(2)、p=1、q=3、チッソ株式会社製)を用いたこと以外は、製造例1と同様にして、数平均分子量約7000のジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマーを得た。
製造例1において、数平均分子量1,000のシリコーンポリオール(サイラプレーンFM−4411、一般式(2)、p=1、q=3、チッソ株式会社製)を用いる代わりに、数平均分子量約10000のシリコーンポリオール(FM−4425、一般式(2)、p=1、q=3、チッソ株式会社製)を用いたこと以外は、製造例1と同様にして、数平均分子量約12000のジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマーを得た。
製造例1において、数平均分子量1,000のシリコーンポリオール(サイラプレーンFM−4411、一般式(2)、p=1、q=3、チッソ株式会社製)を用いる代わりに、数平均分子量約1700のシリコーンポリオール(KF6001、一般式(2)、p=1、q=3、信越化学工業株式会社製)を用いたこと以外は、製造例1と同様にして、数平均分子量約4000のジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマーを得た。
製造例1において、数平均分子量1,000のシリコーンポリオール(サイラプレーンFM−4411、一般式(2)、p=1、q=3、チッソ株式会社製)を用いる代わりに、数平均分子量約3000のシリコーンポリオール(KF6002、一般式(2)、p=1、q=3、信越化学工業株式会社製)を用いたこと以外は、製造例1と同様にして、数平均分子量約5000のジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマーを得た。
製造例1において、数平均分子量1,000のシリコーンポリオール(サイラプレーンFM−4411、一般式(2)、p=1、q=3、チッソ株式会社製)を用いる代わりに、数平均分子量約5500のシリコーンポリオール(KF6003、一般式(2)、p=1、q=3、信越化学工業株式会社製)を用いたこと以外は、製造例1と同様にして数平均分子量約7500のジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマーを得た。
製造例1において、数平均分子量1,000のシリコーンポリオール(サイラプレーンFM−4411、一般式(2)、p=1、q=3、チッソ株式会社製)を用いる代わりに、数平均分子量約4000のシリコーンポリオール(X−22−4952、一般式(2)、p≒5、q=3、信越化学工業株式会社製)を用いたこと以外は、製造例1と同様にして、数平均分子量約6000のジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマーを得た。
数平均分子量1,000のシリコーンポリオール(サイラプレーンFM−4411、一般式(2)、p=1、q=3、チッソ株式会社製)0.2molと、ジブチルスズジラウレート0.06gを反応容器に加え攪拌した。次いで、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工株式会社製、カレンズAOI)0.4molを加えて4時間攪拌し反応を完結させ、数平均分子量約2000のジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマーを得た。
製造例1において、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工株式会社製、カレンズAOI)を添加する代わりに、1,1−(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート(昭和電工株式会社製、カレンズBEI)を添加したこと以外は、製造例1と同様にして、数平均分子量約3000のジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマーを得た。
製造例1において、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工株式会社製、カレンズAOI)を添加する代わりに、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工株式会社製、カレンズMOI)を添加したこと以外は、製造例1と同様にして、数平均分子量約3000のジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマーを得た。
製造例1において、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工株式会社製、カレンズAOI)を添加する代わりに、得られたプレポリマーをパラトルエンスルホン酸触媒下、溶媒としてトルエンを用いてアクリル酸と反応させた。反応した反応生成物を10%水酸化ナトリウム水溶液でPH11に中和し、酸成分を除去することで、数平均分子量約3000のジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマーを得た。
製造例1において、イソホロンジイソシアネート(VESTANAT IPDI、エボニックデグサ社製)を添加する代わりに、分子構造中に環状骨格を有さないポリイソシアネート化合物としてのヘキサメチレンジイソシアネート(商品名:HDI、エボニックデグサ製)を添加したこと以外は、製造例1と同様にして、数平均分子量約3000のジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマーを得た。
ポリジメチルシロキサンの片側の末端をジオールに変性したシリコーン化合物[(株)信越化学製、X−22−176DX]30.0gにイソボルニルアクリレート132.6g、ジブチルスズジラウレート0.03gを反応容器に加え攪拌した。次いで、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)[エボニックデグサ社製]3.14gを室温で加えた。これを50℃に加温し100rpmで3時間反応させウレタンプレポリマー溶液を得た。得られたプレポリマー溶液全量に2−ヒドロキシエチルアクリレートを2.24g加えて更に6時間攪拌し反応を完結させ、シリコーンオリゴマーを得た。
表1〜表8に示す配合処方に従い、撹拌装置に各成分を投入及び混合して、光硬化性樹脂組成物を調製した。得られた光硬化性樹脂組成物を、FRP(デックマット(登録商標)2415、DIC化工(株)製)からなる基材の上面に、厚さ20μmになるように塗布した。次いで、UV照射(1000mW/cm2、4000mJ/cm2)して光硬化性樹脂組成物を硬化させ、サンプルを得た。下記の方法で、撥水性、滑り性を評価し、表1〜表8に示す結果を得た。なお、表1〜表8中、初期とは、サンプルの作製直後を意味し、耐久試験後とは、50℃の水に50時間浸漬後を意味する。
相溶性の評価は目視で行った。ベース樹脂となる(B)光重合性オリゴマー及び/又は(C)光重合性モノマーに対して、(A)ジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマーを添加した際の相溶性を以下の基準に従って判断した。
○:透明
△:薄く白濁
×:濃く白濁
撥水性の評価は、水の接触角を測定して行った。なお、接触角の測定には、協和界面科学社製DM−500を用いた。基材の上に1.5μLの水滴を滴下し、直後及び耐久試験後の水接触角を測定した。測定は3回行い、その平均値を接触角の値とした。
滑り性の評価は、水の転落角を測定して行った。なお、滑り性の評価には、協和界面科学社製DM−500及びDM−SAを用いた。基材の上に30μLの水滴を滴下し、7.5度/秒のスピードでステージを傾け、水滴が動き出した角度を転落角の値とした。
*2 製造例2で得られたジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマー
*3 製造例3で得られたジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマー
*4 製造例14で得られたシリコーンオリゴマー
*5 チッソ株式会社製、「FM−0711」、片末端メタクリル変性ジメチルシリコーンオイル、数平均分子量(Mn)1000、下記一般式(3)で表される請求項範囲外の化合物
*6 チッソ株式会社製、「FM−7711」、両末端メタクリル変性ジメチルシリコーンオイル、数平均分子量(Mn)1000、比重0.98、屈折率1.419、粘度20mm2/s、下記一般式(4)で表される請求項範囲外の化合物
*7 下記の方法で合成した1,2−ポリブチレンオキサイド単位を有するウレタンアクリレートオリゴマー
*7−2 共栄社化学株式会社製 UF−8001
*8 共栄社化学株式会社製、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、SP値=19.6(J/cm3)0.5
*9 新中村工業株式会社製、2−アクリロイルオキシエチルサクシネート、SP値=22.7(J/cm3)0.5
*10 チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、「IRGACURE184」、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
*11 製造例4で得られたジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマー
*12 製造例5で得られたジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマー
*13 製造例6で得られたジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマー
*14 製造例7で得られたジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマー
*15 製造例8で得られたジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマー
*16 製造例9で得られたジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマー
*17 製造例10で得られたジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマー
*18 製造例11で得られたジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマー
*19 製造例12で得られたジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマー
*20 製造例13で得られたジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマー
方法>
プロピレングリコール(関東化学株式会社製)1molに水酸化カリウムを触媒として反応温度110℃でブチレンオキサイド12molを付加してポリオールを得た。該ポリオールに、2,4−トリレンジイソシアネート2molを、窒素ガス導入管、攪拌機及び冷却管の付いた反応容器に仕込み、70℃で2時間反応させた。次に2−ヒドロキシエチルアクリレート4mol、触媒としてジブチル錫ジラウレートを微量徐々に加え、さらに70℃で15時間反応させて、数平均分子量約1500の1,2−ブチレングリコールユニット含有ウレタンアクリレートオリゴマーを得た。
このようにして得られた1,2−ポリブチレンオキサイド単位を有するウレタンアクリレートオリゴマーのn−ヘプタントレランスの値は1.0g/10gであった。
Claims (11)
- (A)少なくとも、(a)下記一般式(1)で表されるシリコーンポリオールと、(b)末端に水酸基と反応可能な官能基を有する(メタ)アクリレートモノマーと、を用いて得られるジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマー、
前記(A)ジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマーと共重合可能な、(B)光重合性オリゴマー及び/又は(C)光重合性モノマー、並びに、
(D)光重合開始剤
を含有することを特徴とする光硬化性樹脂組成物。
- 前記(A)ジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマーが、前記(a)一般式(1)で表されるシリコーンポリオールと、(c)イソシアネートと、前記(b)末端に水酸基と反応可能な官能基を有する(メタ)アクリレートモノマーと、を反応させて得られることを特徴とする請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
- 前記(c)イソシアネートにおけるイソシアネート基と前記(a)一般式(1)で表されるシリコーンポリオールにおける水酸基との当量比(イソシアネート基/水酸基)が100/100未満であることを特徴とする請求項2に記載の光硬化性樹脂組成物。
- 前記(c)イソシアネートが分子構造中に環状骨格を有するポリイソシアネート化合物であることを特徴とする請求項2又は3に記載の光硬化性樹脂組成物。
- 前記(b)(メタ)アクリレートモノマーにおける水酸基と反応可能な官能基が、イソシアネート基であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
- 前記(C)光重合性モノマーの溶解性パラメータ(SP値)が20.0(J/cm3)1/2以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
- 前記(C)光重合性モノマーが下記一般式(A)で表される化合物を含むことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
(CH2=CR1COO)nR2 ・・・一般式(A)
但し、前記一般式(A)中、R1は、水素原子又はメチル基を表し、R2は、炭素数5〜20のn価の炭化水素基を表し、nは、1〜4の範囲内の整数を表す。 - 前記(B)光重合性オリゴマーが、1,2−ポリブチレンオキサイド単位を有する(メタ)アクリレートオリゴマーであることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
- 前記(A)ジメチルシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマーの含有量が、前記(B)光重合性オリゴマー及び/又は(C)光重合性モノマーとの合計に対して0.05質量%〜10質量%であることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
- 請求項1から9のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物を硬化させてなる塗布層と、基材層とを具えることを特徴とする水周り部材。
- 請求項1から9のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物を硬化させてなる塗布層と、基材層とを具えることを特徴とする機能性パネル。
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