JP7003764B2 - 反応性ブロック共重合体 - Google Patents
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Description
有機ELディスプレイの実用化に伴い、より軽量化が求められてきており、部材の一部をガラスや薄膜ガラスからプラスチックへ切り替える方法がとられている。しかし、薄膜ガラスは耐熱性に優れる一方非常に割れやすく、プラスチック(特にPET、PC、PMMA、シクロオレフィンポリマー等)は、軽量かつ透明性の高い特徴を持っているが、耐衝撃性、耐傷付き性などの機械的特性が乏しいことがあり、新たな機能性プラスチックの開発が求められてきた。
一方、特許文献2には、製紙、織物、磁気テープ等に使用されるカレンダーロール等の各種ロール、キャスターその他一般成型用樹脂として有用な高硬度と強靱性を有し、耐熱性も優れた新規なポリ尿素樹脂が開示されている(段落0001)。しかしながら、当該技術は鋳型に注入して使用する一般成型用樹脂に関するものであり、ハンドリングなどの面でフィルム状の携帯端末などへの適用を想定したものではなかった。
さらに、特許文献3には、低温で加熱処理することによって得ることが可能であり、基材や封止材料との密着性が良好であり、改良された耐スズメッキ性を有し、更に、ソリが発生し難く、耐熱性、耐ハンダフラックス性、耐溶剤性、耐薬品性、耐屈曲性、及び電気特性が優れ、フレキシブル配線基板などの基材上に良好に塗布が可能であり、電気電子部品などの絶縁膜を形成するためのポリイミドシロキサン系の絶縁膜用組成物が開示されている。しかしながら、当該技術はフレキシブル配線基板への適用を想定したものであり、ディスプレイ用途で必要な透明性については何ら考慮されたものではなかった。
分子内に環状構造を有する脂肪族ジイソシアネート化合物<A>と、ジアミン化合物<B>を重付加反応することで得られる交互共重合体1と、
分子内に環状構造を有する脂肪族ジイソシアネート化合物<A>と、特定のジアミン化合物<C1>またはジオール化合物<C2>との重付加物である交互共重合体2とを
さらに重付加させたブロック共重合体の両末端基に付加可能な基を持ち、かつ、活性エネルギー線照射によるラジカル硬化が可能な重合性官能基を有する化合物<E>を付加させた、反応性ブロック共重合体およびその製造方法を見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の態様の例を以下に示す。
該ブロック共重合体(P)の両末端基に付加可能な基を持ち、かつ、活性エネルギー線照射によるラジカル硬化が可能な重合性官能基を有する化合物<E>を付加させた、反応性ブロック共重合体(Q)。(以下、「反応性ブロック共重合体」についても「(Q)」という記号を付けて記す。)
-[(交互共重合体1)-(交互共重合体2)-]- 式(3)
交互共重合体1:
ジイソシアネート化合物<A>と、ジアミン化合物<B>の重付加共重合体であって、式(1)
-[(A)-(B)-]- 式(1)
で表される繰り返し単位を含み、重量平均分子量が500~30万であり、両末端が-NH2または-NCOであるポリウレア系交互共重合体;
交互共重合体2:
ジイソシアネート化合物<A>と、ジアミン化合物<C1>の重付加共重合体であって、式(2-1)
-[(A)-(C1)-]- 式(2-1)
で表される繰り返し単位を含み、重量平均分子量が500~30万であり、両末端が-NCOまたは-NH2であるポリウレア系交互共重合体2-1、
および
ジイソシアネート化合物<A>と、ジオール化合物<C2>の重付加共重合体であって、式(2-2)
-[(A)-(C2)-]- 式(2-2)
で表される繰り返し単位を含み、重量平均分子量が500~30万であり、両末端に-NCOまたは-OHを有するポリウレタン系交互共重合体2-2
から選ばれる少なくとも1種の交互共重合体;
(式中(A)は、それぞれ独立して分子内に環状構造を有する脂肪族イソシアネート構造単位の少なくとも1種;
(B)は、それぞれ独立して芳香族ジアミン、エーテル結合を有する芳香族ジアミン、および環状骨格を有する脂肪族ジアミンから選ばれる少なくとも1種の構造単位;
(C1)は、直鎖状脂肪族ジアミン、エーテル結合を有する脂肪族ジアミンおよびシロキサン骨格を有するジアミンから選ばれる少なくとも1種の構造単位;
(C2)は、直鎖状脂肪族ジオール、エーテル結合を有する脂肪族ジオールおよびシロキサン骨格を有するジオールから選ばれる少なくとも1種の構造単位を表す。
ただし、交互共重合体1の両末端が-NCOであるときは、交互共重合体2の両末端は-NH2または-OHであり;
交互共重合体1の両末端が-NH2であるときは、交互共重合体2の両末端は-NCOである。)
化合物<E>の該ブロック共重合体(P)の両末端基に付加可能な基が、-NCOであり、活性エネルギー線照射によるラジカル硬化が可能な重合性官能基が、(メタ)アクリロイル基であることを特徴とする、上記[1]に記載の反応性ブロック共重合体(Q)。
化合物<E>の該ブロック共重合体(P)の両末端基に付加可能な基が、-NH2基、-COOHまたは-OHのいずれかであり、活性エネルギー線照射によるラジカル硬化が可能な重合性官能基が、(メタ)アクリロイル基であることを特徴とする、上記[1]に記載の反応性ブロック共重合体(Q)。
該ブロック共重合体(P)の両末端基に付加可能な基を持ち、かつ、活性エネルギー線照射によるラジカル硬化が可能な重合性官能基を有する化合物<E>を付加させた、反応性ブロック共重合体(Q)である。
-[(交互共重合体1)-(交互共重合体2)-]- 式(3)
ただし、交互共重合体1の両末端が-NCOであるときは、交互共重合体2の両末端は-NH2または-OHであり;
交互共重合体1の両末端が-NH2であるときは、交互共重合体2の両末端は-NCOである。
この反応性ブロック共重合体(Q)を構成する要素を以下順次説明する。
交互共重合体1は、ジイソシアネート化合物<A>と、ジアミン化合物<B>の重付加共重合体であって、
式(1)
-[(A)-(B)-]- 式(1)
で表される繰り返し単位を含み、重量平均分子量が500~30万であり、両末端が-NH2または-NCOであるポリウレア系交互共重合体である。
(式中(A)は、分子内に環状構造を有する脂肪族ジイソシアネート構造単位の少なくとも1種、(B)は、それぞれ独立して芳香族ジアミン、エーテル結合を有する芳香族ジアミンの構造単位から選択される、少なくとも1種である。)
本発明で用いることのできるジイソシアネート化合物<A>は、分子内に環状構造を有する脂肪族ジイソシアネート化合物であれば特に限定されるものではないが、その具体例としては、下記式(I)~(X)で表されるジイソシアネート化合物が挙げられる。
Xは、それぞれ独立して、炭素数が1~7の直鎖または分岐のアルキレンであり、
Yは、それぞれ独立して、酸素、硫黄、炭素数が1~7の直鎖または分岐のアルキレン、-C(CF3)2-または-SO2-である。
本発明で用いることのできるジアミン化合物<B>は、それぞれ独立して芳香族ジアミン、エーテル結合を有する芳香族ジアミン、および環状骨格を有する脂肪族ジアミンから選択されるジアミン化合物であれば特に限定されるものではない。例えば、特開2014-65921号公報に開示されているジアミン化合物を用いることができる。
交互共重合体2は、ジイソシアネート化合物<A>と、ジアミン化合物<C1>の重付加共重合体であって、
式(2-1)
-[(A)-(C1)-]- 式(2-1)
で表される繰り返し単位を含み、重量平均分子量が500~30万であり、両末端が-NCOまたは-NH2であるポリウレア系交互共重合体2-1、
および
ジイソシアネート化合物<A>と、ジオール化合物<C2>の重付加共重合体であって、式(2-2)
-[(A)-(C2)-]- 式(2-2)
で表される繰り返し単位を含み、重量平均分子量が500~30万であり、両末端に-NCOまたは-OHを有するポリウレタン系交互共重合体2-2
から選ばれる少なくとも1種の交互共重合体である。
(式中(A)は、それぞれ独立して分子内に環状構造を有する脂肪族イソシアネート構造単位の少なくとも1種;
(C1)は、直鎖状脂肪族ジアミン、エーテル結合を有する脂肪族ジアミンおよびシロキサン骨格を有するジアミンから選ばれる少なくとも1種の構造単位;
(C2)は、直鎖状脂肪族ジオール、エーテル結合を有する脂肪族ジオールおよびシロキサン骨格を有するジオールから選ばれる少なくとも1つの構造単位を表す。)
交互共重合体2で用いることのできるジイソシアネート化合物<A>は、交互共重合体1で用いられるジイソシアネート化合物<A>と同様である。
交互共重合体2に用いるジアミン化合物<C1>またはジオール化合物<C2>は、それらのうちのいずれを選択してもよく、それぞれをジイソシアネート化合物<A>と重付加させることによってポリウレア系交互共重合体2-1およびポリウレタン系交互共重合体2-2を得ることができる。また、ジアミン化合物<C1>とジオール化合物<C2>を併用してもよく、この場合、交互共重合体2は、ウレア構造とウレタン構造を同時に含む共重合体となる。
ジアミン化合物<C1>は、直鎖状脂肪族ジアミン化合物、エーテル結合を有する脂肪族ジアミン化合物およびシロキサン骨格を有するジアミン化合物から選ばれる少なくとも1種である。例えば、特開2014-65921号公報に開示されている化合物を用いることができる。
は独立してはメチレン、フェニレンまたは少なくとも1つの水素がアルキルで置き換えられたフェニレンであり、xは独立して1~6の整数であり、yは0~70の整数である。
ジオール化合物<C2>は、直鎖状脂肪族ジオール、エーテル結合を有する脂肪族ジオールおよびシロキサン骨格を有するジオールから選ばれる少なくとも1種である。ジオール化合物<C2>としては、上記のジアミン化合物<C1>における2つの-NH2を-OHに置き換えた構造の化合物が利用できる。
アルキレンジオール又はポリオキシアルキレンジオール化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ヘキシレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリ1,2-ブチレングリコール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール1,4-シクロヘキサンジメタノール、メチルペンタンジオール変性ポリテトラメチレングリコール、プロピレングリコール変性ポリテトラメチレングリコール、エチレングリコール-プロピレングリコール・ブロックコポリマー、エチレングリコール-テトラメチレングリコールコポリマー、2-メチル-1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、サイラプレーンFM4411(JNC(株)製、両末端ヒドロキシル変性ケイ素化合物、Mn=1000)、サイラプレーンFM4421(JNC(株)製、両末端ヒドロキシル変性ケイ素化合物、Mn=5000),サイラプレーンFM4425(JNC(株)製、両末端ヒドロキシル変性ケイ素化合物、Mn=10000)が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
本発明の反応性ブロック共重合体(Q)は、上述の交互共重合体1と、交互共重合体2との重付加共重合体である、式(3)で表される繰り返し単位を含み、重量平均分子量が5千~100万であり、末端が-NH2-OHまたは-NCOのいずれかであるブロック共重合体(P)の両末端に、
該ブロック共重合体(P)の両末端基に付加可能な基を持ち、かつ、活性エネルギー線照射によるラジカル硬化が可能な重合性官能基を有する化合物<E>を付加させた、反応性ブロック共重合体(Q)である。
-[(交互共重合体1)-(交互共重合体2)]- 式(3)
交互共重合体1と交互共重合体2は、ウレア結合またはウレタン結合を介して結合している。
化合物<E>の該ブロック共重合体(P)の両末端基に付加可能な基が、-NCOであり、活性エネルギー線照射によるラジカル硬化が可能な重合性官能基が、(メタ)アクリロイル基である、化合物<E>を反応し、ウレア結合またはウレタン結合が形成され、本発明の反応性ブロック共重合体(Q)となる。
化合物<E>の該ブロック共重合体(P)の両末端基に付加可能な基が、-NH2基、-COOHまたは-OHのいずれかであり、活性エネルギー線照射によるラジカル硬化が可能な重合性官能基が、(メタ)アクリロイル基である、化合物<E>を反応し、ウレア結合が形成され、本発明の反応性ブロック共重合体(Q)となる。
(E)-(ブロック共重合体(P))-(E) 式(4)
反応性ブロック共重合体(Q)は、ブロック共重合体(P)の両末端基に化合物<E>を反応して得られる。化合物<E>は、式中、ブロック共重合体(P)の両末端の構造単位(E)に対応する。ブロック共重合体(P)と構造単位(E)間の結合部位は、ウレア構造(-NH-CO-NH-)、ウレタン構造(-NH-CO-O-、左右が逆の向きの構造を含む)または-CO-O-CO-NH-構造(左右が逆の向きの構造を含む)となる。
以下、まずブロック共重合体(P)の製造方法について、交互共重合体1および交互共重合体2を製造する段階からまとめて説明する。
(i)工程1で得られた交互共重合体1と工程2で得られた交互共重合体2を同一反応容器へ導入し、重付加反応を行うことによりブロック共重合体(P)を製造する方法
(ii)工程1で得られた交互共重合体1を反応容器に導入し、その後、工程2を実施することにより、ブロック共重合体(P)を製造する方法
(iii)工程2で得られた交互共重合体2を反応容器に導入し、その後、工程1を実施することにより、ブロック共重合体(P)を製造する方法
(iv)同一容器内で工程1を実施した後、引き続き工程2を実施することによりブロック共重合体(P)を製造する方法
(v)同一容器内で工程2を実施した後、引き続き工程1を実施することによりブロック共重合体(P)を製造する方法
いずれの段階重合法においてもブロック共重合体(P)を得ることが出来るが、目的とする特性を得るために、1種類以上の段階重合法を複数あわせても良いし、選択された段階重合法を複数回くり返し行う方法を採用してもよい。
上記に記載の方法にて得られたブロック共重合体(P)を製造した後、同一容器内に、該ブロック共重合体(P)の両末端基に付加可能な基が、-NH2基、-COOHまたは-OH、-NCOのいずれかであり、活性エネルギー線照射によるラジカル硬化が可能な重合性官能基が、(メタ)アクリロイル基である、化合物<E>を導入し、反応を行うことにより反応性ブロック共重合体(Q)を製造する。
本発明の反応性ブロック共重合体(Q)は、交互共重合体1および交互共重合体2のいずれもジイソシアネート化合物<A>の構成単位、すなわち環状構造を有する脂肪族イソシアネート構造単位(A)を持つが、ジイソシアネート化合物<A>の一部をその他のジイソシアネート化合物<D>を置き換えて使用してもよい(構造単位(D))。その他のジイソシアネート化合物は、交互共重合体1の一部に含まれていてもよく、交互共重合体2の一部に含まれていてもよく、また、それぞれの交互共重合体が結合する部分の構造に挟まれていてもよく、ブロック共重合体(P)の末端に結合していてもよい。
本発明のラジカル硬化が可能な重合性官能基を有する化合物<E>は、本発明のブロック共重合体(P)の末端基に付加可能な末端基を有する。
ラジカル硬化が可能な重合性官能基を有する化合物<E>として用いることのできる化合物の具体例としては、以下を挙げることができる。
ブロック共重合体(P)の末端が-NH2、-OHの場合、(メタ)アクリロイル基を有する化合物としてはイソシアネート基(-NCO)を有する(メタ)アクリル化合物を使用することができる。
ブロック共重合体(P)の末端が-NCOの場合、(メタ)アクリロイル基を有する化合物は、末端イソシアネートと反応可能な官能基を含有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、水酸基(-OH)、カルボキシル基(-COOH)、アミノ基(-NH2)、を有する(メタ)アクリル化合物を使用することができる。
前記アミノ基を有する(メタ)アクリレート化合物として、特に制限されるものではないが、例えば、側鎖が1-アミノエチル基である(メタ)アクリル酸エステル、側鎖が1-アミノプロピル基である(メタ)アクリル酸エステル、などが挙げられる。
前記カルボキシル基(-COOH)を有する(メタ)アクリレ化合物としては、特に制限されるものではないが、例えば、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルサクシネート、2-アクリロイロキシエチル-コハク酸、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、などが挙げられる。
水酸基を有する(メタ)アクリル化合物としては、特に限定されるものではないが、水酸基含有(メタ)アクリル酸のエステルあるいはアミド化合物が好ましく、具体的には、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチルアクリルアミド、2-ヒドロキシ-3-フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、などが挙げられる。
交互重合体1、交互重合体2、ブロック共重合体(P)、さらには本発明の反応性ブロック共重合体(Q)を製造する際に用いられる溶媒は、これらの共重合体が合成できれば特に限定されるものではない。反応溶媒としては、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、シクロヘキサノン、1,3-ジオキソラン、エチレングリコールジメチルエーテル、1,4-ジオキサン、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、アニソール、エチルラクテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル(1-ブトキシ-2-プロパノール)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(1-エトキシ-2-プロパノール)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(1-メトキシ-2-プロパノール)、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラメチレングリコールモノビニルエーテル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、1-ビニル-2-ピロリドン、1-ブチル-2-ピロリドン、1-エチル-2-ピロリドン、1-(2-ヒドロキシエチル)-2-ピロリドン、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、1-アセチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N,N-ジメチルプロピオンアミド、N-メチル-ε-カプロラクタム、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、γ-ブチロラクトン、4-メチル-2-ペンタノン、メチルエチルケトン、アセトン、トルエン、テトラヒドロフラン、乳酸エチル、3-メトキシN,N-ジメチルプロパンアミド、イソプロピルアルコール、ノルマルブチルアルコールおよびノルマルプロピルアルコールを挙げることができる。
これらの反応溶媒は、1種のみを用いてもよく、また、2種以上を混合して用いてもよい。さらに、上記反応溶媒以外に他の溶媒を混合して用いることもできる。
本発明のポリウレア系交互共重合体は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどに代表される画像表示素子分野において、画像表示素子を衝撃から保護するための材料として活用することができる。例えば液晶ディスプレイにおいては、カバーガラスやカバーフィルムの表面や裏面、偏光板の表面や裏面に設置するフィルムやコーティング材としても良い。有機ELディスプレイにおいては、フレキシブル化による薄型軽量化が進んできており、衝撃などの外力から素子を保護するニーズが極めて高くなってきている。これにともない、本発明のポリウレア系交互共重合体は、カバーガラスやカバーフィルムの表面や裏面、偏光板の表面や裏面、素子本体に設置するバックフィルム、コーティング材として有用である。またフィル材、封止材、ダム材、バッファー材、平坦化膜などの素子内部の材料としても活用することもできる。
実施例で用いる記号の意味は、次の通りである。
PSt:ポリスチレン
BAPP:2,2‐ビス[4‐(4‐アミノフェノキシ)フェニル]プロパン
DMAc:N,N-ジメチルアセトアミド
THF:テトラヒドロフラン
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
HXDI:1,3‐ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン
MEHQ:4-メトキシフェノール
MEOH:メタノール
BEI:1,1-(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート(昭和電工(株)製カレンズBEI)
AOI:2-イソシアナトエチルアクリラート(昭和電工(株)製カレンズAOI)
<GPC>
装置:日本分光(株)製LC-2000Plusシリーズ(検出器: 示差屈折率計)
溶剤:THF/DMF=1/1(v/v)
流速:0.5ml/min
カラム温度:40℃
使用カラム:昭和電工株式会社製、Asahipak GF-1G 7B(ガードカラム)+Asahipak GF-7M HQ、排除限界分子量 (PEG )= 10,000,000)
較正曲線用標準試料:Pst(PSS Polymer Standards Service 社製)
装置:TAインスツルメント社製RSA-G2
測定温度: -30 ℃ ~ 200 ℃
周波数: 1Hz
ガラス転移温度(Tg):Tanδのピーク温度
弾性率:50 ℃における貯蔵弾性率の値
窒素雰囲気下、還流冷却器、温度計及び滴下ロートが装着された200mLの三口フラスコにBAPP(和歌山精化工業(株)製)14.3g、DMAc(57.4g、関東化学(株)製、脱水)を導入した。オイルバスを用いて120℃に加熱した。次いで、DMAc(22.6g、関東化学(株)製、脱水)に、HXDI(5.66g、三井化学(株)製、製品名;タケネート600)を溶解させた溶液をシリンジで一括導入し、反応を開始した(HXDI:BAPP=1.0:1.2, モル比)。その後120℃に保ったまま、6時間攪拌し、透明な反応液を得た。反応液のGPC分析により求めた重量平均分子量は8,200、分子量分布は2.7であった。
さらに、1LビーカーにソルミックスAP-1(日本アルコール販売製:エタノール、2‐プロパノール、メタノール、水混合物)600mLを用意し、スターラーで攪拌させながら、得られた重合液20mLをパスツールを用いてゆっくりと滴下した。溶液中には白色の固形物が析出した。吸引濾過により析出物を回収後、120℃に設定した真空乾燥機内で6時間乾燥し、淡赤色の交互共重合体(1)を得た。
窒素雰囲気下、還流冷却器、温度計及び滴下ロートを取り付けた1000mLの三口フラスコにHXDI(51.1g、三井化学(株)製、製品名;タケネート600)、DMAc(249.0g、関東化学(株)製、脱水)を導入した。水浴にフラスコを浸し冷却状態を維持したまま、両末端ヒドロキシル変性ケイ素化合物(198.8g、JNC(株)製、商品名:サイラプレーンFM4411、水酸基当量:564g/mol)を溶解させた溶液を、滴下ロートを用いて滴下し反応を開始した(HXDI:FM4411=1.5:1、モル比)。その後6時間反応を続け、交互共重合体(2-2)を得た。得られた反応液は透明であり反応液のGPC分析により求めた重量平均分子量は6100、分子量分布は1.9であった。
窒素雰囲気下、還流冷却器、温度計及び滴下ロートを取り付けた200mLの三口フラスコにHXDI(4.26g、三井化学(株)製、製品名;タケネート600)、DMAc(57.6g、関東化学(株)製、脱水)を導入した。その後、オイルバスを用いて40℃にて加熱した。α,ω-(3-アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン(13.74g、JNC(株)製、商品名:FM3311)にDMAc(14.4g、関東化学(株)製、脱水)を加えて溶解させた溶液を滴下し反応を開始した。その後、同温度で5時間攪拌し、交互共重合体(2-1)を得た。得られた反応液は透明であり反応液のGPC分析により求めた重量平均分子量は9,900、分子量分布は3.2であった。
窒素雰囲気下、還流冷却器、温度計及び滴下ロートを装着した三口フラスコ(200mL)に[製造例1]で得られた共重合体(1)(5.01g)導入し次いでDMAc(20.0g、関東化学(株)製、脱水)を加えた。オイルバスを用いて120℃に加熱を行った後に、 [製造例2]で得られた共重合体(2-2)(30.0g)と、DMAc(45.1g)を滴下ロートへ導入した(共重合体濃度:20%)。その後速やかに滴下を開始し、共重合体(1)と共重合体(2-2)とを攪拌しながらフラスコ内で均一混合させた(共重合体(1):共重合体(2-2)=1:3,重量比)。同温度で6時間攪拌下に付すことでブロック共重合体(P)(1)を得た。得られた反応液は透明でありGPC分析により求めた重量平均分子量は54,200、分子量分布は5.8であった。
窒素雰囲気下、還流冷却器、温度計及び滴下ロートを装着した三口フラスコ(200mL)に [製造例3]で得られた、共重合体(2-1)(75.0g)を導入した。次いでオイルバスを用いて120℃に加熱した。滴下ロートに[製造例1]で得られた共重合体(1)5.00gとDMAc(20.0g)を混合させた溶液を導入した(共重合体濃度:20%)。その後速やかに滴下を開始し、共重合体(1)と共重合体(2-1)とを攪拌しながらフラスコ内で均一混合させた(共重合体(1):共重合体(2-1)=1:3,重量比)。同温度で6時間攪拌下に付すことでブロック共重合体(P)(2)を得た。得られた反応液は透明でありGPC分析により求めた重量平均分子量は69,700、分子量分布は9.9であった。
窒素雰囲気下、還流冷却器、温度計及び滴下ロートを装着した三口フラスコ(200mL)に[製造例4]で得られた共重合体(1)を80℃に加熱を行った後に、BEI(1.764g、昭和電工(株)製、製品名;カレンズBEI)及びMEHQ(0.020g、東京化成工業(株)製)を滴下ロートに導入し、速やかに滴下し、反応を開始した。その後、同温度で5時間攪拌し、透明な反応液を得た。その後、AOI(0.585g、昭和電工(株)製、製品名;カレンズAOI)を滴下ロートに導入し、速やかに滴下し反応を開始した。その後、同温度で5時間攪拌下に付した後、フラスコをバスアップすることで室温まで冷却した。MEOH(0.8955g、関東化学(株)製)を加え30分攪拌することでUV硬化型の反応性ブロック共重合体(Q)(1)を得た。得られた反応液は透明でありGPC分析により求めた重量分子量は55,000、分子量分布は5.4であった。
窒素雰囲気下、還流冷却器、温度計及び滴下ロートを装着した三口フラスコ(200mL)に[製造例5]で得られた共重合体(2)を80℃に加熱を行った後に、BEI(1.372g、昭和電工(株)製、製品名;カレンズBEI)及びMEHQ(0.020g、東京化成工業(株)製)を滴下ロートに導入し、速やかに滴下し反応を開始した。その後、同温度で5時間攪拌し、透明な反応液を得た。その後、AOI(0.584g、昭和電工(株)製、製品名;カレンズAOI)を滴下ロートに導入し、速やかに滴下し、反応を開始した。その後、同温度で5時間攪拌下に付した後、フラスコをバスアップすることで室温まで冷却した。MEOH(0.7066g、関東化学(株)製)を加え30分攪拌することでUV硬化型の反応性ブロック共重合体(Q)(2)を得た。得られた反応液は透明でありGPC分析により求めた重量分子量は53,000、分子量分布は7.1であった。
[実施例2]で得られた反応性ブロック共重合体(Q)(2)の反応液20gに、硬化剤としてイルガキュア127(BASFジャパン(株)製)を0.08g溶解させコート剤(1)(固形分濃度19wt%)を調整した。溶解性は良好であった。
離型フィルムとして、NSD-100(PET基材、藤森工業(株)製)を用いた。コート剤(2)を用いて、離型フィルムへバーコーターRD65((株)安田精機製作所製)を用いて、乾燥膜が10μmになるように塗工し、120℃で3分間乾燥した後、続けて、高圧水銀灯を用いて1000mJ/cm2の光照射条件で塗膜を光硬化させ、透明なUV硬化膜(1)を形成した。得られたUV硬化膜(1)は、離型フィルムから剥がしとることで、透明な自立膜が得られた。
[実施例2]で得られた反応性ブロック共重合体(Q)(2)の反応液20gに、硬化剤としてイルガキュア127(BASFジャパン(株)製)を0.08g溶解させコート剤(1)(固形分濃度19wt%)を調整した。溶解性は良好であった。
離型フィルムとして、NSD-100(PET基材、藤森工業(株)製)を用いた。コート剤(2)を用いて、離型フィルムへバーコーターRD65((株)安田精機製作所製)を用いて、乾燥膜が10μmになるように塗工し、120℃で3分間乾燥した後、続けて、高圧水銀灯を用いて1000mJ/cm2の光照射条件で塗膜を光硬化させ、透明なUV硬化膜(1)を形成した。得られたUV硬化膜(2)は、離型フィルムから剥がしとることで、透明な自立膜が得られた。なお、反応性ブロック共重合体(Q)(2)を用いた場合、UV硬化を行う前(120℃で3分乾燥を行った後)でも、離型フィルムから剥がしとることで、透明な自立膜が得られた。
(1)製膜性評価
実施例3~4において、離型フィルムより自立膜として剥がしとることができるか否かを○、×にて評価した。また、硬化膜の外観を目視にて評価した。
(2)動的粘弾性測定
得られた硬化膜(2)およびUV硬化膜(1)、(2)について、動的粘弾性測定を実施し、ガラス転移温度(Tg)と弾性率を評価した。
(3)折り曲げ特性
得られた硬化膜(2)およびUV硬化膜(1)、(2)について、180°の折り曲げ試験(500g荷重)を行い、破壊の有無を確認した。
Claims (8)
- 下記交互共重合体1と、下記交互共重合体2との重付加共重合体である、式(3)で表される繰り返し単位を含み、重量平均分子量が5千~100万であり、末端が-NH2、-OHまたは-NCOのいずれかであるブロック共重合体(P)の両末端に、
該ブロック共重合体(P)の両末端基に付加可能な基を持ち、かつ、活性エネルギー線照射によるラジカル硬化が可能な重合性官能基として(メタ)アクリロイル基を有する化合物<E>を付加させた、反応性ブロック共重合体。
-[(交互共重合体1)-(交互共重合体2)-]- 式(3)
交互共重合体1:
ジイソシアネート化合物<A>と、ジアミン化合物<B>の重付加共重合体であって、式(1)
-[(A)-(B)-]- 式(1)
で表される繰り返し単位を含み、重量平均分子量が500~30万であり、両末端が-NH2または-NCOであるポリウレア系交互共重合体;
交互共重合体2:
ジイソシアネート化合物<A>と、ジアミン化合物<C1>の重付加共重合体であって、式(2-1)
-[(A)-(C1)-]- 式(2-1)
で表される繰り返し単位を含み、重量平均分子量が500~30万であり、両末端が-NCOまたは-NH2であるポリウレア系交互共重合体2-1、
および
ジイソシアネート化合物<A>と、ジオール化合物<C2>の重付加共重合体であって、式(2-2)
-[(A)-(C2)-]- 式(2-2)
で表される繰り返し単位を含み、重量平均分子量が500~30万であり、両末端に-NCOまたは-OHを有するポリウレタン系交互共重合体2-2
から選ばれる少なくとも1種の交互共重合体;
(式中(A)は、それぞれ独立して分子内に環状構造を有する脂肪族イソシアネート構造単位の少なくとも1種;
(B)は、それぞれ独立して芳香族ジアミン、エーテル結合を有する芳香族ジアミン、および環状骨格を有する脂肪族ジアミンから選ばれる少なくとも1種の構造単位;
(C1)は、直鎖状脂肪族ジアミン、エーテル結合を有する脂肪族ジアミンおよびシロキサン骨格を有するジアミンから選ばれる少なくとも1種の構造単位;
(C2)は、直鎖状脂肪族ジオール、エーテル結合を有する脂肪族ジオールおよびシロキサン骨格を有するジオールから選ばれる少なくとも1種の構造単位を表す。
ただし、交互共重合体1の両末端が-NCOであるときは、交互共重合体2の両末端は-NH2または-OHであり;
交互共重合体1の両末端が-NH2であるときは、交互共重合体2の両末端は-NCOである。) - ブロック共重合体(P)の両末端が、それぞれ独立して-NH2または-OHであり;
化合物<E>の該ブロック共重合体(P)の両末端基に付加可能な基が、-NCOであり、活性エネルギー線照射によるラジカル硬化が可能な重合性官能基が、(メタ)アクリロイル基であることを特徴とする、請求項1に記載の反応性ブロック共重合体。 - ブロック共重合体(P)の両末端が、-NCOであり;
化合物<E>の該ブロック共重合体(P)の両末端基に付加可能な基が、-NH2基、-COOHまたは-OHのいずれかであり、活性エネルギー線照射によるラジカル硬化が可能な重合性官能基が、(メタ)アクリロイル基であることを特徴とする、請求項1に記載の反応性ブロック共重合体。 - 交互共重合体1の両末端が-NCOであり、交互共重合体2の両末端が-NH2または-OHである、請求項1~3のいずれか1項に記載の反応性ブロック共重合体。
- 交互共重合体1の両末端が-NH2であり、交互共重合体2の両末端が-NCOである、請求項1~3のいずれか1項に記載の反応性ブロック共重合体。
- 交互共重合体2が、ポリウレア系交互共重合体2-1である、請求項1~5のいずれか1項に記載の反応性ブロック共重合体。
- 交互共重合体2が、ポリウレタン系交互共重合体2-2である、請求項1~5のいずれか1項に記載の反応性ブロック共重合体。
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