JP2003048950A - ブロックドポリイソシアナート化合物 - Google Patents

ブロックドポリイソシアナート化合物

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JP2003048950A
JP2003048950A JP2001236940A JP2001236940A JP2003048950A JP 2003048950 A JP2003048950 A JP 2003048950A JP 2001236940 A JP2001236940 A JP 2001236940A JP 2001236940 A JP2001236940 A JP 2001236940A JP 2003048950 A JP2003048950 A JP 2003048950A
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Yasuyuki Yoshioka
保行 吉岡
Atsushi Shimizu
敦 清水
Kazunori Yamataka
一則 山高
Kazumasa Kitano
一正 北野
Taku Kawakami
卓 川上
Hidenobu Azuma
秀信 東
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Original Assignee
Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温で解離するブロックドポリイソシアナー
トを提供する。 【解決手段】 立体障害の大きなアミン、イミダゾール
類、ピラゾール類をポリイソシアナートと反応させてな
る、ブロックドポリソシアナート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた低温解離性
能を有するブロックドイソシアナートに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタンは、その弾性、強靱な機械
特性、化学的安定性などを利用して、塗料、接着剤、結
着剤、合成皮革、人工皮革、フォーム、成形体、繊維処
理剤、床材、シーラント、衣料材料、などに幅広く用い
られている。ポリウレタン樹脂の製造方法は、ワンショ
ット法とプレポリマー法に大別される。ワンショット法
とは、高分子ポリオール( 高分子多価アルコール) 、ポ
リイソシアナート( 多価イソシアナート) 、鎖延長剤(
多価アルコール、多価アミン) 、その他の添加剤を一括
で仕込む方法であり、プレポリマー法とは、高分子ポリ
オールとポリイソシアナートからなる末端イソシアナー
トプレポリマーを一旦合成し、その後鎖延長剤で高分子
量化する方法である。
【0003】ポリウレタン塗料では、例えばイソシアヌ
レート系多価イソシアネートのようなポリイソシアナー
トとポリアクリレート系ポリオールやポリメタクリレー
ト系ポリオールのような高分子ポリオールを反応させて
塗膜とすることが一般的である。イソシアナート基と水
酸基は即座に反応してポリウレタン樹脂を生成する。こ
のため一般的には、基材への塗布の直前にポリイソシア
ネートとポリオールを混合する二液型塗料が使用され
る。特殊な方法としては、ポリイソシアナートの反応性
をブロック剤で抑えたブロックドポリイソシアナートと
ポリオール及び/又はポリアミンを予め混合しておいて
から基材に塗布し、塗布後に加熱することによりブロッ
ク剤を脱離させてイソシアナート基を再生してウレタン
硬化を行わせる一液型塗料がある。ブロックドポリイソ
シアナートはポリオール及び/又はポリアミンと室温で
混合しても実質的に硬化反応が進まずポットライフ(増
粘までの時間)が長いので一液型塗料が可能になる。該
ブロック剤としては、ポリウレタン樹脂ハンドブック(
岩田啓治1991年日刊工業新聞社p420) に記載されている
通り、メチルアルコール、カプロラクタム、フェノー
ル、MEK オキシム、アセト酢酸エチル等が知られてお
り、一般的にはオキシム系ブロック剤が使用される。
【0004】ブロックドイソシアナートと鎖延長剤の混
合体からなる一液型コーティング剤は、二液型よりも塗
布工程が簡略できると言う点で長所を有する。しかしな
がら、一般にブロックドイソシアナートを用いた塗料・
コーティング剤は、ポットライフが長い反面、硬化温度
が高く、硬化時間も長い点が難点である。特開平8−2
83376号公報には、アミン型のブロック剤が開示さ
れているが、低温でのポリウレタン化反応速度は未だ充
分ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ブロック剤
の解離温度が低くこのため鎖延長剤との反応速度が速い
ために取り扱い易さの点で有利な新規なブロックドポリ
イソシアナートを提供するものである。またブロックド
ポリイソシアナートの原料としてポリオール変性ポリイ
ソシアナートを用いた新規なブロックドポリイソシアナ
ートを提供するものである。さらにこれらのブロックド
ポリイソシアナートとポリオール及び/又はポリアミン
を混合させてなる新規な一液型コーティング剤を提供す
るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定のア
ミンが低温解離性能を有するブロック剤として有効であ
ることを見出し本発明を完成させた。
【0007】すなわち本発明の第1は、下記一般式
(1)、(2)、(3)、(4)の構造から選択される
1種以上のアミンをポリオール変性ポリイソシアナート
と反応させてなる、ブロックドポリソシアナートであ
る。
【化2】 ( 但し、R1, R2はアルキル基またはフェニル基、R3,
R4, R5, R6は水素、アルキル基、またはフェニル基を表
す。R1, R2, R3の内二種ないし全てが同じ環状アルキル
基の一部であっても良く、R4, R5, R6の内二種ないし全
てが同じ環状アルキル基の一部であっても良い。R7, は
アルキル基またはフェニル基、R8, R9, R10は水素、ア
ルキル基、またはフェニル基を表す。R7, R8が同じ環状
アルキル基の一部であっても良く、R9, R10 が同じ環状
アルキル基の一部であっても良い。nは1以上の整数を
表す。R11, R12, R13 はアルキル基またはフェニル基を
表す。R14, R15, R16 はアルキル基またはフェニル基を
表す。)
【0008】発明の第2は、ポリオールがポリカーボネ
ートジオールである発明の第1のブロックドポリイソシ
アナートである。発明の第3は、ポリイソシアナートが
芳香族系ポリイソシアナートである発明の第1または2
のブロックドポリイソシアナートである。発明の第4
は、発明の第1〜3のいずれか1つのブロックドポリイ
ソシアナートと鎖ポリオール及び/又はポリアミンを混
合させてなる一液型コーティング剤である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明においてポリイソシアナー
トとは、1分子中に2個以上のイソシアナート基を有す
る化合物である。ジイソシアナートとしては、トリレン
ジイソシアナート(TDI) 、ジフェニルメタンジイソシア
ナート(MDI) 、p-フェニレンジイソシアナート、キシリ
レンジイソシアナート(XDI) 、ナフタレンジイソシアナ
ート(NDI) 、トリジンジイソシアナート(TODI)、水添ジ
フェニルメタンジイソシアナート(H12MDI)、水添キシリ
レンジイソシアナート(H6XDI) 、水添トリレンジイソシ
アナート(H6TDI) 、トランスシクロヘキサン1,4-ジイソ
シアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート(HDI) 、
イソホロンジイソシアナート(IPDI)、などが例示でき
る。3官能以上のポリイソシアナートとしては、トリフ
ェニルメタントリイソシアナートやジイソシアナート類
から誘導される化合物が例示できる。ジイソシアナート
化合物から誘導されるポリイソシアナートの具体例とし
ては、イソシアヌレート変性体、アロハネート変性体、
ビュウレット変性体、ウレア変性体などが上げられる。
【0010】本発明ではこれらのポリイソシアナートを
ポリオールで変性したポリオール変性ポリイソシアナー
トを用いる。このポリオール変性ポリイソシアナートは
ポリウレタンフイルム物性の調整範囲が広く有用であ
る。その中でも、高分子ポリオールとポリイソシアナー
トから得られる高分子ポリオール変性ポリイソシアナー
ト( プレポリマー) が好ましい。また、ポリイソシアナ
ートとしては、芳香族系ポリイソシアナートがブロック
ドポリイソシアナートとした場合のブロック剤の解離温
度が低いので好ましい。
【0011】ポリオール変性とは、ポリオールとポリイ
ソシアナートを仕込み当量比( イソシアナート基当量/
水酸基当量) が1 を越える割合で反応させて分子の両末
端がイソシアナート基の化合物を得ることを言う。この
反応は通常室温で進行するが、150 ℃程度までの温度で
行っても良い。ウレタン化触媒は使用しても使用しなく
ても良い。溶媒は使用しても使用しなくても良い。溶媒
としては、芳香族系溶媒、炭化水素系溶媒、ケトン系溶
媒、アミド系溶媒、スルホキシド系溶剤、エステル系溶
剤、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤が使用できる。
ここで使用されるポリオールとは、多価アルコール化合
物のことであり、分子中に2個の水酸基を有する低分子
ジオールまたは高分子ジオールや、分子中に2を越える
平均水酸基数を有する低分子ポリオールまたは高分子ポ
リオールである。これらのポリオールは単独でも混合し
て用いても良い。
【0012】低分子ジオールは、一般式 HO−R −OH (Rはアルキレン基またはオキシアルキレン基) で表すこ
とができる化合物である。これらの中でも、一般式中R
の炭素数が2から12のアルキレン基またはオキシアル
キレン基が好ましい。具体例としては、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、
1,4-ブタンジオール、プロピレングリコール、ネオペン
チルグリコール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル1,5-
ペンタンジオール、1.6-ヘキサンジオールなどである。
低分子トリオールとしてはトリメチロールエタン、トリ
メチロールプロパン、グリセリン、ソルビトール、クオ
ドロールなどが例示される。
【0013】高分子ジオールとしては、ポリカーボネー
トジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオ
ール、ポリカプロラクトンジオールなどが例示できる。
この中でもポリカーボネートジオールは他の高分子ジオ
ールよりも化学的安定性と物理的安定性に優れているの
で特に好ましい。ポリカーボネートジオールは、一般式 HO-[R-OCOO]n R-OH で表すことができ、式中R は2価である直鎖、分岐また
は環状アルキレン基であり、これらの中でも、炭素数が
2から12のアルキレン基が好ましい。より好ましい一
般式中のR としては、−(CH2) n −(n=2−6)、−CH2
CH2 −CH(CH3) −CH2 −CH2 −、-CH2-CH2-CH(CH3)- 、
-CH2-C(CH3)2-CH2- 、シクロヘキセニル基である。ま
た、これら繰り返し単位の2以上の種類が含まれる共重
合ポリカーボネートジオールでもよい。
【0014】平均水酸基数2を越えるポリカーボネート
ポリオールとしては、上記ポリカーボネートジオールの
繰り返し単位に加えて、共重合成分としてトリメチロー
ルエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ソル
ビトール、クオドロールなどの低分子トリオールを用い
て作られるポリカーボネートポリオールが例示できる。
ポリエーテルジオールは、一般式 HO−[R−O]n −H で表すことができ、式中のR は2価である直鎖、分岐、
または環状アルキレン基であり、これらの中でも、炭素
数が2から12のアルキレン基が好ましい。より好まし
い一般式中のR としては、−(CH2) n −(n=2−6)、−CH
2 −CH2 −CH(CH3) −CH2 −CH2 −、-CH2-CH2-CH(CH3)
- 、-CH2-C(CH3)2-CH2- 、シクロヘキセニル基である。
また、これら繰り返し単位の2以上の種類が含まれる共
重合ポリエーテルジオールでもよい。
【0015】ポリエステルジオールは、一般式 HO−[R−O −OC−R'−CO−O]n −R −OH で表すことができ、式中R は2価である直鎖、分岐また
は環状アルキレン基であり、これらの中でも、炭素数が
2から12のアルキレン基が好ましい。より好ましい一
般式中のR としては、−(CH2) n −(n=2−6)、−CH2
CH2 −CH(CH3) −CH2 −CH2 −、-CH2-CH2-CH(CH3)- 、
-CH2-C(CH3)2-CH2- 、シクロヘキセニル基である。ま
た、これら繰り返し単位の2以上の種類が含まれる共重
ポリエステルジオールでもよい。式中R'は2価である直
鎖、分岐または環状アルキレン基またはフェニレン基で
あり、これらの中でも、炭素数が2から12のアルキレ
ン基が好ましい。より好ましい一般式−R'−としては、
−(CH2) n −(n=2−10) 、シクロヘキセニル基である。
また、これら繰り返し単位の2以上の種類が含まれる共
重合ポリエステルジオールでもよい。平均水酸基数2を
越えるポリエステルポリオールとしては、上記ポリエス
テルジオールの繰り返し単位に加えて、共重合成分とし
てトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グ
リセリン、ソルビトール、クオドロールなどの低分子ト
リオールを用いて作られるポリエステルポリオールが例
示できる。
【0016】本発明においては、下記一般式(1)、
(2)、(3)、(4)の構造から選択される1種以上
のアミンを使用する。
【化3】 ( 但し、R1, R2はアルキル基またはフェニル基、R3,
R4, R5, R6は水素、アルキル基、またはフェニル基を表
す。R1, R2, R3の内二種ないし全てが同じ環状アルキル
基の一部であっても良く、R4, R5, R6の内二種ないし全
てが同じ環状アルキル基の一部であっても良い。R7, は
アルキル基またはフェニル基、R8, R9, R10は水素、ア
ルキル基、またはフェニル基を表す。R7, R8が同じ環状
アルキル基の一部であっても良く、R9, R10 が同じ環状
アルキル基の一部であっても良い。nは1以上の整数を
表す。R11, R12, R13 はアルキル基またはフェニル基を
表す。R14, R15, R16 はアルキル基またはフェニル基を
表す。)
【0017】上記一般式(1)、(2)の化合物は、上
記のように窒素原子に隣接したいずれかまたは両方の炭
素に立体障害の大きな置換基が入っている化合物であ
る。上記一般式(3)の化合物はイミダゾールもしくは
その誘導体であり、上記一般式(4)の化合物はピラゾ
ールもしくはその誘導体である。各化合物の置換基R1
R16 については、アルキル基の場合は、直鎖、分岐、環
状アルキル基が含まれ、フェニル基の場合にはアルキル
置換フェニル基、縮合環が含まれる。これらのアミンは
イソシアナートと反応してウレア化合物を生成するが、
該ウレア化合物はブロックドポリイソシアナート( ブロ
ックドプレポリマー) と呼ばれる。
【0018】本発明者らは、これら特定のアミンを用い
たブロックドポリイソシアナートが一般的なブロック剤
であるオキシム系ブロック剤を用いたブロックドポリイ
ソシアナートの解離温度よりも低い温度でブロック剤を
解離し鎖延長剤と容易に反応して、ポリウレタン及び/
又はポリウレアを生成することを見いだした。該特定の
アミンとイソシアナートが反応してできるウレア化合物
は、上記立体障害あるいは、電子的理由で、カルボニル
炭素とアミン側の窒素原子との結合が切れやすい性質を
持つこと推定される。このために、100 〜150 ℃に加熱
することによってイソシアナートが容易に再生し、鎖延
長剤と反応してポリウレタン及び/又はポリウレア樹脂
を生成するものと推定される。
【0019】上記一般式(1)、(2)に示すアミンの
具体例としては2,6-ジメチルピペリジン、ジイソプロピ
ルアミン、N-エチルt-ブチルアミン、2,2,6,6,- テトラ
メチルピペリジン、N-メチルシクロヘキシルアミン、N-
プロピルsec ブチルアミン、N-メチルベンジルアミン、
N-イソプロピルシクロヘキシルアミン、N-イソプロピル
ベンジルアミン、N-t-ブチルベンジルアミン、ジシクロ
ヘキシルアミン、ジt-ブチルアミンなどが挙げられる。
この中で、2,6-ジメチルピペリジン、N-エチルt-ブチル
アミン、ジイソプロピルアミン、N-t-ブチルベンジルア
ミン、はブロック剤の解離温度が低く特に好ましい。
【0020】上記一般式(3)に示す化合物としては、
イミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-エチル-4- メ
チルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-ウンデ
シルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、2-フ
ェニル-4- メチルイミダゾールなどが例示できる。上記
一般式(4)に示す化合物としては、ピラゾール、アル
キル置換ピラゾールなどが例示できる。
【0021】本発明のブロックドイソシアナートは、ポ
リオール変性ポリイソシアナートを本発明の特定のアミ
ン化合物と仕込み当量比( アミン当量/ イソシアナート
当量) が1を越える割合で反応させた場合に得られる。
この反応は通常室温で行われるが、100 ℃程度までの温
度で行っても良い。本発明のブロックドポリイソシアナ
ートとポリオール及び/又はポリアミンを混合させてな
る一液型コーティング剤は、塗料や合成皮革用コーティ
ング剤などに使用することができる。該一液型コーティ
ング剤は、室温では実質的に硬化せず、100 ℃程度以上
に加熱することにより、実用的に充分な速度で容易にブ
ロック剤が解離して硬化剤と反応し、ポリウレタン皮膜
を形成する。
【0022】溶媒は使用しても使用しなくても良いが、
もし溶媒を使用する場合は、芳香族系溶媒、炭化水素系
溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、スルホキシド系溶
剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、エーテル系溶
剤が使用可能な溶媒として例示できる。このとき使用で
きるポリオールとしては特に制限はないが、低分子ポリ
オールや高分子ポリオールが使用できる。ここで使用さ
れる剤ポリオールとは、多価アルコール化合物のことで
あり、分子中に2個の水酸基を有する低分子ジオールま
たは高分子ジオールや、分子中に2を越える平均水酸基
数を有する低分子ポリオールまたは高分子ポリオールで
ある。これらのポリオールは単独でも混合して用いても
良い。
【0023】低分子ジオールは、一般式 HO−R −OH (Rはアルキレン基またはオキシアルキレン基) で表すこ
とができる化合物である。これらの中でも、一般式中R
の炭素数が2から12のアルキレン基またはオキシアル
キレン基が好ましい。より好ましくは、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、
1,4-ブタンジオール、プロピレングリコール、ネオペン
チルグリコール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル1,5-
ペンタンジオール、ヘキサメチレングリコールなどであ
る。低分子トリオールとしてはトリメチロールエタン、
トリメチロールプロパン、グリセリン、ソルビトール、
クオドロールなどが例示される。
【0024】高分子ジオールとしては、ポリカーボネー
トジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオ
ール、ポリカプロラクトンジオール、ポリアクリレート
系ポリオール、ポリメタクリレート系ポリオールなどが
例示できる。また、上記ブロックドイソシアナートと混
合して使用できるポリアミンとは、多価アミン化合物の
ことであり、分子中に2個のアミノ基を有する低分子ア
ミンまたは高分子アミンや、分子中に2を越える平均ア
ミノ基数を有する低分子アミンまたは高分子アミンであ
る。これらのポリアミンは単独でも混合して用いても良
い。低分子ポリアミンとしては特に制限はないが、エチ
レンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ビス( アミノ
フェニル) メタン、ビス( アルキルアミノフェニル) メ
タン、フェニレンジアミン、水素化フェニレンジアミ
ン、トリレンジアミン、水素化トリレンジアミン、キシ
リレンジアミン、水素化キシリレンジアミン、イソホロ
ンジアミン、4-アミノメチルオクタメチレンジアミンな
どが例示できる。高分子ポリアミンとしては、ポリアク
リレート系ポリアミン、ポリメタクリレート系ポリアミ
ンが例示できる。
【0025】一般的に、ポリウレタン皮膜を形成させる
ためには、ポリウレタンを溶剤に溶かし基材の上に塗布
することが行われる。この時の固形分濃度は塗布が容易
な粘度に調整されるが、通常20〜50重量%程度であ
る。従って皮膜の乾燥過程では大量の溶剤が揮発し、環
境汚染の問題が生じやすい。また他の方法として、末端
イソシアナートプレポリマーと硬化剤を別々に用意し、
基材に塗布する直前で混合する方法も行われるが、この
場合は二液型になるために、装置や手順の上で煩雑な方
法となる。本発明の一液型コーティング剤は、ポリウレ
タンの前駆体であるために、ポリウレタン溶液よりも格
段に粘度が低く、コーティング剤を無溶剤化または高固
形分化することができ、また、一液型であるために装置
や手順の上で非常に簡便な方法を提供することができ
る。
【0026】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明する。
【実施例1】ブロックドイソシアナート( ブロックドプ
レポリマー) 溶液の調整 攪拌機の付いた1Lのセパラブルフラスコに、ポリカーボ
ネートジオール( 旭化成社製L-5651、数平均分子量101
0、水酸基価(OHV )=111mgKOH/g 、1,6-ヘキサンジオ
ールと1,5-ペンタンジオールを原料とした共重合ポリカ
ーボネートジオール、)200g とジメチルホルムアミド
(DMF )30g を仕込み攪拌しながら温度を40℃にし
た。ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI) 74.26g
(0.297mol)をDMF30gに溶解させこれを先のポリカーボネ
ートジオール溶液に温度40℃で10分かけて滴下し、その
後30分間温度を40℃に維持した。このとき、NCO 基の反
応率(NCO基の反応率=NCO 基反応量(mol)/仕込
みポリオールの水酸基量(mol)×100 )は105%であ
り、プレポリマー溶液のNCO 基濃度は0.533mmol/g とな
った。NCO 基濃度はアミン定量法を用いた。このプレポ
リマー溶液を300g採取し、これに2,6 ジメチルピペリジ
ン21.15g(NCO基量の1.05倍当量) をDMF30gに溶解させて
40℃30分で添加し、その後40℃で30分間攪拌を続けた
後、取り出した。このブロックドプレポリマー溶液は、
液状で流動性があり、ブロックドNCO 基濃度は、NCO 基
換算で0.458mmol/g 、固形分は76.0% であった。赤外吸
収スペクトルではNCO 基の特性吸収ピークは検出され
ず、NCO 基のブロック化が完全に行われていた。
【0027】硬化試験 室温でこのブロックドプレポリマー溶液に、バイエル社
製ジアミン硬化剤C-260(ビス(2- メチルアミノシクロヘ
キシル) メタン) を、アミノ基当量数/NCO 基当量数=
1.00 になるように加え、さらにDMF を加えて濃度65%
の一液型コーティング剤を調整した。これを5g 試験管
に採取し、直径8mm のガラス攪拌棒を試験管の底から約
5mmの位置まで挿入し、オイルバスで120℃に加熱し
つつ該ガラス攪拌棒を100rpmで攪拌して、内部の溶液が
硬化してガラス棒に巻き付き最初の液面の位置から10
mmせり上がって来るまでの加熱時からの時間を測定し
た。この時間は3分であった。相対的に加熱時からのせ
り上がり時間が短いものがブロック剤の解離速度が速い
( 解離温度が低い) と判断した。以下の比較例1,2よ
りもブロック剤の解離速度が速かった。
【0028】
【実施例2〜10】表1の各種アミン系ブロック剤を用
い、実施例1と同様な方法で、表1の条件でブロックド
プレポリマー溶液を調整した。また、実施例1と同様な
方法でブロックドプレポリマーの硬化試験を行った。結
果を表1に示した。以下の比較例1,2よりもブロック
剤の解離速度が速かった。
【実施例11】ポリオールとして旭化成社製ポリカーボ
ネートジオールL-5652(1,5- ペンタンジオールと1,6-ヘ
キサンジオールを原料とする共重合体、数平均分子量M
n =2005)を用い、表1の条件で実施例1と同様に一液型
塗料を作成し、硬化試験を行った。結果を表1に示し
た。以下の比較例1,2よりもブロック剤の解離速度が
速かった。
【0029】
【実施例12】ポリオールとして旭化成社製ポリテトラ
メチレングリコール(Mn =1830)(PTMG)を用い、表1の条
件で実施例1と同様に一液型塗料を作成し、硬化試験を
行った。結果を表1に示した。以下の比較例1,2より
もブロック剤の解離速度が速かった。
【実施例13】ポリウレタンフィルムの作成 実施例1の硬化試験に使用した一液型塗料溶液にさらに
DMF を加え濃度を50% にしてからガラス板上に塗布
し、120 ℃のホットプレート上で15分間加熱し、DMF
を揮発させながらウレタン化反応を進行させポリウレタ
ンフィルムを得た。このフィルムの100%モデュラスは31
kgf/cm2 、破断強度は654kgf/cm2、破断伸度は、353%で
あった。この引っ張り試験は以下の条件で行った。 フィルム形状 幅10mm、チャック間距離50mm、フィルム厚約80-120μm 引き速度100mm/min
【0030】
【実施例14】実施例11の硬化試験に使用した一液型
塗料溶液を用い、実施例13と同様な方法でポリウレタ
ンフィルムを作成した。フイルムの乾燥硬化中にスパチ
ュラの先端でフィルム表面に触れながらタックの無くな
るまでの時間を測定したところ6分であった。以下の比
較例3よりもタックの消失までの時間は短く、実施例1
1の硬化試験で求めたブロック剤の解離し易さと一致し
た。このフィルムの100%モデュラスは99kgf/cm2 、破断
強度は661kgf/cm2、破断伸度は、441%であった。
【0031】
【比較例1、2】表1のオキシム系ブロック剤を用い、
実施例1と同様な方法で、表1の条件でプレポリマー溶
液を調整した。また、実施例1と同様な方法でブロック
ドプレポリマーの硬化試験を行った。結果を表1に示し
た。
【比較例3】比較例1の硬化試験に使用した一液型塗料
溶液を用い、実施例14と同様な方法でポリウレタンフ
ィルムを作成した。フィルムの乾燥硬化中にスパチュラ
の先端でフィルム表面に触れながらタックの無くなるま
での時間を測定したところ11分であった。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明のブロックドプレポリマーは、低
温解離性能を有するため、短時間、低温でポリウレタン
被膜を形成することができる。また本発明の一液型硬化
剤は、高固形分で簡便なコーティング方法を提供するこ
とができる。本発明では、高分子多価アルコールを原料
とする末端イソシアナートプレポリマーのイソシアナー
ト基をブロック化しているため、通常のプレポリマー法
のポリウレタンと同じ機械的物性の設計思想の基で、プ
レポリマーと硬化剤を一液型にすることができ、従来の
プレポリマー法のように、プレポリマーと硬化剤を混合
した場合のポットライフ( 増粘までの時間) の短い点が
改良され、従来のプレポリマー法よりも取り扱いが極め
て簡便である。またポリカーボネートジオールと組み合
わせることにより、耐久性のあるポリウレタン原料とな
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山高 一則 東京都千代田区有楽町1丁目1番2号 旭 化成株式会社内 (72)発明者 北野 一正 大阪市西淀川区福町1丁目8番7号 旭化 成ファインケム株式会社内 (72)発明者 川上 卓 大阪市西淀川区福町1丁目8番7号 旭化 成ファインケム株式会社内 (72)発明者 東 秀信 宮崎県延岡市別府町2741 旭化成ファイン ケム株式会社内 Fターム(参考) 4J034 AA02 AA03 AA05 BA02 BA03 CA01 CA04 CA05 CA15 CB02 CC03 DA01 DA03 DB01 DB04 DF01 DF02 DF12 DG01 DG02 DG03 DG04 DG05 DP18 HA01 HA02 HA07 HA08 HC03 HC12 HC17 HC46 HC52 HC61 HC64 HC71 HC73 HD07 JA02 JA42 KB03 KD12 LA06 LA32 QA03 QB12 QB19 RA07 4J038 DG041 DG111 DG121 DG131 DG261 DG301 NA24 NA26

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)、(2)、(3)、
    (4)の構造から選択される1種以上のアミンをポリオ
    ール変性ポリイソシアナートと反応させてなる、ブロッ
    クドポリソシアナート。 【化1】 (但し、R1, R2はアルキル基またはフェニル基、R3,
    R4, R5, R6は水素、アルキル基、またはフェニル基を表
    す。R1, R2, R3の内二種ないし全てが同じ環状アルキル
    基の一部であっても良く、R4, R5, R6の内二種ないし全
    てが同じ環状アルキル基の一部であっても良い。R7, は
    アルキル基またはフェニル基、R8, R9, R10は水素、ア
    ルキル基、またはフェニル基を表す。R7, R8が同じ環状
    アルキル基の一部であっても良く、R9, R10 が同じ環状
    アルキル基の一部であっても良い。nは1以上の整数を
    表す。R11, R12, R13 はアルキル基またはフェニル基を
    表す。R14, R15, R16 はアルキル基またはフェニル基を
    表す。)
  2. 【請求項2】 ポリオールがポリカーボネートジオール
    である請求項1記載のブロックドポリイソシアナート。
  3. 【請求項3】 ポリイソシアナートが芳香族系ポリイソ
    シアナートである請求項1または2記載のブロックドポ
    リイソシアナート。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のブ
    ロックドポリイソシアナートとポリオール及び/又はポ
    リアミンを混合させてなる一液型コーティング剤。
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