JPH1135895A - 剥離用シート - Google Patents

剥離用シート

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JPH1135895A
JPH1135895A JP9209925A JP20992597A JPH1135895A JP H1135895 A JPH1135895 A JP H1135895A JP 9209925 A JP9209925 A JP 9209925A JP 20992597 A JP20992597 A JP 20992597A JP H1135895 A JPH1135895 A JP H1135895A
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JP
Japan
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group
meth
silicone
acrylate
sheet
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Application number
JP9209925A
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English (en)
Inventor
Akira Washimi
章 鷲見
Hiroshi Suzuki
浩 鈴木
Masao Takei
正雄 武井
Kaoru Kimura
馨 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】所定の剥離強度を有し、かつ剥離強度が経時的
に変化せず、かつ従来の方法に比べて、窒素等の不活性
ガスの使用量および活性エネルギー線照射量の低減が可
能な剥離用シートを提供する。 【解決手段】下記式(1)で表される活性エネルギー線
硬化性多官能型シリコーンを主成分とする組成物の硬化
物層を表面に有することを特徴とする剥離用シート。 【化1】 (式中、R1 は水素原子またはメチル基を示し、R3
よびR4 はアルキル基、シクロアルキル基またはアリー
ル基を示し、R5 は炭素原子、水素原子および酸素原子
を含む(n+1)価の有機基を示し、R6 およびR7
アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキ
シ基またはアリールオキシ基を示し、nは1〜10の整
数、mは1〜500の整数を示す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙などのシート状
基体の表面に特定のシリコーン樹脂からなる剥離層を設
けた剥離用シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】剥離用シートは水性施工紙、ラミネート
紙、合成紙、不織布、プラスチックフィルムおよび金属
箔などのシート状基体の上に剥離層が設けられたもの
で、粘着テープおよびラベル等の粘着加工製品用剥離用
シート、合成皮革、プリプレグ、床材および各種成形品
等の製造工程用剥離用シート等として使用されている。
一般にラベルや両面テープには剥離紙または剥離フィル
ムが用いられ、その機能を果たすための剥離剤としてシ
リコーン樹脂が使われている。このシリコーン樹脂とし
ては、有機溶剤を用いる加熱硬化型が主流となっていた
が、近年、世界的な環境保護運動が盛り上がる中、揮発
性有機化合物(VOC)を含有していない無溶剤型シリ
コーンに対するニーズが高まりつつあり、すでに欧米で
は無溶剤型剥離用シートの使用にシフトしつつある。上
記無溶剤型剥離用シートの製造技術として、無溶剤型シ
リコーン、特に、紫外線および電子線などの活性エネル
ギー線照射により重合可能な官能基を有するシリコーン
からなる組成物をシート状基体の上に塗布した後、活性
エネルギー線硬化を行う低温キュアリング型の技術が開
発された。
【0003】しかしながら、マクロモノマーなどの単官
能型シリコーンおよびシリコーン主鎖に官能基を有する
シリコーンなどの無溶剤型シリコーンを用いて製造した
剥離用シートでは、剥離強度が十分に発現しないあるい
は剥離強度が経時的に変化するなどの問題点があり、さ
らに窒素ガスまたはヘリウムガス等の不活性ガス雰囲気
下で、かつ高照射線量を必要とするなどの工程上の問題
点を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、所定
の剥離強度を有し、かつ剥離強度が経時変化せず、かつ
従来の製法に比べて窒素等の不活性ガスの使用量および
活性エネルギー線照射量の低減が可能な剥離用シートを
提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、両末端に官能基を有する特定な構造の活性エ
ネルギー線硬化性多官能型シリコーンを主成分とする組
成物を各種シート状基体上に塗布した後、活性エネルギ
ー線の照射により前記組成物を硬化させて得られる剥離
用シートが、上記課題を解決することを見出し、本発明
を完成するに至った。すなわち、本発明は下記式(1)
で表される活性エネルギー線硬化性多官能型シリコーン
を主成分とする組成物の硬化物層を表面に有することを
特徴とする剥離用シートである。
【0006】
【化2】
【0007】(但し、R1 は水素原子またはメチル基を
示し、R3 およびR4 はアルキル基、シクロアルキル基
またはアリール基を示し、R5 は炭素原子、水素原子お
よび酸素原子を含む(n+1)価の有機基を示し、R6
およびR7 はアルキル基、シクロアルキル基、アリール
基、アルコキシ基またはアリールオキシ基を示し、nは
1〜10の整数、mは1〜500の整数を示す)
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における活性エネルギー線硬化性多官能型シリコ
ーンは、前記式(1)で表される化合物であり、式
(1)におけるR3 およびR4 はそれぞれアルキル基、
シクロアルキル基またはアリール基であり、アルキル基
としてはメチル基、エチル基、n−またはi−プロピル
基、n−、i−またはt−ブチル基等が挙げられ、シク
ロアルキル基としてはシクロヘキシル基等が挙げられ、
アリール基としてはフェニル基等が挙げられる。なお、
同一分子中に含まれるR3 およびR4は、いずれも同じ
基であっても異なっていてもよい。R5 は炭素原子、水
素原子および酸素原子を含む(n+1)価の有機基であ
り、後記多官能(メタ)アクリレート化合物の主鎖に由
来するもので、例えば、−CH2 CH2 CO−(OCH
2 CH2 P −O−(pは整数を示す)などが例示され
る。また、R6 およびR7 はアルキル基、シクロアルキ
ル基、アリール基、アルコキシ基またはアリールオキシ
基であり、アルキル基、シクロアルキル基およびアリー
ル基の具体例は前記と同様で、アルコキシ基としてはメ
トキシ基、エトキシ基およびプロポキシ基等が挙げら
れ、アリールオキシ基としてはフェニルオキシ基等が挙
げられる。これらの中でも、シート状基材との密着性が
向上するという理由から、R6 およびR7 の少なくとも
いずれか一方は、アルコキシ基またはアリールオキシ基
であることが好ましく、R6 およびR7 のいずれもがア
ルコキシ基またはアリールオキシ基であることがさらに
好ましい。また、前記式(1)におけるnは1〜10の
整数であり、mは1〜500の整数であるが、mは10
〜300の範囲が好ましく、mが大きすぎるとシリコー
ンの取扱いが困難となる恐れがある。
【0009】本発明に用いられる活性エネルギー線硬化
性多官能型シリコーンは、例えば、以下に示した方法で
製造されるが、特にこの製法に限定する訳では無い。 ○多官能型シリコーンの製造方法 下記式(2)に表される両末端にSi−H基を有する
α,ω型ポリシロキサンに、(メタ)アクリロイル基を
2つ以上有する多官能(メタ)アクリレート化合物を付
加反応させることにより、前記シリコーンが製造され
る。
【0010】
【化3】
【0011】(但し、R3 およびR4 はアルキル基、シ
クロアルキル基またはアリール基を示し、R6 およびR
7 はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アル
コキシ基またはアリールオキシ基を示し、mは1〜50
0の整数である。)
【0012】前記α,ω型ポリシロキサンに付加反応さ
せる(メタ)アクリロイル基を2つ以上有する多官能
(メタ)アクリレート化合物としては、ジエチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)
アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)ア
クリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アク
リレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレ
ート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ネオペンチルグリコールエチレンオキシド(以下、
「エチレンオキシド」をEOという。)変性ジ(メタ)
アクリレート、ネオペンチルグリコールプロピレンオキ
シド(以下、「プロピレンオキシド」をPOという。)
変性ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA EO
変性ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA PO
変性ジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAE
O変性ジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールA
PO変性ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプ
ロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパ
ンEO変性ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプ
ロパンPO変性ジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ
(メタ)アクリレート、グリセリンEO変性ジ(メタ)
アクリレート、グリセリンPO変性ジ(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパンEO変性トリ(メタ)アク
リレート、トリメチロールプロパンPO変性トリ(メ
タ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレー
ト、グリセリンEO変性トリ(メタ)アクリレート、グ
リセリンPO変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエ
リスリトールEO変性テトラ(メタ)アクリレート、ペ
ンタエリスリトールPO変性テトラ(メタ)アクリレー
ト、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールEO変性トリ(メタ)アクリ
レート、ペンタエリスリトールPO変性トリ(メタ)ア
クリレート、ジメチロールプロパントリ(メタ)アクリ
レートおよびトリメチロールプロパンアリルエーテルジ
(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの他に
も、(メタ)アクリロイル基を2つ以上有する化合物で
あれば特に限定されることなく用いることができるが、
反応収率の面から、分子中に水酸基を有しないものが好
ましい。これらの中でも、前記α,ω型ポリシロキサン
および得られる硬化物との相溶性が良好であるという理
由から、トリメチロールプロパンPO変性トリアクリレ
ートおよびトリメチロールプロパンアリルエーテルジア
クリレートが好適である。また、前記化合物を複数混合
して用いることもできる。
【0013】次に、前記付加反応について説明する。こ
の反応は、前記α,ω型ポリシロキサンの両末端にある
Si−H基と多官能(メタ)アクリレート化合物の(メ
タ)アクリロイル基とのヒドロシリル化反応であり、第
8族金属触媒の存在下等において進行する。この第8族
金属触媒としては、コバルト、ニッケル、ルテニウム、
ロジウム、パラジウム、イリジウムおよび白金等の第8
族金属の単体、有機金属錯体、金属塩および金属酸化物
等が挙げられる。これらの中で、触媒活性の高さや取り
扱いの容易さ等の理由から、白金の金属単体、有機金属
錯体、金属塩および金属酸化物が好ましく、有機白金錯
体を用いることが特に好ましい。これらの触媒は、前記
α,ω型ポリシロキサンと多官能(メタ)アクリレート
化合物との合計量に対して0.1〜5重量%の範囲で用
いることが好ましい。ヒドロシリル化反応におけるその
他の反応条件については特に限定されないが、好ましい
反応温度は20〜80℃であり、好適な反応時間は2〜
10時間である。
【0014】本発明における剥離用シートは、前記活性
エネルギー線硬化性多官能型シリコーンを主成分とする
組成物を、シート状基体の上にロールコーティング法あ
るいはスプレーコーティング法などにより塗布した後、
活性エネルギー線照射により前記組成物を硬化させるこ
とにより製造される。活性エネルギー線照射に際して
は、酸素による阻害を避けるため、不活性ガス雰囲気下
で行うことが望ましいが、本発明における活性エネルギ
ー線硬化性多官能型シリコーンは多官能型であるが故
に、反応速度が速いため、特に不活性ガス雰囲気下で行
なう必要はなく、また、活性エネルギー線の照射量も少
ない条件で十分硬化可能である。また、前記シリコーン
組成物をフィルムの上に塗布した後、次いでシリコーン
塗布側とシート状基体を密着させ、そのまま活性エネル
ギー線を照射して、組成物を硬化させた後、フィルムを
剥離させることにより、フィルム表面の平滑性が反映さ
れた高平滑な剥離用シートを得ることができ、さらにこ
の方法は、フィルムによりシリコーンが外気と遮断され
ているため、酸素による硬化障害がおきず、不活性ガス
の使用量の低減や照射線量の減少が期待できる。
【0015】本発明においては、シート状基体と剥離層
の密着性および剥離力の調整を考慮して、前記活性エネ
ルギー線硬化性多官能型シリコーンとこれ以外のその他
の活性エネルギー線硬化性化合物を混合させて用いるこ
とが好ましい。その他の活性エネルギー線硬化性化合物
としては、本発明における活性エネルギー線硬化性多官
能型シリコーンとの混合が可能であり、活性エネルギー
線による重合が可能な官能基を有する化合物であればい
ずれも使用可能である。具体的には、(メタ)アクリロ
イル基、(メタ)アクリルアミド基、(メタ)アリル
基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基などを含
む化合物が挙げられ、例えば、アクリル酸アルキルエス
テル、メタクリル酸アルキルエステル、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリル
アミド、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルおよびビニル
ピロリドンなとが挙げられる。また分子内に前記官能基
が2個以上あってもよく、例えば、エチレンジアクリレ
ート、ジエチレングリコールジアクリレート、グリセロ
ールトリトリアクリレートおよびペンタエリスリトール
テトラアクリレートなどが挙げられる。また、エポキシ
環を1個もしくは2個以上有する化合物、例えばグリシ
ジルアクリレートなども使用可能である。さらには、こ
れらの化合物は高分子量体であってもよい。これらの中
でも、好ましくは末端あるいは側鎖にアクリレート基を
有する化合物であり、ポリエステル骨格、ポリウレタン
骨格、エポキシ樹脂骨格、ポリエーテル骨格およびポリ
カーホネート骨格のプレポリマーなどが挙げられる。
【0016】本発明における活性エネルギー線硬化性多
官能型シリコーンを主成分とする組成物には、光増感
剤、顔料、界面活性剤および消泡剤などを混合してもよ
い。前記光増感剤として、市販されている光増感剤をそ
のまま用いることができ、これらの使用量は、組成物全
体量の0.05〜5重量%が好ましく、特に好ましくは
0.5〜3重量%であり、硬化させる前に配合するのが
好適である。また、前記顔料としては、炭酸カルシウ
ム、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミ
ニウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸
化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸亜鉛、カオリン、
タルク、クレー、焼成カオリンおよび焼成クレーなどの
無機顔料、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダ
ーおよび尿素ーホルマリン樹脂パウダーなどの有機顔料
が挙げられる。さらに、前記シリコーン組成物には、必
要に応じて、適当な有機溶剤を使用することができる。
【0017】本発明における活性エネルギー線硬化性多
官能型シリコーンを主成分とする組成物は、紫外線また
は電子線等の活性エネルギー線を照射することにより、
容易に硬化させることができる。紫外線を照射する場合
には、種々の光源を使用することができ、例えば、水銀
アークランプ、キセノンアークランプ、螢光ランプ、炭
素アークランプ、タングステン−ハロゲン複写ランプお
よび太陽からの照射光などが利用できる。基材に対する
照射強度は、少なくとも0.01ワット平方センチであ
って、1〜20秒以内に組成物の硬化を行い、紙などの
コーティングラインで連続的に硬化を行なうことが好ま
しい。電子線により硬化させる場合は、通常300eV
以下のエネルギーの電子線で硬化させるのが望ましい
が、1Mrad〜5Mradの照射量で瞬時に硬化させ
ることも可能である。
【0018】本発明に用いられるシート状基体としては
グラシン紙、上質紙、板紙および水性施工用を設けたコ
ーテッド紙などの各種紙類、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリエチレンテレフタレートおよびポリアミド等
の合成樹脂、またはこれらの合成樹脂を各種紙類に片面
または両面にラミネートしたもの、不織布または金属泊
と紙または合成樹脂フィルムとの貼り合わせたものなど
が挙げられ、一般に剥離用シートとして使用できるもの
はすべて本発明においても使用でき、特に、表面平滑性
向上および樹脂の支持体へのしみこみ防止の面から、天
然パルプ紙の表面に水性施工およびカレンダー処理を施
したコーテッド紙が好適である。
【0019】前記シリコーン組成物をシート状基体また
はフィルム上に塗布する方法としては、ドクターコー
ト、ブレードコート、エアナイフコート、スクイズコー
ト、リバースコート、グラビアロール、トランスファー
ロールコート、カーテンコート、ダイコートおよびスプ
レーコートなどが利用できる。
【0020】シート状基体またはフィルム上に塗布する
前記組成物の量は、要求される諸物性により異なるが
0.1〜20g/m2 が好ましく、より好ましくは0.
5〜10g/m2 である。組成物の量が0.1g/m2
以下と極端に少ないと紙などのシート支持体上に均一に
剥離層を形成することが困難なため剥離性を悪くする。
また、樹脂組成物の量が20g/m2 を越えても、剥離
性に対する効果は変わらず、コストのみが高くなる。
【0021】
【実施例】次に、本発明を実施例および比較例により更
に詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるもの
ではない。 (合成例1)活性エネルギー線硬化性多官能型シリコー
ンの原料である前記式(2)で示されるα,ω型ポリシ
ロキサンとして、R3 およびR4 のいずれもがメチル基
であり、R6 およびR7 のいずれもがエトキシ基であ
り、mが約18であるα,ω型ポリジメチルシロキサン
(以下、シリコーンAという)を、下記式(a)に示す
反応式により合成した。
【0022】
【化4】
【0023】使用した原料は次のとおりである。 (1)ポリジメチルシロキサン−α,ω−ジオール〔東
レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、数平均分子
量1,300(ポリスチレン換算)〕 (2)トリエトキシシラン〔東亞合成(株)製、商品名
「トリエス」〕 以下、反応操作を説明する。攪拌機、温度計および冷却
機を備えた100mlの四つ口フラスコに、ポリジメチ
ルシロキサン−α,ω−ジオール10.0g(7.9m
mol)を仕込み、真空脱気した後に系内を窒素ガスで
置換した。反応装置を60℃に昇温してトリエトキシシ
ラン15.0g(92mmol)を加え、系内を60℃
に保ちながら攪拌して反応を進行させた。ガスクロマト
グラフィーにより反応の進行を追跡し、6時間後、原料
のトリエトキシシランと副生したエタノールとの組成比
が変化しなくなったことを確認して反応を終了した。得
られた反応液から、過剰のトリエトキシシランおよび副
生したエタノールを減圧下で除去した。更に、加熱真空
雰囲気下(60〜70℃、0.01torr)において
揮発性不純物を除去して、無色透明の粘稠液体11.8
gを得た。得られた物質は、そのIRチャートの2,2
00cm-1付近に、末端ケイ素に結合した水素原子の存
在を示すピークがみられた。また、この物質のNMRチ
ャートにおいて、3.8ppmのピーク(末端ケイ素に
結合したエトキシ基において酸素に隣接する炭素原子に
結合した水素原子(Si−OCH2 −)に対応する)
と、4.7ppmのピーク(末端ケイ素に結合した水素
原子(Si−H)に対応する)とのピーク面積の比か
ら、末端ケイ素に結合したエトキシ基の数と水素原子の
数との比が2:1であることが判った。以上より、シリ
コーンAが合成されたことを確認した。
【0024】(合成例2)下記式(b)に示す反応式に
より、合成例1で得たシリコーンAに、トリメチロール
プロパンPO変性トリアクリレートを付加反応させて活
性エネルギー線硬化性多官能型シリコーン(以下、シリ
コーンB−1という)を製造した。
【0025】
【化5】
【0026】(式中、R8 は多官能(メタ)アクリレー
ト化合物の主鎖を示し、nは1〜10の整数を示す)
【0027】以下、その操作を説明する。攪拌機、温度
計および冷却器を備えた100mlの反応器に、シリコ
ーンAを3.0g(2.1mmol)、PO付加モル数
1のトリメチロールプロパンPO変性トリアクリレート
〔東亞合成(株)製、商品名「アロニックスM−31
0」〕を30.0g(63.8mmol)仕込み、真空
脱気した後に系内を窒素置換した。系内を70〜80℃
に昇温した後、PtCl2 (C6 5 CN)2 の0.0
5Mベンゾニトリル溶液を100μl仕込み、系内を7
0〜80℃に保ちながら攪拌して反応を進行させた。6
時間後、加熱真空雰囲気下においてベンゾニトリル等の
揮発性物質を除去することにより、シリコーンB−1と
過剰のトリメチロールプロパンPO変性トリアクリレー
トとからなる、微黄色透明の活性エネルギー線硬化性多
官能型シリコーン組成物(以下、組成物C−1という)
を得た。
【0028】(合成例3)合成例1で得たシリコーンA
に合成例1とはPO付加モル数の異なるトリメチロール
プロパンPO変性トリアクリレートを付加反応させて、
活性エネルギー線硬化性多官能型シリコーン(以下、シ
リコーンB−2という)を製造した。即ち、PO付加モ
ル数1のトリメチロールプロパンPO変性トリアクリレ
ートに代えて、PO付加モル数2のトリメチロールプロ
パンPO変性トリアクリレート〔東亞合成株式会社製、
商品名「アロニックスM−320」〕30.0g(4
6.5mmol)を用いた以外は、合成例2と同様の操
作により、シリコーンB−2と過剰のトリメチロールプ
ロパンPO変性トリアクリレートとからなる、微黄色透
明の組成物C−2を得た。
【0029】(合成例4)合成例1で得たシリコーンA
にトリメチロールプロパンアリルエーテルジアクリレー
トを付加させて活性エネルギー線硬化性多官能型シリコ
ーン(以下、シリコーンB−3という)を製造した。即
ち、PO付加モル数1のトリメチロールプロパンPO変
性トリアクリレートに代えて、トリメチロールプロパン
アリルエーテルジアクリレート30.0g(106.3
mmol)を用いた以外は、合成例2と同様の操作によ
り、シリコーンB−3と過剰のトリメチロールプロパン
PO変性トリアクリレートとからなる、微黄色透明の組
成物C−3を得た。
【0030】実施例1〜6 合成例2〜4により得られた硬化性組成物(C−1〜C
−3)に光開始剤3重量%を添加して、その硬化性およ
び硬化膜の剥離性を評価した。尚、光開始剤としては、
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン
−1−オン〔チバガイギー(株)製、商品名「ダロキュ
ア1173」〕を使用した。 〔成膜方法〕 シート状基体:板紙または上質紙 塗布方法:20μmバーコート 〔紫外線照射条件〕 ランプ:80W/cm集光型高圧水銀ランプ ランプ高さ:10cm コンベアスピード:10m/min 照射雰囲気:空気中 〔硬化性〕上記照射条件で紫外線ランプの下を10回繰
り返して通過させた後、その硬化状態を評価した。評価
結果は下記の4段階で表した。 ◎;良好(表面タックなし) ○;ほぼ良好(わずかに表面タックあり) △;やや不良(表面タックあり) ×;硬化せず 〔剥離強度〕硬化膜の表面に幅50mmの粘着テープ貼
付け、25℃相対湿度40%の恒温室に30分間放置し
た後、ピール強度を測定した。 〔残留接着力〕硬化膜の表面に幅50mmの粘着テープ
を貼付け、その表面に20g/cm2の荷重をかけ、7
0℃の恒温槽に1週間放置した後の剥離強度の変化を調
べた。評価結果は下記の4段階で表した。 ◎;良好(剥離強度の経時変化率、0〜10%) ○;ほぼ良好(剥離強度の経時変化率、10〜20%) △;やや不良(剥離強度の経時変化率、20〜30%) ×;不良(剥離強度の経時変化率、30%以上) その評価結果を表1に示した。
【0031】比較例1〜4 合成例2〜4で得た硬化性組成物の代わりに、PO付加
モル数1のトリメチロールプロパンPO変性トリアクリ
レート「アロニックスM−310〔東亞合成(株)
製〕」またはPO付加モル数2のトリメチロールプロパ
ンPO変性トリアクリレート「アロニックスM−320
〔東亞合成(株)製〕」を用いた以外は、実施例1〜6
と同様の手順で硬化させ、その紫外線硬化性および硬化
膜の剥離性を評価した。その評価結果を表1に示した。
【0032】比較例5 市販の剥離紙を用い、実施例1〜6と同様の試験を行
い、その評価結果を表1に示した。
【0033】
【表1】
【0034】表1から判るように、合成例1〜3の組成
物(C−1〜C−3)は、いずれも硬化性が良好或いは
ほぼ良好であった。C−3の組成物においても、更に5
回ランプ下を通過させることにより表面タックがなくな
るまで硬化させることができた。また、アロニックスM
−310またはM−320のみの硬化膜に比べて剥離性
が著しく優れるものであった。さらに、市販の剥離紙と
比較して本発明の剥離紙は残留接着力が同等であり、剥
離紙として良好なものである。
【0035】
【発明の効果】本発明の剥離用シートは、所定の剥離強
度有し、かつ剥離強度が経時変化せず、また、用いる組
成物の硬化時間が短いため、窒素ガス等の不活性ガス雰
囲気下に限定されず、かつ活性エネルギー線の照射量も
低減出来るため、工業的に極めて有利である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 馨 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成株式会社名古屋総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(1)で表される活性エネルギー線
    硬化性多官能型シリコーンを主成分とする組成物の硬化
    物層を表面に有することを特徴とする剥離用シート。 【化1】 (式中、R1 は水素原子またはメチル基を示し、R3
    よびR4 はアルキル基、シクロアルキル基またはアリー
    ル基を示し、R5 は炭素原子、水素原子および酸素原子
    を含む(n+1)価の有機基を示し、R6 およびR7
    アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキ
    シ基またはアリールオキシ基を示し、nは1〜10の整
    数、mは1〜500の整数を示す)
  2. 【請求項2】式(1)におけるR6 およびR7 の少なく
    とも1つがアルコキシ基またはアリールオキシ基である
    請求項1記載の剥離用シート。
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