JPH11199853A - 光硬化性剥離剤およびそれを用いたセパレータ - Google Patents

光硬化性剥離剤およびそれを用いたセパレータ

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JPH11199853A
JPH11199853A JP208698A JP208698A JPH11199853A JP H11199853 A JPH11199853 A JP H11199853A JP 208698 A JP208698 A JP 208698A JP 208698 A JP208698 A JP 208698A JP H11199853 A JPH11199853 A JP H11199853A
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JP
Japan
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oxetane ring
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release agent
hydrocarbon group
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JP208698A
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Inventor
Shinya Moriyama
真也 護山
Takashi Kobayashi
敬司 小林
Shigeru Wakamatsu
茂 若松
Yutaka Sasaki
裕 佐々木
Akira Kuriyama
晃 栗山
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Toagosei Co Ltd
Momentive Performance Materials Japan LLC
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
Toshiba Silicone Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗工性、硬化性、被膜形成性および剥離特性
に優れた光硬化性シリコーン剥離剤;ならびにそれを用
いたセパレータを提供する。 【解決手段】 (A)1分子中に少なくとも2個のオキ
セタン環含有基を有し、該オキセタン環含有基と他の置
換または非置換の炭化水素の合計量のケイ素原子数に対
する比が1.2〜2.2であり、ケイ素原子数が平均1
0〜1,000のオキセタン環含有ポリオルガノシロキ
サン;および(B)触媒量のオニウム塩光反応開始剤を
含むことを特徴とする光硬化性剥離剤;ならびにそれを
用いたセパレータ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な光硬化性剥
離剤に関し、さらに詳しくは、硬化速度および剥離特性
に優れた光硬化性シリコーン剥離剤に関する。また、本
発明は、そのような剥離剤を用いたセパレータに関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリオルガノシロキサンを主成分とする
組成物を、各種の紙、合成フィルム、繊維などの基材の
表面で硬化させて被膜を形成することにより、粘着性物
質に対する剥離性を付与することは、よく知られてい
る。
【0003】このようなシリコーン剥離剤には、縮合反
応により硬化するもの(特開昭47−34447号公報
など参照)や、付加反応により硬化するもの(特公昭5
2−40918号公報など参照)が知られている。しか
し、これらの硬化反応を行うには加熱する必要があるた
め、硬化温度に耐える基材でないと適用できないという
欠点がある。
【0004】加熱硬化型シリコーン剥離剤のこのような
欠点を克服するため、各種の紫外線硬化型シリコーン組
成物が開発されている(特開昭56−166224号、
特開昭58−213024号、特開昭60−47064
号、特開昭60−84329号、特開昭61−2932
68号、特開平1−297421号、特開平1−311
103号各公報参照)。紫外線照射装置は、幅射線照射
装置の1種であるが、経済的に入手でき、保守が容易で
あり、かつ使用者への危険が少ないために、最も広く使
用されている。この方法では、通常、硬化時間が短くて
すみ、また熱エネルギーによって損傷を受けるような基
材でも、塗工後に加熱することはなく、紫外線照射によ
り硬化させることができるという利点がある。
【0005】従来の紫外線硬化型シリコーンは、硬化形
態により、およそ次の4種に分類される。 (1)ケイ素原子に結合したビニル基とヒドロシリル基
を、白金系触媒の存在下に、紫外線による反応で硬化さ
せるタイプ。 (2)(メタ)アクリル基含有ポリオルガノシロキサン
を、ラジカル開裂型光反応触媒の存在下に、紫外線によ
る反応で硬化させるタイプ。 (3)ケイ素原子に結合したビニル基と、炭素鎖を介し
てケイ素原子に結合したメルカプト基を、ラジカル開裂
型光反応触媒の存在下に、紫外線による反応で硬化させ
るタイプ。 (4)分子中にエポキシ基または炭素官能性ビニルエー
テル構造を有するポリオルガノシロキサンを、カオチン
発生型触媒の存在下に、紫外線による反応で硬化させる
タイプ。
【0006】上記(1)のタイプは、高価な触媒を多量
に使用することが必要であり、経済的に好ましくない。
【0007】(2)のタイプは、硬化は速いが、酸素に
よる硬化阻害があるため、不活性ガス雰囲気下で反応さ
せる必要がある。それゆえ、装置上の工夫を要するう
え、不活性ガスのランニングコストがかかるという欠点
がある。
【0008】(3)のタイプは、酸素による硬化阻害が
少なく、硬化性に優れているが、メルカプト基を含有す
るため、不快臭が強くて作業者にとり好ましくない。そ
のうえ組成物の安定性が悪く、シェルフライフが短いと
いう欠点を有する。
【0009】(4)のタイプは、紫外線により硬化し、
酸素による硬化阻害もなく、不快臭もない点で、優れた
硬化機構である。しかしながら、グリシドキシ、3,4
−エポキシシクロヘキシルのようなエポキシ官能性によ
る従来の紫外線硬化性剥離剤は、軽い剥離力を示す硬化
被膜が得られず、特にグリシドキシ基の場合は硬化速度
が十分でないので、生産性のために硬化速度を上げると
いう最近の要望には、十分に対応できない。また、ビニ
ルエーテル官能性によるものは、ベースポリマーの合成
が煩雑であり、コスト的に好ましくない。
【0010】特開平6−16804号公報には、オキセ
タン化合物の光反応を利用した光硬化性組成物が、紫外
線によって優れた硬化速度が得られることが開示されて
おり、そのようなオキセタン化合物として、直鎖状また
は分岐状ポリオルガノシロキサンにオキセタン環含有基
を導入したものが開示されている。しかしながら、この
硬化機構によって剥離性被膜を形成することは、同公報
には開示されていない。
【0011】一般に、紫外線によって硬化するポリオル
ガノシロキサン組成物を剥離剤として用いる場合、塗工
性、被膜形成性、剥離特性など、剥離剤として必要な諸
特性を満足させるために、ベースポリマーの分子構造や
分子量などの検討が必要である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の紫外線硬化型シリコーン剥離剤が有する各種の制約を
受けず、塗工性、硬化性、被膜形成性および剥離特性に
優れた光硬化性シリコーン剥離剤;ならびにそれを用い
たセパレータを提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために検討を重ねた結果、特定範囲の分子
構造を有するオキセタン環含有ポリオルガノシロキサン
をベースポリマーとして用いることにより、その目的を
達成しうることを見出して、本発明を完成するに至っ
た。
【0014】すなわち、本発明の光硬化性剥離剤は、
(A)一般式: (R1)m(R2)n SiO(4-m-n)/2 (式中、R1 はたがいに同一でも異なっていてもよい、
オキセタン環をもたない置換または非置換の1価の炭化
水素基を表し、一部は水素原子、水酸基または炭素数1
〜4のアルコキシル基でもよく;R2 は、一般式:
【化2】 (式中、R3 は水素原子、置換もしくは非置換の1価の
炭化水素基またはハロゲン原子を表し;R4 は炭素数1
〜6の2価の炭化水素基を表し;Zは酸素原子または硫
黄原子を表す)で示されるオキセタン環含有基を表し;
m、nはそれぞれ0〜3の整数で、m+nは0〜3の整
数である)で示されるシロキサン単位からなり;1分子
中に少なくとも2個のR2 を有し;該R2 と、R1 中の
置換または非置換の1価の炭化水素基との合計量の、ケ
イ素原子数に対する比が1.2〜2.2であり;ケイ素
原子数が平均10〜1,000のオキセタン環含有ポリ
オルガノシロキサン;および(B)触媒量のオニウム塩
光反応開始剤を含むことを特徴とし、本発明のセパレー
タは、該光硬化性剥離剤を基材に塗工し、紫外線によっ
て硬化させて、基材表面に硬化剥離剤層を形成させたも
のである。
【0015】
【発明の実施の形態】(A)成分は、本発明の剥離剤の
ベースポリマーであり、1分子中に少なくとも2個のオ
キセタン環含有基を有するポリオルガノシロキサンであ
り、一般式: (R1)m(R2)n SiO(4-m-n)/2 で示されるシロキサン単位から構成される。そのシロキ
サン骨格は、直鎖状でも分岐状でもよく、また分子全体
としてもしくは部分的に、環状や網状のシロキサン骨格
を形成していてもよい。
【0016】R1 は、ケイ素原子に結合し、オキセタン
環を含まない基であって、たがいに同一でも異なってい
てもよい置換または非置換の1価の炭化水素基であり、
たとえば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチ
ル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシルのような直
鎖状または分岐状のアルキル基;シクロヘキシルのよう
なシクロアルキル基;ビニル、アリルのようなアルケニ
ル基;フェニル、トリルのようなアリール基;2−フェ
ニルエチル、2−フェニルプロピルのようなアラルキル
基が例示され;さらにこれらの炭化水素基の水素原子の
一部が他の原子または基で置換されたもの、すなわちク
ロロメチル、3−クロロプロピル、3,3,3−トリフ
ルオロプロピルのようなハロゲン化アルキル基;3−シ
アノプロピルのようなシアノアルキル基などの置換炭化
水素基が例示される。これらのうち、合成が容易で、
(A)成分が分子量の割に低い粘度を有し、硬化前の剥
離剤に良好な作業性を与えることと、硬化後の剥離剤に
良好な剥離性を与えることから、全R1 の85%以上が
メチル基であることが好ましく、実質的にすべてのR1
がメチル基であることが特に好ましい。また、R1 の一
部は、水素原子;水酸基;およびメトキシ、エトキシ、
プロポキシ、ブトキシのような炭素数1〜4のアルコキ
シル基から選ばれるケイ素官能性基でもよい。これらの
ケイ素官能性基は、分子末端などに意図的に導入された
り、(A)成分を合成する際に不可避的に生じたり、ま
たは(A)成分にR2 を導入する際に残存したものであ
る。
【0017】R2 は、たがいに同一でも異なっていても
よく、一般式:
【化3】 で示されるオキセタン環含有基である。R3 は、たがい
に同一でも異なっていてもよく、水素原子のほか;メチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルの
ような直鎖または分岐状のアルキル基;シクロヘキシル
のようなシクロアルキル基;ビニル、アリルのようなア
ルケニル基;フェニル、トリルのようなアリール基など
の1価の炭化水素基;炭素数1〜6のフッ化アルキル、
塩化アルキルのようなハロゲン化炭化水素などの1価の
置換炭化水素基;ならびにフッ素、塩素のようなハロゲ
ン原子が例示され、未硬化状態での(A)成分の粘度が
低く、硬化後に優れた剥離性が得られることからメチ
ル、エチル、プロピルのような低級アルキル基が好まし
く、エチル基が特に好ましい。
【0018】R4 としては、メチレン、トリメチレン、
2−メチルトリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチ
レン、ヘキサメチレンのような直鎖状または分岐状のア
ルキレン基;シクロヘキシレン基およびフェニレン基が
例示され、(A)成分および剥離剤の安定性や物性が優
れていることからメチレン基およびトリメチレン基が好
ましく、中でも(A)成分の合成が容易なことからトリ
メチレン基が特に好ましい。
【0019】シロキサン単位の各ケイ素原子に結合する
1 とR2 の数mおよびnは、それぞれ0〜3の整数で
あり、合成が容易なことから、nは0または1が好まし
い。その合計量m+nもまた0〜3の整数であり、各シ
ロキサン単位についてのm+nの組合せにより、シロキ
サン骨格が直鎖状、分岐状または環状などの(A)オキ
セタン環含有ポリオルガノシロキサンを任意に構成でき
る。剥離剤として必要な重合度、すなわちケイ素原子数
の(A)を得るには、実質的に直鎖状のものが好まし
く、良好な機械的性質を有する硬化被膜を得るために、
直鎖状のものと分岐状のものを混合して用いることもで
きる。
【0020】(A)が紫外線によって網状構造を形成す
ることにより、剥離剤が基材表面に硬化被膜を形成する
ために、1分子中のオキセタン環含有基R2 の数は、前
述のように少なくとも2個である。硬化被膜が軽い剥離
力を示すには、R2 を有するシロキサン単位は、(A)
の全シロキサン単位に対して80モル%以下が好まし
い。R2 は、(A)のどのシロキサン単位に存在しても
差支えない。
【0021】また、該R2 と、R1 中の置換または非置
換の1価の炭化水素基との合計量、すなわちケイ素原子
にSi−C結合によって結合している有機基の量の、分
子中のケイ素原子数に対する比は、1.2〜2.2であ
る。この比が1.2未満では優れた剥離性が得られず、
また2.2を越えても剥離性の硬化被膜が得られない。
【0022】このようなシロキサン単位の組合せからな
る(A)成分のケイ素原子数は、重量平均で10〜1,
000であり、10〜500の範囲が好ましい。ケイ素
原子数が平均10未満では、剥離性の硬化被膜が得られ
ない。一方、1,000を越えるものは、ポリオルガノ
シロキサンにオキセタン環を完全に導入することが困難
であり、かつ剥離剤の粘度が上昇して、無溶媒における
塗工が困難になるばかりでなく、得られた硬化被膜の剥
離性と移行性が劣る。
【0023】また、(A)成分の25℃における粘度
は、好ましくは20〜500,000cPであり、さらに
好ましくは20〜100,000cPの範囲である。20
cP未満ではピンホールを生じやすく、良好な剥離性被膜
を形成できない。一方、500,000cPを越えると、
無溶媒における塗工が困難になり、また光硬化反応中に
ゲル状物を形成しやすい。
【0024】このような(A)成分は、たとえば次のよ
うにして合成される。すなわち、オキセタン環含有基を
導入したいシロキサン単位にケイ素原子に結合した水素
原子を有する、一般式: (R1)mn SiO(4-m-n)/2 (式中、R1 、mおよびnは前述のとおり)で示される
ポリオルガノハイドロジェンシロキサンを合成する。こ
れに、一般式:
【化4】 (式中、R3 およびZは前述のとおり、R5 は炭素数3
〜6のアルケニル基を表す)で示されるアルケニル基含
有オキセタン化合物を、白金系触媒の存在下にヒドロシ
リル化反応させる。R5 としては、アリル、1−ブテニ
ル、1−ペンテニルおよび1−ヘキセニルが挙げられ、
アリル基が好ましい。白金系触媒としては、塩化白金
酸、塩化白金酸とアルコールを加熱して得られる白金錯
体、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯
体、ロジウム−ホスフィン錯体、ロジウム−スルフィド
錯体、パラジウム−ホスフィン錯体などが例示される。
白金系触媒の量は、白金系金属原子に換算して、ポリオ
ルガノハイドロジェンシロキサンに対して0.1〜10
0ppm の範囲で十分である。反応は、白金系触媒の種類
と量に応じて、常温か、150℃までの温度で行うこと
ができる。少量の白金系触媒によって反応を円滑に進行
させるために、トルエン、キシレンのような溶媒を用い
てもよい。
【0025】あるいは、上述のポリオルガノハイドロジ
ェンシロキサンに、ビニル基のようなアルケニル基を含
有するポリオルガノシロキサンを付加反応させて予備架
橋体を形成させた後、残存するSi−H結合に上述のア
ルケニル基含有オキタセン化合物を反応させてもよい。
反応はいずれもヒドロシリル化反応であり、同様の白金
系触媒と反応条件を用いることができる。得られるオキ
タセン環含有ポリオルガノシロキサンは、分子中に一部
のシルアルキレン鎖を有するが、本発明の(A)成分と
同様に光硬化反応に用いることができ、本発明の(A)
成分に包含される。
【0026】(B)成分は、紫外線によって励起される
光硬化反応の開始剤として寄与する成分であり、(A)
成分に溶解し、紫外線によってオキセタン環を開環させ
るものであれば特に限定されない。
【0027】本発明に用いられる(B)成分としては、
光開始剤として優れた触媒能があり、(A)成分への溶
解性も優れていることから、一般式: (R6)x+ ・Y- (式中、R6 はたがいに同一でも異なっていてもよい置
換または非置換の、(i)芳香環炭素原子がEに直接結
合している芳香族炭素環式基、および(ii)ピリジル、
チオフェニル、ピラニルのような芳香族複素環基から選
ばれる1価の基を表し;EはI、S、SeまたはPから
選ばれる中心元素を表し;Y- はBF4 -、PF6 -、As
6 -、SbF6 -、HSO4 -、ClO4 -およびB(C6
5)4 -から選ばれる非塩基性かつ非求核性の陰イオンを表
し;xはEがIのとき2、EがSまたはSeのとき3、
EがPのとき4である)で示されるオニウム塩が好まし
い。
【0028】上記(i)としては、フェニル、ナフチル
のような1価の芳香族炭素環基のほか、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、
ドデシルのようなアルキル基;メトキシ、エトキシ、プ
ロポキシ、ブトキシ、デシルオキシのようなアルコキシ
ル基;塩素原子、臭素原子のようなハロゲン原子;シア
ノ基;メルカプト、チオフェニルのような硫黄含有基お
よびカルボキシル基から選ばれる基によって置換された
1価の芳香族炭素環基が例示される。置換基の数は通常
4個までであり、R6 の炭素数が6〜20のものが好ま
しい。
【0029】(B)成分の配合量は、光反応開始剤とし
ての有効量であって、特に限定されないが、適度な硬化
速度をあたえることと経済性から、(A)成分100重
量部に対し、0,5〜6重量部が好ましい。
【0030】本発明の剥離剤には、上記(A)成分およ
び(B)成分の他に、必要に応じて、煙霧質シリカ、沈
殿シリカ、ポリメチルシルセスキオキサン球状粒子のよ
うな粉体;ペンゾフェノン、チオキサントン、アミノキ
サントン、ベンゾフラビン、9,10−ジエチルアント
ラセン、アクリジンオレンジ、アクリジンイエロー、ホ
スフィンRのような増感剤などを配合することができ
る。
【0031】本発明の剥離剤は、無溶剤で使用されるも
のであるが、場合により、溶媒で希釈して用いることが
できる。溶媒としては、トルエン、キシレンのような炭
化水素系溶媒;イソプロピルアルコール、ブチルアルコ
ールのようなアルコール系溶媒などが例示され、溶解性
および塗工性が優れていることから、アルコール系溶媒
が望ましい。
【0032】本発明の剥離剤を、基材の表面に塗工し、
紫外線を照射して硬化させることにより、表面に硬化剥
離剤層を有するセパレータを作製できる。ここでセパレ
ータとは、基材の両面または片面にこのような剥離剤層
を形成させ、剥離すべき物質の間に挿入して使用するも
の、基材の片面に剥離剤層を形成させ、接着剤層を有す
るシートの接着剤層と対向させて用いるものなど、任意
の使用形態のものを包含する。基材としては、クラフト
紙、グラシン紙、パーチメント紙のような紙;ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートの
ようなプラスチックフィルム;およびポリエチレンラミ
ネート紙のような両者の積層体が用いられる。塗工は、
本発明の剥離剤を無溶媒で、または必要に応じて前述の
溶媒に溶解した溶液として、グラビア、ロールコータ
ー、ナイフコーター、メイヤーバーその他、任意の器具
を用いる方法で行うことができる。
【0033】紫外線は、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタ
ルハライドランプなどの光源から照射する、通常の方法
で行うことができる。
【0034】
【発明の効果】官能基としてオキセタン環を用いること
により、紫外線硬化性に優れた剥離剤が得られる。これ
を用いたセパレータは優れた剥離特性を示し、特に同じ
官能基量を有する従来のエポキシ官能性ポリオルガノシ
ロキサンに比べて、格段に軽い剥離力を示す。本発明の
セパレータは、軽い剥離力を必要とする用途に特に有用
である。
【0035】
【実施例】以下、合成例、実施例および比較例によっ
て、本発明をさらに詳細に説明する。本発明はこれらの
実施例によって限定されるものではない。なお、これら
の例において、部はすべて重量部を表し、粘度は25℃
における値である。また、これらの例において用いら
れ、または合成されたポリオルガノシロキサンの単位式
において、シロキサン単位は、表1に示す記号で表し
た。なお、合成例3で用いられ、または合成されたジシ
ロキサン以外は、すべて平均単位式である。
【0036】
【表1】
【0037】合成例1〜8 表2に示すポリメチルハイドロジェンシロキサンそれぞ
れ100部をトルエン80部に溶解し、これにトリクロ
ロトリス(ジブチルスルフィド)ロジウム(III)を、ポ
リメチルハイドロジェンシロキサンに対してロジウム原
子換算5ppm となるように添加し、撹拌しながら130
℃まで昇温した。このものに、3−エチル−3−アリル
オキシメチルオキセタンを表2に示す量滴下し、加熱撹
拌を2時間続けることにより、付加反応させた。その
後、10Torr以下まで減圧し、130℃において3時間
加熱撹拌することにより、トルエンおよび未反応物を留
去して、それぞれの反応生成物を得た。
【0038】得られた反応生成物をフーリエ変換赤外分
光分析にかけたところ、合成例7を除くすべての合成例
の反応生成物は、2160cm-1のSi−Hの吸収が完全
に消失していた。合成例7の反応生成物は、Si−Hの
ピークがみられ、加熱撹拌をさらに3時間延長しても消
失しなかった。アルカリ定量法によって定量したとこ
ろ、約30%のSi−Hが残存していた。
【0039】合成例9 表2に示すように、単位式MDH 1088Mで示される直
鎖状ポリメチルハイドロジェンシロキサン70部、およ
び単位式MH 5DQ8 で示される分岐状ポリメチルハイド
ロジェンシロキサン30部を、トルエン70部に溶解
し、これにトリクロロトリス(ジブチルスルフィド)ロ
ジウム(III)を、全ポリメチルハイドロジェンシロキサ
ンに対してロジウム原子換算5ppm となるように添加
し、撹拌しながら130℃まで昇温した。これに、3−
エチル−3−アリルオキシメチルオキセタン30.3部
を滴下し、2時間反応させた。ついで10Torr以下まで
減圧し、130℃で3時間加熱撹拌し、トルエンおよび
未反応物を留去して反応生成物を得た。該反応生成物を
フーリエ変換赤外分光分析にかけたところ、2160cm
-1のSi−Hの吸収は完全に消失していた。
【0040】これらの合成例で得られたオキセタン環含
有ポリオルガノシロキサンの外観と粘度は、表2に示す
とおりであった。
【0041】
【表2】
【0042】実施例1〜7、比較例1〜3 これらのオキセタン環含有ポリオルガノシロキサン、ま
たはそれらから調製して得られた混合シロキサン各10
0部に、ビス(ドデシルフェニルヨードニウム)ヘキサ
フルオロアンチモン塩を各0.5部添加して均一に混合
することにより、実施例1〜7および比較例1〜3の剥
離剤を調製した。これらの剥離剤について、次のような
方法で供試体を作製し、評価した。
【0043】供試体の作成 各実施例および比較例で調製した剥離剤を、それぞれポ
リエチレンラミネート紙(75g/m2)に1.3g/m2の厚
さで塗工し、80W/cmの高圧水銀灯1灯を10cmの高さ
に設置した硬化帯域を、速度5m/min のコンベアに乗せ
て通すことにより、剥離剤を硬化させた。硬化後、室温
で1日養生した後、以下の試験に供した。
【0044】剥離力の測定 養生後の硬化被膜面に、粘着剤BPS8170(東洋イ
ンキ(株)製、商品名)を厚さ0.13mm(5mil)に湿
式塗工し、100℃で5分間乾燥した後、上質紙(65
g/m2)を貼付して、25℃で1日養生した。これを18
0°の方向に0.3m/min の速度で引き剥がして、剥離
力を求めた。
【0045】残留接着率の測定 養生後の硬化被膜面に、ニットー31Bテープ(2.5
cm幅、日東電工(株)製、商品名)を貼り付け、20g/
cm2 の荷重をかけて、70℃で20時間放置した後、テ
ープを剥がし、剥がしたテープをステンレス板(JIS
C2107)に貼り付けて、2kgゴムローラーで圧着
し、25℃で3時間エージングさせた。エージング後、
180°の方向に引張り、剥離力(f)を測定した。一
方、ブランク試料として、ポリテトラフルオロエチレン
フィルムに、ニットー31Bテープ(日東電工(株)
製、商品名)を貼り付け、同様の操作により剥離力(f
0)を測定した。残留接着率(%)は、次の式によって算
出した。 残留接着率(%)=(f/f0)×100
【0046】移行性 養生後の硬化被膜面に、厚さ25μm のポリエチレンテ
レフタレートフィルムを合わせ、室温で10kg/cm2の荷
重をかけて1時間圧着した後、マジックインキでポリエ
チレンテレフタレートフィルムに線を引き、インキのは
じき具合を評価した。 ○・・・はじきなし △・・・ややはじきあり ×・・・はじきあり
【0047】これらの評価結果は、表3に示すとおりで
あった。
【0048】
【表3】
【0049】ケイ素原子数が平均10〜1,000の
(A)オキセタン環含有ポリオルガノシロキサンを用い
た剥離剤から、短時間の紫外線照射によって優れたセパ
レータが得られることが明らかになった。特に軽い剥離
力を有するセパレータは、分子末端にMox単位を有する
直鎖状または若干の分岐を含む(A)オキセタン環含有
ポリオルガノシロキサンから得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 若松 茂 東京都港区六本木6丁目2番31号 東芝シ リコーン株式会社内 (72)発明者 佐々木 裕 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成株式会社名古屋総合研究所内 (72)発明者 栗山 晃 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成株式会社名古屋総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一般式: (R1)m(R2)n SiO(4-m-n)/2 (式中、R1 はたがいに同一でも異なっていてもよい、
    オキセタン環をもたない置換または非置換の1価の炭化
    水素基を表し、一部は水素原子、水酸基または炭素数1
    〜4のアルコキシル基でもよく;R2 は、一般式: 【化1】 (式中、R3 は水素原子、置換もしくは非置換の1価の
    炭化水素基またはハロゲン原子を表し;R4 は炭素数1
    〜6の2価の炭化水素基を表し;Zは酸素原子または硫
    黄原子を表す)で示されるオキセタン環含有基を表し;
    m、nはそれぞれ0〜3の整数で、m+nは0〜3の整
    数である)で示されるシロキサン単位からなり;1分子
    中に少なくとも2個のR2 を有し;該R2 と、R1 中の
    置換または非置換の1価の炭化水素基との合計量の、ケ
    イ素原子数に対する比が1.2〜2.2であり;ケイ素
    原子数が平均10〜1,000のオキセタン環含有ポリ
    オルガノシロキサン;および (B)触媒量のオニウム塩光反応開始剤を含むことを特
    徴とする光硬化性剥離剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光硬化性剥離剤を基材表
    面に塗工し、紫外線によって硬化させたセパレータ。
JP208698A 1998-01-08 1998-01-08 光硬化性剥離剤およびそれを用いたセパレータ Withdrawn JPH11199853A (ja)

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