JP2006131848A - ポリオルガノシロキサン及びその製造方法、並びにポリオルガノシロキサンを含有する硬化性組成物 - Google Patents

ポリオルガノシロキサン及びその製造方法、並びにポリオルガノシロキサンを含有する硬化性組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】高温下に長時間暴露された場合にも光透過率の低下が少ない硬化性組成物を提供する。
【解決手段】下式(1)の官能基と下式(2)〜(4)の官能基1種類以上を有するポリオルガノシロキサン及びその製造方法、並びに前記ポリオルガノシロキサンを含有する硬化性組成物。
【化1】
Figure 2006131848

(1)
(RはH又はC1〜6のアルキル基、RはC2〜6のアルキレン基。)
【化2】
Figure 2006131848

(2)
(R、RはC1〜20のアルキル基、アルケニル基、アリール基。)
【化3】
Figure 2006131848

(3)
【化4】
Figure 2006131848

(4)
【選択図】 なし

Description

本発明は、ゾル−ゲル法で製造された、オキセタン環とSi−H基とを有するポリオルガノシロキサンとその製法、および当該ポリオルガノシロキサンを含有する硬化性組成物に関する。
本発明により得られる硬化性組成物の硬化物は、高温下に長時間暴露されても光透過性が高いレベルで保持されるため、レンズやレンズシート、プリズム、光半導体の封止剤として有用である。
従来、Si−H基とオキセタン環を有するポリオルガノシロキサンの製法としてはハイドロシリル化が知られていた。
例えば、特開平11−199853号公報、特開2000−65322号公報、特開2000−264969号公報、特開2000−265153号公報は、ポリメチルハイドロジェンシロキサンのようなSi−H基を有する含ケイ素化合物と、アリル基とオキセタン環を有する化合物をロジウム触媒でハイドロシリル化して得られるポリオルガノシロキサンおよび、当該ポリオルガノシロキサンを含有する光硬化性組成物を開示している。この技術によれば、アリル基に対するSi−H基のモル比を調節することで、製品のSi−H基含有量を容易にコントロールできる。
特開平11−199853号公報 特開2000−65322号公報 特開2000−264969号公報 特開2000−265153号公報 特開2004−196977号公報
しかしながら、ハイドロシリル化反応を利用するには、上記ロジウム触媒のような高価な原料が必要であり、かつ当該触媒を除去するためには非常に煩雑な操作を経なければならないため、例えば、特開平10−330485号公報、特開平11−29640号公報および、特開平11−116682号公報、特開平11−199673号公報、特開2003−321545号公報では、より経済性の高いゾル−ゲル法でオキセタン環を有するポリオルガノシロキサンを製造する方法が開示されているのであるが、Si−H基とオキセタン環を両方有するポリオルガノシロキサンを得る製法は開示されていなかった。その理由は、Si−H基が加水分解性基として働くためである。
特開平10−330485号公報 特開平11−29640号公報 特開平11−116682号公報 特開平11−199673号公報 特開2003−321545号公報
ところで、ゾル−ゲル法で製造されたオキセタン環を有するポリオルガノシロキサンを硬化させる方法としては光硬化が知られていた。例えば、特開平10−330485号公報、特開平11−29640号公報および、特開平11−116682号公報、特開平11−199673号公報、特開2003−321545号公報は、ゾル−ゲル法で製造されたポリシルセスキオキサンおよび光カチオン重合開始剤を含む光硬化性組成物を開示している。
また、ゾル−ゲル法で製造されたかどうかは特定できないが、オキセタン環とシルセスキオキサン構造を含んでいても良いポリオルガノシロキサンについても光硬化が知られていた。例えば、特表2002−526390号公報、特表2002−526391号公報はオキセタン環とシルセスキオキサン構造を含んでいても良いポリオルガノシロキサンを含有する光硬化性組成物を開示している。
さらに、ポリオルガノシロキサンであるかどうか特定できないが、ゾル−ゲル法で製造されたオキセタン環を有する物質についても光硬化が知られていた。例えば、特開2001−187812号公報はオキセタン環と加水分解性基を有する化合物と酸化物粒子とを、ゾル−ゲル法によって反応させて得られる反応性粒子と光カチオン重合開始剤とを含有する光硬化性組成物を開示している。
特表2002−526390号公報 特表2002−526391号公報 特開2001−187812号公報
これらの技術を用いれば、接着性、硬化物の硬さ、透明性、耐薬品性、耐熱性の高い膜が得られるため、ハードコート剤、各種プラスチック基材の保護膜、光路結合用接着剤、歯科用接着剤として有用であった。
しかしながら、光硬化で得られた硬化物は、硬化物作成直後に既に着色していることが多く、また無色透明な硬化物が得られたとしても、高温下に長時間暴露されると硬化物が次第に黄変してきて光透過率が低下していくという問題があり、レンズやレンズシート、プリズム、光半導体の封止剤のような、高度な光透過性を要求される用途や、コーティング剤や接着剤などであっても、高温に暴露され、かつ外観や光透過性が重要な用途には使用できなかった。
また近年、光半導体の分野では、紫外線発光素子を用いたLEDが盛んに開発されており、当該紫外線発光素子の封止剤には当然のことながら紫外線の光透過性の高い硬化物が求められているのであるが、光硬化性組成物の硬化物は紫外線を吸収する光カチオン重合開始剤を含んでいるため、紫外線領域において当該硬化物はほとんど光を通さず、封止剤として使用できなかった。
一方、特公昭55−27573号公報や特公昭59−52671号公報には、特定のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含む、着色の低減された加熱加硫型シリコーンゴム組成物が開示されており、特公昭47−19093号公報、特公昭47−19094号公報には、アルキルフェノール系安定剤とSi−H基を有する有機シラン化合物がポリオレフィン組成物の着色防止剤として作用することが開示されているが、これらにおいてはオキセタン環を有するポリオルガノシロキサンについては全く開示も示唆も無い。
特公昭55−27573号公報 特公昭59−52671号公報 特公昭47−19093号公報 特公昭47−19094号公報
本発明は、ゾル−ゲル法で製造された、オキセタン環を有するポリオルガノシロキサンを含有する、高温下に長時間暴露された場合にも光透過率の低下が少ない硬化性組成物を提供することを課題とするものである。
本発明者らは、上記の問題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の製法で製造されたSi−H基とオキセタン環を有するポリオルガノシロキサンと、アルミニウム化合物、エポキシ化合物を必須成分として含有する硬化性組成物を用いれば、上記問題が解決できることを見出して本発明を完成したのである。
即ち、本発明は、ゾル−ゲル法で製造された、下記一般式(1)で示される官能基と、下記一般式(2)〜(4)で示される官能基の1種類以上を有するポリオルガノシロキサンとその製造方法、および当該ポリオルガノシロキサンを含有する硬化性組成物である。
Figure 2006131848
(1)
(但し、Rは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり、Rは炭素数2〜6のアルキレン基である。)
Figure 2006131848
(2)
(但し、R、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アリール基から選択される基であり、R、Rは互いに同一であっても異なっていても良い。)
Figure 2006131848
(3)
Figure 2006131848
(4)
本発明の硬化性組成物により得られる硬化物は、優れた機械的強度を有する上に、従来の光硬化性組成物と比較して外観(透明性)に優れ、高温下に長時間暴露されても、黄変が殆ど起こらず、波長が400nm付近の光に対する光透過率が高いレベルで保持される。
以下、本発明を詳細に説明する。
[1]Si−H基とオキセタン環を有するポリオルガノシロキサン
本発明におけるポリオルガノシロキサンは、ゾル−ゲル法で製造された、下記一般式(1)で示される官能基と、下記一般式(2)〜(4)で示される官能基から選択される少なくとも1種を有するポリオルガノシロキサンであって、好ましくは下記式(5)で示される、オキセタン環を有する有機ケイ素化合物(I)と、下記式(6)〜(8)から選択される、Si−H結合を有しオキセタン環を有しない有機ケイ素化合物(II)の少なくとも1種からなる混合物の共加水分解縮合物、若しくはこれら有機ケイ素化合物(I)と有機ケイ素化合物(II)に加えて更に、下記式(9)〜(11)から選択される、オキセタン環もSi−H基も有しない有機ケイ素化合物(III)の少なくとも1種からなる混合物の共加水分解縮合物であるポリオルガノシロキサンである。
Figure 2006131848
(1)
(但し、Rは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり、Rは炭素数2〜6のアルキレン基である。)
Figure 2006131848
(2)
Figure 2006131848
(3)
Figure 2006131848
(4)
(但し、R、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アリール基から選択される基であり、R、Rは互いに同一であっても異なっていても良い。)
Figure 2006131848
(5)
(但し、Rは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり、Rは炭素数2〜6のアルキレン基である。Xは水素原子以外の加水分解性基であり、Xは互いに同一であっても異なっていても良い。)
(化10)
HSiX’(3−a−b) (6)
(但し、X’は水素原子以外の加水分解性基であり、R、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アリール基から選択される基であり、互いに同一であっても異なっていても良い。a、bは0、1、2から選ばれる整数であり、a+bは2以下である。)
Figure 2006131848
(7)
(但し、R、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アリール基から選択される基であり、互いに同一であっても異なっていても良い。nは0以上20以下の整数である。好ましいnは0以上10以下の整数である。)
Figure 2006131848
(8)
(但し、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アリール基から選択される基であり、pは3以上20以下の整数である。好ましいpは3以上10以下の整数である。更に好ましいpは3以上6以下の整数である。)
(化13)
SiX” (4−a−b−c) (9)
(但し、X”は水素原子以外の加水分解性基であり、R、R、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アリール基から選択される基であり、互いに同一であっても異なっていても良い。a、b、cは0、1、2から選ばれる整数であり、a+b+cは3以下である。)
Figure 2006131848
(10)
(但し、R、R、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アリール基から選択される基であり、互いに同一であっても異なっていても良い。nは0以上20以下の整数である。好ましいnは0以上10以下の整数である。)
Figure 2006131848
(11)
(但し、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アリール基から選択される基であり、互いに同一であっても異なっていても良い。pは3以上20以下の整数である。好ましいpは3以上10以下の整数である。更に好ましいpは3以上6以下の整数である。)
[1−1]原料
本発明におけるポリオルガノシロキサンの好ましい原料は、オキセタン環を有する有機ケイ素化合物(I)と、Si−H結合を有しオキセタン環を有しない有機ケイ素化合物(II)及びオキセタン環もSi−H基も有さない有機ケイ素化合物(III)に分類される。
[1−1−1]オキセタン環を有する有機ケイ素化合物(I)
本発明における好ましい有機含ケイ素化合物(I)は、オキセタン環と水素原子以外の加水分解性基を有する有機ケイ素化合物であり、下記式(5)で表される化合物である。
Figure 2006131848
(5)
(但し、Rは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり、Rは炭素数2〜6のアルキレン基である。Xは水素原子以外の加水分解性基であり、Xは互いに同一であっても異なっていても良い。)
この式(5)において、Rは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり、エチル基が好ましい。また、Rは炭素数2〜6のアルキレン基であり、プロピレン基が好ましい。これは、このような有機官能基を形成するオキセタン化合物の入手あるいは合成が容易なためである。また、式(5)におけるRまたはRの炭素数が7以上であると、硬化物の強度が不足しやすいので好ましくない。
上記式(5)における加水分解性基Xは、水素原子以外の加水分解性を有する基であれば特に限定されない。好ましいXは、ハロゲン原子、アルコキシ基、シクロアルコキシ基またはアリールオキシ基等であり、より好ましいXは、アルコキシ基、シクロアルコキシ基またはアリールオキシ基である。これは、Xがハロゲン原子である場合には加水分解によりハロゲン化水素が生じるので反応系が強酸性雰囲気となりやすく、このためオキセン環が開環する恐れがあるためである。
上記「アルコキシ基」としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−およびi−プロポキシ基、n−、i−およびt−ブトキシ基等が挙げられる。また、「シクロアルコキシ基」の例としてはシクロヘキシルオキシ基等が、「アリールオキシ基」の例としてはフェニルオキシ基等が挙げられる。これらのうち、アルコキシ基の加水分解性が良好であることから、好ましいXは炭素数1〜3のアルコキシ基である。また、原料の入手が容易であることや、加水分解反応が制御しやすいことから、特に好ましいXはエトキシ基である。
[1−1−2]Si−H結合を有しオキセタン環を有しない有機ケイ素化合物(II)
本発明における好ましい有機ケイ素化合物(II)は、オキセタン環を有せず水素原子以外の加水分解性基を有する有機含ケイ素化合物であり、下記式(6)〜(8)で表される化合物である。
(化17)
HSiX’3−a−b (6)
(但し、X’は水素原子以外の加水分解性基であり、R、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アリール基から選択される基であり、互いに同一であっても異なっていても良い。a、bは0、1、2から選ばれる整数であり、a+bは2以下である。)
上記式(6)で表される化合物中のR、Rは、炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アリール基から選択される基であり、互いに同一であっても異なっていても良い。炭素数20を超えると、後述の加水分解反応で良好に加水分解が起こりにくく、得られるポリオルガノシロキサンが二層分離を起こしたり白濁したりしやすいため、好ましくない。
上記式(6)において、X’は水素原子以外の加水分解性基であり、加水分解により上記式(2)に示す構造式で表される化合物のケイ素原子との間にシロキサン結合を生成し得る基を示しており、例えば水酸基(シラノール基)、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子などである。これらの内、ハロゲン原子以外のものが好ましい。X’がハロゲン原子である場合には、加水分解によりハロゲン化水素が生じるので反応系が強酸性雰囲気となりやすく、このためオキセタン環が開環する恐れがあるためである。
上記式(6)で表される化合物の具体例は、ジメチルメトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルn−プロポキシシラン、ジメチルイソプロペノキシシラン、ジメチルフェノキシシラン、ジエチルメトキシシラン、メチルエチルエトキシシラン、n−プロピル(メチル)メトキシシラン、n−プロピル(メチル)エトキシシラン、3,3,3−トリフルオルプロピル(メチル)メトキシシラン、ビス(3,3,3−トリフルオルプロピル)エトキシシラン、n−ヘキシル(メチル)メトキシシラン、ジ(n−ヘキシル)エトキシシラン、n−オクチル(メチル)メトキシシラン、ジ(n−オクチル)エトキシシラン、ベンジル(メチル)メトキシシラン、フェネチル(メチル)メトキシシラン、メチルフェニルメトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、メチルジn−プロポキシシラン、メチルジイソプロペノキシシラン、メチルジフェノキシシラン、メチルジ(2−メトキシエトキシ)シラン、メチルメトキシフェネトキシシラン、エチルジメトキシシラン、エチルジエトキシシラン、n−プロピルジメトキシシラン、n−プルピルジエトキシシラン、3,3,3−トリフルオルプロピルジメトキシシラン、3,3,3−トリフルオルプロピルジエトキシシラン、n−ヘキシルジメトキシシラン、n−ヘキシルジエトキシシラン、n−オクチルジメトキシシラン、n−オクチルジエトキシシラン、ベンジルジメトキシシラン、ベンジルジエトキシシラン、フェネチルジメトキシシラン、フェネチルジエトキシシラン、フェニルジメトキシシラン、フェニルジエトキシシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリn−プロポキシシラン、トリイソプロポキシキシシラン、トリブトキシシラン、トリイソプロペノキシシラン、トリフェノキシシラン、ジエトキシプロペノキシシラン、ジメトキシフェノキシシラン、ジフェノキシプロペノキシシラン等が挙げられ、トリエトキシシラン、メチルジエトキシシランが安全性、反応のコントロールのしやすさの点で取り扱いやすく、とりわけ好ましい。
Figure 2006131848
(7)
(但し、R、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アリール基から選択される基であり、互いに同一であっても異なっていても良い。nは0以上20以下の整数である。好ましいnは0以上10以下の整数である。)
上記式(7)で表される化合物中のR、Rは、炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アリール基から選択される基であり、互いに同一であっても異なっていても良い。炭素数20を超えると、後述の加水分解反応で良好に加水分解が起こりにくく、得られるポリオルガノシロキサンが二層分離を起こしたり白濁したりしやすいため、好ましくない。
上記式(7)で表される化合物の具体例は、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラエチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラプロピルジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、ポリメチルハイドロシロキサン、ポリエチルハイドロシロキサン、ポリプロピルハイドロシロキサン、ポリブチルハイドロシロキサン、ポリフェニルハイドロシロ
キサン、ビス(トリメチルシロキシ)エチルシラン、ビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン等が挙げられ、入手の容易さや反応のコントロールのしやすさから1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンがとりわけ好ましい。
Figure 2006131848
(8)
(但し、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アリール基から選択される基であり、pは3〜6の整数である。好ましいpは3以上10以下の整数である。更に好ましいpは3以上6以下の整数である。)
上記式(8)で表される化合物中のRは、炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アリール基から選択される基であり、互いに同一であっても異なっていても良い。炭素数20を超えると、後述の加水分解反応で良好に加水分解が起こりにくく、得られるポリオルガノシロキサンが二層分離を起こしたり白濁したりしやすいため、好ましくない。
上記式(8)で表される化合物の具体例は、テトラメチルシクロテトラシロキサン、ペンタメチルシクロペンタシロキサン、ヘキサメチルシクロヘキサシロキサン、テトラエチルシクロテトラシロキサン、ペンタエチルシクロペンタシロキサン、ヘキサエチルシクロヘキサシロキサン、テトラプロピルシクロテトラシロキサン、ペンタプロピルシクロペンタシロキサン、ヘキサプロピルシクロヘキサシロキサン、テトラブチルシクロテトラシロキサン、ペンタブチルシクロペンタシロキサン、ヘキサブチルシクロヘキサシロキサン、テトラフェニルシクロテトラシロキサン、ペンタフェニルシクロペンタシロキサン、ヘキサフェニルシクロヘキサシロキサン等が挙げられ、入手の容易さや反応のコントロールのしやすさから、ペンタメチルシクロペンタシロキサン、ヘキサメチルシクロヘキサシロキサンがとりわけ好ましい。
[1−1−3]オキセタン環もSi−H基も有しない有機ケイ素化合物(III)
本発明における好ましい有機ケイ素化合物(III)は、オキセタン環及びSi−H基を有せず、水素原子以外の加水分解性基を有する有機ケイ素化合物であり、下記式(9)〜(11)で表される化合物である。
(化20)
SiX”(4−a−b−c) (9)
(但し、X”は水素原子以外の加水分解性基であり、R、R、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アリール基から選択される基であり、互いに同一であっても異なっていても良い。a、b、cは0、1、2から選ばれる整数であり、a+b+cは3以下である。)
上記式(9)で表される化合物中のR、R、Rは、炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アリール基から選択される基であり、互いに同一であっても異なっていても良い。炭素数20を超えると、後述の加水分解反応で良好に加水分解が起こりにくく、得られるポリオルガノシロキサンが二層分離を起こしたり白濁したりしやすいため、好ましくない。
上記式(9)において、X”は水素原子以外の加水分解性基であり、加水分解により上記式(2)に示す構造式で表される化合物のケイ素原子との間にシロキサン結合を生成し得る基を示しており、例えば水酸基(シラノール基)、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子などである。これらの内、ハロゲン原子以外のものが好ましい。X’がハロゲン原子である場合には、加水分解によりハロゲン化水素が生じるので反応系が強酸性雰囲気となりやすく、このためオキセタン環が開環する恐れがあるためである。
上記式(9)で表される化合物の具体例は、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン及びフェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン及びメチルフェニルジエトキシシラン、トリメチルシラノール、トリエチルシラノール、トリプロピルシラノール、トリブチルシラノール、トリフェニルシラノール、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリプロピルメトキシシラン、トリプロピルエトキシシラン、トリメチルシリルアセテート、トリメチルシリルベンゾエート、トリエチルシリルアセテート、トリエチルシリルベンゾエート、ベンジルジメチルメトキシシラン、ベンジルジメチルエトキシシラン、ジフェニルメトキシメチルシラン、ジフェニルエトキシメチルシラン、アセチルトリフェニルシラン、エトキシトリフェニルシラン等が挙げられ、入手の容易さや反応のコントロールのしやすさから、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシランがとりわけ好ましい。
Figure 2006131848
(10)
(但し、R、R、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アリール基から選択される基であり、互いに同一であっても異なっていても良い。nは0以上20以下の整数である。好ましいnは0以上10以下の整数である。)
上記式(10)で表される化合物中のR、R、Rは、炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アリール基から選択される基であり、互いに同一であっても異なっていても良い。炭素数20を超えると、後述の加水分解反応で良好に加水分解が起こりにくく、得られるポリオルガノシロキサンが二層分離を起こしたり白濁したりしやすいため、好ましくない。
上記式(10)で表される化合物の具体例は、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサエチルジシロキサン、ヘキサプロピルジシロキサン、1,3−ジブチル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジメチル−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、1,1,3,3,5,5−オクタメチルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−デカメチルテトラシロキサン等が挙げられ、入手の容易さからヘキサメチルジシロキサンがとりわけ好ましい。
Figure 2006131848
(11)
(但し、R、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アリール基から選択される基であり、互いに同一であっても異なっていても良い。pは3〜6の整数である。好ましいpは3以上10以下の整数である。更に好ましいpは3以上6以下の整数である。)
上記式(11)で表される化合物中のR、Rは、炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アリール基から選択される基であり、互いに同一であっても異なっていても良い。炭素数20を超えると、後述の加水分解反応で良好に加水分解が起こりにくく、得られるポリオルガノシロキサンが二層分離を起こしたり白濁したりしやすいため、好ましくない。
上記式(11)で表される化合物の具体例は、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、オクタエチルシクロテトラシロキサン、デカエチルシクロペンタシロキサン、ドデカエチルシクロヘキサシロキサン、オクタプロピルシクロテトラシロキサン、デカプロピルシクロペンタシロキサン、ドデカプロピルシクロヘキサシロキサン、オクタブチルシクロテトラシロキサン、デカブチルシクロペンタシロキサン、ドデカブチルシクロヘキサシロキサン、ヘキサフェニルシクロトリシロキサン、オクタフェニルシクロテトラシロキサン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルシクロトリシロキサン等が挙げられ、入手の容易さや反応のコントロールのしやすさから、オクタメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンがとりわけ好ましい。
本発明のポリオルガノシロキサンを合成するための好ましい原料は、オキセタン環を有する有機ケイ素化合物(I)と、Si−H結合を有しオキセタン環を有しない有機ケイ素化合物(II)、及び所望により、オキセタン環もSi−H基も有さない有機ケイ素化合物(III)とから成っており、それぞれの原料の配合割合を原料全体100mol%の内訳で説明する。
オキセタン環を有する有機ケイ素化合物(I)は、1〜80mol%が好ましく、5〜40mol%がさらに好ましい。1mol%未満では硬化後にも流動性があるようなゲル状物しか得られず、80mol%を超えると本発明の目的とする黄変の抑制が達成できない恐れがある。
Si−H結合を有しオキセタン環を有しない有機ケイ素化合物(II)は、1〜40mol%が好ましく、5〜30mol%がさらに好ましい。1mol%未満では本発明の目的とする黄変の抑制が発現されず、60mol%を超えると硬化させた際に非常に脆い硬化物しか得られない。
オキセタン環もSi−H基も有さない有機ケイ素化合物(III)は、0〜80mol%が好ましく、5〜60mol%がさらに好ましい。1mol%未満ではオキセタン環を有する有機ケイ素化合物(I)とSi−H結合を有しオキセタン環を有しない有機ケイ素化合物(II)の縮合が円滑に進行しないため均一で透明なポリオルガノシロキサンが得られず、80mol%を超えると硬化させた際に非常に脆い硬化物しか得られない恐れがある。
[2]製造工程
本発明の製造方法は、上記の原料に対して、(1)加水分解共縮合工程、(2)加水分解縮合反応工程で使用した有機溶媒の除去工程の2工程を実施するものである。
[2−1]加水分解縮合工程
本工程は、上記の原料を後述の水、触媒、有機溶媒の存在下に加水分解と縮合を行う工程である。
[2−1−1]水
加水分解共縮合工程で使用する水は、上記原料を完全に加水分解するのに必要な水の量を1当量とすると、0.5〜10当量を使用するのが好ましく、とりわけ1.5〜5当量を使用するのが好ましい。
[2−1−2]pH
加水分解縮合工程では、上記式(1)に示す化合物を共加水分解する際、系をpH0.5以上4.5以下の酸性雰囲気とすることが好適である。pHが0.5未満であると大部分のオキセタニル基が開環してしまい、硬化性が著しく低下してしまう。pHが4.5より大きく6以下の弱酸性下では加水分解および縮合反応の速度が低下し、製造に長時間を要する。pHが7の中性下では有機ケイ素化合物(A)の加水分解が完全には進行しないため、所望のポリオルガノシロキサンが得られない。また、pH7より大きいアルカリ性雰囲気下では、Si−H基の分解が顕著に起こるため、本発明のポリオルガノシロキサンは全く製造できない。
[2−1−3]触媒
上記のように加水分解時の雰囲気をpH0.5〜4.5とする場合、酸性触媒としては、塩酸、硫酸、燐酸、p−トルエンスルホン酸、安息香酸、酢酸、乳酸、炭酸等が使用可能であり、なかでも入手が容易な塩酸を用いることが好ましい。
[2−1−4]有機溶媒
加水分解時に用いる有機溶媒は特に限定されず、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、トルエン、1,4−ジオキサン、ヘキサン、リグロイン等を用いることができる。このうち1種類もしくは2種類以上の混合溶媒を用いて、反応系を均一な溶液にすることが好ましい。ピリジンやモルホリンのような塩基性を有する有機溶媒はSi−H基を分解するため使用できない。
[2−1−5]反応温度と反応時間
加水分解時における好ましい反応温度は0〜60℃であり、より好ましくは20〜30℃である。0℃以下では反応の完結に長時間を要し、60℃以上ではSi−H基も著しく加水分解されてしまう。特開平10−330485号公報にあるように、エタノール/水の還流温度である80℃付近で加水分解を行なうとSi−H基はほぼ完全に加水分解されてしまい、本出願のポリオルガノシロキサンは得られない。
また、Si−H加水分解のための好適な反応時間は2〜30時間であり、より好ましくは4〜24時間である。
[2−2]有機溶媒の除去
加水分解縮合後は、加水分解で消費されなかった水が存在する場合にはその水と加水分解縮合反応工程で使用した有機溶媒の除去を行うが、この工程は常圧ないし減圧下で通常の蒸留操作を行えばよい。
[2−3]生成物
本発明のポリオルガノシロキサンは、オキセタン環及びSi−H基を有する化合物である。
ある化合物がオキセタン環を有するものであることは、H−NMRのスペクトルにおいて、4.3〜4.4ppm付近に特徴的な2つのピークが観察されることによって確認でき、IRスペクトルにおいても、990cm−1付近にオキセタン環の吸収があることによって確認できる。
また、ある化合物がSi−H基を有するものであることは、IRスペクトルにおいて、2100cm−1付近に特徴的な吸収が存在することにより確認できる。
本発明のポリオルガノシロキサンは、Si−H基の含有割合が少なくとも2質量%である。好ましい上限は40質量%であり、より好ましい上限は30質量%である。
ポリオルガノシロキサンにおけるSi−H基の含有割合は、水素ガス発生法により容易に測定できる。この方法は、Si−H基を含有する試料を強アルカリ性溶液に溶解することによりSi−H基を切断し、発生する水素ガスの量を測定することにより試料中のSi−H基量を定量する方法である。
本発明のポリオルガノシロキサンは、オキセタン環やSi−H基の他に、上記原料が加水分解して形成された三次元の(Si−O−Si)結合を含んでおり、原料の組み合わせによってはシルセスキオキサン構造を取る。本発明のポリオルガノシロキサンは、ハシゴ状、カゴ状又はランダム状のシルセスキオキサン構造を含んでおり、一種類のシルセスキオキサン構造のみを含有してもよいし、構造又は分子量の異なった二種以上のシルセスキオキサン構造を含んでいてもよい。
尚、本発明のポリオルガノシロキサンは、上記原料におけるSi−H基以外の加水分解性基のうち90%以上が縮合されていることが好ましい。残存するSi−H基以外の、例えばSi−O−R基のような加水分解性基の割合が10%を超えると、シルセスキオキサン構造が十分に形成されないため硬化物の強度が低下したり、組成物の貯蔵安定性が低下したりする恐れがある。ここで「シルセスキオキサン構造が十分に形成されている」ことは、例えば、得られたポリオルガノシロキサンaの29Si−NMRのスペクトルにおいて−60〜−70ppmにRSi1.5に基づくブロードなピークが観察されることにより確認できる。
本発明のポリオルガノシロキサンは、その数平均分子量が600〜5,000であることが好ましく、1,000〜3,000であることが更に好ましい。数平均分子量が600未満であると、この組成物から形成される硬化物において十分な機械的強度が得られない場合がある。一方、数平均分子量が5,000を超えると組成物の粘度が高くなり過ぎて、取り扱い性が困難であるとともにこの組成物を注型材として用いる場合において作業性が低下する。尚、本明細書中における数平均分子量は、ゲルパーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の分子量である。
[3]硬化性組成物
本発明の硬化性組成物は、前述の本発明のSi−H基とオキセタン環を有するポリオルガノシロキサン、エポキシ化合物及びアルミニウム化合物を必須成分として含有する。
[3−1]エポキシ化合物
本発明におけるエポキシ化合物は、分子構造、分子量等に特に制限はなく、従来公知のものを使用することができる。
具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ハロゲン化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ハロゲン化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、水素添加ビスフェノールAグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロシクロヘキセンジオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ソルビトールのテトラグリシジルエーテル、ジペンタエルスリトールのヘキサグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコール、グリセリン等の脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することによって得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖二塩基酸脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテルやフェノール、クレゾール、ブチルフェノール、またこれらにアルキレンオキサイドを付加することによって得られるポリエーテルアルコールのモノグリシジルエーテル、高級脂肪酸のグリシジルエステル、エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシ化アマニ油、エポキシ化ポリブタジエン、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、スチレンオキサイド、メチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、エチレングリコールグリシジルフェニルエーテル、エチレングリコールベンジルグリシジルエーテル、ジエチレングリコールグリシジルテトラヒドロピラニルエーテル、グリシジルメタクリレート、グリシジルアセテート、特開平6−166752号公報や米国特許6706840号公報に記載のシリコーンエポキシ等が挙げられ、これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。また、エポキシ化合物の水素原子の一部又は全てがフッ素で置換されたものも使用できる。
[3−2]アルミニウム化合物
本発明におけるアルミニウム化合物は、本発明のポリオルガノシロキサン中に含まれるSi−O−R基との相互作用により、本発明のポリオルガノシロキサン中のオキセタン環、並びに本発明のエポキシ化合物のオキシラン環を開環重合させる、硬化剤としての機能を有している。
なお、本発明のポリオルガノシロキサンは酸性下の加水分解・縮合反応により得られる化合物であるので、加水分解反応が100%進行することはなく、一部のSi−OR基が必ず残存する。そのため、上記のアルミニウム化合物の機能を発揮させるために、Si−OR基が残存するように態々加水分解反応を抑制する必要はない。
本発明における好ましいアルミニウム化合物は、Al−O結合を有するアルミニウム化合物であり、例えば、アルミニウム原子にアルコキシ基、カルボキシル基、フェノキシ基、o−カルボニルフェノラト基およびβ−ジケトナト基などが結合した錯化合物が挙げられる。
ここで、アルコキシ基としては、炭素数1〜10のものが好ましく、より具体的にはメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシなどが挙げられ、フェノキシ基としてはフェノキシ基、o−メチルフェノキシ基、o−メトキシフェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基などが挙げられる。アシルオキシ基としては、アセタト、プロピオナト、イソプロピオナト、ブチラト、ステアラト、エチルアセトアセタト、プロピルアセトアセタト、ブチルアセトアセタト、ジエチルマラト、ジピバロイルメタナトなどの配位子が挙げられ、o−カルボニルフェノラト基としては、例えば、サリチルアルデヒダトが挙げられる。β−ジケトナト基としては、例えば、アセチルアセトナト、トリフルオロアセチルアセトナト、ヘキサフルオロアセチルアセトナト、および以下に示す化学式(14)、(15)で表わされる配位子などが挙げられる。
Figure 2006131848
(14)
Figure 2006131848
(15)
具体的には、トリスメトキシアルミニウム、トリスエトキシアルミニウム、トリスイソプロポキシアルミニウム、トリスフェノキシアルミニウム、トリスパラメチルフェノキシアルミニウム、イソプロポキシジエトキシアルミニウム、トリスブトキシアルミニウム、トリスアセトキシアルミニウム、トリスステアラトアルミニウム、トリスブチラトアルミニウム、トリスプロピオナトアルミニウム、トリスイソプロピオナトアルミニウム、トリスアセチルアセトナトアルミニウム、トリストリフルオロアセチルアセトナトアルミニウム、トリスヘキサフルオロアセチルアセトナトアルミニウム、トリスエチルアセトアセタトアルミニウム、トリスサリチルアルデヒダトアルミニウム、トリスジエチルマロラトアルミニウム、トリスプロピルアセトアセタトアルミニウム、トリスブチルアセトアセタトアルミニウム、トリスジビバロイルメタナトアルミニウム、ジアセチルアセトナトビバロイルメタナトアルミニウム、さらに下記化学式(16)〜(25)で表わされる化合物が挙げられる。
Figure 2006131848
(16)
Figure 2006131848
(17)
Figure 2006131848
(18)
Figure 2006131848
(19)
Figure 2006131848
(20)
Figure 2006131848
(21)
Figure 2006131848
(22)
Figure 2006131848
(23)
Figure 2006131848
(24)
Figure 2006131848
(25)
また、アルミニウム原子にカルボキシル基が配位子した、いわゆるアルミニウム金属石鹸も、本発明のアルミニウム化合物として好ましいが、通常のステアリン酸アルミニウム、ベヘン酸アルミニウム等のアルミニウム金属石鹸は、本発明のポリオルガノシロキサンやエポキシ化合物への溶解性が乏しいため、下記式(12)で示されるアルミニウム化合物が好ましい。
Figure 2006131848
(12)
(但し、Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、R、Rは炭素数1〜6のアルキレン基であり、Rは炭素数1〜6のアルキル基であり、qは0〜2の整数、mは0〜20の整数、l及びrは1〜3の整数であって、q+rは3である。)
このようなアルミニウム化合物は、アルミニウムメトキシド、アルミニウムエトキシド、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムブトキシド等のアルミニウムトリアルコキシドと、下記式(13)で示されるカルボン酸との反応によって得られる。
Figure 2006131848
(13)
(但し、R、Rは炭素数1〜6のアルキレン基であり、Rは炭素数1〜6のアルキル基であり、mは0〜20の整数であり、lは1〜3の整数である。)
上記式(13)中のR、Rは炭素数1〜6のアルキレン基であり、Rは炭素数1〜6のアルキル基であり、mは0〜20の整数である。このような一般式で表されるカルボン酸には、メトキシ酢酸、エトキシ酢酸、プロポキシ酢酸、イソプロポキシ酢酸、ブトキシ酢酸、イソブトキシ酢酸、sec−ブトキシ酢酸、tert−ブトキシ酢酸、アミロキシ酢酸、3−メチルブトキシ酢酸、2−メチルブトキシ酢酸、1−メチルブトキシ酢酸、2,2−ジメチルプロポキシ酢酸、1,2−ジメチルプロポキシ酢酸、1−エチルプロポキシ酢酸、tert−アミロキシ酢酸、ヘキシロキシ酢酸、シクロヘキシロキシ酢酸、メトキシエトキシ酢酸、エトキシエトキシ酢酸、プロポキシエトキシ酢酸、イソプロポキシエトキシ酢酸、メトキシエトキシエトキシ酢酸、エトキシエトキシエトキシ酢酸、プロポキシエトキシエトキシ酢酸、イソプロポキシエトキシエトキシ酢酸、メトキシプロポキシ酢酸、エトキシプロポキシ酢酸、プロポキシプロポキシ酢酸、イソプロポキシプロポキシ酢酸、片末端メトキシポリエチレングリコールのカーボキシメチルエーテル、片末端エトキシポリエチレングリコールのカーボキシメチルエーテル、片末端メトキシポリプロピレングリコールのカーボキシメチルエーテル、片末端エトキシポリプロピレングリコールのカーボキシメチルエーテル、メトキシプロピオン酸、エトキシプロピオン酸、プロポキシプロピオン酸、イソプロポキシプロピオン酸、ブトキシプロピオン酸、イソブトキシプロピオン酸、sec−ブトキシプロピオン酸、tert−ブトキシプロピオン酸、アミロキシプロピオン酸、3−メチルブトキシプロピオン酸、2−メチルブトキシプロピオン酸、1−メチルブトキシプロピオン酸、2,2−ジメチルプロポキシプロピオン酸、1,2−ジメチルプロポキシプロピオン酸、1−エチルプロポキシプロピオン酸、tert−アミロキシプロピオン酸、ヘキシロキシプロピオン酸、シクロヘキシロキシプロピオン酸、メトキシエトキシプロピオン酸、エトキシエトキシプロピオン酸、プロポキシエトキシプロピオン酸、イソプロポキシエトキシプロピオン酸、メトキシエトキシエトキシプロピオン酸、エトキシエトキシエトキシプロピオン酸、プロポキシエトキシエトキシプロピオン酸、イソプロポキシエトキシエトキシプロピオン酸、メトキシプロポキシプロピオン酸、エトキシプロポキシプロピオン酸、プロポキシプロポキシプロピオン酸、イソプロポキシプロポキシプロピオン酸、片末端メトキシポリエチレングリコールのカーボキシエチルエーテル、片末端エトキシポリエチレングリコールのカーボキシエチルエーテル、片末端メトキシプロピレンレングリコールのカーボキシエチルエーテル、片末端エトキシポリプロピレングリコールのカーボキシエチルエーテルが挙げられ、メトキシエトキシ酢酸、メトキシエトキシエトキシ酢酸、メトキシエトキシプロピオン酸、メトキシエトキシエトキシプロピオン酸が特に好ましいものとして挙げられる。
本発明におけるアルミニウム化合物は、単独でまたは2種以上を混合して用いることができるが、エポキシ化合物への溶解性や長期間保管した場合に活性が低下しにくいことから、トリスアセチルアセトナトアルミニウムがとりわけ好ましい。
[3−3]その他の成分
本発明における硬化性組成物には、必須成分以外に、オキセタン環を有しシルセスキオキサン構造を有さない化合物、有機溶剤、有機フィラー、無機フィラー、レベリング剤、消泡剤、シランカップリング剤、帯電防止剤、酸化防止剤、着色剤等の添加剤を配合することができる。
特にオキセタン環を有しシルセスキオキサン構造を有さない化合物は、本組成物の粘度をコントロールして型枠に注入しやすくしたり、硬化物に接着性、耐薬品性を付与する目的で配合され、上述のアルミニウム化合物によって硬化できる限り分子構造、分子量等に特に制限はなく、従来公知のものを使用することができる。
具体的には、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−アリロキシメチル−3−エチルオキセタン、(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチルベンゼン、4−フルオロ−〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、4−メトキシ−〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、イソブトキシメチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−エチルヘキシル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチルジエチレングリコール(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンタジエン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラヒドロフルフリル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−テトラブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−トリブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシプロピル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ブトキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタクロロフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサ−ノナン、1,4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ブタンジオールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ヘキサンジオールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ポリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールFビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロールプロパンテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カーボネートビスオキセタン、アジペートビスオキセタン、テレフタレートビスオキセタン、シクロヘキサンジカルボン酸ビスオキセタン、3−(3−メチル−3−オキセタンメトキシ)プロピルトリエトキシシラン、3−(3−エチル−3−オキセタンメトキシ)プロピルトリメトキシシラン、特開平6−16804号公報に記載のオキセタンシリコーン等が挙げられ、これらオキセタン系モノマーは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
また、有機溶剤は、本組成物の粘度をコントロールしてコーティングしやすくするために有用であり、エタノール、メタノール、イソブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノールなどのアルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどのエーテル類、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトンなどのエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類が挙げられる。これらは1種単独または2種以上を組み合わせて用いることが可能である。
シランカップリング剤は、本発明の組成物を適用する基材が金属やガラス、セラミック、無機物を分散させたプラスチックの場合に、本組成物の接着性を向上できるため有用であり、グリシジロキシトリメトキシシラン、ビス(グリシジロキシ)ジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランが好ましいものとして挙げられ、これらは1種単独または2種以上を組み合わせて用いることが可能である。
[3−4]配合禁忌成分
本発明の硬化性組成物には、Si−H基を有するポリオルガノシロキサンを含有するため、Si−H基を分解する、水酸化ナトリウム、ピリジンのような塩基性の原料を配合してはならない。本発明の硬化性組成物はカチオン重合によって硬化するため、塩基性物質を配合するとSi−H基が分解されるだけでなく、硬化も起こらなくなってしまう。
また、本発明の硬化性組成物には、カチオン重合開始剤として広く使用されている、第四級アンモニウム塩、ホスホニウム塩およびスルホニウム塩等の各種オニウム塩型カチオン重合開始剤は配合してはならない。これらオニウム塩型カチオン重合開始剤を配合することで、熱硬化型あるいは光硬化型の硬化性組成物を調製することはできるし、優れた接着性、機械的強度を有する硬化物を得ることはできる。しかしながら、本発明のポリオルガノシロキサンとエポキシ化合物にオニウム塩型カチオン重合開始剤を配合した硬化性組成物からは、黒ずんだ異物が発生した硬化物が得られ、外観(透明性)や光透過性に優れた硬化物は得られない。
[3−5]組成物の調製
本発明の硬化性組成物は、熱硬化性組成物であり、アルミニウム化合物の配合量によって、一液型にすることも、二液型にすることもできる。
本発明の一液型硬化性組成物は、使用直前の計量という操作がなく作業性が良いというメリットがある。一方、基本的に本発明の必須成分は混合直後から硬化反応を開始してしまうため、一液型硬化性組成物の棚ライフは短く、長期間に渡って使用できないという問題がある。
本発明の二液型硬化性組成物は、別々に調製されたA液、B液からなり、
使用直前に混合され、混合された直後から硬化が始まるものである。A液単独、B液単独に硬化性は無いため、二液型硬化性組成物は極めて安定性がよく、長期間の保管が可能である。
[3−5−1]一液型硬化性組成物の調製
一液型硬化性組成物に関し、以下に各成分の配合割合について記述するが、その他の添加剤、特に有機溶剤を使用する場合は、「組成物全体」という表現は「不揮発分全体」と読み替える。
本発明のポリオルガノシロキサンの配合割合は、組成物全体の5質量%〜95質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜80質量%である。5質量%未満でも、95質量%を超えても熱硬化速度が著しく低下するためである。
アルミニウム化合物の配合割合は組成物全体の0.001〜0.5質量%であることが好ましい。0.001質量%以下では硬化速度が著しく遅く、実質硬化物が得られない場合がある。0.5質量%以上であると棚ライフが極めて短く、使用に耐えない。
エポキシ化合物の好ましい配合割合は、組成物全体の5〜95質量%であり、より好ましくは10〜80質量%である。この配合割合が5%未満では硬化速度が著しく遅くなり、実質硬化物が得られなくなる場合がある。
本発明の一液型硬化性組成物は、上述の成分を従来公知の混合機で攪拌して得ることができる。具体的には、反応用フラスコ、チェンジ缶式ミキサー、プラネタリーミキサー、ディスパー、ヘンシェルミキサー、ニーダー、インクロール、押出機、3本ロールミル、サンドミルが使用できる。
[3−5−2]二液型硬化性組成物組成物の調製
本発明の二液型硬化性組成物は、本発明のポリオルガノシロキサンを必須成分とするA液と、本発明のエポキシ化合物と本発明のアルミニウム化合物を必須成分とするB液からなる組成物である。
A液は、本発明のポリオルガノシロキサン以外に、本発明のエポキシ化合物や、上述のオキセタン環を有しシルセスキオキサン構造を有さない化合物、有機溶剤、有機フィラー、無機フィラー、レベリング剤、消泡剤、シランカップリング剤、帯電防止剤、酸化防止剤、着色剤等の添加剤を配合することができる。
またB液は、本発明のエポキシ化合物と本発明のアルミニウム化合物以外に、上述のオキセタン環を有しシルセスキオキサン構造を有さない化合物、有機溶剤、有機フィラー、無機フィラー、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、酸化防止剤、着色剤等の添加剤を配合することができるが、シラノール基を発生させることのできるシランカップリング剤を配合すると棚ライフが損なわれるため好ましくない。
以下にA液、B液を混合した場合の各成分の配合割合について記述するが、その他の添加剤、特に有機溶剤を使用する場合は、「組成物全体」という表現は「A液とB液を混合した際の不揮発分全体」と読み替える。
本発明のポリオルガノシロキサンの好ましい配合割合は、組成物全体の5〜95質量%であり、より好ましくは10〜80質量%である。5質量%未満でも、95質量%を超えても熱硬化速度が著しく低下するためである。
エポキシ化合物の好ましい配合割合は、組成物全体の1〜80質量%であり、より好ましくは5〜70質量%である。エポキシ化合物の配合割合が1%未満では硬化速度が著しく遅くなり、80質量%を超えると硬化物の強度が得られなくなってしまう。
アルミニウム化合物の配合割合は、組成物全体の0.001〜2質量%であることが好ましく、0.005〜0.5質量%であることがとりわけ好ましい。アルミニウム化合物の配合割合が0.001質量%未満の場合には、熱の作用により活性化しても、開環重合性基の開環反応を十分に進行させることができないことがあり、重合後の耐熱性および強度が不十分となる場合が有る。また、2質量%を超えて配合すると、触媒の作用が強すぎて急激に重合するため、強度のある硬化物や外観の良い硬化物は得られない。この傾向は、エポキシ化合物に脂環式エポキシを選択した場合に顕著で、調合操作自体が危険になることがあり、避けるべきである。
本発明のA液自体、B液自体は、上述の成分を従来公知の混合機で攪拌して得ることができる。具体的には、反応用フラスコ、チェンジ缶式ミキサー、プラネタリーミキサー、ディスパー、ヘンシェルミキサー、ニーダー、インクロール、押出機、3本ロールミル、サンドミルが使用できる。
本発明のA液とB液の混合も、従来公知の混合機で攪拌して得ることができる。混合機によっては混合中に発生する摩擦熱により重合が開始されるため、組成物を40℃以下、好ましくは25℃以下に保つべく冷却しながら混合するとよい。
[4]組成物の硬化方法
本発明の硬化性組成物の硬化方法は、加熱による熱硬化であり、加熱とは組成物を50℃以上の環境下に暴露させることを意味する。
硬化温度は50〜200℃が好ましく、75〜180℃がさらに好ましい。硬化時間はアルミニウム化合物の種類、組成物の配合比にもよるが、10分以上加熱することが好ましく、さらに好ましくは1時間以上加熱することが望ましい。また、硬化温度は段階的に上昇されることが好ましく、例えば100℃×3時間の加熱後に、120℃×3時間の加熱を行なうと、単純に110℃×6時間の加熱を行った場合より機械的強度に優れた硬化物が得られる。また、例えば液状の組成物を固体状に硬化する本硬化工程の後に、得られた硬化物を本硬化工程より低い温度で加熱する後硬化工程を実施することも、機械的強度に優れた硬化物を得る上で好ましい。
本発明を実施例により更に具体的に説明する。
(実施例1)
[オキセタン環とSi−H基を有するポリオルガノシロキサンの合成例1]
攪拌機および温度計を備えた反応器に、イソプロピルアルコール200g、下記式(26)で示される3−(3−メチル−3−オキセタンメトキシ)プロピルトリエトキシシラン(以下OX−TRIESと略す)64.1g(200mmol)とメチルトリエトキシシラン213.96g(1.2mol)、下記式(27)で示されるテトラメチルジシロキサン13.43g(100mmol)を仕込んだ後、1%塩酸80gを徐々に加えて、25℃で攪拌した(pH1.1)。反応の進行をゲルパーミエーションクロマトグラフィにより追跡し、原料のアルコキシシランがほぼ消失した時点(混合物の添加開始から20時間後)で反応完結とした。引き続き、減圧下に溶媒を留去したところ、ほぼ定量的に、無色透明な粘度27000mPa・sの樹脂Aを得た。この樹脂AのIRスペクトルを図1に示す。
この樹脂AにおけるSi−H基の含有割合は、4.3質量%であった。
Figure 2006131848
(26)
Figure 2006131848
(27)
(実施例2)
[オキセタン環とSi−H基を有するポリオルガノシロキサンの合成例2]
攪拌機および温度計を備えた反応器に、イソプロピルアルコール200g、OX−TRIES64.1g(200mmol)と、メチルトリエトキシシラン35.66g(200mmol)、下記式(28)で示されるトリエトキシシラン98.56g(600mmol)、下記式(29)で示されるヘキサメチルジシロキサン32.48g(200mmol)を仕込んだ後、1%塩酸70gを徐々に加えて(pH1.1)、25℃で攪拌した。反応の進行をゲルパーミエーションクロマトグラフィにより追跡し、原料のアルコキシシランがほぼ消失した時点(混合物の添加開始から20時間後)で反応完結とした。引き続き、減圧下に溶媒を留去したところ、ほぼ定量的に、無色透明な粘度21000mPa・sの樹脂Bを得た。この樹脂BのIRスペクトルを図2に示す。
Figure 2006131848
(28)
Figure 2006131848
(29)
(比較例1)
[オキセタン環を有し、Si−H基を有さないポリオルガノシロキサンの合成例]
攪拌機および温度計を備えた反応器に、イソプロピルアルコール100g、OX−TRIES64.1g(200mmol)とメチルトリエトキシシラン213.96g(1.2mol)、ヘキサメチルジシロキサン16.24g(100mmol)を仕込んだ後、1%塩酸80gを徐々に加えて(pH1.1)、25℃で攪拌した。反応の進行をゲルパーミエーションクロマトグラフィにより追跡し、OX−TRIESがほぼ消失した時点(混合物の添加開始から20時間後)で反応完結とした。引き続き、減圧下に溶媒を留去し、無色透明な、粘度26000mPa・sの樹脂Xを得た。この樹脂XのIRスペクトルを図3に示す。
(実施例3)
[二液型熱硬化性組成物の調製]
実施例1で得られた樹脂AをそのままA液とした。攪拌ペラ、窒素ガス導入管、温度計、還流冷却管の付属した4つ口フラスコに、エポキシ化合物[3、4-エポキシシクロヘキセニルメチル-3、'4'-エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、ダイセル化学工業株式会社製商品名セロキサイド2021P(以下CEL2021Pと略す)]99.99質量部と、東京化成工業株式会社製トリスアセチルアセトナトアルミニウム(以下Al(AcAc)と称す)0.01質量部を配合し、窒素ガスを通気しながら50℃で2時間攪拌した後、室温に戻し、均一無色透明な溶液を得た。これをB液とした。
上記A液50質量部とB液50質量部を容器に計量し、ディスパーで5分間攪拌した。容器ごとベルジャーへ入れ、減圧ポンプで1時間脱気し脱泡したところ、Al−1の配合量が50ppmである無色透明な液状の組成物を得た。
(実施例4)
[二液型熱硬化性組成物の調製]
実施例2で得られた樹脂BをそのままA液とした。攪拌ペラ、窒素ガス導入管、温度計、還流冷却管の付属した4つ口フラスコに、CEL2021P99.99質量部と、Al(AcAc)0.01質量部を配合し、窒素ガスを通気しながら50℃で2時間攪拌した後、室温に戻し、均一無色透明な溶液を得た。これをB液とした。上記A液50質量部とB液50質量部を容器に計量し、ディスパーで5分間攪拌した。容器ごとベルジャーへ入れ、減圧ポンプで1時間脱気し脱泡したところ、Al(AcAc)の配合量が50ppmである無色透明な液状の組成物を得た。
(比較例2)
[一液型熱硬化性組成物の調製]
実施例1で得られた樹脂A50質量部と、CEL2021P49.995質量部、オニウム塩型熱カチオン重合開始剤[(旭電化工業株式会社製商品名アデカオプトンCP−66(以下CP−66と称す)]を50ppm配合し、ディスパーで15分間攪拌した後、脱泡を行ない熱硬化性組成物を得た。
(比較例3)
[光硬化性組成物の調製]
実施例1で得られた樹脂Aを50質量部、CEL2021Pを49.995質量部、ローディアジャパン製光カチオン重合開始剤photoinitiator2074(以下PI−2074と称す)を50ppm配合し、遮光してディスパーで15分間攪拌した後、脱泡を行ない光硬化性組成物を得た。
(比較例4)
[光硬化性組成物の調製]
実施例1で得られた樹脂Aを50質量部、CEL2021Pを49質量部、PI−2074を1質量部配合し、遮光してディスパーで15分間攪拌した後、脱泡を行ない光硬化性組成物を得た。
(比較例5)
[二液型熱硬化性組成物の調製]
比較例1で得られた樹脂XをそのままA液とした。攪拌ペラ、窒素ガス導入管、温度計、還流冷却管の付属した4つ口フラスコにCEL2021P99.99質量部と、Al(AcAc)0.01質量部を配合し、窒素ガスを通気しながら50℃で2時間攪拌した後、室温に戻し、均一無色透明な溶液を得た。これをB液とした。上記A液50質量部とB液50質量部を容器に計量し、ディスパーで5分間攪拌した。容器ごとベルジャーへ入れ、減圧ポンプで1時間脱気し脱泡したところ、Al(AcAc)の配合量が50ppmである無色透明な液状の組成物を得た。
(比較例6)
[一液型熱硬化性組成物の調製]
比較例1で得られた樹脂X50質量部と、CEL2021P49.995質量部、CP−66を50ppm配合し、ディスパーで15分間攪拌した後、脱泡を行ない熱硬化性組成物を得た。
(比較例7)
[光硬化性組成物の調製]
比較例1で得られた樹脂Xを50質量部、CEL2021Pを49質量部、PI−2074を50ppm配合し、遮光してディスパーで15分間攪拌した後、脱泡を行ない光硬化性組成物を得た。
(比較例8)
[光硬化性組成物の調製]
比較例1で得られた樹脂Xを50質量部、CEL2021Pを49質量部、PI−2074を1質量部配合し、遮光してディスパーで15分間攪拌した後、脱泡を行ない光硬化性組成物を得た。
[組成物の評価]
実施例3及び4、比較例2〜8につき、下記の方法により、機械的強度(曲げ強さ)、接着性(引張せん断接着強さ)、光透過性(光透過率)を評価した。実施例の結果を表1へ、比較例の結果を表2へ各々示した。
(1)機械的強度(曲げ強さ)
試験はJIS−R−1601(ファインセラミックスの曲げ強さ試験方法)に準じて実施した。組成物を、長さ80mm×幅4mm×厚さ3mmの窪みを有するポリ四フッ化エチレン製型枠へ注入し、下記の条件で硬化させ、インストロンジャパンカンパニイリミテッド製INSTRON−5564材料試験システムを用い、クロスヘッド速度0.5mm/minで3点曲げ試験を行なった。
[熱硬化性組成物の硬化条件]
対象:実施例(3,4)、比較例(2,5,6)
加熱装置:防爆型乾燥器
硬化条件:120℃で1時間加熱した後、150℃で7時間加熱した。
[光硬化性組成物の硬化条件]
対象:比較例(3,4,7,8)
ランプ:60W/cm高圧水銀ランプ
ランプ高さ:30cm
光照射時間:15分
雰囲気:大気中(空冷あり)
(2)接着性(引張せん断接着強さ)
試験はJIS−K−6861−1977に準じて実施した。ガラス、アルミニウム、セラミック又はポリフタルアミド(PPA)でできたテストピース(長さ100mm×幅25mm×厚さ2mm)を、接着面積が3.125cmになるように貼り合わせ冶具で固定し、下記の条件で組成物を硬化させた。25℃、65%RHの環境下に24時間静置した後、東洋精機製作所製ストログラフV20−Cを用い、クロスヘッド速度10mm/minで引張試験を行なった。
[熱硬化性組成物の硬化条件]
対象:実施例(3,4)、比較例(2,5,6)
加熱装置:防爆型乾燥器
硬化条件:120℃で1時間加熱した後、150℃で7時間加熱した。
[光硬化性組成物の硬化条件]
対象:比較例(3,4,7,8)
ランプ:60W/cm高圧水銀ランプ
ランプ高さ:30cm
光照射時間:30秒
雰囲気:大気中(空冷あり)
(3)光透過性(光透過率)
ポリ四フッ化エチレン製型枠(長さ50mm×幅50mm×深さ2mm)へ組成物を注入し、下記の条件で硬化させた。このプレート状硬化物の光透過性を、日本分光株式会社製分光蛍光光度計V−550を用い、400nm波長の可視光と380nmの紫外光の透過率で調べた。これを硬化物作製直後の光透過率とした。測定終了後、150℃のオーブンで3日間加熱する強制劣化試験を行なった。劣化試験後に再度光透過率測定を行なった。

Figure 2006131848



Figure 2006131848




本発明の硬化性組成物を用いた実施例3及び実施例4において、硬化物の外観は無色透明であり、可視光・紫外光に対する光透過性(以下、単に光透過性という)は加熱による強制劣化試験後においても大きく低下せず、高い水準で維持された。また、これらの硬化性組成物は、良好な接着特性を有していた。
一方、本発明の硬化性組成物を用いなかった比較例2〜8においては、各種の問題点があった。
アルミニウム化合物に代えてオニウム塩型熱カチオン重合開始剤を配合した比較例2において、硬化物の外観は黒い斑点があり、透明性に劣るという問題点があった。このため、この硬化物は、加熱による強制劣化試験後において光透過性が大きく劣化した。また、この硬化性組成物は、硬化はするが、接着力が殆どなかった。
アルミニウム化合物に代えて光カチオン重合開始剤を50ppm配合した比較例3と比較例7において、硬化物を形成するに至らず、曲げ強さ、光透過性、接着特性を測定することができなかった。
アルミニウム化合物に代えて光カチオン重合開始剤を1wt%配合した比較例4と比較例8において、硬化物は硬化直後において無色透明であったが、加熱による強制劣化試験後は光カチオン重合開始剤が着色する傾向があるため、光透過性が顕著に低下した。また、この硬化性組成物を硬化させた場合、表面付近の硬化に止まるため、硬化物の曲げ強さは極めて小さかった。
樹脂X(オキセタン環は有するが、Si−H基を有しないポリオルガノシロキサン)を配合した比較例5において、硬化物は硬化直後においては無色透明であったが、加熱による強制劣化試験後は、肉眼ではっきりとわかる程度の黄変が起き、光透過性が低下した。この比較例と実施例と比較すれば、Si−H基の有無により、加熱下に置かれた硬化物の光透過性が顕著に異なることがわかる。
アルミニウム化合物に代えてオニウム塩型熱カチオン重合開始剤を配合し、樹脂Xを配合した比較例6において、硬化物は硬化直後においては無色透明であったが、加熱による強制劣化試験後は、肉眼ではっきりとわかる程度の黄変が起き、光透過性が低下した。また、比較例2と同様に接着特性に劣っていた。
本発明の硬化性組成物により得られる硬化物は、レンズやレンズシート、プリズム、光半導体の封止剤のような、高度な光透過性が要求される用途で有用である。
また、長時間高温に暴露されても外観(透明性)や光透過性が低下しないことが要求される分野に使用されるコーティング剤や接着剤としても有用である。
実施例1で得られた樹脂Aの赤外線吸収スペクトル。2100cm-1付近の吸収はSi−H結合に帰属されるものであり、990cm-1付近のショルダー型吸収はオキセタニル基に帰属されるものである。 実施例2で得られた樹脂Bの赤外線吸収スペクトル。2200cm-1付近の吸収はSi−H結合に帰属されるものであり、990cm-1付近のショルダー型吸収はオキセタニル基に帰属されるものである。 比較例1で得られた樹脂Xの赤外線吸収スペクトル。990cm-1付近のショルダー型吸収はオキセタニル基に帰属されるものである。このスペクトルにおいてSi−H結合に帰属される吸収はない。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で示される官能基及び下記一般式(2)〜(4)から選ばれる少なくとも1種の官能基を有し、且つSi−H基の質量割合が2質量%以上である、ゾル−ゲル法で製造されたポリオルガノシロキサン。
    Figure 2006131848
    (1)
    (但し、Rは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり、Rは炭素数2〜6のアルキレン基である。)

    Figure 2006131848
    (2)

    (但し、R、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アリール基から選択される基であり、互いに同一であっても異なっていても良い。)
    Figure 2006131848
    (3)

    (但し、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アリール基から選択される基である。)
    Figure 2006131848
    (4)
  2. 下記式(5)で示されるオキセタン環を有する有機ケイ素化合物(I)と、Si−H結合を有しオキセタン環を有しない、下記式(6)〜(8)から選択される1種類以上の有機ケイ素化合物(II)、及び所望により、オキセタン環もSi−H基も有さない、下記式(9)〜(11)から選択される1種類以上の有機ケイ素化合物(III)の共加水分解縮合物である請求項1記載のポリオルガノシロキサン。
    Figure 2006131848
    (5)
    (但し、Rは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり、Rは炭素数2〜6のアルキレン基である。Xは水素原子以外の加水分解性基であり、Xは互いに同一であっても異なっていても良い。)
    (化6)
    HSiX’3−a−b (6)
    (但し、X’は水素原子以外の加水分解性基であり、R、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アリール基から選択される基であり、互いに同一であっても異なっていても良い。a、bは0、1、2から選ばれる整数であり、a+bは2以下である。)
    Figure 2006131848
    (7)
    (但し、R、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アリール基から選択される基であり、互いに同一であっても異なっていても良い。nは0以上20以下の整数である。)

    Figure 2006131848
    (8)
    (但し、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アリール基から選択される基であり、pは3以上20以下の整数である。)
    (化9)
    SiX”4−a−b−c (9)
    (但し、X”は水素原子以外の加水分解性基であり、R、R、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アリール基から選択される基であり、互いに同一であっても異なっていても良い。a、b、cは0、1、2から選ばれる整数であり、a+b+cは3以下である。)
    Figure 2006131848
    (10)
    (但し、R、R、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アリール基から選択される基であり、互いに同一であっても異なっていても良い。nは0以上20以下の整数である。)
    Figure 2006131848
    (11)
    (但し、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アリール基から選択される基であり、互いに同一であっても異なっていても良い。pは3以上20以下の整数である。)
  3. 上記式(5)で示されるオキセタン環を有する有機ケイ素化合物(I)と、Si−H結合を有しオキセタン環を有しない、下記式(6)〜(8)から選択される1種類以上の有機ケイ素化合物(II)、及び所望により、オキセタン環もSi−H基も有さない、下記式(9)〜(11)から選択される1種類以上の有機ケイ素化合物(III)を塩酸又は酢酸の存在下、60℃以下で加水分解縮合することを特徴とする請求項1記載のポリオルガノシロキサンの製造方法。
  4. 下記の(a)、(b)及び(c)を必須成分とする硬化性組成物。
    (a)請求項1又は請求項2に記載のポリオルガノシロキサン
    (b)エポキシ化合物
    (c)アルミニウム化合物
  5. 下記のA液及びB液で構成されることを特徴とする二液型硬化性組成物。
    A液:請求項1又は請求項2に記載のポリオルガノシロキサン(a)を必須成分とする組成物。
    B液:エポキシ化合物(b)とアルミニウム化合物(c)を必須成分とする組成物。
  6. アルミニウム化合物(c)が、トリスアセチルアセトナトアルミニウムか、下記の一般式(12)で表される金属石鹸であることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の硬化性組成物。
    Figure 2006131848
    (12)
    (但し、Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、R、Rは炭素数1〜6のアルキレン基であり、Rは炭素数1〜6のアルキル基であり、qは0〜2の整数、mは0〜20の整数、l及びrは1〜3の整数であって、q+rは3である。)
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