JP2005023256A - カチオン硬化性組成物 - Google Patents

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JP2005023256A JP2003192380A JP2003192380A JP2005023256A JP 2005023256 A JP2005023256 A JP 2005023256A JP 2003192380 A JP2003192380 A JP 2003192380A JP 2003192380 A JP2003192380 A JP 2003192380A JP 2005023256 A JP2005023256 A JP 2005023256A
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Seitaro Tajima
誠太郎 田島
Hiroshi Suzuki
浩 鈴木
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Toagosei Co Ltd
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Toagosei Co Ltd
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Abstract

【課題】硬化性に優れ、更に、熱膨張係数を容易に制御でき、耐熱性及び耐擦傷性に優れた皮膜等の硬化物を形成するカチオン硬化性組成物を提供する。
【解決手段】本発明のカチオン硬化性組成物は、オキセタニル基を有し、実質的に加水分解性基を有しないポリオルガノシロキサンと、カチオン重合性モノマーと、カチオン重合開始剤と、無機充填材(シリカ等)と、を含有する。上記オキセタニル基を有するポリオルガノシロキサンは、下記一般式(1)で示される有機含ケイ素化合物の加水分解縮合物、又は、該有機含ケイ素化合物と、シロキサン結合生成基を有し且つオキセタニル基を有さない有機含ケイ素化合物との加水分解縮合物であることが好ましい。
【化1】
Figure 2005023256

【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カチオン硬化性組成物に関し、更に詳しくは、硬化性に優れ、更に、熱膨張係数を容易に制御でき、耐熱性及び耐擦傷性に優れた皮膜等の硬化物を形成する硬化性組成物に関する。本発明の硬化性組成物は、半導体パッケージの反りを防止するためのコーティング剤等として用いられる。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体パッケージは著しく薄膜化されている。半導体パッケージは熱膨張係数の異なる種々の材料の集積物であるため、薄膜化が進行するに従いパッケージの反りが発生し、断線の原因となるという問題がある。
この反りを防止するために、例えば、光カチオン重合性モノマーを含有する組成物等の各種材料が検討されている。
この光カチオン重合性モノマーは、酸素による重合阻害を受けず、空気中においても完全に重合させることができるため、エポキシ基、ビニルエーテル基、オキセタニル基を有する化合物が好ましいと考えられてきた。
【0003】
エポキシ基を有する光カチオン重合性モノマーは、耐熱性が良く、接着力に優れ、且つ耐薬品性の良好な硬化物を得ることが可能であるが、光カチオン硬化性が比較的低いため、近年のように生産性の向上が要求される環境にあっては使用しにくい材料となっている。
また、ビニルエーテル基を有する光カチオン重合性モノマーは、光カチオン硬化性が比較的高いが、その硬化物は耐熱性が低く、半導体パッケージの反り防止コーティング材料としては使用することができない。
【0004】
オキセタニル基を有する化合物は、エポキシ系材料に比較して光カチオン硬化性が高く、ビニルエーテル系材料に比較して耐熱性に優れており、特にオキセタニル基とシルセスキオキサン骨格を有するオキセタン系材料は耐擦傷性に優れるといわれている。
半導体パッケージ用のコーティング材料としては、半導体パッケージを構成している材料との間において、熱膨張係数の差が小さいことが求められている。上記オキセタニル基とシルセスキオキサン骨格を有する硬化性材料は、熱膨張係数が1.0〜3.0×10−4/Kであり、半導体パッケージを構成している材料、例えば、ポリイミドフィルムの1.0×10−5/K、銅箔の1.65×10−5/Kと比較すると、1桁大きいため適していない。
【0005】
しかし、オキセタン系材料を用いて、熱膨張係数がコントロールされた組成物を得るための検討もなされており、例えば、半導体集積回路における電極端子間に形成された電気的な接続部と、この接続部周辺の空隙部を充填するように形成するための半導体封止用樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献1等)。しかし、特許文献1の組成物には耐擦傷性に劣るという問題がある。
また、金属酸化物粒子と、加水分解性基を有するオキセタン化合物とを含有してなる硬化性組成物が開示されている(例えば、特許文献2等)。しかし、この特許文献2は、熱膨張係数を制御する技術を開示するものではない。
更に、特許文献2において用いられるオキセタン化合物は、加水分解性基を有するオキセタン化合物及びその加水分解物であって、一部が加水分解してシラノール基となっているものでもよい。しかしながら、シラノール基が残存していると、一定の割合で構成される原料組成物を一定の硬化条件で硬化させたとしても、シラノール基どうしで反応したり、無機充填材とその表面で反応したりすることにより、得られる硬化物の熱膨張係数は大きくばらつくという問題がある。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−17074号公報
【特許文献2】
特開2000−26730号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題を解決するものであり、硬化性に優れ、更に、熱膨張係数を容易に制御でき、耐熱性及び耐擦傷性に優れた皮膜等の硬化物を形成するカチオン硬化性組成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の問題を解決すべく鋭意検討した結果、特定のポリオルガノシロキサンと、カチオン重合性モノマーと、カチオン重合開始剤と、特定の無機充填材と、を含有する硬化性組成物から得られる皮膜等の硬化物は、硬化性、耐熱性、耐擦傷性に優れ、その組成を変えることにより熱膨張係数が容易に制御できることを見出して本発明を完成したものである。
本発明は以下の通りである。
1.オキセタニル基を有し、実質的に加水分解性基を有しないポリオルガノシロキサン(A)と、カチオン重合性モノマー(B)と、カチオン重合開始剤(C)と、無機充填材(D)と、を含有することを特徴とする硬化性組成物。
2.上記オキセタニル基を有するポリオルガノシロキサン(A)は、下記一般式(1)で表される有機含ケイ素化合物の加水分解縮合物、又は、該有機含ケイ素化合物と、シロキサン結合生成基を有し且つオキセタニル基を有さない有機含ケイ素化合物との加水分解縮合物である上記1に記載の硬化性組成物。
【化5】
Figure 2005023256
(上式において、Rはオキセタニル基を有する有機官能基であり、Xは加水分解性基であり、Xは互いに同一であっても異なっていてもよい。)
3.上記一般式(1)におけるRは、下記式(2)で表される有機官能基である上記2に記載の硬化性組成物。
【化6】
Figure 2005023256
(上式において、Rは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、Rは炭素数2〜6のアルキレン基である。)
4.上記シロキサン結合生成基を有しオキセタニル基を有さない有機含ケイ素化合物は、下記一般式(3)又は下記一般式(4)で表される化合物である上記2又は3に記載の硬化性組成物。
【化7】
Figure 2005023256
(上式において、R及びRはそれぞれアルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキル基、シクロアルキル基及びアリール基から選ばれる置換基であり、R及びRはそれぞれアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基から選ばれる置換基であり、X’はシロキサン結合生成基であり、nは1〜10,000の整数である。)
【化8】
Figure 2005023256
(上式において、R及びRはそれぞれアルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキル基、シクロアルキル基及びアリール基から選ばれる置換基であり、R、R及びRはそれぞれアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基から選ばれる置換基であり、X’はシロキサン結合生成基であり、nは1〜10,000の整数である。)
5.上記シロキサン結合生成基を有しオキセタニル基を有さない有機含ケイ素化合物は、下記一般式(5)で表される化合物である上記2又は3に記載の硬化性組成物。
SiX”4−m (5)
(上式において、Rはアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基から選ばれる置換基であり、X”はシロキサン結合生成基であり、mは1〜3の整数である。)
6.上記無機充填材(D)がシリカである上記1乃至5のいずれかに記載の硬化性組成物。
7.上記無機充填材(D)の最大粒子径が0.4μm以下である上記1乃至6のいずれかに記載の硬化性組成物。
【0009】
【発明の効果】
本発明のカチオン硬化性組成物は、硬化性に優れるため、作業性が良好である。また、本硬化性組成物から得られる皮膜等の硬化物が、耐熱性、耐擦傷性に優れ、更に、上記性質を維持しつつ熱膨張係数を容易に制御することができる。従って、半導体パッケージの反り防止コーティングとして有用であり、工業的な意義は極めて大である。
また、特定の構造を有するオキセタニル基を有するポリオルガノシロキサン(A)を用いることによって、カチオン重合性モノマー(B)等との硬化反応が効率よく進行し、より硬化性の優れるカチオン硬化性組成物が得ることができる。無機充填材(D)の最大粒子径が0.4μmである場合には、耐熱性の高い光硬化物を得ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳しく説明する。
【0011】
[1]オキセタニル基を有するポリオルガノシロキサン(A)
本発明に係わるオキセタニル基を有し、実質的に加水分解性基を有しないポリオルガノシロキサン(以下、単に「ポリオルガノシロキサン(A)」ともいう。
)は、シロキサン結合を少なくとも1つ含み、オキセタニル基を有し、実質的に加水分解性基を有しないものであれば特に限定されない。また、シルセスキオキサン構造を備えるものが好ましく、1種又は2種以上の有機含ケイ素化合物の加水分解縮合物であることが好ましい。好ましいポリオルガノシロキサン(A)は、下記の有機含ケイ素化合物(I)の加水分解縮合物であるか、又は、有機含ケイ素化合物(I)と下記の有機含ケイ素化合物(II)との加水分解縮合物である。
【0012】
[1−1]有機含ケイ素化合物(I)
この有機含ケイ素化合物(I)は、好ましくはオキセタニル基とシロキサン結合生成基を有する有機含ケイ素化合物であり、その例としては、下記一般式(1)で表される化合物である。
【0013】
【化9】
Figure 2005023256
(上式において、Xは加水分解性基であり、Rはオキセタニル基を有する有機官能基である。)
【0014】
上記加水分解性基Xは、加水分解性を有する基であれば特に限定されず、例えば、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。これらのうち、好ましいものは、メトキシ基、エトキシ基、n−及びi−プロポキシ基、n−、i−及びt−ブトキシ基等のアルコキシ基、シクロヘキシルオキシ基等のシクロアルコキシ基、フェニルオキシ基等のアリールオキシ基である。
また、加水分解性が高いことから、アルコキシ基がより好ましく、更には炭素数1〜3のアルコキシ基が好ましく、特にエトキシ基は、加水分解反応を制御しやすいため、好ましい。
尚、上記一般式(1)で表される化合物中の上記加水分解性基Xは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
【0015】
また、上記有機官能基Rは、オキセタニル基を有する有機官能基であり、好ましい例として、下記式(2)で表される有機官能基が挙げられる。
【0016】
【化10】
Figure 2005023256
(上式において、Rは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、Rは炭素数2〜6のアルキレン基である。)
【0017】
上記式(2)において、Rは水素原子又は炭素数1〜6、好ましくは1〜3のアルキル基であり、これらのうち、エチル基が好ましい。また、Rは炭素数2〜6、好ましくは2〜4のアルキレン基であり、これらのうち、プロピレン基が好ましい。これは、このような有機官能基を形成するオキセタン化合物の入手あるいは合成が容易なためである。尚、また、上記式(2)において、R又はRの炭素数が7以上であるオキセタニル基を有する有機含ケイ素化合物(I)を用いると、本硬化性組成物の硬化物は、その表面硬度が低下することがある。尚、上記有機官能基Rは、オキセタニル基以外の官能基を有するものであってもよい。
【0018】
[1−2]有機含ケイ素化合物(II)
この有機含ケイ素化合物(II)は、オキセタニル基を有せずシロキサン結合生成基を有する有機含ケイ素化合物であり、その例としては、下記一般式(3)〜(5)で表される化合物である。
【0019】
【化11】
Figure 2005023256
(上式において、R及びRはそれぞれアルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキル基、シクロアルキル基及びアリール基から選ばれる置換基であり、R及びRはそれぞれアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基から選ばれる置換基であり、X’はシロキサン結合生成基であり、nは1〜10,000の整数である。)
【0020】
【化12】
Figure 2005023256
(上式において、R及びRはそれぞれアルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキル基、シクロアルキル基及びアリール基から選ばれる置換基であり、R、R及びRはそれぞれアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基から選ばれる置換基であり、X’はシロキサン結合生成基であり、nは1〜10,000の整数である。)
【0021】
SiX”4−m (5)
(上式において、Rはアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基から選ばれる置換基であり、X”はシロキサン結合生成基であり、mは1〜3の整数である。)
【0022】
上記一般式(3)〜(5)において、シロキサン結合生成基X’又はX”は、加水分解により上記一般式(1)で表される化合物のケイ素原子との間にシロキサン結合を生成し得る基をいい、例えば水素原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。これらのうち、水素原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基が好ましい。
【0023】
上記一般式(3)及び(4)におけるR及びRは、それぞれ、好ましくは炭素数1〜6(より好ましくは1〜4)のアルコキシ基、好ましくは炭素数5〜8(より好ましくは5〜6)のシクロアルコキシ基、好ましくは炭素数6〜8(より好ましくは6〜7)のアリールオキシ基、好ましくは炭素数1〜4(より好ましくは1〜2)のアルキル基、好ましくは炭素数5〜8(より好ましくは5〜6)のシクロアルキル基及び好ましくは炭素数6〜8(より好ましくは6〜7)のアリール基から選ばれる。
また、R、R及びRは、それぞれ、好ましくは炭素数1〜6(より好ましくは1〜4)のアルキル基、好ましくは炭素数5〜8(より好ましくは5〜6)のシクロアルキル基及び好ましくは炭素数6〜8(より好ましくは6〜7)のアリール基から選ばれる。
【0024】
上記一般式(3)及び(4)の化合物は、反応性シリコーンであり、上記シロキサン結合生成基X’が、1分子中に1種単独であるいは2種以上を有する化合物であってもよい。また、この反応性シリコーンは直鎖状又は分岐を有する線状シリコーンであることが好ましく、その場合、上記シロキサン結合生成基を側鎖に有してもよいし、末端に有してもよい。
尚、上記一般式(3)で表される化合物中の上記シロキサン結合生成基X’は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
【0025】
上記一般式(5)におけるRは、好ましくは炭素数1〜6(より好ましくは1〜4)のアルキル基、好ましくは炭素数5〜8(より好ましくは5〜6)のシクロアルキル基及び好ましくは炭素数6〜8(より好ましくは6〜7)のアリール基から選択される。上記アルキル基として好ましいものは、メチル基、エチル基、n−及びi−プロピル基、n−、i−及びt−ブチル基等である。また、上記シクロアルキル基として好ましいものは、シクロヘキシル基等であり、上記アリール基として好ましいものは、フェニル基等である。
【0026】
上記一般式(5)で表される化合物を以下に例示する。
m=1の場合、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0027】
m=2の場合、例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン等が挙げられる。
また、m=3の場合、例えば、トリメチルシラノール、トリエチルシラノール、トリプロピルシラノール、トリブチルシラノール、トリフェニルシラノール、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリプロピルメトキシシラン、トリプロピルエトキシシラン、トリメチルシリルアセテート、トリメチルシリルベンゾエート、トリエチルシリルアセテート、トリエチルシリルベンゾエート、ベンジルジメチルメトキシシラン、ベンジルジメチルエトキシシラン、ジフェニルメトキシメチルシラン、ジフェニルエトキシメチルシラン、アセチルトリフェニルシラン、エトキシトリフェニルシラン、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサエチルジシロキサン、ヘキサプロピルジシロキサン、1,3−ジブチル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジメチル−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン等が挙げられる。
【0028】
上記一般式(5)で表される化合物としては、メチルトリメトキシシラン及びメチルトリエトキシシランが好ましい。
また、上記一般式(5)で表される化合物は、上記ポリオルガノシロキサン(A)中のオキセタニル基濃度を低減させ、ポリオルガノシロキサン(A)の分子量を下げずに粘度を低くしたり、架橋密度を下げることにより硬化収縮率を下げたりすることもできる。
【0029】
上記有機含ケイ素化合物(I)を単独で、あるいは、上記有機含ケイ素化合物(I)及び上記有機含ケイ素化合物(II)を併用し、公知の方法で加水分解することによって、本発明に係わるポリオルガノシロキサン(A)を得ることができる。
尚、上記ポリオルガノシロキサン(A)は、上記有機含ケイ素化合物が有する加水分解性基の実質的に全てが縮合されている。加水分解性基が残存していると、組成物の貯蔵中あるいは硬化中に、無機充填材(D)との反応が進行するため、硬化物としたときに所望の熱膨張係数が得られないことがある。更に、組成物の貯蔵安定性が低下するおそれがある。ここで「加水分解性基の実質的に全てが縮合されている」とは、例えば、NMRチャートにおいて、得られたポリオルガノシロキサン(A)に、加水分解性基に基づくピークが観察されないことにより確認することができる。
【0030】
縮合物として得られたポリオルガノシロキサン(A)は、上記一般式(1)における加水分解性基X、シロキサン結合生成基X’又はX”が加水分解して形成された3次元の(Si−O−Si)結合を含み、更に、ハシゴ状、カゴ状又はランダム状の構造を有するシルセスキオキサン化合物を含む。このシルセスキオキサン化合物は1種単独でもよいし、構造又は分子量の異なる2種以上を含んでもよい。
【0031】
上記ポリオルガノシロキサン(A)は、その数平均分子量が好ましくは600〜5,000、より好ましくは1,000〜3,000である。数平均分子量が600未満であると、本組成物から形成される硬化物の硬度が十分でない場合がある。一方、数平均分子量が5,000を超えると、本組成物の粘度が高くなり、取り扱い性が困難な場合があるとともに、本組成物をコーティング材料として用いる場合において塗工性が低下する傾向にある。
特に、本組成物を半導体パッケージの反り防止コーティング材料として用いる場合には、縮合物全体の50質量%以上が、数平均分子量が好ましくは1,000〜3,000、より好ましくは1,500〜2,500のシルセスキオキサン化合物から構成されていることが好ましく、70質量%以上であることが更に好ましい。尚、本明細書中における数平均分子量は、ゲルパーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の分子量である。
【0032】
本組成物中の上記ポリオルガノシロキサン(A)の含有量は、組成物全体に対し、好ましくは5〜85質量%、より好ましくは25〜75質量%である。5質量%未満では、本組成物を用いて得られる硬化物の耐擦傷性が発現しにくい場合があり、一方、85質量%を超えると、硬化物の熱膨張係数が大きくなる傾向にある。尚、以下の説明においても、本明細書における上記「組成物全体」とは、有機溶剤等を含まない不揮発分の全量を意味する。
【0033】
[2]カチオン重合性モノマー(B)
本発明に係わるカチオン重合性モノマーは、カチオン重合可能な化合物であれば、特に限定されないが、本発明においては、その分子構造中に少なくとも1つのオキセタニル基を有する化合物(以下、「オキセタン系モノマー」ともいう。)、その分子構造中に少なくとも1つのエポキシ基を有する化合物(以下、「エポキシ系モノマー」ともいう。)等を好ましく用いることができる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0034】
[2−1]オキセタン系モノマー
このオキセタン系モノマーは、後述するカチオン重合開始剤(C)によって硬化できるものであれば特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。また、その分子構造、分子量等も特に限定されない。
上記オキセタン系モノマーの具体例としては、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−アリロキシメチル−3−エチルオキセタン、(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチルベンゼン、4−フルオロ−〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、4−メトキシ−〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、イソブトキシメチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−エチルヘキシル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチルジエチレングリコール(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンタジエン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラヒドロフルフリル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−テトラブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−トリブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシプロピル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ブトキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタクロロフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサ−ノナン、1,4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ブタンジオールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ヘキサンジオールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ポリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチレンオキシド(以下、「EO」という。)変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、プロピレンオキシド(以下、「PO」という。)変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールFビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロールプロパンテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カーボネートビスオキセタン、アジペートビスオキセタン、テレフタレートビスオキセタン、シクロヘキサンジカルボン酸ビスオキセタン、3−(3−メチル−3−オキセタンメトキシ)プロピルトリエトキシシラン、3−(3−エチル−3−オキセタンメトキシ)プロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0035】
[2−2]エポキシ系モノマー
このエポキシ系モノマーは、後述するカチオン重合開始剤(C)によって硬化できるものであれば特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。また、その分子構造、分子量等も特に限定されない。
上記エポキシ系モノマーの具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ハロゲン化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ハロゲン化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、水素添加ビスフェノールAグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロシクロヘキセンジオキシド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキシド、エチレングリコールジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ソルビトールのテトラグリシジルエーテル、ジペンタエルスリトールのヘキサグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコール、グリセリン等の脂肪族多価アルコールに1種又は2種以上のアルキレンオキシドを付加することによって得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖2塩基酸脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテルやフェノール、クレゾール、ブチルフェノール、またこれらにアルキレンオキシドを付加することによって得られるポリエーテルアルコールのモノグリシジルエーテル、高級脂肪酸のグリシジルエステル、エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシ化アマニ油、エポキシ化ポリブタジエン、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、メチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、エチレングリコールグリシジルフェニルエーテル、エチレングリコールベンジルグリシジルエーテル、ジエチレングリコールグリシジルテトラヒドロピラニルエーテル、グリシジルメタクリレート、グリシジルアセテート、グリシジロキシトリメトキシシラン、ビス(グリシジロキシ)ジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。また、これらの化合物を構成する水素原子の一部又は全てがフッ素原子で置換されたものを用いることができる。これらは、1種単独であるいは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0036】
本組成物中の上記カチオン重合性モノマー(B)の含有量は、好ましくは1〜80質量%、より好ましくは3〜75質量%である。1質量%未満では、本組成物を用いて得られる塗膜を十分に硬化させることができない場合があり、その結果、硬化物の耐熱性及び強度が不十分となる場合がある。一方、80質量%を超えると、硬化物の熱膨張係数が大きくなる傾向にある。
【0037】
[3]カチオン重合開始剤(C)
このカチオン重合開始剤は、その種類によって、本組成物を熱硬化性とすることができるし、光硬化性とすることもできる。
【0038】
[3−1]熱硬化性カチオン重合開始剤(C1)
この熱硬化性カチオン重合開始剤(C1)は、加熱により重合開始カチオンを生ずるもの、より詳しくは加熱により活性化され開環重合性基の開環を誘発するものであれば特に限定されない。上記熱硬化性カチオン重合開始剤(C1)としては、例えば、オニウム塩類、有機金属錯体類等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0039】
上記オニウム塩類としては、第四級アンモニウム塩、ホスホニウム塩及びスルホニウム塩等が挙げられ、例えば、「アデカオプトンCP−66」及び「アデカオプトンCP−77」(いずれも商品名、旭電化工業社製)、「サンエイドSI−60L」、「サンエイドSI−80L」及び「サンエイドSI−100L」(いずれも商品名、三新化学工業社製)、「CIシリーズ」(日本曹達社製)等の市販品を用いることができる。
また、上記有機金属錯体類としては、例えば、アルコキシシラン−アルミニウム錯体等が挙げられる。
【0040】
本組成物を熱硬化性組成物として用いる場合、本組成物中の上記熱硬化性カチオン重合開始剤(C1)の含有量は、好ましくは0.01〜5質量%、より好ましくは0.5〜3質量%である。0.01質量%未満では、熱の作用により活性化しても、開環重合性基の開環反応を十分に進行させることができないことがあり、本組成物を用いて得られる硬化物の耐熱性及び強度が不十分となる場合がある。一方、5質量%を超えると、重合を進行する作用はそれ以上高まらない傾向にあり、逆に硬化物の耐熱性及び強度が低下することがある。
【0041】
[3−2]光硬化性カチオン重合開始剤(C2)
この光硬化性カチオン重合開始剤(C2)は、光により重合開始カチオンを生ずるもの、より詳しくは光を照射されて活性化され開環重合性基の開環を誘発するものであれば特に限定されない。上記光カチオン重合開始剤(C2)としては、例えば、オニウム塩類、有機金属錯体類等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0042】
上記オニウム塩類としては、ジアゾニウム塩、スルホニウム塩及びヨードニウム塩等が挙げられる。また、上記有機金属錯体類としては、例えば、鉄−アレン錯体、チタノセン錯体及びアリールシラノール−アルミニウム錯体等が挙げられ、例えば、「オプトマーSP−150」及び「オプトマーSP−170」(いずれも商品名、旭電化工業社製)、「UVE−1014」(商品名、ゼネラルエレクトロニクス社製)、「CD−1012」(商品名、サートマー社製)等の市販品を用いることができる。
【0043】
本組成物を光硬化性組成物として用いる場合、本組成物中の上記光硬化性カチオン重合開始剤(C2)の含有量は、好ましくは0.01〜5質量%、より好ましくは0.5〜3質量%である。0.01質量%未満では、光の作用により活性化しても、開環重合性基の開環反応を十分に進行させることができないことがあり、本組成物を用いて得られる硬化物の耐熱性及び強度が不十分となる場合がある。一方、5質量%を超えると、重合を進行する作用はそれ以上高まらない傾向にあり、逆に硬化物の耐熱性及び強度が低下することがある。
【0044】
[4]無機充填材(D)
この無機充填材(D)は、その種類によって、本組成物を熱硬化性とすることができるし、光硬化性とすることもできる。
【0045】
[4−1]熱硬化性組成物用無機充填材(D1)
本組成物を熱硬化性とするためには、熱膨張係数が1.0×10−5/K以下の無機充填材を用いることが好ましい。このような無機充填材としては、例えば、シリカ粉、酸化アルミニウム粉、酸化マグネシウム粉、ケイ酸アルミニウム粉、酸化チタン粉、ジルコニア粉、五酸化アンチモン粉、酸化ホウ素粉、酸化テルル粉、硫酸バリウム粉、炭化ケイ素粉、窒化アルミニウム粉、窒化ホウ素粉、タルク粉、マイカ粉、クレー粉等が挙げられる。これらのうち、シリカ粉が好ましく、なかでも非結晶性シリカ粉が特に好ましい。また、これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、上記熱硬化性組成物用無機充填材(D1)の最大粒子径は、好ましくは20μm以下、より好ましくは15μm以下である。20μmより大きいと、本組成物中における分散性が不均一となり平滑なコーティング面が得られないことがある。
【0046】
本組成物を熱硬化性組成物として用いる場合、本組成物中の上記熱硬化性組成物用無機充填材(D1)の含有量は、好ましくは5〜90質量%、より好ましくは50〜80質量%である。5質量%未満では、本組成物を用いて得られる硬化物の熱膨張係数は、この無機充填材(D1)を含有しない場合とほとんど変化がなく、一方、90質量%を超えると、硬化物の強度が著しく低下する傾向にある。
【0047】
[4−2]光硬化性組成物用無機充填材(D2)
本組成物を光硬化性とするためには、組成物に光透過性が必要であるため、使用可能な無機充填材は下記のように限定される。即ち、(1)最大粒子径が0.4μm以下である場合には、熱膨張係数が1.0×10−5/K以下である無機充填材、又は、(2)最大粒子径が0.4μmを超える場合、それ自身光透過性を有する無機充填材である。
【0048】
上記(1)最大粒子径が0.4μm以下であり、熱膨張係数が1.0×10−5/K以下である場合の無機充填材としては、例えば、シリカ粉、酸化アルミニウム粉、酸化マグネシウム粉、ケイ酸アルミニウム粉、酸化チタン粉、ジルコニア粉、五酸化アンチモン粉、酸化ホウ素粉、酸化テルル粉、硫酸バリウム粉、炭化ケイ素粉、窒化アルミニウム粉、窒化ホウ素粉、タルク粉、マイカ粉、クレー粉等が挙げられる。これらのうち、シリカ粉が好ましく、なかでも非結晶性シリカ粉が特に好ましい。また、これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
最大粒子径が0.4μm以下の光硬化性組成物用無機充填材(D2)を用いることによって、無機充填材とこれを取り囲むマトリックスとの界面で乱反射が起こることがないので、光硬化性組成物から得られる硬化物の透明性を維持するために、無機充填材とマトリックス材との屈折率差を考慮することなく耐熱性の高い原料を自由に選択することができ、耐熱性の高い硬化物を得ることができる。
【0049】
また、上記(2)最大粒子径が0.4μmを超える場合の無機充填材としては、例えば、シリカ粉、酸化アルミニウム粉、ケイ酸アルミニウム粉等が挙げられる。これらのうち、シリカ粉が好ましく、なかでも非結晶性シリカ粉が特に好ましい。また、これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0050】
本組成物を光硬化性組成物として用いる場合、本組成物中の上記光硬化性組成物用無機充填材(D2)の含有量は、好ましくは5〜90質量%、より好ましくは50〜80質量%である。5質量%未満では、本組成物を用いて得られる硬化物の熱膨張係数は、この無機充填材(D2)を含有しない場合とほとんど変化がなく、一方、90質量%を超えると、硬化物の強度が著しく低下する傾向にある。
尚、最大粒子径が0.4μmを超える光硬化性組成物用無機充填材(D2)を使用する場合には、この光硬化性組成物用無機充填材(D2)の屈折率と、上記ポリオルガノシロキサン(A)及び上記カチオン重合性モノマー(B)の混合物(以下、「重合性成分」ともいう。)との屈折率の差が±0.01以内になるように重合性成分の種類及び配合割合を選択することが好ましい。上記屈折率の差が、上記範囲外では、本組成物の光透過性が著しく低下し、光照射させた場合に硬化不良を起こすことがある。
【0051】
[5]添加剤
本発明のカチオン硬化性組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、光増感剤、レベリング剤、消泡剤、シランカップリング剤、帯電防止剤、酸化防止剤、着色剤等の添加剤、有機溶剤等を含有させることができる。
特に有機溶剤は、本組成物の粘度をコントロールしてコーティングを容易にするために有用であり、例えば、エタノール、メタノール、イソブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール等のアルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン等のエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0052】
[6]カチオン硬化性組成物の調製方法
本発明のカチオン硬化性組成物は、熱硬化性とするか光硬化性とするかにより調製方法が異なる。
【0053】
[6−1]熱硬化性組成物の調製方法
本発明の熱硬化性組成物は、上記の成分を従来公知の混合機で攪拌し、無機充填材(D)を均一に分散させることにより得ることができる。具体的な装置としては、チェンジ缶式ミキサー、プラネタリーミキサー、ディスパー、ヘンシェルミキサー、ニーダー、インクロール、押出機、3本ロールミル、サンドミル等が挙げられる。尚、装置の種類によっては混合中に発生する摩擦熱により熱カチオン重合開始剤(C1)が活性化されることがあるため、組成物を40℃以下、好ましくは25℃以下に保つべく冷却しながら混合するとよい。
【0054】
[6−2]光硬化性組成物の調製方法
本発明の光硬化性組成物は、上記の成分を従来公知の混合機で攪拌し、無機充填材(D)を均一に分散させることにより得ることができる。具体的な装置としては、チェンジ缶式ミキサー、プラネタリーミキサー、ディスパー、ヘンシェルミキサー、ニーダー、インクロール、押出機、3本ロールミル、サンドミル等が挙げられる。
【0055】
[7]組成物の硬化方法
本発明の硬化性組成物は、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、スピンコート法、カーテンコート法、グラビア印刷法、シルクスクリーン法、インクジェット法等の方法により各種基材にコーティングし、以下の方法で硬化することができる。
【0056】
[7−1]熱硬化性組成物の硬化方法
本発明の熱硬化性組成物をコーティングした場合、通常、本組成物に含有される熱カチオン重合開始剤(C1)がカチオン種及びルイス酸の生成を開始する温度以上で加熱を行い、その好ましい温度は50〜200℃であり、更に好ましくは75〜180℃である。
【0057】
[7−2]光硬化性組成物の硬化方法
本発明の光硬化性組成物をコーティングした場合、光照射によって硬化することができる。この光照射を行う装置としては、従来公知の光照射装置であれば特に限定されないが、波長400nm以下に発光分布を有する、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ等を用いることができる。
本組成物からなる塗膜への光照射強度は、目的、用途によって選択されるため特に限定されないが、光カチオン重合開始剤(C2)の活性化に有効な光波長領域(光ラジカル重合開始剤によって異なるが、通常、300〜420nmの光が用いられる。)の光照射強度が0.1〜100mW/cmであることが好ましい。本組成物からなる塗膜への光照射強度が0.1mW/cm未満であると、反応時間が長くなる傾向にあり、一方、100mW/cmを超えると、光照射装置から輻射される熱及び組成物の重合時の発熱により、得られる硬化物の黄変あるいは強度の低下が生じるおそれがある。
【0058】
また、組成物への光照射時間は、目的、用途によって選択されるため特に限定されないが、上記光波長領域における光照射強度及び光照射時間の積として表される積算光量が10〜5,000mj/cmとなるように考慮し、選択することが好ましい。本組成物からなる塗膜への積算光量が10mj/cm未満では、光カチオン重合開始剤(C2)の活性化が十分でなく、硬化物の強度が低下する傾向があり、一方、5,000mj/cmを超えると、照射時間が非常に長時間となり、生産性に劣る傾向にある。また、活性エネルギー線照射後の0.1〜数分後には、ほとんどの塗膜はカチオン重合反応が進行して指触乾燥するが、カチオン重合反応を促進するために加熱を行っても場合によっては好ましい。
【0059】
本発明のカチオン硬化性組成物からなる硬化物は、表面硬度が好ましくは5H以上、より好ましくは6H以上とすることができる。また、ガラス転移温度近傍の温度範囲における熱膨張係数は10−5/Kのオーダーを維持することができる。本組成物は、ポリオルガノシロキサン(A)及びカチオン重合性モノマー(B)の含有割合を広い範囲で選択することができ、所望の熱膨張係数を得ることができる。更に、耐熱性の指標である5%重量減少温度は、好ましくは280℃以上、より好ましくは300℃以上、更に好ましくは320℃以上とすることができる。
【0060】
【実施例】
以下に、例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
【0061】
1.オキセタニル基を有するポリオルガノシロキサン(A)の合成
合成例1
攪拌機及び温度計を備えた反応器に、イソプロピルアルコール200g、下記一般式(6)で表される3−(3−メチル−3−オキセタンメトキシ)プロピルトリエトキシシラン(以下、「Oxe−TRIES」という。)80.13g(0.25mol)及びメチルトリエトキシシラン126.59g(0.71mol)を仕込んだ後、1%塩酸52.32g(HO;2.87mol、HCl;14.3mmol)を徐々に加えて、25℃で攪拌した。反応の進行をGPCにより追跡し、Oxe−TRIESがほぼ消失した時点(混合物の添加開始から20時間後)で反応完結とした。引き続き、減圧下で溶媒を留去し、数平均分子量が2,200、粘度が32,000mPa・s、屈折率が1.45の無色透明な樹脂(以下、「樹脂A1」という。)を得た。
【0062】
【化13】
Figure 2005023256
【0063】
合成例2
攪拌機及び温度計を備えた反応器に、イソプロピルアルコール167g、Oxe−TRIES95.15g(0.3mol)及びフェニルトリエトキシシラン72.11g(0.3mol)を仕込んだ後、1%塩酸32.7g(HO;1.8mol、HCl;9mmol)を徐々に加えて、25℃で攪拌した。反応の進行をGPCにより追跡し、Oxe−TRIESがほぼ消失した時点(混合物の添加開始から20時間後)で反応完結とした。引き続き、減圧下で溶媒を留去し、数平均分子量が1,200、粘度が21,000mPa・s、屈折率が1.499の無色透明な樹脂(以下、「樹脂A2」という。)を得た。
【0064】
合成例3
攪拌機及び温度計を備えた反応器に、イソプロピルアルコール30g、MeNOHの10%水溶液2.73g(HO;136.5mmol、MeNOH;3.0mmol)及び水0.78g(43.3mmol)を仕込んだ後、Oxe−TRIES19.23g(60.0mmol)と両末端シラノール基のポリジメチルシロキサン「DMS−S21」(チッソ株式会社製)1.5gとの混合物を徐々に加えて室温で攪拌放置した。反応の進行をGPCにより追跡し、Oxe−TRIESがほぼ消失した時点(混合物の添加開始から20時間後)で反応を終了させた。このとき、反応系のpHは11.5であった。
得られた反応液を、総交換容量2.05meq/mlのH型陽イオン交換樹脂(商品名;「ダイヤイオンPK228」、三菱化成工業株式会社製)50mlをカラムに詰め、合成例2で調製した反応液全て(64ml)を室温下、約1時間(SV=1.3)で通液処理した。処理液のpHは7であった。引き続き、30分かけて減圧下で溶媒を留去し、数平均分子量が1,300、粘度が10,000mPa・sの、屈折率が1.462の淡黄色透明な樹脂(以下、「樹脂A3」という。)を得た。
上記で得た樹脂A1、A2及びA3について、H−NMR分析を行ったところ、化学シフト3.6〜3.9ppmの領域に、Si−O−CH−CHの−CH−に由来する複雑なピークは観測されず、実質的に加水分解性基を有していないことが確認された。
【0065】
比較合成例1
攪拌機及び温度計を備えた反応器に、イソプロピルアルコール200g、Oxe−TRIES80.13g(0.25mol)とメチルトリエトキシシラン126.59g(0.71mol)を仕込んだ後、2.9%塩酸17.82g(HO;0.96mol、HCl;14.3mmol)を徐々に加えて、25℃で攪拌した。反応の進行をゲルパーミエーション・クロマトグラフィーにより追跡し、Oxe−TRIESがほぼ消失した時点(混合物の添加開始から20時間後)で反応完結とした。引き続き、減圧下に溶媒を留去し、数平均分子量が1,300、粘度が9,400mPa・s、屈折率が1.44の無色透明な樹脂(以下、「樹脂Z」という。)を得た。この樹脂Zについて、H−NMR分析を行ったところ、化学シフト3.6〜3.9ppmの領域に、Si−O−CH−CHの−CH−に由来する複雑なピークが観測され、加水分解性基の全てが縮合されていないことが分かった。
【0066】
2.カチオン硬化性組成物の調製及び硬化物の評価
2−1.熱硬化性組成物の調製及び評価
実施例1
上記合成例1で得られた「樹脂A1」18質量部と、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート(以下、「カチオン重合性モノマー」という。)5質量部と、熱重合開始剤(商品名;「サンエイドSI−60L」、三新化学工業社製)2質量部と、酸化アルミニウム粉75質量部と、をディスパーにより、15分間攪拌した。その後、脱泡を行い、熱硬化性組成物を調製した。
【0067】
上記熱硬化性組成物を用いて硬化物を得て、以下の方法により各種評価を行った。その結果を表1に示す。
(1)表面硬度
熱硬化性組成物を、バーコーターを用いてガラス基板上に約20μmの厚さに塗布し、150℃で1時間加熱し硬化膜を得た。この硬化膜を、温度25℃、湿度60%の恒温室内に24時間放置した後、JIS K5400に準じて表面の鉛筆硬度を測定した。
(2)ガラス転移点
熱硬化性組成物を、縦40mm×横5mm×深さ2mmのフッ素樹脂製鋳型に流し込み、150℃で1時間加熱し硬化物を得た。この硬化物を、温度25℃、湿度60%の恒温室内に24時間放置した後、セイコーインスツルメント社製粘弾性スペクトロメータ「DMS6100」を用い、ガラス転移点Tgを測定した。
【0068】
(3)熱膨張係数
上記(2)と同じ方法で得た硬化物を、ティー・エイ・インスツルメント社製熱機械分析装置「TMA2940」を用い、上記ガラス転移点を境により高い温度範囲(Tg〜150℃)における熱膨張係数と、より低い温度範囲(30〜Tg)における熱膨張係数とを測定した。
(4)耐熱性
上記(2)と同じ方法で得た硬化物を、セイコーインスツルメント社製熱重量分析装置「TG/DTA220」を用い、下記の条件で5%重量減少温度を測定した。
測定温度範囲;25〜500℃
昇温速度;20℃/分
雰囲気;空気中。
【0069】
【表1】
Figure 2005023256
【0070】
実施例2〜4
表1に記載の成分を使用したこと以外は、実施例1と同様にして熱硬化性組成物を調製し、上記の各種評価を行った。その結果を表1に併記した。
【0071】
比較例1〜5
表2に記載の成分を使用したこと以外は、実施例1と同様にして熱硬化性組成物を調製し、上記の各種評価を行った。その結果を表2に示す。
【0072】
2−2.光硬化性組成物の調製及び評価
実施例5
上記合成例1で得られた「樹脂A1」18質量部と、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート(以下、「カチオン重合性モノマー」という。)5質量部と、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート(光重合開始剤)2質量部と、最大粒子径が0.4μmである非結晶性シリカ粉75質量部と、をディスパーにより、15分間攪拌した。その後、脱泡を行い、光硬化性組成物を調製した。
【0073】
上記光硬化性組成物を用いて硬化物を得て、温度25℃、湿度60%の恒温室内に24時間放置した後、上記の各種評価を行った。その結果を表1に示す。尚、硬化物は以下の方法で得た。
光硬化性組成物を、バーコーターを用いてガラス基板上に約20μmの厚さに塗布した。その塗膜に、表面のタックがなくなるまで下記条件による紫外線照射を行った。
[UV照射条件]
ランプ;80W/cm高圧水銀ランプ
ランプ高さ;10cm
コンベアスピード;10m/分
照射パス回数;10回
雰囲気;大気中。
【0074】
比較例6〜7
表2に記載の成分を使用したこと以外は、実施例5と同様にして光硬化性組成物を調製し、上記の各種評価を行った。その結果を表2に併記した。
【0075】
【表2】
Figure 2005023256
【0076】
3.実施例の効果
表2より、比較例1〜3は、無機充填材を含有しない熱硬化性組成物を用いた例であり、熱膨張係数が高くなった。また、比較例1は5%重量減少温度が260℃であり、耐熱性にも劣る。比較例4は、オキセタニル基を有するポリオルガノシロキサンを含有しない熱硬化性組成物を用いた例であり、硬化物の主成分は、カチオン重合性モノマーの重合体であり、硬度が低く、即ち、擦傷性に劣り、また、耐熱性にも劣る。また、比較例5は、加水分解性基を有するポリオルガノシロキサンを含有する熱硬化性組成物を用いた例であり、硬化物の硬度が低く、また、耐熱性も劣っていた。
一方、表1より、実施例1〜4の熱硬化性組成物は、ガラス転移点の前後の温度においても熱膨張係数は、十分に小さく、硬度も高く、耐熱性にも優れる。
【0077】
また、比較例6は、オキセタニル基を有するポリオルガノシロキサンを含有しない光硬化性組成物を用いた例であり、硬化物の主成分は、カチオン重合性モノマーの重合体であり、硬度が低く、耐熱性に劣る。比較例7は、加水分解性基を有するポリオルガノシロキサンを含有する光硬化性組成物を用いた例であり、硬化物の硬度が低く、また、耐熱性も劣っていた。
一方、表1より、実施例5では、ガラス転移点の前後の温度においても熱膨張係数が十分に小さく、硬度も高く、耐熱性にも優れる。

Claims (7)

  1. オキセタニル基を有し、実質的に加水分解性基を有しないポリオルガノシロキサン(A)と、カチオン重合性モノマー(B)と、カチオン重合開始剤(C)と、無機充填材(D)と、を含有することを特徴とする硬化性組成物。
  2. 上記オキセタニル基を有するポリオルガノシロキサン(A)は、下記一般式(1)で表される有機含ケイ素化合物の加水分解縮合物、又は、該有機含ケイ素化合物と、シロキサン結合生成基を有し且つオキセタニル基を有さない有機含ケイ素化合物との加水分解縮合物である請求項1に記載の硬化性組成物。
    Figure 2005023256
    (上式において、Rはオキセタニル基を有する有機官能基であり、Xは加水分解性基であり、Xは互いに同一であっても異なっていてもよい。)
  3. 上記一般式(1)におけるRは、下記式(2)で表される有機官能基である請求項2に記載の硬化性組成物。
    Figure 2005023256
    (上式において、Rは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、Rは炭素数2〜6のアルキレン基である。)
  4. 上記シロキサン結合生成基を有しオキセタニル基を有さない有機含ケイ素化合物は、下記一般式(3)又は下記一般式(4)で表される化合物である請求項2又は3に記載の硬化性組成物。
    Figure 2005023256
    (上式において、R及びRはそれぞれアルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキル基、シクロアルキル基及びアリール基から選ばれる置換基であり、R及びRはそれぞれアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基から選ばれる置換基であり、X’はシロキサン結合生成基であり、nは1〜10,000の整数である。)
    Figure 2005023256
    (上式において、R及びRはそれぞれアルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキル基、シクロアルキル基及びアリール基から選ばれる置換基であり、R、R及びRはそれぞれアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基から選ばれる置換基であり、X’はシロキサン結合生成基であり、nは1〜10,000の整数である。)
  5. 上記シロキサン結合生成基を有しオキセタニル基を有さない有機含ケイ素化合物は、下記一般式(5)で表される化合物である請求項2又は3に記載の硬化性組成物。
    SiX”4−m (5)
    (上式において、Rはアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基から選ばれる置換基であり、X”はシロキサン結合生成基であり、mは1〜3の整数である。)
  6. 上記無機充填材(D)がシリカである請求項1乃至5のいずれかに記載の硬化性組成物。
  7. 上記無機充填材(D)の最大粒子径が0.4μm以下である請求項1乃至6のいずれかに記載の硬化性組成物。
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