JP4103702B2 - 硬化性組成物及び反射防止膜 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬化性組成物に関し、更に詳しくは、硬化性に優れ、耐熱性及び耐擦傷性に優れ、所望の屈折率に容易に制御された皮膜等の硬化物を形成する硬化性組成物、及び低反射率を有する反射防止膜に関する。本発明の硬化性組成物は、反射防止膜、光導波路等に用いる材料等として有用である。
【0002】
【従来の技術】
近年、レンズ、ディスプレイ等用の反射防止膜の分野や光ファイバー等用の光導波路の分野では、1.45以下、更に限定するならば1.40以下の低い領域での屈折率制御が容易にでき、耐熱性が高く、しかも低コストで造膜可能な材料が求められている。
【0003】
液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、陰極管表示装置(CRT)等のような様々な画像表示装置に用いられる反射防止膜は、照明等の映り込み(グレア)を少なくすることによって表示を見やすくし、目の疲れを軽減するという機能を持つ。一方、眼鏡、光学レンズ等に用いられる反射防止膜は、レンズ表面での反射を防ぎ、より多くの光を取り込むことにより画質を向上させるという機能を持つ。
反射防止膜としては、MgF、SiO等の無機材料からなる透明薄膜を積層した多層膜が従来から広く用いられている。このような無機材料からなる透明薄膜は、化学蒸着(CVD)法や物理蒸着(PVD)法、特に物理蒸着法の1種である真空蒸着法により形成されている。無機材料からなる透明薄膜は、反射防止膜として優れた光学的性質を有しているが、蒸着による形成において、基材の大きさ、形状等に制約がある、装置コストが高価で成膜コストの上昇を余儀なくされる等という問題があった。
【0004】
上記真空蒸着法の代替技術として、無機微粒子の塗布により反射防止膜を形成する方法が提案されている。例えば、特許文献1には、微細空孔と微粒子状無機物とを有する反射防止透明層が開示されている。この文献によれば、反射防止層は塗布により形成され、加熱硬化後、活性化ガス処理と呼ばれる工程を経る。この工程の際に、ガスが層から離脱することによって微細空孔が形成される。空孔は実質的に1.00に近い屈折率を有しているため、この空孔の量を制御することで反射防止層の屈折率を制御しうるという技術である。
【0005】
また、特許文献2には、2種以上の材料(例えば、MgF及びSiO)からなる超微粒子を混在させて、膜厚方向にその混合比を変化させた反射防止膜が開示されている。この技術は高価な装置を必要としない点で優れている。
【0006】
特許文献3には、多孔質シリカよりなる無機微粉末とバインダーとを含有する反射防止膜が開示されている。この技術は高価な装置を必要とせず、プラスチック基材との密着性が高いという点で優れている。
【0007】
特許文献4には、溶媒可溶性の非晶質フッ素樹脂が開示されている。この技術は、装置コストを安くでき、基材の形状や大きさへの対応が真空成膜法に比べて容易であるという利点がある。
【0008】
更に、特許文献5には、透明基材上に、基材側から空気に向かって少なくとも屈折率が1.40以下の低屈折率膜が積層されてなる反射防止光学物品において、前記低屈折率層をパーフルオロアルキルアクリレート又はパーフルオロアルキル(メタ)アクリレートとパーフルオロポリエーテルの混合物で構成する技術を開示されている。この技術は、溶剤塗布法を用いるため成膜コストが低く、しかも揮発性の極めて低いパーフルオロポリエーテルを使用するため、地球環境の観点からも好ましい技術である。
【0009】
ところで、上記特許文献1における活性化ガスとは、低温プラズマを意味しており、低温プラズマ発生装置は真空蒸着法に比較すれば安価であるが、決して安価な装置ではなく、更にその操作は煩雑であって基材の大きさや形状に制約があるという問題は依然として残っていた。
また、特許文献2に開示される技術は、超微粒子のバインダーとしてエチルシリケートの加水分解物を使用しているため、ガラス以外の、例えば、プラスチックからなる基材とは密着性が悪く、製品を落下させる等衝撃がかかる場合においては、反射防止層の脱落が起こるという問題があった。
また、特許文献3に開示される技術は、反射防止層の屈折率の範囲が1.46以上であって、1.45以下の領域での屈折率制御はできない。
【0010】
特許文献4に開示される、非晶質フッ素樹脂を溶解するPFC(パーフルオロカーボン)は、地球温暖化の要因となり得る物質であることが近年明らかになっており、PFCを厳密に回収するために別途装置が必要であり、この回収装置のコストがかかるという問題があった。
また、特許文献5は、アクリレートのラジカル重合を使用して造膜を行なっており、ラジカル重合は、空気中の酸素によって阻害されるため、ラジカル重合性モノマーを速やかに且つ完全に重合させるためには、酸素の存在しない不活性雰囲気下で重合を行う必要があり、そのために高価な装置が必要であるという問題があった。
【0011】
一方で、特許文献6には、オキセタニル基乃至エポキシ基を有する有機含ケイ素化合物と、フルオルアルキル基を有する有機含ケイ素化合物との加水分解物の縮合体からなる硬化性樹脂組成物が開示されている。しかしながら、この文献には屈折率制御技術について全く開示も示唆も無い。
【0012】
以上より、1.45以下の領域において、屈折率を容易に制御でき、特別な装置を必要とすることなく、耐熱性、耐擦傷性に優れた皮膜等の硬化物を形成するコーティング材料やコーティング組成物というものは見出されていないのが現状である。
【0013】
【特許文献1】
特公昭60−59250号公報
【特許文献2】
特開平2−245702号公報
【特許文献3】
特開平7−48527号公報
【特許文献4】
特開平2−19801号公報
【特許文献5】
特開2002−341105号公報
【特許文献6】
特開2000−212443号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題を解決するものであり、硬化性に優れ、耐熱性及び耐擦傷性に優れ、所望の屈折率に容易に制御された皮膜等の硬化物を形成する硬化性組成物、及び低反射率を有する反射防止膜を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の問題を解決すべく、酸素による重合阻害を受けないカチオン重合性の材料を鋭意検討したところ、オキセタニル基と、シロキサン結合生成基とを有する有機含ケイ素化合物、及び、フルオロアルキル基と、シロキサン結合生成基とを有する有機含ケイ素化合物の加水分解縮合物、含フッ素カチオン重合性モノマー、並びにカチオン重合開始剤を含有する硬化性組成物が硬化性に優れ、得られる硬化物の耐熱性、耐擦傷性に優れ、1.35〜1.45の低い領域での屈折率を容易に制御できることを見出して本発明を完成したのである。
【0016】
本発明は以下の通りである。
1.下記一般式(1)で表される有機ケイ素化合物(I)、及び下記一般式(2)で表される有機ケイ素化合物(II)を含む有機ケイ素化合物の加水分解縮合物であるオキセタニル基を有するポリオルガノシロキサン(A)と、含フッ素カチオン重合性モノマー(B)と、カチオン重合開始剤(C)と、を含有することを特徴とする硬化性組成物。
【化4】
Figure 0004103702
(上式において、Rはオキセタニル基を有する有機官能基であり、Xは加水分解性基であり、Xは互いに同一であっても異なっていてもよい。)
【化5】
Figure 0004103702
(上式において、Rはフルオロアルキル基を有する有機官能基であり、Xは加水分解性基であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。)
2.上記一般式(1)におけるRは、下記式(2)で示される有機官能基である上記1に記載の硬化性組成物。
【化6】
Figure 0004103702
(上式において、Rは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、Rは炭素数2〜6のアルキレン基である。)
3.上記含フッ素カチオン重合性モノマー(B)が含フッ素エポキシ系化合物である上記1又は2に記載の硬化性組成物。
4.本硬化性組成物を用いて得られる硬化物の屈折率が1.35〜1.45である上記1乃至3のいずれかに記載の硬化性組成物。
5. 上記1乃至4のいずれかに記載の硬化性組成物を硬化してなることを特徴とする反射防止膜。
【0017】
【発明の効果】
本発明の硬化性組成物は、その硬化方法が熱硬化であっても、光硬化であっても、硬化性に優れ、これを用いて、低反射率であり、耐熱性及び表面硬度に優れる硬化物を得ることができる。また、従来の硬化性組成物と比較して、1.35〜1.45という低い屈折率の硬化物を容易に且つ精度良く行うことができる。上記含フッ素カチオン重合性モノマー(B)が含フッ素エポキシ系化合物である場合には、硬化性が特に優れ、更に硬化物の表面硬度にも優れる。
硬化物の屈折率が1.35〜1.45である場合には、通常、硬化物の光沢度が低く、優れた反射防止膜とすることができる。
また、本発明の硬化性組成物は、光沢度が低く、屈折率を1.35〜1.45と低くすることができるため、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、陰極管表示装置(CRT)等の画像表示装置の反射防止膜として特に有用であり、また、種々の光導波路材料等にも有用であり、工業的な意義は極めて大である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳しく説明する。
[1]オキセタニル基を有するポリオルガノシロキサン(A)
本発明に係わるオキセタニル基を有するポリオルガノシロキサン(以下、単に「ポリオルガノシロキサン(A)」ともいう。)は、下記有機ケイ素化合物(I)、及び下記有機ケイ素化合物(II)を含む有機ケイ素化合物の加水分解縮合物である。
【0019】
[1−1]有機含ケイ素化合物(I)
この有機含ケイ素化合物(I)は、下記式(1)で表される、オキセタニル基とシロキサン結合生成基を有する有機含ケイ素化合物である。
【0020】
【化7】
Figure 0004103702
(上式において、Rはオキセタニル基を有する有機官能基であり、Xは加水分解性基であり、Xは互いに同一であっても異なっていてもよい。)
【0021】
上記加水分解性基Xは、加水分解性を有する基であれば特に限定されず、例えば、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。これらのうち、好ましいものは、メトキシ基、エトキシ基、n−及びi−プロポキシ基、n−、i−及びt−ブトキシ基等のアルコキシ基、シクロヘキシルオキシ基等のシクロアルコキシ基、フェニルオキシ基等のアリールオキシ基である。
また、加水分解性が高いことから、アルコキシ基がより好ましく、更には炭素数1〜3のアルコキシ基が好ましく、特にエトキシ基は、加水分解反応を制御しやすいため、好ましい。
尚、上記一般式(1)で表される化合物中の上記加水分解性基Xは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
【0022】
また、上記有機官能基Rは、オキセタニル基を有する有機官能基であり、炭素数の合計が20個以下であるものが好ましく、より好ましくは15個以下、更に好ましくは12個以下のものであり、特に好ましくは、下記式(3)に示す有機官能基である。
【0023】
【化8】
Figure 0004103702
(上式において、Rは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、Rは炭素数2〜6のアルキレン基である。)
【0024】
上記式(3)において、Rは水素原子又は炭素数1〜6、好ましくは1〜3のアルキル基であり、これらのうち、エチル基が好ましい。また、Rは炭素数2〜6、好ましくは2〜4のアルキレン基であり、これらのうち、プロピレン基が好ましい。これは、このような有機官能基を形成するオキセタン化合物の入手あるいは合成が容易なためである。尚、また、上記式(3)におけるR又はRの炭素数が7以上であると、本硬化性組成物を用いて得られる硬化物の表面硬度が低下することがある。
尚、上記有機官能基Rは、オキセタニル基以外の官能基を有するものであってもよい。
上記有機含ケイ素化合物(I)は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0025】
[1−2]有機含ケイ素化合物(II)
この有機含ケイ素化合物(II)は、下記式(2)で表される、フルオロアルキル基と、シロキサン結合生成基と、を有する有機含ケイ素化合物である。
【化9】
Figure 0004103702
(上式において、Rはフルオロアルキル基を有する有機官能基であり、Xは加水分解性基であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。)
【0026】
上記一般式(2)におけるフルオロアルキル基Rは、特に限定されず、炭化水素基の水素原子の少なくとも1つがフッ素原子で置換されたものであってもよいし、水素原子の全てがフッ素原子で置換されたものであってもよい。また、このフルオロアルキル基の炭素数等も特に限定されない。このフルオロアルキル基Rとしては、下記一般式(4)で表されるものが特に好ましい。
【0027】
【化10】
Figure 0004103702
(上式において、nは0〜10の整数であり、Rは炭素数1〜4のアルキレン基である。)
【0028】
上記一般式(4)において、Rは、炭素数1〜4、好ましくは2〜3のアルキレン基である。
また、上記一般式(2)における加水分解性基Xは、上記一般式(1)において説明した加水分解性基Xと同様であり、この加水分解性基Xは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
【0029】
上記一般式(2)で表される好ましい化合物としては、例えば、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルトリメトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルトリエトキシシラン等が挙げられる。
上記有機含ケイ素化合物(II)は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0030】
[1−3]他の有機含ケイ素化合物(III)
本発明に係わるポリオルガノシロキサン(A)を形成する有機含ケイ素化合物としては、上記一般式(1)及び(2)で表される化合物のみであってもよいが、これら以外に、加水分解縮合可能なものであれば、他の化合物を用いてもよい。その例として、好ましくはオキセタニル基を有せずシロキサン結合生成基を有する有機含ケイ素化合物であり、その例としては、下記一般式(5)〜(7)で表される化合物である。
【0031】
【化11】
Figure 0004103702
(上式において、R及びRはそれぞれアルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキル基、シクロアルキル基及びアリール基から選ばれる置換基であり、R及びRはそれぞれアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基から選ばれる置換基であり、X’はシロキサン結合生成基であり、nは1〜10,000の整数である。)
【0032】
【化12】
Figure 0004103702
(上式において、R及びRはそれぞれアルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキル基、シクロアルキル基及びアリール基から選ばれる置換基であり、R、R及びRはそれぞれアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基から選ばれる置換基であり、X’はシロキサン結合生成基であり、nは1〜10,000の整数である。)
【0033】
10 SiX”4−m (7)
(上式において、R10はアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基から選ばれる置換基であり、X”はシロキサン結合生成基であり、mは1〜3の整数である。)
【0034】
上記一般式(5)〜(7)において、シロキサン結合生成基X’又はX”は、加水分解により上記一般式(1)で表される化合物のケイ素原子との間にシロキサン結合を生成し得る基をいい、例えば水素原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。これらのうち、水素原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基が好ましい。
【0035】
上記一般式(5)及び(6)におけるR及びRは、それぞれ、好ましくは炭素数1〜6(より好ましくは1〜4)のアルコキシ基、好ましくは炭素数5〜8(より好ましくは5〜6)のシクロアルコキシ基、好ましくは炭素数6〜8(より好ましくは6〜7)のアリールオキシ基、好ましくは炭素数5〜8(より好ましくは5〜6)のアルキル基、好ましくは炭素数5〜8(より好ましくは5〜6)のシクロアルキル基及び好ましくは炭素数6〜8(より好ましくは6〜7)のアリール基から選ばれる。
また、R、R及びRは、それぞれ、好ましくは炭素数1〜6(より好ましくは1〜4)のアルキル基、好ましくは炭素数5〜8(より好ましくは5〜6)のシクロアルキル基及び好ましくは炭素数6〜8(より好ましくは6〜7)のアリール基から選ばれる。
【0036】
上記一般式(5)及び(6)の化合物は、反応性シリコーンであり、上記シロキサン結合生成基X’が、1分子中に1種単独であるいは2種以上を有する化合物であってもよい。また、この反応性シリコーンは直鎖状又は分岐を有する線状シリコーンであることが好ましく、その場合、上記シロキサン結合生成基を側鎖に有してもよいし、末端に有してもよい。
尚、上記一般式(5)で表される化合物中の上記シロキサン結合生成基X’は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
【0037】
上記一般式(7)におけるR10は、好ましくは炭素数1〜6(より好ましくは1〜4)のアルキル基、好ましくは炭素数5〜8(より好ましくは5〜6)のシクロアルキル基及び好ましくは炭素数6〜8(より好ましくは6〜7)のアリール基から選択される。上記アルキル基として好ましいものは、メチル基、エチル基、n−及びi−プロピル基、n−、i−及びt−ブチル基等である。また、上記シクロアルキル基として好ましいものは、シクロヘキシル基等であり、上記アリール基として好ましいものは、フェニル基等である。
【0038】
上記一般式(7)で表される化合物を以下に例示する。
m=0の場合、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等が挙げられる。
また、m=1の場合、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0039】
m=2の場合、例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン等が挙げられる。
m=3の場合、例えば、トリメチルシラノール、トリエチルシラノール、トリプロピルシラノール、トリブチルシラノール、トリフェニルシラノール、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリプロピルメトキシシラン、トリプロピルエトキシシラン、トリメチルシリルアセテート、トリメチルシリルベンゾエート、トリエチルシリルアセテート、トリエチルシリルベンゾエート、ベンジルジメチルメトキシシラン、ベンジルジメチルエトキシシラン、ジフェニルメトキシメチルシラン、ジフェニルエトキシメチルシラン、アセチルトリフェニルシラン、エトキシトリフェニルシラン、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサエチルジシロキサン、ヘキサプロピルジシロキサン、1,3−ジブチル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジメチル−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン等が挙げられる。
【0040】
上記一般式(7)で表される化合物を用いることによって、上記ポリオルガノシロキサン(A)の分子量、更には粘度を制御しやすく、それによって取扱いを容易にすることができる。また、得られる硬化性組成物の保存安定性を向上させることもできる。
【0041】
上記有機含ケイ素化合物(III)は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0042】
本発明に係わるポリオルガノシロキサン(A)は、上記有機含ケイ素化合物(I)及び上記有機含ケイ素化合物(II)を併用し、あるいは、これらの化合物と、上記他の有機含ケイ素化合物(III)とを用いて、公知の方法で加水分解することによって得ることができる。
尚、上記ポリオルガノシロキサン(A)は、上記有機含ケイ素化合物が有する加水分解性基のうち90%以上が縮合されていることが好ましく、加水分解性基の実質的に全てが縮合されていることが更に好ましい。残存する加水分解性基の割合が10%を超えると、シルセスキオキサン構造が十分に形成されないため硬化物の硬度が低下したり、組成物の貯蔵安定性が低下したりすることがある。ここで「加水分解性基の実質的に全てが縮合されている」とは、例えば、NMRチャートにおいて、得られたポリオルガノシロキサンに、加水分解性基に基づくピークが観察されないことにより確認することができる。
【0043】
縮合物として得られたポリオルガノシロキサン(A)は、上記一般式(1)あるいは(2)における加水分解性基X、上記一般式(5)、(6)あるいは(7)におけるシロキサン結合生成基X’又はX”が加水分解して形成された3次元の(Si−O−Si)結合を含み、更に、ハシゴ状、カゴ状又はランダム状の構造を有するシルセスキオキサン化合物を含む。このシルセスキオキサン化合物は1種単独でもよいし、構造又は分子量の異なる2種以上を含んでもよい。
【0044】
上記ポリオルガノシロキサン(A)は、その数平均分子量が好ましくは600〜5,000、より好ましくは1,000〜3,000である。数平均分子量が600未満であると、本組成物から形成される硬化物の硬度が十分でない場合がある。一方、数平均分子量が5,000を超えると、本組成物の粘度が高くなり、取り扱い性が困難な場合があるとともに、本組成物をコーティング材料として用いる場合において塗工性が低下する傾向にある。
【0045】
本組成物中の上記ポリオルガノシロキサン(A)の含有量は、組成物全体に対し、好ましくは10〜95質量%、より好ましくは15〜90質量%である。上記範囲外では、本組成物の硬化性が劣る傾向にある。尚、以下の説明においても、本明細書における上記「組成物全体」とは、有機溶剤等を含まない不揮発分の全量を意味する。
【0046】
[2]含フッ素カチオン重合性モノマー(B)
本発明に係わる含フッ素カチオン重合性モノマーは、カチオン重合可能な化合物であれば、特に限定されず、そのような化合物であれば、1種単独であるいは2種類以上を組み合わせて用いることができる。本発明においては、その分子構造中に少なくとも1つのエポキシ基を有する化合物(以下、「エポキシ系モノマー」ともいう。)、及び、その分子構造中に少なくとも1つのオキセタン基を有する化合物(以下、「オキセタン系モノマー」ともいう。)が特に好ましい。
【0047】
[2−1]エポキシ系モノマー
このエポキシ系モノマーは、後述するカチオン重合開始剤(C)によって硬化できる含フッ素エポキシ系化合物であれば特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。また、その分子構造、分子量等も特に限定されない。
【0048】
上記エポキシ系モノマーとしては、分子中の水素原子の一部又は全てがフッ素で置換された含フッ素エポキシ系化合物が特に好ましく、例えば、4−クロロパーフルオロ−(1,2−エポキシ)ブタン、3−パーフルオロブチル−1,2−エポキシプロパン、3−パーフルオロヘキシル−1,2−エポキシプロパン、3−パーフルオロオクチル−1,2−エポキシプロパン、3−パーフルオロデシル−1,2−エポキシプロパン、3−(パーフルオロ−3−メチルブチル)−1,2−エポキシプロパン、3−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)−1,2−エポキシプロパン、3−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)−1,2−エポキシプロパン、3−パーフルオロオクチル−1,2−エポキシプロパン、[2,3,3,3−テトラフルオロ−2−(ヘプタフルオロプロポキシ)プロピル]エポキシド、3−(2,2,3,3−テトラフルオロプロピル)−1,2−エポキシプロパン、3−(1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルオキシ)−1,2−エポキシプロパン、3−(1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチルオキシ)−1,2−エポキシプロパン、3−(1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニルオキシ)−1,2−エポキシプロパン、1,4−ビス(2’,3’−エポキシプロピル)−パーフルオロ−n−ブタン等が挙げられる。これらエポキシ系モノマーは、1種単独であるいは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0049】
尚、上記エポキシ系モノマーは、従来より公知のビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ハロゲン化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ハロゲン化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、水素添加ビスフェノールAグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロシクロヘキセンジオキシド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキシド、エチレングリコールジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ソルビトールのテトラグリシジルエーテル、ジペンタエルスリトールのヘキサグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコール、グリセリン等の脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキシドを付加することによって得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖二塩基酸脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテルやフェノール、クレゾール、ブチルフェノール、またこれらにアルキレンオキシドを付加することによって得られるポリエーテルアルコールのモノグリシジルエーテル、高級脂肪酸のグリシジルエステル、エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシ化アマニ油、エポキシ化ポリブタジエン、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、1,2−エポキシヘキサデカン、メチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、エチレングリコールグリシジルフェニルエーテル、エチレングリコールベンジルグリシジルエーテル、ジエチレングリコールグリシジルテトラヒドロピラニルエーテル、グリシジルメタクリレート、グリシジルアセテート、グリシジロキシトリメトキシシラン、ビス(グリシジロキシ)ジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等と併用することができる。これらのモノマーは、1種単独であるいは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0050】
[2−2]オキセタン系モノマー
このオキセタン系モノマーは、後述するカチオン重合開始剤(C)によって硬化できる含フッ素オキセタン系化合物であれば特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。また、その分子構造、分子量等も特に限定されない。
【0051】
上記オキセタン系モノマーとしては、分子中の水素原子の一部又は全てがフッ素で置換された化合物が特に好ましく、例えば、3−メチル−3−[[(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8,トリデカフルオロオクチル)オキシ]メチル]オキセタン、3−メチル−3−[[(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチル)オキシ]メチル]オキセタン、3−メチル−3−[(2,2,2−トリフルオロエトキシ)メチル]オキセタン等が挙げられる。これらオキセタン系モノマーは、1種単独であるいは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0052】
尚、上記オキセタン系モノマーは、従来より公知の3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−アリロキシメチル−3−エチルオキセタン、(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチルベンゼン、4−フルオロ−〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、4−メトキシ−〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、イソブトキシメチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−エチルヘキシル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチルジエチレングリコール(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンタジエン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラヒドロフルフリル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−テトラブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−トリブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシプロピル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ブトキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタクロロフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサ−ノナン、1,4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ブタンジオールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ヘキサンジオールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ポリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチレンオキシド(以下、「EO」という。)変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、プロピレンオキシド(以下、「PO」という。)変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールFビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロールプロパンテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カーボネートビスオキセタン、アジペートビスオキセタン、テレフタレートビスオキセタン、シクロヘキサンジカルボン酸ビスオキセタン、3−(3−メチル−3−オキセタンメトキシ)プロピルトリエトキシシラン、3−(3−エチル−3−オキセタンメトキシ)プロピルトリメトキシシラン等と併用することができる。これらのモノマーは、1種単独であるいは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0053】
本組成物中の上記含フッ素カチオン重合性モノマー(B)の含有量は、好ましくは1〜85質量%、より好ましくは10〜75質量%である。1質量%未満では、本組成物の硬化性が劣る傾向にある。一方、85質量%を超えると、本組成物を用いて得られる硬化物の表面硬度が低下する傾向にある。
【0054】
[3]カチオン重合開始剤(C)
このカチオン重合開始剤は、その種類によって、本組成物を熱硬化性とすることができるし、光硬化性とすることもできる。
【0055】
[3−1]熱硬化性カチオン重合開始剤(C1)
この熱硬化性カチオン重合開始剤(C1)は、加熱により重合開始カチオンを生ずるもの、より詳しくは加熱により活性化され開環重合性基の開環を誘発するものであれば特に限定されない。上記熱硬化性カチオン重合開始剤(C1)としては、例えば、オニウム塩類、有機金属錯体類等が挙げられる。これらは、それぞれ1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0056】
上記オニウム塩類としては、第四級アンモニウム塩、ホスホニウム塩及びスルホニウム塩等が挙げられ、例えば、「アデカオプトンCP−66」及び「アデカオプトンCP−77」(いずれも商品名、旭電化工業社製)、「サンエイドSI−60L」、「サンエイドSI−80L」及び「サンエイドSI−100L」(いずれも商品名、三新化学工業社製)、「CIシリーズ」(日本曹達社製)等の市販品を用いることができる。
また、上記有機金属錯体類としては、例えば、アルコキシシラン−アルミニウム錯体等が挙げられる。
【0057】
本組成物を熱硬化性組成物として用いる場合、本組成物中の上記熱硬化性カチオン重合開始剤(C1)の含有量は、好ましくは0.01〜5質量%、より好ましくは0.5〜3質量%である。0.01質量%未満では、熱の作用により活性化しても、開環重合性基の開環反応を十分に進行させることができないことがあり、本組成物を用いて得られる硬化物の耐熱性及び強度が不十分となる場合がある。一方、5質量%を超えると、重合を進行する作用はそれ以上高まらない傾向にあり、逆に硬化物の耐熱性及び強度が低下することがある。
【0058】
[3−2]光硬化性カチオン重合開始剤(C2)
この光硬化性カチオン重合開始剤(C2)は、光により重合開始カチオンを生ずるもの、より詳しくは光を照射されて活性化され開環重合性基の開環を誘発するものであれば特に限定されない。上記光カチオン重合開始剤(C2)としては、例えば、オニウム塩類、有機金属錯体類等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0059】
上記オニウム塩類としては、ジアゾニウム塩、スルホニウム塩及びヨードニウム塩等が挙げられる。また、上記有機金属錯体類としては、例えば、鉄−アレン錯体、チタノセン錯体及びアリールシラノール−アルミニウム錯体等が挙げられ、例えば、「オプトマーSP−150」及び「オプトマーSP−170」(いずれも商品名、旭電化工業社製)、「UVE−1014」(商品名、ゼネラルエレクトロニクス社製)、「CD−1012」(商品名、サートマー社製)等の市販品を用いることができる。
【0060】
本組成物を光硬化性組成物として用いる場合、本組成物中の上記光硬化性カチオン重合開始剤(C2)の含有量は、好ましくは0.01〜5質量%、より好ましくは0.5〜3質量%である。0.01質量%未満では、光の作用により活性化しても、開環重合性基の開環反応を十分に進行させることができないことがあり、本組成物を用いて得られる硬化物の耐熱性及び強度が不十分となる場合がある。一方、5質量%を超えると、重合を進行する作用はそれ以上高まらない傾向にあり、逆に硬化物の耐熱性及び強度が低下することがある。
【0061】
[4]添加剤
本発明の硬化性組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、有機溶剤、無機充填材、光増感剤、レベリング剤、消泡剤、シランカップリング剤、帯電防止剤、酸化防止剤、着色剤等を含有させることができる。
特に有機溶剤は、本組成物の粘度をコントロールしてコーティングを容易にするために有用であり、例えば、エタノール、メタノール、イソブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール等のアルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン等のエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、無機充填材は、組成物へのチクソトロピー性の付与、あるいは得られる皮膜の屈折率の調整のために有用であり、例えば、フッ化マグネシウム粉、シリカ粉が好ましく用いられる。無機充填材を用いる場合の含有量は、本組成物全体に対して、好ましくは5〜90質量%、より好ましくは20〜80質量%である。
【0062】
[5]硬化性組成物の調製方法
本発明の硬化性組成物は、熱硬化性とするか光硬化性とするかにより調製方法が異なる。
【0063】
[5−1]熱硬化性組成物の調製方法
本発明の熱硬化性組成物は、上記の成分を従来公知の混合機で攪拌し、上記添加剤等を均一に分散させることにより得ることができる。具体的な装置としては、チェンジ缶式ミキサー、プラネタリーミキサー、ディスパー、ヘンシェルミキサー、ニーダー、インクロール、押出機、3本ロールミル、サンドミル等が挙げられる。尚、装置の種類によっては混合中に発生する摩擦熱により熱カチオン重合開始剤(C1)が活性化されることがあるため、組成物を40℃以下、好ましくは25℃以下に保つべく冷却しながら混合するとよい。
【0064】
[5−2]光硬化性組成物の調製方法
本発明の光硬化性組成物は、上記の成分を従来公知の混合機で攪拌し、無機充填材(D)を均一に分散させることにより得ることができる。具体的な装置としては、チェンジ缶式ミキサー、プラネタリーミキサー、ディスパー、ヘンシェルミキサー、ニーダー、インクロール、押出機、3本ロールミル、サンドミル等が挙げられる。
【0065】
[6]組成物の硬化方法
本発明の硬化性組成物は、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、スピンコート法、カーテンコート法、グラビア印刷法、シルクスクリーン法、インクジェット法等の方法により各種基材にコーティングし、以下の方法で硬化することができる。
【0066】
[6−1]熱硬化性組成物の硬化方法
本発明の熱硬化性組成物をコーティングした場合の硬化方法は、通常、本組成物に含有される熱カチオン重合開始剤(C1)がカチオン種及びルイス酸の生成を開始する温度以上で加熱を行い、その好ましい温度は50〜200℃であり、更に好ましくは75〜180℃である。
【0067】
[6−2]光硬化性組成物の硬化方法
本発明の光硬化性組成物をコーティングした場合の硬化方法は、光照射によることができる。この光照射を行う装置としては、従来公知の光照射装置であれば特に限定されないが、波長400nm以下に発光分布を有する、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ等を用いることができる。本組成物からなる塗膜への光照射強度は、目的、用途によって選択されるため特に限定されないが、光カチオン重合開始剤(C2)の活性化に有効な光波長領域(光ラジカル重合開始剤によって異なるが、通常、300〜420nmの光が用いられる。)の光照射強度が0.1〜100mW/cmであることが好ましい。本組成物からなる塗膜への光照射強度が0.1mW/cm未満であると、反応時間が長くなる傾向にあり、一方、100mW/cmを超えると、光照射装置から輻射される熱により、硬化物及び基材の黄変あるいは強度の低下が生じるおそれがある。
【0068】
また、組成物への光照射時間は、目的、用途によって選択されるため特に限定されないが、上記光波長領域における光照射強度及び光照射時間の積として表される積算光量が10〜5,000mj/cmとなるように考慮し、選択することが好ましい。本組成物からなる塗膜への積算光量が10mj/cm未満では、光カチオン重合開始剤(C2)の活性化が十分でなく、硬化物の強度が低下する傾向があり、一方、5,000mj/cmを超えると、照射時間が非常に長時間となり、生産性に劣る傾向にある。また、活性エネルギー線照射後の0.1〜数分後には、ほとんどの塗膜はカチオン重合反応が進行して指触乾燥するが、カチオン重合反応を促進するために加熱を行っても場合によっては好ましい。
【0069】
本発明の硬化性組成物からなる硬化物は、表面硬度を好ましくはH以上、より好ましくは2H以上とすることができる。また、本組成物は、ポリオルガノシロキサン(A)、含フッ素カチオン重合性モノマー(B)の含有割合を広い範囲で選択することができ、皮膜とした場合に所望の屈折率を1.35〜1.45、好ましくは1.38〜1.42の範囲で得ることができる。更に、耐熱性の指標である5%重量減少温度は、好ましくは200℃以上、より好ましくは250℃以上、更に好ましくは280℃以上とすることができる。
【0070】
[7]反射防止膜
本発明の反射防止膜は、上記硬化性組成物を硬化してなるものである。硬化方法は、上記[6]項の説明と同様とすることができる。
本反射防止膜の厚さは特に限定されないが、通常、1〜1,000μm、好ましくは10〜100μmである。厚さが薄すぎると、反射防止能が不十分となる場合がある。また、大きさは、目的、用途により任意に選択すればよい。
本反射防止膜はそれ自身独立した膜であってもよいし、レンズ、フィルター、ディスプレイ等を基材とするその表面に接合された膜であってもよい。
【0071】
【実施例】
以下に、例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
【0072】
1.ポリオルガノシロキサン(A)の合成
合成例1
攪拌機及び温度計を備えた反応器に、イソプロピルアルコール100ml、下記式(8)で示される3−(3−メチル−3−オキセタンメトキシ)プロピルトリエトキシシラン(以下、「Oxe−TRIES」という。)16.03g(50mmol)と、下記式(9)で示される(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2,−テトラヒドロデシル)トリエトキシシラン30.52g(50mmol)を仕込んだ後、1%塩酸5.5g(HO;0.3mol、HCl;1.5mmol)を徐々に加えて、60℃で攪拌した。反応の進行をGPCにより追跡し、Oxe−TRIESがほぼ消失した時点(混合物の添加開始から8時間後)で反応完結とした。引き続き、減圧下に溶媒を留去し、数平均分子量が1,200、粘度が9,600mPa・s、屈折率が1.390の無色透明なポリオルガノシロキサン(以下、「樹脂A1」という。)を得た。
【0073】
【化13】
Figure 0004103702
【0074】
【化14】
Figure 0004103702
【0075】
合成例2
攪拌機及び温度計を備えた反応器に、イソプロピルアルコール100ml、上記式(8)で示されるOxe−TRIES16.03g(50mmol)と、下記式(10)で示される(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン10.91g(50mmol)を仕込んだ後、1%塩酸5.5g(HO;0.3mol、HCl;1.5mmol)を徐々に加えて、30℃で攪拌した。反応の進行をGPCにより追跡し、Oxe−TRIESがほぼ消失した時点(混合物の添加開始から20時間後)で反応完結とした。引き続き、減圧下に溶媒を留去し、数平均分子量が1,300、粘度が12,000mPa・s、屈折率が1.438の無色透明なポリオルガノシロキサン(以下、「樹脂A2」という。)を得た。
【0076】
【化15】
Figure 0004103702
【0077】
比較合成例1(アクリル基及びフルオロアルキル基を有するポリオルガノシロキサンの合成)
攪拌機及び温度計を備えた反応器に、イソプロピルアルコール100ml、下記式(11)で示される3−メタクリロイルプロピルトリメトキシシラン12.42g(50mmol)と、(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2,−テトラヒドロデシル)トリエトキシシラン30.52g(50mmol)を仕込んだ後、1%塩酸5.5g(HO;0.3mol、HCl;1.5mmol)を徐々に加えて、30℃で攪拌した。反応の進行をGPCにより追跡し、原料のアルコキシシランがほぼ消失した時点(混合物の添加開始から20時間後)で反応完結とした。引き続き、減圧下に溶媒を留去し、数平均分子量が2,200、粘度が11,000mPa・s、屈折率が1.385である無色透明なポリオルガノシロキサン(以下、「樹脂A3」という。)を得た。
【0078】
【化16】
Figure 0004103702
【0079】
比較合成例2(オキセタニル基を有し、フルオロアルキル基を有さないポリオルガノシロキサンの合成)
攪拌機及び温度計を備えた反応器に、イソプロピルアルコール200g、Oxe−TRIES80.13g(0.25mol)と、メチルトリエトキシシラン126.59g(0.71mol)を仕込んだ後、1%塩酸52.32g(HO;2.87mol、HCl;14.3mmol)を徐々に加えて、25℃で攪拌した。反応の進行をGPCにより追跡し、原料のOxe−TRIESがほぼ消失した時点(混合物の添加開始から20時間後)で反応完結とした。引き続き、減圧下に溶媒を留去し、数平均分子量が2,600、粘度が32,000mPa・s、屈折率が1.455である無色透明なポリオルガノシロキサン(以下、「樹脂A4」という。)を得た。
【0080】
2.硬化性組成物の調製及び硬化物の評価
2−1.光硬化性組成物の調製及び評価
実施例1
上記合成例1で得られた「樹脂A1」90質量部と、1,2−エポキシヘキサデカン(以下、「モノマーB1」という。)8質量部、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート(以下、「光重合開始剤」という。)2質量部と、をディスパーにより、15分間攪拌した。その後、脱泡を行い、光硬化性組成物を調製した。
【0081】
上記光硬化性組成物を、バーコーターを用いてガラス基板上に約20μmの厚さに塗布した。その塗膜に、表面のタックがなくなるまで下記条件による紫外線照射を行った。
[UV照射条件]
ランプ;80W/cm高圧水銀ランプ
ランプ高さ;10cm
コンベアスピード;10m/min
照射パス回数;10回
雰囲気;大気。
【0082】
紫外線照射により得られた硬化物を、以下の方法により評価した。その結果を表1に示す。
(1)光沢度
上記により得られた硬化膜を、温度25℃、湿度60%の恒温恒湿室内に24時間放置した後、JIS K5600−4−7に準じ、日本電色工業社製光沢計「VG2000」を用いて、20°の入射角で測定した。
(2)表面硬度
上記により得られた硬化膜を、温度25℃、湿度60%の恒温恒湿室内に24時間放置した後、JIS K5400に準じて表面の鉛筆硬度を測定した。
(3)屈折率の評価
上記により得られた硬化膜の20℃における屈折率を、アッベ式屈折率計を用いて波長589nmの光源で測定した。
(4)耐熱性
光硬化性組成物を、縦5mm×横5mm×深さ1mmのフッ素樹脂製鋳型に流し込み、上記条件で紫外線照射を行い、硬化物を得た。この硬化物を、温度25℃、湿度60%の恒温恒湿室内に24時間放置した後、セイコーインスツルメント社製熱重量分析装置「TG/DTA220」を用い、下記条件で5%重量減少温度を測定した。
[測定条件]
測定温度範囲;25〜500℃
昇温速度;20℃/分
雰囲気;空気中。
【0083】
【表1】
Figure 0004103702
【0084】
実施例2〜4
表1に記載の成分を所定量使用したこと以外は、実施例1と同様にして光硬化性組成物を調製した。尚、表1において、「モノマーB2」は、3−パーフルオロオクチル−1,2−エポキシプロパンである。得られた光硬化性組成物の評価は上記と同様にして行い、その結果を表1に併記した。
【0085】
比較例1
上記比較合成例1で得られた「樹脂A3」100質量部と、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(光ラジカル重合開始剤)3質量部と、を用い、上記実施例1と同様にして光硬化性組成物を調製した。
この光硬化性組成物を、バーコーターを用いてガラス基板上に約20μmの厚さに塗布した。その塗膜に、下記条件による紫外線照射を行ったが、空気に触れた状態では、表面のタックがなくなることは無かった。
【0086】
比較例2
表1に記載の成分を所定量使用したこと以外は、実施例1と同様にして光硬化性組成物を調製した。尚、表1において、「モノマーB3」は、下記式(12)で示される3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレートである。得られた光硬化性組成物の評価は上記と同様にして行い、その結果を表1に併記した。
【化17】
Figure 0004103702
【0087】
2−2.熱硬化性組成物の調製及び評価
実施例5
上記合成例1で得られた「樹脂A1」90質量部と、3−パーフルオロオクチル−1,2−エポキシプロパン8質量部と、熱重合開始剤(商品名;「サンエイドSI−60L」、三新化学工業社製)2質量部と、をディスパーにより、15分間攪拌した。その後、脱泡を行い、熱硬化性組成物を調製した。
【0088】
上記熱硬化性組成物を用いて硬化物を得て、以下の方法により上記評価を行った。その結果を表1に併記した。
表面硬度を測定するために、熱硬化性組成物を、バーコーターを用いてガラス基板上に約20μmの厚さに塗布し、150℃で1時間加熱し硬化膜を得た。この硬化膜を、温度25℃、湿度60%の恒温恒湿室内に24時間放置した後、上記と同様にして表面の鉛筆硬度を測定した。
【0089】
屈折率を測定するために、熱硬化性組成物を、フッ素樹脂板上に20μmの厚さに塗布し、上記条件で加熱硬化し硬化膜を得た。この硬化膜の屈折率は、上記と同様にして測定した。
また、耐熱性を評価するために、熱硬化性組成物を、縦5mm×横5mm×深さ1mmのフッ素樹脂製鋳型に流し込み、150℃で1時間加熱し硬化物を得た。この硬化膜の耐熱性は、上記と同様にして測定した。
【0090】
比較例3
上記比較合成例1で得られた「樹脂A3」100質量部と、ベンゾイルパーオキサイド(熱ラジカル重合開始剤)3質量部と、を用い、実施例5と同様にして熱硬化性組成物を調製した。
この熱硬化性組成物を、バーコーターを用いてガラス基板上に約20μmの厚さに塗布した。その塗膜に、150℃×1時間の加熱を行ったが、空気に触れた状態では、表面のタックがなくなることは無かった。
【0091】
比較例4
表1に記載の成分を所定量使用したこと以外は、実施例5と同様にして熱硬化性組成物を調製した。得られた熱硬化性組成物の評価は上記と同様にして行い、その結果を表1に併記した。
【0092】
3.実施例の効果
表1より、比較例2及び4の硬化性組成物は、その硬化物の光沢度が153及び154と非常に高い。一方、実施例1〜5の硬化性組成物は、硬化物とした場合に光沢度が116〜137と低く、即ち反射率が低い。また、1.35〜1.45という低い屈折率が得られた。更に、各成分の含有量を変化させることにより屈折率の制御が容易であることが分かる。また、表面硬度及び耐熱性にも優れている。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で表される有機ケイ素化合物(I)、及び下記一般式(2)で表される有機ケイ素化合物(II)を含む有機ケイ素化合物の加水分解縮合物であるオキセタニル基を有するポリオルガノシロキサン(A)と、含フッ素カチオン重合性モノマー(B)と、カチオン重合開始剤(C)と、を含有することを特徴とする硬化性組成物。
    Figure 0004103702
    (上式において、Rはオキセタニル基を有する有機官能基であり、Xは加水分解性基であり、Xは互いに同一であっても異なっていてもよい。)
    Figure 0004103702
    (上式において、Rはフルオロアルキル基を有する有機官能基であり、Xは加水分解性基であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。)
  2. 上記一般式(1)におけるRは、下記式(2)で示される有機官能基である請求項1に記載の硬化性組成物。
    Figure 0004103702
    (上式において、Rは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、Rは炭素数2〜6のアルキレン基である。)
  3. 上記含フッ素カチオン重合性モノマー(B)が含フッ素エポキシ系化合物である請求項1又は2に記載の硬化性組成物。
  4. 本硬化性組成物を用いて得られる硬化物の屈折率が1.35〜1.45である請求項1乃至3のいずれかに記載の硬化性組成物。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の硬化性組成物を硬化してなることを特徴とする反射防止膜。
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